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Microsoft Office
Microsoftが、主にWindows用に開発したアプリケーションソフト群(アプリケーション・スウィートという)です。ワープロソフトであるWord、表計算ソフトであるExcel、プレゼンテーションソフトであるPowerPoint、データベースソフトであるAccess、ホームページ作成ソフトであるFrontPage、などをまとめてOfficeといいます。日本のパソコンの草創期には必ずしも一般的なソフトではありませんでしたが、現在では一般家庭から学校、企業など、幅広い場面で用いられています。 Officeは、OSのバージョンアップなどに伴って、数度のバージョンアップがありました。ここにはWindows95以降用のOfficeの変遷の概略を記します。 このほかにMac用、iPhone用、iPad用、Android用なども存在します。 また、2003までのバージョンの異なるOfficeで作成したファイルは、基本的に互換性が保たれています。例えば、Office2000のWord(この場合、「Word2000」と呼ぶ)で作成したファイルをOfficeXPのWord(「Word2002」と呼ぶ)で開いても、基本的に問題はありません。ただし、バージョンアップに従って機能の追加やインターフェースの若干の変更などが必ずあるので、必ずしも作成したのと同じバージョンで開いたときと全く同じになるとは限りません。特に上位バージョンで作成したファイルを下位バージョンで開く場合、その不具合の可能性は高くなります。 2007では保存形式の大幅な変更(doc→docx,xls→xlsx,ppt→pptx)が行われ、XML化(他のアプリケーションとの互換性を高める)、従来に比べてサイズ圧縮などの利点があります。しかし2007より昔のバージョンでは標準では開くことができないため、コンバータをMicrosoftのホームページからダウンロードする必要があります。ただし、コンバータを使用しても、上記の注意はこのケースにもあてはまり、2007での新機能は以前のバージョンでは反映されません。 必要な機能を必要な分だけサービスとして利用できるようにしたソフトウェアのことをSaaS(Software as a Service;サースあるいはサーズ)と呼びます。 Microsoft Office製品では、Microsoft Business Productivity Online Suite → Office365 を経て、2020年に Microsoft 365 とリブランドされました。 旧来のパッケージソフトとの違いは、Microsoft Officeソフトウェアスイートをサブスクリプション期間中に利用できるプランであるということで、有限のサポート期間はあるものの使用権の買取であったパッケージソフトとは異なりサブスクリプション期間を過ぎると契約を更新しない限り使用できなくなります。 また、クラウドサービスとの連携も図られており、PCで作成したデータをスマートフォンやタブレットで参照・変更するなどを行うことができます。 類似のサブスクリプションサービスとして、Googleが提供するGoogle Workspaceがあります。 以下に、代表的なOfficeソフトの簡単な特徴や用途を記します。 Microsoft Wordはワープロ(ワードプロセッサ)ソフトです。一般的な文書を作成するのに向いています。文字だけでなく、図や写真、動画を扱うこともできます。 Microsoft Excelは表計算ソフトです。表を作成し、表の中で四則計算や関数を用いた計算を行わせることができます。グラフを表示することもできます。 Microsoft Outlookは個人情報管理ソフトです。電子メールを主として、さらに予定表、連絡先管理、仕事管理、メモなどの管理ができます。 Microsoft PowerPointはプロジェクタを用いて発表する際などに用いる、プレゼンテーションソフトです。論文発表、商品説明によく使われます。 Microsoft Accessはデータベース作成ソフトです。さまざまなデータを属性に従って分類して管理するという点で表計算ソフトであるExcelと似ていますが、より大量のデータを収納し用途に応じて利用することができます。 Microsoft Onenote,Microsoft Publisher,Microsoft Project,Microsoft Visio等 各ソフトで、決まった操作をする必要があるときに、それら操作をまとめて自動化することができます。これをVisual Basic for Applications (VBA) といいます。キーボードなどの操作を記録するだけでも使用することができますが、より高度なプログラムを組むこともできます。Excelでの使用頻度が高いようです。 Officeは、各アプリケーションごとにも販売されていますが、いくつかのソフトをまとめてひとつのパッケージにまとめて割安に販売しているものもあります。また、パソコンに予めインストールしてある場合もあります。現在では、プロダクトキーの書かれたカードのようなものを店頭で販売したり、プロダクトキーだけをオンラインショップで購入することができるようになっています。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "Microsoftが、主にWindows用に開発したアプリケーションソフト群(アプリケーション・スウィートという)です。ワープロソフトであるWord、表計算ソフトであるExcel、プレゼンテーションソフトであるPowerPoint、データベースソフトであるAccess、ホームページ作成ソフトであるFrontPage、などをまとめてOfficeといいます。日本のパソコンの草創期には必ずしも一般的なソフトではありませんでしたが、現在では一般家庭から学校、企業など、幅広い場面で用いられています。", "title": "Microsoft Officeとは" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "Officeは、OSのバージョンアップなどに伴って、数度のバージョンアップがありました。ここにはWindows95以降用のOfficeの変遷の概略を記します。", "title": "Microsoft Officeのバージョン" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "このほかにMac用、iPhone用、iPad用、Android用なども存在します。", "title": "Microsoft Officeのバージョン" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "また、2003までのバージョンの異なるOfficeで作成したファイルは、基本的に互換性が保たれています。例えば、Office2000のWord(この場合、「Word2000」と呼ぶ)で作成したファイルをOfficeXPのWord(「Word2002」と呼ぶ)で開いても、基本的に問題はありません。ただし、バージョンアップに従って機能の追加やインターフェースの若干の変更などが必ずあるので、必ずしも作成したのと同じバージョンで開いたときと全く同じになるとは限りません。特に上位バージョンで作成したファイルを下位バージョンで開く場合、その不具合の可能性は高くなります。", "title": "Microsoft Officeのバージョン" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "2007では保存形式の大幅な変更(doc→docx,xls→xlsx,ppt→pptx)が行われ、XML化(他のアプリケーションとの互換性を高める)、従来に比べてサイズ圧縮などの利点があります。しかし2007より昔のバージョンでは標準では開くことができないため、コンバータをMicrosoftのホームページからダウンロードする必要があります。ただし、コンバータを使用しても、上記の注意はこのケースにもあてはまり、2007での新機能は以前のバージョンでは反映されません。", "title": "Microsoft Officeのバージョン" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "必要な機能を必要な分だけサービスとして利用できるようにしたソフトウェアのことをSaaS(Software as a Service;サースあるいはサーズ)と呼びます。 Microsoft Office製品では、Microsoft Business Productivity Online Suite → Office365 を経て、2020年に Microsoft 365 とリブランドされました。 旧来のパッケージソフトとの違いは、Microsoft Officeソフトウェアスイートをサブスクリプション期間中に利用できるプランであるということで、有限のサポート期間はあるものの使用権の買取であったパッケージソフトとは異なりサブスクリプション期間を過ぎると契約を更新しない限り使用できなくなります。 また、クラウドサービスとの連携も図られており、PCで作成したデータをスマートフォンやタブレットで参照・変更するなどを行うことができます。", "title": "サブスクリプションサービス" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "類似のサブスクリプションサービスとして、Googleが提供するGoogle Workspaceがあります。", "title": "サブスクリプションサービス" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "以下に、代表的なOfficeソフトの簡単な特徴や用途を記します。", "title": "各ソフトの紹介" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "Microsoft Wordはワープロ(ワードプロセッサ)ソフトです。一般的な文書を作成するのに向いています。文字だけでなく、図や写真、動画を扱うこともできます。", "title": "各ソフトの紹介" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "Microsoft Excelは表計算ソフトです。表を作成し、表の中で四則計算や関数を用いた計算を行わせることができます。グラフを表示することもできます。", "title": "各ソフトの紹介" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "Microsoft Outlookは個人情報管理ソフトです。電子メールを主として、さらに予定表、連絡先管理、仕事管理、メモなどの管理ができます。", "title": "各ソフトの紹介" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "Microsoft PowerPointはプロジェクタを用いて発表する際などに用いる、プレゼンテーションソフトです。論文発表、商品説明によく使われます。", "title": "各ソフトの紹介" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "Microsoft Accessはデータベース作成ソフトです。さまざまなデータを属性に従って分類して管理するという点で表計算ソフトであるExcelと似ていますが、より大量のデータを収納し用途に応じて利用することができます。", "title": "各ソフトの紹介" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "Microsoft Onenote,Microsoft Publisher,Microsoft Project,Microsoft Visio等", "title": "各ソフトの紹介" }, { "paragraph_id": 14, "tag": "p", "text": "各ソフトで、決まった操作をする必要があるときに、それら操作をまとめて自動化することができます。これをVisual Basic for Applications (VBA) といいます。キーボードなどの操作を記録するだけでも使用することができますが、より高度なプログラムを組むこともできます。Excelでの使用頻度が高いようです。", "title": "VBA" }, { "paragraph_id": 15, "tag": "p", "text": "Officeは、各アプリケーションごとにも販売されていますが、いくつかのソフトをまとめてひとつのパッケージにまとめて割安に販売しているものもあります。また、パソコンに予めインストールしてある場合もあります。現在では、プロダクトキーの書かれたカードのようなものを店頭で販売したり、プロダクトキーだけをオンラインショップで購入することができるようになっています。", "title": "Officeの配布形式" } ]
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{{Pathnav|メインページ|情報技術|frame=1}} {{Wikipedia}} == Microsoft Officeとは == [[w:Microsoft|Microsoft]]が、主にWindows用に開発したアプリケーションソフト群(アプリケーション・スウィートという)です。ワープロソフトであるWord、表計算ソフトであるExcel、プレゼンテーションソフトであるPowerPoint、データベースソフトであるAccess、ホームページ作成ソフトであるFrontPage、などをまとめてOfficeといいます。日本のパソコンの草創期には必ずしも一般的なソフトではありませんでしたが、現在では一般家庭から学校、企業など、幅広い場面で用いられています。 == Microsoft Officeのバージョン == Officeは、[[OSとアプリケーション|OS]]のバージョンアップなどに伴って、数度のバージョンアップがありました。ここにはWindows95以降用のOfficeの変遷の概略を記します。 * Office 97 * Office 2000 * Office XP ** 年度としては2002の扱い) * Office 2003 * Office 2007 * Office 2010 * Office 2013 * Office 2016 * Office 2019 このほかにMac用、iPhone用、iPad用、Android用なども存在します。 また、2003までのバージョンの異なるOfficeで作成したファイルは、基本的に互換性が保たれています。例えば、Office2000のWord(この場合、「Word2000」と呼ぶ)で作成したファイルをOfficeXPのWord(「Word2002」と呼ぶ)で開いても、基本的に問題はありません。ただし、バージョンアップに従って機能の追加やインターフェースの若干の変更などが必ずあるので、必ずしも作成したのと同じバージョンで開いたときと全く同じになるとは限りません。特に上位バージョンで作成したファイルを下位バージョンで開く場合、その不具合の可能性は高くなります。 2007では保存形式の大幅な変更(doc→docx,xls→xlsx,ppt→pptx)が行われ、XML化(他のアプリケーションとの互換性を高める)、従来に比べてサイズ圧縮などの利点があります。しかし2007より昔のバージョンでは標準では開くことができないため、コンバータをMicrosoftのホームページからダウンロードする必要があります。ただし、コンバータを使用しても、上記の注意はこのケースにもあてはまり、2007での新機能は以前のバージョンでは反映されません。 == サブスクリプションサービス == 必要な機能を必要な分だけサービスとして利用できるようにしたソフトウェアのことをSaaS(Software as a Service;サースあるいはサーズ)と呼びます。 Microsoft Office製品では、[[W:Microsoft Business Productivity Online Suite|Microsoft Business Productivity Online Suite]] → Office365 を経て、2020年に [[W:Microsoft 365|Microsoft 365]] とリブランドされました。 旧来のパッケージソフトとの違いは、Microsoft Officeソフトウェアスイートをサブスクリプション期間中に利用できるプランであるということで、有限のサポート期間はあるものの使用権の買取であったパッケージソフトとは異なりサブスクリプション期間を過ぎると契約を更新しない限り使用できなくなります。 また、クラウドサービスとの連携も図られており、PCで作成したデータをスマートフォンやタブレットで参照・変更するなどを行うことができます。 類似のサブスクリプションサービスとして、Googleが提供する[[W:Google Workspace|Google Workspace]]があります。 == 各ソフトの紹介 == 以下に、代表的なOfficeソフトの簡単な特徴や用途を記します。 === Word === [[w:Microsoft Word|Microsoft Word]]はワープロ([[w:ワードプロセッサ|ワードプロセッサ]])ソフトです。一般的な文書を作成するのに向いています。文字だけでなく、図や写真、動画を扱うこともできます。 === Excel === [[w:Microsoft Excel|Microsoft Excel]]は[[w:表計算ソフト|表計算ソフト]]です。表を作成し、表の中で四則計算や関数を用いた計算を行わせることができます。グラフを表示することもできます。 === Outlook=== [[w:Microsoft Outlook|Microsoft Outlook]]は個人情報管理ソフトです。電子メールを主として、さらに予定表、連絡先管理、仕事管理、メモなどの管理ができます。 === PowerPoint === [[w:Microsoft PowerPoint|Microsoft PowerPoint]]は[[w:プロジェクタ|プロジェクタ]]を用いて発表する際などに用いる、[[w:プレゼンテーション|プレゼンテーション]]ソフトです。論文発表、商品説明によく使われます。 === Access === [[w:Microsoft Access|Microsoft Access]]は[[w:データベース|データベース]]作成ソフトです。さまざまなデータを属性に従って分類して管理するという点で表計算ソフトであるExcelと似ていますが、より大量のデータを収納し用途に応じて利用することができます。 === その他のソフトウェア === Microsoft Onenote,Microsoft Publisher,Microsoft Project,Microsoft Visio等 == VBA == 各ソフトで、決まった操作をする必要があるときに、それら操作をまとめて自動化することができます。これを[[w:Visual Basic for Applications|Visual Basic for Applications]] (VBA) といいます。キーボードなどの操作を記録するだけでも使用することができますが、より高度なプログラムを組むこともできます。Excelでの使用頻度が高いようです。 == Officeの配布形式 == Officeは、各アプリケーションごとにも販売されていますが、いくつかのソフトをまとめてひとつのパッケージにまとめて割安に販売しているものもあります。また、パソコンに予めインストールしてある場合もあります。現在では、プロダクトキーの書かれたカードのようなものを店頭で販売したり、プロダクトキーだけをオンラインショップで購入することができるようになっています。 == 目次 == * [[Microsoft Word]] * [[Microsoft Excel]] * [[Microsoft PowerPoint]] * [[Microsoft Access]] * [[Visual Basic for Applications]] {{DEFAULTSORT:Microsoft Office}} [[Category:情報技術]] [[カテゴリ:Microsoft Office|*]] {{NDC|007.63}} [[fy:Microsoft Office]] [[nl:Microsoft Office]]
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2021-11-09T00:33:41Z
[ "テンプレート:Pathnav", "テンプレート:Wikipedia", "テンプレート:NDC" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/Microsoft_Office
2,957
画像映像・音楽入門
情報技術>画像映像・音楽入門 画像に関する基礎知識、ソフトを利用した画像処理やCGの作成について説明します。 動画の基礎知識、実際の動画作成方法について説明します。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "情報技術>画像映像・音楽入門", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "画像に関する基礎知識、ソフトを利用した画像処理やCGの作成について説明します。", "title": "画像処理・CG" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "動画の基礎知識、実際の動画作成方法について説明します。", "title": "動画" } ]
情報技術>画像映像・音楽入門
<small>[[情報技術]]>画像映像・音楽入門</small> ---- == 画像処理・CG == 画像に関する基礎知識、ソフトを利用した[[画像処理・CG|画像処理やCG]]の作成について説明します。 == ソフトウェア解説 == * [[GIMP]] * [[Inkscape]] * [[Blender]] == 動画 == [[動画]]の基礎知識、実際の動画作成方法について説明します。 === 動画編集 === * Adobe After Effects * [http://helpx.adobe.com/jp/premiere-pro.html Adobe Premiere] * [http://help.apple.com/finalcutpro/ Apple Final Cut Pro] * [http://help.apple.com/motion/mac/5.0/jp/motion/usermanual/ Apple Motion] * [http://avid.force.com/pkb/articles/ja/User_Guide/essential-guide-jp?retURL=%2Fpkb%2Farticles%2Fja%2Fuser_guide%2Fessential-guide-jp&popup=true Avid Media Composer] === VJ(ビデオジョッキー) === * [[ビデオジョッキー入門]] ** ビデオジョッキーの概要 ** ビデオジョッキー機材・準備 ==== VJソフトの使い方 ==== * [http://cogevj.hu/wiki/index.php?title=Japanese_Manual CoGe] * [http://opticious.jp/modul8/2012/04/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%AA%9E%E3%83%9E%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%82%92%E5%85%AC%E9%96%8B%E3%81%97%E3%81%BE%E3%81%97%E3%81%9F%EF%BC%81/ Modul8] * [https://www.resolume.com Resolume Avenue] * [https://vidvox.net VDMX5] === プロジェクションマッピング === * [[w:プロジェクションマッピング|プロジェクションマッピングの概要]] ==== ソフト ==== * [[MadMapper]] * [[Resolume Arena]] * [[VPT(VideoProjectionTool)]] ==== 参考文献 ==== * 尾崎マサル 『プロジェクション・マッピング入門』 玄光社〈玄光社MOOK〉、2013年。 === 動画その他 === * [[Processing]] * [[openFrameworks]] * [[Max(Max/MSP)]] * [[Pure Data]] {{デフォルトソート:かそうえいそうおんかくにゆうもん}} [[Category:芸術]] [[Category:情報技術]]
2005-11-20T10:44:45Z
2024-03-15T17:01:56Z
[]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E7%94%BB%E5%83%8F%E6%98%A0%E5%83%8F%E3%83%BB%E9%9F%B3%E6%A5%BD%E5%85%A5%E9%96%80
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OpenOffice.org
OpenOffice.org(以下、「OOo」)は、オープンソースでフリーウェアとして配布されているアプリケーションスウィート(アプリケーションの集合体)です。Microsoft Office(以下、MS Office)と同様に、数本のソフトウェアをまとめてOOoと呼んでいます。もともとはサン・マイクロシステムズ社のStar Suiteというソフトウェアをオープンソースとして公開したものが起源となっているため、初めから商用レベルのクオリティがありました。 特徴としては、オープンソースで無償で利用できること、またそれゆえに柔軟でスピーディな開発がなされていること、そしてMS Officeと高い互換性を有していることなどが挙げられましょう。極めて簡単に表現すると、「無償で使えるMS Office」ということです。実際には、互換性も完全ではなく、機能の食い違いやインターフェースなどの違いもまだまだ多いですが、MS Officeのいいとこどりと独自のアイデアを次々と搭載し、着実に進化を続けています。 独自機能の代表例として、OOoは、早い段階でpdfファイル生成機能を持っていました。pdfは、コンピュータに Adobe Reader という無料のソフトが入っていれば、どんな端末でも同じような表示が可能なファイルの形式です。そのため、どうしてもMS Officeとの互換性ゆえに問題があって相手にファイルを送っても表示できない、という場合でも、pdf形式で送れば容易に閲覧することができます。また、OOoになにも追加してインストールする必要なくpdfファイルを作成することが出来ます。 また、2005年10月にリリースされたOOo2.0では、新たにXMLに基いた形式 (OpenDocument) でも文書を保存できるようになりました。これにより、さらに様々な環境に対して互換性が高まりました。 各ソフトを大まかに紹介します。 OOoにおけるワープロソフトです。基本的な使いかたは、類似するMicrosoft OfficeのWordと大きくは変わりません。 OOoには、「スタイル」と呼ばれる独自の仕組みがあります。これは、文書中に使われる書式をひとまとめにしたもので、スタイルを適用したものを一括して変更することが出来ます。これにより、本文、見出しなどの見栄えを一定の形に整えることが出来ます。 F11を押すと、「スタイルと書式」とタイトルのあるボックスが出現します。デフォルトでは「本文」「見出し」などのいくつかのスタイルが存在しています。このスタイルをダブルクリックすると、その時点でカーソルの置かれている文書にたいして、そのスタイルを適用することが出来ます。また、水やりモードを使うと、マウスで簡単にいくつものをスタイルを適用出来ます。 スタイルを編集するには、コンテキストメニューを呼び出して、「変更」を選択します。すると、そのスタイルにおいて変更可能な項目が出ます。また、編集できるスタイルは、利用しているアプリケーションや適用する対象によって異なります。 OOoは、他のオフィススイートと同じように、マクロを利用して、作業の簡略化や機能の拡張を行うことが出来ます。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "OpenOffice.org(以下、「OOo」)は、オープンソースでフリーウェアとして配布されているアプリケーションスウィート(アプリケーションの集合体)です。Microsoft Office(以下、MS Office)と同様に、数本のソフトウェアをまとめてOOoと呼んでいます。もともとはサン・マイクロシステムズ社のStar Suiteというソフトウェアをオープンソースとして公開したものが起源となっているため、初めから商用レベルのクオリティがありました。", "title": "OpenOffice.orgとは" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "特徴としては、オープンソースで無償で利用できること、またそれゆえに柔軟でスピーディな開発がなされていること、そしてMS Officeと高い互換性を有していることなどが挙げられましょう。極めて簡単に表現すると、「無償で使えるMS Office」ということです。実際には、互換性も完全ではなく、機能の食い違いやインターフェースなどの違いもまだまだ多いですが、MS Officeのいいとこどりと独自のアイデアを次々と搭載し、着実に進化を続けています。", "title": "OpenOffice.orgとは" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "独自機能の代表例として、OOoは、早い段階でpdfファイル生成機能を持っていました。pdfは、コンピュータに Adobe Reader という無料のソフトが入っていれば、どんな端末でも同じような表示が可能なファイルの形式です。そのため、どうしてもMS Officeとの互換性ゆえに問題があって相手にファイルを送っても表示できない、という場合でも、pdf形式で送れば容易に閲覧することができます。また、OOoになにも追加してインストールする必要なくpdfファイルを作成することが出来ます。", "title": "OpenOffice.orgとは" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "また、2005年10月にリリースされたOOo2.0では、新たにXMLに基いた形式 (OpenDocument) でも文書を保存できるようになりました。これにより、さらに様々な環境に対して互換性が高まりました。", "title": "OpenOffice.orgとは" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "各ソフトを大まかに紹介します。", "title": "各ソフトの紹介" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "OOoにおけるワープロソフトです。基本的な使いかたは、類似するMicrosoft OfficeのWordと大きくは変わりません。", "title": "それぞれのソフトウェアを使う" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "", "title": "それぞれのソフトウェアを使う" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "OOoには、「スタイル」と呼ばれる独自の仕組みがあります。これは、文書中に使われる書式をひとまとめにしたもので、スタイルを適用したものを一括して変更することが出来ます。これにより、本文、見出しなどの見栄えを一定の形に整えることが出来ます。", "title": "それぞれのソフトウェアを使う" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "F11を押すと、「スタイルと書式」とタイトルのあるボックスが出現します。デフォルトでは「本文」「見出し」などのいくつかのスタイルが存在しています。このスタイルをダブルクリックすると、その時点でカーソルの置かれている文書にたいして、そのスタイルを適用することが出来ます。また、水やりモードを使うと、マウスで簡単にいくつものをスタイルを適用出来ます。", "title": "それぞれのソフトウェアを使う" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "スタイルを編集するには、コンテキストメニューを呼び出して、「変更」を選択します。すると、そのスタイルにおいて変更可能な項目が出ます。また、編集できるスタイルは、利用しているアプリケーションや適用する対象によって異なります。", "title": "それぞれのソフトウェアを使う" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "OOoは、他のオフィススイートと同じように、マクロを利用して、作業の簡略化や機能の拡張を行うことが出来ます。", "title": "それぞれのソフトウェアを使う" } ]
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<div class="pathnavbox"> * {{Pathnav|メインページ|情報技術}} * {{Pathnav|メインページ|日本における大学での学習}} </div> {{Wikipedia}} ---- == OpenOffice.orgとは == OpenOffice.org(以下、「OOo」)は、オープンソースでフリーウェアとして配布されているアプリケーションスウィート(アプリケーションの集合体)です。Microsoft Office(以下、MS Office)と同様に、数本のソフトウェアをまとめてOOoと呼んでいます。もともとはサン・マイクロシステムズ社のStar Suiteというソフトウェアをオープンソースとして公開したものが起源となっているため、初めから商用レベルのクオリティがありました。 特徴としては、オープンソースで無償で利用できること、またそれゆえに柔軟でスピーディな開発がなされていること、そしてMS Officeと高い互換性を有していることなどが挙げられましょう。極めて簡単に表現すると、「無償で使えるMS Office」ということです。実際には、互換性も完全ではなく、機能の食い違いやインターフェースなどの違いもまだまだ多いですが、MS Officeのいいとこどりと独自のアイデアを次々と搭載し、着実に進化を続けています。 独自機能の代表例として、OOoは、早い段階でpdfファイル生成機能を持っていました。pdfは、コンピュータに Adobe Reader という無料のソフトが入っていれば、どんな端末でも同じような表示が可能なファイルの形式です。そのため、どうしてもMS Officeとの互換性ゆえに問題があって相手にファイルを送っても表示できない、という場合でも、pdf形式で送れば容易に閲覧することができます。また、OOoになにも追加してインストールする必要なくpdfファイルを作成することが出来ます。 また、2005年10月にリリースされたOOo2.0では、新たにXMLに基いた形式 (OpenDocument) でも文書を保存できるようになりました。これにより、さらに様々な環境に対して互換性が高まりました。 == 各ソフトの紹介 == 各ソフトを大まかに紹介します。 ;Writer:MS OfficeのWordに相当する、ワープロソフト。細かいレイアウトや機能、素材などの違いを除けば、ほとんどWordと変わりないと言ってよいでしょう。 ;Calc :表計算ソフトです。 :Microsoft の 'Excel' や、旧ロータス・デベロップメント社の 'Lotus 1-2-3' のワークシートも読み込むことができ、Excel における Basicマクロにも互換性があります。 :ワークシート内で使用する標準関数群も、Excel と同じものが用意されていますが、引数の区切り文字、シート参照の際の記号など表記法が異なっています。 ;Impress:MS OfficeのPowerPointに相当する、プレゼンテーションソフト。機能的にはほぼ同等です。 ;Base:データベースソフト。データベース機能は以前からありましたが、2.0になって単体のソフトで実装されました。 ;Math:数式エディタ ;Draw:図形描画 ;HTML Editor == それぞれのソフトウェアを使う == === Writer === OOoにおけるワープロソフトです。基本的な使いかたは、類似する[[Microsoft Office]]のWordと大きくは変わりません。 *[[OpenOffice.org Writer]] === Calc === *[[OpenOffice.org Calc]] === Impress === === Base === === Draw === === 補助 === ==== Math ==== ==== HTML Editor ==== ===OOo独自の仕組み=== ====スタイル==== OOoには、「スタイル」と呼ばれる独自の仕組みがあります。これは、文書中に使われる書式をひとまとめにしたもので、スタイルを適用したものを一括して変更することが出来ます。これにより、本文、見出しなどの見栄えを一定の形に整えることが出来ます。 F11を押すと、「スタイルと書式」とタイトルのあるボックスが出現します。デフォルトでは「本文」「見出し」などのいくつかのスタイルが存在しています。このスタイルをダブルクリックすると、その時点でカーソルの置かれている文書にたいして、そのスタイルを適用することが出来ます。また、水やりモードを使うと、マウスで簡単にいくつものをスタイルを適用出来ます。 スタイルを編集するには、コンテキストメニューを呼び出して、「変更」を選択します。すると、そのスタイルにおいて変更可能な項目が出ます。また、編集できるスタイルは、利用しているアプリケーションや適用する対象によって異なります。 ;管理 :そのスタイルの名前、継承元などを定義出来ます。 ;インデントと間隔 :その文書の段落に対するインデント、改行の間隔などを定義出来ます。 ;配置 :その段落内での文書のレイアウトを定義出来ます。 ;体裁 :その文書に置けるハイフネーションなどを定義出来ます。 ;日本語の体裁 :日本語を利用した際の改行、ぶらざげなどを定義出来ます。 ;フォント :その文書において利用するフォントを指定出来ます。 ;フォント効果 :その文書において、フォントの見栄えを定義出来ます。 ;位置 :その文書における文字の配置、文字間隔などを定義出来ます。 ;日本語レイアウト :日本語におけるレイアウトの定義が出来ます。 ;番号付け :改行した際の番号や箇条書きの定義が出来ます。 ;タブ :タブを挿入した際の定義が出来ます。 ;ドロップギャップ :文書の最初の一文字を強調する設定が出来ます。 ;背景 :そのスタイル内の背景を定義出来ます。 ;外枠 :そのスタイル内の枠を定義出来ます。 ;条件 :スタイルを適用する際の条件を定義出来ます。 ;数 :Calcにおいて、セルで利用する書式を定義出来ます。 ;ページ :ページ全体のスタイルを編集する際に利用でき、印刷の大きさなどを定義出来ます。 ;ヘッダ :印刷する際のヘッダのスタイルを定義出来ます。 ;フッタ :印刷する際のフッタのスタイルを定義出来ます。 ;表 :Calcにおいて、印刷する方向などを定義出来ます。 ;箇条書き :Impressにおいて、改行する際の箇条書きの種類を定義出来ます。 ;番号付け :Impressにおいて、改行する際の番号付けの種類を定義出来ます。 ;図 :Impressにおいて、改行する際の箇条書きの図を定義出来ます。 ;オプション :Impressにおいて、レベルが変更されたときのレイアウトを定義出来ます。 ;コネクタ :Drawにおいて、オブジェクトを結ぶコネクタの種類を定義出来ます。 ;透過性 :Drawにおいて、オブジェクトの透過を定義出来ます。 ;テキスト :Drawにおいて、オブジェクトにテキストを挿入した際の定義が出来ます。 ;テキストアニメーション :Drawにおいて、オブジェクトにテキストを挿入した際のアニメーションを定義出来ます。 ;寸法の記入 :Drawにおいて、オブジェクトに記入する寸法を定義出来ます。 ====OOoにおけるマクロ==== OOoは、他のオフィススイートと同じように、マクロを利用して、作業の簡略化や機能の拡張を行うことが出来ます。 {{DEFAULTSORT:OpenOffice.org}} [[Category:OpenOffice.org|*]] [[Category:ソフトウェアのマニュアル]] {{NDC|007.63}} [[de:OpenOffice.org]] [[en:OpenOffice.org]] [[es:OpenOffice.org]] [[eu:OpenOffice.org]] [[fi:Vapautta tietoyhteiskuntaan!/OpenOffice.org]] [[fr:OpenOffice.org]] [[he:אופן אופיס]] [[hu:OpenOffice.org a gyakorlatban]] [[it:OpenOffice.org]] [[ka:ღია ოფისი (Open Office)]] [[nl:Portaal:OpenOffice.org]] [[pl:OpenOffice.org]] [[pt:OpenOffice.org]] [[th:คู่มือติดตั้ง OpenOffice.org 2.0]] [[zh:OpenOffice.org]]
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2011-09-18T12:52:25Z
[ "テンプレート:Pathnav", "テンプレート:Wikipedia", "テンプレート:NDC" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/OpenOffice.org
2,961
農学
大学の教科書 自然科学: 数学 - 物理学; 古典力学 量子力学 - 化学; 無機化学 有機化学 - 生物学; 植物学 研究技術 - 地球科学 - 医学; 解剖学 語学: 日本語 英語 エスペラント 朝鮮語 デンマーク語 ドイツ語 フランス語 ラテン語 ルーマニア語 人文科学: 歴史学; 日本史 中国史 世界史 歴史観 - 心理学 - 哲学 - 芸術; 音楽 美術 - 文学; 古典文学 漢詩 社会科学: 法学 - 経済学 - 地理学 - 教育学; 学校教育 教育史 情報技術: 情報工学; MS-DOS/PC DOS UNIX/Linux TeX/LaTeX CGI - プログラミング; BASIC C言語 C++ D言語 HTML Java JavaScript Lisp Mizar Perl PHP Python Ruby Scheme SVG 小・中・高校の教科書 小学: 国語 社会 算数 理科 英語 中学: 国語 社会 数学 理科 英語 高校: 国語 - 地歴 - 公民 - 数学; 公式集 - 理科; 物理 化学 地学 生物 - 外国語 - 情報 解説書・実用書・参考書 趣味: 料理本 - スポーツ - ゲーム 試験: 資格試験 - 入学試験 その他の本: 防災 - 生活と進路 - ウィキペディアの書き方 - ジョーク集 メインページ > 農学
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メインページ > 農学
{{Wikipedia|農学}} {{Wikiversity|School:農業|農業}} {{NDC|610}} {{進捗状況}} {{蔵書一覧}} {{Pathnav|メインページ}} == [[日本における大学での学習|大学の教科書]] == * [[園芸学]] ([[:en:Horticulture|en]]) ** [[サボテンの栽培]]{{進捗|25%|2007-02-21}} ** [[イチゴの水耕栽培]] ** [[盆栽]] ([[:en:Bonsai|en]]) * [[ダイズの栽培]]{{進捗|00%|2007-02-21}} * [[養蚕学]] * [[畜産学]] * [[獣医学]] ([[:en:Subject:Veterinary medicine|en]]) * [[農業工学]] * [[農芸化学]] * [[林学]] * [[水産学]] *[[農業経済学]] **[[農業簿記]] == 関連書架 == * [[アンズの栽培]] *[[飼育法]] - ペットの飼い方 [[Category:農学|*]] [[Category:自然科学|のうかく]]
2005-11-23T04:17:19Z
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2,962
TCP/IP入門
> 情報技術 ここは、TCP/IP入門の目次ページです。 ここでは、インターネットなど現代のほとんどのネットワークで使われているTCP/IPについて解説します。ネットワークを学ぶに当たって非常に重要な分野であり、サーバ構築やCCNA取得の際にも必要な知識となります。
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> 情報技術 ここは、TCP/IP入門の目次ページです。 ここでは、インターネットなど現代のほとんどのネットワークで使われているTCP/IPについて解説します。ネットワークを学ぶに当たって非常に重要な分野であり、サーバ構築やCCNA取得の際にも必要な知識となります。 概要 TCP/IPとは TCP/IPを学ぶ意義 各層の役割 アプリケーション層 トランスポート層 インターネット層 リンク層 IP TCPとUDP その他のプロトコル アプリケーション層のプロトコル トランスポート層のプロトコル インターネット層のプロトコル リンク層のプロトコル
{{Wikipedia|TCP/IP|TCP/IP}} > [[情報技術]] ここは、[[TCP/IP入門]]の目次ページです。 ここでは、インターネットなど現代のほとんどのネットワークで使われているTCP/IPについて解説します。ネットワークを学ぶに当たって非常に重要な分野であり、'''サーバ構築'''や[[:w:CCNA|CCNA]]取得の際にも必要な知識となります。 #[[TCP/IP入門 概要|概要]] ##[[TCP/IP入門 概要#TCP/IPとは|TCP/IPとは]] ##[[TCP/IP入門 概要#TCP/IPを学ぶ意義|TCP/IPを学ぶ意義]] #[[TCP/IP入門 各層の役割|各層の役割]] ##[[TCP/IP入門 各層の役割#アプリケーション層|アプリケーション層]] ##[[TCP/IP入門 各層の役割#トランスポート層|トランスポート層]] ##[[TCP/IP入門 各層の役割#インターネット層|インターネット層]] ##[[TCP/IP入門 各層の役割#リンク層|リンク層]] #[[TCP/IP入門 IP|IP]] #[[TCP/IP入門 TCPとUDP|TCPとUDP]] #その他のプロトコル ##アプリケーション層のプロトコル ##トランスポート層のプロトコル ##インターネット層のプロトコル ##リンク層のプロトコル [[Category:TCP/IP]] {{NDC|007.7}}
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2,963
遷移元素
高等学校化学 > 遷移元素 遷移元素とは周期表で3族~12族の元素を指す。それ以外の元素は典型元素と呼ばれる。 高校の無機化学では、遷移元素の中でも特にFe(鉄)、Cu(銅)、Ag(銀)、Au(金)、Cr(クロム)、Mn(マンガン)などを扱う。
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高等学校化学 > 遷移元素 遷移元素とは周期表で3族~12族の元素を指す。それ以外の元素は典型元素と呼ばれる。
<small> [[高等学校化学]] > 遷移元素</small> 遷移元素とは周期表で3族~12族の[[元素]]を指す<ref>第12族元素(亜鉛族元素)を遷移元素に含める場合と含めない場合があります。</ref>。それ以外の元素は[[典型元素]]と呼ばれる。 == 特徴 == *隣同士で性質が良く似ている。 *1つの元素が異なる酸化数をとる場合が多い。 **例:鉄は酸化数0と2と3を取りうる *遷移元素は、すべて金属元素である。 == 高校化学で扱う元素 == 高校の無機化学では、遷移元素の中でも特に'''Fe(鉄)'''、'''Cu(銅)'''、'''Ag(銀)'''、'''Au(金)'''、'''Cr(クロム)'''、'''Mn(マンガン)'''などを扱う。 == 脚註 == <references /> [[カテゴリ:元素|せんいけんそ]]
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2023-01-25T13:27:58Z
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2,964
LANとインターネット
ここでは、主にインターネットの仕組みや利用法を説明するため必須となる、コンピュータネットワークとLAN、インターネットとは何なのかをごく簡単に説明します。 コンピュータ同士が通信を行い、互いのデータをやり取りする形態です。やり取りするデータはデジタル情報として通信路を通っており、ここで扱われるのはデジタル化されたデータ全てです。つまり、文字情報だけでなく、画像や音声、動画やCGといった、デジタル化できるあらゆる情報がやり取りできるのです。 ただし、インターネットのような、通信規格がきちんと整備されていて誰でも利用できるネットワークとは違い、昔はハードウェアによって通信の方式が異なっていました。そのため、主に企業が自社製品同士での通信をする、というのが普通でした。しかし、1969年に誕生したARPANETというネットワークをきっかけに、万人共通で通信するための様々なプロトコルが誕生しました。プロトコルというのは、ある通信機能を使うにあたっての共通の方式です。例えば、メールの送受信にはお互いにPOPとSMTPというプロトコルを使う、ホームページをパソコン上で表示させるにはお互いにHTTPというプロトコルを使う、といった具合です。要は、ネットワーク内にいる者全員が同じプロトコルを使うことで、ハードウェアが違っても互いに同じ方式で通信できる、ということです。 プロトコルはマシンのシステムやOSに対応させる必要がありますが、現代ではTCP/IPというプロトコル群を、ほぼ全てのOSが記録していますので、少なくともインターネットに接続する際はあまり気にする必要はありません。TCP/IPについての詳細は、TCP/IP入門を参照してください。 コンピュータネットワークを、ネットワークの規模で分けると、LANとWANの2つに分けることができます。中でもLAN (Local Area Network) は、学校内限定、企業内限定、同一建造物内限定といった、限られた範囲で構築されたネットワークを指します。LAN同士をつなぐことで、地理的な限界を超えて広範囲でのネットワークを形成したものが、WAN (Wide Area Network) です。 LANの接続形態にはいくつかありますが、多くはクライアント・サーバ型の接続です。これは、サーバと言われるコンピュータが、インターネットへの接続やプリンタの共有、ファイルの共有といったサービスを提供するものとして存在し、他のコンピュータ(クライアントという)はサーバに接続することで、その恩恵を得られる、という形態です。サーバにもいくつか種類はありますが、例えばファイルサーバというサーバは、そのサーバ内に保存されているファイルを、つないでいるクライアント全員で共有できる、というものです。他にもプリンタサーバ、データベースサーバなどがあります。 世界中の大学や企業、研究所などで構築されたLAN同士をつなげ、世界規模で形成されたWANのことを、インターネットと呼びます。要約すると、世界中のネットワーク内にある情報を共有する、ということです。ただし、一般人が直接共有するということではありません。ISP(インターネット・サービス・プロバイダ いわゆるプロバイダ)がインターネットとの仲介役をしており、ISPが各地に用意したアクセスポイントへ利用者をアクセスさせ、間接的にインターネットへ接続させているのです。 また、通信方式はTCP/IPというプロトコル(通信に関する規格)を用いているため、現代ならばほぼどのようなコンピュータでも、インターネットへ接続することができます。
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== 概要 == ここでは、主にインターネットの仕組みや利用法を説明するため必須となる、コンピュータネットワークとLAN、インターネットとは何なのかをごく簡単に説明します。 ===コンピュータネットワーク=== コンピュータ同士が通信を行い、互いのデータをやり取りする形態です。やり取りするデータはデジタル情報として通信路を通っており、ここで扱われるのはデジタル化されたデータ全てです。つまり、文字情報だけでなく、画像や音声、動画やCGといった、デジタル化できるあらゆる情報がやり取りできるのです。 ただし、インターネットのような、通信規格がきちんと整備されていて誰でも利用できるネットワークとは違い、昔はハードウェアによって通信の方式が異なっていました。そのため、主に企業が自社製品同士での通信をする、というのが普通でした。しかし、1969年に誕生したARPANETというネットワークをきっかけに、万人共通で通信するための様々なプロトコルが誕生しました。プロトコルというのは、ある通信機能を使うにあたっての共通の方式です。例えば、メールの送受信にはお互いにPOPとSMTPというプロトコルを使う、ホームページをパソコン上で表示させるにはお互いにHTTPというプロトコルを使う、といった具合です。要は、ネットワーク内にいる者全員が同じプロトコルを使うことで、ハードウェアが違っても互いに同じ方式で通信できる、ということです。 プロトコルはマシンのシステムやOSに対応させる必要がありますが、現代ではTCP/IPというプロトコル群を、ほぼ全てのOSが記録していますので、少なくともインターネットに接続する際はあまり気にする必要はありません。TCP/IPについての詳細は、[[TCP/IP入門]]を参照してください。 ===LAN=== コンピュータネットワークを、ネットワークの規模で分けると、LANとWANの2つに分けることができます。中でもLAN (Local Area Network) は、学校内限定、企業内限定、同一建造物内限定といった、限られた範囲で構築されたネットワークを指します。LAN同士をつなぐことで、地理的な限界を超えて広範囲でのネットワークを形成したものが、WAN (Wide Area Network) です。 LANの接続形態にはいくつかありますが、多くはクライアント・サーバ型の接続です。これは、'''サーバ'''と言われるコンピュータが、インターネットへの接続やプリンタの共有、ファイルの共有といったサービスを提供するものとして存在し、他のコンピュータ(クライアントという)はサーバに接続することで、その恩恵を得られる、という形態です。サーバにもいくつか種類はありますが、例えばファイルサーバというサーバは、そのサーバ内に保存されているファイルを、つないでいるクライアント全員で共有できる、というものです。他にもプリンタサーバ、データベースサーバなどがあります。 ===インターネット=== 世界中の大学や企業、研究所などで構築されたLAN同士をつなげ、世界規模で形成されたWANのことを、インターネットと呼びます。要約すると、世界中のネットワーク内にある情報を共有する、ということです。ただし、一般人が直接共有するということではありません。ISP(インターネット・サービス・プロバイダ いわゆるプロバイダ)がインターネットとの仲介役をしており、ISPが各地に用意したアクセスポイントへ利用者をアクセスさせ、間接的にインターネットへ接続させているのです。 また、通信方式はTCP/IPというプロトコル(通信に関する規格)を用いているため、現代ならばほぼどのようなコンピュータでも、インターネットへ接続することができます。 {{NDC|007.7}}
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2013-01-26T10:36:05Z
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2,966
デンマーク語/基本表現
デンマーク語 > 基本表現 ここではデンマーク語でよく使われるいくつかの簡単な表現を紹介します。
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デンマーク語 > 基本表現 ここではデンマーク語でよく使われるいくつかの簡単な表現を紹介します。
[[デンマーク語]] > 基本表現 ---- ここではデンマーク語でよく使われるいくつかの簡単な表現を紹介します。 == 挨拶 == * '''God morgen''' (ゴモーン) - おはようございます 朝の挨拶(ごきげんよう) * '''God dag''' (ゴデイ) - こんにちは 日中の挨拶(ごきげんよう) * '''God aften''' (ゴアフテン) - こんばんは 午後の挨拶(ごきげんよう) * '''God nat''' (ゴナット) - おやすみなさい 夜の挨拶(ごきげんよう) * '''Hej''' (ハイ) - やあ * '''Farvel''' (ファヴェル) - さようなら * '''Hej/Hej hej''' (ハイ/ハイハイ) - じゃあね/バイバイ、いってきます * '''På gensyn''' (ポゲンシュン)- またね * '''Vi ses!''' (ヴィスィス)- またね、じゃあね、バイバイ、いってらっしゃい * '''Vi ses senere!''' (ヴィスィスセィナー) またあとで、いってきます * '''Fortsæt en god dag!''' (フォトセット ン ゴデイ) 良い一日を * '''God fornøjelse!''' (ゴフォノイエルセ) 楽しんでね * '''God rejse!''' (ゴライゼ) 良い旅を * '''Kør godt hjem!''' (クーアゴットイェム) 気をつけてかえってね(車を運転する人に) * '''Kom godt hjem!''' (コムゴットイェム) 気をつけてかえってね == 基本会話 == * '''Hvordan går det?''' (ヴォダン ガ デ) - ご機嫌いかがですか * '''Jeg har det godt''' (ヤ ハ デ ゴッ)- 私は元気です。 * '''Tak'''  (タク) - ありがとう * '''Mange tak'''  (マンゲタック) - ありがとう * '''Tusind tak'''  (チューセンタック) - ありがとう * '''(Mange/Tusind) Tak skal du have'''(タックスカドゥヘ) - ありがとうございます * '''Jeg hedder taro''' (ヤ ヘダ 太郎) - 私は太郎です。 * '''Mit navn er taro''' (ヤ ヘダ 太郎) - 私は太郎です。 * '''Jeg er japaner''' (ヤァ ヤペーナー) - 私は日本人です。 * '''Jeg er fra Japan''' (ヤァ フラ ヤパン) - 日本からきました。 * '''Jeg kommer fra Japan''' (ヤ コマ フラ ヤパン) - 私は日本出身です。 * '''ja''' (ヤ) - はい * '''nej''' (ナイ) - いいえ * '''jo''' (ヨ) - 否定形疑問文に対して、内容を認めるとき=YES. [[Category:デンマーク語|きほんひようけん]]
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2021-12-11T04:30:00Z
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2,967
デンマーク語
デンマーク語は主にデンマークで話されている言語で、インド・ヨーロッパ語族(印欧語族)ゲルマン語派のノルド諸語(北ゲルマン語)東ノルド語に属する言語です。話者は500万人ほどで多くはありませんが、文法が英語によく似ておりより単純で、語彙が少ないことから学びやすい言語として知られていますが、発音は母音が多く存在する(14個、r音の母音化)ことから日本人にとって容易いものではありません。また英語と違い、外国人が様々な母国語の影響を受けて話すデンマーク語にデンマーク語を母語とする人々が慣れていないことから、母音の発音を間違えたり、子音の発音が弱かったりする場合は何度も聞き返されることが多々あります。 スウェーデン語とノルウェー語に似ており、さらにドイツ語の影響を強く受けている言語です。デンマーク語が理解できるとスウェーデン語・ノルウェー語もある程度理解ができます。方言によっては名詞の性が、通常2つのところが3つになったりするなど、文法が標準のデンマーク語と違う場合があります。 デンマーク語で書かれた著名な文学としてアンデルセンの童話があります。
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デンマーク語は主にデンマークで話されている言語で、インド・ヨーロッパ語族(印欧語族)ゲルマン語派のノルド諸語(北ゲルマン語)東ノルド語に属する言語です。話者は500万人ほどで多くはありませんが、文法が英語によく似ておりより単純で、語彙が少ないことから学びやすい言語として知られていますが、発音は母音が多く存在する(14個、r音の母音化)ことから日本人にとって容易いものではありません。また英語と違い、外国人が様々な母国語の影響を受けて話すデンマーク語にデンマーク語を母語とする人々が慣れていないことから、母音の発音を間違えたり、子音の発音が弱かったりする場合は何度も聞き返されることが多々あります。 スウェーデン語とノルウェー語に似ており、さらにドイツ語の影響を強く受けている言語です。デンマーク語が理解できるとスウェーデン語・ノルウェー語もある程度理解ができます。方言によっては名詞の性が、通常2つのところが3つになったりするなど、文法が標準のデンマーク語と違う場合があります。 デンマーク語で書かれた著名な文学としてアンデルセンの童話があります。
'''デンマーク語'''は主に[[w:デンマーク|デンマーク]]で話されている言語で、[[w:インド・ヨーロッパ語族|インド・ヨーロッパ語族]](印欧語族)[[w:ゲルマン語派|ゲルマン語派]]の[[w:ノルド諸語|ノルド諸語]](北ゲルマン語)[[w:東ノルド語|東ノルド語]]に属する言語です。話者は500万人ほどで多くはありませんが、文法が英語によく似ておりより単純で、語彙が少ないことから学びやすい言語として知られていますが、発音は母音が多く存在する(14個、r音の母音化)ことから日本人にとって容易いものではありません。また英語と違い、外国人が様々な母国語の影響を受けて話すデンマーク語にデンマーク語を母語とする人々が慣れていないことから、母音の発音を間違えたり、子音の発音が弱かったりする場合は何度も聞き返されることが多々あります。 [[スウェーデン語]]と[[ノルウェー語]]に似ており、さらに[[ドイツ語]]の影響を強く受けている言語です。デンマーク語が理解できるとスウェーデン語・ノルウェー語もある程度理解ができます。方言によっては名詞の性が、通常2つのところが3つになったりするなど、文法が標準のデンマーク語と違う場合があります。 デンマーク語で書かれた著名な文学として[[w:ハンス・クリスチャン・アンデルセン|アンデルセン]]の童話があります。 == 目次 == # [[/基本表現|基本表現]] # [[/アルファベット|アルファベット]] # [[/基本単語|基本単語]] # 文法 ## [[/冠詞|冠詞]] ## [[/名詞|名詞]] ## [[/形容詞|形容詞]] ## [[/動詞|動詞]] ## [[/助動詞|助動詞]] ## [[/多語動詞|多語動詞]] ## [[/不定詞|不定詞]] # [[/数字|数字]] == 外部リンク == * [[:da:|ウィキブックスデンマーク語版]] * [[w:da:Forside|ウィキペディアデンマーク語版]] [[カテゴリ:ヨーロッパの言語|てんまあくこ]] [[Category:デンマーク語|*]] [[ca:Danès]] [[en:Danish]] [[fy:Deensk]] [[nl:Wikibooks:Wachtruimte/Deens]] [[pt:Dinamarquês]]
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2023-01-13T08:27:32Z
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https://ja.wikibooks.org/wiki/%E3%83%87%E3%83%B3%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%82%AF%E8%AA%9E
2,968
デンマーク語/アルファベット
デンマーク語 > アルファベット デンマーク語ではa-zのアルファベットにæ, ø, å の三文字を加えた29文字を使用します。配列は以下のとおりです。 æ, ø, å が入力しづらい環境などでは æ = ae, ø = oe, å = aa で代用されます。 デンマーク語は非常に母音が多い言語です。会話で使われる母音の数は日本語で5、英語で約15あります。一般に外国人が使うデンマーク語の教科書によれば、デンマーク語の母音の数は15個。Rの母音化を含めると16個あるといわれています。そのため日本語を母国語としている人にとって発音は非常に難しく、聞き取りで母音の区別をすることも困難です(訓練すればある程度までは身につけることができます)。カタカナでの表記は不可能ではないにしても、聞き取りをする人によって、その表記が大きく変わる場合があります。 一方で母音のうち o, u は日本語と同じであるなど簡単な面もあります。ここでは母音のうち英語と発音が異なるものを紹介します。 デンマーク語で母音に割り当てられている文字は a, e, i, o, u, y, æ, ø, å の9文字あります。このうち これら9文字の短母音、長母音、非円唇、円唇を合わせて多くの母音を使用します。 また j はイと読み半母音として使用します。 さらに、これらを組み合わせた二重母音も存在しています。 b, f, h, k, l, m, n, p, s, t, v は英語の読み方とほぼ同じです。 c, q, w, x, z は外来語のみで使われる文字です。 デンマーク語にはザ行 (ローマ字の z) にあたる音がありません。英語での s, x, z のようにこれらを濁って発音することもありません。
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デンマーク語 > アルファベット デンマーク語ではa-zのアルファベットにæ, ø, å の三文字を加えた29文字を使用します。配列は以下のとおりです。 æ, ø, å が入力しづらい環境などでは æ = ae, ø = oe, å = aa で代用されます。
[[デンマーク語]] > アルファベット ---- デンマーク語ではa-zのアルファベットにæ, ø, å の三文字を加えた29文字を使用します。配列は以下のとおりです。 {| border=0 cellspacing=0 |- align=center | 大文字 | A | B | C | D | E | F | G | H | I | J | K | L | M | N | O | P | Q | R | S | T | U | V | W | X | Y | Z | Æ | Ø | Å |- align=center | 小文字 | a | b | c | d | e | f | g | h | i | j | k | l | m | n | o | p | q | r | s | t | u | v | w | x | y | z | æ | ø | å |} æ, ø, å が入力しづらい環境などでは æ = ae, ø = oe, å = aa で代用されます。 == 母音 == デンマーク語は非常に母音が多い言語です。会話で使われる母音の数は日本語で5、英語で約15あります。一般に外国人が使うデンマーク語の教科書によれば、デンマーク語の母音の数は15個。Rの母音化を含めると16個あるといわれています。そのため日本語を母国語としている人にとって発音は非常に難しく、聞き取りで母音の区別をすることも困難です(訓練すればある程度までは身につけることができます)。カタカナでの表記は不可能ではないにしても、聞き取りをする人によって、その表記が大きく変わる場合があります。 一方で母音のうち '''o''', '''u''' は日本語と同じであるなど簡単な面もあります。ここでは母音のうち英語と発音が異なるものを紹介します。 デンマーク語で母音に割り当てられている文字は '''a''', '''e''', '''i''', '''o''', '''u''', '''y''', '''æ''', '''ø''', '''å''' の9文字あります。このうち * '''i''' はイーと読みます。ビールのイーに近い音です。 * '''y''' もイーと読みますが、その際に米語の r を発音するときのように舌を持ち上げるようにします。 * '''æ''' は a と e の中間の音です。唇をエとイの中間ほど開き、エを発音するときの調子で息を吐きます。舌も少し前に出します。参考:[[w:Æ|Æ]] * '''ø''' はもともと o と e の合字です。発音も唇をオの形(円唇)にしてエを発音すると近い音がでます。参考:[[w:Ø|Ø]]、[[w:Ö|Ö]] * '''å''' はaaの合字ですが発音で一番近いのはオです。唇、発音はオのままで舌を前に出すようにします。 これら9文字の短母音、長母音、非円唇、円唇を合わせて多くの母音を使用します。 また '''j''' はイと読み半母音として使用します。 さらに、これらを組み合わせた二重母音も存在しています。 == 子音 == '''b''', '''f''', '''h''', '''k''', '''l''', '''m''', '''n''', '''p''', '''s''', '''t''', '''v''' は英語の読み方とほぼ同じです。 * '''d''' は弱めにディと発音します。また、'''l''' の音として使われることもあります。重ねて dd となったときには/ð/(英語のth)の音が入ります。 * '''g''' はギと読みます。外来語では g が弱く発音されます。 '''c''', '''q''', '''w''', '''x''', '''z''' は外来語のみで使われる文字です。 * '''c''' はシと読み、'''e''', '''i''', '''y''', '''æ''' の前にきたときに '''s''' と同じ音として使用し、それ以外のケースでは '''k''' の音になります。 * '''q''' は '''k''' と同じです。 * '''w''' は '''v''' と同じです。 * '''x''' は単語の先頭では '''s'''、それ以外ではクスとなります。 * '''z''' は '''s''' と同じです。 デンマーク語にはザ行 (ローマ字の z) にあたる音がありません。英語での s, x, z のようにこれらを濁って発音することもありません。 == 外部リンク == * [http://home1.inet.tele.dk/ordsmed/faq9.html デンマーク語での各アルファベットの発音] [[Category:デンマーク語|あるふあへつと]]
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2017-04-08T15:44:41Z
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デンマーク語/基本単語
デンマーク語 > 基本単語 ここではデンマーク語の基本となる単語を紹介します。 人称代名詞は私、あなたなど人を表す単語です。英語やドイツ語と比較すると分かりやすいので参考にしてください。 erは英語のbe動詞に当たるものです。「~である」「~です」を意味します。人称による変化はありません 日本語では~さん、~様にあたるもの。英語のMr., Miss., Mrs.に当たる。 現在では役所や金融機関などからの文書の中でまれに見るくらいで、日常生活のなかでは殆ど使いません。 1970年代あたりまでを背景とするデンマーク映画やドラマでは、日常生活の中でも「〜さん」として、普通の人が敬称+苗字や二人称の敬称(De)を使っていた様子が窺えます。しかし、現在は、相手が学校の先生であろうと政治家であろうと「名前」で呼ぶことが普通です。ちなみに現代では、相手に対して二人称の敬称を使うことがあるとすれば、それは相手を「女王/王」とする場合だけです。
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デンマーク語 > 基本単語 ここではデンマーク語の基本となる単語を紹介します。
[[デンマーク語]] > 基本単語 ---- ここではデンマーク語の基本となる単語を紹介します。 == 人称代名詞 == 人称代名詞は私、あなたなど人を表す単語です。英語やドイツ語と比較すると分かりやすいので参考にしてください。 {| border=1 cellspacing=0 cellpadding=3 |- | colspan=2 rowspan=2 | &nbsp; ! colspan=4 | 主格 ! colspan=4 | 目的格 |- ! デ !! 英 !! 独 !! 日 !!デ !! 英 !! 独 !!日 |- | rowspan=3 | 単<br/>数 | 1人称 || jeg || I || ich || 私 || mig || me || mich || 私に |- | 2人称 || du || you || du || あなた || dig || you || dich ||あなたに |- | valign=top | 3人称 | han<br/>hun<br/>den/det || he<br/>she<br/>it || er<br/>sie<br/>es || 彼<br/>彼女<br/>それ || ham<br/>hende<br/>den/det || him<br/>her<br/>it || ihn<br/>sie<br/>es || 彼に<br/>彼女に<br/>それに |- | rowspan=3 | 複<br/>数 | 1人称 || vi || we || wir || 私達 || os || us || uns ||私達に |- | 2人称 || I || you || ihr ||あなた達 || jer || you || euch || あなた達に |- | 3人称 || de || they || sie || 彼ら || dem || them || sie ||彼らに |} == er == erは英語の[[w:be動詞|be動詞]]に当たるものです。「~である」「~です」を意味します。人称による変化はありません * Jeg er ~ - わたしは~です。 * Du er ~ - あなたは~です。 ; 例文 * Jeg er Japaner - 私は日本人です。 * Han er student - 彼は学生です。 <!--* Jeg kommer fra Japan. - 私は日本から着ました。(fra = from)--> == 敬称 == 日本語では~さん、~様にあたるもの。英語のMr., Miss., Mrs.に当たる。 現在では役所や金融機関などからの文書の中でまれに見るくらいで、日常生活のなかでは殆ど使いません。 1970年代あたりまでを背景とするデンマーク映画やドラマでは、日常生活の中でも「〜さん」として、普通の人が敬称+苗字や二人称の敬称(De)を使っていた様子が窺えます。しかし、現在は、相手が学校の先生であろうと政治家であろうと「名前」で呼ぶことが普通です。ちなみに現代では、相手に対して二人称の敬称を使うことがあるとすれば、それは相手を「女王/王」とする場合だけです。 * Herre = Mister 男性に(独:Herr) * Frøken = Ms., Miss 未婚女性に(独:Fräulein) * Frue = Mrs. 既婚女性に(独:Frau) == 接続詞 == * og = かつ(英:and,独:und) * eller = または (英:or,独:oder) * men = しかし (英:but, however,独:aber) * også = また (英:also, too, as well,独:auch) * med = ~と (英:with,独:mit) <!-- == 数字 == * 1 - en * 2 - to * 3 - tre * 4 - fir * 5 - fem * 6 - seks * 7 - syu * 8 - otte * 9 - ni * 10 - ti --> [[Category:デンマーク語|きほんたんこ]]
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2020-01-01T10:22:52Z
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南山大対策
本項は、南山大学の入学試験対策に関する事項である。 南山大学は、愛知県名古屋市にあるミッション系の私立大学である。入試問題はどの科目も基礎的な内容が中心であるため、高等学校の授業に沿ってしっかりと学習し、赤本(過去問)をやればよい。どの学部も傾向はほぼ同じなので他学部の分も赤本で演習する事が望ましい。河合塾に南山大英語や南山大国語といった南山大入試対策講座が設置されているのでそれらの講座を受講するのも有効な入試対策と言えよう。 入試方式は、一般入試方式(試験科目は英語・国語・地歴or数学)、センター50方式(センター試験数科目+個別試験数科目の総合結果による合否判決)、センター100方式(センター試験数科目の結果のみで合否判決)の3つに分かれている。 ミッション系で伝統的に語学教育が盛んな大学であり、英語が重視されている。主要な学部では200点配点である。しかし英語だけでなく3(2)教科を満遍なく点を取れることが合格の鍵となる。いかに早く赤本を解き始め問題傾向に慣れることが重要である。一般試験では英語・世界史は全問マーク式、国語・日本史はマーク+記述(論述)であり、学部(方式)によって必須科目・配点が変わる。また経済学部・経営学部・総合政策学部・理工学部にはA方式・B方式がある。経済Aと経済Bの違いはAの受験科目が英(200点)・国(150点)・日/世or数(共に100点)であるのに対し、Bは英(200点)・数(250点)と2科目のみであり数学の配点がとても高い。経営Aと経営Bの違いは必須科目数は同じ(ただしBに日/世はない)であるが国・数の配点が違う。(Aは国150点・数100点に対しBは国100点・数200点。英は共に200点。)総合政策A・Bの違いは配点のみである。共に英200点・国150点で、Aが日/世or数が100点配点に対しBは150点配点に変わっただけである。(総合政策学部はBでも日/世が選択可)また経済A・B、経営A・Bは同日のため複数受験できないが、総合政策A・Bは日程が違うため両方受験ができる。理工学部A・Bの違いは科目範囲と配点である。Aが物理I、II・化学I、IIに対しBは物理I・科学Iである。配点はAは理科・数学(共に200点)で高得点の方を1.5倍にし300点満点とするのに対しBは数学が300点満点となっている。共に英語は100点満点。A・B方式がないその他の配点は、法学部・外国語学部(英米学科)は英(200点)・国(150点)・日/世or数(150点)。人文学部が英・国(共に150点)・他100点。外国語学部(英米以外)は経済A・総合政策Aと同じ。なお外国語学部(英米以外も含む)にはリスニングテストも実施される。 センター50はセンター試験数科目+南山大学個別試験数科目の総合結果による合否判決を行う。英語が苦手な人向けの方式でもある。(センター試験での必要科目では英語以外の国語・数学・地歴公民・理科で受験する事ができる。学部によって異なるが、例えば経済・経営学部の場合センターで数学・国語+本学試験で数学・国語と英語が全く必要のない受験が可能。)基本個別試験は英語・国語・数学の3教科で、高得点の2教科が使われる。なお人文(心理人間以外)・外国語学部は数学が無く、英・国での受験となる。全学部・全学科共通問題(英・国全問マークセンスで配点も同じ)のため全学部同時併願が可能。また一般と日程が異なるため一般試験との併願もできる。センター50でのみ本学(名古屋)以外での受験が可能。 センター100はセンター試験のみで合否を決める方式。前期A(3教科)と前期B(5教科)、後期(3教科)の3種類ある。(人文学部キリスト教学科は前期Aのみの募集。) 英語 南山大英語の問題は比較的平易なので受験生は7割~8割を取ってくる点を考えるとやはり単純なミスは許されない。 南山大英語は(1)語法問題(文法)20問(2)短い長文の穴埋め(3)会話文の穴埋め(4)長文2題(5)誤りを選ぶ問題から成る。(日程ごとに問題の順番が変わる。) 穴埋めが合否をわけると言っても過言でないのでしっかり対策が必要。問題は全てマークセンスの4択。 日本史 マークセンス+記述+論述(約50字)である。赤本でしっかり演習することが望ましい。2011年度入試から選択肢にこれまでの「...誤りをえらべ。全て正しかったらオを選べ」がなくなり4択と平易化した。 世界史 オールマークセンスの50問。選択肢は基本5つで「...誤りをえらべ。全て正しかったらオを選べ」が難度を上げる。日本史が4択と平易したが世界史は依然5択なので注意。対策としては、中国以外のアジアの国々の歴史も知っておくこと、年代をしっかり覚えること、細かい事(各王朝の順番・家系図)も見落とさないこと。おおざっぱに言うと教科書準拠=教科書にのっていればいいってこと。教科書を細かく隅々まで見ることが大事。傾向をつかむため赤本でしっかり学習する事が望ましい。 国語 大学入試としては標準レベル。漢字・読みを落とすと痛いのでそこでのミスをいかに減らすか。 数学 穴埋めの小問集合1題と途中の過程を記述する大問2題の計3題出題される。難易度は基本から標準レベルの難易度である。小問集合で色んな分野から満遍なく出題されるので分野の穴がないように対策すべきである。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "本項は、南山大学の入学試験対策に関する事項である。", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "南山大学は、愛知県名古屋市にあるミッション系の私立大学である。入試問題はどの科目も基礎的な内容が中心であるため、高等学校の授業に沿ってしっかりと学習し、赤本(過去問)をやればよい。どの学部も傾向はほぼ同じなので他学部の分も赤本で演習する事が望ましい。河合塾に南山大英語や南山大国語といった南山大入試対策講座が設置されているのでそれらの講座を受講するのも有効な入試対策と言えよう。", "title": "" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "入試方式は、一般入試方式(試験科目は英語・国語・地歴or数学)、センター50方式(センター試験数科目+個別試験数科目の総合結果による合否判決)、センター100方式(センター試験数科目の結果のみで合否判決)の3つに分かれている。", "title": "入試方式" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "ミッション系で伝統的に語学教育が盛んな大学であり、英語が重視されている。主要な学部では200点配点である。しかし英語だけでなく3(2)教科を満遍なく点を取れることが合格の鍵となる。いかに早く赤本を解き始め問題傾向に慣れることが重要である。一般試験では英語・世界史は全問マーク式、国語・日本史はマーク+記述(論述)であり、学部(方式)によって必須科目・配点が変わる。また経済学部・経営学部・総合政策学部・理工学部にはA方式・B方式がある。経済Aと経済Bの違いはAの受験科目が英(200点)・国(150点)・日/世or数(共に100点)であるのに対し、Bは英(200点)・数(250点)と2科目のみであり数学の配点がとても高い。経営Aと経営Bの違いは必須科目数は同じ(ただしBに日/世はない)であるが国・数の配点が違う。(Aは国150点・数100点に対しBは国100点・数200点。英は共に200点。)総合政策A・Bの違いは配点のみである。共に英200点・国150点で、Aが日/世or数が100点配点に対しBは150点配点に変わっただけである。(総合政策学部はBでも日/世が選択可)また経済A・B、経営A・Bは同日のため複数受験できないが、総合政策A・Bは日程が違うため両方受験ができる。理工学部A・Bの違いは科目範囲と配点である。Aが物理I、II・化学I、IIに対しBは物理I・科学Iである。配点はAは理科・数学(共に200点)で高得点の方を1.5倍にし300点満点とするのに対しBは数学が300点満点となっている。共に英語は100点満点。A・B方式がないその他の配点は、法学部・外国語学部(英米学科)は英(200点)・国(150点)・日/世or数(150点)。人文学部が英・国(共に150点)・他100点。外国語学部(英米以外)は経済A・総合政策Aと同じ。なお外国語学部(英米以外も含む)にはリスニングテストも実施される。", "title": "入試方式" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "センター50はセンター試験数科目+南山大学個別試験数科目の総合結果による合否判決を行う。英語が苦手な人向けの方式でもある。(センター試験での必要科目では英語以外の国語・数学・地歴公民・理科で受験する事ができる。学部によって異なるが、例えば経済・経営学部の場合センターで数学・国語+本学試験で数学・国語と英語が全く必要のない受験が可能。)基本個別試験は英語・国語・数学の3教科で、高得点の2教科が使われる。なお人文(心理人間以外)・外国語学部は数学が無く、英・国での受験となる。全学部・全学科共通問題(英・国全問マークセンスで配点も同じ)のため全学部同時併願が可能。また一般と日程が異なるため一般試験との併願もできる。センター50でのみ本学(名古屋)以外での受験が可能。", "title": "入試方式" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "センター100はセンター試験のみで合否を決める方式。前期A(3教科)と前期B(5教科)、後期(3教科)の3種類ある。(人文学部キリスト教学科は前期Aのみの募集。)", "title": "入試方式" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "英語", "title": "科目別対策" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "南山大英語の問題は比較的平易なので受験生は7割~8割を取ってくる点を考えるとやはり単純なミスは許されない。 南山大英語は(1)語法問題(文法)20問(2)短い長文の穴埋め(3)会話文の穴埋め(4)長文2題(5)誤りを選ぶ問題から成る。(日程ごとに問題の順番が変わる。) 穴埋めが合否をわけると言っても過言でないのでしっかり対策が必要。問題は全てマークセンスの4択。", "title": "科目別対策" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "日本史", "title": "科目別対策" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "マークセンス+記述+論述(約50字)である。赤本でしっかり演習することが望ましい。2011年度入試から選択肢にこれまでの「...誤りをえらべ。全て正しかったらオを選べ」がなくなり4択と平易化した。", "title": "科目別対策" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "世界史", "title": "科目別対策" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "オールマークセンスの50問。選択肢は基本5つで「...誤りをえらべ。全て正しかったらオを選べ」が難度を上げる。日本史が4択と平易したが世界史は依然5択なので注意。対策としては、中国以外のアジアの国々の歴史も知っておくこと、年代をしっかり覚えること、細かい事(各王朝の順番・家系図)も見落とさないこと。おおざっぱに言うと教科書準拠=教科書にのっていればいいってこと。教科書を細かく隅々まで見ることが大事。傾向をつかむため赤本でしっかり学習する事が望ましい。", "title": "科目別対策" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "国語", "title": "科目別対策" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "大学入試としては標準レベル。漢字・読みを落とすと痛いのでそこでのミスをいかに減らすか。", "title": "科目別対策" }, { "paragraph_id": 14, "tag": "p", "text": "数学 穴埋めの小問集合1題と途中の過程を記述する大問2題の計3題出題される。難易度は基本から標準レベルの難易度である。小問集合で色んな分野から満遍なく出題されるので分野の穴がないように対策すべきである。", "title": "科目別対策" } ]
日本の大学受験ガイド > 南山大対策 本項は、南山大学の入学試験対策に関する事項である。 南山大学は、愛知県名古屋市にあるミッション系の私立大学である。入試問題はどの科目も基礎的な内容が中心であるため、高等学校の授業に沿ってしっかりと学習し、赤本(過去問)をやればよい。どの学部も傾向はほぼ同じなので他学部の分も赤本で演習する事が望ましい。河合塾に南山大英語や南山大国語といった南山大入試対策講座が設置されているのでそれらの講座を受講するのも有効な入試対策と言えよう。
{{wikipedia|南山大学}} *[[日本の大学受験ガイド]] > [[南山大対策]] 本項は、[[w:南山大学|南山大学]]の入学試験対策に関する事項である。 南山大学は、愛知県名古屋市にあるミッション系の私立大学である。入試問題はどの科目も基礎的な内容が中心であるため、高等学校の授業に沿ってしっかりと学習し、赤本(過去問)をやればよい。どの学部も傾向はほぼ同じなので他学部の分も赤本で演習する事が望ましい。 == 入試方式 == 入試方式は、一般入試方式(試験科目は英語・国語・地歴or数学)、センター50方式(センター試験数科目+個別試験数科目の総合結果による合否判決)、センター100方式(センター試験数科目の結果のみで合否判決)の3つに分かれている。 === 一般入試 === ミッション系で伝統的に語学教育が盛んな大学であり、英語が重視されている。主要な学部では200点配点である。しかし英語だけでなく3(2)教科を満遍なく点を取れることが合格の鍵となる。いかに早く赤本を解き始め問題傾向に慣れることが重要である。一般試験では英語・世界史は全問マーク式、国語・日本史はマーク+記述(論述)であり、学部(方式)によって必須科目・配点が変わる。また経済学部・経営学部・総合政策学部・理工学部にはA方式・B方式がある。経済Aと経済Bの違いはAの受験科目が英(200点)・国(150点)・日/世or数(共に100点)であるのに対し、Bは英(200点)・数(250点)と2科目のみであり数学の配点がとても高い。経営Aと経営Bの違いは必須科目数は同じ(ただしBに日/世はない)であるが国・数の配点が違う。(Aは国150点・数100点に対しBは国100点・数200点。英は共に200点。)総合政策A・Bの違いは配点のみである。共に英200点・国150点で、Aが日/世or数が100点配点に対しBは150点配点に変わっただけである。(総合政策学部はBでも日/世が選択可)また経済A・B、経営A・Bは同日のため複数受験できないが、総合政策A・Bは日程が違うため両方受験ができる。理工学部A・Bの違いは科目範囲と配点である。Aが物理Ⅰ、Ⅱ・化学Ⅰ、Ⅱに対しBは物理Ⅰ・科学Ⅰである。配点はAは理科・数学(共に200点)で高得点の方を1.5倍にし300点満点とするのに対しBは数学が300点満点となっている。共に英語は100点満点。A・B方式がないその他の配点は、法学部・外国語学部(英米学科)は英(200点)・国(150点)・日/世or数(150点)。人文学部が英・国(共に150点)・他100点。外国語学部(英米以外)は経済A・総合政策Aと同じ。なお外国語学部(英米以外も含む)にはリスニングテストも実施される。 === センター利用(センター50・センター100)=== センター50はセンター試験数科目+南山大学個別試験数科目の総合結果による合否判決を行う。英語が苦手な人向けの方式でもある。(センター試験での必要科目では英語以外の国語・数学・地歴公民・理科で受験する事ができる。学部によって異なるが、例えば経済・経営学部の場合センターで数学・国語+本学試験で数学・国語と英語が全く必要のない受験が可能。)基本個別試験は英語・国語・数学の3教科で、高得点の2教科が使われる。なお人文(心理人間以外)・外国語学部は数学が無く、英・国での受験となる。全学部・全学科共通問題(英・国全問マークセンスで配点も同じ)のため全学部同時併願が可能。また一般と日程が異なるため一般試験との併願もできる。センター50でのみ本学(名古屋)以外での受験が可能。 センター100はセンター試験のみで合否を決める方式。前期A(3教科)と前期B(5教科)、後期(3教科)の3種類ある。(人文学部キリスト教学科は前期Aのみの募集。) == 科目別対策 == '''英語''' 南山大英語の問題は比較的平易なので受験生は7割~8割を取ってくる点を考えるとやはり単純なミスは許されない。 南山大英語は(1)語法問題(文法)20問(2)短い長文の穴埋め(3)会話文の穴埋め(4)長文2題(5)誤りを選ぶ問題から成る。(日程ごとに問題の順番が変わる。) 穴埋めが合否をわけると言っても過言でないのでしっかり対策が必要。問題は全てマークセンスの4択。 '''日本史''' マークセンス+記述+論述(約50字)である。赤本でしっかり演習することが望ましい。2011年度入試から選択肢にこれまでの「…誤りをえらべ。全て正しかったらオを選べ」がなくなり4択と平易化した。 '''世界史''' オールマークセンスの50問。選択肢は基本5つで「…誤りをえらべ。全て正しかったらオを選べ」が難度を上げる。日本史が4択と平易したが世界史は依然5択なので注意。対策としては、中国以外のアジアの国々の歴史も知っておくこと、年代をしっかり覚えること、細かい事(各王朝の順番・家系図)も見落とさないこと。おおざっぱに言うと教科書準拠=教科書にのっていればいいってこと。教科書を細かく隅々まで見ることが大事。傾向をつかむため赤本でしっかり学習する事が望ましい。 '''国語''' 大学入試としては標準レベル。漢字・読みを落とすと痛いのでそこでのミスをいかに減らすか。 '''数学'''<br /> 穴埋めの小問集合1題と途中の過程を記述する大問2題の計3題出題される。難易度は基本から標準レベルの難易度である。小問集合で色んな分野から満遍なく出題されるので分野の穴がないように対策すべきである。 ==外部サイト== *[http://www.nanzan-u.ac.jp/admission/index.html 南山大HP(受験生の皆様へ)] [[Category:大学入試|なんさんたいたいさく]]
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量子化学
化学 > 量子化学 量子化学とは量子力学の原理を化学の分野に適応することによって、化学の諸問題を説明する化学(特に物理化学)の一分野である。 量子論の詳細は量子力学も参照のこと。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "化学 > 量子化学", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "量子化学とは量子力学の原理を化学の分野に適応することによって、化学の諸問題を説明する化学(特に物理化学)の一分野である。", "title": "" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "量子論の詳細は量子力学も参照のこと。", "title": "第1章 量子概論" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "", "title": "第9章 分子の運動" } ]
化学 > 量子化学 量子化学とは量子力学の原理を化学の分野に適応することによって、化学の諸問題を説明する化学(特に物理化学)の一分野である。
[[化学]] > [[量子化学]] [[w:量子化学|量子化学]]とは量子力学の原理を化学の分野に適応することによって、化学の諸問題を説明する化学(特に物理化学)の一分野である。 == 第1章 量子概論 == 量子論の詳細は[[量子力学]]も参照のこと。 * [[量子化学/分子軌道]] * [[量子化学/スピン]] * [[量子化学/光の波動性と粒子性]] * 量子化学/電子の波動性と粒子性 * 量子化学/物質波 == 第2章 ボーアの原子モデル == * 量子化学/原子モデル解明の歴史 * 量子化学/水素原子の線スペクトル * 量子化学/ボーアの原子モデル == 第3章 シュレディンガー方程式 == == 第4章 水素原子 == == 第5章 原子 == == 第6章 水素分子イオン == == 第7章 等核二原子分子 == == 第8章 異核二原子分子 == == 第9章 分子の運動 == {{stub}} [[カテゴリ:量子化学|*]]
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2022-12-08T05:25:04Z
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日本史/現代/戦後/低成長期
このページでは、バブル崩壊後の日本について解説する。 この時代は、平成時代とかなり密接に関わっている。平成時代とは、冷戦後の日本を指す時代名として使われている語。東欧民主化が起こった西暦1989年を平成元年として、2019年(平成31年)4月30日までの時期。 世界屈指の豊かな国となった日本は、表面的な生活水準は欧米的に向上、自由と平等を謳歌し、これらの基盤の上に現在の日本独自の文化が生まれるようになった。しかし、プラザ合意をトリガーとする円資金の過剰な流動性供給を背景とした、1980年代後半からの異常な好景気(バブル景気)は、実体経済との大きな乖離を生じ崩壊、その後の10年の間に経営の建て直しが出来なくなってきた数多くの企業が倒産、または欧米系外資に買収されたりもした(失われた10年)。 一方で企業の国際化によって人的な国際流動が活発となり、また、低賃金で働く発展途上国出身者を雇うなど社会の国際化が進んだ。価値観の多様化・個人主義の流れの中、戦後に確立した日本の社会価値観は変化が意識されるようになった。 戦後の日本経済の高度成長はもちろん、その後の安定的成長すら、もはや過去のものとなり、低成長、更には、デフレ(マイナス成長)時代が続くようになる。このため一方では構造不況が指摘され、また他方では構造改革が主張されている。いずれにせよ経済の構造が問題とされているようになっているところに時代の転換点が示されている。 1989年を「新時代の始まり」とする国家には、日本とポーランドがある。ポーランドでは、1989年6月4日と6月18日に実施された総選挙により、共産党一党独裁が消滅し、国民主権政体が成立した。このポーランドで始まった共産党独裁国家を打倒する民主化運動が東ヨーロッパ全体を埋め尽くし、ベルリンの壁を破壊して冷戦を終わらせた一連の民主化運動を、東欧民主化という。このように、「平成」という時期は、東欧民主化革命で始まった、冷戦後の世界における日本である。ソ連などの『本来の「共産主義」や「社会主義」とはかけ離れたプロレタリア独裁』が終焉を迎えたことにより、あたかも社会主義そのものに問題があり、実際にその問題が露見しているように見えた人が世界中で発生し、資本主義に傾向する国家が増え、弱者への配慮や貧困の解消が軽んじられるようになった。この過程で、新自由主義がより台頭するようになった。 1991年末にソビエト連邦は、領土を構成していたすべての共和国が独立して、消滅した。その後、新たな世界構造を模索する状態が続き、日本は国際連合に協力して海外で国際平和維持活動を展開するようになり、アメリカ合衆国主導の湾岸戦争に資金援助をしたりするようになっていたが、新しい外交の方針は定まらずにいる。 冷戦時代を通じて整備されていった自衛隊は、ついには驚異的な経済力に比例して金額ベースでは世界屈指になったにもかかわらず、行政が合憲と解釈し、裁判所も憲法判断を避けるという、明治憲法下の統帥権の問題にも似た議論がなされてきたが、21世紀を迎える頃になって、湾岸戦争や国連平和維持活動、イラク戦争などの現実に直面し、憲法改正の議論が以前よりも高まりを見せたといわれている。 海外では、アジア諸国、中国や韓国、マレーシア、ベトナムなどの経済発展が顕著となり、日本だけがアジアで経済的繁栄を誇ってきた時代とは様変わりしてきているのも特徴である。後期ではそれらの国々が少しずつ豊かになり、賃金を上げる必要が出てきたため、東南アジア及び南アジアのバングラデシュやフィリピン、ミャンマー、インドネシアなどへ工場を移設する動きが出た。さらに末期になると小物や雑貨は輸送費の関係もあって日本で生産する方が安くなることが多くなった。これは日本の最低賃金の低さを表している。 隣国である韓国とは2002年FIFAワールドカップを共催した。また、北朝鮮との間で日本人拉致事件等を含めた問題が深刻化している。
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このページでは、バブル崩壊後の日本について解説する。 この時代は、平成時代(へいせいじだい)とかなり密接に関わっている。平成時代とは、冷戦後の日本を指す時代名として使われている語。東欧民主化が起こった西暦1989年を平成元年として、2019年(平成31年)4月30日までの時期。
{{Pathnav|メインページ|歴史|日本史|日本史/現代|日本史/現代/戦後|frame=1}} このページでは、バブル崩壊後の日本について解説する。 この時代は、{{Ruby|'''平成時代'''|へいせいじだい}}とかなり密接に関わっている。平成時代とは、[[冷戦後の世界|冷戦後]]の日本を指す時代名として使われている語。東欧民主化が起こった西暦1989年を平成元年として、2019年(平成31年)4月30日までの時期。 == 平成 == ;天地ともに平和が達成される事 :「史記」にある「内平外成」、(内平らかに外成る)また「書経」の「知平天成」(知平らかに天成る)から来ている。 === 政治・経済 === 世界屈指の豊かな国となった日本は、表面的な生活水準は欧米的に向上、自由と平等を謳歌し、これらの基盤の上に現在の日本独自の文化が生まれるようになった。しかし、[[プラザ合意]]をトリガーとする円資金の過剰な流動性供給を背景とした、1980年代後半からの異常な好景気([[バブル景気]])は、実体経済との大きな乖離を生じ崩壊、その後の10年の間に経営の建て直しが出来なくなってきた数多くの企業が倒産、または欧米系外資に買収されたりもした([[失われた10年]])。 一方で企業の国際化によって人的な国際流動が活発となり、また、低賃金で働く発展途上国出身者を雇うなど社会の国際化が進んだ。価値観の多様化・個人主義の流れの中、戦後に確立した日本の社会価値観は変化が意識されるようになった。 戦後の日本経済の[[高度成長]]はもちろん、その後の安定的成長すら、もはや過去のものとなり、低成長、更には、デフレ(マイナス成長)時代が続くようになる。このため一方では[[構造不況]]が指摘され、また他方では[[構造改革]]が主張されている。いずれにせよ経済の構造が問題とされているようになっているところに時代の転換点が示されている。 === 国際情勢 === 1989年を「新時代の始まり」とする国家には、日本とポーランドがある。ポーランドでは、1989年6月4日と6月18日に実施された総選挙により、共産党一党独裁が消滅し、国民主権政体が成立した。このポーランドで始まった共産党独裁国家を打倒する民主化運動が東ヨーロッパ全体を埋め尽くし、ベルリンの壁を破壊して[[冷戦]]を終わらせた一連の民主化運動を、'''[[世界史/東欧民主化|東欧民主化]]'''という。このように、「平成」という時期は、東欧民主化革命で始まった、'''[[冷戦後の世界]]'''における日本である。ソ連などの『本来の「共産主義」や「社会主義」とはかけ離れたプロレタリア独裁』が終焉を迎えたことにより、あたかも社会主義そのものに問題があり、実際にその問題が露見しているように見えた人が世界中で発生し、資本主義に傾向する国家が増え、弱者への配慮や貧困の解消が軽んじられるようになった。この過程で、新自由主義がより台頭するようになった。 1991年末に[[ソビエト連邦]]は、領土を構成していたすべての共和国が独立して、消滅した。その後、新たな世界構造を模索する状態が続き、日本は[[国際連合]]に協力して海外で[[国際平和維持活動]]を展開するようになり、[[アメリカ合衆国]]主導の[[湾岸戦争]]に資金援助をしたりするようになっていたが、新しい外交の方針は定まらずにいる。 [[冷戦]]時代を通じて整備されていった[[自衛隊]]は、ついには驚異的な経済力に比例して金額ベースでは世界屈指になったにもかかわらず、行政が合憲と解釈し、裁判所も憲法判断を避けるという、[[明治憲法]]下の統帥権の問題にも似た議論がなされてきたが、21世紀を迎える頃になって、[[湾岸戦争]]や[[国連平和維持活動]]、[[イラク戦争]]などの現実に直面し、憲法改正の議論が以前よりも高まりを見せたと'''いわれている'''。 海外では、[[アジア史|アジア]]諸国、[[中国史|中国]]や[[朝鮮史|韓国]]、マレーシア、ベトナムなどの経済発展が顕著となり、日本だけがアジアで経済的繁栄を誇ってきた時代とは様変わりしてきているのも特徴である。後期ではそれらの国々が少しずつ豊かになり、賃金を上げる必要が出てきたため、東南アジア及び南アジアのバングラデシュやフィリピン、ミャンマー、インドネシアなどへ工場を移設する動きが出た。さらに末期になると小物や雑貨は輸送費の関係もあって日本で生産する方が安くなることが多くなった。これは日本の最低賃金の低さを表している。 隣国である[[韓国]]とは2002年[[w:FIFAワールドカップ|FIFAワールドカップ]]を共催した。また、北朝鮮との間で日本人拉致事件等を含めた問題が深刻化している。 ==主な出来事== *1989年:[[中華人民共和国]]で[[天安門事件]]がおこる。 *1989年:[[東欧民主化革命]]が勃発し、11月10日にベルリンの壁が崩壊。米ソ両国の首脳が12月3日にマルタ島で会談し、冷戦の終結を宣言。 *1989年:連続児童殺害の[[宮崎勤]][[容疑者]]逮捕。 *1990年:バブルの崩壊、経済不況がはじまる。 *1991年:ソビエト連邦の崩壊。 *1992年:細川連立政権の誕生([[高等学校政治経済/政治/55年体制|55年体制]]の崩壊)。 *1995年:[[阪神淡路大震災]]。 *1995年:オウム真理教による[[地下鉄サリン事件]]がおこる。 *1997年:アジア通貨危機。 *1998年:長野オリンピック開催。 *2001年:ITバブルの崩壊。 *2001年:[[小泉純一郎]]、首相に就任する。 *2002年:拉致被害者の帰国。 *2006年:北朝鮮によるミサイル発射。北海道西方沖に落下する。 *2008年:世界金融危機(リーマン・ショック)。 *2011年:東日本大震災、福島第一原発事故が発生。 *2016年:アメリカ合衆国オバマ大統領による現職大統領として史上初めての広島訪問。 *2019年:明仁天皇が退位、平成から令和に改元。 == 関連項目 == * [[東欧民主化]] * [[冷戦後の世界]] [[Category:日本の歴史|けんたい/せんこ/ていせいちようき]] {{DEFAULTSORT:にほんし ていせいちようき}}
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2021-06-11T16:30:23Z
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中学校社会 歴史/江戸幕府の始まり
豊臣秀吉の死後、徳川家康が勢力を伸ばした。 徳川家康は、出身地である東海地方から、関東地方に(豊臣秀吉の命令によって)領地を移されており、徳川家康は江戸(えど)を拠点としていた。 豊臣側の石田三成(いしだ みつなり)などは、豊臣秀頼(とよとみ ひでより)の政権を守ろうとして、家康と対立した。徳川家康は、1600年の関ヶ原の戦い(せきがはらのたたかい、場所は岐阜県)で勝利し、1603年に朝廷により征夷大将軍(せいいたいしょうぐん)に任命され、江戸幕府(えど ばくふ)を開いた。 豊臣氏はまだ、大阪城を拠点に存続していたが、家康は豊臣氏を滅ぼすために1614年と1615年の二度にわたって大坂の陣で豊臣氏と戦い、1615年に家康は豊臣氏を攻め滅ぼした( 大坂冬の陣(ふゆのじん)、夏の陣(なつのじん) )。こうして、戦乱の時代が終わり、徳川氏は日本全国を支配し、江戸幕府が置かれてからの約260年間、大きな戦乱のない時代が続いた。この1603年からの約260年間を江戸時代という。 幕府の直接の支配地(現代語で「直轄地」(ちょっかつち)又は幕領という)の広さは、全国の約4分の1にあたる約700万石(ごく)であった。 江戸幕府の直轄地(ちょっかつち)とは、江戸はもちろん、そのほかに、京都・大阪・奈良・長崎も江戸幕府の直轄地だった。つまり、江戸・大阪・長崎などの重要な都市や、金銀の取れる鉱山、政策上で重要な港などが、直轄地になった。 江戸幕府では、将軍から1万石以上の領地を与えられた武士を、大名(だいみょう)と言った。17世紀なかごろでは、日本全国で200あまりの大名がいたとされる。 大名家は、大きく3つの種類に分けられ、それによって配置も大きく異なっている。 それぞれの地方の政治は、大名に任されていた。大名の支配している地域とその支配の仕組みを合わせて藩(はん)という。また、各藩は幕府に従い、農民に対しては「年貢」(ねんぐ)とよばれる税を課していた。 このように、江戸時代には将軍と大名による人民の支配体制がとられ、このような支配体制を幕藩体制(ばくはんたいせい)という。 なお、将軍直属の家来であり、1万石未満の者のことを、「旗本」(はたもと)または「御家人」(ごけにん)といいます。 幕府は大名を取りしまる法律として武家諸法度(ぶけしょはっと)を1615年に定め、幕府に無断での築城・婚姻などを禁止した。法度に違反した大名には、領地没収(いわゆる「取りつぶし」)などの、きびしい処分を行った。 また、3代将軍の徳川家光(とくがわ いえみつ)の時代に、 領地と江戸を往復する参勤交代(さんきんこうたい)をするように定めた。 また、大名の妻子(さいし)を江戸に住まわせ、江戸住まいの生活費は、大名の藩の負担になった。参勤交代の旅費も、藩の負担となった。 なお、通説として、参勤交代のねらいは、大名による反乱を防ぐために、江戸に大名の妻子を人質(ひとじち)として住まわせる事と、往復の旅費や江戸生活の出費をさせる事である、というものがある。また、大名と大名宇都将軍の主従関係を確認するという意味合いもある。 さらに大名は、幕府から江戸城の修築や河川修復などの普請(土木工事)も命じられ、その費用は藩の負担になったので、ますます藩の財政は苦しくなりました。 また、幕府は公家や天皇にも法度を定め、禁中並公家諸法度(きんちゅう ならび に くげしょはっと)を1615年に定めました。そして京都には朝廷を監視するため京都所司代(きょうと しょしだい)を置きました。 1603年、徳川家康が征夷大将軍に任命され、江戸に幕府を開いた。3代将軍の徳川家光(いえみつ)の時代ころに、幕府のしくみが完成した。 まず、将軍の下に老中(ろうじゅう)を置き、通常時の政治の実務を監督させ、それを「若年寄」(わかどしより)たちが補佐をした。通常時は、老中が将軍の次に位が高い。 非常時には、大老(たいろう)が置かれた。非常時は、大老が、将軍の次に位が高い。 「大目付」(おおめつけ)とは、大名の監視(かんし)をする役職である。 「寺社奉行」(じしゃぶぎょう)とは、寺社を取りしまる奉行である。 「町奉行」(まちぶぎょう)とは、江戸の町政をおこなう奉行である。(※ 中学3年の公民の用語でいうと、江戸の町の行政(町政)と司法(裁判)の仕事をするのが町奉行である。つまり、町奉行は、「立法」はしない。江戸時代は、司法と行政を、同じ機関が行った。) 「勘定奉行」(かんじょうぶぎょう)とは、江戸幕府の財政を取りしきる奉行である。また、幕府の直轄領(ちょっかつりょう)の監督もしている。なお、江戸幕府の直轄領のことを「天領」(てんりょう)という。(※ いちおう、「天領」(てんりょう)は中学検定教科書の範囲内。教育出版の教科書および自由社の検定教科書で紹介されてる。しかし、他の教科書では紹介されておらず、それほど重要な用語でもないだろうから、無理して覚える必要は無いだろう。下記の、歴史用語が「天領」から「幕領」に変化している件も参照のこと) つまり、勘定奉行の仕事とは、江戸幕府の財政のほか、天領を監督する仕事もしている。 「遠国奉行」(おんごくぶぎょう)とは、京都・大阪・長崎などを支配する奉行である。 西国大名の監視のため、「大坂城代」(おおさかじょうだい)が置かれた。 勘定奉行のしたに、郡代(ぐんだい)や各種の代官(だいかん)が配置された。 また、幕府は、貨幣の発行権も独占し、さらに石見(いわみ)銀山や佐渡(さど)金山などを幕府の直轄地(直接の支配地)にした。 江戸幕府はヨーロッパ諸国の軍事的干渉・宗教的干渉などをおそれ、貿易や出入国をきびしく制限する政策をとった。のちの明治時代にこのような江戸幕府の政策は「鎖国」(さこく)と呼ばれた。 「鎖国」政策の直接要因となった出来事は、1637年の島原・天草一揆(しまばら・あまくさいっき)である。この「島原・天草一揆」とは、九州の島原(しまばら、長崎県)・天草(あまくさ、熊本県)地方で、農民たちが重税やキリスト教の取り締まりに反発して、大規模な一揆を起こした事である。 このような出来事の結果、江戸幕府は、さらにきびしいキリスト教の取りしまりをするために、1639年にはポルトガル船の日本への来航を禁止した。(スペインは1624年にすでに日本への来航を禁止されていた。) ただし、いわゆる「鎖国」の例外として、オランダは日本への来航を許された。 1639年には貿易のための商館が平戸から長崎の出島(でじま)へと移され、出島でオランダ・清(しん)と日本との貿易が行われた。また、対馬藩を通じて李氏朝鮮(りしちょうせん)との貿易をしており、日本は合わせて3か国とのみ貿易を行っていた。 オランダは、日本ではキリスト教を布教していない。 徳川家康の時代のころから、東南アジア方面の国々と貿易をしていた。なお、この貿易は、のちに廃止される。 この貿易では、日本の船に幕府の貿易許可をしめす朱印状(しゅいんじょう)という証明書が必要だったので、そのような朱印状を持っている日本船を朱印船(しゅいんせん)と呼んだ。この朱印船による東南アジアとの貿易を朱印船貿易(しゅいんせんぼうえき)という 2代将軍の秀忠の時代にも朱印船貿易は続き、キリスト教を秀忠が禁止したあとにも、朱印船貿易は続けられた。 東南アジアのルソン(今のフィリピン)やシャム(今のタイ)に日本人が集団で移り住み、東南アジア各地に日本町が出来た。 当時はスペイン人がルソン(今のフィリピン)に進出していた。 この朱印船貿易のころは、日本は貿易相手になった西洋諸国については、オランダの他にもイギリスとポルトガルとも日本は朱印船貿易をしていました。 なお、このころは、長崎県の平戸(ひらと)に、貿易のための商館がありました。 朱印船貿易により、日本からは銀が輸出されました。いっぽう、中国産の生糸や絹織物などが、日本に輸入されました。 朱印船貿易は3大将軍の家光(いえみつ)のときに終わります。 家康は、イギリスとオランダの日本との貿易を許し、平戸(ひらど、長崎県にある)での貿易が始まる。 きっかけは1600年に豊後(ぶんご)に流れ着いたオランダ船リーフデ号に乗っていたオランダ人のヤン・ヨーステン(Jan Joosten)とイギリス人のウィリアム・アダムス(william Adams)であり、この二人が幕府の外交の相談役になったからである。 今の東京にある八重洲(やえす)の名前の由来はヤン・ヨーステンである。 スペインに遅れて貿易に参加することになったオランダは、キリスト教の布教には関心がなかった。 オランダは日本との貿易を独占するため、スペインやポルトガルはキリスト教の布教を通じて日本を侵略しようとしている、と幕府に、つげていた。 イギリスはオランダとの競争にやぶれ、日本をはなれて、イギリスの関心はインドでの貿易に変わった。 3代将軍の家光の1629年のころから、キリスト教徒を発見するため、踏み絵(ふみえ)を用いた絵踏み(えふみ)が行われるようになった。 この時代、キリスト教は禁止されていたが、かくれてキリスト教を信じる「隠れキリシタン」(かくれキリシタン)がいた。このような隠れキリシタンを取り締まるため、幕府は人々にキリストやマリアなどが描かれた銅板の踏み絵(ふみえ)を踏ませるという、絵踏み(えふみ)をさせて、絵踏みをしないものはキリシタンであるとして処罰した。 反乱軍の中心人物は、天草四郎(あまくさ しろう)とも言われる「益田時貞」(ますだ ときさだ)で、反乱軍は島原半島の原上にたてこもったが、幕府の松平信綱(まつだいら のぶつな)を中心とする兵数12万人ほどの幕府軍により、反乱軍は負けた。 この出来事を「島原・天草の一揆」(しまばら・あまくさ の いっき)と言う。「島原・天草の一揆」とは、いわゆる「島原の乱」(しまばら の らん)のことである。 「島原・天草の一揆」後、幕府は、人々を宗門改帳(しゅうもんあらためちょう)に記し、仏教寺院にその人が仏教徒であることを証明させることで、キリスト教の禁止をさらに強めた。 江戸幕府は貿易を制限していき、江戸時代の貿易の相手国は最終的に朝鮮と琉球(りゅうきゅう、今でいう沖縄)、オランダ、清(しん、今でいう中国)、アイヌ(今でいう北海道)だけに、かぎられていく。 当時、オランダは台湾やインドネシアに進出していた。台湾の地に、オランダ人は「フォルモサ」(オランダ語:Formosa)という地名を名づけていた。(※ フォルモサという地名は、小中学生は、おぼえなくて良い。) スペイン人の来日を禁止する。 このように、幕府は貿易を独占し、また、制限していく。 貿易だけでなく、キリスト教の布教も禁止し、また、外国人が、一部の地域をのぞいて日本に入れないようにした。 この、江戸幕府による、外国人と日本人との交流を減らして(へらして)いった対外政策は、のちに江戸時代の1800年ごろから鎖国(さこく)と言われはじめ、明治時代から「鎖国」という用語が広がります。 なお、江戸幕府は長崎のオランダ商館に、外国のようすを幕府に報告(ほうこく)させるための報告書(ほうこくしょ)の提出を義務づけ、『オランダ風説書』(オランダふうせつがき)の提出が義務づけられた。 (※ 発展: )オランダの宗教は、宗教改革のプロテスタントの国である。それまで戦国時代に貿易していた相手国であるスペインやポルトガルは、カトリックの国である。 結果的に、日本はカトリック国との貿易を日本国民に禁止したことになり、そして日本は結果的にプロテスタント国であるオタンダとの貿易を日本国民に認めたことになる。 徳川家康の時代に、対馬藩(つしまはん)を通して朝鮮(ちょうせん)との貿易が行われます。秀吉の時代には朝鮮出兵により貿易が中断(ちゅうだん)しましたが、江戸時代に入り日本と朝鮮との国交が回復し、日本と朝鮮との貿易が再開します。対馬藩(つしまはん)の大名である宗(そう)氏の媒により、朝鮮と日本との貿易が復活します。朝鮮から日本への(、日本が輸入した)輸入品は、生糸や木綿、朝鮮人参(ちょうせんにんじん)です。 日本からは銅や銀が輸出されました。 3代将軍の家光の時代からは、日本で将軍の代替わり(だいがわり)ごとに、朝鮮からの通信使(つうしんし)が訪れるようになります。朝鮮からの通信使を 朝鮮通信使(ちょうせん つうしんし) と言います。 また、朝鮮の釜山(プサン)には倭館(わかん)が作られ、貿易の拠点になりました。 江戸時代、沖縄は「琉球」(りゅうきゅう)という王国でした。 江戸時代の初めごろ、17世紀に、琉球国は薩摩藩によって征服(せいふく)されました。そして、薩摩藩によって、琉球は年貢を取られるようになりました。 幕府や薩摩藩は、琉球国に、日本と中国との貿易を仲介させました。琉球が、日本に征服される以前から行っていた中国との貿易をつづけさせ、その貿易の利益を薩摩藩が手に入れました。 また、中国は、朝貢をする国とだけ貿易をする方針だったので、日本は、琉球国を仲介して、琉球を中国に朝貢させた。江戸幕府も、琉球に中国との貿易を仲介させるため、琉球が中国に朝貢することを認めた。 このため、琉球王国は、日本に征服されているのに、琉球は中国に朝貢するという、独特な立場の国になった。 中国との貿易のために、このような朝貢貿易という名目があったため、江戸時代のあいだ、琉球王国は、ほろんでいません。 (江戸幕府)将軍や琉球国王の代替わりごとに江戸に使節を送らせるのが慣例になり、幕府の権威(けんい)が琉球にまで及んでいる事を江戸などの人々に印象づけた。琉球からは、将軍が変わるごとに慶賀使(けいがし)と呼ばれる就任祝いの使節と、琉球王が変わるごとに謝恩使(しゃおんし)と呼ばれる感謝の使節が江戸に派遣された。 幕府は、琉球からの使節には、中国風の衣服を着させることで、あたかも中国が日本に服属しているかのような印象を、庶民に与えたと言われています。 江戸時代、北海道は「蝦夷(えぞ)」とよばれており、アイヌ民族が住んでいました。 現代では、この北海道のいくつかの民族をまとめて、アイヌ民族と呼んでいます。 アイヌは、松前藩(まつまえはん)と貿易をさせられていました。 アイヌの人が持ってくるサケやコンブを、わずかな米などと交換していたといいます。 このような不公平な貿易におこったアイヌの人たちが、1669年、反乱を起こしました。シャクシャインという人物を中心に反乱を起こしました。 松前藩は、シャクシャインをだまし討ちして殺害しました。松前藩は、停戦を申し込むとウソをいってシャクシャインをまねき、シャクシャインがやってきたところを、殺害しました。(※ 検定教科書の範囲内 東京書籍や帝国書院の教科書で、本文外の写真などの下のコラムで記述。) そしてアイヌによる反乱は鎮圧され、いっそう厳しく(きびしく)、アイヌは支配されました。 貿易の品目は、日本からは、コメや酒、鉄器などを、アイヌに輸出していたと言われています。 江戸時代は身分制度がきびしく定められた時代です。 江戸幕府は、それ以前の秀吉の時代からの兵農分離(刀狩り)の政策を江戸幕府も受け継ぎ、江戸幕府は人々を、武士(ぶし)、百姓(ひゃくしょう)・町人(ちょうにん)に区別する身分制度を定めました。 江戸時代の「町人」とは、今でいう、城下町などの比較的に大きな都市(当時は城下町などが都市だった)に住む住人、というような意味です。また、町人の職業も、今でいう商人と職人です。 百姓(ひゃくしょう)は、主に農民たちです。江戸時代の全人口の80%以上は百姓(農民)です。 町人は、主に、商人と(大工などの)職人です。 武士や町民のような、比較的に高い身分は、原則として、その家の親から長男に代々、受け継がれました。また、勝手に身分を変えることは出来ませんでした。 また、身分や職業や家柄などによって、住む場所がほとんど決められており、それ以外の場所に住むことは原則的に出来ませんでした。 武士は、城下町に住まわされました。 また、江戸時代は、武士・百姓・町人のほかに、「えた」「ひにん」という低い身分が定められていました。 (身分別の人口割合 おわり)。 武士の頂点に立つのが将軍であり、その下に様々な役職が置かれました。 武士の特権として、名字(みょうじ)を名乗ったり、刀を持つこと(帯刀、たいとう)は原則として武士のみ許されていた。武士の住む場所は、主に城下町でも城に近いところに住むようにされました。 農民は、おもに農村に住まわされました。農村は、城下町よりも離れたところに作られています。 農民は主に二つに区別されており、土地を持つ本百姓(ほんびゃくしょう)と、土地をもたない水呑百姓(みずのみびゃくしょう)に区別されていました。 収穫高の40~50パーセントが年貢として納められた。年貢が5割の場合、五公五民(ごこう ごみん)と、いいます。「五公」で年貢が5割という意味です。 年代によって年貢が6割の場合もあり、その場合は六公四民(ろくこう よんみん)といいます。 年代によって年貢が4割の場合もあり、その場合は四公六民(よんこう ろくみん)といいます。 つまり、江戸時代の年貢は、五公五民ぐらいでした。 年貢となる農作物は、おもに米(こめ)ですが、地域の実情に応じて、特産品などが代わりに年貢として納められる場合もあります。 村役人は、有力な本百姓のなかから、藩などによって選ばれました。有力な本百姓は、「名主」(なぬし)、「組頭」(くみがしら)、「百姓代」(ひゃくしょうだい)などといわれる村役人に選ばれました。名主は、「庄屋」(しょうや)ともいいます。 農民のくらしは、贅沢(ぜいたく)をしないように、きびしく管理されました。 農民への御触書(おふれがき)によって、農民の生活のきまりが、定められました。 御触書の内容は、現代風に訳すと次のような内容です。 農民への御触書(おふれがき) 以上の内容が御触書の内容として有名ですが、他にもつぎのような内容も御触書にあります。 (※ おぼえなくても、大丈夫だろう。) 農民への御触書(おふれがき) 御触書などの命令により、江戸時代では、田畑の売買は禁止されていました。 農民には、村で5〜6件ごとに五人組(ごにんぐみ)という集団をつくらせ、年貢の未納や犯罪などに連帯責任を負わせました。 土地や家屋などを持つ町人は、それぞれ「地主」(じぬし)、「家持」(いえもち)と言われた。それらを持たない町人は、「地借」(じがり)、「店子」(たなこ)と呼ばれた。 家や店を持つ町民は、営業税を納める必要がありました。しかし、町人の負担は、百姓と比べると軽かったです。 このほか、「えた」 および 「ひにん」 と言われる、農民よりも身分が低くされ、もっとも身分が低い(ひくい)という差別をされた人々がいました。「えた」と「ひにん」は、それぞれ別の身分です。 えたは、皮革業(ひかくぎょう)などのような、動物の死体をあつかう職業などをしていた身分です。このような死体を扱う身分は、いやしい職業だと、当時は考えられていました。しかし、武士なども、戦(いくさ)のときには敵をころしたりしますが、武士は低い身分とはされませんでした。このように、とても武士に都合のいい非合理な差別でした。 「えた」や「ひにん」は皮革業のほかにも、さまざまな職業の者がいました。犯罪者の処刑にたずさわったりする職業の「えた」・「ひにん」の者もいました。「ひにん」には、役人のもとで下働きをしたり、あるいは芸能にたずさわる者もいました。 「えた」「ひにん」の住む場所は、きびしく制限され、あまり他の身分の者と関わる機会の少ないような場所にすまされ、他身分との交流なども制限を受けた。百姓や町人の住む場所とも別の場所にと、「えた」「ひにん」の住む場所は区別されました。 江戸時代、家庭は、父親の権限が強かった。(いわゆる家父長制(かふちょうせい)である。) 家長(かちょう)には、原則として父親がなるものとされた。(家長とは、いわゆる「戸主」(こしゅ)のことであり、その家の主(あるじ)のことである。)武家の場合、女性は家長になることは許されなかったし、財産を相続することも許されなかった。(※ 武家と女性の相続についての参考文献: 清水書院の検定教科書。) また、次の家長になるものとして、長男が優遇された。女性や次男以下の家庭内での地位は、低かった。 (で、自由社の検定教科書などが指摘してる事だが、)江戸時代の「家」は、企業・自営業(じえいぎょう)に近い。だから、たとえ長男であっても、家業(かぎょう)を継がない場合は、家を継げなかったのである。「家業」とは、たとえば店を経営している商家なら、その店を経営することが「家業」。 江戸時代、家業と家の財産は、家長ではなく、家そのものに属するものとされた。(※ 参考文献: 日本文教出版の検定教科書。) よく、江戸時代の家制度の説明で「家は長男が継ぐものとされた」などと教科書で書かれる場合があるが、家を継ぐ場合には家業も継がねばならない、という条件がある。 べつに商人に限ったことではなく、江戸時代に限ったことでもなく、武家や戦国時代から、こうである。(※ 参考文献: 『大学の日本史 2―教養から考える歴史へ 中世』山川出版社、2016年第1版、192ページ、) (で、自由社の検定教科書が言うには)江戸時代の家制度は、血統による身分の区分ではなく、職業による身分の区分である。(※ 参考文献: 自由社『あたらしい歴史教科書』、平成23年検定版、127ページ) だから、百姓・町人などから武士に取り立てられる者もいれば、その逆に武士から町人になる者もいた(・・・と自由社は主張している)。 (※ 範囲外:) たとえば、「3本の矢」の故事でも有名な戦国大名・毛利元就(もうり もとなり)は、息子の苗字が「吉川」元春(きっかわ もとはる)・「小早川」隆景(こばやかわ たかかげ)のように、倒した敵大名の苗字を名乗らせているのは、敵大名の統治していた領地や家臣団・領民などを、息子に継がせるために、その敵大名家の苗字を名乗らせたのである。(※ 参考文献: 『大学の日本史 2―教養から考える歴史へ 中世』山川出版社、2016年第1版、192ページ、) {[コラム|丁稚など| 当時の「家」は現代とは違い、商人や職人の家では、住み込みなどで主人の家で働く人も多かった。10歳くらいの若い子が、住み込みで働きに来ていることもよくあり、10歳くらいの彼らは「丁稚」(でっち)と言われた。 }} 17世紀のなかばごろになると、平和な時代になったこともあり、幕府や藩は、大規模な新田開発を進めました。 その結果、開墾(かいこん)が進み、全国の田畑の耕地面積が秀吉の頃の、ほぼ2倍 に広がりました。 幕府や藩の財政は百姓からの年貢にたよっており、財政をゆたかにするために農業を発達させる必要があったのです。 江戸時代は貨幣が全国的に流通していたので、武士は年貢米を売って貨幣(かへい)に現金化していました。 年貢米は江戸や大阪にある蔵屋敷(くらやしき)に運ばれ、商人によって売りさばかれ現金化されます。 治水(ちすい)工事も進み、農地に水を引く灌漑(かんがい)のための用水路(ようすいろ)が各地にできた。 箱根上水(はこね じょうすい) や 玉川上水(たまがわ じょうすい) は江戸時代に出来た。 九州の有明湾で干拓(かんたく)事業がされた。 備中鍬(びっちゅうぐわ)・千歯こき(せんばこき)・千石どおし(せんごくどおし)などが開発された。 踏車は、人間が踏んで回す水車なので、重力に逆らって水を高いところにあげられるという仕組みである。 竜骨車(りゅうこつしゃ)という、かんがい用の農具もあります。形は踏車とちがいますが、竜骨車も、農民が足で踏んで(ふんで)動かすことで、水がくみあがる仕組みです。 売ることを目的に、綿・なたね・茶・麻・あい、などの、今で言うところの商品作物(しょうひんさくもつ)が作られるようになった。 農村でも貨幣(かへい)が使われるようになった。 綿の生産の発達により、民衆の服は麻(あさ)から綿(めん)に変わっていく。 あい や べにばな などは、染料として使われた。 外国から伝わった作物も、つくられるようになった。さつまいも、じゃがいも、かぼちゃ・とうもろこし、などである。 油かす(あぶらかす) ・・・ なたね油やごま油の しぼりかす であり、肥料として使われる。 干鰯(ほしか) ・・・ いわし。肥料として使われた。 沿岸漁業が、ほとんど。 九十九里浜(くじゅうくりはま、現在の千葉県)では、いわし漁がさかんだった。瀬戸内海では塩田(えんでん)が発達した。 家内制手工業(かないせい しゅこうぎょう) 問屋制家内工業 工場制手工業(こうじょうせい しゅこうぎょう) 西洋史で言う マニュファクチュア に対応している。 金山(きんざん) 銀山(ぎんざん) 銅山(どうざん) 銅は長崎貿易の輸出品に、なった。 鉄 江戸時代は、商人があつかう商品の量や種類が増えた。このため、商業の仕組みが発達した。貨幣が全国的に流通するようになった。 商品の量や種類がふえ、複雑(ふくざつ)化していったので、商人も分業化するようになり、問屋(とんや)や仲買(なかがい)や小売商(こうりしょう)の区別ができた。 問屋どうしの中でも分業はすすみ、さらに分業化が商品の種類ごとに進み、米をあつかう米問屋(こめどんや)や、木綿(もめん)をあつかう木綿問屋(もめんどんや)、油問屋(あぶらとんや)など、専業化していった。 問屋(とんや)とは、生産者から商品を仕入れ、販売店などの小売業者に商品を販売する仕事である。 いろんな種類の商人の職が出てきます。現代の仕事に関連づけて、おぼえてください。現代の仕事に関連づけないと、おぼえづらいでしょう。 江戸時代は貨幣が全国的に流通していたので、武士は年貢米を売って貨幣(かへい)に現金化していました。 年貢米や、年貢のかわりの特産物(とくさんぶつ)は、江戸や大阪にある蔵屋敷(くらやしき)に運ばれ、商人によって売りさばかれ現金化されます。 大阪は商業がさかえ、「天下の台所」(てんかの だいどころ)と言われました。 分業化は蔵屋敷でも、されていました。仕事の種類によって、大阪では蔵元(くらもと) や 掛屋(かけや)などに分業されました。江戸では 札差(ふださし) などがありました。 蔵元(くらもと)は、売りさばきが担当の商人です。今でいう販売員です。 掛屋(かけや)は、売上金の輸送や保管の仕事です。今でいう銀行の 預金業務(よきんぎょうむ) や 振り込み(ふりこみ) のような仕事をしています。 蔵屋敷で現金化できる年貢や特産物など、諸藩からの商品をあわせて、 蔵物(くらもの) と言います。 いっぽう、民間から出た商品も出回り、納屋物(なやもの)といいます。 (※ おぼえなくてよい。) 両替商(りょうがえしょう)は、もともとは、金貨や銀貨や銅貨の交換を、手数料をもらって行なう仕事ですが、そのうち仕事の内容が変わり、今でいう銀行のような預金(よきん)業務と貸付(かしつけ)業務を行なうようになった。 両替商は貨幣の調達などに信用があるので、両替商どうしの帳簿(ちょうぼ)上の処理(しょり)で貨幣(かへい)の送金(そうきん)の代わり(かわり)とする 信用取引(しんようとりひき) の仕組みが発達した。 江戸を中心に関東では金が取引の主流であり、大阪などの関西では銀が取引の主流であったので、両替が必要だった。「両」とは金貨のこと、あるいは金貨の単位である。 商人のなかには、江戸の三井(みつい)や大阪の鴻池(こうのいけ)のように、財政の苦しい藩(はん)や大名に おかね を貸し付けたり、藩の財政にかかわるほどの、有力な商人もあらわれた。 貨幣をつくるには、材料の金や銀が必要なので、幕府は鉱山を開発しました。 また、貨幣をつくる権利は幕府が独占した。 商業の発達には、交通の発達も必要である。 江戸時代の始めごろまでは、商売の支払い方法では、後でまとめて払う方法が普通だった。 しかし1673年に、三井高利(みつい たかとし)が江戸で開いた越後屋呉服店(えちごや ごふくてん)が、現金払いで店頭ですぐに売買する商法を始めた。 このような商法は江戸時代の当時「現金かけ値なし」(げんきん かけねなし)と言われた。「かけ値」とは、定価よりも高く売ること。 越後屋は、かけ値をやめたのである。(※ 東京書籍、清水書院、教育出版など、多くの検定教科書で紹介。) 売買がすぐに成立するぶん、越後屋はすぐに代金を改修できるし、また、客にとっては安く販売できるため、越後屋と客の双方に利点があった。(※ ← ほぼ帝国書院の教科書の見解) 越後屋は、呉服店のほか、両替商(りょうがえしょう)も行った。 船は、大量の荷物を、少ない人物で運べます。しかも、一度、船に積めば、目的地までは途中で積み替えをする必要がありません。 このため、大量の商品を運ぶには、海上交通をつかうと、時間はかかるが安く運びやすい。このような理由で、海運(かいうん)が発達した。 また、船も改良され発達した。 菱垣廻船(ひがきかいせん) 樽廻船(たるかいせん) 東廻り(ひがしまわり)航路 西廻り(にしまわり)航路 江戸の商人である川村瑞賢(かわむら ずいけん)によって、東回り航路と西回り航路が開かれた。 全国を道でつなぐため、街道(がいどう)が出来た。 江戸の日本橋(にほんばし)を起点とする幹線道路(かんせんどうろ)としての街道が5本あるが、これを五街道(ごかいどう)という。読みは「ごがいどう」ではなく「ごかいどう」なので、まちがえないように注意。 五街道(ごかいどう) と、そのほかの道である 脇街道(わきかいどう) などによって、東北から山陰・山陽地方までが道でつながった。 九州や四国も、それぞれの島の内部が、道でつながった。 五街道は、東北地方の南部の今でいう福島県から京都までしか、つながっていない。 日光へと向かう 五街道のうちの街道が日光街道(にっこうかいどう)である。 日光街道は、北関東の宇都宮(うつのみや)のあたりで、ふたまたに分かれていて、宇都宮から福島の白河(しらかわ)へと向かう奥州街道(おうしゅうかいどう)に分岐(ぶんき)している。 (※ 宇都宮・白河など、細かな地名は、おそらく教科書の範囲外なので、学校対策では、おぼえなくてよい。) 以上の二本の街道が、五街道への北への方面である。 次に京都方面について、説明する。 京都の方面へと江戸から向かう街道は3本あるが、そのうちの2本は、途中(とちゅう)で合流(ごうりゅう)する。 五街道のうちの一つである甲州道中(こうしゅうどうちゅう)は、長野県の信濃(しなの)の諏訪(すわ)のあたりで、五街道のうちの別の一つである中山道(なかせんどう)と合流する。 甲州道中の名前は「甲州」道中だし甲府(こうふ)を通るが、じつは長野県の信濃まで、つながっている。 五街道のうちの一つである東海道は、太平洋ぞいの街道であり、京都まで他の街道とは、つながっていない。東海道の経路は、今でいう神奈川県 → 静岡県 → 愛知県 → 京都 の経路である。 当時の用語で言えば、小田原(おだわら、神奈川) → 駿府(すんぷ、静岡) → 名古屋(なごや、愛知) → 京都 である。 東海道は、もっとも人々の行き来が、さかんだった。 警備(けいび)上の理由から、街道には、通行者の取り調べるため通行を制限(せいげん)する関所(せきしょ)が、おかれた。 関所では、通行者は、関所の役人に、通行許可証である手形(てがた)を見せる必要があった。 関所では、とくに江戸に入る鉄砲(てっぽう)と、江戸から出る女は、きびしく調べられた。鉄砲の取り調べは、反乱を恐れて(おそれて)、のことである。江戸から出る女は、参勤交代で人質として江戸に住まわせた女である、大名の妻が、こっそり江戸から故郷(こきょう)へ帰国(きこく)することを恐れて、である。 「入り鉄砲に出女」(いりでっぽうに、でおんな)と言われ、これら2つは、きびしく調べられた。 街道には、旅行者が寝泊まり(ねとまり)するための宿場(しゅくば)が、もうけられ、宿場町が発達した。 大名(だいみょう)や幕府の役人のとまる宿(やど)である本陣(ほんじん)や、ふつうの武士のとまる脇本陣(わきほんじん)や、一般の旅行者が泊まる旅籠(はたご)が、もうけられた。 宿場の周辺の人々には、役人などのため人手をかす負担があって、この負担を 助郷(すけごう) という。 東海道には53の宿場があり、東海道五十三次(とうかいどうごじゅうさんつぎ)と言われた。 街道には、通行者が場所をわかりやすいように、並木(なみき) や 道しるべ が、もうけられた。また街道の道のりの約4キロメートルごとに一里塚(いちりづか) が、もうけられた。一里(いちり)とは、長さの単位(たんい)であり、今でいう約4キロメートル。 郵便物をとどけるため、人が走ったり馬をつかって運ぶ飛脚(ひきゃく)の仕事が発達した。 幕府が管理する飛脚を 継飛脚(つぎひきゃく) という。町人のあいだでは 町飛脚(まちひきゃく) が利用された。 江戸時代に商業の中心的な都市は、江戸と大阪です。江戸と大阪と京都を三都(さんと)という。 江戸 大阪 貨幣は、江戸と大阪で違っており、江戸では主に金が用いられ、大阪では主に銀が用いられた。そのため、両替商が金銀の交換を行った。 その他の都市 京都 都市では、商業の発達にともない、商人たちが同業者の組合である株仲間(かぶなかま)が結成されていった。 株仲間は、幕府の許可のもと、営業を独占するかわりに、税を納めた。 商人には、大名にも金をかすほどの有力な商人もあらわれ、江戸の三井(みつい)家や、大阪の鴻池(こうのいけ)家などの有力な商人が現れた。 4代将軍〜5代将軍のから、幕府は財政が悪化していき、財政のあまり良くない状況が、江戸時代の終わりまでずっと続きます。 江戸時代には貨幣が普及していきますが、田畑の収穫が急にふえるわけでもなく、そのくせ人口はふえるし、鉱山から採れる金銀の量もへっていきますので、今の時代から見れば財政がわるくなっても当然です。 5代将軍の徳川綱吉(とくがわつなよし)は、動物を極端に保護する、生類憐みの令(しょうるいあわれみのれい)を出した。 綱吉が、いぬ年の生まれで、特に犬を保護したので、犬公方(いぬ くぼう)と大衆から呼ばれて、きらわれた。 令を出した理由は、一節には、綱吉には、子がなく、僧からのすすめで、殺生を禁じたら子ができる、と僧にすすめられ、とくに犬を大切にすれば子ができるとすすめられたらしいのが、令を出した理由だと言われている。 儒学などの学問に力を入れた。湯島に孔子(こうし)をまつる聖堂(せいどう)を立てる。儒学の中でも、とくに朱子学(しゅしがく)という学問を重んじた。朱子学は身分秩序を重んじるため、幕府にとって都合がよかった。 前将軍のときの火事の、明暦の大火(めいれきのたいか)での費用がかさむなどが、財政悪化の理由の一つです。 金貨・銀貨にふくまれる金・銀の量をへらした貨幣を発行したが、貨幣の信用がさがり、そのため物価(ぶっか)が上がった。 現代でも、一般に、貨幣の信用が下がると、物価が上がります。 江戸時代は貨幣の信用のうらづけは、金貨や銀貨にふくまれている金・銀なので、貨幣の中の金銀のわりあいを減らせば、商人が物を売るときに今までと同じ金・銀を手に入れるには値段を上げなければ金銀の量が前と同じになりません。 なので、貨幣の質をさげると、物価が上がってしまいやすいのです。 ただし、綱吉の政権がそこまで経済政策に詳しかったかどうかは、まだ未解明である。歴史学者が研究中であるので、中学生は深入りしなくていい。 (発展的事項、おわり。) 綱吉が、このように儒学などの学問を重んじた理由や、あわれみの令を出して殺生(せっしょう)をきらった理由としては、一節には、家康からの軍事力にたよった武断(ぶだん)的(てき)な政治をあらためるためかも?・・・という説も今では言われています。しかし、家康のころから朱子学を重んじてはいましたので、綱吉のねらいがコレかどうかは、わかりません。 (雑談、おわり。) 新井白石(あらい はくせき)は、綱吉のあとの、6代将軍の家宣(いえのぶ)に使え、7代将軍の家継(いえつぐ)に仕えた儒学者である。 新井白石は、綱吉のときに質の低下した金貨・銀貨の質をもとの質にもどした。また、貿易で金銀が外国に流出していたので、長崎貿易に制限を掛け、金銀の海外流出をおさえた。この白石の政治(せいじ)を、正徳の治(しょうとく の ち)という 綱吉の生類あわれみの令は、白石によって廃止(はいし)されます。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "豊臣秀吉の死後、徳川家康が勢力を伸ばした。", "title": "江戸幕府の成立" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "徳川家康は、出身地である東海地方から、関東地方に(豊臣秀吉の命令によって)領地を移されており、徳川家康は江戸(えど)を拠点としていた。", "title": "江戸幕府の成立" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "豊臣側の石田三成(いしだ みつなり)などは、豊臣秀頼(とよとみ ひでより)の政権を守ろうとして、家康と対立した。徳川家康は、1600年の関ヶ原の戦い(せきがはらのたたかい、場所は岐阜県)で勝利し、1603年に朝廷により征夷大将軍(せいいたいしょうぐん)に任命され、江戸幕府(えど ばくふ)を開いた。", "title": "江戸幕府の成立" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "豊臣氏はまだ、大阪城を拠点に存続していたが、家康は豊臣氏を滅ぼすために1614年と1615年の二度にわたって大坂の陣で豊臣氏と戦い、1615年に家康は豊臣氏を攻め滅ぼした( 大坂冬の陣(ふゆのじん)、夏の陣(なつのじん) )。こうして、戦乱の時代が終わり、徳川氏は日本全国を支配し、江戸幕府が置かれてからの約260年間、大きな戦乱のない時代が続いた。この1603年からの約260年間を江戸時代という。", "title": "江戸幕府の成立" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "幕府の直接の支配地(現代語で「直轄地」(ちょっかつち)又は幕領という)の広さは、全国の約4分の1にあたる約700万石(ごく)であった。", "title": "江戸幕府の成立" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "江戸幕府の直轄地(ちょっかつち)とは、江戸はもちろん、そのほかに、京都・大阪・奈良・長崎も江戸幕府の直轄地だった。つまり、江戸・大阪・長崎などの重要な都市や、金銀の取れる鉱山、政策上で重要な港などが、直轄地になった。", "title": "江戸幕府の成立" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "江戸幕府では、将軍から1万石以上の領地を与えられた武士を、大名(だいみょう)と言った。17世紀なかごろでは、日本全国で200あまりの大名がいたとされる。", "title": "江戸幕府" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "大名家は、大きく3つの種類に分けられ、それによって配置も大きく異なっている。", "title": "江戸幕府" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "それぞれの地方の政治は、大名に任されていた。大名の支配している地域とその支配の仕組みを合わせて藩(はん)という。また、各藩は幕府に従い、農民に対しては「年貢」(ねんぐ)とよばれる税を課していた。", "title": "江戸幕府" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "このように、江戸時代には将軍と大名による人民の支配体制がとられ、このような支配体制を幕藩体制(ばくはんたいせい)という。", "title": "江戸幕府" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "なお、将軍直属の家来であり、1万石未満の者のことを、「旗本」(はたもと)または「御家人」(ごけにん)といいます。", "title": "江戸幕府" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "幕府は大名を取りしまる法律として武家諸法度(ぶけしょはっと)を1615年に定め、幕府に無断での築城・婚姻などを禁止した。法度に違反した大名には、領地没収(いわゆる「取りつぶし」)などの、きびしい処分を行った。", "title": "江戸幕府" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "また、3代将軍の徳川家光(とくがわ いえみつ)の時代に、 領地と江戸を往復する参勤交代(さんきんこうたい)をするように定めた。", "title": "江戸幕府" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "また、大名の妻子(さいし)を江戸に住まわせ、江戸住まいの生活費は、大名の藩の負担になった。参勤交代の旅費も、藩の負担となった。", "title": "江戸幕府" }, { "paragraph_id": 14, "tag": "p", "text": "なお、通説として、参勤交代のねらいは、大名による反乱を防ぐために、江戸に大名の妻子を人質(ひとじち)として住まわせる事と、往復の旅費や江戸生活の出費をさせる事である、というものがある。また、大名と大名宇都将軍の主従関係を確認するという意味合いもある。", "title": "江戸幕府" }, { "paragraph_id": 15, "tag": "p", "text": "", "title": "江戸幕府" }, { "paragraph_id": 16, "tag": "p", "text": "", "title": "江戸幕府" }, { "paragraph_id": 17, "tag": "p", "text": "さらに大名は、幕府から江戸城の修築や河川修復などの普請(土木工事)も命じられ、その費用は藩の負担になったので、ますます藩の財政は苦しくなりました。", "title": "江戸幕府" }, { "paragraph_id": 18, "tag": "p", "text": "また、幕府は公家や天皇にも法度を定め、禁中並公家諸法度(きんちゅう ならび に くげしょはっと)を1615年に定めました。そして京都には朝廷を監視するため京都所司代(きょうと しょしだい)を置きました。", "title": "江戸幕府" }, { "paragraph_id": 19, "tag": "p", "text": "1603年、徳川家康が征夷大将軍に任命され、江戸に幕府を開いた。3代将軍の徳川家光(いえみつ)の時代ころに、幕府のしくみが完成した。", "title": "江戸幕府" }, { "paragraph_id": 20, "tag": "p", "text": "まず、将軍の下に老中(ろうじゅう)を置き、通常時の政治の実務を監督させ、それを「若年寄」(わかどしより)たちが補佐をした。通常時は、老中が将軍の次に位が高い。", "title": "江戸幕府" }, { "paragraph_id": 21, "tag": "p", "text": "非常時には、大老(たいろう)が置かれた。非常時は、大老が、将軍の次に位が高い。", "title": "江戸幕府" }, { "paragraph_id": 22, "tag": "p", "text": "「大目付」(おおめつけ)とは、大名の監視(かんし)をする役職である。 「寺社奉行」(じしゃぶぎょう)とは、寺社を取りしまる奉行である。 「町奉行」(まちぶぎょう)とは、江戸の町政をおこなう奉行である。(※ 中学3年の公民の用語でいうと、江戸の町の行政(町政)と司法(裁判)の仕事をするのが町奉行である。つまり、町奉行は、「立法」はしない。江戸時代は、司法と行政を、同じ機関が行った。)", "title": "江戸幕府" }, { "paragraph_id": 23, "tag": "p", "text": "「勘定奉行」(かんじょうぶぎょう)とは、江戸幕府の財政を取りしきる奉行である。また、幕府の直轄領(ちょっかつりょう)の監督もしている。なお、江戸幕府の直轄領のことを「天領」(てんりょう)という。(※ いちおう、「天領」(てんりょう)は中学検定教科書の範囲内。教育出版の教科書および自由社の検定教科書で紹介されてる。しかし、他の教科書では紹介されておらず、それほど重要な用語でもないだろうから、無理して覚える必要は無いだろう。下記の、歴史用語が「天領」から「幕領」に変化している件も参照のこと) つまり、勘定奉行の仕事とは、江戸幕府の財政のほか、天領を監督する仕事もしている。", "title": "江戸幕府" }, { "paragraph_id": 24, "tag": "p", "text": "「遠国奉行」(おんごくぶぎょう)とは、京都・大阪・長崎などを支配する奉行である。", "title": "江戸幕府" }, { "paragraph_id": 25, "tag": "p", "text": "西国大名の監視のため、「大坂城代」(おおさかじょうだい)が置かれた。", "title": "江戸幕府" }, { "paragraph_id": 26, "tag": "p", "text": "勘定奉行のしたに、郡代(ぐんだい)や各種の代官(だいかん)が配置された。", "title": "江戸幕府" }, { "paragraph_id": 27, "tag": "p", "text": "また、幕府は、貨幣の発行権も独占し、さらに石見(いわみ)銀山や佐渡(さど)金山などを幕府の直轄地(直接の支配地)にした。", "title": "江戸幕府" }, { "paragraph_id": 28, "tag": "p", "text": "江戸幕府はヨーロッパ諸国の軍事的干渉・宗教的干渉などをおそれ、貿易や出入国をきびしく制限する政策をとった。のちの明治時代にこのような江戸幕府の政策は「鎖国」(さこく)と呼ばれた。", "title": "鎖国" }, { "paragraph_id": 29, "tag": "p", "text": "「鎖国」政策の直接要因となった出来事は、1637年の島原・天草一揆(しまばら・あまくさいっき)である。この「島原・天草一揆」とは、九州の島原(しまばら、長崎県)・天草(あまくさ、熊本県)地方で、農民たちが重税やキリスト教の取り締まりに反発して、大規模な一揆を起こした事である。", "title": "鎖国" }, { "paragraph_id": 30, "tag": "p", "text": "", "title": "鎖国" }, { "paragraph_id": 31, "tag": "p", "text": "このような出来事の結果、江戸幕府は、さらにきびしいキリスト教の取りしまりをするために、1639年にはポルトガル船の日本への来航を禁止した。(スペインは1624年にすでに日本への来航を禁止されていた。)", "title": "鎖国" }, { "paragraph_id": 32, "tag": "p", "text": "ただし、いわゆる「鎖国」の例外として、オランダは日本への来航を許された。", "title": "鎖国" }, { "paragraph_id": 33, "tag": "p", "text": "1639年には貿易のための商館が平戸から長崎の出島(でじま)へと移され、出島でオランダ・清(しん)と日本との貿易が行われた。また、対馬藩を通じて李氏朝鮮(りしちょうせん)との貿易をしており、日本は合わせて3か国とのみ貿易を行っていた。", "title": "鎖国" }, { "paragraph_id": 34, "tag": "p", "text": "オランダは、日本ではキリスト教を布教していない。", "title": "鎖国" }, { "paragraph_id": 35, "tag": "p", "text": "徳川家康の時代のころから、東南アジア方面の国々と貿易をしていた。なお、この貿易は、のちに廃止される。 この貿易では、日本の船に幕府の貿易許可をしめす朱印状(しゅいんじょう)という証明書が必要だったので、そのような朱印状を持っている日本船を朱印船(しゅいんせん)と呼んだ。この朱印船による東南アジアとの貿易を朱印船貿易(しゅいんせんぼうえき)という", "title": "鎖国" }, { "paragraph_id": 36, "tag": "p", "text": "2代将軍の秀忠の時代にも朱印船貿易は続き、キリスト教を秀忠が禁止したあとにも、朱印船貿易は続けられた。", "title": "鎖国" }, { "paragraph_id": 37, "tag": "p", "text": "東南アジアのルソン(今のフィリピン)やシャム(今のタイ)に日本人が集団で移り住み、東南アジア各地に日本町が出来た。 当時はスペイン人がルソン(今のフィリピン)に進出していた。", "title": "鎖国" }, { "paragraph_id": 38, "tag": "p", "text": "この朱印船貿易のころは、日本は貿易相手になった西洋諸国については、オランダの他にもイギリスとポルトガルとも日本は朱印船貿易をしていました。", "title": "鎖国" }, { "paragraph_id": 39, "tag": "p", "text": "なお、このころは、長崎県の平戸(ひらと)に、貿易のための商館がありました。", "title": "鎖国" }, { "paragraph_id": 40, "tag": "p", "text": "朱印船貿易により、日本からは銀が輸出されました。いっぽう、中国産の生糸や絹織物などが、日本に輸入されました。", "title": "鎖国" }, { "paragraph_id": 41, "tag": "p", "text": "朱印船貿易は3大将軍の家光(いえみつ)のときに終わります。", "title": "鎖国" }, { "paragraph_id": 42, "tag": "p", "text": "", "title": "鎖国" }, { "paragraph_id": 43, "tag": "p", "text": "家康は、イギリスとオランダの日本との貿易を許し、平戸(ひらど、長崎県にある)での貿易が始まる。 きっかけは1600年に豊後(ぶんご)に流れ着いたオランダ船リーフデ号に乗っていたオランダ人のヤン・ヨーステン(Jan Joosten)とイギリス人のウィリアム・アダムス(william Adams)であり、この二人が幕府の外交の相談役になったからである。 今の東京にある八重洲(やえす)の名前の由来はヤン・ヨーステンである。", "title": "鎖国" }, { "paragraph_id": 44, "tag": "p", "text": "スペインに遅れて貿易に参加することになったオランダは、キリスト教の布教には関心がなかった。 オランダは日本との貿易を独占するため、スペインやポルトガルはキリスト教の布教を通じて日本を侵略しようとしている、と幕府に、つげていた。", "title": "鎖国" }, { "paragraph_id": 45, "tag": "p", "text": "イギリスはオランダとの競争にやぶれ、日本をはなれて、イギリスの関心はインドでの貿易に変わった。", "title": "鎖国" }, { "paragraph_id": 46, "tag": "p", "text": "", "title": "鎖国" }, { "paragraph_id": 47, "tag": "p", "text": "3代将軍の家光の1629年のころから、キリスト教徒を発見するため、踏み絵(ふみえ)を用いた絵踏み(えふみ)が行われるようになった。", "title": "鎖国" }, { "paragraph_id": 48, "tag": "p", "text": "この時代、キリスト教は禁止されていたが、かくれてキリスト教を信じる「隠れキリシタン」(かくれキリシタン)がいた。このような隠れキリシタンを取り締まるため、幕府は人々にキリストやマリアなどが描かれた銅板の踏み絵(ふみえ)を踏ませるという、絵踏み(えふみ)をさせて、絵踏みをしないものはキリシタンであるとして処罰した。", "title": "鎖国" }, { "paragraph_id": 49, "tag": "p", "text": "", "title": "鎖国" }, { "paragraph_id": 50, "tag": "p", "text": "反乱軍の中心人物は、天草四郎(あまくさ しろう)とも言われる「益田時貞」(ますだ ときさだ)で、反乱軍は島原半島の原上にたてこもったが、幕府の松平信綱(まつだいら のぶつな)を中心とする兵数12万人ほどの幕府軍により、反乱軍は負けた。 この出来事を「島原・天草の一揆」(しまばら・あまくさ の いっき)と言う。「島原・天草の一揆」とは、いわゆる「島原の乱」(しまばら の らん)のことである。", "title": "鎖国" }, { "paragraph_id": 51, "tag": "p", "text": "「島原・天草の一揆」後、幕府は、人々を宗門改帳(しゅうもんあらためちょう)に記し、仏教寺院にその人が仏教徒であることを証明させることで、キリスト教の禁止をさらに強めた。", "title": "鎖国" }, { "paragraph_id": 52, "tag": "p", "text": "", "title": "鎖国" }, { "paragraph_id": 53, "tag": "p", "text": "江戸幕府は貿易を制限していき、江戸時代の貿易の相手国は最終的に朝鮮と琉球(りゅうきゅう、今でいう沖縄)、オランダ、清(しん、今でいう中国)、アイヌ(今でいう北海道)だけに、かぎられていく。", "title": "鎖国" }, { "paragraph_id": 54, "tag": "p", "text": "当時、オランダは台湾やインドネシアに進出していた。台湾の地に、オランダ人は「フォルモサ」(オランダ語:Formosa)という地名を名づけていた。(※ フォルモサという地名は、小中学生は、おぼえなくて良い。)", "title": "鎖国" }, { "paragraph_id": 55, "tag": "p", "text": "スペイン人の来日を禁止する。", "title": "鎖国" }, { "paragraph_id": 56, "tag": "p", "text": "このように、幕府は貿易を独占し、また、制限していく。", "title": "鎖国" }, { "paragraph_id": 57, "tag": "p", "text": "貿易だけでなく、キリスト教の布教も禁止し、また、外国人が、一部の地域をのぞいて日本に入れないようにした。", "title": "鎖国" }, { "paragraph_id": 58, "tag": "p", "text": "この、江戸幕府による、外国人と日本人との交流を減らして(へらして)いった対外政策は、のちに江戸時代の1800年ごろから鎖国(さこく)と言われはじめ、明治時代から「鎖国」という用語が広がります。", "title": "鎖国" }, { "paragraph_id": 59, "tag": "p", "text": "なお、江戸幕府は長崎のオランダ商館に、外国のようすを幕府に報告(ほうこく)させるための報告書(ほうこくしょ)の提出を義務づけ、『オランダ風説書』(オランダふうせつがき)の提出が義務づけられた。", "title": "鎖国" }, { "paragraph_id": 60, "tag": "p", "text": "(※ 発展: )オランダの宗教は、宗教改革のプロテスタントの国である。それまで戦国時代に貿易していた相手国であるスペインやポルトガルは、カトリックの国である。", "title": "鎖国" }, { "paragraph_id": 61, "tag": "p", "text": "結果的に、日本はカトリック国との貿易を日本国民に禁止したことになり、そして日本は結果的にプロテスタント国であるオタンダとの貿易を日本国民に認めたことになる。", "title": "鎖国" }, { "paragraph_id": 62, "tag": "p", "text": "徳川家康の時代に、対馬藩(つしまはん)を通して朝鮮(ちょうせん)との貿易が行われます。秀吉の時代には朝鮮出兵により貿易が中断(ちゅうだん)しましたが、江戸時代に入り日本と朝鮮との国交が回復し、日本と朝鮮との貿易が再開します。対馬藩(つしまはん)の大名である宗(そう)氏の媒により、朝鮮と日本との貿易が復活します。朝鮮から日本への(、日本が輸入した)輸入品は、生糸や木綿、朝鮮人参(ちょうせんにんじん)です。", "title": "鎖国" }, { "paragraph_id": 63, "tag": "p", "text": "日本からは銅や銀が輸出されました。", "title": "鎖国" }, { "paragraph_id": 64, "tag": "p", "text": "3代将軍の家光の時代からは、日本で将軍の代替わり(だいがわり)ごとに、朝鮮からの通信使(つうしんし)が訪れるようになります。朝鮮からの通信使を 朝鮮通信使(ちょうせん つうしんし) と言います。", "title": "鎖国" }, { "paragraph_id": 65, "tag": "p", "text": "また、朝鮮の釜山(プサン)には倭館(わかん)が作られ、貿易の拠点になりました。", "title": "鎖国" }, { "paragraph_id": 66, "tag": "p", "text": "江戸時代、沖縄は「琉球」(りゅうきゅう)という王国でした。", "title": "江戸時代の沖縄と北海道" }, { "paragraph_id": 67, "tag": "p", "text": "江戸時代の初めごろ、17世紀に、琉球国は薩摩藩によって征服(せいふく)されました。そして、薩摩藩によって、琉球は年貢を取られるようになりました。", "title": "江戸時代の沖縄と北海道" }, { "paragraph_id": 68, "tag": "p", "text": "幕府や薩摩藩は、琉球国に、日本と中国との貿易を仲介させました。琉球が、日本に征服される以前から行っていた中国との貿易をつづけさせ、その貿易の利益を薩摩藩が手に入れました。", "title": "江戸時代の沖縄と北海道" }, { "paragraph_id": 69, "tag": "p", "text": "また、中国は、朝貢をする国とだけ貿易をする方針だったので、日本は、琉球国を仲介して、琉球を中国に朝貢させた。江戸幕府も、琉球に中国との貿易を仲介させるため、琉球が中国に朝貢することを認めた。", "title": "江戸時代の沖縄と北海道" }, { "paragraph_id": 70, "tag": "p", "text": "このため、琉球王国は、日本に征服されているのに、琉球は中国に朝貢するという、独特な立場の国になった。", "title": "江戸時代の沖縄と北海道" }, { "paragraph_id": 71, "tag": "p", "text": "中国との貿易のために、このような朝貢貿易という名目があったため、江戸時代のあいだ、琉球王国は、ほろんでいません。", "title": "江戸時代の沖縄と北海道" }, { "paragraph_id": 72, "tag": "p", "text": "(江戸幕府)将軍や琉球国王の代替わりごとに江戸に使節を送らせるのが慣例になり、幕府の権威(けんい)が琉球にまで及んでいる事を江戸などの人々に印象づけた。琉球からは、将軍が変わるごとに慶賀使(けいがし)と呼ばれる就任祝いの使節と、琉球王が変わるごとに謝恩使(しゃおんし)と呼ばれる感謝の使節が江戸に派遣された。", "title": "江戸時代の沖縄と北海道" }, { "paragraph_id": 73, "tag": "p", "text": "幕府は、琉球からの使節には、中国風の衣服を着させることで、あたかも中国が日本に服属しているかのような印象を、庶民に与えたと言われています。", "title": "江戸時代の沖縄と北海道" }, { "paragraph_id": 74, "tag": "p", "text": "", "title": "江戸時代の沖縄と北海道" }, { "paragraph_id": 75, "tag": "p", "text": "江戸時代、北海道は「蝦夷(えぞ)」とよばれており、アイヌ民族が住んでいました。", "title": "江戸時代の沖縄と北海道" }, { "paragraph_id": 76, "tag": "p", "text": "現代では、この北海道のいくつかの民族をまとめて、アイヌ民族と呼んでいます。", "title": "江戸時代の沖縄と北海道" }, { "paragraph_id": 77, "tag": "p", "text": "アイヌは、松前藩(まつまえはん)と貿易をさせられていました。 アイヌの人が持ってくるサケやコンブを、わずかな米などと交換していたといいます。", "title": "江戸時代の沖縄と北海道" }, { "paragraph_id": 78, "tag": "p", "text": "このような不公平な貿易におこったアイヌの人たちが、1669年、反乱を起こしました。シャクシャインという人物を中心に反乱を起こしました。", "title": "江戸時代の沖縄と北海道" }, { "paragraph_id": 79, "tag": "p", "text": "松前藩は、シャクシャインをだまし討ちして殺害しました。松前藩は、停戦を申し込むとウソをいってシャクシャインをまねき、シャクシャインがやってきたところを、殺害しました。(※ 検定教科書の範囲内 東京書籍や帝国書院の教科書で、本文外の写真などの下のコラムで記述。)", "title": "江戸時代の沖縄と北海道" }, { "paragraph_id": 80, "tag": "p", "text": "そしてアイヌによる反乱は鎮圧され、いっそう厳しく(きびしく)、アイヌは支配されました。", "title": "江戸時代の沖縄と北海道" }, { "paragraph_id": 81, "tag": "p", "text": "貿易の品目は、日本からは、コメや酒、鉄器などを、アイヌに輸出していたと言われています。", "title": "江戸時代の沖縄と北海道" }, { "paragraph_id": 82, "tag": "p", "text": "", "title": "江戸時代の沖縄と北海道" }, { "paragraph_id": 83, "tag": "p", "text": "江戸時代は身分制度がきびしく定められた時代です。 江戸幕府は、それ以前の秀吉の時代からの兵農分離(刀狩り)の政策を江戸幕府も受け継ぎ、江戸幕府は人々を、武士(ぶし)、百姓(ひゃくしょう)・町人(ちょうにん)に区別する身分制度を定めました。", "title": "身分制度" }, { "paragraph_id": 84, "tag": "p", "text": "江戸時代の「町人」とは、今でいう、城下町などの比較的に大きな都市(当時は城下町などが都市だった)に住む住人、というような意味です。また、町人の職業も、今でいう商人と職人です。", "title": "身分制度" }, { "paragraph_id": 85, "tag": "p", "text": "百姓(ひゃくしょう)は、主に農民たちです。江戸時代の全人口の80%以上は百姓(農民)です。", "title": "身分制度" }, { "paragraph_id": 86, "tag": "p", "text": "町人は、主に、商人と(大工などの)職人です。", "title": "身分制度" }, { "paragraph_id": 87, "tag": "p", "text": "武士や町民のような、比較的に高い身分は、原則として、その家の親から長男に代々、受け継がれました。また、勝手に身分を変えることは出来ませんでした。", "title": "身分制度" }, { "paragraph_id": 88, "tag": "p", "text": "また、身分や職業や家柄などによって、住む場所がほとんど決められており、それ以外の場所に住むことは原則的に出来ませんでした。", "title": "身分制度" }, { "paragraph_id": 89, "tag": "p", "text": "武士は、城下町に住まわされました。", "title": "身分制度" }, { "paragraph_id": 90, "tag": "p", "text": "また、江戸時代は、武士・百姓・町人のほかに、「えた」「ひにん」という低い身分が定められていました。", "title": "身分制度" }, { "paragraph_id": 91, "tag": "p", "text": "", "title": "身分制度" }, { "paragraph_id": 92, "tag": "p", "text": "(身分別の人口割合 おわり)。", "title": "身分制度" }, { "paragraph_id": 93, "tag": "p", "text": "", "title": "身分制度" }, { "paragraph_id": 94, "tag": "p", "text": "武士の頂点に立つのが将軍であり、その下に様々な役職が置かれました。", "title": "身分制度" }, { "paragraph_id": 95, "tag": "p", "text": "武士の特権として、名字(みょうじ)を名乗ったり、刀を持つこと(帯刀、たいとう)は原則として武士のみ許されていた。武士の住む場所は、主に城下町でも城に近いところに住むようにされました。", "title": "身分制度" }, { "paragraph_id": 96, "tag": "p", "text": "", "title": "身分制度" }, { "paragraph_id": 97, "tag": "p", "text": "農民は、おもに農村に住まわされました。農村は、城下町よりも離れたところに作られています。", "title": "身分制度" }, { "paragraph_id": 98, "tag": "p", "text": "農民は主に二つに区別されており、土地を持つ本百姓(ほんびゃくしょう)と、土地をもたない水呑百姓(みずのみびゃくしょう)に区別されていました。", "title": "身分制度" }, { "paragraph_id": 99, "tag": "p", "text": "収穫高の40~50パーセントが年貢として納められた。年貢が5割の場合、五公五民(ごこう ごみん)と、いいます。「五公」で年貢が5割という意味です。", "title": "身分制度" }, { "paragraph_id": 100, "tag": "p", "text": "年代によって年貢が6割の場合もあり、その場合は六公四民(ろくこう よんみん)といいます。 年代によって年貢が4割の場合もあり、その場合は四公六民(よんこう ろくみん)といいます。", "title": "身分制度" }, { "paragraph_id": 101, "tag": "p", "text": "つまり、江戸時代の年貢は、五公五民ぐらいでした。", "title": "身分制度" }, { "paragraph_id": 102, "tag": "p", "text": "年貢となる農作物は、おもに米(こめ)ですが、地域の実情に応じて、特産品などが代わりに年貢として納められる場合もあります。", "title": "身分制度" }, { "paragraph_id": 103, "tag": "p", "text": "村役人は、有力な本百姓のなかから、藩などによって選ばれました。有力な本百姓は、「名主」(なぬし)、「組頭」(くみがしら)、「百姓代」(ひゃくしょうだい)などといわれる村役人に選ばれました。名主は、「庄屋」(しょうや)ともいいます。", "title": "身分制度" }, { "paragraph_id": 104, "tag": "p", "text": "", "title": "身分制度" }, { "paragraph_id": 105, "tag": "p", "text": "農民のくらしは、贅沢(ぜいたく)をしないように、きびしく管理されました。", "title": "身分制度" }, { "paragraph_id": 106, "tag": "p", "text": "農民への御触書(おふれがき)によって、農民の生活のきまりが、定められました。 御触書の内容は、現代風に訳すと次のような内容です。", "title": "身分制度" }, { "paragraph_id": 107, "tag": "p", "text": "農民への御触書(おふれがき)", "title": "身分制度" }, { "paragraph_id": 108, "tag": "p", "text": "以上の内容が御触書の内容として有名ですが、他にもつぎのような内容も御触書にあります。 (※ おぼえなくても、大丈夫だろう。)", "title": "身分制度" }, { "paragraph_id": 109, "tag": "p", "text": "農民への御触書(おふれがき)", "title": "身分制度" }, { "paragraph_id": 110, "tag": "p", "text": "御触書などの命令により、江戸時代では、田畑の売買は禁止されていました。", "title": "身分制度" }, { "paragraph_id": 111, "tag": "p", "text": "", "title": "身分制度" }, { "paragraph_id": 112, "tag": "p", "text": "農民には、村で5〜6件ごとに五人組(ごにんぐみ)という集団をつくらせ、年貢の未納や犯罪などに連帯責任を負わせました。", "title": "身分制度" }, { "paragraph_id": 113, "tag": "p", "text": "", "title": "身分制度" }, { "paragraph_id": 114, "tag": "p", "text": "土地や家屋などを持つ町人は、それぞれ「地主」(じぬし)、「家持」(いえもち)と言われた。それらを持たない町人は、「地借」(じがり)、「店子」(たなこ)と呼ばれた。", "title": "身分制度" }, { "paragraph_id": 115, "tag": "p", "text": "家や店を持つ町民は、営業税を納める必要がありました。しかし、町人の負担は、百姓と比べると軽かったです。", "title": "身分制度" }, { "paragraph_id": 116, "tag": "p", "text": "", "title": "身分制度" }, { "paragraph_id": 117, "tag": "p", "text": "このほか、「えた」 および 「ひにん」 と言われる、農民よりも身分が低くされ、もっとも身分が低い(ひくい)という差別をされた人々がいました。「えた」と「ひにん」は、それぞれ別の身分です。", "title": "身分制度" }, { "paragraph_id": 118, "tag": "p", "text": "えたは、皮革業(ひかくぎょう)などのような、動物の死体をあつかう職業などをしていた身分です。このような死体を扱う身分は、いやしい職業だと、当時は考えられていました。しかし、武士なども、戦(いくさ)のときには敵をころしたりしますが、武士は低い身分とはされませんでした。このように、とても武士に都合のいい非合理な差別でした。", "title": "身分制度" }, { "paragraph_id": 119, "tag": "p", "text": "「えた」や「ひにん」は皮革業のほかにも、さまざまな職業の者がいました。犯罪者の処刑にたずさわったりする職業の「えた」・「ひにん」の者もいました。「ひにん」には、役人のもとで下働きをしたり、あるいは芸能にたずさわる者もいました。", "title": "身分制度" }, { "paragraph_id": 120, "tag": "p", "text": "「えた」「ひにん」の住む場所は、きびしく制限され、あまり他の身分の者と関わる機会の少ないような場所にすまされ、他身分との交流なども制限を受けた。百姓や町人の住む場所とも別の場所にと、「えた」「ひにん」の住む場所は区別されました。", "title": "身分制度" }, { "paragraph_id": 121, "tag": "p", "text": "", "title": "身分制度" }, { "paragraph_id": 122, "tag": "p", "text": "江戸時代、家庭は、父親の権限が強かった。(いわゆる家父長制(かふちょうせい)である。)", "title": "「家」制度" }, { "paragraph_id": 123, "tag": "p", "text": "家長(かちょう)には、原則として父親がなるものとされた。(家長とは、いわゆる「戸主」(こしゅ)のことであり、その家の主(あるじ)のことである。)武家の場合、女性は家長になることは許されなかったし、財産を相続することも許されなかった。(※ 武家と女性の相続についての参考文献: 清水書院の検定教科書。)", "title": "「家」制度" }, { "paragraph_id": 124, "tag": "p", "text": "また、次の家長になるものとして、長男が優遇された。女性や次男以下の家庭内での地位は、低かった。", "title": "「家」制度" }, { "paragraph_id": 125, "tag": "p", "text": "(で、自由社の検定教科書などが指摘してる事だが、)江戸時代の「家」は、企業・自営業(じえいぎょう)に近い。だから、たとえ長男であっても、家業(かぎょう)を継がない場合は、家を継げなかったのである。「家業」とは、たとえば店を経営している商家なら、その店を経営することが「家業」。", "title": "「家」制度" }, { "paragraph_id": 126, "tag": "p", "text": "江戸時代、家業と家の財産は、家長ではなく、家そのものに属するものとされた。(※ 参考文献: 日本文教出版の検定教科書。)", "title": "「家」制度" }, { "paragraph_id": 127, "tag": "p", "text": "よく、江戸時代の家制度の説明で「家は長男が継ぐものとされた」などと教科書で書かれる場合があるが、家を継ぐ場合には家業も継がねばならない、という条件がある。", "title": "「家」制度" }, { "paragraph_id": 128, "tag": "p", "text": "べつに商人に限ったことではなく、江戸時代に限ったことでもなく、武家や戦国時代から、こうである。(※ 参考文献: 『大学の日本史 2―教養から考える歴史へ 中世』山川出版社、2016年第1版、192ページ、)", "title": "「家」制度" }, { "paragraph_id": 129, "tag": "p", "text": "(で、自由社の検定教科書が言うには)江戸時代の家制度は、血統による身分の区分ではなく、職業による身分の区分である。(※ 参考文献: 自由社『あたらしい歴史教科書』、平成23年検定版、127ページ)", "title": "「家」制度" }, { "paragraph_id": 130, "tag": "p", "text": "だから、百姓・町人などから武士に取り立てられる者もいれば、その逆に武士から町人になる者もいた(・・・と自由社は主張している)。", "title": "「家」制度" }, { "paragraph_id": 131, "tag": "p", "text": "(※ 範囲外:) たとえば、「3本の矢」の故事でも有名な戦国大名・毛利元就(もうり もとなり)は、息子の苗字が「吉川」元春(きっかわ もとはる)・「小早川」隆景(こばやかわ たかかげ)のように、倒した敵大名の苗字を名乗らせているのは、敵大名の統治していた領地や家臣団・領民などを、息子に継がせるために、その敵大名家の苗字を名乗らせたのである。(※ 参考文献: 『大学の日本史 2―教養から考える歴史へ 中世』山川出版社、2016年第1版、192ページ、)", "title": "「家」制度" }, { "paragraph_id": 132, "tag": "p", "text": "{[コラム|丁稚など|", "title": "「家」制度" }, { "paragraph_id": 133, "tag": "p", "text": "当時の「家」は現代とは違い、商人や職人の家では、住み込みなどで主人の家で働く人も多かった。10歳くらいの若い子が、住み込みで働きに来ていることもよくあり、10歳くらいの彼らは「丁稚」(でっち)と言われた。", "title": "「家」制度" }, { "paragraph_id": 134, "tag": "p", "text": "}}", "title": "「家」制度" }, { "paragraph_id": 135, "tag": "p", "text": "17世紀のなかばごろになると、平和な時代になったこともあり、幕府や藩は、大規模な新田開発を進めました。", "title": "産業" }, { "paragraph_id": 136, "tag": "p", "text": "その結果、開墾(かいこん)が進み、全国の田畑の耕地面積が秀吉の頃の、ほぼ2倍 に広がりました。", "title": "産業" }, { "paragraph_id": 137, "tag": "p", "text": "幕府や藩の財政は百姓からの年貢にたよっており、財政をゆたかにするために農業を発達させる必要があったのです。", "title": "産業" }, { "paragraph_id": 138, "tag": "p", "text": "江戸時代は貨幣が全国的に流通していたので、武士は年貢米を売って貨幣(かへい)に現金化していました。 年貢米は江戸や大阪にある蔵屋敷(くらやしき)に運ばれ、商人によって売りさばかれ現金化されます。", "title": "産業" }, { "paragraph_id": 139, "tag": "p", "text": "治水(ちすい)工事も進み、農地に水を引く灌漑(かんがい)のための用水路(ようすいろ)が各地にできた。 箱根上水(はこね じょうすい) や 玉川上水(たまがわ じょうすい) は江戸時代に出来た。", "title": "産業" }, { "paragraph_id": 140, "tag": "p", "text": "九州の有明湾で干拓(かんたく)事業がされた。", "title": "産業" }, { "paragraph_id": 141, "tag": "p", "text": "備中鍬(びっちゅうぐわ)・千歯こき(せんばこき)・千石どおし(せんごくどおし)などが開発された。", "title": "産業" }, { "paragraph_id": 142, "tag": "p", "text": "踏車は、人間が踏んで回す水車なので、重力に逆らって水を高いところにあげられるという仕組みである。", "title": "産業" }, { "paragraph_id": 143, "tag": "p", "text": "竜骨車(りゅうこつしゃ)という、かんがい用の農具もあります。形は踏車とちがいますが、竜骨車も、農民が足で踏んで(ふんで)動かすことで、水がくみあがる仕組みです。", "title": "産業" }, { "paragraph_id": 144, "tag": "p", "text": "", "title": "産業" }, { "paragraph_id": 145, "tag": "p", "text": "売ることを目的に、綿・なたね・茶・麻・あい、などの、今で言うところの商品作物(しょうひんさくもつ)が作られるようになった。 農村でも貨幣(かへい)が使われるようになった。", "title": "産業" }, { "paragraph_id": 146, "tag": "p", "text": "", "title": "産業" }, { "paragraph_id": 147, "tag": "p", "text": "綿の生産の発達により、民衆の服は麻(あさ)から綿(めん)に変わっていく。 あい や べにばな などは、染料として使われた。", "title": "産業" }, { "paragraph_id": 148, "tag": "p", "text": "外国から伝わった作物も、つくられるようになった。さつまいも、じゃがいも、かぼちゃ・とうもろこし、などである。", "title": "産業" }, { "paragraph_id": 149, "tag": "p", "text": "", "title": "産業" }, { "paragraph_id": 150, "tag": "p", "text": "油かす(あぶらかす) ・・・ なたね油やごま油の しぼりかす であり、肥料として使われる。 干鰯(ほしか) ・・・ いわし。肥料として使われた。", "title": "産業" }, { "paragraph_id": 151, "tag": "p", "text": "沿岸漁業が、ほとんど。", "title": "産業" }, { "paragraph_id": 152, "tag": "p", "text": "九十九里浜(くじゅうくりはま、現在の千葉県)では、いわし漁がさかんだった。瀬戸内海では塩田(えんでん)が発達した。", "title": "産業" }, { "paragraph_id": 153, "tag": "p", "text": "家内制手工業(かないせい しゅこうぎょう)", "title": "産業" }, { "paragraph_id": 154, "tag": "p", "text": "問屋制家内工業", "title": "産業" }, { "paragraph_id": 155, "tag": "p", "text": "工場制手工業(こうじょうせい しゅこうぎょう)", "title": "産業" }, { "paragraph_id": 156, "tag": "p", "text": "西洋史で言う マニュファクチュア に対応している。", "title": "産業" }, { "paragraph_id": 157, "tag": "p", "text": "金山(きんざん)", "title": "産業" }, { "paragraph_id": 158, "tag": "p", "text": "銀山(ぎんざん)", "title": "産業" }, { "paragraph_id": 159, "tag": "p", "text": "銅山(どうざん)", "title": "産業" }, { "paragraph_id": 160, "tag": "p", "text": "銅は長崎貿易の輸出品に、なった。", "title": "産業" }, { "paragraph_id": 161, "tag": "p", "text": "鉄", "title": "産業" }, { "paragraph_id": 162, "tag": "p", "text": "江戸時代は、商人があつかう商品の量や種類が増えた。このため、商業の仕組みが発達した。貨幣が全国的に流通するようになった。", "title": "産業" }, { "paragraph_id": 163, "tag": "p", "text": "商品の量や種類がふえ、複雑(ふくざつ)化していったので、商人も分業化するようになり、問屋(とんや)や仲買(なかがい)や小売商(こうりしょう)の区別ができた。", "title": "産業" }, { "paragraph_id": 164, "tag": "p", "text": "問屋どうしの中でも分業はすすみ、さらに分業化が商品の種類ごとに進み、米をあつかう米問屋(こめどんや)や、木綿(もめん)をあつかう木綿問屋(もめんどんや)、油問屋(あぶらとんや)など、専業化していった。", "title": "産業" }, { "paragraph_id": 165, "tag": "p", "text": "問屋(とんや)とは、生産者から商品を仕入れ、販売店などの小売業者に商品を販売する仕事である。", "title": "産業" }, { "paragraph_id": 166, "tag": "p", "text": "", "title": "産業" }, { "paragraph_id": 167, "tag": "p", "text": "", "title": "産業" }, { "paragraph_id": 168, "tag": "p", "text": "いろんな種類の商人の職が出てきます。現代の仕事に関連づけて、おぼえてください。現代の仕事に関連づけないと、おぼえづらいでしょう。", "title": "産業" }, { "paragraph_id": 169, "tag": "p", "text": "江戸時代は貨幣が全国的に流通していたので、武士は年貢米を売って貨幣(かへい)に現金化していました。", "title": "産業" }, { "paragraph_id": 170, "tag": "p", "text": "年貢米や、年貢のかわりの特産物(とくさんぶつ)は、江戸や大阪にある蔵屋敷(くらやしき)に運ばれ、商人によって売りさばかれ現金化されます。 大阪は商業がさかえ、「天下の台所」(てんかの だいどころ)と言われました。", "title": "産業" }, { "paragraph_id": 171, "tag": "p", "text": "分業化は蔵屋敷でも、されていました。仕事の種類によって、大阪では蔵元(くらもと) や 掛屋(かけや)などに分業されました。江戸では 札差(ふださし) などがありました。", "title": "産業" }, { "paragraph_id": 172, "tag": "p", "text": "蔵元(くらもと)は、売りさばきが担当の商人です。今でいう販売員です。", "title": "産業" }, { "paragraph_id": 173, "tag": "p", "text": "掛屋(かけや)は、売上金の輸送や保管の仕事です。今でいう銀行の 預金業務(よきんぎょうむ) や 振り込み(ふりこみ) のような仕事をしています。", "title": "産業" }, { "paragraph_id": 174, "tag": "p", "text": "蔵屋敷で現金化できる年貢や特産物など、諸藩からの商品をあわせて、 蔵物(くらもの) と言います。", "title": "産業" }, { "paragraph_id": 175, "tag": "p", "text": "いっぽう、民間から出た商品も出回り、納屋物(なやもの)といいます。 (※ おぼえなくてよい。)", "title": "産業" }, { "paragraph_id": 176, "tag": "p", "text": "", "title": "産業" }, { "paragraph_id": 177, "tag": "p", "text": "両替商(りょうがえしょう)は、もともとは、金貨や銀貨や銅貨の交換を、手数料をもらって行なう仕事ですが、そのうち仕事の内容が変わり、今でいう銀行のような預金(よきん)業務と貸付(かしつけ)業務を行なうようになった。", "title": "産業" }, { "paragraph_id": 178, "tag": "p", "text": "両替商は貨幣の調達などに信用があるので、両替商どうしの帳簿(ちょうぼ)上の処理(しょり)で貨幣(かへい)の送金(そうきん)の代わり(かわり)とする 信用取引(しんようとりひき) の仕組みが発達した。", "title": "産業" }, { "paragraph_id": 179, "tag": "p", "text": "江戸を中心に関東では金が取引の主流であり、大阪などの関西では銀が取引の主流であったので、両替が必要だった。「両」とは金貨のこと、あるいは金貨の単位である。", "title": "産業" }, { "paragraph_id": 180, "tag": "p", "text": "商人のなかには、江戸の三井(みつい)や大阪の鴻池(こうのいけ)のように、財政の苦しい藩(はん)や大名に おかね を貸し付けたり、藩の財政にかかわるほどの、有力な商人もあらわれた。", "title": "産業" }, { "paragraph_id": 181, "tag": "p", "text": "", "title": "産業" }, { "paragraph_id": 182, "tag": "p", "text": "貨幣をつくるには、材料の金や銀が必要なので、幕府は鉱山を開発しました。 また、貨幣をつくる権利は幕府が独占した。", "title": "産業" }, { "paragraph_id": 183, "tag": "p", "text": "", "title": "産業" }, { "paragraph_id": 184, "tag": "p", "text": "商業の発達には、交通の発達も必要である。", "title": "産業" }, { "paragraph_id": 185, "tag": "p", "text": "江戸時代の始めごろまでは、商売の支払い方法では、後でまとめて払う方法が普通だった。", "title": "産業" }, { "paragraph_id": 186, "tag": "p", "text": "しかし1673年に、三井高利(みつい たかとし)が江戸で開いた越後屋呉服店(えちごや ごふくてん)が、現金払いで店頭ですぐに売買する商法を始めた。", "title": "産業" }, { "paragraph_id": 187, "tag": "p", "text": "このような商法は江戸時代の当時「現金かけ値なし」(げんきん かけねなし)と言われた。「かけ値」とは、定価よりも高く売ること。", "title": "産業" }, { "paragraph_id": 188, "tag": "p", "text": "越後屋は、かけ値をやめたのである。(※ 東京書籍、清水書院、教育出版など、多くの検定教科書で紹介。)", "title": "産業" }, { "paragraph_id": 189, "tag": "p", "text": "売買がすぐに成立するぶん、越後屋はすぐに代金を改修できるし、また、客にとっては安く販売できるため、越後屋と客の双方に利点があった。(※ ← ほぼ帝国書院の教科書の見解)", "title": "産業" }, { "paragraph_id": 190, "tag": "p", "text": "越後屋は、呉服店のほか、両替商(りょうがえしょう)も行った。", "title": "産業" }, { "paragraph_id": 191, "tag": "p", "text": "船は、大量の荷物を、少ない人物で運べます。しかも、一度、船に積めば、目的地までは途中で積み替えをする必要がありません。", "title": "海上交通の発達" }, { "paragraph_id": 192, "tag": "p", "text": "このため、大量の商品を運ぶには、海上交通をつかうと、時間はかかるが安く運びやすい。このような理由で、海運(かいうん)が発達した。 また、船も改良され発達した。", "title": "海上交通の発達" }, { "paragraph_id": 193, "tag": "p", "text": "菱垣廻船(ひがきかいせん)", "title": "海上交通の発達" }, { "paragraph_id": 194, "tag": "p", "text": "樽廻船(たるかいせん)", "title": "海上交通の発達" }, { "paragraph_id": 195, "tag": "p", "text": "", "title": "海上交通の発達" }, { "paragraph_id": 196, "tag": "p", "text": "東廻り(ひがしまわり)航路", "title": "海上交通の発達" }, { "paragraph_id": 197, "tag": "p", "text": "西廻り(にしまわり)航路", "title": "海上交通の発達" }, { "paragraph_id": 198, "tag": "p", "text": "江戸の商人である川村瑞賢(かわむら ずいけん)によって、東回り航路と西回り航路が開かれた。", "title": "海上交通の発達" }, { "paragraph_id": 199, "tag": "p", "text": "全国を道でつなぐため、街道(がいどう)が出来た。", "title": "陸路の交通" }, { "paragraph_id": 200, "tag": "p", "text": "江戸の日本橋(にほんばし)を起点とする幹線道路(かんせんどうろ)としての街道が5本あるが、これを五街道(ごかいどう)という。読みは「ごがいどう」ではなく「ごかいどう」なので、まちがえないように注意。", "title": "陸路の交通" }, { "paragraph_id": 201, "tag": "p", "text": "五街道(ごかいどう) と、そのほかの道である 脇街道(わきかいどう) などによって、東北から山陰・山陽地方までが道でつながった。", "title": "陸路の交通" }, { "paragraph_id": 202, "tag": "p", "text": "九州や四国も、それぞれの島の内部が、道でつながった。", "title": "陸路の交通" }, { "paragraph_id": 203, "tag": "p", "text": "", "title": "陸路の交通" }, { "paragraph_id": 204, "tag": "p", "text": "五街道は、東北地方の南部の今でいう福島県から京都までしか、つながっていない。", "title": "陸路の交通" }, { "paragraph_id": 205, "tag": "p", "text": "日光へと向かう 五街道のうちの街道が日光街道(にっこうかいどう)である。", "title": "陸路の交通" }, { "paragraph_id": 206, "tag": "p", "text": "", "title": "陸路の交通" }, { "paragraph_id": 207, "tag": "p", "text": "日光街道は、北関東の宇都宮(うつのみや)のあたりで、ふたまたに分かれていて、宇都宮から福島の白河(しらかわ)へと向かう奥州街道(おうしゅうかいどう)に分岐(ぶんき)している。 (※ 宇都宮・白河など、細かな地名は、おそらく教科書の範囲外なので、学校対策では、おぼえなくてよい。)", "title": "陸路の交通" }, { "paragraph_id": 208, "tag": "p", "text": "以上の二本の街道が、五街道への北への方面である。", "title": "陸路の交通" }, { "paragraph_id": 209, "tag": "p", "text": "次に京都方面について、説明する。", "title": "陸路の交通" }, { "paragraph_id": 210, "tag": "p", "text": "京都の方面へと江戸から向かう街道は3本あるが、そのうちの2本は、途中(とちゅう)で合流(ごうりゅう)する。", "title": "陸路の交通" }, { "paragraph_id": 211, "tag": "p", "text": "五街道のうちの一つである甲州道中(こうしゅうどうちゅう)は、長野県の信濃(しなの)の諏訪(すわ)のあたりで、五街道のうちの別の一つである中山道(なかせんどう)と合流する。 甲州道中の名前は「甲州」道中だし甲府(こうふ)を通るが、じつは長野県の信濃まで、つながっている。", "title": "陸路の交通" }, { "paragraph_id": 212, "tag": "p", "text": "五街道のうちの一つである東海道は、太平洋ぞいの街道であり、京都まで他の街道とは、つながっていない。東海道の経路は、今でいう神奈川県 → 静岡県 → 愛知県 → 京都 の経路である。 当時の用語で言えば、小田原(おだわら、神奈川) → 駿府(すんぷ、静岡) → 名古屋(なごや、愛知) → 京都 である。", "title": "陸路の交通" }, { "paragraph_id": 213, "tag": "p", "text": "東海道は、もっとも人々の行き来が、さかんだった。", "title": "陸路の交通" }, { "paragraph_id": 214, "tag": "p", "text": "", "title": "陸路の交通" }, { "paragraph_id": 215, "tag": "p", "text": "警備(けいび)上の理由から、街道には、通行者の取り調べるため通行を制限(せいげん)する関所(せきしょ)が、おかれた。", "title": "陸路の交通" }, { "paragraph_id": 216, "tag": "p", "text": "関所では、通行者は、関所の役人に、通行許可証である手形(てがた)を見せる必要があった。", "title": "陸路の交通" }, { "paragraph_id": 217, "tag": "p", "text": "関所では、とくに江戸に入る鉄砲(てっぽう)と、江戸から出る女は、きびしく調べられた。鉄砲の取り調べは、反乱を恐れて(おそれて)、のことである。江戸から出る女は、参勤交代で人質として江戸に住まわせた女である、大名の妻が、こっそり江戸から故郷(こきょう)へ帰国(きこく)することを恐れて、である。", "title": "陸路の交通" }, { "paragraph_id": 218, "tag": "p", "text": "「入り鉄砲に出女」(いりでっぽうに、でおんな)と言われ、これら2つは、きびしく調べられた。", "title": "陸路の交通" }, { "paragraph_id": 219, "tag": "p", "text": "", "title": "陸路の交通" }, { "paragraph_id": 220, "tag": "p", "text": "街道には、旅行者が寝泊まり(ねとまり)するための宿場(しゅくば)が、もうけられ、宿場町が発達した。", "title": "陸路の交通" }, { "paragraph_id": 221, "tag": "p", "text": "大名(だいみょう)や幕府の役人のとまる宿(やど)である本陣(ほんじん)や、ふつうの武士のとまる脇本陣(わきほんじん)や、一般の旅行者が泊まる旅籠(はたご)が、もうけられた。", "title": "陸路の交通" }, { "paragraph_id": 222, "tag": "p", "text": "宿場の周辺の人々には、役人などのため人手をかす負担があって、この負担を 助郷(すけごう) という。", "title": "陸路の交通" }, { "paragraph_id": 223, "tag": "p", "text": "東海道には53の宿場があり、東海道五十三次(とうかいどうごじゅうさんつぎ)と言われた。", "title": "陸路の交通" }, { "paragraph_id": 224, "tag": "p", "text": "街道には、通行者が場所をわかりやすいように、並木(なみき) や 道しるべ が、もうけられた。また街道の道のりの約4キロメートルごとに一里塚(いちりづか) が、もうけられた。一里(いちり)とは、長さの単位(たんい)であり、今でいう約4キロメートル。", "title": "陸路の交通" }, { "paragraph_id": 225, "tag": "p", "text": "", "title": "陸路の交通" }, { "paragraph_id": 226, "tag": "p", "text": "郵便物をとどけるため、人が走ったり馬をつかって運ぶ飛脚(ひきゃく)の仕事が発達した。", "title": "陸路の交通" }, { "paragraph_id": 227, "tag": "p", "text": "幕府が管理する飛脚を 継飛脚(つぎひきゃく) という。町人のあいだでは 町飛脚(まちひきゃく) が利用された。", "title": "陸路の交通" }, { "paragraph_id": 228, "tag": "p", "text": "江戸時代に商業の中心的な都市は、江戸と大阪です。江戸と大阪と京都を三都(さんと)という。", "title": "都市の発達" }, { "paragraph_id": 229, "tag": "p", "text": "江戸", "title": "都市の発達" }, { "paragraph_id": 230, "tag": "p", "text": "大阪", "title": "都市の発達" }, { "paragraph_id": 231, "tag": "p", "text": "貨幣は、江戸と大阪で違っており、江戸では主に金が用いられ、大阪では主に銀が用いられた。そのため、両替商が金銀の交換を行った。", "title": "都市の発達" }, { "paragraph_id": 232, "tag": "p", "text": "その他の都市", "title": "都市の発達" }, { "paragraph_id": 233, "tag": "p", "text": "京都", "title": "都市の発達" }, { "paragraph_id": 234, "tag": "p", "text": "", "title": "都市の発達" }, { "paragraph_id": 235, "tag": "p", "text": "都市では、商業の発達にともない、商人たちが同業者の組合である株仲間(かぶなかま)が結成されていった。 株仲間は、幕府の許可のもと、営業を独占するかわりに、税を納めた。", "title": "都市の発達" }, { "paragraph_id": 236, "tag": "p", "text": "商人には、大名にも金をかすほどの有力な商人もあらわれ、江戸の三井(みつい)家や、大阪の鴻池(こうのいけ)家などの有力な商人が現れた。", "title": "都市の発達" }, { "paragraph_id": 237, "tag": "p", "text": "", "title": "都市の発達" }, { "paragraph_id": 238, "tag": "p", "text": "4代将軍〜5代将軍のから、幕府は財政が悪化していき、財政のあまり良くない状況が、江戸時代の終わりまでずっと続きます。 江戸時代には貨幣が普及していきますが、田畑の収穫が急にふえるわけでもなく、そのくせ人口はふえるし、鉱山から採れる金銀の量もへっていきますので、今の時代から見れば財政がわるくなっても当然です。", "title": "5代将軍の徳川綱吉(とくがわ つなよし)" }, { "paragraph_id": 239, "tag": "p", "text": "5代将軍の徳川綱吉(とくがわつなよし)は、動物を極端に保護する、生類憐みの令(しょうるいあわれみのれい)を出した。", "title": "5代将軍の徳川綱吉(とくがわ つなよし)" }, { "paragraph_id": 240, "tag": "p", "text": "綱吉が、いぬ年の生まれで、特に犬を保護したので、犬公方(いぬ くぼう)と大衆から呼ばれて、きらわれた。 令を出した理由は、一節には、綱吉には、子がなく、僧からのすすめで、殺生を禁じたら子ができる、と僧にすすめられ、とくに犬を大切にすれば子ができるとすすめられたらしいのが、令を出した理由だと言われている。", "title": "5代将軍の徳川綱吉(とくがわ つなよし)" }, { "paragraph_id": 241, "tag": "p", "text": "儒学などの学問に力を入れた。湯島に孔子(こうし)をまつる聖堂(せいどう)を立てる。儒学の中でも、とくに朱子学(しゅしがく)という学問を重んじた。朱子学は身分秩序を重んじるため、幕府にとって都合がよかった。", "title": "5代将軍の徳川綱吉(とくがわ つなよし)" }, { "paragraph_id": 242, "tag": "p", "text": "前将軍のときの火事の、明暦の大火(めいれきのたいか)での費用がかさむなどが、財政悪化の理由の一つです。", "title": "5代将軍の徳川綱吉(とくがわ つなよし)" }, { "paragraph_id": 243, "tag": "p", "text": "金貨・銀貨にふくまれる金・銀の量をへらした貨幣を発行したが、貨幣の信用がさがり、そのため物価(ぶっか)が上がった。", "title": "5代将軍の徳川綱吉(とくがわ つなよし)" }, { "paragraph_id": 244, "tag": "p", "text": "現代でも、一般に、貨幣の信用が下がると、物価が上がります。", "title": "5代将軍の徳川綱吉(とくがわ つなよし)" }, { "paragraph_id": 245, "tag": "p", "text": "江戸時代は貨幣の信用のうらづけは、金貨や銀貨にふくまれている金・銀なので、貨幣の中の金銀のわりあいを減らせば、商人が物を売るときに今までと同じ金・銀を手に入れるには値段を上げなければ金銀の量が前と同じになりません。", "title": "5代将軍の徳川綱吉(とくがわ つなよし)" }, { "paragraph_id": 246, "tag": "p", "text": "なので、貨幣の質をさげると、物価が上がってしまいやすいのです。", "title": "5代将軍の徳川綱吉(とくがわ つなよし)" }, { "paragraph_id": 247, "tag": "p", "text": "ただし、綱吉の政権がそこまで経済政策に詳しかったかどうかは、まだ未解明である。歴史学者が研究中であるので、中学生は深入りしなくていい。", "title": "5代将軍の徳川綱吉(とくがわ つなよし)" }, { "paragraph_id": 248, "tag": "p", "text": "(発展的事項、おわり。)", "title": "5代将軍の徳川綱吉(とくがわ つなよし)" }, { "paragraph_id": 249, "tag": "p", "text": "綱吉が、このように儒学などの学問を重んじた理由や、あわれみの令を出して殺生(せっしょう)をきらった理由としては、一節には、家康からの軍事力にたよった武断(ぶだん)的(てき)な政治をあらためるためかも?・・・という説も今では言われています。しかし、家康のころから朱子学を重んじてはいましたので、綱吉のねらいがコレかどうかは、わかりません。", "title": "5代将軍の徳川綱吉(とくがわ つなよし)" }, { "paragraph_id": 250, "tag": "p", "text": "(雑談、おわり。)", "title": "5代将軍の徳川綱吉(とくがわ つなよし)" }, { "paragraph_id": 251, "tag": "p", "text": "新井白石(あらい はくせき)は、綱吉のあとの、6代将軍の家宣(いえのぶ)に使え、7代将軍の家継(いえつぐ)に仕えた儒学者である。", "title": "新井白石(あらい はくせき)の改革" }, { "paragraph_id": 252, "tag": "p", "text": "新井白石は、綱吉のときに質の低下した金貨・銀貨の質をもとの質にもどした。また、貿易で金銀が外国に流出していたので、長崎貿易に制限を掛け、金銀の海外流出をおさえた。この白石の政治(せいじ)を、正徳の治(しょうとく の ち)という", "title": "新井白石(あらい はくせき)の改革" }, { "paragraph_id": 253, "tag": "p", "text": "綱吉の生類あわれみの令は、白石によって廃止(はいし)されます。", "title": "新井白石(あらい はくせき)の改革" } ]
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[[ファイル:Tokugawa Ieyasu2.JPG|thumb|300px|徳川家 (とくがわいえやす)]] == 江戸幕府の成立 == [[File:Edo P detail.jpg|thumb|450px|江戸城。 『江戸図屏風』(えど ずびょうぶ)]] 豊臣秀吉の死後、徳川家康が勢力を伸ばした。 徳川家康は、出身地である東海地方から、関東地方に(豊臣秀吉の命令によって)領地を移されており、徳川家康は江戸(えど)を拠点としていた。 豊臣側の石田三成(いしだ みつなり)などは、豊臣秀頼(とよとみ ひでより)の政権を守ろうとして、家康と対立した。徳川家康は、1600年の'''関ヶ原の戦い'''(せきがはらのたたかい、場所は岐阜県)で勝利し、1603年に朝廷により征夷大将軍(せいいたいしょうぐん)に任命され、'''江戸幕府'''(えど ばくふ)を開いた。 豊臣氏はまだ、大阪城を拠点に存続していたが、家康は豊臣氏を滅ぼすために1614年と1615年の二度にわたって大坂の陣で豊臣氏と戦い、1615年に家康は豊臣氏を攻め滅ぼした( 大坂冬の陣(ふゆのじん)、夏の陣(なつのじん) )。こうして、戦乱の時代が終わり、徳川氏は日本全国を支配し、江戸幕府が置かれてからの約260年間、大きな戦乱のない時代が続いた。この1603年からの約260年間を'''江戸時代'''という。 幕府の直接の支配地(現代語で「直轄地」(ちょっかつち)又は幕領という)の広さは、全国の約4分の1にあたる約700万石(ごく)であった。 江戸幕府の直轄地(ちょっかつち)とは、江戸はもちろん、そのほかに、京都・大阪・奈良・長崎も江戸幕府の直轄地だった。つまり、江戸・大阪・長崎などの重要な都市や、金銀の取れる鉱山、政策上で重要な港などが、直轄地になった。 {{コラム|江戸の経済は家康の100年前から栄えていたかもしれないという説| :※ かつては大学範囲だったが、今は中学の発展的な範囲になりかけている。2023年度の読書感想文全国コンクールの課題図書〈'''中学校の部'''〉のうちの一冊『人が作った川・荒川』で、扱われている話題。 昭和ごろの江戸幕府の当初についての言い伝えでは、家康が江戸の開発を始めるまでは、江戸は草木のしげる、さびれていた土地だったとされていて、しかし徳川家康たちが開発をして発展させたとされていたが、近年の研究では、その言い伝えは否定されている。戦国時代の北条氏がこの地帯を交通の重要拠点として、すでに発展させていたらしい(※ 参考文献: 『大学の日本史』、山川出版社、30ページ、2016年第1版第1刷)。家康統治前の江戸が草木のしげれる場所という言い伝えは、どうやら、江戸時代のなかば、徳川家康を褒め讃えるために作られた伝説らしい。日本神話に、草木のしげれるさびれた土地を切り開いて発展させたような物語があるので、それをもとにして家康を神のような人物としてほめたたえるために作られた伝説だろう、と歴史学者たちによって考えられている。 なお、昭和のころの歴史小説などでは、家康の力をおそれた豊臣秀吉が、家康の力を弱めるために、家康の地元の東海地方から遠ざけて、さびれた江戸に移転させたと、言い伝えられていた。(← で、この説が21世紀の研究で、否定されかかっている)。 2023年度の読書感想文全国コンクールの課題図書〈'''中学校の部'''〉のうちの一冊『人が作った川・荒川』でも、上記の江戸の歴史の真相が紹介されている。江戸城は家康よりも100年も前に太田道灌(おおたどうかん)と言う人が立てており、その太田道灌を訪ねた(太田とは別人の)お坊さんの日記から、江戸の町の栄えていた様子(お城の東側の港の近くの市場の栄えている様子)が記述されており、常陸(ひたち。今の茨城県)のお茶、信濃(しなの。今の長野県)の銅など、交易されていたとのこと<ref>長谷川敦 著 『人が作った川・荒川』、旬報社、2023年6月25日 初版 第3刷 発行、P50</ref>。 日記のほかにも根拠はあって、この課題図書によると、江戸時代の当時は自動車とか無いから、川で物を運ぶ必要があったが、品川(しながわ)などの川が近くにある江戸は、そういう物流にも便利だったという事。 }} == 江戸幕府 == === 大名の種類 === 江戸幕府では、将軍から1万石以上の領地を与えられた武士を、'''大名'''(だいみょう)と言った。17世紀なかごろでは、日本全国で200あまりの大名がいたとされる。 大名家は、大きく3つの種類に分けられ、それによって配置も大きく異なっている。 ; 親藩(しんぱん) : 徳川将軍家と直接の血縁関係がある家。親藩(しんぱん)のうち、紀伊(きい)・尾張(おわり)・水戸(みと)を御三家(ごさんけ)という。 ; 譜代大名(ふだいだいみょう、譜代とも言う) : 関ヶ原の戦い以前から徳川氏に従っていた家。井伊氏(彦根)や稲葉氏(伊豆)が代表的な大名である。主に江戸の周辺国や京都・大阪周辺などの要地に配置されている。 ; 外様大名(とざまだいみょう、外様とも言う) : 関ヶ原の戦い前後から徳川氏に従った家。土佐の山内家や、加賀の前田家が代表的な家である。主に三都から遠く離れた地域に配置されていた。 それぞれの地方の政治は、大名に任されていた。大名の支配している地域とその支配の仕組みを合わせて'''藩'''(はん)という。また、各藩は幕府に従い、農民に対しては「年貢」(ねんぐ)とよばれる税を課していた。 このように、江戸時代には将軍と大名による人民の支配体制がとられ、このような支配体制を'''幕藩体制'''(ばくはんたいせい)という。 なお、将軍直属の家来であり、1万石未満の者のことを、「旗本」(はたもと)または「御家人」(ごけにん)といいます。 === 幕府による大名や朝廷の支配 === 幕府は大名を取りしまる法律として'''武家諸法度'''(ぶけしょはっと)を1615年に定め、幕府に無断での築城・婚姻などを禁止した。法度に違反した大名には、領地没収(いわゆる「取りつぶし」)などの、きびしい処分を行った。 また、3代将軍の'''徳川家光'''(とくがわ いえみつ)の時代に、 領地と江戸を往復する'''参勤交代'''(さんきんこうたい)をするように定めた。 また、大名の妻子(さいし)を江戸に住まわせ、江戸住まいの生活費は、大名の藩の負担になった。参勤交代の旅費も、藩の負担となった。 なお、通説として、参勤交代のねらいは、大名による反乱を防ぐために、江戸に大名の妻子を人質(ひとじち)として住まわせる事と、往復の旅費や江戸生活の出費をさせる事である、というものがある。また、大名と大名宇都将軍の主従関係を確認するという意味合いもある。 <div style="border:1px solid #000000;"> :'''武家諸法度''' (1615年) ::一. (武士は)文武弓馬(ぶんぶきゅうば)の道に、(=学問と武道に、)ひたすら専念すること。 ::一. 大名の城は、修理する場合であっても、必ず幕府に申し出ること。ましてや、新しく城を築城することは、かたく禁止する。 ::一. 幕府の許可なしに、勝手に婚姻を結んではならない(結婚をしてはならない)。 </div> <br /> <div style="border:1px solid #000000;"> :'''武家諸法度''' (1635年) ::一. 大名は、領地と江戸とに交互に住むこと。また、毎年4月に江戸に参勤すること。 ::一. 500石以上の積みの船を作ってはならない。 ::一. 幕府の許可なしに、勝手に婚姻を結んではならない(結婚をしてはならない)。 ::一. 服装は、分相応のものを着なければならない。 </div> さらに大名は、幕府から江戸城の修築や河川修復などの普請(土木工事)も命じられ、その費用は藩の負担になったので、ますます藩の財政は苦しくなりました。 また、幕府は公家や天皇にも法度を定め、'''禁中並公家諸法度'''(きんちゅう ならび に くげしょはっと)を1615年に定めました。そして京都には朝廷を監視するため京都所司代(きょうと しょしだい)を置きました。 === 中央の組織 === 1603年、徳川家康が征夷大将軍に任命され、江戸に幕府を開いた。3代将軍の徳川家光(いえみつ)の時代ころに、幕府のしくみが完成した。 まず、将軍の下に'''老中'''(ろうじゅう)を置き、通常時の政治の実務を監督させ、それを「若年寄」(わかどしより)たちが補佐をした。通常時は、老中が将軍の次に位が高い。 非常時には、大老(たいろう)が置かれた。非常時は、大老が、将軍の次に位が高い。 <div style="font-size:120%;"> <pre>        ┏━大老        ┃ (徳川家康)将軍━╋━老中━━━━┳━大目付        ┃     ┃        ┃     ┣━町奉行        ┃     ┃        ┃     ┣━勘定奉行━━郡代・代官        ┃     ┃        ┃     ┗━遠国奉行        ┃        ┣━若年寄        ┃        ┗━寺社奉行 </pre> </div> 「大目付」(おおめつけ)とは、大名の監視(かんし)をする役職である。 「寺社奉行」(じしゃぶぎょう)とは、寺社を取りしまる奉行である。 「町奉行」(まちぶぎょう)とは、江戸の町政をおこなう奉行である。(※ 中学3年の公民の用語でいうと、江戸の町の行政(町政)と司法(裁判)の仕事をするのが町奉行である。つまり、町奉行は、「立法」はしない。江戸時代は、司法と行政を、同じ機関が行った。) 「勘定奉行」(かんじょうぶぎょう)とは、江戸幕府の財政を取りしきる奉行である。また、幕府の直轄領(ちょっかつりょう)の監督もしている。なお、江戸幕府の直轄領のことを「天領」(てんりょう)という。(※ いちおう、「天領」(てんりょう)は中学検定教科書の範囲内。教育出版の教科書および自由社の検定教科書で紹介されてる。しかし、他の教科書では紹介されておらず、それほど重要な用語でもないだろうから、無理して覚える必要は無いだろう。下記の、歴史用語が「天領」から「幕領」に変化している件も参照のこと) つまり、勘定奉行の仕事とは、江戸幕府の財政のほか、天領を監督する仕事もしている。 :(※ 備考: )なお、近年、歴史用語としては、江戸幕府の直轄領の呼び名は変更されており、「天領」から「幕領」に変わっている。つまり「幕領」とは、江戸幕府の直轄領のこと。高校の教科書でも、山川出版社(教科書会社のひとつ)の日本史Bの検定教科書を読むと、「幕領」という呼び方に変わっている。 :なお、江戸時代の当時は直轄地のことは「御領」などと呼ばれえていた。それが明治時代に入り、江戸幕府の消失にともない、旧・幕府直轄領が天皇家の領土として編入されたことから、さかのぼって、江戸時代の幕府直轄領のことを「天領」と呼ぶようになった経緯のようである。だが現代の歴史学の用語としては、明治時代に天皇家の直轄領だったことなんて最早、江戸時代の研究には不要なので、なので幕府の直轄領なんだから、略して「幕領」といったほうが合理的だろいうという判断などにより、歴史用語としては「幕領」に変わった。 「遠国奉行」(おんごくぶぎょう)とは、京都・大阪・長崎などを支配する奉行である。 西国大名の監視のため、「大坂城代」(おおさかじょうだい)が置かれた。 勘定奉行のしたに、郡代(ぐんだい)や各種の代官(だいかん)が配置された。 また、幕府は、貨幣の発行権も独占し、さらに石見(いわみ)銀山や佐渡(さど)金山などを幕府の直轄地(直接の支配地)にした。 == 鎖国 == 江戸幕府はヨーロッパ諸国の軍事的干渉・宗教的干渉などをおそれ、貿易や出入国をきびしく制限する政策をとった。のちの明治時代にこのような江戸幕府の政策は「鎖国」(さこく)と呼ばれた。 {{コラム| デマ注意! 『鎖国』の件 | :※ ネット上ではデマで、今の中学教科書に『鎖国』の文字は無いと、ときどき言われますが、しかし ::帝国書院『社会科 中学校の歴史』、平成23年3月30日 文部科学省 検定済み、平成25年1月20日 発行、102ページ、 :などに同等と、『鎖国』の文字があり、『日本人の出入国を禁止した政策は、江戸時代後半に『鎖国』とよばれるようになりました』と記載があります。 :ネット上の知ったかぶりのデマに騙されないようにしましょう。 ;今後も「鎖国」という表現は使われる可能性が大です 中学・高校の歴史の検定教科書を執筆している歴史学者のひとりである山本博文(大学教授、東大)も、彼の著書で、「鎖国」という言葉が間違いだというデマを批判している<ref>山本博文 著『【東大流】流れをつかかむ すごい!日本史講義』、PHP研究所(出版社名)、2020年5月5日 第1版 第1刷、235ページ</ref>。 山本のいうには、 :・明治時代の「開国」という表現と対比づける必要性があるという理由や、 :・江戸時代にオランダ語通訳の志筑忠雄(しづき ただお)によって書かれた「鎖国論」という書籍の存在、 :・「『鎖国』は間違い」派は、「江戸時代の日本は中国・韓国・アイヌ・琉球・ポルトガルとも貿易していた」というのを自説の根拠にするが、そもそも「鎖国」という表現が問題視されずに検定教科書から使われていた昭和の時代からも、「江戸時代の日本は中国・韓国・ポルトガルと貿易していた」という認識であるので、一言も「貿易していない」なんて昭和の歴史学者は言っておらず、「『鎖国』は間違い」派の言説がなんの反論にもなっておらず、論理が破綻している、 ・・・というような感じで山本は批判している。 要するに、歴史研究の成果としては、単に、アイヌや琉球といった従来(昭和ごろ)は未解明だった地域との貿易の実態が、21世紀頃から解明されてきただけにすぎない。 その研究成果を反映して「4つの口」(中国・韓国・アイヌ・琉球)という表現がある歴史学者によって提唱されただけのことである。この表現風にいうなら、昭和の従来説はさしずめ「2つの口」(中国・韓国)だろうか。 ところが、それを無知な世間の人(マスコミなど)が、「鎖国」という表現が「4つの口」に変わった、というデマに置き換えているだけである。 念のため参考書を調べてみても、2020年以降に出版された中学参考書(学研や旺文社など)を見ても、「鎖国」という用語は引き続き使われています。 中学だけでなく、高校の山川出版社(教科書会社名)の2020年発行の検定教科書ですら、「鎖国」という用語があります。高校の参考書でも、その出版社の本をみても、「鎖国」の用語はあります。参考書によっては「4つの口」という用語を紹介している出版社もありますが、べつに「鎖国」と言う用語と置き換えようしなんて、していません(マスコミが勝手に「置き換わっている」と騒いでるだけです)。 もはや「教科書に『鎖国』の用語は無い」と言うのは、完全なデタラメです。またもし仮に将来、中学教科書から「鎖国」の文字が消えたとしても、高校教科書には引き続き残るでしょう。 }} {{コラム|(※ 範囲外: )「藩」という用語は廃藩置県のときに出来た、など| 世間では、「江戸時代の当時、『鎖国』という用語は使ってなかったので、教科書から消すべき」という意見もあります。 しかし、そもそも「藩」という用語は廃藩置県のときに出来たらしいです。『江戸幕府』という用語自体、滅んだ鎌倉幕府や室町幕府を連想させるため、江戸幕府は自分たちの政権を呼ぶのに『幕府』という用語を使わせなかった、とも言われています。歴史用語にはこのように、当時は存在しなかった言葉も多くあります。 }} {{コラム|(※ 範囲外: )西洋とはオランダだけと交易するようになった背景 | :(参考文献 『大学の日本史』(山川出版社)105ページによると、)江戸時代の当初、江戸幕府は、秀吉のキリスト教の禁止政策をさらに徹底させつつも、貿易では(日本と)オランダとの貿易だけでなく、(日本と)ポルトガルとの貿易も続けようという方針であったらしい。しかし、後述する「島原・天草一揆」(しまばら・あまくさいっき)というキリスト教徒の起こしたとされる一揆により、江戸幕府はキリスト教のさらなる取りしまりの必要性を感じて、その結果、貿易相手国をオランダだけに制限したらしい。 :※ つまり、<br /><br />  朱印船(しゅいんせん)貿易 → キリスト教禁止 → 島原・天草一揆 → 鎖国 <br /><br />という順番である。 }} 「鎖国」政策の直接要因となった出来事は、1637年の'''島原・天草一揆'''(しまばら・あまくさいっき)である。この「島原・天草一揆」とは、九州の島原(しまばら、長崎県)・天草(あまくさ、熊本県)地方で、農民たちが重税やキリスト教の取り締まりに反発して、大規模な一揆を起こした事である。 {{コラム| デマ注意! 『天草四郎』の件 | :※ ネット上では、デマで、「天草一揆のリーダーとされた『天草四郎』の名前が今の検定教科書では削除された」みたいなデマがありますが、しかし検定教科書に堂々と、 ::帝国書院『社会科 中学校の歴史』、平成23年3月30日 文部科学省 検定済み、平成25年1月20日 発行、102ページ、 :に傍注で四郎の肖像画と一緒に書いてあります。教科書の数十年前との変化は、実際は単にカリキュラム変更で高校の範囲に、天草四郎など個々人のことが回っただけですので、デマを鵜吞みにしないようにしましょう。 }} このような出来事の結果、江戸幕府は、さらにきびしいキリスト教の取りしまりをするために、1639年にはポルトガル船の日本への来航を禁止した。(スペインは1624年にすでに日本への来航を禁止されていた。) ただし、いわゆる「鎖国」の例外として、オランダは日本への来航を許された。 1639年には貿易のための商館が平戸から長崎の出島(でじま)へと移され、出島でオランダ・清(しん)と日本との貿易が行われた。また、対馬藩を通じて李氏朝鮮(りしちょうせん)との貿易をしており、日本は合わせて3か国とのみ貿易を行っていた。 オランダは、日本ではキリスト教を布教していない。 === 江戸時代はじめごろの貿易 === * 朱印船貿易(しゅいんせんぼうえき) [[File:Dutch-Japanese trading pass 1609.jpg|thumb|300px|right|徳川家康朱印状/オランダ国立公文書館蔵]] 徳川家康の時代のころから、東南アジア方面の国々と貿易をしていた。なお、この貿易は、のちに廃止される。 この貿易では、日本の船に幕府の貿易許可をしめす<big>'''朱印状'''</big>(しゅいんじょう)という証明書が必要だったので、そのような朱印状を持っている日本船を<big>'''朱印船'''</big>(しゅいんせん)と呼んだ。この朱印船による東南アジアとの貿易を<big>'''朱印船貿易'''</big>(しゅいんせんぼうえき)という 2代将軍の秀忠の時代にも朱印船貿易は続き、キリスト教を秀忠が禁止したあとにも、朱印船貿易は続けられた。 東南アジアのルソン(今のフィリピン)やシャム(今のタイ)に日本人が集団で移り住み、東南アジア各地に'''日本町'''が出来た。 当時はスペイン人がルソン(今のフィリピン)に進出していた。 この朱印船貿易のころは、日本は貿易相手になった西洋諸国については、オランダの他にもイギリスとポルトガルとも日本は朱印船貿易をしていました。 なお、このころは、長崎県の平戸(ひらと)に、貿易のための商館がありました。 朱印船貿易により、日本からは銀が輸出されました。いっぽう、中国産の生糸や絹織物などが、日本に輸入されました。 朱印船貿易は3大将軍の家光(いえみつ)のときに終わります。 * オランダとの貿易 家康は、イギリスとオランダの日本との貿易を許し、平戸(ひらど、長崎県にある)での貿易が始まる。 きっかけは1600年に豊後(ぶんご)に流れ着いたオランダ船リーフデ号に乗っていたオランダ人のヤン・ヨーステン(Jan Joosten)とイギリス人のウィリアム・アダムス(william Adams)であり、この二人が幕府の外交の相談役になったからである。 今の東京にある八重洲(やえす)の名前の由来はヤン・ヨーステンである。 スペインに遅れて貿易に参加することになったオランダは、キリスト教の布教には関心がなかった。 オランダは日本との貿易を独占するため、スペインやポルトガルはキリスト教の布教を通じて日本を侵略しようとしている、と幕府に、つげていた。 イギリスはオランダとの競争にやぶれ、日本をはなれて、イギリスの関心はインドでの貿易に変わった。 === キリスト教の禁止 === :1612年 家康のころ、江戸幕府は1612年にキリスト教を禁止する禁教令(きんきょうれい)を出します。 :1629年〜 絵踏み [[Image:Jesus on cross to step on.jpg|thumb|300px|イエス・キリストの踏み絵]] 3代将軍の家光の1629年のころから、キリスト教徒を発見するため、踏み絵(ふみえ)を用いた絵踏み(えふみ)が行われるようになった。 *踏み絵(ふみえ)による絵踏み(えふみ) この時代、キリスト教は禁止されていたが、かくれてキリスト教を信じる「隠れキリシタン」(かくれキリシタン)がいた。このような隠れキリシタンを取り締まるため、幕府は人々にキリストやマリアなどが描かれた銅板の踏み絵(ふみえ)を踏ませるという、絵踏み(えふみ)をさせて、絵踏みをしないものはキリシタンであるとして処罰した。 :1637年 九州の島原地方(しまばら、長崎県)や天草地方(あまくさ、熊本県)で、キリスト教の信者の農民など3万人をこえる反乱勢力(一揆勢力の人数は3万7000人だと言われている)による一揆が起きる。農民の反乱の理由は、キリスト教禁止によるキリシタンへの弾圧、および、領主による重い年貢などへの反乱である。 反乱軍の中心人物は、<big>天草四郎</big>(あまくさ しろう)とも言われる「益田時貞」(ますだ ときさだ)で、反乱軍は島原半島の原上にたてこもったが、幕府の松平信綱(まつだいら のぶつな)を中心とする兵数12万人ほどの幕府軍により、反乱軍は負けた。 この出来事を「'''島原・天草の一揆'''」(しまばら・あまくさ の いっき)と言う。「島原・天草の一揆」とは、いわゆる「島原の乱」(しまばら の らん)のことである。 * 宗門改帳(しゅうもんあらためちょう) 「島原・天草の一揆」後、幕府は、人々を宗門改帳(しゅうもんあらためちょう)に記し、仏教寺院にその人が仏教徒であることを証明させることで、キリスト教の禁止をさらに強めた。 === 鎖国(さこく) === 江戸幕府は貿易を制限していき、江戸時代の貿易の相手国は最終的に朝鮮と琉球(りゅうきゅう、今でいう沖縄)、オランダ、清(しん、今でいう中国)、アイヌ(今でいう北海道)だけに、かぎられていく。 当時、オランダは台湾やインドネシアに進出していた。台湾の地に、オランダ人は「フォルモサ」(オランダ語:Formosa)という地名を名づけていた。(※ フォルモサという地名は、小中学生は、おぼえなくて良い。) スペイン人の来日を禁止する。 :1633年 朱印船以外の海外渡航の禁止。 :1635年 日本人の海外渡航の禁止。海外にいる日本人の帰国の禁止。 :( 1637年 島原の乱(しまばらのらん)が起きる。 ) :1639年 ポルトガル船の来航を禁止。 [[ファイル:Plattegrond van Deshima.jpg|thumb|300px|1824年、もしくは1825年に描かれた出島の鳥瞰図。扇形をしている。]] :1641年 平戸(ひらど、長崎県)にあったオランダ人の商館を、長崎の出島(でじま)に移した。長崎は幕府が直接に支配する直轄地(ちょっかつち)である。 このように、幕府は貿易を独占し、また、制限していく。 貿易だけでなく、キリスト教の布教も禁止し、また、外国人が、一部の地域をのぞいて日本に入れないようにした。 この、江戸幕府による、外国人と日本人との交流を減らして(へらして)いった対外政策は、のちに江戸時代の1800年ごろから<big>鎖国</big>(さこく)と言われはじめ、明治時代から「鎖国」という用語が広がります。 なお、江戸幕府は長崎のオランダ商館に、外国のようすを幕府に報告(ほうこく)させるための報告書(ほうこくしょ)の提出を義務づけ、<big>『オランダ風説書』</big>(オランダふうせつがき)の提出が義務づけられた。 (※ 発展: )オランダの宗教は、宗教改革のプロテスタントの国である。それまで戦国時代に貿易していた相手国であるスペインやポルトガルは、カトリックの国である。 ::(※ 教科書会社の副教材ワークシートを読むと、こういった分析まで教えている。プロテスタントとカトリックとの知識を、日本の鎖国政策と関連づけさせる記載も、ワークシートにある。) 結果的に、日本はカトリック国との貿易を日本国民に禁止したことになり、そして日本は結果的にプロテスタント国であるオタンダとの貿易を日本国民に認めたことになる。 * 朝鮮との貿易 [[File:Chōsen Tsūshin-shi Raichō-zu.jpg|thumb|300px|'''朝鮮通信使''' 江戸の町を朝鮮通信使の一行がおとずれた様子です。]] 徳川家康の時代に、対馬藩(つしまはん)を通して朝鮮(ちょうせん)との貿易が行われます。秀吉の時代には朝鮮出兵により貿易が中断(ちゅうだん)しましたが、江戸時代に入り日本と朝鮮との国交が回復し、日本と朝鮮との貿易が再開します。対馬藩(つしまはん)の大名である宗(そう)氏の媒により、朝鮮と日本との貿易が復活します。朝鮮から日本への(、日本が輸入した)輸入品は、生糸や木綿、朝鮮人参(ちょうせんにんじん)です。 日本からは銅や銀が輸出されました。 3代将軍の家光の時代からは、日本で将軍の代替わり(だいがわり)ごとに、朝鮮からの通信使(つうしんし)が訪れるようになります。朝鮮からの通信使を <big>朝鮮通信使</big>(ちょうせん つうしんし) と言います。 また、朝鮮の釜山(プサン)には倭館(わかん)が作られ、貿易の拠点になりました。 == 江戸時代の沖縄と北海道 == === 琉球(りゅうきゅう)王国 === [[ファイル:Naha Shuri Castle16s5s3200.jpg|thumb|left|300px|首里城(しゅりじょう、方言:スイ グスク)。沖縄県の那覇市(なは し)にある<big>守礼門</big>(しゅれいもん)は、この琉球の王朝のころに琉球王国の国王が住んでいた<big>首里城</big>(しゅりじょう)というグスク(「城」のこと、沖縄方言)の正門のこと。首里城は 世界遺産(せかい いさん) に登録されている。首里(しゅり)は、今でいう、那覇(なは)のこと。]] 江戸時代、沖縄は「琉球」(りゅうきゅう)という王国でした。 江戸時代の初めごろ、17世紀に、琉球国は薩摩藩によって征服(せいふく)されました。そして、薩摩藩によって、琉球は年貢を取られるようになりました。 幕府や薩摩藩は、琉球国に、日本と中国との貿易を仲介させました。琉球が、日本に征服される以前から行っていた中国との貿易をつづけさせ、その貿易の利益を薩摩藩が手に入れました。 また、中国は、朝貢をする国とだけ貿易をする方針だったので、日本は、琉球国を仲介して、琉球を中国に朝貢させた。江戸幕府も、琉球に中国との貿易を仲介させるため、琉球が中国に朝貢することを認めた。 このため、琉球王国は、日本に征服されているのに、琉球は中国に朝貢するという、独特な立場の国になった。 中国との貿易のために、このような朝貢貿易という名目があったため、江戸時代のあいだ、琉球王国は、ほろんでいません。 (江戸幕府)将軍や琉球国王の代替わりごとに江戸に使節を送らせるのが慣例になり、幕府の権威(けんい)が琉球にまで及んでいる事を江戸などの人々に印象づけた。琉球からは、将軍が変わるごとに慶賀使(けいがし)と呼ばれる就任祝いの使節と、琉球王が変わるごとに謝恩使(しゃおんし)と呼ばれる感謝の使節が江戸に派遣された。 幕府は、琉球からの使節には、中国風の衣服を着させることで、あたかも中国が日本に服属しているかのような印象を、庶民に与えたと言われています。 {{-}} === 北海道 === 江戸時代、北海道は「蝦夷(えぞ)」とよばれており、アイヌ民族が住んでいました。 現代では、この北海道のいくつかの民族をまとめて、アイヌ民族と呼んでいます。 アイヌは、松前藩(まつまえはん)と貿易をさせられていました。 アイヌの人が持ってくるサケやコンブを、わずかな米などと交換していたといいます。 このような不公平な貿易におこったアイヌの人たちが、1669年、反乱を起こしました。'''シャクシャイン'''という人物を中心に反乱を起こしました。 :(※ 範囲外)よく「シャクシャインの反乱」と言われるが、しかしシャクシャイン自体は松前藩の支配下には入っておらず、そのため、この呼び方に疑問が出されている<ref>高橋秀樹 ほか著『ここまで変わった日本史教科書』吉川弘文館、2016年10月1日 第2刷発行、P133</ref>。そのためか、検定教科書では「シャクシャインの反乱」とは呼んでいない。なので、中学生は人名「シャクシャイン」さえ覚えればいい。 松前藩は、シャクシャインをだまし討ちして殺害しました。松前藩は、停戦を申し込むとウソをいってシャクシャインをまねき、シャクシャインがやってきたところを、殺害しました。(※ 検定教科書の範囲内 東京書籍や帝国書院の教科書で、本文外の写真などの下のコラムで記述。) そしてアイヌによる反乱は鎮圧され、いっそう厳しく(きびしく)、アイヌは支配されました。 貿易の品目は、日本からは、コメや酒、鉄器などを、アイヌに輸出していたと言われています。 {{-}} == 身分制度 == 江戸時代は身分制度がきびしく定められた時代です。 江戸幕府は、それ以前の秀吉の時代からの兵農分離(刀狩り)の政策を江戸幕府も受け継ぎ、江戸幕府は人々を、'''武士'''(ぶし)、'''百姓'''(ひゃくしょう)・'''町人'''(ちょうにん)に区別する身分制度を定めました。 :※ 現代語の「町」(まち、ちょう)とは、江戸時代の「町」(ちょう)は、意味がちがいます。 江戸時代の「町人」とは、今でいう、城下町などの比較的に大きな都市(当時は城下町などが都市だった)に住む住人、というような意味です。また、町人の職業も、今でいう商人と職人です。 [[File:江戸時代の人口割合.svg|thumb|400px|left|江戸時代の身分別の人口割合。(関山直太朗『近世日本の人口構造』より)]] 百姓(ひゃくしょう)は、主に農民たちです。江戸時代の全人口の80%以上は百姓(農民)です。 町人は、主に、商人と(大工などの)職人です。 武士や町民のような、比較的に高い身分は、原則として、その家の親から長男に代々、受け継がれました。また、勝手に身分を変えることは出来ませんでした。 また、身分や職業や家柄などによって、住む場所がほとんど決められており、それ以外の場所に住むことは原則的に出来ませんでした。 武士は、城下町に住まわされました。 また、江戸時代は、武士・百姓・町人のほかに、「えた」「ひにん」という低い身分が定められていました。 * 身分別の人口割合 :江戸時代の総人口: 3200万人 ::百姓 : 約85% ::武士 : 約 7% ::町人 : 約 5% ::僧侶・公家・えた・ひにん : 約 3% (身分別の人口割合 おわり)。 {{-}} === 武士・百姓・町人 === ==== 武士 ==== *:武士は、人々を支配する身分でもあります。足軽も将軍も、身分は武士です。 武士の頂点に立つのが将軍であり、その下に様々な役職が置かれました。 武士の特権として、名字(みょうじ)を名乗ったり、刀を持つこと(帯刀、たいとう)は原則として武士のみ許されていた。武士の住む場所は、主に城下町でも城に近いところに住むようにされました。 ==== 百姓(ひゃくしょう) ==== *:全人口の80%ほどを百姓(ひゃくしょう)がしめた。百姓の大半は農民ですが、漁業や林業を行う人も百姓にふくまれます。 農民は、おもに農村に住まわされました。農村は、城下町よりも離れたところに作られています。 農民は主に二つに区別されており、土地を持つ'''本百姓'''(ほんびゃくしょう)と、土地をもたない'''水呑百姓'''(みずのみびゃくしょう)に区別されていました。 収穫高の40~50パーセントが年貢として納められた。年貢が5割の場合、<big>五公五民</big>(ごこう ごみん)と、いいます。「五公」で年貢が5割という意味です。 年代によって年貢が6割の場合もあり、その場合は六公四民(ろくこう よんみん)といいます。 年代によって年貢が4割の場合もあり、その場合は四公六民(よんこう ろくみん)といいます。 つまり、江戸時代の年貢は、五公五民ぐらいでした。 年貢となる農作物は、おもに米(こめ)ですが、地域の実情に応じて、特産品などが代わりに年貢として納められる場合もあります。 村役人は、有力な本百姓のなかから、藩などによって選ばれました。有力な本百姓は、「名主」(なぬし)、「組頭」(くみがしら)、「百姓代」(ひゃくしょうだい)などといわれる村役人に選ばれました。名主は、「庄屋」(しょうや)ともいいます。 * 農民への御触書(おふれがき) 農民のくらしは、贅沢(ぜいたく)をしないように、きびしく管理されました。 農民への御触書(おふれがき)によって、農民の生活のきまりが、定められました。 御触書の内容は、現代風に訳すと次のような内容です。 <div style="border:1px solid #000000;">  '''農民への御触書(おふれがき)''' :一. 朝は早起きをして草を刈り、昼には田畑の耕作をして、夜には縄(なわ)をつくって俵(たわら)を編む(あむ)など、それぞれの仕事をしっかりと行うこと。 :一. 幕府の法令を怠ったり、地頭や代官のことを粗末に考えず、また名主や組頭のことは真の親のように思って尊敬すること。 :一. 酒や茶を飲まないこと。 :一. 農民は麦・ひえ・あわ などの雑穀(ざっこく)などを食べ、なるべく米を食べないこと。 :一. 農民の服は、麻(あさ)と木綿(もめん)だけであり、ほかの服は着てはいけない、裏地(うらじ)にも他の布を使ってはならない。 </div> 以上の内容が御触書の内容として有名ですが、他にもつぎのような内容も御触書にあります。 (※ おぼえなくても、大丈夫だろう。) <div style="border:1px solid #000000;">  '''農民への御触書(おふれがき)''' :一. タバコは、吸うな(すうな)。 :一. 名主(なぬし、村長のこと)は親のように敬え(うやまえ)。 </div> 御触書などの命令により、江戸時代では、田畑の売買は禁止されていました。 * 五人組(ごにんぐみ) 農民には、村で5〜6件ごとに五人組(ごにんぐみ)という集団をつくらせ、年貢の未納や犯罪などに連帯責任を負わせました。 <!-- コラムが長いので、先に「五人組」を紹介します。 --> {{コラム|| ;「慶安の御触書」は慶安のものではないという真相 (※ 範囲外。& 編集者への情報 )かつて上記の御触書は「慶安の御触書」といわれていましたが、どうも慶安(年号のひとつ)の時代のものではなく、元禄(げんろく)元年(※ 17世紀末ころ)に甲府藩で作成されたものであり、なのに天保(てんぽう、19世紀前半)の頃に日本全国に普及した際に、作成年代が「慶安の御触書」と間違って慶安の頃のものとして伝えられたらしい事が歴史研究で解明されてきた<ref>相澤理『歴史が面白くなる 東大のディープな日本史【近世・近代編】』、株式会社KADOKAWA (中経文庫)、P104</ref>。なので、「慶安」という時代を限定する表記は外すことになり(慶安の時代ものではないので)、単に「御触書」または、御触書だけだと何の御触書か分からないなら「農民への御触書」のように言うようになった。 どうやら、江戸時代後半の財政難やら飢饉などで悩んでいる諸藩の政治家たちが、江戸時代初期の江戸幕府が隆盛していただろうと思われた3第将軍・家光のころの時代を懐かしんで、「慶安の御触書」という名前をつけたらしい<ref>相澤理『歴史が面白くなる 東大のディープな日本史【近世・近代編】』、株式会社KADOKAWA (中経文庫)、P104</ref>。なお、江戸時代、年号をつける権限をもつのは天皇である(将軍ではない)。慶安は3代・家光や4代・家綱の時代。 ;農民はそこそこ裕福かもしれない また、昭和の時代の歴史学の通説では、「慶安の」御触書などを信じて、江戸時代の農民は比較的に貧しかったと考えられていたが、しかし、江戸時代の後半になると庶民の旅行ブーム(御蔭参り(おかげまいり) )なども発生するので、もし本当に貧しいなら旅行の余裕は無いはずなので、つまり実際の江戸時代の農民・庶民の暮らしぶりは、昭和の通説で考えられていたよりも、生活に余裕があったという可能性も、21世紀の学説では考えている。 なお、「御蔭参り」(おかげまいり)とは、伊勢神宮に参拝するブーム。江戸や大阪から数十日をかけて伊勢神宮に参拝したり、東北や九州からも伊勢神宮に参拝したり、そんな旅行ブームが江戸時代の後半にあった。 }} ==== 町人 ==== *:町人の職業は、主に商人か職人です。 土地や家屋などを持つ町人は、それぞれ「地主」(じぬし)、「家持」(いえもち)と言われた。それらを持たない町人は、「地借」(じがり)、「店子」(たなこ)と呼ばれた。 家や店を持つ町民は、営業税を納める必要がありました。しかし、町人の負担は、百姓と比べると軽かったです。 === えた、ひにん === このほか、「えた」 および 「ひにん」 と言われる、農民よりも身分が低くされ、もっとも身分が低い(ひくい)という差別をされた人々がいました。「えた」と「ひにん」は、それぞれ別の身分です。 えたは、皮革業(ひかくぎょう)などのような、動物の死体をあつかう職業などをしていた身分です。このような死体を扱う身分は、いやしい職業だと、当時は考えられていました。しかし、武士なども、戦(いくさ)のときには敵をころしたりしますが、武士は低い身分とはされませんでした。このように、とても武士に都合のいい非合理な差別でした。 「えた」や「ひにん」は皮革業のほかにも、さまざまな職業の者がいました。犯罪者の処刑にたずさわったりする職業の「えた」・「ひにん」の者もいました。「ひにん」には、役人のもとで下働きをしたり、あるいは芸能にたずさわる者もいました。 「えた」「ひにん」の住む場所は、きびしく制限され、あまり他の身分の者と関わる機会の少ないような場所にすまされ、他身分との交流なども制限を受けた。百姓や町人の住む場所とも別の場所にと、「えた」「ひにん」の住む場所は区別されました。 {{コラム|「士農工商」(しのうこうしょう)| かつて昭和の終わりころまで、江戸時代には「士農工商」(しのうこうしょう)の4つの身分がある、と言われてました。 しかし、近年の研究により、4つの身分に区分するよりも、武士・町人・百姓の3つに区分するほうが実態に近い事が分かっています。 そもそも「士農工商」とは、中国(今でいう中華人民共和国の「中国」)の古い書物にある用語だったようです。 }} == 「家」制度 == :(※ 中学歴史の範囲内です。検定教科書で江戸時代の家制度についての記述がある事を確認した。) 江戸時代、家庭は、父親の権限が強かった。(いわゆる家父長制(かふちょうせい)である。) 家長(かちょう)には、原則として父親がなるものとされた。(家長とは、いわゆる「戸主」(こしゅ)のことであり、その家の主(あるじ)のことである。)武家の場合、女性は家長になることは許されなかったし、財産を相続することも許されなかった。(※ 武家と女性の相続についての参考文献: 清水書院の検定教科書。)  :※ (範囲外:) 鎌倉時代は、北条政子(ほうじょう まさこ)のように、武家でも女性の地位が高かった。だが、しかし、江戸時代は違うのである。 また、次の家長になるものとして、長男が優遇された。女性や次男以下の家庭内での地位は、低かった。 (で、自由社の検定教科書などが指摘してる事だが、)江戸時代の「家」は、企業・自営業(じえいぎょう)に近い。だから、たとえ長男であっても、家業(かぎょう)を継がない場合は、家を継げなかったのである。「家業」とは、たとえば店を経営している商家なら、その店を経営することが「家業」。 江戸時代、家業と家の財産は、家長ではなく、家そのものに属するものとされた。(※ 参考文献: 日本文教出版の検定教科書。) よく、江戸時代の家制度の説明で「家は長男が継ぐものとされた」などと教科書で書かれる場合があるが、家を継ぐ場合には家業も継がねばならない、という条件がある。 べつに商人に限ったことではなく、江戸時代に限ったことでもなく、武家や戦国時代から、こうである。(※ 参考文献: 『大学の日本史 2―教養から考える歴史へ 中世』山川出版社、2016年第1版、192ページ、) (で、自由社の検定教科書が言うには)江戸時代の家制度は、血統による身分の区分ではなく、職業による身分の区分である。(※ 参考文献: 自由社『あたらしい歴史教科書』、平成23年検定版、127ページ) だから、百姓・町人などから武士に取り立てられる者もいれば、その逆に武士から町人になる者もいた(・・・と自由社は主張している)。 (※ 範囲外:) たとえば、「3本の矢」の故事でも有名な戦国大名・毛利元就(もうり もとなり)は、息子の苗字が「吉川」元春(きっかわ もとはる)・「小早川」隆景(こばやかわ たかかげ)のように、倒した敵大名の苗字を名乗らせているのは、敵大名の統治していた領地や家臣団・領民などを、息子に継がせるために、その敵大名家の苗字を名乗らせたのである。(※ 参考文献: 『大学の日本史 2―教養から考える歴史へ 中世』山川出版社、2016年第1版、192ページ、) {[コラム|丁稚など| ;丁稚 :※ 帝国書院の検定教科書パンフレットに記載あり。 当時の「家」は現代とは違い、商人や職人の家では、住み込みなどで主人の家で働く人も多かった。10歳くらいの若い子が、住み込みで働きに来ていることもよくあり、10歳くらいの彼らは「丁稚」(でっち)と言われた。 }} == 産業 == === 農業 === 17世紀のなかばごろになると、平和な時代になったこともあり、幕府や藩は、大規模な'''新田開発'''を進めました。 その結果、開墾(かいこん)が進み、全国の田畑の耕地面積が秀吉の頃の、ほぼ2倍 に広がりました。 幕府や藩の財政は百姓からの年貢にたよっており、財政をゆたかにするために農業を発達させる必要があったのです。 江戸時代は貨幣が全国的に流通していたので、武士は年貢米を売って貨幣(かへい)に現金化していました。 年貢米は江戸や大阪にある蔵屋敷(くらやしき)に運ばれ、商人によって売りさばかれ現金化されます。 治水(ちすい)工事も進み、農地に水を引く灌漑(かんがい)のための用水路(ようすいろ)が各地にできた。 箱根上水(はこね じょうすい) や 玉川上水(たまがわ じょうすい) は江戸時代に出来た。 九州の有明湾で干拓(かんたく)事業がされた。 [[Image:Japanese-hoe-biccyukuwa,katori-city,japan.JPG|thumb|180px|備中ぐわ]] [[File:Japanese old threshing machine,Senba-koki,Katori-city,Japan.JPG|thumb|left|220px|千歯こき]] * 農具の発達 備中鍬(びっちゅうぐわ)・千歯こき(せんばこき)・千石どおし(せんごくどおし)などが開発された。 :備中鍬(びっちゅうぐわ) ・・・ 耕すための農具で、深く耕せる。 :千歯こき(せんばこき ・・・ 稲(いね)の穂(ほ)から米つぶを脱穀するための道具。くし状の部分が鉄製で、何本もの、くし状の「こき」があるので、一度に多くの穂(ほ)を脱穀できる。 :千石どおし(せんごくどおし)、とおみ ・・・ 脱穀(だっこく)が出来る。脱穀とは、もみを、ふるい分ける事。 [[Image:Mizuguruma,human power waterwheel,katori-city,japan.JPG|thumb|right|140px|水車(みずぐるま)、踏み車(香取市)]] * 踏車(ふみぐるま) ・・・ 灌漑(かんがい)用の水車である踏車(ふみぐるま)なども開発された。 踏車は、人間が踏んで回す水車なので、重力に逆らって水を高いところにあげられるという仕組みである。 竜骨車(りゅうこつしゃ)という、かんがい用の農具もあります。形は踏車とちがいますが、竜骨車も、農民が足で踏んで(ふんで)動かすことで、水がくみあがる仕組みです。 * 商品作物 売ることを目的に、綿・なたね・茶・麻・あい、などの、今で言うところの'''商品作物'''(しょうひんさくもつ)が作られるようになった。 農村でも貨幣(かへい)が使われるようになった。 綿の生産の発達により、民衆の服は麻(あさ)から綿(めん)に変わっていく。 あい や べにばな などは、染料として使われた。 外国から伝わった作物も、つくられるようになった。さつまいも、じゃがいも、かぼちゃ・とうもろこし、などである。 * 肥料 油かす(あぶらかす) ・・・ なたね油やごま油の しぼりかす であり、肥料として使われる。 干鰯(ほしか) ・・・  いわし。肥料として使われた。 * 水産業 沿岸漁業が、ほとんど。 九十九里浜(くじゅうくりはま、現在の千葉県)では、いわし漁がさかんだった。瀬戸内海では塩田(えんでん)が発達した。 === 工業 === 家内制手工業(かないせい しゅこうぎょう) :農民は、農作業のないときに綿花や絹などの織物(おりもの)をして商品を生産したり、菜種油や麻(あさ)材料など、商品の生産をするようになった。 問屋制家内工業 :商人などが生産に必要な設備(せつび)や資金(しきん)などを百姓に貸し与え、百姓が生産して、出来あがった製品を商人が買い取り、商人が販売するという方式。 工場制手工業(こうじょうせい しゅこうぎょう) [[File:Owari meisyo zue - yuukijima oriya.jpg|thumb|500px|工場制手工業 (『尾張名所図会』(おわり めいしょ ずえ)) ]] :商人や大地主が、生産に必要な設備を買い入れ、職場に多くの人をあつめて働かせるという、今でいう工場のような生産方式が出始める。<big>工場制手工業</big>(こうじょうせい しゅこうぎょう)という。18世紀になると、日本では工場制手工業が行われるようになってきた。 西洋史で言う <big>マニュファクチュア</big> に対応している。 * 鉱業(こうぎょう) :鉱山(こうざん)の多くは、幕府が経営した。そのため、得られた金銀などは幕府の収入になった。生産された金・銀・銅は貨幣の材料になったり、輸出品になった。 金山(きんざん) :佐渡(さど、新潟県)の金山。 銀山(ぎんざん) :生野(いくの、兵庫県)の銀山や石見(いわみ、島根県)の銀山。 銅山(どうざん) :足尾(あしお、栃木県)の銅山や、別子(べっし、愛媛県)の銅山。 銅は長崎貿易の輸出品に、なった。 鉄 :鉄(てつ)は砂鉄(さてつ)や、釜石(かまいし、岩手県)の鉄山から。 === 商業 === 江戸時代は、商人があつかう商品の量や種類が増えた。このため、商業の仕組みが発達した。貨幣が全国的に流通するようになった。 商品の量や種類がふえ、複雑(ふくざつ)化していったので、商人も分業化するようになり、問屋(とんや)や仲買(なかがい)や小売商(こうりしょう)の区別ができた。 問屋どうしの中でも分業はすすみ、さらに分業化が商品の種類ごとに進み、米をあつかう米問屋(こめどんや)や、木綿(もめん)をあつかう木綿問屋(もめんどんや)、油問屋(あぶらとんや)など、専業化していった。 問屋(とんや)とは、生産者から商品を仕入れ、販売店などの小売業者に商品を販売する仕事である。 :村の外や藩の外との取引が活発ということは、前提として、村どうし・藩どうしが信用しあっているということです。つまり、日本が平和ということです。江戸時代の商業は、戦国時代とは、ちがう、というわけです。 :また、商品を輸送(ゆそう)する物流(ぶつりゅう)のためには、道路や運送業(うんそうぎょう)が必要です。江戸時代の道路や街道などの発達の理由は、「参勤交代のため」という理由の他にも、もしかしたら商業上での商品の輸送(ゆそう)が必要という物流(ぶつりゅう)上の理由もあったのかもしれません。 :なお、大量の商品を運ぶには、海上交通をつかうと、時間はかかるが安く運びやすい。このため、江戸時代は海運(かいうん)が発達した。 ==== 商人の種類 ==== いろんな種類の商人の職が出てきます。現代の仕事に関連づけて、おぼえてください。現代の仕事に関連づけないと、おぼえづらいでしょう。 *蔵屋敷(くらやしき) 江戸時代は貨幣が全国的に流通していたので、武士は年貢米を売って貨幣(かへい)に現金化していました。 年貢米や、年貢のかわりの特産物(とくさんぶつ)は、江戸や大阪にある<big>'''蔵屋敷'''</big>(くらやしき)に運ばれ、商人によって売りさばかれ現金化されます。 大阪は商業がさかえ、<big>「天下の台所」</big>(てんかの だいどころ)と言われました。 分業化は蔵屋敷でも、されていました。仕事の種類によって、大阪では蔵元(くらもと) や 掛屋(かけや)などに分業されました。江戸では 札差(ふださし) などがありました。 蔵元(くらもと)は、売りさばきが担当の商人です。今でいう販売員です。 掛屋(かけや)は、売上金の輸送や保管の仕事です。今でいう銀行の 預金業務(よきんぎょうむ) や 振り込み(ふりこみ) のような仕事をしています。 蔵屋敷で現金化できる年貢や特産物など、諸藩からの商品をあわせて、 蔵物(くらもの) と言います。 いっぽう、民間から出た商品も出回り、納屋物(なやもの)といいます。 (※ おぼえなくてよい。) * 両替商 両替商(りょうがえしょう)は、もともとは、金貨や銀貨や銅貨の交換を、手数料をもらって行なう仕事ですが、そのうち仕事の内容が変わり、今でいう銀行のような預金(よきん)業務と貸付(かしつけ)業務を行なうようになった。 両替商は貨幣の調達などに信用があるので、両替商どうしの帳簿(ちょうぼ)上の処理(しょり)で貨幣(かへい)の送金(そうきん)の代わり(かわり)とする 信用取引(しんようとりひき) の仕組みが発達した。 江戸を中心に関東では金が取引の主流であり、大阪などの関西では銀が取引の主流であったので、両替が必要だった。「両」とは金貨のこと、あるいは金貨の単位である。 商人のなかには、江戸の三井(みつい)や大阪の鴻池(こうのいけ)のように、財政の苦しい藩(はん)や大名に おかね を貸し付けたり、藩の財政にかかわるほどの、有力な商人もあらわれた。 * 鉱山の開発 貨幣をつくるには、材料の金や銀が必要なので、幕府は鉱山を開発しました。 また、貨幣をつくる権利は幕府が独占した。 商業の発達には、交通の発達も必要である。 ==== 越後屋 ==== 江戸時代の始めごろまでは、商売の支払い方法では、後でまとめて払う方法が普通だった。 しかし1673年に、三井高利(みつい たかとし)が江戸で開いた越後屋呉服店(えちごや ごふくてん)が、現金払いで店頭ですぐに売買する商法を始めた。 このような商法は江戸時代の当時「現金かけ値なし」(げんきん かけねなし)と言われた。「かけ値」とは、定価よりも高く売ること。 越後屋は、かけ値をやめたのである。(※ 東京書籍、清水書院、教育出版など、多くの検定教科書で紹介。) :※ 当時、越後屋以外の服屋では、値札(ねふだ)をつけてない呉服屋が多かった。そもそも、値札や定価(ていか)という考え方そのものが、この時代は、うすかった。越後屋以前の常識では、呉服などの販売では定価をさだめずに、客の値引き交渉に応じることこそマナーだと思われていたが、しかし越後屋はその従来の方法は効率を低下させる間違った手法だろうとして、販売手法の改革をしたわけだ。 売買がすぐに成立するぶん、越後屋はすぐに代金を改修できるし、また、客にとっては安く販売できるため、越後屋と客の双方に利点があった。(※ ← ほぼ帝国書院の教科書の見解) 越後屋は、呉服店のほか、両替商(りょうがえしょう)も行った。 :※ ちなみに現代の三越(みつこし)デパートの会社は、もとを正すと江戸時代の三井の越後屋がもとになってる。「三」井の「越」後屋の頭文字をとって、三越という名前をつけたのである。 == 海上交通の発達 == 船は、大量の荷物を、少ない人物で運べます。しかも、一度、船に積めば、目的地までは途中で積み替えをする必要がありません。 このため、大量の商品を運ぶには、海上交通をつかうと、時間はかかるが安く運びやすい。このような理由で、海運(かいうん)が発達した。 また、船も改良され発達した。 [[ファイル:Osaka Maritime Museum Naniwamaru.jpg|thumb|菱垣廻船の復元船「浪華丸」]] 菱垣廻船(ひがきかいせん) :積み荷が船から落ちないように、船の両側に垣(かき)がつけられ、その垣の形が菱型(ひしがた)に組まれていたので、菱垣廻船(ひがきかいせん)という。 樽廻船(たるかいせん) :酒はくさりやすいので、素早く運ぶ必要があった。そのためのスピードが早くなる工夫をされた船である。 * 航路 東廻り(ひがしまわり)航路 :東北地方の太平洋側から、太平洋側を通り、江戸までをむすぶ航路。 西廻り(にしまわり)航路 :日本海側の東北地方から、瀬戸内海を通り、大阪までをむすぶ航路。 江戸の商人である川村瑞賢(かわむら ずいけん)によって、東回り航路と西回り航路が開かれた。 == 陸路の交通 == 全国を道でつなぐため、街道(がいどう)が出来た。 [[ファイル:Hiroshige le pont Nihonbashi à l'aube.jpg|300px|right|thumb|江戸の日本橋の、ようす。五街道は日本橋が起点。画:歌川広重『東海道五十三次』より。]] 江戸の日本橋(にほんばし)を起点とする幹線道路(かんせんどうろ)としての街道が5本あるが、これを<big>'''五街道'''</big>(ごかいどう)という。読みは「ご<big>が</big>いどう」ではなく「ご<big>か</big>いどう」なので、まちがえないように注意。 五街道(ごかいどう) と、そのほかの道である 脇街道(わきかいどう) などによって、東北から山陰・山陽地方までが道でつながった。 九州や四国も、それぞれの島の内部が、道でつながった。 五街道は、東北地方の南部の今でいう福島県から京都までしか、つながっていない。 日光へと向かう 五街道のうちの街道が<big>'''日光街道'''</big>(にっこうかいどう)である。 日光街道は、北関東の宇都宮(うつのみや)のあたりで、ふたまたに分かれていて、宇都宮から福島の白河(しらかわ)へと向かう<big>'''奥州街道'''</big>(おうしゅうかいどう)に分岐(ぶんき)している。 (※ 宇都宮・白河など、細かな地名は、おそらく教科書の範囲外なので、学校対策では、おぼえなくてよい。) 以上の二本の街道が、五街道への北への方面である。 次に京都方面について、説明する。 京都の方面へと江戸から向かう街道は3本あるが、そのうちの2本は、途中(とちゅう)で合流(ごうりゅう)する。 五街道のうちの一つである<big>'''甲州道中'''</big>(こうしゅうどうちゅう)は、長野県の信濃(しなの)の諏訪(すわ)のあたりで、五街道のうちの別の一つである<big>'''中山道'''</big>(なかせんどう)と合流する。 甲州道中の名前は「甲州」道中だし甲府(こうふ)を通るが、じつは長野県の信濃まで、つながっている。 五街道のうちの一つである<big>'''東海道'''</big>は、太平洋ぞいの街道であり、京都まで他の街道とは、つながっていない。東海道の経路は、今でいう神奈川県 → 静岡県 → 愛知県 → 京都 の経路である。 当時の用語で言えば、小田原(おだわら、神奈川) → 駿府(すんぷ、静岡) → 名古屋(なごや、愛知) → 京都 である。 東海道は、もっとも人々の行き来が、さかんだった。 * 関所(せきしょ) [[画像:Ishibe shukubanosato02s3200.jpg|thumb|280px|関所の様式の門。観光テーマパークでの復元。]] 警備(けいび)上の理由から、街道には、通行者の取り調べるため通行を制限(せいげん)する<big>'''関所'''</big>(せきしょ)が、おかれた。 関所では、通行者は、関所の役人に、通行許可証である手形(てがた)を見せる必要があった。 関所では、とくに江戸に入る鉄砲(てっぽう)と、江戸から出る女は、きびしく調べられた。鉄砲の取り調べは、反乱を恐れて(おそれて)、のことである。江戸から出る女は、参勤交代で人質として江戸に住まわせた女である、大名の妻が、こっそり江戸から故郷(こきょう)へ帰国(きこく)することを恐れて、である。 <big>'''「入り鉄砲に出女」'''</big>(いりでっぽうに、でおんな)と言われ、これら2つは、きびしく調べられた。 街道には、旅行者が寝泊まり(ねとまり)するための<big>'''宿場'''</big>(しゅくば)が、もうけられ、宿場町が発達した。 大名(だいみょう)や幕府の役人のとまる宿(やど)である<big>本陣</big>(ほんじん)や、ふつうの武士のとまる脇本陣(わきほんじん)や、一般の旅行者が泊まる旅籠(はたご)が、もうけられた。 宿場の周辺の人々には、役人などのため人手をかす負担があって、この負担を 助郷(すけごう) という。 東海道には53の宿場があり、<big>東海道五十三次</big>(とうかいどうごじゅうさんつぎ)と言われた。 街道には、通行者が場所をわかりやすいように、並木(なみき) や 道しるべ が、もうけられた。また街道の道のりの約4キロメートルごとに<big>一里塚</big>(いちりづか) が、もうけられた。一里(いちり)とは、長さの単位(たんい)であり、今でいう約4キロメートル。 * 通信の発達。飛脚(ひきゃく) 郵便物をとどけるため、人が走ったり馬をつかって運ぶ<big>'''飛脚'''</big>(ひきゃく)の仕事が発達した。 幕府が管理する飛脚を 継飛脚(つぎひきゃく) という。町人のあいだでは 町飛脚(まちひきゃく) が利用された。 == 都市の発達 == 江戸時代に商業の中心的な都市は、江戸と大阪です。江戸と大阪と京都を'''三都'''(さんと)という。 江戸 :将軍のいる江戸城の城下町なので、江戸は「将軍の おひざもと」と言われました。江戸時代なかごろの18世紀には、人口が100万人をこえる大都市になった。 大阪 :全国から年貢や特産物が集まり、商業のさかんな街である。年貢を現金化する<big>蔵屋敷</big>(くらやしき)があり、各藩の大名の蔵屋敷が大阪にあった。大阪は「'''天下の台所'''」と言われた。 貨幣は、江戸と大阪で違っており、江戸では主に金が用いられ、大阪では主に銀が用いられた。そのため、両替商が金銀の交換を行った。 その他の都市 京都 :天皇の住む皇居(こうきょ)があり、寺社も多い。伝統文化の中心地だった。西陣織(にしじんおり)や清水焼(きよみずやき)などの工芸品の産地でもある。 都市では、商業の発達にともない、商人たちが同業者の組合である株仲間(かぶなかま)が結成されていった。 株仲間は、幕府の許可のもと、営業を独占するかわりに、税を納めた。 商人には、大名にも金をかすほどの有力な商人もあらわれ、江戸の三井(みつい)家や、大阪の鴻池(こうのいけ)家などの有力な商人が現れた。 == 5代将軍の徳川綱吉(とくがわ つなよし) == 4代将軍〜5代将軍のから、幕府は財政が悪化していき、財政のあまり良くない状況が、江戸時代の終わりまでずっと続きます。 江戸時代には貨幣が普及していきますが、田畑の収穫が急にふえるわけでもなく、そのくせ人口はふえるし、鉱山から採れる金銀の量もへっていきますので、今の時代から見れば財政がわるくなっても当然です。 5代将軍の徳川綱吉(とくがわつなよし)は、動物を極端に保護する、<big>生類憐みの令</big>(しょうるいあわれみのれい)を出した。 綱吉が、いぬ年の生まれで、特に犬を保護したので、犬公方(いぬ くぼう)と大衆から呼ばれて、きらわれた。 令を出した理由は、一節には、綱吉には、子がなく、僧からのすすめで、殺生を禁じたら子ができる、と僧にすすめられ、とくに犬を大切にすれば子ができるとすすめられたらしいのが、令を出した理由だと言われている。 儒学などの学問に力を入れた。湯島に孔子(こうし)をまつる聖堂(せいどう)を立てる。儒学の中でも、とくに'''朱子学'''(しゅしがく)という学問を重んじた。朱子学は身分秩序を重んじるため、幕府にとって都合がよかった。 前将軍のときの火事の、明暦の大火(めいれきのたいか)での費用がかさむなどが、財政悪化の理由の一つです。 金貨・銀貨にふくまれる金・銀の量をへらした貨幣を発行したが、貨幣の信用がさがり、そのため物価(ぶっか)が上がった。 * 発展的事項: 貨幣の質と、物価についての解説 現代でも、一般に、貨幣の信用が下がると、物価が上がります。 江戸時代は貨幣の信用のうらづけは、金貨や銀貨にふくまれている金・銀なので、貨幣の中の金銀のわりあいを減らせば、商人が物を売るときに今までと同じ金・銀を手に入れるには値段を上げなければ金銀の量が前と同じになりません。 なので、貨幣の質をさげると、物価が上がってしまいやすいのです。 :※ 教科書には「物価が上がったから不況になった」とは書かれてないことに気をつけよう(そういう教科書もあるかもしれないが)。現代の経済政策では、不景気のときの対策として、貨幣の価値をさげることで、取り引きを一時的に活発にして不況を脱しようという手法がある。(なぜ貨幣の価値をさげると取り引きが活発化するかは、中学3年の公民や高校『政治経済』などで習う。) ただし、綱吉の政権がそこまで経済政策に詳しかったかどうかは、まだ未解明である。歴史学者が研究中であるので、中学生は深入りしなくていい。 (発展的事項、おわり。) * 雑談 綱吉が、このように儒学などの学問を重んじた理由や、あわれみの令を出して殺生(せっしょう)をきらった理由としては、一節には、家康からの軍事力にたよった武断(ぶだん)的(てき)な政治をあらためるためかも?・・・という説も今では言われています。しかし、家康のころから朱子学を重んじてはいましたので、綱吉のねらいがコレかどうかは、わかりません。 (雑談、おわり。) {{コラム|(※ 範囲外:) 赤穂浪士の事件| :※ 帝国書院がコラムで赤穂事件を扱っている。 読者はテレビ時代劇などで『忠臣蔵』(ちゅうしんぐら)を見たことある人もいるでしょう。 この忠臣蔵の題材にもなった、赤穂浪士の討ち入り事件およびキッカケの事件が起きた時期(1702~1703年)が、ちょうど綱吉の統治の時代です。 赤穂事件とは、旧・赤穂藩の主人である浅野内匠頭(あさのたくみのかみ)が、幕府のお偉いさんの吉良上野介(きら こうずけのすけ)に過度に馬鹿にされたと思い、江戸城の中で、刀で吉良に切りつけた事件です。 その後、浅野内匠頭は処刑されましたが、旧・赤穂藩の武士たちは、主人の復讐のために、吉良家に討ち入りしました。 武士道の観点からすれば、主人のカタキを取る旧・赤穂藩による討ち入りは美談のように思えますが、一方で幕府の役人・吉良に反逆することは武士道に反するように思えます。 江戸時代の当時からもう、庶民のあいだでも議論になっていました。 当時の庶民が詠んだとされる狂歌に、次の歌があります。 :''たのもしや 内匠(たくみ)の家に 内蔵(くら)ありて 武士の鏡を とり出しけり'' :※ 検定教科書(帝国書院)で、この歌が取り上げられています。 赤穂浪士たちの討ち入りのリーダーは、大石内蔵助(おおいし くらのすけ)という人物です。 幕府内ですら、さすがに討ち入りに処罰を与える必要性は多くの幕府内の幹部・学者が感じているものの、ではどういう理由で処罰を下すべきか、討ち入り直後の時期には幕府内でも意見が割れたようです。 なお、赤穂浪士たちは最終的に幕府から切腹を命じられ、切腹しました。 もしかしたら、1710年や1718年に武家諸法度が改訂されたのは、赤穂事件の影響があるのかもしれませんね。(考えて見ましょう。検定教科書<!-- 帝国書院 -->も、答えを出さずに、自分で考えるように推奨しています。) }} == 新井白石(あらい はくせき)の改革 == [[ファイル:Arai Hakuseki.jpg|thumb|250px|新井白石(あらい はくせき)]] <big>新井白石</big>(あらい はくせき)は、綱吉のあとの、6代将軍の家宣(いえのぶ)に使え、7代将軍の家継(いえつぐ)に仕えた儒学者である。 新井白石は、綱吉のときに質の低下した金貨・銀貨の質をもとの質にもどした。また、貿易で金銀が外国に流出していたので、長崎貿易に制限を掛け、金銀の海外流出をおさえた。この白石の政治(せいじ)を、<big>正徳の治</big>(しょうとく の ち)という 綱吉の生類あわれみの令は、白石によって廃止(はいし)されます。 :(※ 範囲外: )「正徳の改革」とは言わずに「正徳の治」というのは、日本史用語でいう、江戸時代の「改革」とは、将軍が宣言して打ち出した改革のみに用いられるという理由による。なので、白石の政策の内容は現代語で言う「改革」だが、しかし歴史用語としては「正徳の治」となる<ref>山本博文 著『【東大流】流れをつかかむ すごい!日本史講義』、PHP研究所(出版社名)、2020年5月5日 第1版 第1刷、250ページ</ref>。 [[カテゴリ:中学校歴史|えとはくふのはしまり]] [[カテゴリ:江戸時代]]
2005-11-28T01:47:50Z
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2,980
高等学校日本史
近現代中心の「日本史A」と、通史全般の「日本史B」の二科目に分かれている。
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近現代中心の「日本史A」と、通史全般の「日本史B」の二科目に分かれている。
{{Pathnav|小学校・中学校・高等学校の学習|高等学校の学習|frame=1}} 近現代中心の「日本史A」と、通史全般の「日本史B」の二科目に分かれている。 == 書棚 == * [[高等学校日本史A]] * [[高等学校日本史B]] == 参照 == * [[センター試験 日本史対策]] [[Category:日本の歴史|高にほんし]] [[Category:高等学校教育|にほんし]] [[Category:社会科教育|こうとうかつこうにほんし]]
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関係諸法等 (刑事法)
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[[法学]]>[[刑事法]]>[[刑法]]>[[刑法概論]]>'''関係諸法等 (刑事法)''' == [[刑事訴訟法]] == == 刑事政策・刑事学・犯罪学 == == [[行刑法]] == === [[刑罰論・刑罰の種類]] === ==== [[刑罰論・刑罰の種類#残虐な刑罰の禁止|残虐な刑罰の禁止]] ==== ==== [[刑罰論・刑罰の種類#死刑|死刑]] ==== ==== [[刑罰論・刑罰の種類#懲役|懲役]] ==== ==== [[刑罰論・刑罰の種類#禁錮|禁錮]] ==== ==== [[刑罰論・刑罰の種類#拘留|拘留]] ==== ==== [[刑罰論・刑罰の種類#罰金|罰金]] ==== ==== [[刑罰論・刑罰の種類#科料|科料]] ==== ==== [[刑罰論・刑罰の種類#没収|没収]] ==== === その他行刑 === ==== 行政罰 ==== ==== 過料 ==== ==== 交通反則金制度 ==== === 執行猶予制度 === === [[行刑にかかる争点]] === ==== [[行刑にかかる争点#死刑廃止論|死刑廃止論]] ==== ==== [[行刑にかかる争点#自由刑統一論|自由刑統一論]] ==== ==== [[行刑にかかる争点#短期自由刑廃止論|短期自由刑廃止論]] ==== ==== [[行刑にかかる争点#保安処分|保安処分]] ==== ==== [[行刑にかかる争点#ディクリミナリゼーション|ディクリミナリゼーション]] ==== == [[日本法以外の刑法・刑事法]] == == [[諸外国における刑法・刑事法]] == == [[国際刑法・国際刑事法]] == [[Category:刑法|かんけいしよほうとう]]
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2,995
行刑法
法学>刑事法>刑法>刑法概論>関係諸法等 (刑事法)>行刑法 ここでは日本において講学上、行刑法に分類される分野について解説する。(ドイツの行刑法や大韓民国の行刑法については、別の項目において解説する。)
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[[法学]]>[[刑事法]]>[[刑法]]>[[刑法概論]]>[[関係諸法等 (刑事法)]]>[[行刑法]] ここでは日本において講学上、行刑法に分類される分野について解説する。([[w:ドイツ|ドイツ]]の行刑法や[[w:大韓民国|大韓民国]]の行刑法については、別の項目において解説する。) == [[刑罰論・刑罰の種類]] == === [[刑罰論・刑罰の種類#残虐な刑罰の禁止|残虐な刑罰の禁止]] === === [[刑罰論・刑罰の種類#死刑|死刑]] === === [[刑罰論・刑罰の種類#懲役|懲役]] === === [[刑罰論・刑罰の種類#禁錮|禁錮]] === === [[刑罰論・刑罰の種類#拘留|拘留]] === === [[刑罰論・刑罰の種類#罰金|罰金]] === === [[刑罰論・刑罰の種類#科料|科料]] === === [[刑罰論・刑罰の種類#没収|没収]] === == その他行刑 == === 行政罰 === === 過料 === === 交通反則金制度 === == 執行猶予制度 == == [[行刑にかかる争点]] == === [[行刑にかかる争点#死刑廃止論|死刑廃止論]] === === [[行刑にかかる争点#自由刑統一論|自由刑統一論]] === === [[行刑にかかる争点#短期自由刑廃止論|短期自由刑廃止論]] === === [[行刑にかかる争点#保安処分|保安処分]] === === [[行刑にかかる争点#ディクリミナリゼーション|ディクリミナリゼーション]] === [[Category:刑法|きようけいほう]] [[Category:刑法総論|きようけいほう]]
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3,008
中学校社会 歴史/室町時代
この時代はどのような改革が行われ、どのように室町幕府が成立したのだろう。 1333年(元弘3年)に新田義貞(にった よしさだ)らが鎌倉幕府を攻め落として、鎌倉幕府をほろぼした。鎌倉幕府がほろんだあと、後醍醐天皇は、摂政や幕府をおかず天皇を中心とした政治を行った。翌年1334年には年号を「建武」(けんむ)とさだめたので、これらの後醍醐の政治を 建武の新政という。だが、公家に多くの恩賞を与えるいっぽうで、武士への恩賞は少なかったので、武士は不満を持った。 新政をほろぼそうと足利尊氏が武士の復権をかかげて兵をあげた。そして、尊氏の軍が後醍醐天皇の朝廷の軍に勝ち、建武の新政はわずか2年半ほどで終わった。 後醍醐天皇が政治を行っていた頃、建武元年(1334年)に京都の二条河原に立てかけられた札に、次のような、政治の混乱ぶりが書かれている。新政への批判を遠まわしに書いていると思われる。 原文は、韻をふんでいて、リズムカルになっている。 足利尊氏(あしかが たかうじ)は、京都にあらたに天皇をたてた。こうして京都に北朝(ほくちょう)が出来た。このときに尊氏が京都にたてた天皇は光明天皇(こうみょう てんのう)。 すると、後醍醐天皇(ごだいごてんのう)は奈良の吉野(よしの)山中に逃れた。後醍醐天皇の吉野側の朝廷を南朝(なんちょう)という。 尊氏は1338年に北朝の天皇から(尊氏が)征夷大将軍に任命され、足利尊氏が室町幕府(むろまち ばくふ)を開いた。 南北朝の対立は、やがて全国的な対立へと発展した。 各国の武士は、南北朝のうち自分に有利な側に味方して争ったので、南北朝の対立は全国的な内乱となり、約60年間にわたって争乱がつづいた。 南北朝から拡大した全国的な争乱によって、各国の守護(しゅご)職の権利が強まり、それまでの軍事や警察権に加えて、さらに年貢の半分を得る権利などが守護に認められた。やがて国司にかわって守護が各国を支配するようになった。このような守護を守護大名(しゅご だいみょう)という。 南北朝の対立は、足利の側の北朝に有利に進み、3代将軍の足利義満(あしかが よしみつ)のころには、南朝はほとんど勢力を失っていた。そして南朝を北朝に合一するように呼びかけ、南朝に従わさせて、1392年に足利義満は南北朝を統一した。 義満は将軍権力を固めて南北朝の統一を行い、天皇に迫る権力を確立する事となる。「室町」時代(むろまち じだい)の呼び名は、3代将軍の足利義満(あしかが よしみつ)が、京都の室町(むろまち)に開いた御所(花の御所(はなのごしょ))が政治の中心地になったことによる。室町幕府がつづいた1573年までの約240年間を室町時代という。南北朝が、幕府主導で統一されたことにより、朝廷は政治的な権限を失っていった。 のちに義満は太政大臣(だじょう だいじん)となり、朝廷の権威も手に入れ、政治の実権をにぎった。さらに、のち、義満は出家したので、義満は天皇の臣下ではなくなった。 室町幕府では、将軍の補佐役として管領(かんれい)という職を置いていた。守護は、有力な守護大名などから選ばれた。細川(ほそかわ)氏や畠山(はたけやま)氏などの有力な守護大名が交代で管領に選ばれた。 また、関東には鎌倉府(かまくらふ)を置かれ、室町幕府による関東支配の拠点になった。関東府の長官には足利氏の一族がついた。 14世紀には中国で漢民族の帝国である明(みん)が1368年にたてられた。いっぽう、モンゴル族の元(げん)は北に追いやられた。 南北朝の争いのころから、東シナ海では倭寇(わこう)の海賊的な活動が活発になった。このころの倭寇の人員は日本人が中心だったが、ほかにも中国人や朝鮮人も加わっていた。倭寇は海賊行為や密貿易をしていた。倭寇は、沿岸の街から食料などを略奪したり、人をさらったりした。明は、日本に倭寇の取り締まりを求めた。 明は貿易を制限し、明に朝貢をする国にのみ、明との貿易を認め、自由な貿易を禁止した。貿易そのものも、明への朝貢の一部とみなされ、周辺国からの朝貢としての輸出品に対し、明は返礼を与えてやるという形式での貿易だった。 足利義満は、この機会に明と国交をむすび、倭寇の取り締まりも行い、明への朝貢貿易を行った。明の皇帝からは義満は「日本国王」(にほん こくおう)と認められた。正式な日本の貿易船には、海賊船と区別するために、文字の書かれた合い札(あいふだ)が日本として、明から勘合(かんごう)という合い札の片方が日本の貿易船に与えられた。 合札の、もう片方は中国側が持っており、日中両国の合い札を合わせることで、文字が正しく出来上がる。日明貿易のことを、勘合を用いたため、勘合貿易(かんごう ぼうえき)という。 日本からは、銅や刀剣が輸出された。明からは、銅銭、生糸、絹織物、陶磁器などが日本にもたらされた。 日本の明との貿易の利益は、幕府の収入源に なった。 14世紀末の朝鮮半島では、李成桂(り せいけい、イ・ソンゲ)が高麗(こうらい、コリョ)をたおし、朝鮮(ちょうせん)という国をたてた。 朝鮮も明への朝貢貿易を行った。また朝鮮も日本に倭寇の取り締まりを求め、日本とは対等な国交をむすび、朝鮮と日本との貿易も行われた。勘合に似た仕組みの合い札が、朝鮮との貿易でも使われた。 朝鮮では、公用語が漢文だったが、あらたに独自の文字のハングルが民衆のために作られ、1446年(文安3年)に朝鮮王によって公布された。しかし、まだ民衆には、あまりハングルは普及しなかった。現在の韓国や北朝鮮ではハングルが文字に使われている。ハングルは表音文字である。また、朱子学が広まった。このころに日本では、まだ綿があまり栽培されていなかったので、朝鮮からの輸出品で綿布などが多く輸出された。 のちに日本でも綿の栽培がされるようになった。 朝鮮からの輸出は、綿の他には経典などが日本へ輸出された。朝鮮の印刷技術では、金属活字が使われていたという。 朝鮮との貿易は、のちに対馬の宗(そう)氏だけが朝鮮から貿易をみとめられ、貿易の独占権を与えられ、宗氏が朝鮮との貿易を独占するようになった。 沖縄では14世紀には、3つの勢力に分かれていて北山(ほくざん)・中山(ちゅうざん)・南山(なんざん)の3つの地域が争っていたが、15世紀に中山王(ちゅうざんおう)の尚(しょう)氏が沖縄本島を統一し、琉球王国(りゅうきゅう おうこく)をたて、首里(しゅり)を都とした。(首里の場所は現在の那覇(なは)市。) なお、北山を山北(さんほく)という場合もあり、南山を山南(さんなん)という場合もある。 琉球の貿易では、東南アジア・中国・日本とをむすぶ中継(ちゅうけい、なかつぎ)貿易が行われた。 北海道は蝦夷地(えぞち)と言われていた。蝦夷(えぞ)では、アイヌ民族が、くらしていた。 津軽(つがる)半島の十三湊(とさみなと)を拠点に、和人とアイヌとの交易が行われた。 蝦夷地からは鮭(さけ)や昆布などが輸出され日本にもたらされた。 この十三湊の領主の安東氏(あんどう し)が栄えた。 15世紀には、北海道の南部に和人が進出し、渡島(おしま)半島の沿岸部に館(たて)と呼ばれる根拠地を多くつくり、アイヌと交易した。和人の進出により、それまでいたアイヌと衝突を起こした。アイヌの首長のコシャマインが蜂起したが、和人に鎮圧された。 コシャマインの蜂起の鎮圧後、しばらくすると和人とアイヌとの交易が再開され、交易は安定していった。また、この時代、和人の居住区域は限定されていた。(※ 帝国書院のデジタツパンフレット版の教科書見本より。) 6代将軍 義教(よしのり)が暗殺されたころから、すでに守護大名どうしが対立していました。(※ 東京書籍、日本文教出版の教科書で紹介。) そして15世紀の8代将軍 足利義政(あしかが よしまさ)の時代に、義政には実子がおらず、跡継ぎ(あとつぎ)の座をめぐり、まず先に弟の足利義視(あしかが よしみ)が形式的には跡(あと)を継いだが、その翌年に正妻である日野富子(ひのとみこ)が義尚(よしひさ)を生み、このことが発端となり15世紀なかばに争いになる。 (※ 自由社の教科書で、上述のような、あとつぎ争いのイキサツが紹介されている。) また、三官領のうち斯波(しば)氏では斯波義敏(しば よしとし)・斯波義廉(しば よしかど)のあいだで相続争いが起こり、また畠山氏では畠山政長(はたけやま まさなが)・畠山義就(はたけやま よしなり/よしひろ)の間でそれぞれ相続争いが起こった。 このころは既に将軍の権力は衰えており、各地の守護大名が力を強めていて、たがいに勢力争いをしていた。将軍や官領の跡継ぎ(あとつぎ)争いが起こり、それぞれの家中でそれぞれ細川勝元(ほそかわ かつもと)と山名宗全(やまな そうぜん)につき、このため二派の争いはその後に全国的な争いに発展することとなる。 畠山政長と義就の衝突から、京都を戦場とする戦いが1467年(応仁元年)に起きた。この戦乱を 応仁の乱(おうにんの らん) という。この戦いは長期戦となり、京都の町は焼け野原になり、勝元・宗全の両者亡き後も争いは止まず、応仁の乱は11年ほど続いた。応仁の乱では、足軽(あしがる)と呼ばれる軽装の歩兵が、機動力が高く、活躍した。 (この応仁の乱を要因として、戦乱が地方にも広がり、しだいに戦国時代へと突入することになる。) 米と麦などの二毛作(にもうさく)が西日本だけでなく東日本でも広まり、全国各地に広まった。 手工業も進歩し、農具が普及したこともあり農業技術が進歩した。かんがい(灌漑)の技術の発達が発達して灌漑に水車が用いられるようになったり、用水が作られた。また人の糞尿や牛馬の糞などから作られた肥料の使用の普及や、牛馬を用いた耕作も普及していった。これらに加えて、従来の肥料である草や木を燃やして灰にした草木灰(そうもくかい)や、刈草をくさられた肥料なども使用されていた。 農業の生産力が増えたこともあり、多くの種類の農作物が栽培された。麻(あさ)、桑(くわ)、藍(あい)、茶なども生産され、養蚕(ようさん)もさかんになった。16世紀には、朝鮮から伝わった綿の栽培も、三河(みかわ、愛知県)などでさかんになった。 紙の原料の こうぞ、油の原料の えごま、漆器(しっき)の塗料(とりょう)の原料の うるし、なども栽培された。手工業では、京都の西陣(にしじん)や博多(はかた、福岡県)などの絹織物(きぬおりもの)や、紙、陶器、刀や農具なども生産された。各地の特産物が手工業や農業では作られた。 茶の特産地では、京都の宇治(うじ)などが特産地になった。 刀や農具を作るための鍛冶(かじ)や鋳物(いもの)業も、さかんになった。その原料を掘り出すための採掘も多く行われ、銅や金・銀、砂鉄などが採掘された。 手工業では、業種ごとに同業者どうしの組合の 座(ざ) がつくられ、座には製造や販売を独占する権利が、有力な寺社などから与えられた。 室町時代には、鎌倉時代よりも ますます商業が発達した。たとえば定期市は、鎌倉時代は月3回の 三斎市(さんさいいち) だったが、室町時代には月6回の 六斎市(ろくさいいち) になった。 室町時代の産業では、運送業(うんそうぎょう)が発達した。商業や農業・工業が発達したので、商品を運ぶ必要がふえたからである。 この時代の陸上での運送業者は、馬を使って運送をすることが多かったので、 馬借(ばしゃく) と言われる。なお、牛車で運ぶ場合は 車借(しゃしゃく) と言う。 道路も整備された。幕府や寺社などは、交通の要所に関所(せきしょ)をもうけ、通行税をとった。 商業には貨幣(かへい)が必要である。明の銅銭である明銭(みんせん)を日本に輸入されて使われた。この明銭とあわせて、鎌倉時代に宋から輸入して使われた宋銭(そうせん)も引き続き使われていた。このころの日本では、正式な貨幣は作られず、明銭や宋銭などを日本国内での貨幣として使用していた。 明銭では永楽通宝(えいらくつうほう)が有名である。 農民は、年貢を貨幣で納めることも多くなっていった。そのために、農作物を市で売って貨幣に変えることも行われた。 他にも、倉庫などの保管業などを行っていたり輸送の管理をしたりする 問丸(といまる) が出来た。これが問屋(とんや)の起源である。 高利貸し(こうりがし)で金貸しをおこなう金融業者(きんゆう ぎょうしゃ)が京都や奈良などの都市で増えてくる。土倉(どそう) や 酒屋(さかや) と言う。土倉(どそう)とは今でいう質屋(しちや)のことで、客から品物をあずかるかわりに、客にお金を貸した。酒屋は、文字どおり酒もつくっていたが、大きな利益をえていた一部の酒屋は土倉も行い、金貸しも行っていた。幕府は、土倉や酒屋から税を取って利益を得るかわりに、土倉や酒屋を保護をした。 諸産業の発達により、各地の湊には港町が発達した。また寺社の門前には門前町が発達した。 職業が増えるに連れ、庶民の職業の中でも、いやしい職業だと差別される職業も出てきた。たとえば、動物の革を加工して革製品をつくる皮革業などが、動物を殺したり死体を扱うので、いやしい職業だと差別されるようになった。このような差別される職業には、「河原者」(かわらもの)と言われる、河原に住んでいるような者がなった。河原に住んでいた理由は、河原が無税だったから貧しい者などが住んだという説と、皮革加工には大量の水が必要だからだという説と、加工などの際の臭気などで人里から離れたところに住む必要があったという説などがある。河原者のつく職業には、皮革加工の他にも、河原者は井戸掘り、芸能(能の役者)、運搬業、行商、庭づくりなどの造園業などにも河原者が多く従事していた。 のちの江戸時代には、皮革業の職業の身分は「えた」とされ、「ひにん」という農民よりも低い身分と同様に扱われるようになった。 いっぽう、僧侶や武士などの職業も、死にふれる機会は多い職業だが、これらの職業は差別されなかった。 もっとも、皮革業なども商工業に必要な職業なので、皮革業などの職業からも商売で成功して金持ちになる者も出てきた。また、江戸時代には、必要な職業なので皮革業は差別されつつも、規制によって一定の保護もされた。明治時代の以降、職業の自由化にともなう競争により、皮革業などの職業の者の多くが没落し貧しくなったが、それ以前の時代は、必ずしも皮革業は貧しくなかった。 河原者の中で最も著名なのが庭師の善阿弥で、彼は足利義政にも仕え、銀閣寺の庭園を彼と彼の子と孫とによって作った。その他、京都の中世以降の石庭の多くは河原者(御庭者)の作である。 神道では、「けがれ」(穢れ)という思想があって、死は「けがれた」物だという考えがあり、それに関わることは良くないことだとされていた。仏教でも、殺生を嫌う考えがあった。このようなこともあり、皮革業などは、けがれの多い職業だと見なされており、「エタ」と言われた。エタは江戸時代ごろの後世には「穢多」という当て字をされた。「けがれ」(穢れ)の概念は、不衛生などの概念とは異なる。 室町時代には、農民の自治が前の時代よりも強くなった。 色々な村で、用水路や共用地の管理など村の運営(うんえい)のしかたについて、寺社などに集まって自主的に相談しあって決める 寄合(よりあい) という集まりが開かれるようになった。 このような主体的な村を惣(そう)または 惣村(そうそん) という。このような惣は、産業が発達していた近畿地方から始まり、しだいに地方へも広がっていった。 近江(おうみ、今は滋賀県)の国の今堀惣(いまぼり そう、今は近江市)で、1488年に定められた。 翌年1489年には、つぎのような別の規則も定められた。 なお、現在も山間部の一部の村において寄合の風習がのこる地域がある。 室町時代には、農民は、厳しい領主に対しては、集団で対立するようになる。 年貢が重い場合は、集団で領主に押しかけて(おしかけて)訴えでる(うったえでる)という強訴(ごうそ)をしたり、訴え(うったえ)がききいれられない場合は、全員が村から逃亡して村に人がいなくなってしまう逃散(ちょうさん)などで、対抗しました。 農民や馬借などは、あまり裕福ではなく、これらの貧しい職業の民は、当時は 土民(どみん) と言われていた。 この土民たちが集団で実力行使にでることを 土一揆(どいっき) という。 室町時代には、貨幣による経済がすすんできたので、生活苦の農民などは借金をする必要が生じました。そのため、借金のふくらむ農民などが多くなり、たびたび借金帳消しの徳政をもとめて高利貸しなどをおそって借金の証文(しょうもん)を焼きすてる土一揆が、よくおきた。 このような一揆のきっかけが、次にいう 正長の土一揆(しょうちょう の どいっき) である。 近江国(おうみのくに、滋賀県のこと)の貧しい馬借(ばしゃく)たち運送業者が、京都で高利貸しをしている酒屋や土倉をおそい、幕府に徳政を要求した一揆である。 当初、幕府は徳政の求めには応じなかったので、一揆の民衆は借金の証文(しょうもん)を焼き捨てたり質物をうばうなど、実力行使(じつりょくこうし)に出た。 ・正長元年(1428年) ・オイメ(負い目) - 借金のこと。 1428年より先の借金は、神戸(こうべ)の4か郷では、帳消しにする。 奈良の興福寺(こうふくじ)大乗院(だいじょういん)の日記には、この正長(しょうちょう)の土一揆(どいっき)について、次のように書かれている。 また、北陸地方の加賀(かが、今で言う石川県)では、農民などが浄土真宗の一向宗(いっこうしゅう)を中心にして、一揆(いっき)によって守護を追い出し、それから自治が100年間ほど続いた。このような、一向宗を中心にした一揆のことを一向一揆(いっこう いっき)という。 一向宗の信仰では、蓮如(れんにょ)が中心的になった。 京都の山城(やましろ)では、地侍(じざむらい)や農民たちの団結した一揆により、守護大名の畠山(はたけやま)氏を追い出し、自治を8年間ほど行った。これを、山城の国一揆 という。 禅宗などの影響はみられるが、鎌倉時代と比べると仏教色や大陸色は一層薄れたものになり、現代に伝統文化、伝統芸能と呼ばれるものの多くはこの時代にその源流が求められるものが多い。室町時代には、京都の文化が地方にも伝わっていった。 |300px|金閣。 世界遺産。]] 足利義満(あしかが よしみつ)によって、北山(きたやま)の別荘として金閣(きんかく)が建立された。3つの階の1番下は寝殿造り、2階は武家風、3階は禅宗の様式となっており、公家と武家の文化がまざった造りになっている。後の禅宗の鹿苑寺(ろくおんじ)。 このころの文化のことを北山文化(きたやま ぶんか)という。 京都の東山に、足利義政によって銀閣(ぎんかく)が建立された。2層からなり、下の層は寝殿造り、上の層は禅宗の様式というように、内部の様式は金閣と似た様式になっている。後の慈照寺(じしょうじ)。(京都) このころの文化のことを東山文化(ひがしやま ぶんか)という。
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"明は貿易を制限し、明に朝貢をする国にのみ、明との貿易を認め、自由な貿易を禁止した。貿易そのものも、明への朝貢の一部とみなされ、周辺国からの朝貢としての輸出品に対し、明は返礼を与えてやるという形式での貿易だった。", "title": "東アジアとの関係" }, { "paragraph_id": 17, "tag": "p", "text": "足利義満は、この機会に明と国交をむすび、倭寇の取り締まりも行い、明への朝貢貿易を行った。明の皇帝からは義満は「日本国王」(にほん こくおう)と認められた。正式な日本の貿易船には、海賊船と区別するために、文字の書かれた合い札(あいふだ)が日本として、明から勘合(かんごう)という合い札の片方が日本の貿易船に与えられた。", "title": "東アジアとの関係" }, { "paragraph_id": 18, "tag": "p", "text": "合札の、もう片方は中国側が持っており、日中両国の合い札を合わせることで、文字が正しく出来上がる。日明貿易のことを、勘合を用いたため、勘合貿易(かんごう ぼうえき)という。 日本からは、銅や刀剣が輸出された。明からは、銅銭、生糸、絹織物、陶磁器などが日本にもたらされた。", "title": "東アジアとの関係" }, { "paragraph_id": 19, "tag": "p", "text": "日本の明との貿易の利益は、幕府の収入源に なった。", "title": "東アジアとの関係" }, { "paragraph_id": 20, "tag": "p", "text": "14世紀末の朝鮮半島では、李成桂(り せいけい、イ・ソンゲ)が高麗(こうらい、コリョ)をたおし、朝鮮(ちょうせん)という国をたてた。 朝鮮も明への朝貢貿易を行った。また朝鮮も日本に倭寇の取り締まりを求め、日本とは対等な国交をむすび、朝鮮と日本との貿易も行われた。勘合に似た仕組みの合い札が、朝鮮との貿易でも使われた。", "title": "東アジアとの関係" }, { "paragraph_id": 21, "tag": "p", "text": "朝鮮では、公用語が漢文だったが、あらたに独自の文字のハングルが民衆のために作られ、1446年(文安3年)に朝鮮王によって公布された。しかし、まだ民衆には、あまりハングルは普及しなかった。現在の韓国や北朝鮮ではハングルが文字に使われている。ハングルは表音文字である。また、朱子学が広まった。このころに日本では、まだ綿があまり栽培されていなかったので、朝鮮からの輸出品で綿布などが多く輸出された。 のちに日本でも綿の栽培がされるようになった。 朝鮮からの輸出は、綿の他には経典などが日本へ輸出された。朝鮮の印刷技術では、金属活字が使われていたという。", "title": "東アジアとの関係" }, { "paragraph_id": 22, "tag": "p", "text": "朝鮮との貿易は、のちに対馬の宗(そう)氏だけが朝鮮から貿易をみとめられ、貿易の独占権を与えられ、宗氏が朝鮮との貿易を独占するようになった。", "title": "東アジアとの関係" }, { "paragraph_id": 23, "tag": "p", "text": "沖縄では14世紀には、3つの勢力に分かれていて北山(ほくざん)・中山(ちゅうざん)・南山(なんざん)の3つの地域が争っていたが、15世紀に中山王(ちゅうざんおう)の尚(しょう)氏が沖縄本島を統一し、琉球王国(りゅうきゅう おうこく)をたて、首里(しゅり)を都とした。(首里の場所は現在の那覇(なは)市。)", "title": "東アジアとの関係" }, { "paragraph_id": 24, "tag": "p", "text": "なお、北山を山北(さんほく)という場合もあり、南山を山南(さんなん)という場合もある。", "title": "東アジアとの関係" }, { "paragraph_id": 25, "tag": "p", "text": "琉球の貿易では、東南アジア・中国・日本とをむすぶ中継(ちゅうけい、なかつぎ)貿易が行われた。", "title": "東アジアとの関係" }, { "paragraph_id": 26, "tag": "p", "text": "北海道は蝦夷地(えぞち)と言われていた。蝦夷(えぞ)では、アイヌ民族が、くらしていた。", "title": "東アジアとの関係" }, { "paragraph_id": 27, "tag": "p", "text": "津軽(つがる)半島の十三湊(とさみなと)を拠点に、和人とアイヌとの交易が行われた。 蝦夷地からは鮭(さけ)や昆布などが輸出され日本にもたらされた。", "title": "東アジアとの関係" }, { "paragraph_id": 28, "tag": "p", "text": "この十三湊の領主の安東氏(あんどう し)が栄えた。", "title": "東アジアとの関係" }, { "paragraph_id": 29, "tag": "p", "text": "15世紀には、北海道の南部に和人が進出し、渡島(おしま)半島の沿岸部に館(たて)と呼ばれる根拠地を多くつくり、アイヌと交易した。和人の進出により、それまでいたアイヌと衝突を起こした。アイヌの首長のコシャマインが蜂起したが、和人に鎮圧された。", "title": "東アジアとの関係" }, { "paragraph_id": 30, "tag": "p", "text": "コシャマインの蜂起の鎮圧後、しばらくすると和人とアイヌとの交易が再開され、交易は安定していった。また、この時代、和人の居住区域は限定されていた。(※ 帝国書院のデジタツパンフレット版の教科書見本より。)", "title": "東アジアとの関係" }, { "paragraph_id": 31, "tag": "p", "text": "6代将軍 義教(よしのり)が暗殺されたころから、すでに守護大名どうしが対立していました。(※ 東京書籍、日本文教出版の教科書で紹介。)", "title": "応仁の乱" }, { "paragraph_id": 32, "tag": "p", "text": "そして15世紀の8代将軍 足利義政(あしかが よしまさ)の時代に、義政には実子がおらず、跡継ぎ(あとつぎ)の座をめぐり、まず先に弟の足利義視(あしかが よしみ)が形式的には跡(あと)を継いだが、その翌年に正妻である日野富子(ひのとみこ)が義尚(よしひさ)を生み、このことが発端となり15世紀なかばに争いになる。", "title": "応仁の乱" }, { "paragraph_id": 33, "tag": "p", "text": "(※ 自由社の教科書で、上述のような、あとつぎ争いのイキサツが紹介されている。)", "title": "応仁の乱" }, { "paragraph_id": 34, "tag": "p", "text": "また、三官領のうち斯波(しば)氏では斯波義敏(しば よしとし)・斯波義廉(しば よしかど)のあいだで相続争いが起こり、また畠山氏では畠山政長(はたけやま まさなが)・畠山義就(はたけやま よしなり/よしひろ)の間でそれぞれ相続争いが起こった。", "title": "応仁の乱" }, { "paragraph_id": 35, "tag": "p", "text": "このころは既に将軍の権力は衰えており、各地の守護大名が力を強めていて、たがいに勢力争いをしていた。将軍や官領の跡継ぎ(あとつぎ)争いが起こり、それぞれの家中でそれぞれ細川勝元(ほそかわ かつもと)と山名宗全(やまな そうぜん)につき、このため二派の争いはその後に全国的な争いに発展することとなる。", "title": "応仁の乱" }, { "paragraph_id": 36, "tag": "p", "text": "畠山政長と義就の衝突から、京都を戦場とする戦いが1467年(応仁元年)に起きた。この戦乱を 応仁の乱(おうにんの らん) という。この戦いは長期戦となり、京都の町は焼け野原になり、勝元・宗全の両者亡き後も争いは止まず、応仁の乱は11年ほど続いた。応仁の乱では、足軽(あしがる)と呼ばれる軽装の歩兵が、機動力が高く、活躍した。", "title": "応仁の乱" }, { "paragraph_id": 37, "tag": "p", "text": "(この応仁の乱を要因として、戦乱が地方にも広がり、しだいに戦国時代へと突入することになる。)", "title": "応仁の乱" }, { "paragraph_id": 38, "tag": "p", "text": "米と麦などの二毛作(にもうさく)が西日本だけでなく東日本でも広まり、全国各地に広まった。 手工業も進歩し、農具が普及したこともあり農業技術が進歩した。かんがい(灌漑)の技術の発達が発達して灌漑に水車が用いられるようになったり、用水が作られた。また人の糞尿や牛馬の糞などから作られた肥料の使用の普及や、牛馬を用いた耕作も普及していった。これらに加えて、従来の肥料である草や木を燃やして灰にした草木灰(そうもくかい)や、刈草をくさられた肥料なども使用されていた。", "title": "民衆の生活" }, { "paragraph_id": 39, "tag": "p", "text": "農業の生産力が増えたこともあり、多くの種類の農作物が栽培された。麻(あさ)、桑(くわ)、藍(あい)、茶なども生産され、養蚕(ようさん)もさかんになった。16世紀には、朝鮮から伝わった綿の栽培も、三河(みかわ、愛知県)などでさかんになった。", "title": "民衆の生活" }, { "paragraph_id": 40, "tag": "p", "text": "", "title": "民衆の生活" }, { "paragraph_id": 41, "tag": "p", "text": "紙の原料の こうぞ、油の原料の えごま、漆器(しっき)の塗料(とりょう)の原料の うるし、なども栽培された。手工業では、京都の西陣(にしじん)や博多(はかた、福岡県)などの絹織物(きぬおりもの)や、紙、陶器、刀や農具なども生産された。各地の特産物が手工業や農業では作られた。 茶の特産地では、京都の宇治(うじ)などが特産地になった。", "title": "民衆の生活" }, { "paragraph_id": 42, "tag": "p", "text": "刀や農具を作るための鍛冶(かじ)や鋳物(いもの)業も、さかんになった。その原料を掘り出すための採掘も多く行われ、銅や金・銀、砂鉄などが採掘された。", "title": "民衆の生活" }, { "paragraph_id": 43, "tag": "p", "text": "手工業では、業種ごとに同業者どうしの組合の 座(ざ) がつくられ、座には製造や販売を独占する権利が、有力な寺社などから与えられた。", "title": "民衆の生活" }, { "paragraph_id": 44, "tag": "p", "text": "", "title": "民衆の生活" }, { "paragraph_id": 45, "tag": "p", "text": "室町時代には、鎌倉時代よりも ますます商業が発達した。たとえば定期市は、鎌倉時代は月3回の 三斎市(さんさいいち) だったが、室町時代には月6回の 六斎市(ろくさいいち) になった。", "title": "民衆の生活" }, { "paragraph_id": 46, "tag": "p", "text": "", "title": "民衆の生活" }, { "paragraph_id": 47, "tag": "p", "text": "室町時代の産業では、運送業(うんそうぎょう)が発達した。商業や農業・工業が発達したので、商品を運ぶ必要がふえたからである。", "title": "民衆の生活" }, { "paragraph_id": 48, "tag": "p", "text": "この時代の陸上での運送業者は、馬を使って運送をすることが多かったので、 馬借(ばしゃく) と言われる。なお、牛車で運ぶ場合は 車借(しゃしゃく) と言う。", "title": "民衆の生活" }, { "paragraph_id": 49, "tag": "p", "text": "道路も整備された。幕府や寺社などは、交通の要所に関所(せきしょ)をもうけ、通行税をとった。", "title": "民衆の生活" }, { "paragraph_id": 50, "tag": "p", "text": "商業には貨幣(かへい)が必要である。明の銅銭である明銭(みんせん)を日本に輸入されて使われた。この明銭とあわせて、鎌倉時代に宋から輸入して使われた宋銭(そうせん)も引き続き使われていた。このころの日本では、正式な貨幣は作られず、明銭や宋銭などを日本国内での貨幣として使用していた。", "title": "民衆の生活" }, { "paragraph_id": 51, "tag": "p", "text": "明銭では永楽通宝(えいらくつうほう)が有名である。", "title": "民衆の生活" }, { "paragraph_id": 52, "tag": "p", "text": "農民は、年貢を貨幣で納めることも多くなっていった。そのために、農作物を市で売って貨幣に変えることも行われた。", "title": "民衆の生活" }, { "paragraph_id": 53, "tag": "p", "text": "他にも、倉庫などの保管業などを行っていたり輸送の管理をしたりする 問丸(といまる) が出来た。これが問屋(とんや)の起源である。", "title": "民衆の生活" }, { "paragraph_id": 54, "tag": "p", "text": "高利貸し(こうりがし)で金貸しをおこなう金融業者(きんゆう ぎょうしゃ)が京都や奈良などの都市で増えてくる。土倉(どそう) や 酒屋(さかや) と言う。土倉(どそう)とは今でいう質屋(しちや)のことで、客から品物をあずかるかわりに、客にお金を貸した。酒屋は、文字どおり酒もつくっていたが、大きな利益をえていた一部の酒屋は土倉も行い、金貸しも行っていた。幕府は、土倉や酒屋から税を取って利益を得るかわりに、土倉や酒屋を保護をした。", "title": "民衆の生活" }, { "paragraph_id": 55, "tag": "p", "text": "諸産業の発達により、各地の湊には港町が発達した。また寺社の門前には門前町が発達した。", "title": "民衆の生活" }, { "paragraph_id": 56, "tag": "p", "text": "職業が増えるに連れ、庶民の職業の中でも、いやしい職業だと差別される職業も出てきた。たとえば、動物の革を加工して革製品をつくる皮革業などが、動物を殺したり死体を扱うので、いやしい職業だと差別されるようになった。このような差別される職業には、「河原者」(かわらもの)と言われる、河原に住んでいるような者がなった。河原に住んでいた理由は、河原が無税だったから貧しい者などが住んだという説と、皮革加工には大量の水が必要だからだという説と、加工などの際の臭気などで人里から離れたところに住む必要があったという説などがある。河原者のつく職業には、皮革加工の他にも、河原者は井戸掘り、芸能(能の役者)、運搬業、行商、庭づくりなどの造園業などにも河原者が多く従事していた。", "title": "民衆の生活" }, { "paragraph_id": 57, "tag": "p", "text": "のちの江戸時代には、皮革業の職業の身分は「えた」とされ、「ひにん」という農民よりも低い身分と同様に扱われるようになった。", "title": "民衆の生活" }, { "paragraph_id": 58, "tag": "p", "text": "いっぽう、僧侶や武士などの職業も、死にふれる機会は多い職業だが、これらの職業は差別されなかった。", "title": "民衆の生活" }, { "paragraph_id": 59, "tag": "p", "text": "もっとも、皮革業なども商工業に必要な職業なので、皮革業などの職業からも商売で成功して金持ちになる者も出てきた。また、江戸時代には、必要な職業なので皮革業は差別されつつも、規制によって一定の保護もされた。明治時代の以降、職業の自由化にともなう競争により、皮革業などの職業の者の多くが没落し貧しくなったが、それ以前の時代は、必ずしも皮革業は貧しくなかった。", "title": "民衆の生活" }, { "paragraph_id": 60, "tag": "p", "text": "河原者の中で最も著名なのが庭師の善阿弥で、彼は足利義政にも仕え、銀閣寺の庭園を彼と彼の子と孫とによって作った。その他、京都の中世以降の石庭の多くは河原者(御庭者)の作である。", "title": "民衆の生活" }, { "paragraph_id": 61, "tag": "p", "text": "神道では、「けがれ」(穢れ)という思想があって、死は「けがれた」物だという考えがあり、それに関わることは良くないことだとされていた。仏教でも、殺生を嫌う考えがあった。このようなこともあり、皮革業などは、けがれの多い職業だと見なされており、「エタ」と言われた。エタは江戸時代ごろの後世には「穢多」という当て字をされた。「けがれ」(穢れ)の概念は、不衛生などの概念とは異なる。", "title": "民衆の生活" }, { "paragraph_id": 62, "tag": "p", "text": "室町時代には、農民の自治が前の時代よりも強くなった。 色々な村で、用水路や共用地の管理など村の運営(うんえい)のしかたについて、寺社などに集まって自主的に相談しあって決める 寄合(よりあい) という集まりが開かれるようになった。", "title": "民衆の生活" }, { "paragraph_id": 63, "tag": "p", "text": "このような主体的な村を惣(そう)または 惣村(そうそん) という。このような惣は、産業が発達していた近畿地方から始まり、しだいに地方へも広がっていった。", "title": "民衆の生活" }, { "paragraph_id": 64, "tag": "p", "text": "", "title": "民衆の生活" }, { "paragraph_id": 65, "tag": "p", "text": "近江(おうみ、今は滋賀県)の国の今堀惣(いまぼり そう、今は近江市)で、1488年に定められた。", "title": "民衆の生活" }, { "paragraph_id": 66, "tag": "p", "text": "翌年1489年には、つぎのような別の規則も定められた。", "title": "民衆の生活" }, { "paragraph_id": 67, "tag": "p", "text": "なお、現在も山間部の一部の村において寄合の風習がのこる地域がある。", "title": "民衆の生活" }, { "paragraph_id": 68, "tag": "p", "text": "室町時代には、農民は、厳しい領主に対しては、集団で対立するようになる。 年貢が重い場合は、集団で領主に押しかけて(おしかけて)訴えでる(うったえでる)という強訴(ごうそ)をしたり、訴え(うったえ)がききいれられない場合は、全員が村から逃亡して村に人がいなくなってしまう逃散(ちょうさん)などで、対抗しました。", "title": "民衆の生活" }, { "paragraph_id": 69, "tag": "p", "text": "", "title": "民衆の生活" }, { "paragraph_id": 70, "tag": "p", "text": "農民や馬借などは、あまり裕福ではなく、これらの貧しい職業の民は、当時は 土民(どみん) と言われていた。", "title": "民衆の生活" }, { "paragraph_id": 71, "tag": "p", "text": "この土民たちが集団で実力行使にでることを 土一揆(どいっき) という。", "title": "民衆の生活" }, { "paragraph_id": 72, "tag": "p", "text": "室町時代には、貨幣による経済がすすんできたので、生活苦の農民などは借金をする必要が生じました。そのため、借金のふくらむ農民などが多くなり、たびたび借金帳消しの徳政をもとめて高利貸しなどをおそって借金の証文(しょうもん)を焼きすてる土一揆が、よくおきた。", "title": "民衆の生活" }, { "paragraph_id": 73, "tag": "p", "text": "このような一揆のきっかけが、次にいう 正長の土一揆(しょうちょう の どいっき) である。", "title": "民衆の生活" }, { "paragraph_id": 74, "tag": "p", "text": "近江国(おうみのくに、滋賀県のこと)の貧しい馬借(ばしゃく)たち運送業者が、京都で高利貸しをしている酒屋や土倉をおそい、幕府に徳政を要求した一揆である。 当初、幕府は徳政の求めには応じなかったので、一揆の民衆は借金の証文(しょうもん)を焼き捨てたり質物をうばうなど、実力行使(じつりょくこうし)に出た。", "title": "民衆の生活" }, { "paragraph_id": 75, "tag": "p", "text": "・正長元年(1428年) ・オイメ(負い目) - 借金のこと。", "title": "民衆の生活" }, { "paragraph_id": 76, "tag": "p", "text": "1428年より先の借金は、神戸(こうべ)の4か郷では、帳消しにする。", "title": "民衆の生活" }, { "paragraph_id": 77, "tag": "p", "text": "奈良の興福寺(こうふくじ)大乗院(だいじょういん)の日記には、この正長(しょうちょう)の土一揆(どいっき)について、次のように書かれている。", "title": "民衆の生活" }, { "paragraph_id": 78, "tag": "p", "text": "また、北陸地方の加賀(かが、今で言う石川県)では、農民などが浄土真宗の一向宗(いっこうしゅう)を中心にして、一揆(いっき)によって守護を追い出し、それから自治が100年間ほど続いた。このような、一向宗を中心にした一揆のことを一向一揆(いっこう いっき)という。 一向宗の信仰では、蓮如(れんにょ)が中心的になった。", "title": "民衆の生活" }, { "paragraph_id": 79, "tag": "p", "text": "京都の山城(やましろ)では、地侍(じざむらい)や農民たちの団結した一揆により、守護大名の畠山(はたけやま)氏を追い出し、自治を8年間ほど行った。これを、山城の国一揆 という。", "title": "民衆の生活" }, { "paragraph_id": 80, "tag": "p", "text": "", "title": "民衆の生活" }, { "paragraph_id": 81, "tag": "p", "text": "禅宗などの影響はみられるが、鎌倉時代と比べると仏教色や大陸色は一層薄れたものになり、現代に伝統文化、伝統芸能と呼ばれるものの多くはこの時代にその源流が求められるものが多い。室町時代には、京都の文化が地方にも伝わっていった。", "title": "弥生時代の文化" }, { "paragraph_id": 82, "tag": "p", "text": "|300px|金閣。 世界遺産。]]", "title": "弥生時代の文化" }, { "paragraph_id": 83, "tag": "p", "text": "足利義満(あしかが よしみつ)によって、北山(きたやま)の別荘として金閣(きんかく)が建立された。3つの階の1番下は寝殿造り、2階は武家風、3階は禅宗の様式となっており、公家と武家の文化がまざった造りになっている。後の禅宗の鹿苑寺(ろくおんじ)。", "title": "弥生時代の文化" }, { "paragraph_id": 84, "tag": "p", "text": "このころの文化のことを北山文化(きたやま ぶんか)という。", "title": "弥生時代の文化" }, { "paragraph_id": 85, "tag": "p", "text": "京都の東山に、足利義政によって銀閣(ぎんかく)が建立された。2層からなり、下の層は寝殿造り、上の層は禅宗の様式というように、内部の様式は金閣と似た様式になっている。後の慈照寺(じしょうじ)。(京都)", "title": "弥生時代の文化" }, { "paragraph_id": 86, "tag": "p", "text": "このころの文化のことを東山文化(ひがしやま ぶんか)という。", "title": "弥生時代の文化" } ]
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=== 課題 === この時代はどのような改革が行われ、どのように室町幕府が成立したのだろう。 == 建武の新政と室町幕府 == === {{Ruby|建武|けんむ}}の新政 === [[ファイル:Ashikaga Takauji.JPG|thumb|left|250px|「騎馬武者像」。かつて足利尊氏(あしかが たかうじ)と考えられていたが、一説では尊氏ではなく執事であった高師直(こうの もろなお)ではという説もある。肖像の人物が誰なのか特定されていないため、21世紀の現代では「騎馬武者像」などと呼んでいる。なお、尊氏の出身地は、今でいう栃木県の足利市である。]] [[ファイル:Emperor Godaigo.jpg|thumb|200px|後醍醐天皇。]] 1333年({{Ruby|元弘|げんこう}}3年)に新田義貞(にった よしさだ)らが鎌倉幕府を攻め落として、鎌倉幕府をほろぼした。鎌倉幕府がほろんだあと、後醍醐天皇は、摂政や幕府をおかず天皇を中心とした政治を行った。翌年1334年には年号を「建武」(けんむ)とさだめたので、これらの後醍醐の政治を {{Ruby|'''建武の新政'''|けんむのしんせい}}という。だが、公家に多くの恩賞を与えるいっぽうで、武士への恩賞は少なかったので、武士は不満を持った。 新政をほろぼそうと{{Ruby|足利尊氏|あしかがたかうじ}}が武士の復権をかかげて兵をあげた。そして、尊氏の軍が後醍醐天皇の朝廷の軍に勝ち、建武の新政はわずか2年半ほどで終わった。 {{clear}} 後醍醐天皇が政治を行っていた頃、{{Ruby|建武|けんむ}}元年(1334年)に京都の{{Ruby|二条河原|にじょうがわら}}に立てかけられた札に、次のような、政治の混乱ぶりが書かれている。新政への批判を遠まわしに書いていると思われる。 <div style="border:1px solid #000000;"> :{{Ruby|二条河原|にじょうがわら}}の{{Ruby|落書き|らくがき}} ::このごろ、都に流行っている物は、 夜討ち、強盗、にせの天皇の文書、{{Ruby|囚人|しゅうじん}}や急をつげる{{Ruby|早馬|はやうま}}、大したことでもないのに起きる{{Ruby|騒|さわ}}ぎ、{{Ruby|生首|なまくび}}、僧から{{Ruby|俗人|ぞくじん}}にもどる{{Ruby|還俗|げんぞく}}、逆に俗人から勝手に出家して僧になる者もいる。 急に大名になった者、逆に路頭にまよう者もいる。 土地や恩賞を目当てに起きてもいない{{Ruby|戦|いくさ}}で{{Ruby|手柄|てがら}}を立てたと言い出す者もいる。 土地を没収された{{Ruby|訴訟人|そしょうにん}}が、文書の入った{{Ruby|細葛|ほそつづら}}を持って、本領を離れて、やってくる。 おべっかを言う者、他人の悪口を言う者、政治に口出しする者、 {{Ruby|下克上|げこくじょう}}をして成り上がったものもいる。 能力の有無も調べられずに、裁判所に任用される。 :(『{{Ruby|建武年間記|けんむねんかんき}}』より、『{{Ruby|二条河原落書|にじょうがわららくしょ}}』、抜粋、要約。) </div> 原文は、{{Ruby|韻|いん}}をふんでいて、リズムカルになっている。 <div style="border:1px solid #000000;"> :『二条河原落書』(にじょう がわら らくしょ) ::このごろ都に はやるもの、 夜討ち(ようち)、強盗(ごうとう)、にせ綸旨(にせりんじ)。  ::召人(めしうど)、早馬(はやうま)、虚騒動(そらそうどう)。 生首、還俗(げんぞく)、自由出家(じゆう しゅっけ)。  ::にわか大名、迷い者(まよいもの)。 安堵(あんど)、恩賞(おんしょう)、虚軍(そらいくさ)。  ::本領(ほんりょう) はなるる(離るる) 訴訟人(そしょうにん)。 文書(ぶんしょ)入れたる細つづら。  ::追従(ついしょう)、ざん人(ざんにん、讒人)、禅律僧(せんりつそう)。 下克上(げこくじょう)する成出者(なりでもの)。  ::器用勘否(きようかんぷ)沙汰もなく(さたもなく)、もるる人(ひと)なき決断所(けつだんしょ)。 :(『建武年間記』(けんむ ねんかんき)より、『二条河原落書』(にじょう がわら らくしょ)。抜粋。原文のカタカナを平仮名に変更。一部の漢字を平仮名に変更。) </div> {{clear}} === 室町時代の始まり(1336~1573年) === [[Image:Hana-no-Gosho-Flower-Palace-Kyoto.png|thumb|325px|花の御所 (はなのごしょ)。 上杉本(うえすぎぼん)『洛中洛外図』(らくちゅう らくがいず)に描かれた。絵の右側が北となっている。]] 足利尊氏(あしかが たかうじ)は、京都にあらたに天皇をたてた。こうして京都に'''北朝'''(ほくちょう)が出来た。このときに尊氏が京都にたてた天皇は光明天皇(こうみょう てんのう)。 すると、後醍醐天皇(ごだいごてんのう)は奈良の吉野(よしの)山中に逃れた。後醍醐天皇の吉野側の朝廷を'''南朝'''(なんちょう)という。 尊氏は1338年に北朝の天皇から(尊氏が)征夷大将軍に任命され、足利尊氏が'''室町幕府'''(むろまち ばくふ)を開いた。 南北朝の対立は、やがて全国的な対立へと発展した。 各国の武士は、南北朝のうち自分に有利な側に味方して争ったので、南北朝の対立は全国的な内乱となり、約60年間にわたって争乱がつづいた。 南北朝から拡大した全国的な争乱によって、各国の守護(しゅご)職の権利が強まり、それまでの軍事や警察権に加えて、さらに年貢の半分を得る権利などが守護に認められた。やがて国司にかわって守護が各国を支配するようになった。このような守護を<big>守護大名</big>(しゅご だいみょう)という。 === 南北朝の統一 === [[File:Yoshimitsu Ashikaga cropped.jpg|thumb|250px|足利義満(あしかが よしみつ)。]] 南北朝の対立は、足利の側の北朝に有利に進み、3代将軍の足利義満(あしかが よしみつ)のころには、南朝はほとんど勢力を失っていた。そして南朝を北朝に合一するように呼びかけ、南朝に従わさせて、1392年に足利義満は南北朝を統一した。 義満は将軍権力を固めて南北朝の統一を行い、天皇に迫る権力を確立する事となる。「室町」時代(むろまち じだい)の呼び名は、3代将軍の<big>足利義満</big>(あしかが よしみつ)が、京都の室町(むろまち)に開いた御所(花の御所(はなのごしょ))が政治の中心地になったことによる。室町幕府がつづいた1573年までの約240年間を室町時代という。南北朝が、幕府主導で統一されたことにより、朝廷は政治的な権限を失っていった。 のちに義満は<big>太政大臣</big>(だじょう だいじん)となり、朝廷の権威も手に入れ、政治の実権をにぎった。さらに、のち、義満は出家したので、義満は天皇の臣下ではなくなった。 === 室町幕府のしくみ === 室町幕府では、将軍の補佐役として<big>管領</big>(かんれい)という職を置いていた。守護は、有力な守護大名などから選ばれた。細川(ほそかわ)氏や畠山(はたけやま)氏などの有力な守護大名が交代で管領に選ばれた。 また、関東には<big>鎌倉府</big>(かまくらふ)を置かれ、室町幕府による関東支配の拠点になった。関東府の長官には足利氏の一族がついた。 :[[File:室町幕府.png|650px]] == 東アジアとの関係 == === 中国との関係 === [[Image:Wokou.jpg|thumb|300px|left|倭寇の活動地域]] 14世紀には中国で漢民族の帝国である<big>明</big>(みん)が1368年にたてられた。いっぽう、モンゴル族の元(げん)は北に追いやられた。 南北朝の争いのころから、東シナ海では<big>倭寇</big>(わこう)の海賊的な活動が活発になった。このころの倭寇の人員は日本人が中心だったが、ほかにも中国人や朝鮮人も加わっていた。倭寇は海賊行為や密貿易をしていた。倭寇は、沿岸の街から食料などを略奪したり、人をさらったりした。明は、日本に倭寇の取り締まりを求めた。 明は貿易を制限し、明に朝貢をする国にのみ、明との貿易を認め、自由な貿易を禁止した。貿易そのものも、明への朝貢の一部とみなされ、周辺国からの朝貢としての輸出品に対し、明は返礼を与えてやるという形式での貿易だった。 [[Image:Eiraku-Tsuho.jpg|thumb|200px|明の通貨の<big>永楽通宝</big>(えいらく つうほう)。]] 足利義満は、この機会に明と国交をむすび、倭寇の取り締まりも行い、明への朝貢貿易を行った。明の皇帝からは義満は<big>「日本国王」</big>(にほん こくおう)と認められた。正式な日本の貿易船には、海賊船と区別するために、文字の書かれた合い札(あいふだ)が日本として、明から<big>勘合</big>(かんごう)という合い札の片方が日本の貿易船に与えられた。 <gallery widths="200px" heights="200px"> File:Kangou honjiitigou left.svg|勘合の片方 File:Kangou honjiitigou right.svg|勘合の片方 </gallery> 合札の、もう片方は中国側が持っており、日中両国の合い札を合わせることで、文字が正しく出来上がる。日明貿易のことを、勘合を用いたため、<big>勘合貿易</big>(かんごう ぼうえき)という。 日本からは、銅や刀剣が輸出された。明からは、銅銭、生糸、絹織物、陶磁器などが日本にもたらされた。 日本の明との貿易の利益は、幕府の収入源に なった。 === 朝鮮との関係 === [[File:Hunmin jeong-eum.jpg|thumb|300px|当時のハングルと漢字。訓民正音(くんみん せいおん)。 ハングルは、母音と子音の組み合わせから成る、韓国独自の文字。]] 14世紀末の朝鮮半島では、<big>李成桂</big>(り せいけい、イ・ソンゲ)が高麗(こうらい、コリョ)をたおし、<big>朝鮮</big>(ちょうせん)という国をたてた。 朝鮮も明への朝貢貿易を行った。また朝鮮も日本に倭寇の取り締まりを求め、日本とは対等な国交をむすび、朝鮮と日本との貿易も行われた。勘合に似た仕組みの合い札が、朝鮮との貿易でも使われた。 朝鮮では、公用語が漢文だったが、あらたに独自の文字の'''ハングル'''が民衆のために作られ、1446年({{Ruby|文安|ぶんなん}}3年)に朝鮮王によって公布された。しかし、まだ民衆には、あまりハングルは普及しなかった。現在の韓国や北朝鮮ではハングルが文字に使われている。ハングルは表音文字である。また、朱子学が広まった。このころに日本では、まだ綿があまり栽培されていなかったので、朝鮮からの輸出品で綿布などが多く輸出された。 のちに日本でも綿の栽培がされるようになった。 朝鮮からの輸出は、綿の他には経典などが日本へ輸出された。朝鮮の印刷技術では、金属活字が使われていたという。 朝鮮との貿易は、のちに対馬の<big>宗</big>(そう)氏だけが朝鮮から貿易をみとめられ、貿易の独占権を与えられ、宗氏が朝鮮との貿易を独占するようになった。 {{clear}} === 琉球 === [[File:Naha Shuri Castle16s5s3200.jpg|thumb|300px|首里城(しゅりじょう)。 世界遺産。]] 沖縄では14世紀には、3つの勢力に分かれていて北山(ほくざん)・中山(ちゅうざん)・南山(なんざん)の3つの地域が争っていたが、15世紀に中山王(ちゅうざんおう)の<big>尚</big>(しょう)氏が沖縄本島を統一し、<big>琉球王国</big>(りゅうきゅう おうこく)をたて、<big>首里</big>(しゅり)を都とした。(首里の場所は現在の那覇(なは)市。) なお、北山を山北(さんほく)という場合もあり、南山を山南(さんなん)という場合もある。 琉球の貿易では、東南アジア・中国・日本とをむすぶ<big>中継</big>(ちゅうけい、なかつぎ)貿易が行われた。 === 蝦夷地(えぞち) === 北海道は<big>蝦夷</big>地(えぞち)と言われていた。蝦夷(えぞ)では、'''アイヌ'''民族が、くらしていた。 津軽(つがる)半島の十三湊(とさみなと)を拠点に、和人とアイヌとの交易が行われた。 蝦夷地からは鮭(さけ)や昆布などが輸出され日本にもたらされた。 この十三湊の領主の安東氏(あんどう し)が栄えた。 15世紀には、北海道の南部に和人が進出し、渡島(おしま)半島の沿岸部に館(たて)と呼ばれる根拠地を多くつくり、アイヌと交易した。和人の進出により、それまでいたアイヌと衝突を起こした。アイヌの首長の'''コシャマイン'''が蜂起したが、和人に鎮圧された。 コシャマインの蜂起の鎮圧後、しばらくすると和人とアイヌとの交易が再開され、交易は安定していった。また、この時代、和人の居住区域は限定されていた。(※ 帝国書院のデジタツパンフレット版の教科書見本より。) == 応仁の乱 == [[File:Shinnyodō engi, vol.3 (part).jpg|thumb|left|400px|応仁(おうにん)の乱。 <big>足軽</big>(あしがる)と呼ばれる身軽な兵が活躍した。『真如堂縁起絵巻』(しんにょどう えんぎ えまき)。『真如堂縁起絵巻』は重要文化財。]] 6代将軍 義教(よしのり)が暗殺されたころから、すでに守護大名どうしが対立していました。(※ 東京書籍、日本文教出版の教科書で紹介。) そして15世紀の8代将軍 '''足利義政'''(あしかが よしまさ)の時代に、義政には実子がおらず、跡継ぎ(あとつぎ)の座をめぐり、まず先に弟の足利義視(あしかが よしみ)が形式的には跡(あと)を継いだが、その翌年に正妻である日野富子(ひのとみこ)が義尚(よしひさ)を生み、このことが発端となり15世紀なかばに争いになる。 (※ 自由社の教科書で、上述のような、あとつぎ争いのイキサツが紹介されている。) {| class="wikitable" style="float:right" |+  応仁の乱 !   !!  細川方(東軍)  !!  山名方(西軍)  |- ! 主導者 |  細川勝元(管領)  ||  山名持豊  |- ! 将軍家<br />(先代将軍は義政) |  足利義視(義政の弟)  ||  日野富子 <br /> 足利義尚(義政の子)  |- ! 斯波家 |  斯波義敏(養子)  ||  斯波義廉(養子)  |- ! 畠山家 |  畠山政長(養子)  ||  畠山義就(血縁)  |- |} {{clear}} また、三官領のうち斯波(しば)氏では斯波義敏(しば よしとし)・斯波義廉(しば よしかど)のあいだで相続争いが起こり、また畠山氏では畠山政長(はたけやま まさなが)・畠山義就(はたけやま よしなり/よしひろ)の間でそれぞれ相続争いが起こった。 このころは既に将軍の権力は衰えており、各地の守護大名が力を強めていて、たがいに勢力争いをしていた。将軍や官領の跡継ぎ(あとつぎ)争いが起こり、それぞれの家中でそれぞれ細川勝元(ほそかわ かつもと)と山名宗全(やまな そうぜん)につき、このため二派の争いはその後に全国的な争いに発展することとなる。 畠山政長と義就の衝突から、京都を戦場とする戦いが1467年({{Ruby|応仁|おうにん}}元年)に起きた。この戦乱を '''応仁の乱'''(おうにんの らん) という。この戦いは長期戦となり、京都の町は焼け野原になり、勝元・宗全の両者亡き後も争いは止まず、応仁の乱は11年ほど続いた。応仁の乱では、'''足軽'''(あしがる)と呼ばれる軽装の歩兵が、機動力が高く、活躍した。 (この応仁の乱を要因として、戦乱が地方にも広がり、しだいに戦国時代へと突入することになる。) == 民衆の生活 == === 室町時代の産業 === [[File:Tukinami huuzoku taue.jpg|thumb|400px|室町時代の田植えの様子。 『月次風俗図屏風』(つきなみ ふうぞく ずびょうぶ)より。]] * 農工業の発達 米と麦などの<big>二毛作</big>(にもうさく)が西日本だけでなく東日本でも広まり、全国各地に広まった。 手工業も進歩し、農具が普及したこともあり農業技術が進歩した。かんがい(灌漑)の技術の発達が発達して灌漑に水車が用いられるようになったり、用水が作られた。また人の糞尿や牛馬の糞などから作られた肥料の使用の普及や、牛馬を用いた耕作も普及していった。これらに加えて、従来の肥料である草や木を燃やして灰にした草木灰(そうもくかい)や、刈草をくさられた肥料なども使用されていた。 農業の生産力が増えたこともあり、多くの種類の農作物が栽培された。麻(あさ)、桑(くわ)、藍(あい)、茶なども生産され、養蚕(ようさん)もさかんになった。16世紀には、朝鮮から伝わった綿の栽培も、三河(みかわ、愛知県)などでさかんになった。 紙の原料の こうぞ、油の原料の えごま、漆器(しっき)の塗料(とりょう)の原料の うるし、なども栽培された。手工業では、京都の西陣(にしじん)や博多(はかた、福岡県)などの絹織物(きぬおりもの)や、紙、陶器、刀や農具なども生産された。各地の特産物が手工業や農業では作られた。 茶の特産地では、京都の宇治(うじ)などが特産地になった。 [[File:Utaawase kamisuki syokunin.jpg|thumb|left|室町時代ごろの紙すき職人。 『職人尽歌合』(しょくにんづくし うたあわせ)より。]] [[File:Utaawase syokunin onna.jpg|thumb|300px|left|室町時代ごろの女の職人。左は、機織り(はたおり)職人。 『職人尽歌合』(しょくにんづくし うたあわせ)より。]] {{clear}} 刀や農具を作るための鍛冶(かじ)や鋳物(いもの)業も、さかんになった。その原料を掘り出すための採掘も多く行われ、銅や金・銀、砂鉄などが採掘された。 手工業では、業種ごとに同業者どうしの組合の <big>座</big>(ざ) がつくられ、座には製造や販売を独占する権利が、有力な寺社などから与えられた。 {{clear}} * 商業の発達 [[File:Ooharame utaawase.jpg|thumb|大原女(おおはらめ)。(左側が大原女) 室町時代には行商人も増え、行商する女は大原女(おおはらめ)と言われた。 『職人尽歌合』(しょくにんづくし うたあわせ)より。]] 室町時代には、鎌倉時代よりも ますます商業が発達した。たとえば定期市は、鎌倉時代は月3回の 三斎市(さんさいいち) だったが、室町時代には月6回の 六斎市(ろくさいいち) になった。 :(※ 範囲外、参考 : ) なお、この時代、育児は女がする事もあっただろうが、老人が育児をする事も多かったと考えられている。その根拠としては『法然上人絵伝』など、鎌倉時代~室町時代を扱った絵画を見ると、子供の近くに老人のいる絵画が多いことなどの理由から、老人による育児が多かったのだろうと推測されている。(※ 帝国書院の検定教科書デジタルパンフレットで紹介されている。) {{clear}} * 運送業の発達 [[File:Basyaku.jpg|thumb|300px|室町時代の馬借(ばしゃく)。 『石山寺縁起絵巻』(いしやまでら えんぎ えまき)より。]] 室町時代の産業では、運送業(うんそうぎょう)が発達した。商業や農業・工業が発達したので、商品を運ぶ必要がふえたからである。 この時代の陸上での運送業者は、馬を使って運送をすることが多かったので、 <big>馬借</big>(ばしゃく) と言われる。なお、牛車で運ぶ場合は 車借(しゃしゃく) と言う。 道路も整備された。幕府や寺社などは、交通の要所に関所(せきしょ)をもうけ、通行税をとった。 {{clear}} * 貨幣経済(かへい けいざい)の普及(ふきゅう) 商業には貨幣(かへい)が必要である。明の銅銭である明銭(みんせん)を日本に輸入されて使われた。この明銭とあわせて、鎌倉時代に宋から輸入して使われた宋銭(そうせん)も引き続き使われていた。このころの日本では、正式な貨幣は作られず、明銭や宋銭などを日本国内での貨幣として使用していた。 [[Image:Eiraku-Tsuho.jpg|thumb|永楽通宝|150px]] 明銭では<big>永楽通宝</big>(えいらくつうほう)が有名である。 農民は、年貢を貨幣で納めることも多くなっていった。そのために、農作物を市で売って貨幣に変えることも行われた。 他にも、倉庫などの保管業などを行っていたり輸送の管理をしたりする <big>問丸</big>(といまる) が出来た。これが問屋(とんや)の起源である。 [[File:Kanekasi sannnou reigenki.jpg|thumb|300px|金貸しの様子。ヒモに通した宋銭を女官に貸している。『山王霊験記』(さんのうれいげんき)より。]] 高利貸し(こうりがし)で金貸しをおこなう金融業者(きんゆう ぎょうしゃ)が京都や奈良などの都市で増えてくる。<big>土倉</big>(どそう) や <big>酒屋</big>(さかや) と言う。土倉(どそう)とは今でいう質屋(しちや)のことで、客から品物をあずかるかわりに、客にお金を貸した。酒屋は、文字どおり酒もつくっていたが、大きな利益をえていた一部の酒屋は土倉も行い、金貸しも行っていた。幕府は、土倉や酒屋から税を取って利益を得るかわりに、土倉や酒屋を保護をした。 諸産業の発達により、各地の湊には港町が発達した。また寺社の門前には門前町が発達した。 <gallery widths="200px" heights="200px"> File:Utaawase syokunin geinou.jpg|室町時代ごろの芸能の職人。『職人尽歌合』(しょくにんづくし うたあわせ)より。 </gallery> 職業が増えるに連れ、庶民の職業の中でも、いやしい職業だと差別される職業も出てきた。たとえば、動物の革を加工して革製品をつくる皮革業などが、動物を殺したり死体を扱うので、いやしい職業だと差別されるようになった。このような差別される職業には、「河原者」(かわらもの)と言われる、河原に住んでいるような者がなった。河原に住んでいた理由は、河原が無税だったから貧しい者などが住んだという説と、皮革加工には大量の水が必要だからだという説と、加工などの際の臭気などで人里から離れたところに住む必要があったという説などがある。河原者のつく職業には、皮革加工の他にも、河原者は井戸掘り、芸能(能の役者)、運搬業、行商、庭づくりなどの造園業などにも河原者が多く従事していた。 のちの江戸時代には、皮革業の職業の身分は「えた」とされ、「ひにん」という農民よりも低い身分と同様に扱われるようになった。 いっぽう、僧侶や武士などの職業も、死にふれる機会は多い職業だが、これらの職業は差別されなかった。 もっとも、皮革業なども商工業に必要な職業なので、皮革業などの職業からも商売で成功して金持ちになる者も出てきた。また、江戸時代には、必要な職業なので皮革業は差別されつつも、規制によって一定の保護もされた。明治時代の以降、職業の自由化にともなう競争により、皮革業などの職業の者の多くが没落し貧しくなったが、それ以前の時代は、必ずしも皮革業は貧しくなかった。 河原者の中で最も著名なのが庭師の善阿弥で、彼は足利義政にも仕え、銀閣寺の庭園を彼と彼の子と孫とによって作った。その他、京都の中世以降の石庭の多くは河原者(御庭者)の作である。 神道では、「けがれ」(穢れ)という思想があって、死は「けがれた」物だという考えがあり、それに関わることは良くないことだとされていた。仏教でも、殺生を嫌う考えがあった。このようなこともあり、皮革業などは、けがれの多い職業だと見なされており、「エタ」と言われた。エタは江戸時代ごろの後世には「穢多」という当て字をされた。「けがれ」(穢れ)の概念は、不衛生などの概念とは異なる。 === 農村の団結 === ==== 農村の自治 ==== 室町時代には、農民の自治が前の時代よりも強くなった。 色々な村で、用水路や共用地の管理など村の運営(うんえい)のしかたについて、寺社などに集まって自主的に相談しあって決める <big>寄合</big>(よりあい) という集まりが開かれるようになった。 このような主体的な村を<big>惣</big>(そう)または <big>惣村</big>(そうそん) という。このような惣は、産業が発達していた近畿地方から始まり、しだいに地方へも広がっていった。 <div style="border:1px solid #000000;"> :( 近江国(おうみのくに) 今堀(いまぼり)の掟(おきて) ) ::一. 寄り合い(よりあい)を開くことを連絡したのに、2度出席しなかった者には、50文(もん)の罰金。 ::一. 森林の苗木を切った者は、500文の罰金。 ::一. 若木の葉をとったり、くわの木を切った者は、100文の罰金。 :(1488年『今堀 日吉神社文書』(いまぼり ひえじんじゃ もんじょ) ) </div> 近江(おうみ、今は滋賀県)の国の今堀惣(いまぼり そう、今は近江市)で、1488年に定められた。 翌年1489年には、つぎのような別の規則も定められた。 <div style="border:1px solid #000000;"> :惣掟(そう おきて) ::一. よそ者は、身元保証人が無ければ、村に住ませてはいけない。 ::一. 惣の共有地と個人の私有地との境界についての争いは、金(かね)で解決すること。 ::一. 家を売った人は、100文につき3文ずつ、惣に差し出す。これにそむいた村人は、座から、ぬく。 ::一. 村を囲っている塀(へい)より東には、屋敷にしてはいけない。 :(1489年『今堀 日吉(ひえ)神社文書(もんじょ)』 ) </div> なお、現在も山間部の一部の村において寄合の風習がのこる地域がある。 ==== 一揆(いっき) ==== 室町時代には、農民は、厳しい領主に対しては、集団で対立するようになる。 年貢が重い場合は、集団で領主に押しかけて(おしかけて)訴えでる(うったえでる)という強訴(ごうそ)をしたり、訴え(うったえ)がききいれられない場合は、全員が村から逃亡して村に人がいなくなってしまう逃散(ちょうさん)などで、対抗しました。 * 土一揆(どいっき) 農民や馬借などは、あまり裕福ではなく、これらの貧しい職業の民は、当時は 土民(どみん) と言われていた。 この土民たちが集団で実力行使にでることを 土一揆(どいっき) という。 室町時代には、貨幣による経済がすすんできたので、生活苦の農民などは借金をする必要が生じました。そのため、借金のふくらむ農民などが多くなり、たびたび借金帳消しの徳政をもとめて高利貸しなどをおそって借金の証文(しょうもん)を焼きすてる土一揆が、よくおきた。 このような一揆のきっかけが、次にいう <big>正長の土一揆</big>(しょうちょう の どいっき) である。 * <big>正長の土一揆</big>(しょうちょう の どいっき) 近江国(おうみのくに、滋賀県のこと)の貧しい馬借(ばしゃく)たち運送業者が、京都で高利貸しをしている酒屋や土倉をおそい、幕府に徳政を要求した一揆である。 当初、幕府は徳政の求めには応じなかったので、一揆の民衆は借金の証文(しょうもん)を焼き捨てたり質物をうばうなど、実力行使(じつりょくこうし)に出た。 <div style="border:1px solid #000000;"> :正長の土一揆を示した碑文 ::正長元年ヨリ ::サキ(先)者(は) カンヘ(神戸)四カン  ::カウ(郷)ニ ヲイメ(負い目) アル  ::ヘカラス </div> ・{{Ruby|正長|しょうちょう}}元年(1428年)<br /> ・オイメ(負い目) - 借金のこと。 1428年より先の借金は、神戸(こうべ)の4か郷では、帳消しにする。 奈良の興福寺(こうふくじ)大乗院(だいじょういん)の日記には、この正長(しょうちょう)の土一揆(どいっき)について、次のように書かれている。 <div style="border:1px solid #000000;"> :『大乗院日記目録』(だいじょういん にっき もくろく) ::正長元年(1428年)9月、天下の土民が暴動を起こした。「徳政」と唱え、酒屋・土倉・寺院をこわし、いろいろな品物を思うままに奪い取り、借金の証文を破り捨てた。管領が、この暴動を鎮圧した。国が滅びる原因として、この暴動以上の事件は無い。日本の国が始まって以来、土民の蜂起は、これが初めてである。 </div> * 一向一揆(いっこう いっき) [[ファイル:Rennyo5.1.JPG|thumb|250px|蓮如(れんにょ)]] また、北陸地方の加賀(かが、今で言う石川県)では、農民などが浄土真宗の一向宗(いっこうしゅう)を中心にして、一揆(いっき)によって守護を追い出し、それから自治が100年間ほど続いた。このような、一向宗を中心にした一揆のことを一向一揆(いっこう いっき)という。 一向宗の信仰では、蓮如(れんにょ)が中心的になった。 * 山城(やましろ)の国一揆(くにいっき) 京都の山城(やましろ)では、地侍(じざむらい)や農民たちの団結した一揆により、守護大名の畠山(はたけやま)氏を追い出し、自治を8年間ほど行った。これを、山城の国一揆 という。 {{-}} == 室町時代の文化 == 禅宗などの影響はみられるが、鎌倉時代と比べると仏教色や大陸色は一層薄れたものになり、現代に伝統文化、伝統芸能と呼ばれるものの多くはこの時代にその源流が求められるものが多い。室町時代には、京都の文化が地方にも伝わっていった。 === 北山文化 === [[ファイル:Kinkaku3402CBcropped.jpg|thumb|300px|金閣。 世界遺産。]] [[File:Nou rakutyuurakugai.jpg|thumb|300px|はじめのころの能(のう)の様子。塀で囲っているので、入場料を取っていたことが分かる。 『洛中洛外図』(らくちゅうらくがいず)より。]] 足利義満(あしかが よしみつ)によって、北山(きたやま)の別荘として'''金閣'''(きんかく)が建立された。3つの階の1番下は寝殿造り、2階は武家風、3階は禅宗の様式となっており、公家と武家の文化がまざった造りになっている。後の禅宗の鹿苑寺(ろくおんじ)。 このころの文化のことを'''北山文化'''(きたやま ぶんか)という。 * 能(のう) - 田楽(でんがく)や猿能(さるのう)をもとに、観阿弥(かんあみ)と世阿弥(ぜあみ)の父子によって'''能'''(のう)が大成された。能の あいま には、喜劇として狂言(きょうげん)が演じられた。 {{clear}} === 東山文化 === [[File:Ginkaku-ji after being restored in 2008.jpg|thumb|200px|銀閣。 国宝。世界遺産。]] [[File:Takagike Kashihara JPN 001.jpg|thumb|300px|書院造(しょいんづくり)。 ※注意 東求堂同仁斎では、ありません。]] 京都の東山に、足利義政によって'''銀閣'''(ぎんかく)が建立された。2層からなり、下の層は寝殿造り、上の層は禅宗の様式というように、内部の様式は金閣と似た様式になっている。後の慈照寺(じしょうじ)。(京都) このころの文化のことを'''東山文化'''(ひがしやま ぶんか)という。 * '''書院造'''(しょいんづくり) - 今日の和室の様式につながっている様式である。書院造には床の間(とこのま)があり、そこでは掛け軸などが飾られ、茶の湯や生け花などが行われた。 書院造の特徴は違い棚(ちがいだな)という棚が段差になった棚、障子や ふすま、 畳(たたみ)の床 、などである。[[w:慈照寺|銀閣]]の銀沙灘(ぎんしゃだん)を挟んで向かいにある、東求堂同仁斎(とうぐどう どうじんさい)にこの手法が用いられる。 [[File:RyoanJi-Dry garden.jpg|thumb|300px|龍安時(りょうあんじ)の石庭(せきてい)。 世界遺産。]] * 枯山水(かれさんすい) - 竜安時(りょうあんじ)の石庭(せきてい)。 * 水墨画(すいぼくが) - 明から水墨画が伝わり、日本では雪舟(せっしゅう)によって大成された。 <gallery widths="200px" heights="200px"> ファイル:SesshuToyo.jpg|水墨画。『秋冬山水図』(しゅうとうざん さんすいず)。 東京国立博物館の所蔵。 ファイル:Portrait of Sesshu.jpg|雪舟の自画像。 禅僧だった雪舟は、中国に渡り、水墨画の技法を学んだ。 重要文化財、藤田美術館の所蔵。 </gallery> [[File:Rakutyuurakugai gion.jpg|thumb|祇園祭(ぎおんまつり)は、平安時代から始まった。この絵は室町時代〜戦国時代のころの祇園祭の様子をえがいたと思われる。応仁の乱で京都はあれはてて中断したが、のちに祇園祭は再開された。 『洛中洛外図屏風』(らくちゅう らくがい ずびょうぶ)より。洛中洛外図屏風の制作時期は、戦国時代から江戸時代初期にかけて制作された。]] * '''御伽草子'''(おとぎぞうし) - おとぎ話に絵をそえた絵本であり、『浦島太郎』(うらしまたろう)や『一寸法師』(いっすんぼうし)や『ものぐさ太郎』などが庶民に親しまれた。 * 茶の湯 - 鎌倉時代に、宋から栄西(えいさい)がもたらした茶を飲む風習は、茶の産地を当てる茶の湯(ちゃ の ゆ)になった。 * 生け花 なども、室町時代ごろに始まった。 * 連歌(れんが) - 和歌の上の句(かみのく)と下の句(しものく)を、別々の人が詠んで、つないでいく遊び。 [[Category:中学校歴史|むろまちしたい]] [[カテゴリ:室町時代]]
2005-12-04T05:38:58Z
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3,010
TCP/IP入門 概要
インターネットの説明の際に必ず出てくるTCP/IPだが、これはネットワークに用いるプロトコル(通信規約。ある通信機能の方式に名前をつけたもの)を機能別に分類し、またその関連性を階層表現でまとめたものを意味する。プロトコルであるTCP、IPと混同してしまいがちだが、この2つのプロトコルが中心的な役割を果たすということで名前をとっているだけであり、実際にはTCPとIPだけでなく、他の多くのプロトコルも含めてTCP/IPと呼ぶ。 本来、ネットワークのプロトコル仕様は、OSI参照モデルという階層表現に準拠して構築されている。しかし、このOSI参照モデルは、あらゆるネットワークや状況に対応できるよう万能なモデルとして考案されたためか、マニアックなプロトコルなども視野に入れられ、またそれらのために全体として複雑な手順を踏むことになってしまう現実があった。まず手順として7階層という多くの手順を順番に踏んでいかなければならないため、処理に時間がかかり、分かりにくさも相まって効率が悪かった。そこで、実用的な機能を厳選し、階層を減らして効率アップを目指したのが、TCP/IPである。OSI参照モデルでの「ネットワーク層」が、TCP/IPでは「インターネット層」と表現されているところから、当初からインターネットへの利用を睨んで考案されたのではないかと思われる。1982年、UNIXの4.2BSDというOSに採用され、その後爆発的な普及をし、現在でもほとんどのネットワークで使用されている。 以下に、OSI参照モデルとTCP/IPとの関係を簡単に示す。 TCP/IPを学ぶことは、個人レベルでのネットワーク構築だけでなく、通信やネットワークに関連した様々な業界への足がかりとなる。特に現在はインターネットの爆発的な普及により、通信回線所有世帯や、LANを構築する企業がかなりの増加傾向にある。サーバーなどはホスティングサービスを活用して外注することができても、社内のネットワークについては自社で見ることの場合がほとんどで、日々の業務でも関係が深い情報システム部員にもTCP/IPの知識は持っておきたいものである。 以下に、具体的な関連職、関連資格などを示す。 ルータなどの機器を使用・監視し、ネットワークを永続的に稼働できるよう保守・運用などを行うエンジニア。広義には、サーバの構築や運用保守を行うエンジニアもここに分類される。どちらにしろ、TCP/IPに直接触れることになる職業であり、最も関連性の高い職業の1つであるといえる。ネットワークの爆発的な普及に伴い、人手不足の状況にある。 サーバの構築や保守・運用にも、通信が大いに関わるためTCP/IPの知識は不可欠である。プロトコルで言うと、WebサーバはHTTPやFTPなどを利用しており、DNSサーバでは名前そのままにDNSを基にしており、メールサーバではPOPやSMTPなどのプロトコルが用いられている、といった具合である。サーバは個人レベルならWindowsで利用している人も多いが、専門とする企業ではSolarisなどのUNIX系OSを利用するところがほとんどである。 ネットワークの普及に伴い、ソフトウェアや基幹システムもネットワークを視野に入れて開発する場面が多くなってきた。そのため、そういったものの開発を担うSEにも、TCP/IPを視野に入れて開発する必要性が出てきた。 世界的に信頼性の高い、Cisco社の機器の利用に関する知識を問う資格。ネットワークエンジニアの登竜門的な資格でもある。ルータやスイッチ、ブリッジなどのネットワークデバイスを扱うため、TCP/IPの知識は必ず問われることとなる。上位資格であるCCNPなどもまたしかり、である。 システムアドミニストレータ、基本情報技術者、.com Masterなど、ほとんどのIT系資格で少なからず問われることとなる。特にIP関連については、エンドユーザーレベルの資格(P検など)でも、IPアドレスの部分を中心に出題されることは多い。 最近はWindowsでもサーバ構築が多いに可能となっているので、TCP/IPを理解していれば、自宅で自分のPCをサーバとして利用することもたやすい。サーバ関係ではUNIX系のOSが主流だが、ほとんどが無料で手に入るうえにWindowsと同居させられるものも多いので、普段はWindowsを用い、サーバ利用には別のOSを使う、という方法を取ることもできる。
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== TCP/IPとは == インターネットの説明の際に必ず出てくるTCP/IPだが、これはネットワークに用いるプロトコル(通信規約。ある通信機能の方式に名前をつけたもの)を機能別に分類し、またその関連性を階層表現でまとめたものを意味する。プロトコルであるTCP、IPと混同してしまいがちだが、この2つのプロトコルが中心的な役割を果たすということで名前をとっているだけであり、実際にはTCPとIPだけでなく、他の多くのプロトコルも含めてTCP/IPと呼ぶ。 本来、ネットワークのプロトコル仕様は、OSI参照モデルという階層表現に準拠して構築されている。しかし、このOSI参照モデルは、あらゆるネットワークや状況に対応できるよう万能なモデルとして考案されたためか、マニアックなプロトコルなども視野に入れられ、またそれらのために全体として複雑な手順を踏むことになってしまう現実があった。まず手順として7階層という多くの手順を順番に踏んでいかなければならないため、処理に時間がかかり、分かりにくさも相まって効率が悪かった。そこで、実用的な機能を厳選し、階層を減らして効率アップを目指したのが、TCP/IPである。OSI参照モデルでの「ネットワーク層」が、TCP/IPでは「インターネット層」と表現されているところから、当初からインターネットへの利用を睨んで考案されたのではないかと思われる。1982年、UNIXの4.2BSDというOSに採用され、その後爆発的な普及をし、現在でもほとんどのネットワークで使用されている。 以下に、OSI参照モデルとTCP/IPとの関係を簡単に示す。 <table align="center" border="1" cellpadding="0" cellspacing="0" style="border-collapse: collapse" bordercolor="#111111" width="78%" id="AutoNumber1" height="299"> <tr> <td width="28%" height="47" align="center" bgcolor="#FFFF99"><b>OSI参照モデルでの層名</b></td> <td width="24%" height="47" align="center" bgcolor="#FFFF99"><b>主なプロトコル</b></td> <td width="25%" height="47" align="center" bgcolor="#FFFF99"><b>使用機器</b></td> <td width="72%" height="47" align="center" bgcolor="#FFFF99"><b>TCP/IPでの階層名</b></td> </tr> <tr> <td width="28%" height="44" align="center" bgcolor="#CCFFFF">アプリケーション層</td> <td width="24%" height="44" align="center" bgcolor="#CCFFFF">HTTP FTP POP SMTP Telnet DNS SNMP</td> <td width="25%" height="107" rowspan="3" align="center" bgcolor="#CCFFFF">ゲートウェイ</td> <td width="72%" rowspan="3" height="107" align="center" bgcolor="#CCFFFF">アプリケーション層</td> </tr> <tr> <td width="28%" height="33" align="center" bgcolor="#CCFFFF">プレゼンテーション層</td> <td width="24%" height="33" align="center" bgcolor="#CCFFFF"> mp3 avi&nbsp; lzh zip</td> </tr> <tr> <td width="28%" height="28" align="center" bgcolor="#CCFFFF">セッション層</td> <td width="24%" height="28" align="center" bgcolor="#CCFFFF">NetBIOS PAP</td> </tr> <tr> <td width="28%" height="47" align="center" bgcolor="#CCFFFF">トランスポート層</td> <td width="24%" height="47" align="center" bgcolor="#CCFFFF">TCP UDP</td> <td width="25%" height="47" align="center" bgcolor="#CCFFFF"> </td> <td width="72%" height="47" align="center" bgcolor="#CCFFFF">トランスポート層</td> </tr> <tr> <td width="28%" height="31" align="center" bgcolor="#CCFFFF">ネットワーク層</td> <td width="24%" height="31" align="center" bgcolor="#CCFFFF">IP&nbsp; ICMP&nbsp; ARP&nbsp; RARP</td> <td width="25%" height="31" align="center" bgcolor="#CCFFFF">ルータ</td> <td width="72%" height="31" align="center" bgcolor="#CCFFFF">インターネット層</td> </tr> <tr> <td width="28%" height="33" align="center" bgcolor="#CCFFFF">データリンク層</td> <td width="24%" height="33" align="center" bgcolor="#CCFFFF">Ethernet</td> <td width="25%" height="33" align="center" bgcolor="#CCFFFF">スイッチ ブリッジ</td> <td rowspan="2" width="72%" height="33" align="center" bgcolor="#CCFFFF">リンク層</td> </tr> <tr> <td width="28%" height="29" align="center" bgcolor="#CCFFFF">物理層</td> <td width="24%" height="29" align="center" bgcolor="#CCFFFF">ケーブルの規格、形状など</td> <td width="25%" height="29" align="center" bgcolor="#CCFFFF">各種ケーブル コネクタ</td> </tr> </table> == TCP/IPを学ぶ意義 == TCP/IPを学ぶことは、個人レベルでのネットワーク構築だけでなく、通信やネットワークに関連した様々な業界への足がかりとなる。特に現在はインターネットの爆発的な普及により、通信回線所有世帯や、LANを構築する企業がかなりの増加傾向にある。サーバーなどはホスティングサービスを活用して外注することができても、社内のネットワークについては自社で見ることの場合がほとんどで、日々の業務でも関係が深い情報システム部員にもTCP/IPの知識は持っておきたいものである。 以下に、具体的な関連職、関連資格などを示す。 === 関連職・業務 === *'''ネットワークエンジニア(NE)''' ルータなどの機器を使用・監視し、ネットワークを永続的に稼働できるよう保守・運用などを行うエンジニア。広義には、サーバの構築や運用保守を行うエンジニアもここに分類される。どちらにしろ、TCP/IPに直接触れることになる職業であり、最も関連性の高い職業の1つであるといえる。ネットワークの爆発的な普及に伴い、人手不足の状況にある。 *'''サーバ関係''' サーバの構築や保守・運用にも、通信が大いに関わるためTCP/IPの知識は不可欠である。プロトコルで言うと、WebサーバはHTTPやFTPなどを利用しており、DNSサーバでは名前そのままにDNSを基にしており、メールサーバではPOPやSMTPなどのプロトコルが用いられている、といった具合である。サーバは個人レベルならWindowsで利用している人も多いが、専門とする企業では[[Solaris]]などのUNIX系OSを利用するところがほとんどである。 *'''システムエンジニア(SE)''' ネットワークの普及に伴い、ソフトウェアや基幹システムもネットワークを視野に入れて開発する場面が多くなってきた。そのため、そういったものの開発を担うSEにも、TCP/IPを視野に入れて開発する必要性が出てきた。 ===関連資格=== *'''[[w:CCNA|CCNA]]''' 世界的に信頼性の高い、Cisco社の機器の利用に関する知識を問う資格。ネットワークエンジニアの登竜門的な資格でもある。ルータやスイッチ、ブリッジなどのネットワークデバイスを扱うため、TCP/IPの知識は必ず問われることとなる。上位資格であるCCNPなどもまたしかり、である。 *'''その他、IT系資格全般''' システムアドミニストレータ、基本情報技術者、.com Masterなど、ほとんどのIT系資格で少なからず問われることとなる。特にIP関連については、エンドユーザーレベルの資格(P検など)でも、IPアドレスの部分を中心に出題されることは多い。 === 個人レベル === *'''自宅サーバ構築''' 最近はWindowsでもサーバ構築が多いに可能となっているので、TCP/IPを理解していれば、自宅で自分のPCをサーバとして利用することもたやすい。サーバ関係ではUNIX系のOSが主流だが、ほとんどが無料で手に入るうえにWindowsと同居させられるものも多いので、普段はWindowsを用い、サーバ利用には別のOSを使う、という方法を取ることもできる。 [[Category:TCP/IP]]
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2021-10-22T07:41:33Z
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https://ja.wikibooks.org/wiki/TCP/IP%E5%85%A5%E9%96%80_%E6%A6%82%E8%A6%81
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TCP/IP入門 各層の役割
物理層からトランスポート層までが、通信をきちんと成立させるための土台作りとしての機能を持っているのに対し、アプリケーション層は、ソフトウェアによる便利なサービスなどを付加するための機能を持っている。すなわち、ユーザが直接触ることになる機能を司っている。インターネット上で技術を駆使して展開されている様々なサービスは、このアプリケーション層に属するプロトコルを利用しているものが多いのである。 具体的な機能としては、ファイルの転送、HTMLの閲覧、メールの送受信、ネットワークを介した時計合わせ(UNIXではプログラムの性質上、重要)、セキュリティの確保などがある。 TCP/IPにおけるアプリケーション層は、OSI参照モデルにおけるアプリケーション層、プレゼンテーション層とセッション層の3つを統合したものである。よって、機能としてもその3つの機能を全て保持している。セッション層やプレゼンテーション層のプロトコルはアプリケーション層のプロトコルの機能とみなされ、それ自体はプロトコルとしては省略されている。 主なプロトコルとしては、FTP、TFTP、DNS、SNMP、SMTP、HTTP、Telnetなどがある。 トランスポート層はその名の通り、データの転送を制御する役割を果たす。もう少し具体的に言うと、データ転送の際にデータの誤りなどを検出し、送信元に再送を要求したりといった機能を持っている。そうして得た正しいデータを、アプリケーション層に属する機能を利用したソフトウェアへ正しい状態で送る、というところまでの役割を持っている。 トランスポート層のプロトコルは、TCPとUDPである。この2つは互いに密接な関わりを持っており、ネットワークの規模や用途によって使い分ける必要がある。 TCP/IPにおいて、最も重要な層である。IPアドレスの割り当て、データの伝送経路の選択(ルーティングという)などを主に司る。 プロトコルとしては、最も重要なIPと、その補助的な役割を果たすICMP、ルーティングプロトコルであるARP、RARPなどがある。 直結した端末同士での、電気信号の伝送制御、誤り検出、再送要求などの機能を持っている。トランスポート層と類似した役割だが、こちらはより物理的な部分で、データというよりも電気信号そのものを扱う。スイッチやブリッジといった機器を用いて、送信元や宛先を特定する機能も持っているが、ここではIPアドレスではなくMACアドレス(物理アドレス)を用いて行う。 プロトコルとしては、Ethernet、Token-Ring、PPPなどがある。 直接接続された機器や端末において、電気信号を届けるための各種機能を司る。データや電気信号の正誤に関係なく、電気信号がいかに届くかのみに絞られている。 プロトコルとしては、接続するケーブルの形状やコネクタの種類などがそれである。広義には、電柱を伝っている電線や光ファイバーなどもここに位置する。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "物理層からトランスポート層までが、通信をきちんと成立させるための土台作りとしての機能を持っているのに対し、アプリケーション層は、ソフトウェアによる便利なサービスなどを付加するための機能を持っている。すなわち、ユーザが直接触ることになる機能を司っている。インターネット上で技術を駆使して展開されている様々なサービスは、このアプリケーション層に属するプロトコルを利用しているものが多いのである。", "title": "アプリケーション層" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "具体的な機能としては、ファイルの転送、HTMLの閲覧、メールの送受信、ネットワークを介した時計合わせ(UNIXではプログラムの性質上、重要)、セキュリティの確保などがある。", "title": "アプリケーション層" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "TCP/IPにおけるアプリケーション層は、OSI参照モデルにおけるアプリケーション層、プレゼンテーション層とセッション層の3つを統合したものである。よって、機能としてもその3つの機能を全て保持している。セッション層やプレゼンテーション層のプロトコルはアプリケーション層のプロトコルの機能とみなされ、それ自体はプロトコルとしては省略されている。", "title": "アプリケーション層" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "主なプロトコルとしては、FTP、TFTP、DNS、SNMP、SMTP、HTTP、Telnetなどがある。", "title": "アプリケーション層" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "トランスポート層はその名の通り、データの転送を制御する役割を果たす。もう少し具体的に言うと、データ転送の際にデータの誤りなどを検出し、送信元に再送を要求したりといった機能を持っている。そうして得た正しいデータを、アプリケーション層に属する機能を利用したソフトウェアへ正しい状態で送る、というところまでの役割を持っている。", "title": "トランスポート層" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "トランスポート層のプロトコルは、TCPとUDPである。この2つは互いに密接な関わりを持っており、ネットワークの規模や用途によって使い分ける必要がある。", "title": "トランスポート層" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "TCP/IPにおいて、最も重要な層である。IPアドレスの割り当て、データの伝送経路の選択(ルーティングという)などを主に司る。", "title": "インターネット層" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "プロトコルとしては、最も重要なIPと、その補助的な役割を果たすICMP、ルーティングプロトコルであるARP、RARPなどがある。", "title": "インターネット層" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "直結した端末同士での、電気信号の伝送制御、誤り検出、再送要求などの機能を持っている。トランスポート層と類似した役割だが、こちらはより物理的な部分で、データというよりも電気信号そのものを扱う。スイッチやブリッジといった機器を用いて、送信元や宛先を特定する機能も持っているが、ここではIPアドレスではなくMACアドレス(物理アドレス)を用いて行う。", "title": "リンク層" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "プロトコルとしては、Ethernet、Token-Ring、PPPなどがある。", "title": "リンク層" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "直接接続された機器や端末において、電気信号を届けるための各種機能を司る。データや電気信号の正誤に関係なく、電気信号がいかに届くかのみに絞られている。", "title": "リンク層" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "プロトコルとしては、接続するケーブルの形状やコネクタの種類などがそれである。広義には、電柱を伝っている電線や光ファイバーなどもここに位置する。", "title": "リンク層" } ]
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== ※ 図(参照用)== <table align="center" border="1" cellpadding="0" cellspacing="0" style="border-collapse: collapse" bordercolor="#111111" width="78%" id="AutoNumber1" height="299"> <tr> <td width="28%" height="47" align="center" bgcolor="#FFFF99"><b>OSI参照モデルでの層名</b></td> <td width="24%" height="47" align="center" bgcolor="#FFFF99"><b>主なプロトコル</b></td> <td width="25%" height="47" align="center" bgcolor="#FFFF99"><b>使用機器</b></td> <td width="72%" height="47" align="center" bgcolor="#FFFF99"><b>TCP/IPでの階層名</b></td> </tr> <tr> <td width="28%" height="44" align="center" bgcolor="#CCFFFF">アプリケーション層</td> <td width="24%" height="44" align="center" bgcolor="#CCFFFF">HTTP FTP POP SMTP Telnet DNS SNMP</td> <td width="25%" height="107" rowspan="3" align="center" bgcolor="#CCFFFF">ゲートウェイ</td> <td width="72%" rowspan="3" height="107" align="center" bgcolor="#CCFFFF">アプリケーション層</td> </tr> <tr> <td width="28%" height="33" align="center" bgcolor="#CCFFFF">プレゼンテーション層</td> <td width="24%" height="33" align="center" bgcolor="#CCFFFF"> mp3 avi&nbsp; lzh zip</td> </tr> <tr> <td width="28%" height="28" align="center" bgcolor="#CCFFFF">セッション層</td> <td width="24%" height="28" align="center" bgcolor="#CCFFFF">NetBIOS PAP</td> </tr> <tr> <td width="28%" height="47" align="center" bgcolor="#CCFFFF">トランスポート層</td> <td width="24%" height="47" align="center" bgcolor="#CCFFFF">TCP UDP</td> <td width="25%" height="47" align="center" bgcolor="#CCFFFF"> </td> <td width="72%" height="47" align="center" bgcolor="#CCFFFF">トランスポート層</td> </tr> <tr> <td width="28%" height="31" align="center" bgcolor="#CCFFFF">ネットワーク層</td> <td width="24%" height="31" align="center" bgcolor="#CCFFFF">IP&nbsp; ICMP&nbsp; ARP&nbsp; RARP</td> <td width="25%" height="31" align="center" bgcolor="#CCFFFF">ルータ</td> <td width="72%" height="31" align="center" bgcolor="#CCFFFF">インターネット層</td> </tr> <tr> <td width="28%" height="33" align="center" bgcolor="#CCFFFF">データリンク層</td> <td width="24%" height="33" align="center" bgcolor="#CCFFFF">Ethernet</td> <td width="25%" height="33" align="center" bgcolor="#CCFFFF">スイッチ ブリッジ</td> <td rowspan="2" width="72%" height="33" align="center" bgcolor="#CCFFFF">リンク層</td> </tr> <tr> <td width="28%" height="29" align="center" bgcolor="#CCFFFF">物理層</td> <td width="24%" height="29" align="center" bgcolor="#CCFFFF">ケーブルの規格、形状など</td> <td width="25%" height="29" align="center" bgcolor="#CCFFFF">各種ケーブル コネクタ</td></tr> </table> == アプリケーション層 == 物理層からトランスポート層までが、通信をきちんと成立させるための土台作りとしての機能を持っているのに対し、[[w:アプリケーション層|アプリケーション層]]は、ソフトウェアによる便利なサービスなどを付加するための機能を持っている。すなわち、ユーザが直接触ることになる機能を司っている。インターネット上で技術を駆使して展開されている様々なサービスは、このアプリケーション層に属するプロトコルを利用しているものが多いのである。 具体的な機能としては、ファイルの転送、HTMLの閲覧、メールの送受信、ネットワークを介した時計合わせ(UNIXではプログラムの性質上、重要)、セキュリティの確保などがある。 TCP/IPにおけるアプリケーション層は、OSI参照モデルにおけるアプリケーション層、プレゼンテーション層とセッション層の3つを統合したものである。よって、機能としてもその3つの機能を全て保持している。セッション層やプレゼンテーション層のプロトコルはアプリケーション層のプロトコルの機能とみなされ、それ自体はプロトコルとしては省略されている。 主なプロトコルとしては、'''[[w:File Transfer Protocol|FTP]]'''、'''[[w:TFTP|TFTP]]'''、'''[[w:Domain Name System|DNS]]'''、'''[[w:SNMP|SNMP]]'''、'''[[w:SMTP|SMTP]]'''、'''[[w:HTTP|HTTP]]'''、'''[[w:Telnet|Telnet]]'''などがある。 == トランスポート層 == [[w:トランスポート層|トランスポート層]]はその名の通り、データの転送を制御する役割を果たす。もう少し具体的に言うと、データ転送の際にデータの誤りなどを検出し、送信元に再送を要求したりといった機能を持っている。そうして得た正しいデータを、アプリケーション層に属する機能を利用したソフトウェアへ正しい状態で送る、というところまでの役割を持っている。 トランスポート層のプロトコルは、'''[[w:TCP|TCP]]'''と'''[[w:UDP|UDP]]'''である。この2つは互いに密接な関わりを持っており、ネットワークの規模や用途によって使い分ける必要がある。 == [[w:インターネット層|インターネット層]] == TCP/IPにおいて、最も重要な層である。IPアドレスの割り当て、データの伝送経路の選択(ルーティングという)などを主に司る。 プロトコルとしては、最も重要な'''[[w:Internet Protocol|IP]]'''と、その補助的な役割を果たす'''[[w:ICMP|ICMP]]'''、ルーティングプロトコルである'''[[w:ARP|ARP]]'''、'''[[w:RARP|RARP]]'''などがある。 == [[w:リンク層|リンク層]] == === [[w:データリンク層|データリンク層]] === 直結した端末同士での、電気信号の伝送制御、誤り検出、再送要求などの機能を持っている。トランスポート層と類似した役割だが、こちらはより物理的な部分で、データというよりも電気信号そのものを扱う。[[w:スイッチ|スイッチ]]や[[w:ブリッジ|ブリッジ]]といった機器を用いて、送信元や宛先を特定する機能も持っているが、ここではIPアドレスではなく'''[[w:MACアドレス|MACアドレス]]'''(物理アドレス)を用いて行う。 プロトコルとしては、'''[[w:イーサネット|Ethernet]]'''、'''[[w:トークンリング|Token-Ring]]'''、'''[[w:Point-to-Point_Protocol|PPP]]'''などがある。 === [[w:物理層|物理層]] === 直接接続された機器や端末において、電気信号を届けるための各種機能を司る。データや電気信号の正誤に関係なく、電気信号がいかに届くかのみに絞られている。 プロトコルとしては、接続するケーブルの形状やコネクタの種類などがそれである。広義には、電柱を伝っている電線や光ファイバーなどもここに位置する。 [[Category:TCP/IP]]
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2018-06-21T01:47:56Z
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https://ja.wikibooks.org/wiki/TCP/IP%E5%85%A5%E9%96%80_%E5%90%84%E5%B1%A4%E3%81%AE%E5%BD%B9%E5%89%B2
3,014
中学校英語
Main Page > 小学校・中学校・高等学校の学習 > 中学校の学習 > 中学校英語 本項は、中学生用の英語科目の教本です。中学校の英語では、英語のうちでも、基本的な単語と文法について、学んでいきます。 なお、多くのページではカタカナにより大まかな発音を載せています。しかし、英語の発音は日本語とは異なります。実際には教科書や参考書などにある発音記号を参考に単語の読み方を覚えるのが、外国語の発声、聞き取りの基本的な学習法でしょう。発音記号と実際のネイティブスピーカーの発声が聞ければ理想的ですね。学習方法/中学校英語も参照してみてください。 中等教育前期の英語 (2018-12-08)
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "Main Page > 小学校・中学校・高等学校の学習 > 中学校の学習 > 中学校英語", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "本項は、中学生用の英語科目の教本です。中学校の英語では、英語のうちでも、基本的な単語と文法について、学んでいきます。", "title": "" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "なお、多くのページではカタカナにより大まかな発音を載せています。しかし、英語の発音は日本語とは異なります。実際には教科書や参考書などにある発音記号を参考に単語の読み方を覚えるのが、外国語の発声、聞き取りの基本的な学習法でしょう。発音記号と実際のネイティブスピーカーの発声が聞ければ理想的ですね。学習方法/中学校英語も参照してみてください。", "title": "" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "", "title": "教科書" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "", "title": "教科書" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "中等教育前期の英語 (2018-12-08)", "title": "教科書" } ]
Main Page > 小学校・中学校・高等学校の学習 > 中学校の学習 > 中学校英語 本項は、中学生用の英語科目の教本です。中学校の英語では、英語のうちでも、基本的な単語と文法について、学んでいきます。 なお、多くのページではカタカナにより大まかな発音を載せています。しかし、英語の発音は日本語とは異なります。実際には教科書や参考書などにある発音記号を参考に単語の読み方を覚えるのが、外国語の発声、聞き取りの基本的な学習法でしょう。発音記号と実際のネイティブスピーカーの発声が聞ければ理想的ですね。学習方法/中学校英語も参照してみてください。
{{Pathnav|Main Page|小学校・中学校・高等学校の学習|中学校の学習}} 本項は、中学生用の英語科目の教本です。中学校の英語では、英語のうちでも、基本的な単語と文法について、学んでいきます。 ---- なお、多くのページではカタカナにより大まかな発音を載せています。しかし、英語の発音は日本語とは異なります。実際には教科書や参考書などにある発音記号を参考に単語の読み方を覚えるのが、外国語の発声、聞き取りの基本的な学習法でしょう。発音記号と実際のネイティブスピーカーの発声が聞ければ理想的ですね。[[学習方法/中学校英語]]も参照してみてください。 == 教科書 == === 1年 === * [[中学校英語/1年]] {{進捗|25%|2016-01-30}} ** 1年内容の会話文・長文など * [[中学校英語/1年/単語]] {{進捗|25%|2016-02-06}} ** 1年内容の単語関係全て * [[中学校英語/1年/文法]] {{進捗|25%|2016-02-06}} ** 1年内容の文法 :[[中学校英語/動詞の変化形 1年]] === 2年 === * [[中学校英語/2年]] {{進捗|25%|2016-02-10}} ** 2年内容の会話文・長文など * [[中学校英語/2年/単語]] {{進捗|25%|2016-02-04}} ** 2年内容の単語関係全て * [[中学校英語/2年/文法]] {{進捗|50%|2016-02-10}} ** 2年内容の文法 * [[中学校英語/形容詞・副詞の比較変化 2年]] {{進捗|50%|2022-04-25}} === 3年 === * [[中学校英語/3年]] {{進捗|25%|2021-11-09}} ** 3年内容の会話文・長文など * [[中学校英語/3年/単語]]{{進捗|00%|2021-11-09}} ** 3年内容の単語関係全て * [[中学校英語/3年/文法]]{{進捗|50%|2021-11-09}} ** 3年内容の文法 * [[中学校英語/不規則動詞 2年| 中学校英語/不規則動詞]] ---- [[中等教育前期の英語]] {{進捗|00%|2018-12-08}} ---- === 演習 === * [[初等英語演習]] ** [[中学校英語/1年/演習]] ** [[中学校英語/2年/演習]] ** [[中学校英語/3年/演習]] ** [[高校受験参考書/演習]] === その他 === * [[中学校英語/いろいろな表現]] <!-- ** 慣用表現を徹底的に --> * [[中学校英語/単語]] <!-- ** 受験の時に単語はここだけ見ればいい感じに --> == 学習方法 == * [[学習方法/中学校英語]] ** [[学習方法/中学校英語/辞書]] * [[学習方法/高校受験/英語]] [[Category:中学校教育|えいこ]]
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2022-10-19T17:40:55Z
[ "テンプレート:進捗" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E4%B8%AD%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E8%8B%B1%E8%AA%9E
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中学校英語/2年
Main Page > 小学校・中学校・高等学校の学習 > 中学校の学習 > 中学校英語 > 中学校英語/2年 中学校英語/2年では、学年の英語について教授します。単語及び文法も必要に合わせて一緒にお読みください。 以降、品詞については名詞を(n)・動詞を(v)・形容詞を(a)・副詞を(adv)・前置詞を(prep)・接続詞を(cnj)と表す。 to+動詞の原形で書かれる語を、不定詞と呼ぶ。上の文章中では の2つの文章中で不定詞が用いられている。他に最後の文でも不定詞が用いられているがその不定詞の用法は上の不定詞の用法と同じであるので繰り返さない。上の文で の中では選ぶことを欲するという意味で取ることができるので、to take は文章の中でwantの目的語の働きをしている。目的語になるのは名詞の働きであるので、不定詞の名詞的用法と呼ばれている。一般に多くの名詞的用法の不定詞は〜することのように訳されることが多い。目的語になる他、不定詞の名詞的用法は文章中で主語になることも出来る。 一方、上の文のうち の方では買うべきもの(服)のように服を修飾していることからto buy がoneにかかる形容詞として用いられていることが分かる。この様な用法を不定詞の形容詞的用法と呼ぶ。一般に不定詞の形容詞的用法にはいくつかの意味がある。代表的な例として使われ方を表わす用法や義務を表す用法がある。例えば、 などは対応する名詞の使われ方を表わす用法の例であり、 などは対応する名詞に対してするべき事を表す用法である。より詳しい使い分けは高等学校の範囲である。 次に疑問詞を用いた疑問文について説明する。上の文章では の内でwhyという語は疑問詞と呼ばれる語の1つである。疑問詞は 何を、なぜ、いつ、どこのように答えにyes,noではなく何らかの情報のある語を必要とする語のことである。このような語を用いるときには必ず疑問詞を文頭に持って来てそれ以外の語を通常の疑問文の語順に並べることで文を作ることが出来る。また、疑問詞は通常疑問文にしか用いられない。 ( 最も口語的には平叙文の語順で対応する部分だけを疑問詞に置き換えることで実質的な疑問文を作ることも行われるようである。) 動詞の種類は一般動詞であってもbe動詞であっても疑問文の語順に変化は現われない。 よく用いられる疑問詞には などがある。また、疑問詞と他の語をつなげて慣用的な意味を持たせた表現も存在する。この様な表現では疑問詞と他の語の組み合わせを1つの疑問詞と思って文を作ればよい。代表的な例として、 などがある。例えば、 などが慣用的によく用いられる。また、特にhowについてはそれを形容詞と組み合わせることでどれくらい〜かという様な疑問詞を作ることが出来る。代表的な例は、 などがある。疑問詞を用いた疑問文ではその文が疑問文であるにもかかわらず最後の強勢は下げることが知られている。 次に上の文章中で、 の文について説明する。この文の主語はIであり、述語はthinkである。しかし、この文には更にもう1組thisとisという主語述語の組が含まれている。このように主語と述語の組が複数含まれている文をw:複文という。一方、主語と述語が1組だけ含まれている文をw:単文と呼ぶ。複文には複数の文が同じ重みで含まれている文と片方の述語が主だった意味を定め、もう片方の述語が他の述語の意味を補う働きをする文がある。前者については各々の文は等位関係にあるといい、後者では文は主従の関係にあるという。文が等位関係にあるか主従関係にあるかはそれらをつなぐ接続詞によって決まる。接続詞とは、2つの文の間に何らかの関係をつける語である。例えば、日本語では〜だから、しかし、そしてなどがあげられる。 上の例では接続詞としてthatが用いられている。そのため、上の文は文法的には と等しい。しかし実際には多くの場合thatは省略されるので、上ではthatを書いていない。ここで接続詞thatは、日本語でいう〜ということに対応する 意味を持つ。つまりこの文章は〜ということを思うという様に訳せばよい。ここで、that以下の文はthinkの目的語となっていることからthat以下の文全体が名詞として働いていることが分かる。一般に文中の主語や術語以外の成分で主語と述語を含んでいる文の成分を節と呼ぶ。この用語を用いて、 ここで使われた接続詞thatの用法はthat節の名詞的用法と呼ばれる。 他によく使われる接続詞として などがあげられる。この中で、andとbutだけは文を等位関係にする接続詞であり、それ以外は接続詞に続く文を主文に従属させる文とする接続詞である。前者の接続詞を等位接続詞、後者の接続詞を従属接続詞と呼ぶ。 (v)・(n)等は前の課を参照。(int)は間投詞を表す。 文章中で現在以外のことについて述べたいことがある。現在、過去、未来のように時間を表わす表現のことをw:時制と呼ぶ。ここでは特に過去に関する事実を述べる時制について説明する。過去の事実を述べるときには文章中の述語動詞を過去形にすればよい。過去形は一般的な動詞では動詞の原形に-edをつけることで作ることが出来る。例えば、 などがあげられる。一方、最後が-eで終わる動詞には単に-dをつける。 また、最後が子音+yで終わる動詞ではyをiにかえて-edをつける。 また、最後が単母音+子音で終わる語は最後の子音を重ねて-edをつける。 ここまでのように語尾に-edをつけることで過去形が作れる語をw:規則動詞と呼ぶ。一方、英語の動詞の中にはそれとは異なった変化によって過去形を作る動詞も少なからず存在する。これをw:不規則動詞と呼ぶ。これらの動詞は頻繁に使われる動詞である場合が多い。不規則動詞の原形から過去形を作る方法は動詞ごとにほぼばらばらであり、個別に覚えるしかない。しかし、幸いにも不規則動詞は非常に多いわけではなく、また時代の流れとともに新しくできてくる動詞で不規則変化をする動詞は稀であるため、それほど苦労する事はないかも知れない。主なものをあげると、 などがある。平叙文では単に文章中で動詞を過去形に置き換えればよい。上の例では などが過去形の例である。2つ目の文ではputの過去形と原形が一致しているため文を見ただけでは文の時制が現在であるか過去であるかは分からない。これらは文脈を見てその時制がどちらにあるかを判断しなけばならない。 また、疑問文や否定文の過去を扱うときには、動詞ではなく補助動詞のdoをdidに変えることで過去時制の文が作られる。本文の例では などがその例である。 次に の文についてより詳しく説明する。この文では述語であるlentの後に と の2つの名詞が続いている。この様に述語の後に名詞が2つ続く例は2通りある。1つは2つの名詞がどちらも述語の目的語となっている場合である。実際には この場合はこちらであり、youとmy bicycleはどちらもこの述語lentの目的語となっている。lentの原形であるlendは貸すという意味の単語であり、 貸す相手と貸すものの両方を目的語として取る。このため、2つの名詞はどちらも目的語なのである。この様に動作を受ける人と動作を受けるものの 2つを取る動詞は他にもいくつかある。これらはどれも の順で目的語を取る。この順番を入れ換えることは出来ない。ここで、人に対応する目的語をw:間接目的語、ものに対応する目的語をw:直接目的語と呼ぶ。ただし、多くの動詞では上の並びと同じ意味で の書き換えをすることが出来る。このときには目的語はものだけであり、to 人はto前置詞の副詞句である。 言語を習得するには。得た知識を実際の文章に対して適用してみることが必要となる。ここでは特に、英語版wikibooksのwikijunior から、次の文章を訳してみる。この文章は南アメリカ諸国の文化や地理を説明する文書の一部であり、完全な文書は に存在する。この文書は英語圏の子供向けに書かれた文書であるので比較的簡単な英文で書かれている。興味があれば全訳にも挑戦してみるとよいかもしれない。 子供向けとはいえ文法的にも単語のレベル的にもかなり進んだ内容であり、母国語でない人間にとっては簡単に読むわけにはいかないだろう。 Who lives in South America? 上の文では誰にという意味の疑問詞whoが用いられている。このため、上の文は 平叙文の語順であるけれども、分類としては疑問文に含まれる。whoは人称としては 3人称にあたり、この文は現在のことを表わした文であることから、動詞には 3単現(3人称単数現在形)のsがついている。 liveは住むという意味を表す動詞であるが、この使い方をするときは 目的語を取ることは出来ない動詞である。この様な動詞をw:自動詞と呼ぶ。 一方、目的語を取ることが出来る動詞をw:他動詞と呼ぶ。 主語が住んでいる場所を示すためには副詞を用いて表す。ここでは前置詞を用いて副詞句をつくって、住んでいる場所を表している。ここでは前置詞はinが用いられているが、これは特に国や地域などのわりあい広い範囲を表すときに用いられる。より狭い範囲での場所を表すには前置詞atが用いられる。しかし、その使いわけはある程度主観にもよるようである。 南アメリカに住んでいる人々は3つの主だったグループに分かれる。それぞれ現地の人々、ヨーロッパ系、そしてアフリカ系である。実際には国にもよるが、ほとんどの人々はこれら3つの人種の混血となっている。 この段落の最初の文の主語はgroupであるが、これには多くの形容詞がついているため、 主語が長くなっている。形容詞まで含めた主語のことを主部と呼ぶことがある。 この文の主部は である。ここで分かる通り、名詞groupを修飾する形容詞mainと threeが存在するときには、threeの方を先に持って来る。更に、of peopleはgroupにかかる形容詞句であるが、peopleで構成されたの様に構成物を作りだす意味のofであると考えられる。同じ意味のofは例えば などの表現でも用いられる。これらは長い主語であるが全体としては という文であり、それらに適当な形容詞が付けられているのである。 文中で:が用いられ、それ以降に主語で述べられた3つのグループについての説明が与えられる。上の記号である:はw:コロンと読まれ、おおよそ日本語で即ちの意味を表わす。つまりコロン以降の名詞で前の文に対する説明を与えるのである。 次の文では から始まっているがこれはw:分詞構文と呼ばれる文法であり、高等学校英語の範囲でありやや高度な文法である。簡単に説明するとこの構文は、分詞に主語を補って完全な文にした後、接続詞でつないだのと同じ意味になる。特に、分詞構文に主語が存在しない場合には、次に続く文の主語が対応する分詞の主語になる。しかし、実際にはこの文の主語はmost peopleでは無いのだが、文脈から意味が分かるということで改めて主語を指定することを省いたようである。次にhoweverという単語が続いているが、この単語は単にしかしという意味を表わす。この単語は副詞であり、文の最初に置くことも出来る。しかし、文の動詞の前に',(コンマ)'で区切って文中、特に動詞の直前に置かれることも多い。上の文ではdepending - の部分は文の術語areにかかる副詞句と考えることができるので、howeverが入っている位置は文頭と考えることが出来る。 現地の人々 peopleは複数として扱われる。意味としてはpersonの複数形と思っておけば良い。 現地の人々は南アメリカに最初に住んでいた人々であった。彼らにはいくつかの民族があり、彼らはそれぞれ別の言語と文化を持っていた。彼らの中で最も有名なのはインカ人である。彼らはケチュア語を話し、1200年から1533年にわたってTawantinsuyuと呼ばれる偉大な帝国を作っていた。インカ帝国は既に存在していないが、現在でも1300万人程度のケチュア語を話す人々がいる。 最初の文ではindigeous peopleが最初の人であったと述べている。それ以降のto - はthe first peopleを修飾する不定詞の形容詞句である。 次の文はThere - の文章であり、文章の主語はtypesであり複数形であるので、文の術語areは複数形に対応する形を取っている。この文ではカンマに区切られて別の主語術語が続いている。 eachはそれぞれという意味で、単数形として扱う。この語では、日本語に引きずられて複数として扱ってしまいがちなので注意が必要である。同様の性質を持つ語としてeveryがあるがこの語は全てのという意味を表わす形容詞であるが、そうであるにも関わらず、この形容詞がついた語は単数として扱わなくてはならない。前置詞withは、〜と一緒にが1つの意味だが、ここでは、〜を所有しているというような意味である。形容詞ownは通常所有格を表わす語に続いて用いられ所有されているということを強調するような意味を持つ。 次の文ではthe most famous - という文が用いられているが、これは形容詞の最上級と呼ばれ これも進んだ文法である。 ここで形容詞の ofが最上級に続いた場合には、of以降の名詞の中で一番であるという意味を表わす。結局ここでは全ての人々の中で最も有名な(人々)という意味が対応する。 wereはareの過去形であり、主に複数形の語が主語のときのbe動詞として用いられる。 次の文ではan empire called Quechuaという表現が見られるが、この文中でcalledは、an empireを修飾する過去分詞である。過去分詞の用法は中学校英語の範囲である。 また、この文ではand以降にbetweenに続く名詞で作られる副詞句の後、再び述語 hadが続く形になっている。この様な場合後の文で主語が省略されたことは、後の文の主語と前の文の主語が等しいことを示している。よって、後の文の主語もIncasであり、Incasが、a vast empireを所持していた事が分かる。 次の文でno longerは既に〜ないという意味を持ち、この語が入った文はnotが含まれなくとも否定文として扱われる。しかし、それ以外の語順は平叙文と同一であり、3単現のsもそのまま残っている。but以降の節では、indigeous people who speak Quechua という表現が見られるが、これは 関係代名詞と呼ばれる。働きとしては、whoを主語として書かれる形容詞節がwhoの直前の名詞を修飾する。ただし、whoの節の主語は、whoの直前の名詞を用いる。結局この文はケチュア語を話す現地の人々という意味を表わす。 ヨーロッパ系 1530年代にスペインやポルトガルからのヨーロッパ人(イベリア半島を参照。)は南アメリカを植民地にしていった。南アメリカのうちでポルトガルの植民地にされた地域はブラジルという大きな国になった。他の多くの国はスペインの植民地となった。南アメリカの北方に3つのスペインにもポルトガルにも植民地化されなかった小さな3つの国があったが、それらは仏領ギアナ、スリナム、ギアナである。 最初の文で1530sという表現はおおよそ1530年代という事を表わす表現である。 また、w:スペインとw:ポルトガルはヨーロッパの国である。この文にはstarted colonisingという表現が含まれているが、 ここで、colonisingという語はcoloniseの動名詞であり、意味はだいたいto coloniseの名詞的用法と同じである。 動名詞は中学校英語の文法である。ただし、名詞的用法でどちらが使われるかはその文の述語によって 変わる。この文の述語であるstartは動名詞と不定詞の両方を取る動詞であるので、どちらを用いてもよい。 coloniseは難しい単語だが、単に目的語を1つ取る他動詞であり、意味はw:植民地化するである。 次の文でparts which were colonised ... の文でのwhichは関係代名詞であり、上で見た関係代名詞whoと同じ働きをする。whichとwhoの使いわけは、whoは人に対して用い、whichはそれ以外のものに対して用いるという使いわけである。ここで、were colonizedは、植民地化されたという意味を表わす 文法であり、w:受動態と呼ばれる。受動態は中学校英語 第3学年で扱われる。文全体としては、植民地化された部分という意味になる。becameは、becomeの過去形で、意味はbe動詞に似ているが特に変化の意味を表すため、〜になると訳される。この語は、be動詞と同じ扱われ方をするので、この動詞の後には目的語ではなく、補語が続く。 次の文でmost ofという表現があるが、ここでのmostは最上級の意味はなく、単にofで表される名詞のほとんどがという意味を表す名詞である。the otherの中で、otherは他のという意味を表す形容詞だが、特にthe otherの形で用いられたときには全ての他のものという意味を表す。 次の文でvery northという表現では、 北であることを強める働きをしている。 countries that were colonised ...の表現はwhichやwhoと同じくthatを関係代名詞として用いた場合である。thatは、ものに対しても人に対しても使える。どちらかといえばwhoやwhichはより形式的な場面で使われることが多い。 更にこの文ではeither -a- or -b- という表現が用いられているが、この表現は-a-か-b-のどちらかをという意味を表す表現である。この表現自体は高等学校英語で紹介されることが多いので詳細はそちらを参照。 イベリア半島 イベリア半島は大西洋に突き出している南ヨーロッパの地域である。イベリア半島にはポルトガルとスペインという2つの国があるが、5つもの異なった言語がある。 最初の文のthatは関係代名詞であり、piece that pokes out into .. と続いている。意味は、突き出ている部分となる。pieceは日本語でピースと読まれることもあるが、地理的な話題であることからここでは地域でもよいだろう。Atlantic Oceanは大西洋の意味である。次の文でもコロンが用いられているが、それ以降の名詞であるPotugalとSpainが、two countriesを表わしている。 中学校英語 文法項目 2学年
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"言語を習得するには。得た知識を実際の文章に対して適用してみることが必要となる。ここでは特に、英語版wikibooksのwikijunior から、次の文章を訳してみる。この文章は南アメリカ諸国の文化や地理を説明する文書の一部であり、完全な文書は に存在する。この文書は英語圏の子供向けに書かれた文書であるので比較的簡単な英文で書かれている。興味があれば全訳にも挑戦してみるとよいかもしれない。", "title": "第2学年" }, { "paragraph_id": 44, "tag": "p", "text": "子供向けとはいえ文法的にも単語のレベル的にもかなり進んだ内容であり、母国語でない人間にとっては簡単に読むわけにはいかないだろう。", "title": "第2学年" }, { "paragraph_id": 45, "tag": "p", "text": "", "title": "第2学年" }, { "paragraph_id": 46, "tag": "p", "text": "Who lives in South America?", "title": "第2学年" }, { "paragraph_id": 47, "tag": "p", "text": "上の文では誰にという意味の疑問詞whoが用いられている。このため、上の文は 平叙文の語順であるけれども、分類としては疑問文に含まれる。whoは人称としては 3人称にあたり、この文は現在のことを表わした文であることから、動詞には 3単現(3人称単数現在形)のsがついている。 liveは住むという意味を表す動詞であるが、この使い方をするときは 目的語を取ることは出来ない動詞である。この様な動詞をw:自動詞と呼ぶ。 一方、目的語を取ることが出来る動詞をw:他動詞と呼ぶ。", "title": "第2学年" }, { "paragraph_id": 48, "tag": "p", "text": 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"p", "text": "文中で:が用いられ、それ以降に主語で述べられた3つのグループについての説明が与えられる。上の記号である:はw:コロンと読まれ、おおよそ日本語で即ちの意味を表わす。つまりコロン以降の名詞で前の文に対する説明を与えるのである。", "title": "第2学年" }, { "paragraph_id": 56, "tag": "p", "text": "次の文では", "title": "第2学年" }, { "paragraph_id": 57, "tag": "p", "text": "から始まっているがこれはw:分詞構文と呼ばれる文法であり、高等学校英語の範囲でありやや高度な文法である。簡単に説明するとこの構文は、分詞に主語を補って完全な文にした後、接続詞でつないだのと同じ意味になる。特に、分詞構文に主語が存在しない場合には、次に続く文の主語が対応する分詞の主語になる。しかし、実際にはこの文の主語はmost peopleでは無いのだが、文脈から意味が分かるということで改めて主語を指定することを省いたようである。次にhoweverという単語が続いているが、この単語は単にしかしという意味を表わす。この単語は副詞であり、文の最初に置くことも出来る。しかし、文の動詞の前に',(コンマ)'で区切って文中、特に動詞の直前に置かれることも多い。上の文ではdepending - の部分は文の術語areにかかる副詞句と考えることができるので、howeverが入っている位置は文頭と考えることが出来る。", "title": "第2学年" }, { "paragraph_id": 58, "tag": "p", "text": "", "title": "第2学年" }, { "paragraph_id": 59, "tag": "p", "text": "現地の人々", "title": "第2学年" }, { "paragraph_id": 60, "tag": "p", "text": "peopleは複数として扱われる。意味としてはpersonの複数形と思っておけば良い。", "title": "第2学年" }, { "paragraph_id": 61, "tag": "p", "text": "", "title": "第2学年" }, { "paragraph_id": 62, "tag": "p", "text": "現地の人々は南アメリカに最初に住んでいた人々であった。彼らにはいくつかの民族があり、彼らはそれぞれ別の言語と文化を持っていた。彼らの中で最も有名なのはインカ人である。彼らはケチュア語を話し、1200年から1533年にわたってTawantinsuyuと呼ばれる偉大な帝国を作っていた。インカ帝国は既に存在していないが、現在でも1300万人程度のケチュア語を話す人々がいる。", "title": "第2学年" }, { "paragraph_id": 63, "tag": "p", "text": "最初の文ではindigeous peopleが最初の人であったと述べている。それ以降のto - はthe first peopleを修飾する不定詞の形容詞句である。", "title": "第2学年" }, { "paragraph_id": 64, "tag": "p", "text": "次の文はThere - の文章であり、文章の主語はtypesであり複数形であるので、文の術語areは複数形に対応する形を取っている。この文ではカンマに区切られて別の主語術語が続いている。 eachはそれぞれという意味で、単数形として扱う。この語では、日本語に引きずられて複数として扱ってしまいがちなので注意が必要である。同様の性質を持つ語としてeveryがあるがこの語は全てのという意味を表わす形容詞であるが、そうであるにも関わらず、この形容詞がついた語は単数として扱わなくてはならない。前置詞withは、〜と一緒にが1つの意味だが、ここでは、〜を所有しているというような意味である。形容詞ownは通常所有格を表わす語に続いて用いられ所有されているということを強調するような意味を持つ。", "title": "第2学年" }, { "paragraph_id": 65, "tag": "p", "text": "次の文ではthe most famous - という文が用いられているが、これは形容詞の最上級と呼ばれ これも進んだ文法である。 ここで形容詞の ofが最上級に続いた場合には、of以降の名詞の中で一番であるという意味を表わす。結局ここでは全ての人々の中で最も有名な(人々)という意味が対応する。 wereはareの過去形であり、主に複数形の語が主語のときのbe動詞として用いられる。 次の文ではan empire called Quechuaという表現が見られるが、この文中でcalledは、an empireを修飾する過去分詞である。過去分詞の用法は中学校英語の範囲である。 また、この文ではand以降にbetweenに続く名詞で作られる副詞句の後、再び述語 hadが続く形になっている。この様な場合後の文で主語が省略されたことは、後の文の主語と前の文の主語が等しいことを示している。よって、後の文の主語もIncasであり、Incasが、a vast empireを所持していた事が分かる。", "title": "第2学年" }, { "paragraph_id": 66, "tag": "p", "text": "次の文でno longerは既に〜ないという意味を持ち、この語が入った文はnotが含まれなくとも否定文として扱われる。しかし、それ以外の語順は平叙文と同一であり、3単現のsもそのまま残っている。but以降の節では、indigeous people who speak Quechua という表現が見られるが、これは 関係代名詞と呼ばれる。働きとしては、whoを主語として書かれる形容詞節がwhoの直前の名詞を修飾する。ただし、whoの節の主語は、whoの直前の名詞を用いる。結局この文はケチュア語を話す現地の人々という意味を表わす。", "title": "第2学年" }, { "paragraph_id": 67, "tag": "p", "text": "", "title": "第2学年" }, { "paragraph_id": 68, "tag": "p", "text": "ヨーロッパ系", "title": "第2学年" }, { "paragraph_id": 69, "tag": "p", "text": "", "title": "第2学年" }, { "paragraph_id": 70, "tag": "p", "text": "1530年代にスペインやポルトガルからのヨーロッパ人(イベリア半島を参照。)は南アメリカを植民地にしていった。南アメリカのうちでポルトガルの植民地にされた地域はブラジルという大きな国になった。他の多くの国はスペインの植民地となった。南アメリカの北方に3つのスペインにもポルトガルにも植民地化されなかった小さな3つの国があったが、それらは仏領ギアナ、スリナム、ギアナである。", "title": "第2学年" }, { "paragraph_id": 71, "tag": "p", "text": "", "title": "第2学年" }, { "paragraph_id": 72, "tag": "p", "text": "最初の文で1530sという表現はおおよそ1530年代という事を表わす表現である。 また、w:スペインとw:ポルトガルはヨーロッパの国である。この文にはstarted colonisingという表現が含まれているが、 ここで、colonisingという語はcoloniseの動名詞であり、意味はだいたいto coloniseの名詞的用法と同じである。 動名詞は中学校英語の文法である。ただし、名詞的用法でどちらが使われるかはその文の述語によって 変わる。この文の述語であるstartは動名詞と不定詞の両方を取る動詞であるので、どちらを用いてもよい。 coloniseは難しい単語だが、単に目的語を1つ取る他動詞であり、意味はw:植民地化するである。", "title": "第2学年" }, { "paragraph_id": 73, "tag": "p", "text": "次の文でparts which were colonised ... の文でのwhichは関係代名詞であり、上で見た関係代名詞whoと同じ働きをする。whichとwhoの使いわけは、whoは人に対して用い、whichはそれ以外のものに対して用いるという使いわけである。ここで、were colonizedは、植民地化されたという意味を表わす 文法であり、w:受動態と呼ばれる。受動態は中学校英語 第3学年で扱われる。文全体としては、植民地化された部分という意味になる。becameは、becomeの過去形で、意味はbe動詞に似ているが特に変化の意味を表すため、〜になると訳される。この語は、be動詞と同じ扱われ方をするので、この動詞の後には目的語ではなく、補語が続く。", "title": "第2学年" }, { "paragraph_id": 74, "tag": "p", "text": "次の文でmost ofという表現があるが、ここでのmostは最上級の意味はなく、単にofで表される名詞のほとんどがという意味を表す名詞である。the otherの中で、otherは他のという意味を表す形容詞だが、特にthe otherの形で用いられたときには全ての他のものという意味を表す。", "title": "第2学年" }, { "paragraph_id": 75, "tag": "p", "text": "次の文でvery northという表現では、 北であることを強める働きをしている。 countries that were colonised ...の表現はwhichやwhoと同じくthatを関係代名詞として用いた場合である。thatは、ものに対しても人に対しても使える。どちらかといえばwhoやwhichはより形式的な場面で使われることが多い。 更にこの文ではeither -a- or -b- という表現が用いられているが、この表現は-a-か-b-のどちらかをという意味を表す表現である。この表現自体は高等学校英語で紹介されることが多いので詳細はそちらを参照。", "title": "第2学年" }, { "paragraph_id": 76, "tag": "p", "text": "", "title": "第2学年" }, { "paragraph_id": 77, "tag": "p", "text": "イベリア半島", "title": "第2学年" }, { "paragraph_id": 78, "tag": "p", "text": "", "title": "第2学年" }, { "paragraph_id": 79, "tag": "p", "text": "イベリア半島は大西洋に突き出している南ヨーロッパの地域である。イベリア半島にはポルトガルとスペインという2つの国があるが、5つもの異なった言語がある。", "title": "第2学年" }, { "paragraph_id": 80, "tag": "p", "text": "最初の文のthatは関係代名詞であり、piece that pokes out into .. と続いている。意味は、突き出ている部分となる。pieceは日本語でピースと読まれることもあるが、地理的な話題であることからここでは地域でもよいだろう。Atlantic Oceanは大西洋の意味である。次の文でもコロンが用いられているが、それ以降の名詞であるPotugalとSpainが、two countriesを表わしている。", "title": "第2学年" }, { "paragraph_id": 81, "tag": "p", "text": "", "title": "第2学年" }, { "paragraph_id": 82, "tag": "p", "text": "", "title": "第2学年" }, { "paragraph_id": 83, "tag": "p", "text": "中学校英語 文法項目 2学年", "title": "第2学年" } ]
Main Page > 小学校・中学校・高等学校の学習 > 中学校の学習 > 中学校英語 > 中学校英語/2年 中学校英語/2年では、学年の英語について教授します。単語及び文法も必要に合わせて一緒にお読みください。
{{Pathnav|Main Page|小学校・中学校・高等学校の学習|中学校の学習|中学校英語}} [[{{PAGENAME}}]]では、学年の英語について教授します。[[/単語|単語]]及び[[/文法|文法]]も必要に合わせて一緒にお読みください。 ==第2学年== <!--学年ごとの分け方はかなり適当だ...。しかしよく見ると指導要領の方も 大雑把で各学年ごとに出来る限りこの様な内容を扱って下さい という 程度の指定しかないのでこれも仕方ないだろう。 出来ればen:wikijunior などの内容を用いてより実戦的な内容を扱う 練習をつんだ方がいいのだが、どうなるだろうか... --> ===第1課=== *本文 A: I [[wikt:want|want]] [[wikt:to|to]] [[wikt:take|take]] this suit of [[wikt:clothes|clothes]]. B: I [[wikt:think|think]] that is a [[wikt:bit|bit]] [[wikt:expensive|expensive]]. [[wikt:why|Why]] do you like this? A: [[wikt:because|Because]] it is [[wikt:cute|cute]] and [[wikt:elegant|elegant]]. B: I think this is the one to [[wikt:buy|buy]]. A: I think that is [[wikt:simply|simply]] [[wikt:bad|bad]]. The [[wikt:color|color]] of that is not good at [[wikt:all|all]]. B: Well, you have [[wikt:time|time]]. [[wikt:but|But]] [[wikt:if|if]] you don't take this, I want to buy [[wikt:nothing|nothing]] [[wikt:for|for]] you. *この課の単語 以降、品詞については名詞を(n)・動詞を(v)・形容詞を(a)・副詞を(adv)・前置詞を(prep)・接続詞を(cnj)と表す。 #take(v) #suit(n) #clothes(n) #think(v) #bit(n) #expensive(a) #why(adv) #because(cnj) #cute(a) #elegant(a) #buy(v) #simply(adv) #bad(a) #color(n) #all(adv) #time(n) #but(cnj) #if(cnj) #nothing(n) #for(prep) *文法 ''to+動詞の原形''で書かれる語を、[[w:不定詞|不定詞]]と呼ぶ。<!--主語によって動詞の形が''定''まら''ない''という意味です(ロイヤル英文法,旺文社より)。あまり学習に関係ないので削除しても良いと思います-->上の文章中では I want to take this suit of clothes. I think this is the one to buy. の2つの文章中で不定詞が用いられている。他に最後の文でも不定詞が用いられているがその不定詞の用法は上の不定詞の用法と同じであるので繰り返さない。上の文で I want to take this suit of clothes. の中では''選ぶことを欲する''という意味で取ることができるので、to take は文章の中でwantの目的語の働きをしている。目的語になるのは名詞の働きであるので、不定詞の名詞的用法と呼ばれている。一般に多くの名詞的用法の不定詞は''〜すること''のように訳されることが多い。目的語になる他、不定詞の名詞的用法は文章中で主語になることも出来る。 <!--しかし、その場合には後に説明される''It A to B.''形の文を用いることが多いのでこの説明は後にする。--> 一方、上の文のうち I think this is the one to buy. の方では''買うべきもの(服)''のように服を修飾していることからto buy がoneにかかる形容詞として用いられていることが分かる。この様な用法を不定詞の形容詞的用法と呼ぶ。一般に不定詞の形容詞的用法にはいくつかの意味がある。代表的な例として使われ方を表わす用法や義務を表す用法がある。例えば、 the TV to [[wikt:watch|watch]] (見るためのテレビ) などは対応する名詞の使われ方を表わす用法の例であり、 the dish to wash (洗うべき皿) [[wikt:homework|homework]] to [[wikt:submit|submit]] (提出するべき宿題) などは対応する名詞に対してするべき事を表す用法である。より詳しい使い分けは高等学校の範囲である。 次に[[w:疑問詞|疑問詞]]を用いた疑問文について説明する。上の文章では Why do you like this? の内でwhyという語は疑問詞と呼ばれる語の1つである。疑問詞は ''何を''、''なぜ''、''いつ''、''どこ''のように答えにyes,noではなく何らかの情報のある語を必要とする語のことである。このような語を用いるときには必ず疑問詞を文頭に持って来てそれ以外の語を通常の疑問文の語順に並べることで文を作ることが出来る。また、疑問詞は通常疑問文にしか用いられない。 ( *注意 最も口語的には平叙文の語順で対応する部分だけを疑問詞に置き換えることで実質的な疑問文を作ることも行われるようである。) 動詞の種類は一般動詞であってもbe動詞であっても疑問文の語順に変化は現われない。 よく用いられる疑問詞には what:何を why:なぜ [[wikt:when|when]]:いつ [[wikt:where|where]]:どこで [[wikt:which|which]]: どちらが [[wikt:how|how]]:どのように などがある。また、疑問詞と他の語をつなげて慣用的な意味を持たせた表現も存在する。この様な表現では疑問詞と他の語の組み合わせを1つの疑問詞と思って文を作ればよい。代表的な例として、 what time: 何時に how much: いくらで(値段を聞くとき) などがある。例えば、 What time is it (now)? How much is it? などが慣用的によく用いられる。また、特にhowについてはそれを形容詞と組み合わせることで''どれくらい〜か''という様な疑問詞を作ることが出来る。代表的な例は、 how long: どの位長く〜か how fast: どの位速く〜か how deep: どの位深く〜か などがある。疑問詞を用いた疑問文ではその文が疑問文であるにもかかわらず最後の強勢は下げることが知られている。 次に上の文章中で、 I think this is the one to buy. の文について説明する。この文の主語はIであり、述語はthinkである。しかし、この文には更にもう1組thisとisという主語述語の組が含まれている。このように主語と述語の組が複数含まれている文を[[w:複文]]という。一方、主語と述語が1組だけ含まれている文を[[w:単文]]と呼ぶ。複文には複数の文が同じ重みで含まれている文と片方の述語が主だった意味を定め、もう片方の述語が他の述語の意味を補う働きをする文がある。前者については各々の文は等位関係にあるといい、後者では文は主従の関係にあるという。文が等位関係にあるか主従関係にあるかはそれらをつなぐ接続詞によって決まる。接続詞とは、2つの文の間に何らかの関係をつける語である。例えば、日本語では''〜だから''、''しかし''、''そして''などがあげられる。 上の例では接続詞としてthatが用いられている。そのため、上の文は文法的には I think that this is the one to buy. と等しい。しかし実際には多くの場合thatは省略されるので、上ではthatを書いていない。ここで接続詞thatは、日本語でいう''〜ということ''に対応する 意味を持つ。つまりこの文章は''〜ということを思う''という様に訳せばよい。ここで、that以下の文はthinkの目的語となっていることからthat以下の文全体が名詞として働いていることが分かる。一般に文中の主語や術語以外の成分で主語と述語を含んでいる文の成分を[[w:節|節]]と呼ぶ。この用語を用いて、 ここで使われた接続詞thatの用法は''that節の名詞的用法''と呼ばれる。 他によく使われる接続詞として and: そして but: しかし [[wikt:before|before]]: 〜の前に [[wikt:after|after]]: 〜の後に because: 〜だから [[wikt:since|since]]: 〜だから when: 〜のときに if: もし〜としたら などがあげられる。この中で、andとbutだけは文を等位関係にする接続詞であり、それ以外は接続詞に続く文を主文に従属させる文とする接続詞である。前者の接続詞を[[w:等位接続詞|等位接続詞]]、後者の接続詞を[[w:従属接続詞|従属接続詞]]と呼ぶ。 ===第2課=== *本文 A: I lent you my bicycle yesterday. Please give it back to me. B: Ok, wait a minute. I put it outside my house. - B: Here it is. A: Well, it doesn't seem broken. Did you ride on it carefully? B: Of course I did. A: Okay, it is very kind of you to deal with it with care. *この課の単語 (v)・(n)等は前の課を参照。(int)は間投詞を表す。 #lent < lend(v) #bicycle(v) #yesterday(v) #please(int) #give(v) #back(adv) #wait(v) #minute(n) #put(v) #outside(adv) #here(adv) #doesn't = does not #seem(v) #broken < broke < break(v) #did < do(v) #ride(v) #carefully(adv) #course(n) #very(adv) #kind(a) #deal(v) #with(prep) #care(n) *この課の熟語 #wait a minute #Here it is. #of course #with care <!-- ride on it はride it でも可。--> *文法 文章中で現在以外のことについて述べたいことがある。現在、過去、未来のように時間を表わす表現のことを[[w:時制]]と呼ぶ。ここでは特に過去に関する事実を述べる時制について説明する。過去の事実を述べるときには文章中の述語動詞を過去形にすればよい。過去形は一般的な動詞では動詞の原形に-edをつけることで作ることが出来る。例えば、 pick: picked などがあげられる。一方、最後が-eで終わる動詞には単に-dをつける。 like: liked また、最後が子音+yで終わる動詞ではyをiにかえて-edをつける。 study: studied また、最後が単母音+子音で終わる語は最後の子音を重ねて-edをつける。 ここまでのように語尾に-edをつけることで過去形が作れる語を[[w:規則動詞]]と呼ぶ。一方、英語の動詞の中にはそれとは異なった変化によって過去形を作る動詞も少なからず存在する。これを[[w:不規則動詞]]と呼ぶ。これらの動詞は頻繁に使われる動詞である場合が多い。不規則動詞の原形から過去形を作る方法は動詞ごとにほぼばらばらであり、個別に覚えるしかない。しかし、幸いにも不規則動詞は非常に多いわけではなく、また時代の流れとともに新しくできてくる動詞で不規則変化をする動詞は稀であるため、それほど苦労する事はないかも知れない。主なものをあげると、 be: was(単数), were (複数) do: did come: came go: went stand: stood sit: sat give: gave sing: sang eat: ate run: ran take: took make: made spend: spent throw: threw understand: understood ride: rode lend: lent put: put let: let などがある。平叙文では単に文章中で動詞を過去形に置き換えればよい。上の例では I lent you a bicycle. I put it outside of my house. などが過去形の例である。2つ目の文ではputの過去形と原形が一致しているため文を見ただけでは文の時制が現在であるか過去であるかは分からない。これらは文脈を見てその時制がどちらにあるかを判断しなけばならない。 また、疑問文や否定文の過去を扱うときには、動詞ではなく補助動詞のdoをdidに変えることで過去時制の文が作られる。本文の例では Did you ride on it carefully? Of course I did. などがその例である。 次に I lent you my bicycle yesterday. の文についてより詳しく説明する。この文では述語であるlentの後に you と my bicycle の2つの名詞が続いている。この様に述語の後に名詞が2つ続く例は2通りある。1つは2つの名詞がどちらも述語の目的語となっている場合である。実際には この場合はこちらであり、youとmy bicycleはどちらもこの述語lentの目的語となっている。lentの原形であるlendは''貸す''という意味の単語であり、 貸す相手と貸すものの両方を目的語として取る。このため、2つの名詞はどちらも目的語なのである。この様に動作を受ける人と動作を受けるものの 2つを取る動詞は他にもいくつかある。これらはどれも 動詞 人 もの の順で目的語を取る。この順番を入れ換えることは出来ない。ここで、''人''に対応する目的語を[[w:間接目的語]]、''もの''に対応する目的語を[[w:直接目的語]]と呼ぶ。ただし、多くの動詞では上の並びと同じ意味で 動詞 もの to 人 の書き換えをすることが出来る。このときには目的語は''もの''だけであり、''to 人''はto前置詞の副詞句である。<!--上の文章では Please give that to me. がこの場合にあたる。この文は Please give me that. と書き換えることが出来る。これらはどちらの文を取るかで弱冠目的語ごとの力点の 置き方に違いがあるようだがそれ程大きな違いでは無いようである。--> <!--代名詞の直接目的語を後置するのは不自然です(ロイヤル英文法,旺文社より)。--> <!-- 確認しました。--T.Uesugi --> <!-- 最後に it is very kind of you to deal with that with care. の文について述べる。この文の主語はitであるが、実際に主語の意味を 担っているのはto以下の不定詞である。このような文を ''It is -a- to -b- 文''と呼ぶことがある。このときitは実質的な意味を持たず 単に文法的に主語が必要であるためにそこに現われていることから[[w:形式主語]] と呼ばれる。一般に''It is -a- to -b- 文''ではitをto以下で置き換え、 To -b- is -a-. としても意味的には変わらない。このとき不定詞は主語となっているので 不定詞は名詞的に使われている。しかし、この様な表現では一般に 主語が長くなるため、英語としておさまりがよくないという理由で 一般的には''It is -a- to -b- 文''が好まれるようである。 ここで、to不定詞の動作主を指定したいことがある。一般には不定詞の 動作主では前置詞forを用いて指定する。例えば、 a chair for him to sit on (彼がすわるための椅子) となる。''It is -a- to -b- 文''でもこの原則は変わらない。 しかし、特に''It is -a- to -b- 文''で It is kind - . で始まった文では不定詞の主語を示す前置詞としてofを用いる。 --> <!-- It is adj. of A to do の It は形式主語で*ない*という説が有力です( It の代わりに That が使われることがあるから:ロイヤル英文法, 旺文社など)。 検定教科書にも登場する It ~ for ~ to を用いた本文にするなど 抜本的な書き換えをお願いします。 --> ===読解練習=== <!-- 文中の英文は[[en:Wikijunior_South_America/South_America]]からの転載。 2005年11月の版。 元の作成者:The bellman, Gbiten, Geocachernemesis, Lincher, Jguk他である。より詳しい内容を知りたい場合には対応するページの履歴を参照。 改変者:[[利用者:T.Uesugi]] --> 言語を習得するには。得た知識を実際の文章に対して適用してみることが必要となる。ここでは特に、英語版wikibooksのwikijunior [http://en.wikibooks.org] から、次の文章を訳してみる。この文章は南アメリカ諸国の文化や地理を説明する文書の一部であり、完全な文書は [http://en.wikibooks.org/wiki/Wikijunior_South_America/South_America] に存在する。この文書は英語圏の子供向けに書かれた文書であるので比較的簡単な英文で書かれている。興味があれば全訳にも挑戦してみるとよいかもしれない。 子供向けとはいえ文法的にも単語のレベル的にもかなり進んだ内容であり、母国語でない人間にとっては簡単に読むわけにはいかないだろう。 <!-- とはいえ、特に英語がないと進んだ学習が出来ない国に住む人間はこういった内容を必死で学習するようであるので、やって損ということは無さそうである。 --> '''Who lives in South America?''' どのような人々が南アメリカに住んでいるのだろうか? 上の文では''誰に''という意味の疑問詞whoが用いられている。このため、上の文は 平叙文の語順であるけれども、分類としては疑問文に含まれる。whoは人称としては 3人称にあたり、この文は現在のことを表わした文であることから、動詞には 3単現(3人称単数現在形)のsがついている。 liveは''住む''という意味を表す動詞であるが、この使い方をするときは 目的語を取ることは出来ない動詞である。この様な動詞を[[w:自動詞]]と呼ぶ。 <!-- live a good life などのように他動詞として用いられることもあるそうだ。少なくともweb上で見たことは無いような気がするが...。 --> 一方、目的語を取ることが出来る動詞を[[w:他動詞]]と呼ぶ。 主語が住んでいる場所を示すためには副詞を用いて表す。ここでは前置詞を用いて副詞句をつくって、住んでいる場所を表している。ここでは前置詞はinが用いられているが、これは特に国や地域などのわりあい広い範囲を表すときに用いられる。より狭い範囲での場所を表すには前置詞atが用いられる。しかし、その使いわけはある程度主観にもよるようである。 Three main groups of people live in South America: Indigenous people, Europeans, and Africans. Depending on the country, however, most people are a mixture of these three. 南アメリカに住んでいる人々は3つの主だったグループに分かれる。それぞれ現地の人々、ヨーロッパ系、そしてアフリカ系である。実際には国にもよるが、ほとんどの人々はこれら3つの人種の混血となっている。 この段落の最初の文の主語はgroupであるが、これには多くの形容詞がついているため、 主語が長くなっている。形容詞まで含めた主語のことを''主部''と呼ぶことがある。 この文の主部は Three main groups of people である。ここで分かる通り、名詞groupを修飾する形容詞mainと<!--冠詞--> <!--冠詞ではないが、決定詞と呼ぶことが有ります-->threeが存在するときには、threeの方を先に持って来る。更に、of peopleはgroupにかかる形容詞句であるが、''peopleで構成された''の様に構成物を作りだす意味のofであると考えられる。同じ意味のofは例えば be made of -a-: -a-から作られた などの表現でも用いられる。これらは長い主語であるが全体としては 集団(グループ)が住んでいた という文であり、それらに適当な形容詞が付けられているのである。 文中で:が用いられ、それ以降に主語で述べられた''3つのグループ''についての説明が与えられる。上の記号である:は[[w:コロン]]と読まれ、おおよそ日本語で''即ち''の意味を表わす。つまりコロン以降の名詞で前の文に対する説明を与えるのである。 次の文では Depending - から始まっているがこれは[[w:分詞構文]]と呼ばれる文法であり、[[高等学校英語]]の範囲でありやや高度な文法である。簡単に説明するとこの構文は、分詞に主語を補って完全な文にした後、接続詞でつないだのと同じ意味になる。特に、分詞構文に主語が存在しない場合には、次に続く文の主語が対応する分詞の主語になる。しかし、実際にはこの文の主語はmost peopleでは無いのだが、文脈から意味が分かるということで改めて主語を指定することを省いたようである。次にhoweverという単語が続いているが、この単語は単に''しかし''という意味を表わす。この単語は副詞であり、文の最初に置くことも出来る。しかし、文の動詞の前に',(コンマ)'で区切って文中、特に動詞の直前に置かれることも多い。上の文ではdepending - の部分は文の術語areにかかる副詞句と考えることができるので、howeverが入っている位置は文頭と考えることが出来る。 ''Indigenous people'' 現地の人々 peopleは複数として扱われる。意味としてはpersonの複数形と思っておけば良い。 <!--people が単数として扱われ「民族」の意味を表します。 この例ではこれが非常に紛らわしいです--> The indigenous people were the first people to ever live in South America. There are many different types of indigenous people, each with their own language and culture. The most famous of all the indigenous people were the Incas. The Incas spoke a language called Quechua, and between the years AD 1200 and AD 1533 had a vast empire called Tawantinsuyu. The Inca empire no longer exists, but there are about 13 million indigenous people who still speak Quechua. 現地の人々は南アメリカに最初に住んでいた人々であった。彼らにはいくつかの民族があり、彼らはそれぞれ別の言語と文化を持っていた。彼らの中で最も有名なのはインカ人である。彼らはケチュア語を話し、1200年から1533年にわたってTawantinsuyuと呼ばれる偉大な帝国を作っていた。インカ帝国は既に存在していないが、現在でも1300万人程度のケチュア語を話す人々がいる。 最初の文では''indigeous peopleが最初の人であった''と述べている。それ以降のto - はthe first peopleを修飾する不定詞の形容詞句である。 次の文はThere - の文章であり、文章の主語はtypesであり複数形であるので、文の術語areは複数形に対応する形を取っている。この文ではカンマに区切られて別の主語術語が続いている<!--が、formalな文章ではこの様な表現はあまりしない ものと思われる--><!--付帯状況を表す構文です。詳述してくださる方求む-->。<!-- eachの後にbeingが省略されている分詞構文で、意味は付帯状況ということですか? --T.Uesugi --> <!--文を接続するには必ず接続詞が必要だからである。しかし、informalな文脈では 上のように接続詞無しで文をつなげることも行なわれるようである。 無理矢理形容詞を補うなら、 indigeous people, each of whom is with their - のようにwhomという語を用いて文を接続することが出来るがこの語は[[w:関係代名詞]] と呼ばれ、[[高等学校英語]]の文法である。詳しくは対応する文法を 参照。また、-->eachは''それぞれ''という意味で、単数形として扱う。<!--そのため、上の文では補われた動詞はisであってareではない。-->この語では、日本語に引きずられて複数として扱ってしまいがちなので注意が必要である。同様の性質を持つ語としてeveryがあるがこの語は''全ての''という意味を表わす形容詞であるが、そうであるにも関わらず、この形容詞がついた語は単数として扱わなくてはならない。前置詞withは、''〜と一緒に''が1つの意味だが、ここでは、''〜を所有している''というような意味である。形容詞ownは通常所有格を表わす語に続いて用いられ所有されているということを強調するような意味を持つ。 次の文ではthe most famous - という文が用いられているが、これは形容詞の最上級と呼ばれ これも進んだ文法である。 <!--the most famous で形容詞の最上級全体とみなすのが一般的な教科書や文法書の説明です-->ここで形容詞の ofが最上級に続いた場合には、of以降の名詞の中で一番であるという意味を表わす。結局ここでは''全ての人々の中で最も有名な(人々)''という意味が対応する。 <!--ここで、famous自体は名詞ではなく、主語として''indigeous people''が省略されて いる事に注意。また、--><!--the Incas が主語になっている倒置と考えるのが 自然ではないでしょうか-->wereはareの過去形であり、主に複数形の語が主語のときのbe動詞として用いられる。 次の文ではan empire called Quechuaという表現が見られるが、この文中でcalledは、an empireを修飾する過去分詞である。過去分詞の用法は[[中学校英語]]の範囲である。 <!-- 実は何学年でこの文法を説明するかの規定は指導要領には書いていない。 --> また、この文ではand以降にbetweenに続く名詞で作られる副詞句の後、再び述語 hadが続く形になっている。この様な場合後の文で主語が省略されたことは、後の文の主語と前の文の主語が等しいことを示している。よって、後の文の主語もIncasであり、Incasが、a vast empireを所持していた事が分かる。 次の文でno longerは''既に〜ない''という意味を持ち、この語が入った文はnotが含まれなくとも否定文として扱われる。しかし、それ以外の語順は平叙文と同一であり、3単現のsもそのまま残っている。but以降の節では、indigeous people who speak Quechua という表現が見られるが、これは 関係代名詞と呼ばれる。働きとしては、whoを主語として書かれる形容詞節がwhoの直前の名詞を修飾する。ただし、whoの節の主語は、whoの直前の名詞を用いる。結局この文は''ケチュア語を話す現地の人々''という意味を表わす。 ''Europeans'' ヨーロッパ系 In the 1530s Europeans from Spain and Portugal (see info box: Iberian Peninsula) started colonising South America. The parts of South America which were colonised by Portugal became the massive country of Brazil. Most of the other countries were colonised by Spain. In the very north of South America there are three small countries that were not colonised by either Spain or Portugal, these are French Guiana, Suriname, and Guyana. 1530年代にスペインやポルトガルからのヨーロッパ人(イベリア半島を参照。)は南アメリカを植民地にしていった。南アメリカのうちでポルトガルの植民地にされた地域はブラジルという大きな国になった。他の多くの国はスペインの植民地となった。南アメリカの北方に3つのスペインにもポルトガルにも植民地化されなかった小さな3つの国があったが、それらは仏領ギアナ、スリナム、ギアナである。 最初の文で1530sという表現はおおよそ1530年代という事を表わす表現である。 <!-- 今の子供はスペインやポルトガルがどこにあるか分かるのだろうか? --> また、[[w:スペイン]]と[[w:ポルトガル]]はヨーロッパの国である。この文にはstarted colonisingという表現が含まれているが、 ここで、colonisingという語はcoloniseの動名詞であり、意味はだいたいto coloniseの名詞的用法と同じである。 動名詞は[[中学校英語]]の文法である。ただし、名詞的用法でどちらが使われるかはその文の述語によって 変わる。この文の述語であるstartは動名詞と不定詞の両方を取る動詞であるので、どちらを用いてもよい。<!-- 他に代表的な動詞としては、 finish: -ing begin: to -, -ing stop: -ing などがある。 --><!--生徒の混乱を招くのでは?--> <!--ただし、stop to -の場合にはこの不定詞は不定詞の副詞的用法と考えられ、 ''-するために立ち止まる''などの 意味となる。-->coloniseは難しい単語だが、単に目的語を1つ取る他動詞であり、意味は''[[w:植民地]]化する''である。 次の文でparts which were colonised ... の文でのwhichは関係代名詞であり、上で見た関係代名詞whoと同じ働きをする。whichとwhoの使いわけは、whoは人に対して用い、whichはそれ以外のものに対して用いるという使いわけである。ここで、were colonizedは、''植民地化された''という意味を表わす 文法であり、[[w:受動態]]と呼ばれる。受動態は[[中学校英語 第3学年]]で扱われる。文全体としては、''植民地化された部分''という意味になる。becameは、becomeの過去形で、意味はbe動詞に似ているが特に変化の意味を表すため、''〜になる''と訳される。この語は、be動詞と同じ扱われ方をするので、この動詞の後には目的語ではなく、補語が続く。 次の文でmost ofという表現があるが、ここでのmostは最上級の意味はなく、単にofで表される名詞の''ほとんどが''という意味を表す名詞である。the otherの中で、otherは''他の''という意味を表す形容詞だが、特にthe otherの形で用いられたときには''全ての他のもの''という意味を表す。 次の文でvery northという表現では、<!--veryは形容詞として用いられている。 形容詞として用いられたときのveryは、''まさにその''という意味を 表す事が多いが、ここでは単に--> <!--程度の存在しない形容詞を強める副詞用法が有ります--> 北であることを強める働きをしている。 countries that were colonised ...の表現はwhichやwhoと同じくthatを関係代名詞として用いた場合である。thatは、ものに対しても人に対しても使える。どちらかといえばwhoやwhichはより形式的な場面で使われることが多い。 更にこの文ではeither -a- or -b- という表現が用いられているが、この表現は''-a-か-b-のどちらかを''という意味を表す表現である。この表現自体は[[高等学校英語]]で紹介されることが多いので詳細はそちらを参照。 <!-- 主語にした場合動詞は-b-に合わせる必要がある。 --> :Iberian Peninsula イベリア半島 The Iberian Peninsula is a piece of Southern Europe that pokes out into the Atlantic Ocean. There are two countries in the Iberian Peninsula: Portugal and Spain, but five different languages! イベリア半島は大西洋に突き出している南ヨーロッパの地域である。イベリア半島にはポルトガルとスペインという2つの国があるが、5つもの異なった言語がある。 最初の文のthatは関係代名詞であり、piece that pokes out into .. と続いている。意味は、''突き出ている部分''となる。pieceは日本語で''ピース''と読まれることもあるが、地理的な話題であることからここでは''地域''でもよいだろう。Atlantic Oceanは大西洋の意味である。次の文でもコロンが用いられているが、それ以降の名詞であるPotugalとSpainが、two countriesを表わしている。 <!-- ここから先は特に文法と単語が難しくなるので取り敢えず省くことに...。関係副詞のwhenまで出て来ている。 --> <!-- ''Africans'' アフリカ人 Africans were brought to South America as slaves, or have migrated from Africa for opportunities that are available in South America. During the period of time when European countries has direct political power in South America, many Africans were forced at gunpoint to migrate to South America and work as slaves in mines and on farms growing staple foods. Many African traditions still have a strong influence among the cultures in South America, affecting political relations, music, art, and even religion. Often people following these traditions are not even of African decent with how widespread some of these tradtions have gone into the overall society. アフリカ人は奴隷として南アメリカにつれてこられたり、南アメリカで得られる可能性を求めてアフリカから 移住してきたりした。ヨーロッパの国々が南アメリカで直接的に政治的な権力を握っていたときには、 多くのアフリカ人が銃を突きつけられて南アメリカに移るように強要され、炭坑や 重要な作物 を作るための農場で奴隷として働くようしむけられた。 多くのアフリカの伝統は今でも南アメリカの文化に影響しており、政治的関係や音楽や美術や 宗教さえにも影響を及ぼしている。 これらの伝統に従う人々がアフリカ人でないことさえしばしばあるということは、 いくつかのアフリカの伝統が社会全体に実に広く浸透していることを表している。 --> ===関連項目=== [[中学校英語 文法項目 2学年]] [[Category:中学校教育|えいこ2]] [[Category:英語教育|中2]] [[カテゴリ:中学校英語|にねん]]
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2020-03-06T10:06:11Z
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https://ja.wikibooks.org/wiki/%E4%B8%AD%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E8%8B%B1%E8%AA%9E/2%E5%B9%B4
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中学校英語/3年
Main Page > 小学校・中学校・高等学校の学習 > 中学校の学習 > 中学校英語 > 中学校英語/3年 中学校英語/3年では、3学年の英語について教授します。単語及び文法も必要に合わせて一緒にお読みください。 たとえば「来月には~できるだろう」のような未来の可能性を言いたい場合、 will can (×)とは言えない。 なぜなら、1文中に助動詞は2つ以上用いてはならない、という規則がある。この様な場合 will be able to <動詞の原形> で表す。 例えば「彼は泳げるようになるだろう。」このようにして表す。 助動詞とは動詞を補って新たな意味を付け加える語である。助動詞は通常動詞の原形の前につく。よく用いられる助動詞として などがあげられる。 他に連語として用いられ助動詞と同じような使われ方をするものもある。これらの多くは文法的には助動詞ではなく、形容詞や動詞などで書かれるものだが、ここでまとめておく。 一文中に助動詞を2つ以上は使えないので、既に助動詞を使っている文章で「できるかもしれない」とか「未来には~かもしれない」のような複合的な表現を用いる場合は、下記の連語をもちいて助動詞を2個以上つかわなくても済ませるように回避する必要がある。 ある助動詞っぽい語句が、形式的には助動詞でないとみなされているか、それとも形式的にも助動詞であるかの判別法は、大まかには、否定形やその否定短縮形を見ることです。 たとえば、will や must や can のように形式的にも助動詞だとみなされている語句は、否定形が won't や mustn't やcan't のように、助動詞そのものに否定がつきます。 一方、be going to の否定形は、isn't have to や aren't have to などです。これは単に be 動詞の否定形です。 同様に、 have to の否定形は、don't have to あるいは doesn't have to などです。これは助動詞 do / does の否定形にすぎません。 助動詞には過去形も存在する。しかし、助動詞の過去形は通常それ自体が定まった意味を持つため必ずしも対応する助動詞の過去の意味になるとは限らない。よく使われる助動詞の過去形として などがある。mightやwouldやcouldは対応する助動詞と似た意味で使われより丁寧な含みを持たせた意味で使われることがよくある。これらの意味合いについては仮定法を参照。仮定法は高等学校英語英語Iの範囲である。 また、 今までは主語が動作をすることを表す文を扱ってきた。ここでは主語が動詞で指定された動作をされることを表す文を扱う。このような文を受動態と呼ぶ。これに対応して、主語が動詞で指定された動作をする文を能動態と呼ぶ。受動態を作るときには で書かれる能動態の文章に対して のようにして作られる。ここである動詞の過去分詞は規則動詞では動詞の過去形と同じ形である。一方、不規則動詞では固有の形を持っており、これらも不規則動詞の過去形と同様動詞ごとに覚えるしかない。 通常、能動態を受動態に変化させるときには能動態の主語は前置詞byを用いて表される。しかし、they、somethingなど、元々能動態の文の主語にそれほど強い意味がなく、単に文法的に主語が必要だからそこに置かれていたようなときには、文中で の部分を省略することができる。 一般に日本語の文を単に英語に直すと、受動態の文を多く使ってしまいがちになるといわれている。しかし、日本語にとって自然な文でも英語で同じ使い方をしたときにそれが自然な使い方にならない場合もあることには注意する必要がある。 受動態を助動詞と組み合わせて用いることもできる。このときには のような文は というようになる。これはbeがbe動詞の原形であることを用いているといえる。 あるものがどこかに存在することを、特にThere is -.などによって書かれる文で表すことができる。一般にはこの文は のように書かれる。このような文の主語はthereだと思われがちだが、文法的にはこの文の主語はbe動詞の後に現れる名詞が主語である。そのため、この名詞が複数である場合にはbe動詞としてareが用いられる。この文は過去形と組み合わせて使うこともでき、また助動詞とともに用いることもできる。 There is ... .の文は単にある地点に物体が存在していることを述べる文であるため、「~はそこだ(です)」といった「そこ」という場所を強調したい文を作るときには使えない。その場合 ではなく、 などとして「(探していた)本がそこにある。」などの意味を表せばよい。 日本語でよく用いられる語彙でも英語圏では意味が異なる、もしくは通じないもののことを和製英語と言う。 例えば「私は昨日ペーパーテストを受けた。」と表す場合は となる。(誤)は「昨日紙質検査を行った。」と解釈される。このように全く意味は異なる。 参考までに身近にある和製英語を少し挙げておこう。 以上のように(特にコミュニケーション時は)知らずに使うと誤解を招くことがあるので注意を要する。 英語版Wikibooksから、太陽系の歴史などを説明する文章、“en:Wikijunior Solar System/Solar System”を抄訳してみる。この文書は英語圏の子供向けに書かれた文書であるので比較的簡単な英文で書かれている。興味があれば全訳にも挑戦してみるとよいかもしれない。とはいえこの範囲だけでも関係代名詞などの進んだ文法が出てくるため、簡単に読み下すことはできないかもしれない。 solarは形容詞でありsystemを修飾している。やや難しい単語であるが、語の性質上割合よく出て来る。 wonderはthinkと似た意味の言葉だが、より不思議に思うようなイメージが強い言葉である。記号-はダッシュと呼ばれ、ここではコロンと近い意味で用いられる。次の文でhave been watching ...は現在完了の文であり、ここでは継続の意味で用いられており、「(ずっと)見て来た」という意味である。次のtrying to ...は分詞構文であり、この動詞tryの主語は前の文の主語と同じでpeopleである。詳しくは高等学校英語を参照。特にこの場合は補う接続詞の例として〈一方......である〉という意味のwhileがあげられる。figure outは2つの単語を組み合わせて特に理解するという意味を表わす。このような語は句動詞と呼ばれる。組み合わさった後の語の意味は動詞と副詞の意味を考えればわかるものも多く、句動詞によく用いられる基本的な副詞それぞれのイメージを掴んでおけば役に立つ。それでも意味から推察できない場合は多く、それらの場合は個別に記憶するしか無い。 keep -ingは〈〜をし続ける〉という意味の表現である。ここで、keepに対する目的語として不定詞の名詞的用法を用いることは出来ず必ず動名詞を用いなくてはいけない。 rock or gas that move ...のthatは関係代名詞のthatである。この部分の意味は「動いている石やガス」となり、that以下の表現はrockとgasの両方を修飾している。次の文ではon one we call the Earthという表現があるが、ここにはoneの後に関係代名詞が省略されている。実際には関係代名詞のthatとwhichは省略される場合が多いのである。そのため、上の表現は、「我々が地球と呼んでいるあるもの(惑星)」の様になる。関係代名詞が省略できる条件については高等学校英語を参照。また、Earthは地球という意味の単語だが、この名詞は通常冠詞としてtheを伴う。これは地球が1つしかないことが知られているため、会話にでて来るEarthが常に特定されているものと考えられるからである。更に、この文ではthe Earth, which movesという様に文が続いている。ここで現われたwhichも関係代名詞であるが、特にEarthのような固有名詞を修飾するときには前の名詞と関係代名詞の間にコンマが必要となる。この用法は〈関係代名詞の非制限用法〉と呼ばれるが詳しくは高等学校英語の範囲である。 同じ文中でa star we call ...では再び関係代名詞thatが省略されている事に注意。次の文はThere ...の文であり、主語はplanetsである。ここで、planets moving around ...のmovingは現在分詞の形容詞的用法であり、planetsを修飾している。この用法は中学校英語の範囲である。同じ文の最後でas wellは連語として用いられ同じ様にという意味になる。後にas well asなどの表現が高等学校英語で紹介されるが、こちらの用いられ方は異なっている。 次の文でallはthingsを修飾する形容詞であるが、allは〈全ての〉という意味で修飾を受けた語は複数形となる。似た意味の語でeveryがあるが、この語に修飾された名詞は単数形を用いなくてはならないので注意が必要である。togetherは〈全て合わせて、一緒に〉というような意味の副詞である。are calledはcallの受動態である。callは目的語を2つ取ることが出来る動詞であるので、2つの目的語のどちらかを主語にして受動態を作ることになるが、ここでは間接目的語を主語にしている。次の文では等位接続詞soが用いられている。soは接続詞として使われたときは〈だから〉という意味を表わす。話をつなげるのに便利であるため英語で話したり書いたりするときに多用されがちだが、soは原因と理由でつながれる関係でしか用いられないので、単に日本語でいう〈......て〉のように意味の並列に近い文の接続に用いることは出来ないことに、注意が必要である。次の文でrealizeはthinkと近い意味だが、〈発見する〉といった意味に用いられる。realizeはrealize that ...の形でthat節を目的語として取る。この時には、〈(that節以下のことを)知った〉という様な意味になる。 次の文で、They thought everything movedではthoughtの後にthat節を作るthatが省略されており、everythingとmovedはそれぞれthat節の主語と術語である。 次の文でseemはbe動詞と同じ使われ方をして、補語を取る動詞である。意味は〈〜に見える〉となる。sensibleはやや難しい単語であるが、〈分別がある〉という意味である。似たつづりの語でsensitiveは〈細かすぎる、敏感な〉などの意味であり、使いわけに注意が必要である。feelは〈感じる〉という意味の動詞である。よく使われる単語で不規則動詞であり、過去形はfeltである。また、as if ...は次に節を取って〈まるで......の様に〉という意味になる。この表現は実際にはそうでないものを節の内容として取ることがあり、そのときには節の中味は仮定法の表現になる。ここでは、実際に地球が動いていることから仮定法を用いていないようである。仮定法は割合進んだ文法であるので、詳しくは高等学校英語を参照。最後のdoes it?は付加疑問文であり、itはthe Earthであり、doesはfeelに対応する。 最初の文でAbout 500 years agoは〈約500年前の〉という意味である。agoを用いたときには、文の述語は必ず過去形になる。更に、500 yearsの前のaboutは、〈およそ〉という意味を持っており、前置詞のaboutとは異なっている。a man we call ...のmanとweの間には、thatが省略されており、関係代名詞thatの省略である。文の述語であるsuggestは、〈提案する〉と訳されることが多い。訳語は堅い感じがするが、似た意味のinsistなどよりも弱い語感があり、よく用いられる。suggestもthat節を目的語として取る語である。 次の文でa man called Galileoのcalledは、関係代名詞の省略ではなく、形容詞的に用いられた過去分詞で、manを修飾している。この文の動詞はbeginの過去形beganだが、beginは目的語として動名詞と不定詞の両方を取ることが出来る動詞である。この文のwithは〈......を用いて〉の意味で、new inventionを用いて宙を見るということである。コロンの後に続く単語はここではinventionの中味で、望遠鏡のことである。 次の文でshowは、過去形showedを持つため、規則動詞と思われがちだが、過去分詞はshownが用いられるので、不規則動詞である。showもthat節を目的語として取る動詞である。この文中で、it was very likely that ...という部分がある。この文のthat以下は実際にはitの部分に置かれる内容であり、この中味そのものがwasに対する主語である。しかし、この部分を主語にすると主部が非常に長くなり、おさまりが悪くなるという意味で、代わりにitが主語として用いられ、that節は後にまわされる。この時に用いられるitを形式主語という。形式主語はIt is -a- to -b-.の文で既に用いられたが、ここでは不定詞の代わりではなく、that節の代わりに用いられている。that節の代わりの形式主語は、高等学校英語の範囲である。 more and moreは、比較級を用いた注意すべき用法だが、高等学校英語の範囲であるので詳しくは述べない。ここでの意味はますます多くのという意味である。start usingで、startは目的語として動名詞と不定詞の両方を取る動詞であり、最後のto study ...は、不定詞の副詞的用法であり、〈......を研究するために〉という意味である。studyは、勉強するという意味があるが、どちらかといえば、〈一生懸命学ぶ〉という意味であり、単に知識を得るという意味ではlearnが用いられる事が多い。次の文でhow ...という表現は疑問詞を用いた節を用いた表現で、やや難しい文法である。この表現自体も高等学校英語の範囲なので、簡単な解説にとどめる。詳しくは高等学校英語を参照。文中で名詞の代わりとして、疑問詞の節がつらなる用法では、対応する疑問詞を用いた疑問文で尋ねられる内容が名詞として与えられる。ここでは、how the planets movedと文が続いているため、〈どのように惑星が動いているのか〉という意味になる。How does the planets move?で、「どのように惑星が動いているのだろうか?」という疑問文になることに注意。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "Main Page > 小学校・中学校・高等学校の学習 > 中学校の学習 > 中学校英語 > 中学校英語/3年", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "中学校英語/3年では、3学年の英語について教授します。単語及び文法も必要に合わせて一緒にお読みください。", "title": "" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "たとえば「来月には~できるだろう」のような未来の可能性を言いたい場合、 will can (×)とは言えない。", "title": "助動詞" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "なぜなら、1文中に助動詞は2つ以上用いてはならない、という規則がある。この様な場合 will be able to <動詞の原形> で表す。", "title": "助動詞" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "例えば「彼は泳げるようになるだろう。」このようにして表す。", "title": "助動詞" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "助動詞とは動詞を補って新たな意味を付け加える語である。助動詞は通常動詞の原形の前につく。よく用いられる助動詞として", "title": "助動詞" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "などがあげられる。", "title": "助動詞" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "他に連語として用いられ助動詞と同じような使われ方をするものもある。これらの多くは文法的には助動詞ではなく、形容詞や動詞などで書かれるものだが、ここでまとめておく。", "title": "助動詞" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": 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watching ...は現在完了の文であり、ここでは継続の意味で用いられており、「(ずっと)見て来た」という意味である。次のtrying to ...は分詞構文であり、この動詞tryの主語は前の文の主語と同じでpeopleである。詳しくは高等学校英語を参照。特にこの場合は補う接続詞の例として〈一方......である〉という意味のwhileがあげられる。figure outは2つの単語を組み合わせて特に理解するという意味を表わす。このような語は句動詞と呼ばれる。組み合わさった後の語の意味は動詞と副詞の意味を考えればわかるものも多く、句動詞によく用いられる基本的な副詞それぞれのイメージを掴んでおけば役に立つ。それでも意味から推察できない場合は多く、それらの場合は個別に記憶するしか無い。", "title": "読解練習" }, { "paragraph_id": 38, "tag": "p", "text": "keep -ingは〈〜をし続ける〉という意味の表現である。ここで、keepに対する目的語として不定詞の名詞的用法を用いることは出来ず必ず動名詞を用いなくてはいけない。", "title": "読解練習" }, { "paragraph_id": 39, "tag": "p", "text": "rock or gas that move ...のthatは関係代名詞のthatである。この部分の意味は「動いている石やガス」となり、that以下の表現はrockとgasの両方を修飾している。次の文ではon one we call the Earthという表現があるが、ここにはoneの後に関係代名詞が省略されている。実際には関係代名詞のthatとwhichは省略される場合が多いのである。そのため、上の表現は、「我々が地球と呼んでいるあるもの(惑星)」の様になる。関係代名詞が省略できる条件については高等学校英語を参照。また、Earthは地球という意味の単語だが、この名詞は通常冠詞としてtheを伴う。これは地球が1つしかないことが知られているため、会話にでて来るEarthが常に特定されているものと考えられるからである。更に、この文ではthe Earth, which movesという様に文が続いている。ここで現われたwhichも関係代名詞であるが、特にEarthのような固有名詞を修飾するときには前の名詞と関係代名詞の間にコンマが必要となる。この用法は〈関係代名詞の非制限用法〉と呼ばれるが詳しくは高等学校英語の範囲である。", "title": "読解練習" }, { "paragraph_id": 40, "tag": "p", "text": "同じ文中でa star we call ...では再び関係代名詞thatが省略されている事に注意。次の文はThere ...の文であり、主語はplanetsである。ここで、planets moving around ...のmovingは現在分詞の形容詞的用法であり、planetsを修飾している。この用法は中学校英語の範囲である。同じ文の最後でas wellは連語として用いられ同じ様にという意味になる。後にas well asなどの表現が高等学校英語で紹介されるが、こちらの用いられ方は異なっている。", "title": "読解練習" }, { "paragraph_id": 41, "tag": "p", "text": "次の文でallはthingsを修飾する形容詞であるが、allは〈全ての〉という意味で修飾を受けた語は複数形となる。似た意味の語でeveryがあるが、この語に修飾された名詞は単数形を用いなくてはならないので注意が必要である。togetherは〈全て合わせて、一緒に〉というような意味の副詞である。are calledはcallの受動態である。callは目的語を2つ取ることが出来る動詞であるので、2つの目的語のどちらかを主語にして受動態を作ることになるが、ここでは間接目的語を主語にしている。次の文では等位接続詞soが用いられている。soは接続詞として使われたときは〈だから〉という意味を表わす。話をつなげるのに便利であるため英語で話したり書いたりするときに多用されがちだが、soは原因と理由でつながれる関係でしか用いられないので、単に日本語でいう〈......て〉のように意味の並列に近い文の接続に用いることは出来ないことに、注意が必要である。次の文でrealizeはthinkと近い意味だが、〈発見する〉といった意味に用いられる。realizeはrealize that ...の形でthat節を目的語として取る。この時には、〈(that節以下のことを)知った〉という様な意味になる。", "title": "読解練習" }, { "paragraph_id": 42, "tag": "p", "text": "次の文で、They thought everything movedではthoughtの後にthat節を作るthatが省略されており、everythingとmovedはそれぞれthat節の主語と術語である。", "title": "読解練習" }, { "paragraph_id": 43, "tag": "p", "text": "次の文でseemはbe動詞と同じ使われ方をして、補語を取る動詞である。意味は〈〜に見える〉となる。sensibleはやや難しい単語であるが、〈分別がある〉という意味である。似たつづりの語でsensitiveは〈細かすぎる、敏感な〉などの意味であり、使いわけに注意が必要である。feelは〈感じる〉という意味の動詞である。よく使われる単語で不規則動詞であり、過去形はfeltである。また、as if ...は次に節を取って〈まるで......の様に〉という意味になる。この表現は実際にはそうでないものを節の内容として取ることがあり、そのときには節の中味は仮定法の表現になる。ここでは、実際に地球が動いていることから仮定法を用いていないようである。仮定法は割合進んだ文法であるので、詳しくは高等学校英語を参照。最後のdoes it?は付加疑問文であり、itはthe Earthであり、doesはfeelに対応する。", "title": "読解練習" }, { "paragraph_id": 44, "tag": "p", "text": "最初の文でAbout 500 years agoは〈約500年前の〉という意味である。agoを用いたときには、文の述語は必ず過去形になる。更に、500 yearsの前のaboutは、〈およそ〉という意味を持っており、前置詞のaboutとは異なっている。a man we call ...のmanとweの間には、thatが省略されており、関係代名詞thatの省略である。文の述語であるsuggestは、〈提案する〉と訳されることが多い。訳語は堅い感じがするが、似た意味のinsistなどよりも弱い語感があり、よく用いられる。suggestもthat節を目的語として取る語である。", "title": "読解練習" }, { "paragraph_id": 45, "tag": "p", "text": "次の文でa man called Galileoのcalledは、関係代名詞の省略ではなく、形容詞的に用いられた過去分詞で、manを修飾している。この文の動詞はbeginの過去形beganだが、beginは目的語として動名詞と不定詞の両方を取ることが出来る動詞である。この文のwithは〈......を用いて〉の意味で、new inventionを用いて宙を見るということである。コロンの後に続く単語はここではinventionの中味で、望遠鏡のことである。", "title": "読解練習" }, { "paragraph_id": 46, "tag": "p", "text": "次の文でshowは、過去形showedを持つため、規則動詞と思われがちだが、過去分詞はshownが用いられるので、不規則動詞である。showもthat節を目的語として取る動詞である。この文中で、it was very likely that ...という部分がある。この文のthat以下は実際にはitの部分に置かれる内容であり、この中味そのものがwasに対する主語である。しかし、この部分を主語にすると主部が非常に長くなり、おさまりが悪くなるという意味で、代わりにitが主語として用いられ、that節は後にまわされる。この時に用いられるitを形式主語という。形式主語はIt is -a- to -b-.の文で既に用いられたが、ここでは不定詞の代わりではなく、that節の代わりに用いられている。that節の代わりの形式主語は、高等学校英語の範囲である。", "title": "読解練習" }, { "paragraph_id": 47, "tag": "p", "text": "more and moreは、比較級を用いた注意すべき用法だが、高等学校英語の範囲であるので詳しくは述べない。ここでの意味はますます多くのという意味である。start usingで、startは目的語として動名詞と不定詞の両方を取る動詞であり、最後のto study ...は、不定詞の副詞的用法であり、〈......を研究するために〉という意味である。studyは、勉強するという意味があるが、どちらかといえば、〈一生懸命学ぶ〉という意味であり、単に知識を得るという意味ではlearnが用いられる事が多い。次の文でhow ...という表現は疑問詞を用いた節を用いた表現で、やや難しい文法である。この表現自体も高等学校英語の範囲なので、簡単な解説にとどめる。詳しくは高等学校英語を参照。文中で名詞の代わりとして、疑問詞の節がつらなる用法では、対応する疑問詞を用いた疑問文で尋ねられる内容が名詞として与えられる。ここでは、how the planets movedと文が続いているため、〈どのように惑星が動いているのか〉という意味になる。How does the planets move?で、「どのように惑星が動いているのだろうか?」という疑問文になることに注意。", "title": "読解練習" }, { "paragraph_id": 48, "tag": "p", "text": "", "title": "読解練習" } ]
Main Page > 小学校・中学校・高等学校の学習 > 中学校の学習 > 中学校英語 > 中学校英語/3年 中学校英語/3年では、3学年の英語について教授します。単語及び文法も必要に合わせて一緒にお読みください。
{{Pathnav|Main Page|小学校・中学校・高等学校の学習|中学校の学習|中学校英語}} [[{{PAGENAME}}]]では、3学年の英語について教授します。[[/単語|単語]]及び[[/文法|文法]]も必要に合わせて一緒にお読みください。 :※ 下記の be able to などは高校の範囲だと思う。だが参考書や塾では教えている可能性があるので、残しておく。 == 助動詞 == たとえば「来月には~できるだろう」のような未来の可能性を言いたい場合、 will can (×)とは言えない。 なぜなら、1文中に助動詞は2つ以上用いてはならない、という規則がある。この様な場合 will be able to <動詞の原形> で表す。 例えば「彼は泳げるようになるだろう。」このようにして表す。 He will be able to swim. 助動詞とは動詞を補って新たな意味を付け加える語である。助動詞は通常動詞の原形の前につく。よく用いられる助動詞として ;can:できる、かもしれない ;may:してもよい、かもしれない ;must:しなければならない、にちがいない ;should:すべきだ ;ought to:すべきだ ;will:するつもりだ、だろう ;used to:むかしは−だった などがあげられる。 他に連語として用いられ助動詞と同じような使われ方をするものもある。これらの多くは文法的には助動詞ではなく、形容詞や動詞などで書かれるものだが、ここでまとめておく。 一文中に助動詞を2つ以上は使えないので、既に助動詞を使っている文章で「できるかもしれない」とか「未来には~かもしれない」のような複合的な表現を用いる場合は、下記の連語をもちいて助動詞を2個以上つかわなくても済ませるように回避する必要がある。 ;be able to ''do'':できる ;be capable of ''doing'':できる ;have to ''do'':しなければならない ;had better ''do'':したほうがよい ;be going to ''do'':するつもりだ ある助動詞っぽい語句が、形式的には助動詞でないとみなされているか、それとも形式的にも助動詞であるかの判別法は、大まかには、否定形やその否定短縮形を見ることです。 たとえば、will や must や can のように形式的にも助動詞だとみなされている語句は、否定形が won't や mustn't やcan't のように、助動詞そのものに否定がつきます。 一方、be going to の否定形は、isn't have to や aren't have to などです。これは単に be 動詞の否定形です。 同様に、 have to の否定形は、don't have to あるいは doesn't have to などです。これは助動詞 do / does の否定形にすぎません。 助動詞には過去形も存在する。しかし、助動詞の過去形は通常それ自体が定まった意味を持つため必ずしも対応する助動詞の過去の意味になるとは限らない。よく使われる助動詞の過去形として ;can:could ;may:might ;will:would ;had better ''do'':したほうがよい などがある。mightやwouldやcouldは対応する助動詞と似た意味で使われより丁寧な含みを持たせた意味で使われることがよくある。これらの意味合いについては[[w:仮定法|仮定法]]を参照。仮定法は[[高等学校英語英語I]]の範囲である。 また、 今までは主語が動作をすることを表す文を扱ってきた。ここでは主語が動詞で指定された動作をされることを表す文を扱う。このような文を[[w:受身 (言語学)|受動態]]と呼ぶ。これに対応して、主語が動詞で指定された動作をする文を[[w:能動態|能動態]]と呼ぶ。受動態を作るときには :S V O. で書かれる能動態の文章に対して :O be動詞 Vの過去分詞 by S. のようにして作られる。ここである動詞の過去分詞は規則動詞では動詞の過去形と同じ形である。一方、不規則動詞では固有の形を持っており、これらも不規則動詞の過去形と同様動詞ごとに覚えるしかない。 通常、能動態を受動態に変化させるときには能動態の主語は前置詞byを用いて表される。しかし、they、somethingなど、元々能動態の文の主語にそれほど強い意味がなく、単に文法的に主語が必要だからそこに置かれていたようなときには、文中で :by S の部分を省略することができる。 一般に日本語の文を単に英語に直すと、受動態の文を多く使ってしまいがちになるといわれている。しかし、日本語にとって自然な文でも英語で同じ使い方をしたときにそれが自然な使い方にならない場合もあることには注意する必要がある。 受動態を助動詞と組み合わせて用いることもできる。このときには :O be動詞 Vの過去分詞 by S. のような文は :O 助動詞 be Vの過去分詞 by S. というようになる。これはbeがbe動詞の原形であることを用いているといえる。 あるものがどこかに存在することを、特にThere is -.などによって書かれる文で表すことができる。一般にはこの文は :There Sに対応するbe動詞 S 場所を表す[[w:前置詞|前置詞]] 名詞. のように書かれる。このような文の主語はthereだと思われがちだが、文法的にはこの文の主語はbe動詞の後に現れる名詞が主語である。そのため、この名詞が複数である場合にはbe動詞としてareが用いられる。この文は過去形と組み合わせて使うこともでき、また助動詞とともに用いることもできる。 ''There is ... .''の文は単にある地点に物体が存在していることを述べる文であるため、「~はそこだ(です)」といった「そこ」という場所を強調したい文を作るときには使えない。その場合 :There is the book.(本があります。) ではなく、 :The book is there.(本はそこにあります。) などとして「(探していた)本がそこにある。」などの意味を表せばよい。 <!-- 文中の英文は、[[en:Wikijunior Solar System/Our Solar System]]からの転載である。 2005年12月の版。 元の作成者: 130.76.32.145, Robert Horning, RJHall,Pedant,SV Resolution他である。より詳しい内容を知りたい場合には対応するページの履歴を参照。 改変者:[[利用者:T.Uesugi]] --> == 和製英語 == 日本語でよく用いられる語彙でも英語圏では意味が異なる、もしくは通じないもののことを''和製英語''と言う。 例えば「私は昨日ペーパーテストを受けた。」と表す場合は (正)I had a written test. (誤)I had a paper test. となる。(誤)は「昨日紙質検査を行った。」と解釈される。このように全く意味は異なる。 参考までに身近にある和製英語を少し挙げておこう。 コンセント:outlet ※consentは「同意」 カンニング:cheating ※cunningは「ずる賢いこと」 マンション:apartment ※mansionは「大邸宅」 フライドポテト:French fries ※fried potatoは「ジャガイモを丸ごと揚げたもの」 セミダブル:small double ※semi doubleは「2つの半分」 以上のように(特にコミュニケーション時は)知らずに使うと誤解を招くことがあるので注意を要する。 == 読解練習 == [[:en:|英語版Wikibooks]]から、太陽系の歴史などを説明する文章、“[[:en:Wikijunior Solar System/Solar System]]”を抄訳してみる。この文書は英語圏の子供向けに書かれた文書であるので比較的簡単な英文で書かれている。興味があれば全訳にも挑戦してみるとよいかもしれない。とはいえこの範囲だけでも関係代名詞などの進んだ文法が出てくるため、簡単に読み下すことはできないかもしれない。 ==== Our solar system / 我々の太陽系 ==== solarは形容詞でありsystemを修飾している。やや難しい単語であるが、語の性質上割合よく出て来る。 :Do you ever wonder about the things in the sky – the Sun, the Moon, the stars? People have been watching the sky for a long time, trying to figure out what is out there. We keep coming up with new ways to learn more about outer space. :あなたはこれまでに空にあるもの、例えば太陽、月、星について考えたことがあるだろうか? 人々は長いこと空を見上げて、そこに何があるか知ろうとしてきた。我々は(地球の外の)宇宙についてより知るための、新しい方法を探し続けてきたのである。 '''wonder'''はthinkと似た意味の言葉だが、より不思議に思うようなイメージが強い言葉である。記号-は[[w:ダッシュ|ダッシュ]]と呼ばれ、ここではコロンと近い意味で用いられる。次の文で''have been watching ...''は現在完了の文であり、ここでは継続の意味で用いられており、「(ずっと)見て来た」という意味である。次の''trying to ...''は分詞構文であり、この動詞'''try'''の主語は前の文の主語と同じでpeopleである。詳しくは[[高等学校英語]]を参照。特にこの場合は補う接続詞の例として〈一方……である〉という意味の'''while'''があげられる。''figure out''は2つの単語を組み合わせて特に''理解する''という意味を表わす。このような語は句動詞と呼ばれる。組み合わさった後の語の意味は動詞と副詞の意味を考えればわかるものも多く、句動詞によく用いられる基本的な副詞それぞれのイメージを掴んでおけば役に立つ。それでも意味から推察できない場合は多く、それらの場合は個別に記憶するしか無い。 ''keep -ing''は〈〜をし続ける〉という意味の表現である。ここで、keepに対する目的語として不定詞の名詞的用法を用いることは出来ず必ず動名詞を用いなくてはいけない。 :Planets are big balls of rock or gas that move around stars. We live on one we call the Earth, which moves around a star we call the Sun. There are at least seven other planets moving around the Sun and a lot of other smaller things as well. All these things together are called a system. The Latin word for the Sun is Sol, so we call this system the Solar System. :A long time ago, people didn't realize that all these things in the Solar System move around the Sun. They thought everything moved around the Earth, including the Sun. This seems sensible, because the Earth doesn't feel as if it's moving, does it? :惑星は恒星を周回する、岩やガスでできた大きな球である。我々は我々が地球と呼ぶ惑星の1つに住んでおり、地球は我々が太陽と呼ぶ星の周りを運動している。<!-- 関係代名詞whichの非制限用法 -->少なくとも他に7つの惑星が太陽を回っており他多くのより小さな天体も回っている。太陽の意味を表すラテン語は Sol であるので、我々はこれらの系を太陽系 (Solar system) と呼ぶ。 :大昔には、人々は太陽系内の天体が太陽を回っていることを知らなかった。彼らは太陽を含めすべてのものが地球の周りを回転していると考えていた。(我々は)<!-- 主語 we の省略と目的語the Earth の倒置?? -->地球が動いているように感じないので、これは自然なことではないだろうか。 ''rock or gas that move ...''のthatは関係代名詞の'''that'''である。この部分の意味は「動いている石やガス」となり、that以下の表現はrockとgasの両方を修飾している。次の文では''on one we call the Earth''という表現があるが、ここにはoneの後に関係代名詞が省略されている。実際には関係代名詞のthatとwhichは省略される場合が多いのである。そのため、上の表現は、「我々が地球と呼んでいるあるもの(惑星)」の様になる。関係代名詞が省略できる条件については[[高等学校英語]]を参照。また、'''Earth'''は地球という意味の単語だが、この名詞は通常冠詞としてtheを伴う。これは地球が1つしかないことが知られているため、会話にでて来るEarthが常に特定されているものと考えられるからである。更に、この文では''the Earth, which moves''という様に文が続いている。ここで現われたwhichも関係代名詞であるが、特にEarthのような固有名詞を修飾するときには前の名詞と関係代名詞の間にコンマが必要となる。この用法は〈関係代名詞の非制限用法〉と呼ばれるが詳しくは[[高等学校英語]]の範囲である。 同じ文中で''a star we call ...''では再び関係代名詞thatが省略されている事に注意。次の文は''There ...''の文であり、主語はplanetsである。ここで、''planets moving around ...''のmovingは現在分詞の形容詞的用法であり、planetsを修飾している。この用法は[[中学校英語]]の範囲である。同じ文の最後で''as well''は連語として用いられ''同じ様に''という意味になる。後に''as well as''などの表現が[[高等学校英語]]で紹介されるが、こちらの用いられ方は異なっている。 次の文で'''all'''はthingsを修飾する形容詞であるが、allは〈全ての〉という意味で修飾を受けた語は複数形となる。似た意味の語で'''every'''があるが、この語に修飾された名詞は単数形を用いなくてはならないので注意が必要である。'''together'''は〈全て合わせて、一緒に〉というような意味の副詞である。''are called''はcallの受動態である。callは目的語を2つ取ることが出来る動詞であるので、2つの目的語のどちらかを主語にして受動態を作ることになるが、ここでは間接目的語を主語にしている。<!-- 余談だが間接目的語を関接目的語と書いてしまいがちなので注意。 -->次の文では等位接続詞'''so'''が用いられている。soは接続詞として使われたときは〈だから〉という意味を表わす。話をつなげるのに便利であるため英語で話したり書いたりするときに多用されがちだが、soは原因と理由でつながれる関係でしか用いられないので、単に日本語でいう〈……て〉のように意味の並列に近い文の接続に用いることは出来ないことに、注意が必要である。次の文でrealizeはthinkと近い意味だが、〈発見する〉といった意味に用いられる。realizeは''realize that ...''の形でthat節を目的語として取る。この時には、〈(that節以下のことを)知った〉という様な意味になる。 次の文で、They thought everything movedではthoughtの後にthat節を作るthatが省略されており、everythingとmovedはそれぞれthat節の主語と術語である。 <!-- >< 文中でincluding the Sunの部分はthat節の中にある分詞構文であり、 includeの主語はeverythingである。 ?? include の主語は? ?? --> 次の文でseemはbe動詞と同じ使われ方をして、補語を取る動詞である。意味は〈〜に見える〉となる。'''sensible'''はやや難しい単語であるが、〈分別がある〉という意味である。似たつづりの語で'''sensitive'''は〈細かすぎる、敏感な〉などの意味であり、使いわけに注意が必要である。feelは〈感じる〉という意味の動詞である。よく使われる単語で不規則動詞であり、過去形はfeltである。また、''as if ...''は次に節を取って〈まるで……の様に〉という意味になる。この表現は実際にはそうでないものを節の内容として取ることがあり、そのときには節の中味は[[w:仮定法|仮定法]]の表現になる。ここでは、実際に地球が動いていることから仮定法を用いていないようである。仮定法は割合進んだ文法であるので、詳しくは[[高等学校英語]]を参照。最後のdoes it?は付加疑問文であり、itはthe Earthであり、doesはfeelに対応する。 :About 500 years ago, however, a man we call Copernicus suggested that all the planets moved around the Sun. Then, about 100 years later, a man called Galileo began looking at the sky with a new invention: the telescope. He showed that it was very likely that all the planets moved around the Sun. Soon, more and more people started using telescopes to study the sky. They began to learn how the planets and the other things in the Solar System moved. :しかし、500年前に我々が[[w:ニコラウス・コペルニクス|コペルニクス]]と呼ぶ男が全ての惑星は太陽を回っていることを提唱した。それからおよそ100年後、[[w:ガリレオ・ガリレイ|ガリレオ]]と呼ばれる男が望遠鏡という新発明を用いて空を観察し始めた。彼は、全ての惑星が太陽を回っていることが非常にありそうなことだということを示したのである。そのあとすぐに、次第に多くの人々が空を研究するために望遠鏡を使い始めた。彼らは太陽系内の惑星や他の物体がどのように動いているかを調べ始めたのである。 ;語句 :;[[:wikt:about|about]]:(adv) およそ :;[[:wikt:ago|ago]]:(adv) ……だけ前の :;[[:wikt:suggest|suggest]]:(vt) 提案する、提唱する :;[[:wikt:about|about]]:(prep) ……の回りを :;''[[:wikt:look at|look at]]'':……を見る :;[[:wikt:invention|invention]]:(n) 発明 :;[[:wikt:telescope|telescope]]:(n) 望遠鏡 :;[[:wikt:show|show]]:(vt) 示す :;[[:wikt:likely|likely]]:(a) ……が起こりそうな ::(ant.) [[:wikt:unlikely|unlikely]] :;[[:wikt:soon|soon]]:(adv) すぐに :;[[:wikt:more and more|more and more]]:ますます多くの :;[[:wikt:how|how]]:(adv) どのように ;解釈 最初の文で''About 500 years ago''は〈約500年前の〉という意味である。'''ago'''を用いたときには、文の述語は必ず過去形になる。更に、500 yearsの前の'''about'''は、〈およそ〉という意味を持っており、前置詞のaboutとは異なっている。''a man we call ...''のmanとweの間には、thatが省略されており、関係代名詞thatの省略である。文の述語であるsuggestは、〈提案する〉と訳されることが多い。訳語は堅い感じがするが、似た意味のinsistなどよりも弱い語感があり、よく用いられる。suggestもthat節を目的語として取る語である。 次の文で''a man called Galileo''のcalledは、関係代名詞の省略ではなく、形容詞的に用いられた過去分詞で、manを修飾している。この文の動詞はbeginの過去形beganだが、beginは目的語として動名詞と不定詞の両方を取ることが出来る動詞である。この文のwithは〈……を用いて〉の意味で、''new invention''を用いて宙を見るということである。コロンの後に続く単語はここではinventionの中味で、望遠鏡のことである。 次の文で'''show'''は、過去形showedを持つため、規則動詞と思われがちだが、過去分詞はshownが用いられるので、不規則動詞である。<!-- ただし、現在ではshowedも過去分詞と認められつつあるようである。が、実際のところはよくわからない。 -->showもthat節を目的語として取る動詞である。この文中で、''it was very likely that ...''という部分がある。この文のthat以下は実際にはitの部分に置かれる内容であり、この中味そのものがwasに対する主語である。しかし、この部分を主語にすると主部が非常に長くなり、おさまりが悪くなるという意味で、代わりにitが主語として用いられ、that節は後にまわされる。この時に用いられるitを形式主語という。形式主語は''It is -a- to -b-.''の文で既に用いられたが、ここでは不定詞の代わりではなく、that節の代わりに用いられている。that節の代わりの形式主語は、[[高等学校英語]]の範囲である。 more and moreは、比較級を用いた注意すべき用法だが、[[高等学校英語]]の範囲であるので詳しくは述べない。ここでの意味は''ますます多くの''という意味である。start usingで、startは目的語として動名詞と不定詞の両方を取る動詞であり、最後の''to study ...''は、不定詞の副詞的用法であり、〈……を研究するために〉という意味である。studyは、''勉強する''という意味があるが、どちらかといえば、〈一生懸命学ぶ〉という意味であり、単に知識を得るという意味ではlearnが用いられる事が多い。次の文で''how ...''という表現は疑問詞を用いた節を用いた表現で、やや難しい文法である。この表現自体も高等学校英語の範囲なので、簡単な解説にとどめる。詳しくは[[高等学校英語]]を参照。文中で名詞の代わりとして、疑問詞の節がつらなる用法では、対応する疑問詞を用いた疑問文で尋ねられる内容が名詞として与えられる。ここでは、''how the planets moved''と文が続いているため、〈どのように惑星が動いているのか〉という意味になる。''How does the planets move?''で、「どのように惑星が動いているのだろうか?」という疑問文になることに注意。 <!-- Now, we send rockets into space to learn more. Astronauts travel around the Earth. Some of them have landed on the the Moon. Robots can fly to other planets to take pictures. We can see things that people like Copernicus and Galileo could only dream about. We can use very strong telescopes to see what has happened to other stars. We compare pictures of distant stars with pictures of the Sun. We can use thousands of pictures of the planets to learn more about Earth. We use what we learn about all the things in the Solar System to figure out how it was formed. We can also guess what might happen to it in the future. 現在では我々は宇宙についてより多くを知るためにロケットを打ち上げている。宇宙飛行士は地球の周り(の宇宙 ??)を探索している。そのうちの何人かは月に着陸した。ロボットが写真を撮るために別の惑星に向かって飛んでいる。我々はコペルニクスやガリレオのような人々が夢想することしかできなかったものを見ることができるのである。我々は別の星で何がおこったかを観測するために、非常に強力な望遠鏡を用いることができる。我々は遠くの星の写真と太陽の写真を比較する。我々が地球についてさらに多くを知るために何千もの惑星の写真を使うことができる。[[w:系外惑星]]は最近見つかり始めたもので、何千と見つかっている訳ではない。しかし、写真自体は地球以外に少なくとも一つ惑星があれば(火星等でも可)何枚でもとることができるので文章自体が間違いという訳ではない。 我々は太陽系がどのように作られたかを理解するために、太陽系について学んできた全てのことを用いる。我々は未来に我々の太陽系に何がおこるかを予測することもできる。 --> == 関連項目 == [[中学校英語 文法項目 3学年]] [[Category:中学校教育|えいこ3]] [[Category:英語教育|中3]] [[カテゴリ:中学校英語|さんねん]]
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2022-06-21T06:19:23Z
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OsiriX オンライン解説文書/OsiriX入門 シック・スラブのモード設定値を増やす
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中学数学1年 正負の数
中学校の学習 > 中学校数学 > 中学数学1年 > 正負の数 小学算数で学んだ足し算のうち、変化の結果を求める計算を加法(かほう)という。 値3から5だけ変化すると8になることを、3+5=8 と表す。数の値に変化がないことは、0を加える加法で示す。 小学算数で学んだ引き算のうち、数値の大小を比較する計算を減法(げんぽう)という。値8は3と比較すると5だけ大きいということを、8-3=5 と表す。値の等しい2数で引き算をすると、結果は0となる。 また、加法した結果を和(わ、英:sum サム)、減法した結果を差(さ、英:difference ディファレンス)という。 ただし、小学算数の数の知識では、値が減少する変化の結果を加法で求めることや、数の値をそれより大きな数と比較して差を求めることはできない。そこで新しい数「負の数」を導入する。 0°Cより3°C高い温度は「3°C」と表される。では、0°Cより3°C低い温度は何と表せばよいのだろうか。これを「氷点下3°C」という表現があるが、この温度を「 − 3 {\displaystyle -3} °C」と表すこともある。 まずは、この単元で学ぶ言葉の説明をする。 ただし「0」は、「正の数」、「負の数」のどちらにも当てはまらない。「0」以外の数のことを「正負の数」と呼ぶ。 正負の数は、互いに反対の性質を持つ事柄を、まとめて示すときに使うことができる。 このように示すときには、どちらを正の数として表すのかはっきりさせる必要がある。 また、このように基準を決め、その基準からの過不足(どのくらい多い、または少ないか)や増減を、正負の数で表すこともできる。その場合、基準そのものの値は"0"と表される。 数を直線上の点に対応させた直線を数直線(すうちょくせん)という。数直線を使うと、数の大小をわかりやすくすることができる(下図)。 これは、ある直線上に原点(げんてん、意味:0の位置)と単位点をとることで完成する。単位点とは、「ここが1」「ここが − 5 {\displaystyle -5} 」というように、原点からの距離をあらわす点である。 数直線では、右向きを「正の向き」として、右に行くほど大きな数を表す。一方、反対に左を「負の向き」として、左に行くほど小さな数を表すとする。原点をはさんで、全ての正の数は原点の右側、全ての負の数は原点の左に位置することになる。 読者の中には「面積や体積のように、直線では表しづらい量の正負は、どうやって表すのか?」という疑問をいだく人もいるだろうが、とりあえずは、まず直線上の正負について考えてほしい。この本の後の節で、面積や体積などのような量の場合の正負についても解説をする。 ※ 小数や分数は、普通は整数ではない。たとえば1.3や 5 2 {\displaystyle {\frac {5}{2}}} は整数ではない。例外的に 1.0(=1) や 6 2 {\displaystyle {\frac {6}{2}}} (=3)など割り切れる数は整数である。 そのため、「0」や、小数・分数は自然数とはいえない。 たとえば 1.3 や 2 7 {\displaystyle {\frac {2}{7}}} は自然数ではない。 正負の数の符号と絶対値の意味を、数直線を用いて確認しよう。 正負の数の符号は、数直線上の位置が、原点より右か左かの違いである。絶対値が同じであっても、正の数と負の数では、正反対の意味を持っている。即ち、数値の持つ意味を正反対にするには、絶対値はそのままで、符号を正から負の数に、また、負から正に変えればよい。このように、符号を変えた数にすることを符号を反転するという。符号を反転した数は、数直線上では原点について反対側の、点対称の位置にある。値 0にはもともと符号はないので、0の符号を反転しても 0のままで、値は変わらない。 一方、正負の数の絶対値は、原点からの距離で表された。原点から離れた位置にある数ほど絶対値は大きく、絶対値の小さい数ほど原点に近い位置で表される。数の符号を反転しても、原点からの距離、つまり絶対値は等しいままである。符号を反転した数を、もとの数の反数と呼ぶ。値0の反数は 0と考えるので、反数とは、和が 0である 2数のことだと考えてよい。反数である2数の和が 0になることを、相殺(そうさい)するという。 数を数直線上に表すとき、必ず右に行くほど大きくなるように並べる。 数の大小をまとめてみると、 ということがいえる。 < と > の記号は、2つの数の大小について表す記号で不等号(ふとうごう)という。 これは、開いているほうが閉じているほうよりも大きい数であることを表す。 対して、2つの数について、大小の差がなく同じであることを表す記号 = は等号(とうごう)という。 ここで、例えば「0は1より小さい」というのは 0<1 あるいは 1>0 と書くことができる。また、これは「0は1より小さい」または「0は1未満(みまん)値を持つ」と表現される。 不等号を含む式を不等式(ふとうしき)といい、0<1 は「0 小(ショウ)なり 1」、1>0 は「1 大(ダイ)なり 0」と読む。 いままでは、正の数に正の数を足すことはしてきたが、負の数に正の数を足すことはしてこなかったことだろう。では、負の数に正の数を足す計算はどのようにすればよいか。やり方を考えてみよう。 そのための準備として、まず、正の数に正の数を足すことを数直線で表してみよう。 このように、2+3というのは数直線上で2から3だけ右に動いた数ということになる。同じようにして負の数に正の数を足してみよう。 (−4)から3だけ右に動いた数は-1ということがわかる。つまり、(-4)より3大きい数は(−1)ということになる。 これで、負の数に正の数を足すことができるようになった。 これは、0をまたいでも同じようにできる。 つぎに、負の数を足すことを考えてみよう。 #正の数と負の数との大小で学んだことを用いてみよう。 3+(-1)は「3よりも(-1)大きい数」だから、負の数の意味が、反対の大きさを持つことを考えて、日常に近い表現に改めると「3よりも(+1)小さい数」となる。よって、3より1小さい数を求めればよい。 #正の数と負の数との大小で学んだことを用いてみよう。 36+(-11)は「36よりも(-11)大きい数」というのは、すなわち「36よりも(+11)小さい数」となる。よって、36より11小さい数を求めればよい。 ある数よりも小さい数を求めるとき、あるいは数の値がもとの値よりも小さくなるとき、小学算数では引き算を用いてきたことだろう。じっさい、負の数を加える加法の計算を「値を減らして/引いて」と表現することは日常的に行われている。しかし、分かりやすいからといって、いちいち加法の計算を引き算に直して計算していたのでは、負の数に負の数を加えたときの加法の和や、絶対値の小さい正の数と絶対値の大きな負の数の和の意味を理解したり、実際に計算をして値を求めることは難しい。小学算数の引き算に頼ることなく、負の数を加える加法は、値が減る変化の結果であることを正しく理解し、加法は加法のままで計算できることが大切である。 小学算数では、大きい正の数から小さい正の数を引くことや、同じ値の数同士の差が0になることは学習してきたが、値の小さい数から大きい数を引くことは、負の数が使えない制約から行ってこなかった。また、負の数から別の数を引く計算も扱わなかった。 まず、加法の時と同じように、小学算数でも扱ってきた、正の数どうしの減法で、値の大きい数から値の小さい数を引く計算を、数直線上で理解しておこう。 減法が2数の値を比較するという意味を持つ計算であること、減法の結果(差)が、引かれる数(前の数)について、引く数(後の数)と比べてどれだけ大きいかを表していることに注意しよう。これと同様に、負の数から正の数を引く減法の意味も数直線上で確認しよう。 (−1)は、+3から見て4だけ小さい値を持つ数なので、差は(-4)であることがわかる。 これで、負の数から正の数を引くことができるようになった。 また、小さい値の数から大きい値の数を引く減法も、同じように計算することができる。 3は(-2)と比較すると、5だけ大きい値を持つ数なので、差は(+5)であることがわかる。 これで、正の数から負の数を引くことができるようになった。 正負の数の減法を正しく理解するためには、このように減法が 2数の値を比較する計算であること/引く数の値の大小を、引かれる数と比べて考えることの2点をしっかり押さえよう。 その上で、減法の計算方法にはもうひとつ、加法に直して計算する方法がある。先程の例で、出てくる数の絶対値に注目しよう。「3」と「2」から「5」が出てきている。これではただの足し算を連想させる。しかも、これは偶然ではない。その理由を説明しよう。 そのために、まず反数について述べておく。反数とは、絶対値が等しく、符号が反対の2数を指す。(-3)の反数は(+3)であり、(+7)と(-7)は互いに反数である。ここで、0の反数は 0、と決めておけば、反数は「和が 0になるような 2数」と定義できる。反数どうしの2数の和が打ち消しあって 0になることを相殺(そうさい)するという。 一方、0と数を加えると、加えた数に等しくなる。0+3=3 となるのは、0より3だけ大きい数は3だといっている。これは当然だ。 ここで、(-2)+3+(+2) は、3と等しい。加えた 3つの数のうち、(-2)と(+2)は互いに反数なので、相殺して 0に等しくなるからである。これを使って 減法 3-(-2) を計算してみよう。3の代わりに、これと値の等しい (-2)+3+(+2) を使って計算を進めてみよう。 中かっこの中は「(-2)よりも3+(+2)だけ大きい数」という意味だから、これと(−2)を比較すれば、差は 3+(+2) となる。これはもとの減法の引く数を反数とすり替えて、加法に直した式に他ならない。他の値を使った減法でも、同じ方法で加法に直して計算することができる。 このようにすれば、減法を、引く数を反数と置き換えて、加法に直して計算することができる。これらの方法を用いれば、負の数を含む加減、小さい数から大きい数を引く、といったことが容易にできる。 このように、数の前についた符号としてのマイナス − は、引き算の − 記号と同じように扱って良い。というより、そもそも、このような、「数の前の不足・減少を表すための符号と、引き算の記号とを、同じと見なして良い。」という発想があるからこそ、数の前の不足・減少を表すための符号と、引き算の記号とを、同じ記号 − を用いているのである。 掛け算のことを乗法(じょうほう)、割り算のことを除法(じょほう)という。 また、乗法した結果を積(せき、英:product プロダクト)といい、除法した結果を商(しょう、英:quotient クォウシェント)という。 今までには正の数と正の数の掛け算、つまり、正の数どうしの乗法をしてきたが、負の数と正の数の乗法、負の数どうしの乗法はどうなるのだろうか。 まず、正の数どうしの乗法について調べてみよう。 このように、「かけられる数」の絶対値をひとつの単位として「かける数」の個数だけ右に進めていったものが「積」として得られることになる。 正の数どうしの乗法は、正の数が正の数だけあるということだから、数直線ではどんな正の数を掛け合わせても正の方向になる。よって、正の数どうしの積は正の数となる。 次は、正の数と負の数の乗法について調べてみよう。 例: いま、ある地点で人が歩いている。その人は、西へ秒速2mで進んでいる。 3秒後には、どうなっているだろうか。 また、3秒前はどうなっていただろうか。 これも、数直線で表してみよう。 東を正の方向とすると、西へ秒速2mとは、東へ秒速-2mということだから、この問題の式は、-2×3となる。 図を見てわかるように、2秒後では−4m東へ、3秒後では-6m東へ行っていることがわかる。 さらに、2秒前は4m東へ、3秒後では6m東へ行っている。だから、正の数と負の数の積は負の数になり、負の数どうしの乗算の積は正の数になる。 今は、東(西)に0m進んでいると考えることができる。 以上のことを組み合わせ、次の計算をしてみよう。 上記の問題と同じように計算し、答えは30 。 (※ 1つ目と2つ目がプラスになってる。)実際に計算してみて、答えは24とわかる。 (※ 1つ目がプラスになってる。)上記の問題と同じように計算し、答えは-24。 (※ 四つともマイナス。)上記の問題と同じように計算し、答えは24 。 ここで、上記のいくつかの計算例での積の符号について、何か気づいたことは無いだろうか? 具体例で考えてみよう。 答えは いくらだろうか? まず、(-2)×3= -6 なので、おそらく となりそうだと思うだろう。 では、-2 のほかには答えは無いだろうか? まず、3に、+2を掛けても、答えはプラスの数になってしまう。なので、 (-6)÷3の答えは、どうやら負の数のようであるので、負の数だけを探せばいい。 -2でない数を3に掛けてみても、6以外の数になることを確かめてみる。 たとえば -2.1 を 3 に掛けてみても -2.1×3 = -6.3 であり、6ではない数になる。 よって、 である。 上述の例のように、負の数をふくむ割り算でも、小学校で割り算を習ったときのように、掛け算にもどって答えを探せばいい。 また、負の数を正で割った結果は、負の数になる。 正の数を負の数で割った場合は、負の数になる。 負の数を負の数で割った場合は、正の数になる。 0を0以外のどんな数で割っても、0である。(どんな数も、0では割れない。) 加法、減法、乗法、除法をまとめて 四則(しそく) という。 次の式の ◻ , △ {\displaystyle \Box ,\triangle } にどんな自然数を入れても、計算の結果がいつでも自然数になるだろうか。 (1) ◻ + △ {\displaystyle \Box +\triangle } (2) ◻ − △ {\displaystyle \Box -\triangle } (3) ◻ × △ {\displaystyle \Box \times \triangle } (4) ◻ ÷ △ {\displaystyle \Box \div \triangle } (1)と(3)はいつでも自然数になる。しかし、 2 − 3 = − 1 {\displaystyle 2-3=-1} や 2 ÷ 3 = 2 3 {\displaystyle 2\div 3={\frac {2}{3}}} のように、(2)と(4)は自然数にならない場合がある。 つまり、自然数の範囲では、加法と乗法はいつでもできるが、減法と除法は、いつでもできるとは限らない。 では、上の ◻ , △ {\displaystyle \Box ,\triangle } にどんな整数を入れても、計算の結果がいつでも整数になるだろうか。 (1)、(2)、(3)はいつでも整数になる。しかし、 ( − 2 ) ÷ 3 = − 2 3 {\displaystyle (-2)\div 3=-{\frac {2}{3}}} のように、(4)は整数にならない場合がある。 つまり、整数の範囲では、加法、減法、乗法はいつでもできるが、除法は、いつでもできるとは限らない。 分数(ぶんすう)では、どうだろうか。分数どうしの計算では、値が整数になることもある。しかし、整数も分母が1の分数だとみなすことにすれば、上の ◻ , △ {\displaystyle \Box ,\triangle } にどんな分数を入れても、計算の結果がいつでも分数になる。つまり、分数の範囲では、加法、減法、乗法、除法はいつでもできる。 今までの結果を表にまとめると次のようになる。 ◯ {\displaystyle \bigcirc } はその範囲でいつでも可能な場合、 △ {\displaystyle \triangle } はいつでも可能と限らない場合である。ただし、除法では、0でわる場合は除いて考える。 自然数の集合にふくまれる数どうしでは、加法と乗法がいつでもできる。 整数の集合は、自然数(正の整数)の他、0や負の整数を合わせたものになる。 整数の集合にふくまれる数どうしでは、加法と減法と乗法とがいつでもできる。 整数の集合は、そのなかに自然数の集合をふくんでいる。 また、自然数から見れば、自然数の集合は整数の集合に含まれている。 数全体の集合には、整数の他に、小数や分数も含むこととなる。 数全体の集合のなかの数どうしでは、加法・減法・乗法・除法がいつでもできる。 つまり、 数全体の集合のなかの数どうしでは、四則計算がいつでもできる。 このように、数の範囲を、自然数の集合から整数の集合へ、さらに数全体の集合へと広げていくことで、それまでできなかった計算ができるようになる。 今までの説明では、説明の簡単化のため、マイナスの計算例や応用例では、数直線、または数直線上に表しやすい左右や東西などの方向とか、あるいは金額や時間などのように 直線の「長さ」 で対応させやすい量を例にして説明してきた。だが、なにもマイナスの利用法は直線や数直線で表せる量だけではない。 たとえば、長方体の面積や立方体の体積を計算するのに、マイナス符号を用いてみても良い。というより、そもそもマイナスは、数直線や「長さ」などの線で表せる量だけに限らず、もし数で表せる量ならば、面積や体積などもまた、マイナス符号 − の数を計算に用いることができるからこそ、マイナスの数が「数」として数学では認められ、マイナスの数の理論が作られているのである。 マイナスの面積・体積の説明を学ぶ前に、ひとまずプラス符号の面積や体積について復習しよう。プラス符号は省略できるから、つまり小学校の算数で計算練習した普通の面積や体積は、プラス符号を省略した面積・体積などとみなせるので、小学校で習った面積・体積はプラス符号の面積や体積として見なして良い。 では、これから、マイナスの数の面積や体積などの理論が成り立つことを、とりあえず面積の場合で、確認してみよう。 たとえば長方形の面積なら、長方形の縦の長さを正の ○ cm として、横の長さを △ cm として、面積 ○×△ cm を面積の基準にしたとすれば、マイナスの計算例として、この四角形から横の長さを −3cmだけ変化させた時は、つまり横を3cm減らした時は、面積は ○×(−3) cm だけ変化する。つまり面積は ○×(3) cm 減る。横の長さを3cm減らした後の面積は、 ○×(△−3) cm である。逆に横の長さを4cm増やした場合は、面積の変化は ○×(+4) であり、変化後の面積は ○×(△+4) である。 まとめて表すと、四角形の縦の長さを ○ cm として、横の長さを △ cm として、横の長さを □ cm だけ変化させると、面積の変化分は ○×□ であり、変化後の面積は、 ○×(△+□) である。横の長さを増やした場合は、□に正の数が入り、横の長さを減らした場合は、□に負の数が入る。 また、面積で考えても、加法・減法や乗法・除法の交換法則、結合法則・分配法則などの法則は成り立つ。 読者は、自分で長方形の図を書いてみて、面積などを計算してみて、確かめてみよ。 説明の簡単化のため、縦の長さ ○ を正としておいて、負数どうしの掛け算を考えなくても済むように説明したが、負数どうしの掛け算も次のようにして面積で作図できる。たとえば、縦の長さ ○ cm から、変化分として B cm だけ長さを減らしたとして、 面積 (○−B)×(△−3) cm を持つ長方形の図を作図すれば、負数どうしの掛け算も作図できる。この場合は(−B)×(−3)を作図したことになる。 読者は、自分で、負数どうしの掛け算を表した長方形の図を書いてみて、面積などを計算してみて、負数どうしの掛け算でも、交換法則、結合法則・分配法則が成り立つことを確かめてみよ。 読者は、小学校の時に算数で、「大小」や「多少」など大きさをもった、さまざまな量(たとえば、長さ、面積、体積、重さ、時間、個数、人数、金額、・・・・・・)の計算例を、習ってきたと思う。そのような大きさを持った様々な量で、必要に応じてプラスやマイナスの符号を用いて良い。 のように書く。 また、4 は「4の3じょう」と読み、 4×4×4 を意味する。 このように、かけあわせる回数がn回なら、「n乗」と読む。 また、累乗において、かけあわされる数のことを底(てい)、かけあわせる回数のことを累乗の指数(しすう)、かけ合わされた結果の値を羃(べき)という。 たとえば、累乗 の底は 4、指数は 3、羃は 64 である。なお、かつて羃は累乗やそれに関わる広い意味に使われる言葉だったが、累乗や指数を用いた表現に言い換えが進み、今では一部の熟語以外は、累乗の結果の値、という意味に使われるのみである。 同じ数を2回かけあわせることを2乗(にじょう)という。つまり、指数が2の累乗のことが2乗である。2乗のことを、自乗(じじょう)、平方(へいほう)とも言う。 同じ数を3回かけあわせることを3乗(さんじょう)という。つまり、指数が3の累乗のことが3乗である。3乗のことを立方(りっぽう)ともいう。 同様に4回かけあわせることを4乗という。 上記のように (-a) と -a は違うので、気をつけよう。 下記のように分数や小数も、累乗してよい。 中学の段階では、自然数の指数のみを扱う。一般の実数の指数については高校の数学IIで扱う。 例: 負の数の逆数 − 3 2 {\displaystyle -{\frac {3}{2}}} に − 2 3 {\displaystyle -{\frac {2}{3}}} をかけると1になる。 よって逆数は − 2 3 {\displaystyle -{\frac {2}{3}}} である。 なお、この例からも分かるように、負の数についても逆数を決めることができる。 また、負の数の逆数は、負のままである。 また、0 の逆数は存在しない。なぜなら 0と掛けて積が1になる数は存在しないからである。 たとえば、次のような問題をとくとき、正負の数を活用すると手計算がラクになる場合が多い。 この週では、月曜から金曜までの5日間に、平均として1日あたり何冊、本が借りられたでしょうか? まず、目分量で、たとえば、おおよそ70冊あたりを基準として、 のように考える。すると、あとは、 の平均だけを求めればいい。 3 − 2 − 5 + 9 + 11 5 = 16 5 = 3.2 {\displaystyle {\frac {3-2-5+9+11}{5}}={\frac {16}{5}}=3.2} なので、70+3.2=73.2より、73.2冊が1日あたりの平均である。 (答え)1日あたり平均は73.2冊 . 式 3 − 2 − 5 + 9 + 11 5 {\displaystyle {\frac {3-2-5+9+11}{5}}} の計算中、3-2-5 の時点で、計算結果は -4 になる。中学の数学では、負数の存在を認めていることにより、計算をこのあとも続行でき、 -5の次の +9 +11 をそのまま続行できる。 もし、小学校算数のように負数を認めない場合、目分量として70ではなく、60や50など、もっと小さい数を基準にとらなければならなくなってしまう。 仮にだが、もし、水曜日の冊数が、65冊でなくて13冊のように、水曜日だけ極端に冊数が少なかったとしたら、負数を認めない小学算数では、基準の数を10冊など、大幅に下げる必要が生じてしまうので、そのせいで、ほかの曜日の冊数の基準からのズレの計算も大きくなってしまい、あまり計算がラクにならなくなってしまう。 この問題では、たまたま、この週の日ごとの貸し出し状況のバラツキが小さく、一目で見ても70あたりが基準だと分かりやすそうな貸し出し状況だったが、しかし、一般の平均の計算では、日ごとのバラツキが大きい場合もあるので、上記のように負数を応用しても平均計算があまりラクにならない場合もある。 なので、平均の計算では、あまり負数を使う方法にばかりコダわる必要は無い。 また、実務的には、現代では統計的な計算をする場合、パソコンの表計算ソフトなどを活用するのが通常である。(もっと日数が多くなったりした場合、手計算では手間が掛かる。) 自然数のうち、1とその数以外の約数がない数を 素数という。素数を小さい方から並べると、{2, 3, 5, 7, 11, 13, 17, 19, 23,...} となる。ここに含まれない {4, 6, 8, 9, 10, 12,... } は、いくつかの素数の積で合成することができる。 1は素数には含めない。2以外の素数は、全て奇数である。でも奇数だからといって、素数であるとは限らない。例えば、奇数の 7 や 11 は素数だが、同じく奇数の 9 は1と9以外に 3を約数に持つので素数ではない。 9 = 3 2 {\displaystyle 9=3^{2}} と合成できる合成数である。 また、2 と 3 以外の素数は、必ず6の倍数の前後の数である。でも、6の倍数の前後にある数だからといって、素数とは限らない。例えば、6×15=90 の前の数 89は素数だが、後の数 91は 1と 91以外に 7や13を約数に持つので素数ではない。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "中学校の学習 > 中学校数学 > 中学数学1年 > 正負の数", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "小学算数で学んだ足し算のうち、変化の結果を求める計算を加法(かほう)という。 値3から5だけ変化すると8になることを、3+5=8 と表す。数の値に変化がないことは、0を加える加法で示す。", "title": "加法・減法" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "小学算数で学んだ引き算のうち、数値の大小を比較する計算を減法(げんぽう)という。値8は3と比較すると5だけ大きいということを、8-3=5 と表す。値の等しい2数で引き算をすると、結果は0となる。", "title": "加法・減法" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "また、加法した結果を和(わ、英:sum サム)、減法した結果を差(さ、英:difference ディファレンス)という。", "title": "加法・減法" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "ただし、小学算数の数の知識では、値が減少する変化の結果を加法で求めることや、数の値をそれより大きな数と比較して差を求めることはできない。そこで新しい数「負の数」を導入する。", "title": "加法・減法" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "0°Cより3°C高い温度は「3°C」と表される。では、0°Cより3°C低い温度は何と表せばよいのだろうか。これを「氷点下3°C」という表現があるが、この温度を「 − 3 {\\displaystyle -3} °C」と表すこともある。", "title": "正の数・負の数" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "まずは、この単元で学ぶ言葉の説明をする。", "title": "正の数・負の数" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "ただし「0」は、「正の数」、「負の数」のどちらにも当てはまらない。「0」以外の数のことを「正負の数」と呼ぶ。", "title": "正の数・負の数" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "正負の数は、互いに反対の性質を持つ事柄を、まとめて示すときに使うことができる。", "title": "正の数・負の数" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "このように示すときには、どちらを正の数として表すのかはっきりさせる必要がある。", "title": "正の数・負の数" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "また、このように基準を決め、その基準からの過不足(どのくらい多い、または少ないか)や増減を、正負の数で表すこともできる。その場合、基準そのものの値は\"0\"と表される。", "title": "正の数・負の数" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "", "title": "正の数・負の数" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "", "title": "正の数・負の数" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "数を直線上の点に対応させた直線を数直線(すうちょくせん)という。数直線を使うと、数の大小をわかりやすくすることができる(下図)。 これは、ある直線上に原点(げんてん、意味:0の位置)と単位点をとることで完成する。単位点とは、「ここが1」「ここが − 5 {\\displaystyle -5} 」というように、原点からの距離をあらわす点である。 数直線では、右向きを「正の向き」として、右に行くほど大きな数を表す。一方、反対に左を「負の向き」として、左に行くほど小さな数を表すとする。原点をはさんで、全ての正の数は原点の右側、全ての負の数は原点の左に位置することになる。", "title": "正の数・負の数" }, { "paragraph_id": 14, "tag": "p", "text": "", "title": "正の数・負の数" }, { "paragraph_id": 15, "tag": "p", "text": "読者の中には「面積や体積のように、直線では表しづらい量の正負は、どうやって表すのか?」という疑問をいだく人もいるだろうが、とりあえずは、まず直線上の正負について考えてほしい。この本の後の節で、面積や体積などのような量の場合の正負についても解説をする。", "title": "正の数・負の数" }, { "paragraph_id": 16, "tag": "p", "text": "", "title": "正の数・負の数" }, { "paragraph_id": 17, "tag": "p", "text": "※ 小数や分数は、普通は整数ではない。たとえば1.3や 5 2 {\\displaystyle {\\frac {5}{2}}} は整数ではない。例外的に 1.0(=1) や 6 2 {\\displaystyle {\\frac {6}{2}}} (=3)など割り切れる数は整数である。", "title": "正の数・負の数" }, { "paragraph_id": 18, "tag": "p", "text": "", "title": "正の数・負の数" }, { "paragraph_id": 19, "tag": "p", "text": "そのため、「0」や、小数・分数は自然数とはいえない。", "title": "正の数・負の数" }, { "paragraph_id": 20, "tag": "p", "text": "たとえば 1.3 や 2 7 {\\displaystyle {\\frac {2}{7}}} は自然数ではない。", "title": "正の数・負の数" }, { "paragraph_id": 21, "tag": "p", "text": "正負の数の符号と絶対値の意味を、数直線を用いて確認しよう。", "title": "正負の数の符号と絶対値" }, { "paragraph_id": 22, "tag": "p", "text": "正負の数の符号は、数直線上の位置が、原点より右か左かの違いである。絶対値が同じであっても、正の数と負の数では、正反対の意味を持っている。即ち、数値の持つ意味を正反対にするには、絶対値はそのままで、符号を正から負の数に、また、負から正に変えればよい。このように、符号を変えた数にすることを符号を反転するという。符号を反転した数は、数直線上では原点について反対側の、点対称の位置にある。値 0にはもともと符号はないので、0の符号を反転しても 0のままで、値は変わらない。", "title": "正負の数の符号と絶対値" }, { "paragraph_id": 23, "tag": "p", "text": "一方、正負の数の絶対値は、原点からの距離で表された。原点から離れた位置にある数ほど絶対値は大きく、絶対値の小さい数ほど原点に近い位置で表される。数の符号を反転しても、原点からの距離、つまり絶対値は等しいままである。符号を反転した数を、もとの数の反数と呼ぶ。値0の反数は 0と考えるので、反数とは、和が 0である 2数のことだと考えてよい。反数である2数の和が 0になることを、相殺(そうさい)するという。", "title": "正負の数の符号と絶対値" }, { "paragraph_id": 24, "tag": "p", "text": "数を数直線上に表すとき、必ず右に行くほど大きくなるように並べる。", "title": "正負の数の符号と絶対値" }, { "paragraph_id": 25, "tag": "p", "text": "数の大小をまとめてみると、", "title": "正負の数の符号と絶対値" }, { "paragraph_id": 26, "tag": "p", "text": "ということがいえる。", "title": "正負の数の符号と絶対値" }, { "paragraph_id": 27, "tag": "p", "text": "< と > の記号は、2つの数の大小について表す記号で不等号(ふとうごう)という。 これは、開いているほうが閉じているほうよりも大きい数であることを表す。 対して、2つの数について、大小の差がなく同じであることを表す記号 = は等号(とうごう)という。", "title": "正負の数の符号と絶対値" }, { "paragraph_id": 28, "tag": "p", "text": "ここで、例えば「0は1より小さい」というのは 0<1 あるいは 1>0 と書くことができる。また、これは「0は1より小さい」または「0は1未満(みまん)値を持つ」と表現される。 不等号を含む式を不等式(ふとうしき)といい、0<1 は「0 小(ショウ)なり 1」、1>0 は「1 大(ダイ)なり 0」と読む。", "title": "正負の数の符号と絶対値" }, { "paragraph_id": 29, "tag": "p", "text": "いままでは、正の数に正の数を足すことはしてきたが、負の数に正の数を足すことはしてこなかったことだろう。では、負の数に正の数を足す計算はどのようにすればよいか。やり方を考えてみよう。", "title": "負の数の加法と減法" }, { "paragraph_id": 30, "tag": "p", "text": "そのための準備として、まず、正の数に正の数を足すことを数直線で表してみよう。", "title": "負の数の加法と減法" }, { "paragraph_id": 31, "tag": "p", "text": "このように、2+3というのは数直線上で2から3だけ右に動いた数ということになる。同じようにして負の数に正の数を足してみよう。", "title": "負の数の加法と減法" }, { "paragraph_id": 32, "tag": "p", "text": "(−4)から3だけ右に動いた数は-1ということがわかる。つまり、(-4)より3大きい数は(−1)ということになる。", "title": "負の数の加法と減法" }, { "paragraph_id": 33, "tag": "p", "text": "これで、負の数に正の数を足すことができるようになった。 これは、0をまたいでも同じようにできる。", "title": "負の数の加法と減法" }, { "paragraph_id": 34, "tag": "p", "text": "つぎに、負の数を足すことを考えてみよう。", "title": "負の数の加法と減法" }, { "paragraph_id": 35, "tag": "p", "text": "#正の数と負の数との大小で学んだことを用いてみよう。 3+(-1)は「3よりも(-1)大きい数」だから、負の数の意味が、反対の大きさを持つことを考えて、日常に近い表現に改めると「3よりも(+1)小さい数」となる。よって、3より1小さい数を求めればよい。", "title": "負の数の加法と減法" }, { "paragraph_id": 36, "tag": "p", "text": "#正の数と負の数との大小で学んだことを用いてみよう。 36+(-11)は「36よりも(-11)大きい数」というのは、すなわち「36よりも(+11)小さい数」となる。よって、36より11小さい数を求めればよい。", "title": "負の数の加法と減法" }, { "paragraph_id": 37, "tag": "p", "text": "ある数よりも小さい数を求めるとき、あるいは数の値がもとの値よりも小さくなるとき、小学算数では引き算を用いてきたことだろう。じっさい、負の数を加える加法の計算を「値を減らして/引いて」と表現することは日常的に行われている。しかし、分かりやすいからといって、いちいち加法の計算を引き算に直して計算していたのでは、負の数に負の数を加えたときの加法の和や、絶対値の小さい正の数と絶対値の大きな負の数の和の意味を理解したり、実際に計算をして値を求めることは難しい。小学算数の引き算に頼ることなく、負の数を加える加法は、値が減る変化の結果であることを正しく理解し、加法は加法のままで計算できることが大切である。", "title": "負の数の加法と減法" }, { "paragraph_id": 38, "tag": "p", "text": "小学算数では、大きい正の数から小さい正の数を引くことや、同じ値の数同士の差が0になることは学習してきたが、値の小さい数から大きい数を引くことは、負の数が使えない制約から行ってこなかった。また、負の数から別の数を引く計算も扱わなかった。", "title": "負の数の加法と減法" }, { "paragraph_id": 39, "tag": "p", "text": "まず、加法の時と同じように、小学算数でも扱ってきた、正の数どうしの減法で、値の大きい数から値の小さい数を引く計算を、数直線上で理解しておこう。", "title": "負の数の加法と減法" }, { "paragraph_id": 40, "tag": "p", "text": "減法が2数の値を比較するという意味を持つ計算であること、減法の結果(差)が、引かれる数(前の数)について、引く数(後の数)と比べてどれだけ大きいかを表していることに注意しよう。これと同様に、負の数から正の数を引く減法の意味も数直線上で確認しよう。", "title": "負の数の加法と減法" }, { "paragraph_id": 41, "tag": "p", "text": "(−1)は、+3から見て4だけ小さい値を持つ数なので、差は(-4)であることがわかる。 これで、負の数から正の数を引くことができるようになった。 また、小さい値の数から大きい値の数を引く減法も、同じように計算することができる。", "title": "負の数の加法と減法" }, { "paragraph_id": 42, "tag": "p", "text": "", "title": "負の数の加法と減法" }, { "paragraph_id": 43, "tag": "p", "text": "3は(-2)と比較すると、5だけ大きい値を持つ数なので、差は(+5)であることがわかる。 これで、正の数から負の数を引くことができるようになった。", "title": "負の数の加法と減法" }, { "paragraph_id": 44, "tag": "p", "text": "正負の数の減法を正しく理解するためには、このように減法が 2数の値を比較する計算であること/引く数の値の大小を、引かれる数と比べて考えることの2点をしっかり押さえよう。", "title": "負の数の加法と減法" }, { "paragraph_id": 45, "tag": "p", "text": "その上で、減法の計算方法にはもうひとつ、加法に直して計算する方法がある。先程の例で、出てくる数の絶対値に注目しよう。「3」と「2」から「5」が出てきている。これではただの足し算を連想させる。しかも、これは偶然ではない。その理由を説明しよう。", "title": "負の数の加法と減法" }, { "paragraph_id": 46, "tag": "p", "text": "そのために、まず反数について述べておく。反数とは、絶対値が等しく、符号が反対の2数を指す。(-3)の反数は(+3)であり、(+7)と(-7)は互いに反数である。ここで、0の反数は 0、と決めておけば、反数は「和が 0になるような 2数」と定義できる。反数どうしの2数の和が打ち消しあって 0になることを相殺(そうさい)するという。", "title": "負の数の加法と減法" }, { "paragraph_id": 47, "tag": "p", "text": "一方、0と数を加えると、加えた数に等しくなる。0+3=3 となるのは、0より3だけ大きい数は3だといっている。これは当然だ。 ここで、(-2)+3+(+2) は、3と等しい。加えた 3つの数のうち、(-2)と(+2)は互いに反数なので、相殺して 0に等しくなるからである。これを使って 減法 3-(-2) を計算してみよう。3の代わりに、これと値の等しい (-2)+3+(+2) を使って計算を進めてみよう。", "title": "負の数の加法と減法" }, { "paragraph_id": 48, "tag": "p", "text": "中かっこの中は「(-2)よりも3+(+2)だけ大きい数」という意味だから、これと(−2)を比較すれば、差は 3+(+2) となる。これはもとの減法の引く数を反数とすり替えて、加法に直した式に他ならない。他の値を使った減法でも、同じ方法で加法に直して計算することができる。 このようにすれば、減法を、引く数を反数と置き換えて、加法に直して計算することができる。これらの方法を用いれば、負の数を含む加減、小さい数から大きい数を引く、といったことが容易にできる。", "title": "負の数の加法と減法" }, { "paragraph_id": 49, "tag": "p", "text": "このように、数の前についた符号としてのマイナス − は、引き算の − 記号と同じように扱って良い。というより、そもそも、このような、「数の前の不足・減少を表すための符号と、引き算の記号とを、同じと見なして良い。」という発想があるからこそ、数の前の不足・減少を表すための符号と、引き算の記号とを、同じ記号 − を用いているのである。", "title": "負の数の加法と減法" }, { "paragraph_id": 50, "tag": "p", "text": "掛け算のことを乗法(じょうほう)、割り算のことを除法(じょほう)という。", "title": "乗法・除法" }, { "paragraph_id": 51, "tag": "p", "text": "また、乗法した結果を積(せき、英:product プロダクト)といい、除法した結果を商(しょう、英:quotient クォウシェント)という。", "title": "乗法・除法" }, { "paragraph_id": 52, "tag": "p", "text": "今までには正の数と正の数の掛け算、つまり、正の数どうしの乗法をしてきたが、負の数と正の数の乗法、負の数どうしの乗法はどうなるのだろうか。", "title": "乗法・除法" }, { "paragraph_id": 53, "tag": "p", "text": "まず、正の数どうしの乗法について調べてみよう。", "title": "乗法・除法" }, { "paragraph_id": 54, "tag": "p", "text": "このように、「かけられる数」の絶対値をひとつの単位として「かける数」の個数だけ右に進めていったものが「積」として得られることになる。", "title": "乗法・除法" }, { "paragraph_id": 55, "tag": "p", "text": "正の数どうしの乗法は、正の数が正の数だけあるということだから、数直線ではどんな正の数を掛け合わせても正の方向になる。よって、正の数どうしの積は正の数となる。", "title": "乗法・除法" }, { "paragraph_id": 56, "tag": "p", "text": "次は、正の数と負の数の乗法について調べてみよう。", "title": "乗法・除法" }, { "paragraph_id": 57, "tag": "p", "text": "例: いま、ある地点で人が歩いている。その人は、西へ秒速2mで進んでいる。 3秒後には、どうなっているだろうか。 また、3秒前はどうなっていただろうか。", "title": "乗法・除法" }, { "paragraph_id": 58, "tag": "p", "text": "これも、数直線で表してみよう。 東を正の方向とすると、西へ秒速2mとは、東へ秒速-2mということだから、この問題の式は、-2×3となる。", "title": "乗法・除法" }, { "paragraph_id": 59, "tag": "p", "text": "図を見てわかるように、2秒後では−4m東へ、3秒後では-6m東へ行っていることがわかる。 さらに、2秒前は4m東へ、3秒後では6m東へ行っている。だから、正の数と負の数の積は負の数になり、負の数どうしの乗算の積は正の数になる。 今は、東(西)に0m進んでいると考えることができる。", "title": "乗法・除法" }, { "paragraph_id": 60, "tag": "p", "text": "以上のことを組み合わせ、次の計算をしてみよう。", "title": "乗法・除法" }, { "paragraph_id": 61, "tag": "p", "text": "上記の問題と同じように計算し、答えは30 。", "title": "乗法・除法" }, { "paragraph_id": 62, "tag": "p", "text": "", "title": "乗法・除法" }, { "paragraph_id": 63, "tag": "p", "text": "(※ 1つ目と2つ目がプラスになってる。)実際に計算してみて、答えは24とわかる。", "title": "乗法・除法" }, { "paragraph_id": 64, "tag": "p", "text": "", "title": "乗法・除法" }, { "paragraph_id": 65, "tag": "p", "text": "(※ 1つ目がプラスになってる。)上記の問題と同じように計算し、答えは-24。", "title": "乗法・除法" }, { "paragraph_id": 66, "tag": "p", "text": "", "title": "乗法・除法" }, { "paragraph_id": 67, "tag": "p", "text": "(※ 四つともマイナス。)上記の問題と同じように計算し、答えは24 。", "title": "乗法・除法" }, { "paragraph_id": 68, "tag": "p", "text": "ここで、上記のいくつかの計算例での積の符号について、何か気づいたことは無いだろうか?", "title": "乗法・除法" }, { "paragraph_id": 69, "tag": "p", "text": "具体例で考えてみよう。", "title": "乗法・除法" }, { "paragraph_id": 70, "tag": "p", "text": "答えは いくらだろうか?", "title": "乗法・除法" }, { "paragraph_id": 71, "tag": "p", "text": "まず、(-2)×3= -6 なので、おそらく", "title": "乗法・除法" }, { "paragraph_id": 72, "tag": "p", "text": "となりそうだと思うだろう。", "title": "乗法・除法" }, { "paragraph_id": 73, "tag": "p", "text": "では、-2 のほかには答えは無いだろうか?", "title": "乗法・除法" }, { "paragraph_id": 74, "tag": "p", "text": "まず、3に、+2を掛けても、答えはプラスの数になってしまう。なので、 (-6)÷3の答えは、どうやら負の数のようであるので、負の数だけを探せばいい。", "title": "乗法・除法" }, { "paragraph_id": 75, "tag": "p", "text": "-2でない数を3に掛けてみても、6以外の数になることを確かめてみる。 たとえば -2.1 を 3 に掛けてみても -2.1×3 = -6.3 であり、6ではない数になる。", "title": "乗法・除法" }, { "paragraph_id": 76, "tag": "p", "text": "よって、", "title": "乗法・除法" }, { "paragraph_id": 77, "tag": "p", "text": "である。", "title": "乗法・除法" }, { "paragraph_id": 78, "tag": "p", "text": "", "title": "乗法・除法" }, { "paragraph_id": 79, "tag": "p", "text": "上述の例のように、負の数をふくむ割り算でも、小学校で割り算を習ったときのように、掛け算にもどって答えを探せばいい。", "title": "乗法・除法" }, { "paragraph_id": 80, "tag": "p", "text": "また、負の数を正で割った結果は、負の数になる。", "title": "乗法・除法" }, { "paragraph_id": 81, "tag": "p", "text": "正の数を負の数で割った場合は、負の数になる。", "title": "乗法・除法" }, { "paragraph_id": 82, "tag": "p", "text": "負の数を負の数で割った場合は、正の数になる。 0を0以外のどんな数で割っても、0である。(どんな数も、0では割れない。)", "title": "乗法・除法" }, { "paragraph_id": 83, "tag": "p", "text": "加法、減法、乗法、除法をまとめて 四則(しそく) という。", "title": "数の集合と四則計算の可能性" }, { "paragraph_id": 84, "tag": "p", "text": "次の式の ◻ , △ {\\displaystyle \\Box ,\\triangle } にどんな自然数を入れても、計算の結果がいつでも自然数になるだろうか。", "title": "数の集合と四則計算の可能性" }, { "paragraph_id": 85, "tag": "p", "text": "(1) ◻ + △ {\\displaystyle \\Box +\\triangle }", "title": "数の集合と四則計算の可能性" }, { "paragraph_id": 86, "tag": "p", "text": "(2) ◻ − △ {\\displaystyle \\Box -\\triangle }", "title": "数の集合と四則計算の可能性" }, { "paragraph_id": 87, "tag": "p", "text": "(3) ◻ × △ {\\displaystyle \\Box \\times \\triangle }", "title": "数の集合と四則計算の可能性" }, { "paragraph_id": 88, "tag": "p", "text": "(4) ◻ ÷ △ {\\displaystyle \\Box \\div \\triangle }", "title": "数の集合と四則計算の可能性" }, { "paragraph_id": 89, "tag": "p", "text": "(1)と(3)はいつでも自然数になる。しかし、 2 − 3 = − 1 {\\displaystyle 2-3=-1} や 2 ÷ 3 = 2 3 {\\displaystyle 2\\div 3={\\frac {2}{3}}} のように、(2)と(4)は自然数にならない場合がある。 つまり、自然数の範囲では、加法と乗法はいつでもできるが、減法と除法は、いつでもできるとは限らない。", "title": "数の集合と四則計算の可能性" }, { "paragraph_id": 90, "tag": "p", "text": "では、上の ◻ , △ {\\displaystyle \\Box ,\\triangle } にどんな整数を入れても、計算の結果がいつでも整数になるだろうか。", "title": "数の集合と四則計算の可能性" }, { "paragraph_id": 91, "tag": "p", "text": "(1)、(2)、(3)はいつでも整数になる。しかし、 ( − 2 ) ÷ 3 = − 2 3 {\\displaystyle (-2)\\div 3=-{\\frac {2}{3}}} のように、(4)は整数にならない場合がある。 つまり、整数の範囲では、加法、減法、乗法はいつでもできるが、除法は、いつでもできるとは限らない。", "title": "数の集合と四則計算の可能性" }, { "paragraph_id": 92, "tag": "p", "text": "分数(ぶんすう)では、どうだろうか。分数どうしの計算では、値が整数になることもある。しかし、整数も分母が1の分数だとみなすことにすれば、上の ◻ , △ {\\displaystyle \\Box ,\\triangle } にどんな分数を入れても、計算の結果がいつでも分数になる。つまり、分数の範囲では、加法、減法、乗法、除法はいつでもできる。", "title": "数の集合と四則計算の可能性" }, { "paragraph_id": 93, "tag": "p", "text": "今までの結果を表にまとめると次のようになる。 ◯ {\\displaystyle \\bigcirc } はその範囲でいつでも可能な場合、 △ {\\displaystyle \\triangle } はいつでも可能と限らない場合である。ただし、除法では、0でわる場合は除いて考える。", "title": "数の集合と四則計算の可能性" }, { "paragraph_id": 94, "tag": "p", "text": "", "title": "数の集合と四則計算の可能性" }, { "paragraph_id": 95, "tag": "p", "text": "", "title": "数の集合と四則計算の可能性" }, { "paragraph_id": 96, "tag": "p", "text": "自然数の集合にふくまれる数どうしでは、加法と乗法がいつでもできる。", "title": "数の集合と四則計算の可能性" }, { "paragraph_id": 97, "tag": "p", "text": "整数の集合は、自然数(正の整数)の他、0や負の整数を合わせたものになる。", "title": "数の集合と四則計算の可能性" }, { "paragraph_id": 98, "tag": "p", "text": "整数の集合にふくまれる数どうしでは、加法と減法と乗法とがいつでもできる。", "title": "数の集合と四則計算の可能性" }, { "paragraph_id": 99, "tag": "p", "text": "整数の集合は、そのなかに自然数の集合をふくんでいる。", "title": "数の集合と四則計算の可能性" }, { "paragraph_id": 100, "tag": "p", "text": "また、自然数から見れば、自然数の集合は整数の集合に含まれている。", "title": "数の集合と四則計算の可能性" }, { "paragraph_id": 101, "tag": "p", "text": "数全体の集合には、整数の他に、小数や分数も含むこととなる。", "title": "数の集合と四則計算の可能性" }, { "paragraph_id": 102, "tag": "p", "text": "数全体の集合のなかの数どうしでは、加法・減法・乗法・除法がいつでもできる。", "title": "数の集合と四則計算の可能性" }, { "paragraph_id": 103, "tag": "p", "text": "つまり、", "title": "数の集合と四則計算の可能性" }, { "paragraph_id": 104, "tag": "p", "text": "数全体の集合のなかの数どうしでは、四則計算がいつでもできる。", "title": "数の集合と四則計算の可能性" }, { "paragraph_id": 105, "tag": "p", "text": "このように、数の範囲を、自然数の集合から整数の集合へ、さらに数全体の集合へと広げていくことで、それまでできなかった計算ができるようになる。", "title": "数の集合と四則計算の可能性" }, { "paragraph_id": 106, "tag": "p", "text": "今までの説明では、説明の簡単化のため、マイナスの計算例や応用例では、数直線、または数直線上に表しやすい左右や東西などの方向とか、あるいは金額や時間などのように 直線の「長さ」 で対応させやすい量を例にして説明してきた。だが、なにもマイナスの利用法は直線や数直線で表せる量だけではない。", "title": "面積や体積でのマイナスの量" }, { "paragraph_id": 107, "tag": "p", "text": "たとえば、長方体の面積や立方体の体積を計算するのに、マイナス符号を用いてみても良い。というより、そもそもマイナスは、数直線や「長さ」などの線で表せる量だけに限らず、もし数で表せる量ならば、面積や体積などもまた、マイナス符号 − の数を計算に用いることができるからこそ、マイナスの数が「数」として数学では認められ、マイナスの数の理論が作られているのである。", "title": "面積や体積でのマイナスの量" }, { "paragraph_id": 108, "tag": "p", "text": "マイナスの面積・体積の説明を学ぶ前に、ひとまずプラス符号の面積や体積について復習しよう。プラス符号は省略できるから、つまり小学校の算数で計算練習した普通の面積や体積は、プラス符号を省略した面積・体積などとみなせるので、小学校で習った面積・体積はプラス符号の面積や体積として見なして良い。", "title": "面積や体積でのマイナスの量" }, { "paragraph_id": 109, "tag": "p", "text": "では、これから、マイナスの数の面積や体積などの理論が成り立つことを、とりあえず面積の場合で、確認してみよう。", "title": "面積や体積でのマイナスの量" }, { "paragraph_id": 110, "tag": "p", "text": "たとえば長方形の面積なら、長方形の縦の長さを正の ○ cm として、横の長さを △ cm として、面積 ○×△ cm を面積の基準にしたとすれば、マイナスの計算例として、この四角形から横の長さを −3cmだけ変化させた時は、つまり横を3cm減らした時は、面積は ○×(−3) cm だけ変化する。つまり面積は ○×(3) cm 減る。横の長さを3cm減らした後の面積は、 ○×(△−3) cm である。逆に横の長さを4cm増やした場合は、面積の変化は ○×(+4) であり、変化後の面積は ○×(△+4) である。", "title": "面積や体積でのマイナスの量" }, { "paragraph_id": 111, "tag": "p", "text": "まとめて表すと、四角形の縦の長さを ○ cm として、横の長さを △ cm として、横の長さを □ cm だけ変化させると、面積の変化分は ○×□ であり、変化後の面積は、 ○×(△+□) である。横の長さを増やした場合は、□に正の数が入り、横の長さを減らした場合は、□に負の数が入る。", "title": "面積や体積でのマイナスの量" }, { "paragraph_id": 112, "tag": "p", "text": "また、面積で考えても、加法・減法や乗法・除法の交換法則、結合法則・分配法則などの法則は成り立つ。 読者は、自分で長方形の図を書いてみて、面積などを計算してみて、確かめてみよ。", "title": "面積や体積でのマイナスの量" }, { "paragraph_id": 113, "tag": "p", "text": "説明の簡単化のため、縦の長さ ○ を正としておいて、負数どうしの掛け算を考えなくても済むように説明したが、負数どうしの掛け算も次のようにして面積で作図できる。たとえば、縦の長さ ○ cm から、変化分として B cm だけ長さを減らしたとして、 面積 (○−B)×(△−3) cm を持つ長方形の図を作図すれば、負数どうしの掛け算も作図できる。この場合は(−B)×(−3)を作図したことになる。", "title": "面積や体積でのマイナスの量" }, { "paragraph_id": 114, "tag": "p", "text": "読者は、自分で、負数どうしの掛け算を表した長方形の図を書いてみて、面積などを計算してみて、負数どうしの掛け算でも、交換法則、結合法則・分配法則が成り立つことを確かめてみよ。", "title": "面積や体積でのマイナスの量" }, { "paragraph_id": 115, "tag": "p", "text": "読者は、小学校の時に算数で、「大小」や「多少」など大きさをもった、さまざまな量(たとえば、長さ、面積、体積、重さ、時間、個数、人数、金額、・・・・・・)の計算例を、習ってきたと思う。そのような大きさを持った様々な量で、必要に応じてプラスやマイナスの符号を用いて良い。", "title": "面積や体積でのマイナスの量" }, { "paragraph_id": 116, "tag": "p", "text": "のように書く。 また、4 は「4の3じょう」と読み、 4×4×4 を意味する。", "title": "累乗と逆数" }, { "paragraph_id": 117, "tag": "p", "text": "このように、かけあわせる回数がn回なら、「n乗」と読む。", "title": "累乗と逆数" }, { "paragraph_id": 118, "tag": "p", "text": "また、累乗において、かけあわされる数のことを底(てい)、かけあわせる回数のことを累乗の指数(しすう)、かけ合わされた結果の値を羃(べき)という。 たとえば、累乗", "title": "累乗と逆数" }, { "paragraph_id": 119, "tag": "p", "text": "の底は 4、指数は 3、羃は 64 である。なお、かつて羃は累乗やそれに関わる広い意味に使われる言葉だったが、累乗や指数を用いた表現に言い換えが進み、今では一部の熟語以外は、累乗の結果の値、という意味に使われるのみである。", "title": "累乗と逆数" }, { "paragraph_id": 120, "tag": "p", "text": "同じ数を2回かけあわせることを2乗(にじょう)という。つまり、指数が2の累乗のことが2乗である。2乗のことを、自乗(じじょう)、平方(へいほう)とも言う。", "title": "累乗と逆数" }, { "paragraph_id": 121, "tag": "p", "text": "同じ数を3回かけあわせることを3乗(さんじょう)という。つまり、指数が3の累乗のことが3乗である。3乗のことを立方(りっぽう)ともいう。", "title": "累乗と逆数" }, { "paragraph_id": 122, "tag": "p", "text": "同様に4回かけあわせることを4乗という。", "title": "累乗と逆数" }, { "paragraph_id": 123, "tag": "p", "text": "", "title": "累乗と逆数" }, { "paragraph_id": 124, "tag": "p", "text": "上記のように (-a) と -a は違うので、気をつけよう。", "title": "累乗と逆数" }, { "paragraph_id": 125, "tag": "p", "text": "下記のように分数や小数も、累乗してよい。", "title": "累乗と逆数" }, { "paragraph_id": 126, "tag": "p", "text": "中学の段階では、自然数の指数のみを扱う。一般の実数の指数については高校の数学IIで扱う。", "title": "累乗と逆数" }, { "paragraph_id": 127, "tag": "p", "text": "例: 負の数の逆数", "title": "累乗と逆数" }, { "paragraph_id": 128, "tag": "p", "text": "− 3 2 {\\displaystyle -{\\frac {3}{2}}} に − 2 3 {\\displaystyle -{\\frac {2}{3}}} をかけると1になる。", "title": "累乗と逆数" }, { "paragraph_id": 129, "tag": "p", "text": "よって逆数は − 2 3 {\\displaystyle -{\\frac {2}{3}}} である。", "title": "累乗と逆数" }, { "paragraph_id": 130, "tag": "p", "text": "なお、この例からも分かるように、負の数についても逆数を決めることができる。", "title": "累乗と逆数" }, { "paragraph_id": 131, "tag": "p", "text": "また、負の数の逆数は、負のままである。", "title": "累乗と逆数" }, { "paragraph_id": 132, "tag": "p", "text": "また、0 の逆数は存在しない。なぜなら 0と掛けて積が1になる数は存在しないからである。", "title": "累乗と逆数" }, { "paragraph_id": 133, "tag": "p", "text": "たとえば、次のような問題をとくとき、正負の数を活用すると手計算がラクになる場合が多い。", "title": "正負の数の活用" }, { "paragraph_id": 134, "tag": "p", "text": "この週では、月曜から金曜までの5日間に、平均として1日あたり何冊、本が借りられたでしょうか?", "title": "正負の数の活用" }, { "paragraph_id": 135, "tag": "p", "text": "", "title": "正負の数の活用" }, { "paragraph_id": 136, "tag": "p", "text": "まず、目分量で、たとえば、おおよそ70冊あたりを基準として、", "title": "正負の数の活用" }, { "paragraph_id": 137, "tag": "p", "text": "のように考える。すると、あとは、", "title": "正負の数の活用" }, { "paragraph_id": 138, "tag": "p", "text": "の平均だけを求めればいい。", "title": "正負の数の活用" }, { "paragraph_id": 139, "tag": "p", "text": "3 − 2 − 5 + 9 + 11 5 = 16 5 = 3.2 {\\displaystyle {\\frac {3-2-5+9+11}{5}}={\\frac {16}{5}}=3.2}", "title": "正負の数の活用" }, { "paragraph_id": 140, "tag": "p", "text": "なので、70+3.2=73.2より、73.2冊が1日あたりの平均である。", "title": "正負の数の活用" }, { "paragraph_id": 141, "tag": "p", "text": "(答え)1日あたり平均は73.2冊 .", "title": "正負の数の活用" }, { "paragraph_id": 142, "tag": "p", "text": "", "title": "正負の数の活用" }, { "paragraph_id": 143, "tag": "p", "text": "式 3 − 2 − 5 + 9 + 11 5 {\\displaystyle {\\frac {3-2-5+9+11}{5}}} の計算中、3-2-5 の時点で、計算結果は -4 になる。中学の数学では、負数の存在を認めていることにより、計算をこのあとも続行でき、", "title": "正負の数の活用" }, { "paragraph_id": 144, "tag": "p", "text": "-5の次の +9 +11 をそのまま続行できる。", "title": "正負の数の活用" }, { "paragraph_id": 145, "tag": "p", "text": "もし、小学校算数のように負数を認めない場合、目分量として70ではなく、60や50など、もっと小さい数を基準にとらなければならなくなってしまう。", "title": "正負の数の活用" }, { "paragraph_id": 146, "tag": "p", "text": "仮にだが、もし、水曜日の冊数が、65冊でなくて13冊のように、水曜日だけ極端に冊数が少なかったとしたら、負数を認めない小学算数では、基準の数を10冊など、大幅に下げる必要が生じてしまうので、そのせいで、ほかの曜日の冊数の基準からのズレの計算も大きくなってしまい、あまり計算がラクにならなくなってしまう。", "title": "正負の数の活用" }, { "paragraph_id": 147, "tag": "p", "text": "", "title": "正負の数の活用" }, { "paragraph_id": 148, "tag": "p", "text": "この問題では、たまたま、この週の日ごとの貸し出し状況のバラツキが小さく、一目で見ても70あたりが基準だと分かりやすそうな貸し出し状況だったが、しかし、一般の平均の計算では、日ごとのバラツキが大きい場合もあるので、上記のように負数を応用しても平均計算があまりラクにならない場合もある。", "title": "正負の数の活用" }, { "paragraph_id": 149, "tag": "p", "text": "なので、平均の計算では、あまり負数を使う方法にばかりコダわる必要は無い。", "title": "正負の数の活用" }, { "paragraph_id": 150, "tag": "p", "text": "また、実務的には、現代では統計的な計算をする場合、パソコンの表計算ソフトなどを活用するのが通常である。(もっと日数が多くなったりした場合、手計算では手間が掛かる。)", "title": "正負の数の活用" }, { "paragraph_id": 151, "tag": "p", "text": "自然数のうち、1とその数以外の約数がない数を 素数という。素数を小さい方から並べると、{2, 3, 5, 7, 11, 13, 17, 19, 23,...} となる。ここに含まれない {4, 6, 8, 9, 10, 12,... } は、いくつかの素数の積で合成することができる。", "title": "正負の数の活用" }, { "paragraph_id": 152, "tag": "p", "text": "1は素数には含めない。2以外の素数は、全て奇数である。でも奇数だからといって、素数であるとは限らない。例えば、奇数の 7 や 11 は素数だが、同じく奇数の 9 は1と9以外に 3を約数に持つので素数ではない。 9 = 3 2 {\\displaystyle 9=3^{2}} と合成できる合成数である。", "title": "正負の数の活用" }, { "paragraph_id": 153, "tag": "p", "text": "また、2 と 3 以外の素数は、必ず6の倍数の前後の数である。でも、6の倍数の前後にある数だからといって、素数とは限らない。例えば、6×15=90 の前の数 89は素数だが、後の数 91は 1と 91以外に 7や13を約数に持つので素数ではない。", "title": "正負の数の活用" } ]
中学校の学習 > 中学校数学 > 中学数学1年 > 正負の数
{{pathnav|中学校の学習|中学校数学|中学数学1年|pagename=正負の数}} == 加法・減法 == 小学算数で学んだ足し算のうち、変化の結果を求める計算を'''加法'''(かほう)という。 値3から5だけ変化すると8になることを、3+5=8 と表す。数の値に変化がないことは、0を加える加法で示す。 小学算数で学んだ引き算のうち、数値の大小を比較する計算を'''減法'''(げんぽう)という。値8は3と比較すると5だけ大きいということを、8-3=5 と表す。値の等しい2数で引き算をすると、結果は0となる。 また、加法した結果を'''和'''(わ、英:sum サム)、減法した結果を'''差'''(さ、英:difference ディファレンス)という。 ただし、小学算数の数の知識では、値が減少する変化の結果を加法で求めることや、数の値をそれより大きな数と比較して差を求めることはできない。そこで新しい数「負の数」を導入する。 == 正の数・負の数 == 0℃より3℃高い温度は「3℃」と表される。では、0℃より3℃低い温度は何と表せばよいのだろうか。これを「氷点下3℃」という表現があるが、この温度を「<math>-3</math>℃」と表すこともある。 まずは、この単元で学ぶ言葉の説明をする。 ;[[w:正の数と負の数|正の数(せいのすう)]] :今までに普通に使ってきた数で、0より大きい数を'''正の数'''(せいのかず/せいのすう)という。 ::例: <math>1,12,5.5,\frac{1}{3}</math> など ;[[w:正の数と負の数|負の数(ふのすう)]] :それに対して、ここで新しく学ぶ、0より前の小さい数を'''負の数'''(ふのかず/ふのすう)という。0より小さい数を表すために、<math>-</math>(マイナス)というものを数の前につける。ここで用いられる数の前のマイナス記号「<math>-</math>」は、小学校の引き算で用いた「<math>-</math>」と、同じ記号である。どうして同じ記号を用いてもよいのか、混乱しないのかについては、後述する。 ::例: <math>-1,-12,-5.5,-\frac{1}{3}</math> など ::: 「<math>-1</math>」は「マイナス1」と読む。 「<math>-12</math>」は「マイナス12」と読む。 ただし「0」は、「正の数」、「負の数」のどちらにも'''当てはまらない'''。「0」以外の数のことを「正負の数」と呼ぶ。 ;量を表す 正負の数は、互いに反対の性質を持つ事柄を、まとめて示すときに使うことができる。 :たとえば、200円の収入を"<math>+</math>200円の収入"としたとき、300円の支出は"<math>-300</math>円の収入"とあらわすことができる。 このように示すときには、どちらを正の数として表すのかはっきりさせる必要がある。 :前の例で支出を基準とすると、それぞれ、"<math>-200</math>円の支出"、"300円の支出"といえるからだ。 また、このように基準を決め、その基準からの過不足(どのくらい多い、または少ないか)や増減を、正負の数で表すこともできる。その場合、基準そのものの値は"0"と表される。 :たとえば、1日に20分走る、という目標を立てた人が、1日目に37分走ったとすると、目標の20分より17分長いから"<math>+</math>17分"と記録されることになる。 :この次の日に、15分だけ走ったとすると、目標よりも5分短いから、2日目の記録は "<math>-5</math>分"と表される。 :3日目に、ちょうど20分だけ走ったとすると、この日の記録は"0分"となるが、これは全く走っていなかったという意味ではない。 :さて、これを利用すると、簡単に平均を求めることができる。 :上の例で、3日間での、1日あたりに走った時間の平均を求めてみよう。 :目標を基準としたときの、1日に走った時間はそれぞれ、"<math>+</math>17分"、"<math>-5</math>分"、"0分"で、 :走った時間の記録の合計は、それらの和として計算できるから、 ::<math>+(17)+(-5)+0 = +12</math> :3日間の合計12分となって、1日当たりの平均は<math>+</math>4となる。これは、基準の20分と比べたとき、平均で4分余計に走っていた、ということを表しているので、答えは24分と求められる。 :負の数の計算のしかたは[[{{PAGENAME}}#加法・減法|加法・減法のセクション]]を見てみよう。 ;符号 :正負の数の値が、0よりも大きいか、小さいかの区別を、数の'''符号'''(ふごう)と呼ぶ。 :数の符号を表すために、数字の前に付ける記号も、また符号と呼ばれ、正の符号 '''<math>+</math>'''(プラス) と、負の符号 '''<math>-</math>'''(マイナス) の2種類がある。 :正の符号 '''<math>+</math>'''は加法の記号 <math>+</math> と同じ記号である。ただし、この数の前の符号としての<math>+</math>は、必要がないかぎり普通は省略して、書く手間をはぶくことがある。いっぽう、足し算の記号としての、足す数と足される数との間にある <math>+</math> も、符号をつけた数を扱うときには、省略されることがある。これから、この本で説明するが、0より大きいことを表す記号と、足し算の記号とは、同じような計算方法をすることになる。そのため、0より大きいことを表す記号と、足し算記号とで、同じ記号 <math>+</math> を用いている。 :負の符号 '''<math>-</math>'''は減法の記号 <math>-</math> と同じ記号である。ただし、符号でも減法でも、<math>-=</math> を省略してしまうと意味が変わってしまうので、書く手間を惜しんで省略することはできない。 :数の大きさを表す 0 には、特別な理由が無いかぎりは正の符号 <math>+</math> も負の符号 <math>-</math> も付けない。 ; 数直線(すうちょくせん) 数を直線上の点に対応させた直線を'''数直線'''(すうちょくせん)という。数直線を使うと、数の大小をわかりやすくすることができる(下図)。 これは、ある直線上に'''原点'''(げんてん、意味:0の位置)と単位点をとることで完成する。単位点とは、「ここが1」「ここが<math>-5</math>」というように、原点からの距離をあらわす点である。 数直線では、右向きを「正の向き」として、右に行くほど大きな数を表す。一方、反対に左を「負の向き」として、左に行くほど小さな数を表すとする。原点をはさんで、全ての正の数は原点の右側、全ての負の数は原点の左に位置することになる。 <div style="float:left; margin-left: 1em; text-align:center">[[画像:Real_Number_Line.png]]<br>数直線</div><br><br><br> 読者の中には「面積や体積のように、直線では表しづらい量の正負は、どうやって表すのか?」という疑問をいだく人もいるだろうが、とりあえずは、まず直線上の正負について考えてほしい。この本の後の節で、面積や体積などのような量の場合の正負についても解説をする。 ;整数(せいすう) :1 , 2 , 3 , ・・・などといった、一の位よりも小さい位のない数を'''整数'''(せいすう)という。整数には<math>-1</math>,<math>-2</math>,<math>-3</math>,・・・といった負の数や、0も含まれる。 :1 , 2 , 3 , ・・・などのような、正の数の整数を'''正の整数'''(せいの せいすう、英:positive integer)という。 :<math>-1</math> , <math>-2</math> , <math>-3</math> , ・・・などの負の数の整数を'''負の整数'''(ふの せいすう、英:negative integer)という。 ※ 小数や分数は、普通は整数ではない。たとえば1.3や <math>\frac{5}{2}</math>は整数ではない。例外的に 1.0(=1) や <math>\frac{6}{2}</math> (=3)など割り切れる数は整数である。 ; 自然数(しぜんすう) :中学校では正の整数のことを '''自然数'''(しぜんすう) という。具体例をあげると、たとえば1や2や3や10や47は、どれも自然数である。 そのため、「0」や、小数・分数は自然数とはいえない。 たとえば 1.3 や <math>\frac{2}{7}</math> は自然数ではない。 :※ なお高校や大学では、場合によっては 0 を自然数に含める場合もある。大学でも、マイナスの数は自然数にふくめないのが普通であるし、小数や分数も大学では自然数にふくめないのが普通。  ; 絶対値(ぜったいち) :数直線上でのある数と原点の距離をその数の'''絶対値'''(ぜったいち)という。上の図のように、たとえば5は原点からの距離が5なので、絶対値は5である。また、(−6)は原点からの距離が6なので、絶対値は6である。 :正負の数では、その数から符号を取るとその数の絶対値となる。また、0の絶対値は0とする。 ::発展: ある数 a の絶対値を、記号を用いて <math>\mid a \mid</math> と表す。(注意 「中高一貫校の教科書」として読んでいる方へ:この内容は、中高一貫校の教科書「体系数学」には、発展内容ではなく普通の内容としてのっています。) :::例: <math>|-9| = 9</math> 、 <math>|8| = 8</math>、 <math>|-294|=294</math> ::注意: 数 a,b,c を考えるとき、bの絶対値の前後からそれぞれa,cをかけ、その積の絶対値を考えようとすると、|a|b|c| となる。一方、aの絶対値、b、cの絶対値をこの順にかけた積を顕すと、|a|b|c| となって、これらは見かけ上、区別できない。そこで、基本的に絶対値の記号は入れ子にして重ねて使うこと(ネスト)は避けるが、どうしても必要なときは、abs(a)でaの絶対値を表すなど、別の記号を用いることになる。 ;項(こう) :加法でつながった式の、加え合わされている数のひとつ一つを 項(こう、英:term ターム) という。例えば加法の式、 <math>6 + 12 + (-54)</math> という式では、項は <math>+6</math>、<math>+12</math>、<math>-54</math> の 3つ である。通常は、この式の加法を表す<math>+</math>を省略し、項のみを(符号付きで)並べることで、<math>6+12-54</math> と書き表す。項には'''正の項'''(せいのこう)と'''負の項'''(ふのこう)がある。例えば先程の例、<math>6+12-54</math> という式では、正の項は 6 と 12 の 2項、負の項は <math>-54</math> の 1項である。 :式で、<math>3-7</math> と書かれた場合、3から <math>+</math>7を引いた減法の差 すなわち <math>+7</math>と比べて値 3はどれだけ大きな値か、を求める比較 <math>3-(+7)</math> と考えることもできるし、3に(<math>-7</math>) を加えた加法の和 すなわち値 3から7だけ減少した、変化の結果を求める計算 3<math>+</math>(<math>-7</math>) と考えることもできるので、この式が使われた状況に従ってどちらで読んでも構わない。つまり、式 <math>3-7</math> だけからは、加法か減法かの見分けはつかないが、計算の結果はいずれの場合も <math>-4</math> であるから、運用上は特に問題にならない。 == 正負の数の符号と絶対値 == 正負の数の符号と絶対値の意味を、数直線を用いて確認しよう。 正負の数の符号は、数直線上の位置が、原点より右か左かの違いである。絶対値が同じであっても、正の数と負の数では、正反対の意味を持っている。即ち、数値の持つ意味を正反対にするには、絶対値はそのままで、符号を正から負の数に、また、負から正に変えればよい。このように、符号を変えた数にすることを'''符号を反転する'''という。符号を反転した数は、数直線上では原点について反対側の、点対称の位置にある。値 0にはもともと符号はないので、0の符号を反転しても 0のままで、値は変わらない。 一方、正負の数の絶対値は、原点からの距離で表された。原点から離れた位置にある数ほど絶対値は大きく、絶対値の小さい数ほど原点に近い位置で表される。数の符号を反転しても、原点からの距離、つまり'''絶対値は等しい'''ままである。符号を反転した数を、もとの数の'''反数'''と呼ぶ。値0の反数は 0と考えるので、反数とは、和が 0である 2数のことだと考えてよい。反数である2数の和が 0になることを、相殺(そうさい)するという。 数を数直線上に表すとき、必ず右に行くほど大きくなるように並べる。 数の大小をまとめてみると、 <pre> ---------負の数-------->|0|<----------正の数------- <----|----|----|----|----|----|----|----|----|----> -4 -3 -2 -1 0 1 2 3 4 数直線では右へ行くほど大きい数に対応するので、 * 正の数は負の数よりも大きい * 正の数は0よりも大きい。また、絶対値が大きくなるほど、数も大きくなる * 負の数は0よりも小さい。また、絶対値が大きくなるほど、数は小さくなる </pre> ということがいえる。 < と > の記号は、2つの数の大小について表す記号で'''不等号'''(ふとうごう)という。 これは、開いているほうが閉じているほうよりも大きい数であることを表す。 対して、2つの数について、大小の差がなく同じであることを表す記号 = は''等号''(とうごう)という。 :例: 5 は 3 より大きい・・・・・・ 5 > 3 :&#xFF0D;3 は 0 より小さい・・・・・・ &#xFF0D;3 < 0 ここで、例えば「0は1より小さい」というのは 0<1 あるいは 1>0 と書くことができる。また、これは「0は1より小さい」または「0は1'''未満'''(みまん)値を持つ」と表現される。 不等号を含む式を'''不等式(ふとうしき)'''といい、0<1 は「0 小(ショウ)なり 1」、1>0 は「1 大(ダイ)なり 0」と読む。 == 負の数の加法と減法 == === 加法 === いままでは、正の数に正の数を足すことはしてきたが、負の数に正の数を足すことはしてこなかったことだろう。では、負の数に正の数を足す計算はどのようにすればよいか。やり方を考えてみよう。 そのための準備として、まず、正の数に正の数を足すことを数直線で表してみよう。 <pre>例: 2+3 = 5 3大きい o------------->| <----|----|----|----|----|----|----|----> 0 2 5 </pre> このように、2+3というのは数直線上で2から3だけ右に動いた数ということになる。同じようにして負の数に正の数を足してみよう。 <pre>例: (-4)+3 = ? 3大きい o------------->| <----|----|----|----|----|----|----|----> -4 -1 0 </pre> (−4)から3だけ右に動いた数は-1ということがわかる。つまり、(-4)より3大きい数は(−1)ということになる。 :⇒ (−4)+3 = (−1) これで、負の数に正の数を足すことができるようになった。 これは、0をまたいでも同じようにできる。 <pre>例: (−1)+3 = 2 3大きい o------------->| <----|----|----|----|----|----|----|----> -1 0 2 </pre> つぎに、負の数を足すことを考えてみよう。 <pre>例: 3+(−1) = ?</pre> [[#正の数と負の数との大小]]で学んだことを用いてみよう。<br> 3+(-1)は「'''3'''よりも('''-1''')大きい数」だから、負の数の意味が、反対の大きさを持つことを考えて、日常に近い表現に改めると「'''3'''よりも('''+1''')小さい数」となる。よって、3より1小さい数を求めればよい。 <pre>例: 3+(−1) = 2 </pre> <pre>例: 36+(−11) = ?</pre> [[#正の数と負の数との大小]]で学んだことを用いてみよう。<br> 36+(-11)は「'''36'''よりも('''-11''')大きい数」というのは、すなわち「'''36'''よりも('''+11''')小さい数」となる。よって、36より11小さい数を求めればよい。 <pre>例: 36+(−11) = 25 </pre> ある数よりも小さい数を求めるとき、あるいは数の値がもとの値よりも小さくなるとき、小学算数では引き算を用いてきたことだろう。じっさい、負の数を加える加法の計算を「値を減らして/引いて」と表現することは日常的に行われている。しかし、分かりやすいからといって、いちいち加法の計算を引き算に直して計算していたのでは、負の数に負の数を加えたときの加法の和や、絶対値の小さい正の数と絶対値の大きな負の数の和の意味を理解したり、実際に計算をして値を求めることは難しい。小学算数の引き算に頼ることなく、負の数を加える加法は、値が減る変化の結果であることを正しく理解し、加法は加法のままで計算できることが大切である。 === 減法 === 小学算数では、大きい正の数から小さい正の数を引くことや、同じ値の数同士の差が0になることは学習してきたが、値の小さい数から大きい数を引くことは、負の数が使えない制約から行ってこなかった。また、負の数から別の数を引く計算も扱わなかった。 まず、'''加法'''の時と同じように、小学算数でも扱ってきた、正の数どうしの減法で、値の大きい数から値の小さい数を引く計算を、数直線上で理解しておこう。 <pre>例: 36−31 = 5 5大きい o----------------------->| <----|----|----|----|----|----|----|----> 31 36 </pre> 減法が2数の値を比較するという意味を持つ計算であること、減法の結果(差)が、引かれる数(前の数)について、引く数(後の数)と比べてどれだけ大きいかを表していることに注意しよう。これと同様に、負の数から正の数を引く減法の意味も数直線上で確認しよう。 <pre>例: (−1)−(+3) = -4 4小さい |<------------------o <----|----|----|----|----|----|----|----> -1 0 +3 </pre> (−1)は、+3から見て4だけ小さい値を持つ数なので、差は(-4)であることがわかる。 これで、負の数から正の数を引くことができるようになった。 また、小さい値の数から大きい値の数を引く減法も、同じように計算することができる。 <pre>例: 2−5 = (−3) 3小さい |<-------------o <----|----|----|----|----|----|----|----> 0 2 5 </pre> ;次は、負の数を引くことを考えてみよう。 <pre>例: 3−(−2) = 5            5大きい o----------------------->| <----|----|----|----|----|----|----|----> -2 0 3 </pre> 3は(-2)と比較すると、5だけ大きい値を持つ数なので、差は(+5)であることがわかる。 これで、正の数から負の数を引くことができるようになった。 正負の数の減法を正しく理解するためには、このように減法が 2数の値を比較する計算であること/引く数の値の大小を、引かれる数と比べて考えることの2点をしっかり押さえよう。 その上で、減法の計算方法にはもうひとつ、加法に直して計算する方法がある。先程の例で、出てくる数の絶対値に注目しよう。「3」と「2」から「5」が出てきている。これではただの足し算を連想させる。しかも、これは偶然ではない。その理由を説明しよう。 そのために、まず'''反数'''について述べておく。反数とは、絶対値が等しく、符号が反対の2数を指す。(-3)の反数は(+3)であり、(+7)と(-7)は互いに反数である。ここで、0の反数は 0、と決めておけば、反数は「和が 0になるような 2数」と定義できる。反数どうしの2数の和が打ち消しあって 0になることを'''相殺(そうさい)する'''という。 一方、0と数を加えると、加えた数に等しくなる。0+3=3 となるのは、0より3だけ大きい数は3だといっている。これは当然だ。 ここで、(-2)+3+(+2) は、3と等しい。加えた 3つの数のうち、(-2)と(+2)は互いに反数なので、相殺して 0に等しくなるからである。これを使って 減法 3-(-2) を計算してみよう。3の代わりに、これと値の等しい (-2)+3+(+2) を使って計算を進めてみよう。 <pre> 3−(−2) = {(-2)+3+(+2)}−(−2) = 3+(+2) = 5 </pre> 中かっこの中は「(-2)よりも3+(+2)だけ大きい数」という意味だから、これと(−2)を比較すれば、差は 3+(+2) となる。これはもとの減法の引く数を反数とすり替えて、加法に直した式に他ならない。他の値を使った減法でも、同じ方法で加法に直して計算することができる。 このようにすれば、減法を、引く数を反数と置き換えて、加法に直して計算することができる。これらの方法を用いれば、負の数を含む加減、小さい数から大きい数を引く、といったことが容易にできる。 このように、数の前についた符号としてのマイナス − は、引き算の − 記号と同じように扱って良い。というより、そもそも、このような、「数の前の不足・減少を表すための符号と、引き算の記号とを、同じと見なして良い。」という発想があるからこそ、数の前の不足・減少を表すための符号と、引き算の記号とを、同じ記号 − を用いているのである。 {| style="border:2px solid skyblue;width:95%" cellspacing=0 |style="background:skyblue"|'''ある数に、別の数を加える加法の意味''' |- |style="padding:5px"| *加える数が正ならば、和はもとの数より大きくなり、負なら小さくなる。 *加える数がもとの数と同符号なら、和の符号に変化はなく、絶対値は増加する。 |} {| style="border:2px solid skyblue;width:95%" cellspacing=0 |style="background:skyblue"|'''二つの数の和の符号と絶対値の関係''' |- |style="padding:5px"| *二つが同符号ならば、和の符号は共通の符号、和の絶対値は絶対値の和 *二つが異符号ならば、和の符号は絶対値の大きい方の符号、和の絶対値は絶対値の差 |} ;練習問題 :次の計算をしなさい。 :#) &emsp; <math>3+(-2)</math> :#) &emsp; <math>4+3-2</math> :#) &emsp; <math>(-4)+6</math> :#) &emsp; <math>5+1-3+3-8</math> :#) &emsp; <math>(-2)+1-7</math> == 乗法・除法 == 掛け算のことを'''乗法'''(じょうほう)、割り算のことを'''除法'''(じょほう)という。 また、乗法した結果を'''積'''(せき、英:product プロダクト)といい、除法した結果を'''商'''(しょう、英:quotient クォウシェント)という。 === 乗法 === 今までには正の数と正の数の掛け算、つまり、正の数どうしの乗法をしてきたが、負の数と正の数の乗法、負の数どうしの乗法はどうなるのだろうか。 まず、正の数どうしの乗法について調べてみよう。 <pre> 例: 2×3 = 6      「絶対値2」が3つ分右へ o-------->|-------->|-------->| <----|----|----|----|----|----|----|----|----> 0 2 4 6 </pre> このように、「かけられる数」の絶対値をひとつの単位として「かける数」の個数だけ右に進めていったものが「積」として得られることになる。 正の数どうしの乗法は、正の数が正の数だけあるということだから、数直線ではどんな正の数を掛け合わせても正の方向になる。よって、正の数どうしの積は正の数となる。 次は、正の数と負の数の乗法について調べてみよう。 例: いま、ある地点で人が歩いている。その人は、西へ秒速2mで進んでいる。 3秒後には、どうなっているだろうか。 また、3秒前はどうなっていただろうか。 これも、数直線で表してみよう。 東を正の方向とすると、西へ秒速2mとは、東へ秒速-2mということだから、この問題の式は、-2×3となる。 <pre> 例: (−2)×3 = ? 3秒後 2秒後 1秒後 今 1秒前 2秒前 3秒前 <----<----<----<----<----<---- 西<|----|----|----|----|----|----|>東 -6 -4 -2 0 2 4 6 </pre> 図を見てわかるように、2秒後では−4m東へ、3秒後では-6m東へ行っていることがわかる。 さらに、2秒前は4m東へ、3秒後では6m東へ行っている。だから、正の数と負の数の積は負の数になり、負の数どうしの乗算の積は正の数になる。 今は、東(西)に0m進んでいると考えることができる。 {| style="border:2px solid skyblue;width:80%" cellspacing=0 |style="background:skyblue"|'''二つの数の積の符号と絶対値''' |- |style="padding:5px"| * 二つの数が同符号なら、積の符号は正、積の絶対値は二つの数の絶対値の積 * 二つの数が異符号なら、積の符号は負、積の絶対値は二つの数の絶対値の積 * どんな数に対しても、0をかけると0 |} ;2つ以上の数の掛け算 以上のことを組み合わせ、次の計算をしてみよう。 * (−2)× 5 ×(−3) 上記の問題と同じように計算し、答えは30 。 * (+1)×(+2)×(−3)×(−4) (※ 1つ目と2つ目がプラスになってる。)実際に計算してみて、答えは24とわかる。 * (+1)×(−2)×(−3)×(−4) (※ 1つ目がプラスになってる。)上記の問題と同じように計算し、答えは-24。 * (−1)×(−2)×(−3)×(−4) (※ 四つともマイナス。)上記の問題と同じように計算し、答えは24 。 ここで、上記のいくつかの計算例での積の符号について、何か気づいたことは無いだろうか? {| style="border:2px solid skyblue;width:80%" cellspacing=0 |style="background:skyblue"|'''三つ以上の数の積の符号''' |- |style="padding:5px"| 上記の計算例により、負の数をふくむ積の答えの符号について、次の事が分かる。 積の符号は、掛け合わせる負の数の個数によって決まる。 * 奇数個の-をかけあわせるなら、積の符号は負 * 偶数個の-をかけあわせるなら、積の符号は正 |} ;練習問題 :次の計算をしなさい。 :<span style="font-size: x-large">1)</span> &emsp; <math>(-1) \times 4</math> :<span style="font-size: x-large">2)</span> &emsp; <math>(-3) \times (-4)</math> :<span style="font-size: x-large">3)</span> &emsp; <math>(-2) \times 3 \times (-4)</math> :<span style="font-size: x-large">4)</span> &emsp; <math>2 \times 2 \times (-1) \times (-4)</math> :<span style="font-size: x-large">5)</span> &emsp; <math>5 \times (-1) \times (-2) \times (-4)</math> === 除法 === 具体例で考えてみよう。 (-6)÷3= 答えは いくらだろうか? まず、(-2)×3= -6 なので、おそらく (-6)÷3= -2 となりそうだと思うだろう。 では、-2 のほかには答えは無いだろうか? まず、3に、+2を掛けても、答えはプラスの数になってしまう。なので、 (-6)÷3の答えは、どうやら負の数のようであるので、負の数だけを探せばいい。 -2でない数を3に掛けてみても、6以外の数になることを確かめてみる。 たとえば -2.1 を 3 に掛けてみても -2.1×3 = -6.3 であり、6ではない数になる。 よって、 (-6)÷3 = -2 である。 ;まとめ 上述の例のように、負の数をふくむ割り算でも、小学校で割り算を習ったときのように、掛け算にもどって答えを探せばいい。 また、負の数を正で割った結果は、負の数になる。 正の数を負の数で割った場合は、負の数になる。 負の数を負の数で割った場合は、正の数になる。 0を0以外のどんな数で割っても、0である。(どんな数も、0では割れない。) == 数の集合と四則計算の可能性 == 加法、減法、乗法、除法をまとめて '''四則'''(しそく) という。 次の式の <math>\Box,\triangle</math> にどんな自然数を入れても、計算の結果がいつでも自然数になるだろうか。 (1) <math>\Box + \triangle</math> (2) <math>\Box - \triangle</math> (3) <math>\Box \times \triangle</math> (4) <math>\Box \div \triangle</math> (1)と(3)はいつでも自然数になる。しかし、<math>2 - 3 = -1</math> や <math>2 \div 3 = \frac{2}{3}</math> のように、(2)と(4)は自然数にならない場合がある。 つまり、自然数の範囲では、加法と乗法はいつでもできるが、減法と除法は、いつでもできるとは限らない。 では、上の <math>\Box,\triangle</math> にどんな整数を入れても、計算の結果がいつでも整数になるだろうか。 (1)、(2)、(3)はいつでも整数になる。しかし、<math>(-2) \div 3 = - \frac{2}{3}</math> のように、(4)は整数にならない場合がある。 つまり、整数の範囲では、加法、減法、乗法はいつでもできるが、除法は、いつでもできるとは限らない。 分数(ぶんすう)では、どうだろうか。分数どうしの計算では、値が整数になることもある。しかし、整数も分母が1の分数だとみなすことにすれば、上の <math>\Box,\triangle</math> にどんな分数を入れても、計算の結果がいつでも分数になる。つまり、分数の範囲では、加法、減法、乗法、除法はいつでもできる。 今までの結果を表にまとめると次のようになる。 <math>\bigcirc</math> はその範囲でいつでも可能な場合、 <math>\triangle</math> はいつでも可能と限らない場合である。ただし、除法では、0でわる場合は除いて考える。 <table class="wikitable"> <caption style="white-space: nowrap;">数の集合と四則計算の可能性</caption> <tr><th> </th><th>加法</th><th>減法</th><th>乗法</th><th>除法</th></tr> <tr><th>自然数</th><td><center><math>\bigcirc</math></center><td><center><math>\triangle</math></center></td></th><td><center><math>\bigcirc</math></center><td><center><math>\triangle</math></center></td></tr> <tr><th>整数</th><td><center><math>\bigcirc</math></center> </td><td><center><math>\bigcirc</math></center></td><td><center><math>\bigcirc</math></center></th><td><center><math>\triangle</math></center></td></tr> <tr><th>分数</th><td><center><math>\bigcirc</math></center> </td><td><center><math>\bigcirc</math></center></td><td><center><math>\bigcirc</math></center></th><td><center><math>\bigcirc</math></center></td></tr> </table> ; 集合 : 何かのあつまりを考えるとき、その集まりに含まれるか、含まれないかが明確に区別できるあつまりのことを'''集合'''(しゅうごう)という。 : 自然数全体のあつまりを、'''自然数の集合'''という。 [[File:Set-of-numbers for junior education japanese.svg|600px]] 自然数の集合にふくまれる数どうしでは、加法と乗法がいつでもできる。 '''整数の集合'''は、自然数(正の整数)の他、0や負の整数を合わせたものになる。 整数の集合にふくまれる数どうしでは、加法と減法と乗法とがいつでもできる。 整数の集合は、そのなかに自然数の集合をふくんでいる。 また、自然数から見れば、自然数の集合は整数の集合に含まれている。 数全体の集合には、整数の他に、小数や分数も含むこととなる。 数全体の集合のなかの数どうしでは、加法・減法・乗法・除法がいつでもできる。 つまり、 数全体の集合のなかの数どうしでは、四則計算がいつでもできる。 このように、数の範囲を、自然数の集合から整数の集合へ、さらに数全体の集合へと広げていくことで、それまでできなかった計算ができるようになる。 == 面積や体積でのマイナスの量 == [[File:マイナス×マイナスはプラス.svg|thumb|left|800px|(-1)×(-1)=(+1)の幾何学的な説明図。]] {{-}} 今までの説明では、説明の簡単化のため、マイナスの計算例や応用例では、数直線、または数直線上に表しやすい左右や東西などの方向とか、あるいは金額や時間などのように 直線の「長さ」 で対応させやすい量を例にして説明してきた。だが、なにもマイナスの利用法は直線や数直線で表せる量だけではない。 たとえば、長方体の面積や立方体の体積を計算するのに、マイナス符号を用いてみても良い。というより、そもそもマイナスは、数直線や「長さ」などの線で表せる量だけに限らず、もし数で表せる量ならば、面積や体積などもまた、マイナス符号 − の数を計算に用いることができるからこそ、マイナスの数が「数」として数学では認められ、マイナスの数の理論が作られているのである。 マイナスの面積・体積の説明を学ぶ前に、ひとまずプラス符号の面積や体積について復習しよう。プラス符号は省略できるから、つまり小学校の算数で計算練習した普通の面積や体積は、プラス符号を省略した面積・体積などとみなせるので、小学校で習った面積・体積はプラス符号の面積や体積として見なして良い。 では、これから、マイナスの数の面積や体積などの理論が成り立つことを、とりあえず面積の場合で、確認してみよう。 たとえば長方形の面積なら、長方形の縦の長さを正の ○ cm として、横の長さを △ cm として、面積 ○×△ cm<sup>2</sup> を面積の基準にしたとすれば、マイナスの計算例として、この四角形から横の長さを −3cmだけ変化させた時は、つまり横を3cm減らした時は、面積は ○×(−3) cm<sup>2</sup> だけ変化する。つまり面積は ○×(3) cm<sup>2</sup> 減る。横の長さを3cm減らした後の面積は、 ○×(△−3) cm<sup>2</sup> である。逆に横の長さを4cm増やした場合は、面積の変化は ○×(+4) であり、変化後の面積は ○×(△+4) である。 まとめて表すと、四角形の縦の長さを ○ cm として、横の長さを △ cm として、横の長さを □ cm だけ変化させると、面積の変化分は ○×□ であり、変化後の面積は、 ○×(△+□) である。横の長さを増やした場合は、□に正の数が入り、横の長さを減らした場合は、□に負の数が入る。 また、面積で考えても、加法・減法や乗法・除法の交換法則、結合法則・分配法則などの法則は成り立つ。 読者は、自分で長方形の図を書いてみて、面積などを計算してみて、確かめてみよ。 説明の簡単化のため、縦の長さ ○ を正としておいて、負数どうしの掛け算を考えなくても済むように説明したが、負数どうしの掛け算も次のようにして面積で作図できる。たとえば、縦の長さ ○ cm から、変化分として B cm だけ長さを減らしたとして、 面積 (○−B)×(△−3) cm<sup>2</sup> を持つ長方形の図を作図すれば、負数どうしの掛け算も作図できる。この場合は(−B)×(−3)を作図したことになる。 読者は、自分で、負数どうしの掛け算を表した長方形の図を書いてみて、面積などを計算してみて、負数どうしの掛け算でも、交換法則、結合法則・分配法則が成り立つことを確かめてみよ。 読者は、小学校の時に算数で、「大小」や「多少」など大きさをもった、さまざまな量(たとえば、長さ、面積、体積、重さ、時間、個数、人数、金額、・・・・・・)の計算例を、習ってきたと思う。そのような大きさを持った様々な量で、必要に応じてプラスやマイナスの符号を用いて良い。 == 累乗と逆数 == === 累乗 === :同じ数を何度も掛け合わせることを累乗(るいじょう)という。たとえば4を 3回 かけあわせた場合(つまり 4×4×4 )、 :4<sup>3</sup> のように書く。 また、4<sup>3</sup> は「4の3じょう」と読み、 4×4×4 を意味する。 ::4<sup>3</sup> = 4×4×4 = 64 ::例: 5<sup>3</sup> は「5の3じょう」と読み、 5×5×5 を意味する(なお 5<sup>3</sup> = 125 )。 このように、かけあわせる回数がn回なら、「n乗」と読む。 また、累乗において、かけあわされる数のことを'''底(てい)'''、かけあわせる回数のことを累乗の'''指数(しすう)'''、かけ合わされた結果の値を'''羃(べき)'''という。 たとえば、累乗 ::4<sup>3</sup> の底は 4、指数は 3、羃は 64 である。なお、かつて羃は累乗やそれに関わる広い意味に使われる言葉だったが、累乗や指数を用いた表現に言い換えが進み、今では一部の熟語以外は、累乗の結果の値、という意味に使われるのみである。 同じ数を2回かけあわせることを'''2乗(にじょう)'''という。つまり、指数が2の累乗のことが2乗である。2乗のことを、'''自乗(じじょう)'''、'''平方(へいほう)'''とも言う。 同じ数を3回かけあわせることを'''3乗(さんじょう)'''という。つまり、指数が3の累乗のことが3乗である。3乗のことを'''立方'''(りっぽう)ともいう。 同様に4回かけあわせることを4乗という。 :;いろいろな計算例 2<sup>2</sup> = 2×2 = 4  4<sup>3</sup> = 4×4×4 = 64 (-3)<sup>2</sup> =(-1)×3 × (-1)×3 = (-1) × (-1)×3×3 =9 -3<sup>2</sup> =(-1)×3 ×3 = -9 上記のように (-a)<sup>2</sup> と -a<sup>2</sup> は違うので、気をつけよう。 (-2)<sup>3</sup> =-8 下記のように分数や小数も、累乗してよい。 <math>(\frac{1}{3})^2 = \frac{1}{9} </math> 1.1<sup>2</sup> = 1.21 中学の段階では、自然数の指数のみを扱う。一般の実数の指数については高校の数学IIで扱う。 === 逆数 === :<math>\frac{3}{2}</math> に対する<math>\frac{2}{3}</math>のように、積が1になる2個の数について、一方の数をもう一方の数の '''逆数''' (ぎゃくすう)であるという。つまり、文字式で表せば a×b=1 となるときの a に対する b のことを '''逆数''' (ぎゃくすう)という。かけて1になるということは、分母と分子がひっくり返れば約分されて1になるので、ある数の逆数を作るためには、分母と分子をひっくり返せばよい。例えば2に対する逆数とは、この数を分母にして、分子を1にした <math>\frac{1}{2}</math> である。また、分数<math>\frac{3}{5}</math>の逆数は、この分母と分子をひっくり返した、<math>\frac{5}{3}</math>である。 例: 負の数の逆数 <math>-\frac{3}{2}</math> の逆数をもとめよ。 <math>-\frac{3}{2}</math> に <math>-\frac{2}{3}</math>をかけると1になる。 よって逆数は <math>-\frac{2}{3}</math> である。 なお、この例からも分かるように、負の数についても逆数を決めることができる。 また、負の数の逆数は、負のままである。 また、0 の逆数は存在しない。なぜなら 0と掛けて積が1になる数は存在しないからである。 == 正負の数の活用 == たとえば、次のような問題をとくとき、正負の数を活用すると手計算がラクになる場合が多い。 タカシくんの学校では、ある週の図書室で貸し出した本の冊数の結果が、次のようになりました。 月曜: 73冊 火曜: 68冊 水曜: 65冊 木曜: 79冊 金曜: 81冊   この週では、月曜から金曜までの5日間に、平均として1日あたり何冊、本が借りられたでしょうか? ;解法 まず、目分量で、たとえば、おおよそ70冊あたりを基準として、 月曜: 70+3冊 火曜: 70-2冊 水曜: 70-5冊 木曜: 70+9冊 金曜: 70+11冊 のように考える。すると、あとは、 月曜: +3冊 火曜: -2冊 水曜: -5冊 木曜: +9冊 金曜: +11冊 の平均だけを求めればいい。 <math>\frac{3-2-5+9+11}{5} = \frac{16}{5} = 3.2 </math> なので、70+3.2=73.2より、73.2冊が1日あたりの平均である。 <u>(答え)1日あたり平均は73.2冊 .</u> ;(※ 本問題で負数をつかう意義の解説) 式  <math>\frac{3-2-5+9+11}{5} </math>  の計算中、3-2-5 の時点で、計算結果は -4 になる。中学の数学では、負数の存在を認めていることにより、計算をこのあとも続行でき、 -5の次の +9 +11 をそのまま続行できる。 もし、小学校算数のように負数を認めない場合、目分量として70ではなく、60や50など、もっと小さい数を基準にとらなければならなくなってしまう。 仮にだが、もし、水曜日の冊数が、65冊でなくて13冊のように、水曜日だけ極端に冊数が少なかったとしたら、負数を認めない小学算数では、基準の数を10冊など、大幅に下げる必要が生じてしまうので、そのせいで、ほかの曜日の冊数の基準からのズレの計算も大きくなってしまい、あまり計算がラクにならなくなってしまう。 ;※ 備考 (範囲外) この問題では、たまたま、この週の日ごとの貸し出し状況のバラツキが小さく、一目で見ても70あたりが基準だと分かりやすそうな貸し出し状況だったが、しかし、一般の平均の計算では、日ごとのバラツキが大きい場合もあるので、上記のように負数を応用しても平均計算があまりラクにならない場合もある。 なので、平均の計算では、あまり負数を使う方法にばかりコダわる必要は無い。 また、実務的には、現代では統計的な計算をする場合、パソコンの表計算ソフトなどを活用するのが通常である。(もっと日数が多くなったりした場合、手計算では手間が掛かる。) === 素数と素因数分解 === 自然数のうち、1とその数以外の約数がない数を '''{{ruby|素数|そすう}}'''という。素数を小さい方から並べると、{2, 3, 5, 7, 11, 13, 17, 19, 23,...} となる。ここに含まれない {4, 6, 8, 9, 10, 12,... } は、いくつかの素数の積で合成することができる。 1は素数には含めない。2以外の素数は、全て奇数である。でも奇数だからといって、素数であるとは限らない。例えば、奇数の 7 や 11 は素数だが、同じく奇数の 9 は1と9以外に 3を約数に持つので素数ではない。<math>9=3^2</math>と合成できる'''{{ruby|合成数|ごうせいすう}}'''である。 また、2 と 3 以外の素数は、必ず6の倍数の前後の数である。でも、6の倍数の前後にある数だからといって、素数とは限らない。例えば、6×15=90 の前の数 89は素数だが、後の数 91は 1と 91以外に 7や13を約数に持つので素数ではない。 :また、整数を素数の積で表すことを '''{{ruby|素因数分解|そいんすうぶんかい}}''' という。素因数分解をした結果、同じ素数を何回も掛ける場合は、累乗を使って表す。底の大きさが小さいものから順に並べて答えよう。 :たとえば、18は <math>2 \times 3^2</math>と素因数分解される。また、600は <math>2^3 \times 3 \times 5^2</math>と素因数分解できる。 [[Category:中学校数学|1ねんせい すうりよう せいのかすふのかす]]
2005-12-17T14:18:38Z
2024-02-25T00:27:28Z
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中学数学1年 文字と式
中学校の学習 > 中学校数学 > 中学数学1年 > 文字と式 数学では、小学校までの算数と違って、数字の代わりとして、文字を置くことがある。 まず、小学校のように文字を使わない場合を述べる。 例えば、「太郎君は2個、花子さんは3個飴を持っていて、二人の飴の数とを合わせると5個になる」という内容を式を使って表現すると、 のように、それぞれが持っている飴の数も、合計した飴の数も、全ての数の値が判っていれば、数は数字で表して、文字を使う場面はない。 通常は、数の持つ値が判っていて、その値が変わることなく、とくに数字で表して面倒がなければ、数は文字を使うことなく数字で表すのがよい。 しかし、 「太郎君も花子さんも、それぞれ何個かずつ飴を持っていて、二人の飴の数を合わせると5個になる」 というような場合を考えると、数字では表すことのできない数が出てくる。このような時、小学校では式で表すことができなかった。 では、中学校の方法を説明する。 太郎君の持っていた飴の個数も、花子さんの持っていた飴もの個数もわからないけれども、ひとまず文字であらわすことで、合わせて5個になることを表すことができるようになる。 太郎君の持っていた飴の個数を x {\displaystyle x} 個、花子さんの持っていた飴の個数を y {\displaystyle y} 個と表すことで、次のように式が書ける。 上のようにすれば、それぞれの持っている飴の数がわかっていなくても、合計は5個だということを、式を使って表すことができる。具体的な数字で書くことができない値を文字で表すことで、そのような値を持つ数を含む内容を、等式などを使った式で表すことを、式を立てるという。 また、この式中にある x {\displaystyle x} や y {\displaystyle y} のように、数の値を数字ではなく、文字で表したものを文字数という。 中学レベルの数学では、数の持つ値がわからないときに使う文字数未知数、 数の持つ値が状況によって変わるときに使う文字数変数、 数の値は判っていても、数字で表そうとするとたいへん面倒臭いときに使う文字数文字定数があり、同じ文字数でも書き方や使い方がそれぞれ異なるので、注意が必要だ。未知数と変数をひっくるめて元と呼ぶので、併せて覚えておこう。 また、数の値を表すのに使うアルファベットの文字は、主に斜めに傾いで書いた小文字の1文字を使うが、その文字の形は英語の授業でならうアルファベットとは同じ書き方ではない場合があるので気をつけたい。 数を表すのに、数字で表記するのではなく、文字を使う場面には、いくつかの理由が考えられる。文字を使って表した数のことを文字数と呼び、文字数を含む式を文字式という。 中学数学では、文字数を使う場合が3つ、考えられる。 第一に、具体的な数の値がわかっていない場合がある。このような数をを未知数(英語:unknown アンノウン)という。 また一つの意味を持つ数が、いろいろな値を取ることができる。このような数を変数(英語:variable バリアブル)という。変数については関数のところで詳しく解説する。 未知数や変数を表す文字を、元と呼ぶ。2種類の元を含む文字式は、2元式と呼ばれる。 さらにもうひとつ、値がわかっていて、決まった数ではあるが、数字ではうまく表せないときに文字を使って表すことがある。このような数を文字定数という。代表的なものは、円周率を π {\displaystyle \pi } であらわすことであるが(詳しくは後の節で説明する)、高校の物理や化学では、多くの「決まった数(定数)」を文字で表すことがある。 文字の式を書くときには決まりがある。 特別な事情がないかぎり、中学以降の数学では、これらの決まりに従う。 間違った書き方の式を、文字の積の書き方の決まりにしたがって正しく書き直しましょう。 練習 つぎの ÷ を使った式を、分数の形に直しなさい。 また、決まりというほどではないが、2つ以上の積の場合、次のような習慣がある。 次のような決まりもある。 練習 この単元で使う用語や公式などを紹介する。 これらの式のaやbに入る数は、正の数でも、負の数でも、加法の交換法則は成り立つ。簡単な数を代入してみて、確かめてみてください。 これらの式のaやbやcに入る数は、正の数でも、負の数でも、加法の結合法則は成り立つ。簡単な数を代入してみて、確かめてみてください。 これらの式のaやbに入る数は、正の数でも、負の数でも、乗法の交換法則は成り立つ。簡単な数を代入してみて、確かめてみてください。 これらの式のaやbやcに入る数は、正の数でも、負の数でも、乗法の結合法則は成り立つ。簡単な数を代入してみて、確かめてみてください。 ※ 要するに、加法でも乗法でも、交換法則も結合法則も成り立つ。 文字の中身が正の数の場合なら、加法でも乗法でも交換法則・結合法則・分配法則がすべて成り立つことは、小学校で習っている。 理解がむずかしいのは、文字の中身がマイナスであっても、はたして本当に交換法則・結合法則・分配法則が成り立つと決めても問題が起きないのだろうか、という事である。 では、これから、文字の中身がマイナスであっても交換法則・結合法則・分配法則が成り立つと決めても、まったく問題の起きないことを、確かめよう。 そのために、まず、いくつか前の単元で教えた、マイナス掛けるマイナスはプラスであることの説明のための長方形の図を使うと、簡単に分かる。 前の単元でつかった図は再掲しておく。 参考にせよ。 とあるが、あらたに文字 E と 文字F を用意して、 とすれば、 例の長方形の面積は と書ける。 このことから、まず、文字の中身がマイナスの場合であっても、この場合すらも、長方形の面積計算に対応させることができることがわかった。 ここまでくれば、あとはもう、長方形の面積計算の基本的な性質として、交換法則や結合法則や分配法則が成り立つことが、簡単に感じられるだろう。 例として、乗法の交換法則が成り立つことを確かめてみよう。 まず、長方形は、90度回転させてタテとヨコを入れ替えても、面積は同じである。なので交換法則は成り立つ。マイナスの数の掛け算も四角形で表せることが、さっきの図形の議論で分かってるので、よってマイナスの数でも交換法則は成り立つ。 同様に、乗法の分配法則や結合法則についても、例の図形の議論により文字の中身がマイナスの数の場合でも長方形の面積であらわせる事が分かっているので、よって、文字の中身がマイナスであっても分配法則や結合法則も成り立つ。 a {\displaystyle a} を b {\displaystyle b} 回 掛けた積を a b {\displaystyle a^{b}} と表し、「 a {\displaystyle a} の b {\displaystyle b} 乗」と読む。 なお、このときの b {\displaystyle b} にあたる数のことを指数(英:exponent イクスポウネント)という。 2乗のことを平方(英:square スクウェア)とも言い、3乗のことを立方(英:cube キューブ)ともいう。 例えば である。 である。 例: 負の数の逆数 − a 2 {\displaystyle -{\frac {a}{2}}} の逆数は − 2 a {\displaystyle -{\frac {2}{a}}} である。 この問題を解くためには、未知数であるx の代わりに5を入れて計算すればよい。 この問題で行ったように、式の中の文字を数でおきかえることを、文字にその数を代入(だいにゅう、英:substitution サブスティテューション)するという。また、文字式に具体的な数を代入して計算した結果を、そのときの式の値(値は「あたい」と読む。)という。 上の問題を今説明した言葉で言うと、x = 5 のとき、40x+50 の値は 250 であると言える。 たとえば、次のような理科の計算をするとき、代入が活用できる。 与えられた公式に実際に代入をする。 よって30°Cのときの音の速さは秒速 349.5 m である。 まず、気温10°Cのときの音の速さを求める。 より、10°Cでの音の速さは秒速 337.5 m となる。 雷が光ってから2秒後に雷の音が聞こえたので、このあいだに音がつたわった距離は、 よって答えは 675mの距離である。 (解法と答え) (解法と答え) 「項」(こう)については、正の数・負の数で、一度、説明した。例えば、2+5-9+4の式の項といえば、2、5、-9、4の4つのことである。この章では文字を含む項について考える。例えば、 という式の場合、和の形で表すと 7 + 5x + (-y ) となる。したがって、この式の項は7、5x、-y の3つである。このように文字を含んだ式も含まない式も、項についての考え方は同じである。 について、文字xについている +5 と文字についている -1 のことを、それぞれ係数(けいすう)という。7は係数ではない。 つまり、文字をふくむ項についている数字と符号との積が係数である。 では、次の式を考えてみよう。 この式の中で、文字を含む項は 3y、5x、文字を含まない項は -2 である。 文字を含む多項式の中で、文字を含まない項を定数項(ていすうこう)という。ここでは -2 が定数項である。 また、3y という項について、具体的な数字である 3 を yの係数(けいすう、英:coefficient コエフィシェント) という。 yは3倍,xは5倍,さらに定数項は+1を-2倍していると考えて、式の係数は3,5,-2である。 文字の部分が同じ項のことを同類項(どうるいこう、英:like terms)という。次の式について考えてみよう。 この式で 4x と 8x は、係数をのぞくと同じxとなりますから同類項だといえる。しかし、2y と 3y は同類項ではない。文字の部分がそれぞれ y と y となっていて指数が違うので、これらは文字の部分が同じとはいえない。したがって、同類項ではないということになる。 もし文字式のなかに同類項の加減算があれば、 のように、同類項どうしで計算できて、式を短くできる場合が多い。 また、上記の計算例から分かるように、同類項の加減算の計算では、係数だけを加減算すればいい。 たとえば、右側の式 12x の係数 12 は、左側の式の項 4x と 項 8x という同類項どうしの係数4と8を足し合わせたもの(4+8)と同じ値になっている。 次のようなときを考えてみよう。 この場合、 という式が立てられる。このように等号(=)で2つの式が等しいことを表している物を等式(とうしき)という。また、等号の右側を 右辺 (うへん、英:right-hand side)といい、等号の左側を 左辺(さへん、英:left-hand side) という。つまり、5a=bは等式で、左辺は5a、右辺はbである。 右辺と左辺の両方を指して 両辺(りょうへん)といい、左辺と右辺それぞれのことを等式の辺々(へんぺん)という。 次のようなときを考えてみよう。 この場合、 2 a + 3 b > 500 {\displaystyle 2a+3b>500} という式が立てられる。このように2つの数量の間の関係を不等号 ≦、≧、>、< を使って表した式を 不等式 (ふとうしき、英:inequality イニクウォリティ)という。また、不等式の右側を 右辺 と言い、不等式の左側を 左辺 という。つまり、 2 a + 3 b > 500 {\displaystyle 2a+3b>500} は不等式で、左辺は、 2 a + 3 b {\displaystyle 2a+3b} 、右辺は500である。 右辺と左辺をあわせて 両辺 という。 「xは50より大きい または xは50と等しい」を x ≧ 50 {\displaystyle x\geqq 50} と表す。 「xは50より小さい または xは50と等しい」を x ≦ 50 {\displaystyle x\leqq 50} と表す。 ≧ {\displaystyle \geqq } も ≦ {\displaystyle \leqq } も不等号である。 のように、文字の指数が 1 までである式を一次式(いちじしき)という。(指数の 1 は記載を省略するので、上記の式中には書かれてない。) いっぽう、 のように文字の指数に2を含み、最大の指数が 2 までである式を二次式という。 なお、 のような文字 xy をふくむ式については、説明を省略する(※ 検定教科書でも省略している)。中学1年生は考えなくて良い。 a円の 8% を文字式であらわしてみましょう。(2018年度の消費税) 約分をして 4 a 50 {\displaystyle {\frac {4a}{50}}} や 2 a 25 {\displaystyle {\frac {2a}{25}}} と書いても数学的には間違いではない。しかし、百分率の計算などの実務の問題の場合、あとの計算のことまで考えて、約分しないで分母を100のままにしておく場合もある。 税抜きの値段が a円 の品物は、消費税こみ(消費税は8%とする)で、合計いくらになるか、文字式であらわしなさい。 花子さんの地元のスーパーでは、お弁当の値段が、午後5時から午後6時までは定価から3割引きになります。 値引き前のお弁当の値段を、消費税込みで a円とした場合、午後5時から午後6時までの、お弁当を買うさいに払う値段を、文字式であらわしなさい。(※ すでに税込みの値段にしてあるので、消費税については考えなくてよいとする。) ※ まちがえて 0.3a 円 を答えとするような計算ミスが時々あるので、気をつけよう。 一辺の長さを a cm(センチメートル)とする正方形の面積はいくらかを、文字式であらわしてください。 また、この正方形の周の長さを文字式で あらわしてください。 長方形があります。縦の長さを a cm 、横の長さをb cm とします。面積を文字式であらわしてください。また、周の長さを文字式であらわしてください。 三角形があります。底辺が a cm , 高さが h cm だとします。この三角形の面積はいくらかを、文字式であらわしてください。 ※ なお h とは、高さを意味する英語 height (ハイト)の頭文字。 なので、高さをあらわす文字として、数学や理科では、よく h が使われる。 自動車が時速80km でa時間つづけて走っていたとします(※ 現実世界の自動車道路は途中でインターチェンジなどがあって停車するかもしれないが、しかし、そういうことは、この問題では考えない)。 この自動車がa時間によって走った 道のりは、いくらかを、文字式であらわしてください。 タカシくんは a km の道のりを 2時間で歩き終えました。タカシくんの歩行の時速を文字式であらわしてください。 小学校では、「円周率は3.14」としましたが、実際には円周率は3.141592653589793...と無限に続き、数では表せません。そこで、円周率を文字で表すときには π {\displaystyle \pi } (パイ)という記号を使います。この記号は、ギリシャ文字の小文字のひとつです。(※ 普段使わないギリシャ文字を使うのは、中学では円周率を表す専用の文字とするためです。断りなく使うことができます。) これを、円の半径を r (cm)として、円周の長さC (cm)と円の面積S (cm) をそれぞれ文字式になおしてみましょう。(円の半径を表す文字には、よく r をつかう。) ※ なお半径を意味する文字 r は、半径を意味する英語 radius (レイディアス)が由来。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "中学校の学習 > 中学校数学 > 中学数学1年 > 文字と式", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "数学では、小学校までの算数と違って、数字の代わりとして、文字を置くことがある。 まず、小学校のように文字を使わない場合を述べる。 例えば、「太郎君は2個、花子さんは3個飴を持っていて、二人の飴の数とを合わせると5個になる」という内容を式を使って表現すると、", "title": "文字を使った式" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "のように、それぞれが持っている飴の数も、合計した飴の数も、全ての数の値が判っていれば、数は数字で表して、文字を使う場面はない。 通常は、数の持つ値が判っていて、その値が変わることなく、とくに数字で表して面倒がなければ、数は文字を使うことなく数字で表すのがよい。", "title": "文字を使った式" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "しかし、", "title": "文字を使った式" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "「太郎君も花子さんも、それぞれ何個かずつ飴を持っていて、二人の飴の数を合わせると5個になる」 というような場合を考えると、数字では表すことのできない数が出てくる。このような時、小学校では式で表すことができなかった。", "title": "文字を使った式" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "では、中学校の方法を説明する。", "title": "文字を使った式" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "太郎君の持っていた飴の個数も、花子さんの持っていた飴もの個数もわからないけれども、ひとまず文字であらわすことで、合わせて5個になることを表すことができるようになる。 太郎君の持っていた飴の個数を x {\\displaystyle x} 個、花子さんの持っていた飴の個数を y {\\displaystyle y} 個と表すことで、次のように式が書ける。", "title": "文字を使った式" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "上のようにすれば、それぞれの持っている飴の数がわかっていなくても、合計は5個だということを、式を使って表すことができる。具体的な数字で書くことができない値を文字で表すことで、そのような値を持つ数を含む内容を、等式などを使った式で表すことを、式を立てるという。 また、この式中にある x {\\displaystyle x} や y {\\displaystyle y} のように、数の値を数字ではなく、文字で表したものを文字数という。", "title": "文字を使った式" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "中学レベルの数学では、数の持つ値がわからないときに使う文字数未知数、 数の持つ値が状況によって変わるときに使う文字数変数、 数の値は判っていても、数字で表そうとするとたいへん面倒臭いときに使う文字数文字定数があり、同じ文字数でも書き方や使い方がそれぞれ異なるので、注意が必要だ。未知数と変数をひっくるめて元と呼ぶので、併せて覚えておこう。", "title": "文字を使った式" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "また、数の値を表すのに使うアルファベットの文字は、主に斜めに傾いで書いた小文字の1文字を使うが、その文字の形は英語の授業でならうアルファベットとは同じ書き方ではない場合があるので気をつけたい。", "title": "文字を使った式" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "", "title": "文字を使った式" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "", "title": "文字を使った式" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": 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"(解法と答え)", "title": "代入と式の値" }, { "paragraph_id": 74, "tag": "p", "text": "「項」(こう)については、正の数・負の数で、一度、説明した。例えば、2+5-9+4の式の項といえば、2、5、-9、4の4つのことである。この章では文字を含む項について考える。例えば、", "title": "式の項" }, { "paragraph_id": 75, "tag": "p", "text": "という式の場合、和の形で表すと 7 + 5x + (-y ) となる。したがって、この式の項は7、5x、-y の3つである。このように文字を含んだ式も含まない式も、項についての考え方は同じである。", "title": "式の項" }, { "paragraph_id": 76, "tag": "p", "text": "について、文字xについている +5 と文字についている -1 のことを、それぞれ係数(けいすう)という。7は係数ではない。", "title": "項の種類と係数" }, { "paragraph_id": 77, "tag": "p", "text": "つまり、文字をふくむ項についている数字と符号との積が係数である。", "title": "項の種類と係数" }, { "paragraph_id": 78, "tag": "p", "text": "", "title": "項の種類と係数" }, { "paragraph_id": 79, "tag": "p", "text": "では、次の式を考えてみよう。", "title": "項の種類と係数" }, { "paragraph_id": 80, "tag": "p", "text": "", "title": "項の種類と係数" }, { "paragraph_id": 81, "tag": "p", "text": "この式の中で、文字を含む項は 3y、5x、文字を含まない項は -2 である。", "title": "項の種類と係数" }, { "paragraph_id": 82, "tag": "p", "text": "文字を含む多項式の中で、文字を含まない項を定数項(ていすうこう)という。ここでは -2 が定数項である。", "title": "項の種類と係数" }, { "paragraph_id": 83, "tag": "p", "text": "また、3y という項について、具体的な数字である 3 を yの係数(けいすう、英:coefficient コエフィシェント) という。 yは3倍,xは5倍,さらに定数項は+1を-2倍していると考えて、式の係数は3,5,-2である。", "title": "項の種類と係数" }, { "paragraph_id": 84, "tag": "p", "text": "文字の部分が同じ項のことを同類項(どうるいこう、英:like terms)という。次の式について考えてみよう。", "title": "項の種類と係数" }, { "paragraph_id": 85, "tag": "p", "text": "この式で 4x と 8x は、係数をのぞくと同じxとなりますから同類項だといえる。しかし、2y と 3y は同類項ではない。文字の部分がそれぞれ y と y となっていて指数が違うので、これらは文字の部分が同じとはいえない。したがって、同類項ではないということになる。", "title": "項の種類と係数" }, { "paragraph_id": 86, "tag": "p", "text": "もし文字式のなかに同類項の加減算があれば、", "title": "項の種類と係数" }, { "paragraph_id": 87, "tag": "p", "text": "のように、同類項どうしで計算できて、式を短くできる場合が多い。", "title": "項の種類と係数" }, { "paragraph_id": 88, "tag": "p", "text": "また、上記の計算例から分かるように、同類項の加減算の計算では、係数だけを加減算すればいい。", "title": "項の種類と係数" }, { "paragraph_id": 89, "tag": "p", "text": "たとえば、右側の式 12x の係数 12 は、左側の式の項 4x と 項 8x という同類項どうしの係数4と8を足し合わせたもの(4+8)と同じ値になっている。", "title": "項の種類と係数" }, { "paragraph_id": 90, "tag": "p", "text": "次のようなときを考えてみよう。", "title": "文字の式の利用" }, { "paragraph_id": 91, "tag": "p", "text": "この場合、", "title": "文字の式の利用" }, { "paragraph_id": 92, "tag": "p", "text": "という式が立てられる。このように等号(=)で2つの式が等しいことを表している物を等式(とうしき)という。また、等号の右側を 右辺 (うへん、英:right-hand side)といい、等号の左側を 左辺(さへん、英:left-hand side) という。つまり、5a=bは等式で、左辺は5a、右辺はbである。", "title": "文字の式の利用" }, { "paragraph_id": 93, "tag": "p", "text": "右辺と左辺の両方を指して 両辺(りょうへん)といい、左辺と右辺それぞれのことを等式の辺々(へんぺん)という。", "title": "文字の式の利用" }, { "paragraph_id": 94, "tag": "p", "text": "次のようなときを考えてみよう。", "title": "文字の式の利用" }, { "paragraph_id": 95, "tag": "p", "text": "この場合、 2 a + 3 b > 500 {\\displaystyle 2a+3b>500} という式が立てられる。このように2つの数量の間の関係を不等号 ≦、≧、>、< を使って表した式を 不等式 (ふとうしき、英:inequality イニクウォリティ)という。また、不等式の右側を 右辺 と言い、不等式の左側を 左辺 という。つまり、 2 a + 3 b > 500 {\\displaystyle 2a+3b>500} は不等式で、左辺は、 2 a + 3 b {\\displaystyle 2a+3b} 、右辺は500である。", "title": "文字の式の利用" }, { "paragraph_id": 96, "tag": "p", "text": "右辺と左辺をあわせて 両辺 という。", "title": "文字の式の利用" }, { "paragraph_id": 97, "tag": "p", "text": "「xは50より大きい または xは50と等しい」を x ≧ 50 {\\displaystyle x\\geqq 50} と表す。", "title": "文字の式の利用" }, { "paragraph_id": 98, "tag": "p", "text": "「xは50より小さい または xは50と等しい」を x ≦ 50 {\\displaystyle x\\leqq 50} と表す。", "title": "文字の式の利用" }, { "paragraph_id": 99, "tag": "p", "text": "≧ {\\displaystyle \\geqq } も ≦ {\\displaystyle \\leqq } も不等号である。", "title": "文字の式の利用" }, { "paragraph_id": 100, "tag": "p", "text": "のように、文字の指数が 1 までである式を一次式(いちじしき)という。(指数の 1 は記載を省略するので、上記の式中には書かれてない。)", "title": "一次式と二次式" }, { "paragraph_id": 101, "tag": "p", "text": "いっぽう、", "title": "一次式と二次式" }, { "paragraph_id": 102, "tag": "p", "text": "のように文字の指数に2を含み、最大の指数が 2 までである式を二次式という。", "title": "一次式と二次式" }, { "paragraph_id": 103, "tag": "p", "text": "なお、", "title": "一次式と二次式" }, { "paragraph_id": 104, "tag": "p", "text": "のような文字 xy をふくむ式については、説明を省略する(※ 検定教科書でも省略している)。中学1年生は考えなくて良い。", "title": "一次式と二次式" }, { "paragraph_id": 105, "tag": "p", "text": "", "title": "一次式と二次式" }, { "paragraph_id": 106, "tag": "p", "text": "a円の 8% を文字式であらわしてみましょう。(2018年度の消費税)", "title": "実用の問題" }, { "paragraph_id": 107, "tag": "p", "text": "約分をして 4 a 50 {\\displaystyle {\\frac {4a}{50}}} や 2 a 25 {\\displaystyle {\\frac {2a}{25}}} と書いても数学的には間違いではない。しかし、百分率の計算などの実務の問題の場合、あとの計算のことまで考えて、約分しないで分母を100のままにしておく場合もある。", "title": "実用の問題" }, { "paragraph_id": 108, "tag": "p", "text": "", "title": "実用の問題" }, { "paragraph_id": 109, "tag": "p", "text": "税抜きの値段が a円 の品物は、消費税こみ(消費税は8%とする)で、合計いくらになるか、文字式であらわしなさい。", "title": "実用の問題" }, { "paragraph_id": 110, "tag": "p", "text": "", "title": "実用の問題" }, { "paragraph_id": 111, "tag": "p", "text": "花子さんの地元のスーパーでは、お弁当の値段が、午後5時から午後6時までは定価から3割引きになります。 値引き前のお弁当の値段を、消費税込みで a円とした場合、午後5時から午後6時までの、お弁当を買うさいに払う値段を、文字式であらわしなさい。(※ すでに税込みの値段にしてあるので、消費税については考えなくてよいとする。)", "title": "実用の問題" }, { "paragraph_id": 112, "tag": "p", "text": "※ まちがえて 0.3a 円 を答えとするような計算ミスが時々あるので、気をつけよう。", "title": "実用の問題" }, { "paragraph_id": 113, "tag": "p", "text": "一辺の長さを a cm(センチメートル)とする正方形の面積はいくらかを、文字式であらわしてください。", "title": "実用の問題" }, { "paragraph_id": 114, "tag": "p", "text": "また、この正方形の周の長さを文字式で あらわしてください。", "title": "実用の問題" }, { "paragraph_id": 115, "tag": "p", "text": "", "title": "実用の問題" }, { "paragraph_id": 116, "tag": "p", "text": "長方形があります。縦の長さを a cm 、横の長さをb cm とします。面積を文字式であらわしてください。また、周の長さを文字式であらわしてください。", "title": "実用の問題" }, { "paragraph_id": 117, "tag": "p", "text": "", "title": "実用の問題" }, { "paragraph_id": 118, "tag": "p", "text": "", "title": "実用の問題" }, { "paragraph_id": 119, "tag": "p", "text": "三角形があります。底辺が a cm , 高さが h cm だとします。この三角形の面積はいくらかを、文字式であらわしてください。", "title": "実用の問題" }, { "paragraph_id": 120, "tag": "p", "text": "※ なお h とは、高さを意味する英語 height (ハイト)の頭文字。 なので、高さをあらわす文字として、数学や理科では、よく h が使われる。", "title": "実用の問題" }, { "paragraph_id": 121, "tag": "p", "text": "自動車が時速80km でa時間つづけて走っていたとします(※ 現実世界の自動車道路は途中でインターチェンジなどがあって停車するかもしれないが、しかし、そういうことは、この問題では考えない)。 この自動車がa時間によって走った 道のりは、いくらかを、文字式であらわしてください。", "title": "実用の問題" }, { "paragraph_id": 122, "tag": "p", "text": "", "title": "実用の問題" }, { "paragraph_id": 123, "tag": "p", "text": "", "title": "実用の問題" }, { "paragraph_id": 124, "tag": "p", "text": "タカシくんは a km の道のりを 2時間で歩き終えました。タカシくんの歩行の時速を文字式であらわしてください。", "title": "実用の問題" }, { "paragraph_id": 125, "tag": "p", "text": "小学校では、「円周率は3.14」としましたが、実際には円周率は3.141592653589793...と無限に続き、数では表せません。そこで、円周率を文字で表すときには π {\\displaystyle \\pi } (パイ)という記号を使います。この記号は、ギリシャ文字の小文字のひとつです。(※ 普段使わないギリシャ文字を使うのは、中学では円周率を表す専用の文字とするためです。断りなく使うことができます。)", "title": "円の数量" }, { "paragraph_id": 126, "tag": "p", "text": "これを、円の半径を r (cm)として、円周の長さC (cm)と円の面積S (cm) をそれぞれ文字式になおしてみましょう。(円の半径を表す文字には、よく r をつかう。)", "title": "円の数量" }, { "paragraph_id": 127, "tag": "p", "text": "", "title": "円の数量" }, { "paragraph_id": 128, "tag": "p", "text": "", "title": "円の数量" }, { "paragraph_id": 129, "tag": "p", "text": "※ なお半径を意味する文字 r は、半径を意味する英語 radius (レイディアス)が由来。", "title": "円の数量" } ]
中学校の学習 > 中学校数学 > 中学数学1年 > 文字と式
{{pathnav|中学校の学習|中学校数学|中学数学1年|pagename=文字と式}} == 文字を使った式== === 文字を使った式 === 数学では、小学校までの算数と違って、数字の代わりとして、文字を置くことがある。 まず、小学校のように文字を使わない場合を述べる。   例えば、「太郎君は2個、花子さんは3個{{ruby|飴|あめ}}を持っていて、二人の飴の数とを合わせると5個になる」という内容を式を使って表現すると、 :<math>2+3 = 5</math> のように、それぞれが持っている飴の数も、合計した飴の数も、全ての数の値が判っていれば、数は数字で表して、文字を使う場面はない。 通常は、数の持つ値が判っていて、その値が変わることなく、とくに数字で表して面倒がなければ、数は文字を使うことなく数字で表すのがよい。 しかし、 「太郎君も花子さんも、それぞれ何個かずつ{{ruby|飴|あめ}}を持っていて、二人の飴の数を合わせると5個になる」 というような場合を考えると、数字では表すことのできない数が出てくる。このような時、小学校では式で表すことができなかった。 では、中学校の方法を説明する。 太郎君の持っていた飴の個数も、花子さんの持っていた飴もの個数もわからないけれども、ひとまず文字であらわすことで、合わせて5個になることを表すことができるようになる。 太郎君の持っていた飴の個数を {{ruby|<math>x</math>|エックス}} 個、花子さんの持っていた飴の個数を {{ruby|<math>y</math>|ワイ}} 個と表すことで、次のように式が書ける。 :<math>x + y = 5</math> 上のようにすれば、それぞれの持っている飴の数がわかっていなくても、合計は5個だということを、式を使って表すことができる。具体的な数字で書くことができない値を文字で表すことで、そのような値を持つ数を含む内容を、等式などを使った式で表すことを、'''[[式を立てる]]'''という。 <br />また、この式中にある <math>x</math> や <math>y</math> のように、数の値を数字ではなく、文字で表したものを'''[[文字数|{{ruby|文字数|もじすう}}]]'''という。 中学レベルの数学では、数の持つ値がわからないときに使う文字数'''[[未知数|{{ruby|未知数|みちすう}}]]'''、 数の持つ値が状況によって変わるときに使う文字数'''[[変数|{{ruby|変数|へんすう}}]]'''、 数の値は判っていても、数字で表そうとするとたいへん面倒臭いときに使う文字数'''[[文字定数|{{ruby|文字定数|もじていすう}}]]'''があり、同じ文字数でも書き方や使い方がそれぞれ異なるので、注意が必要だ。未知数と変数をひっくるめて'''[[元|{{ruby|元|げん}}]]'''と呼ぶので、併せて覚えておこう。 また、数の値を表すのに使うアルファベットの文字は、主に斜めに傾いで書いた小文字の1文字を使うが、その文字の形は英語の授業でならうアルファベットとは同じ書き方ではない場合があるので気をつけたい。 {{-}} {{コラム|コラム : 文字式の立て方のコツ | 小学算数の式は、計算をして答えを出すために使うものでした。一方、中学数学では、式は答えを出すためだけでなく、数の値についてわかっている情報を記録したり、数の値の間の関係を表現したりするのにも使われる。答えを出すのにも、計算した結果が答えになる方法だけでなく、問題に与えられた情報を式に書き出し、その式をより簡単な形に書き直してゆくことで、答えに近づけていく、という方法が取られる場面が多くなります。 たとえ、値のわかっていない数を含んていても、式で表してやる必要があるため、文字数がひんぱんに使われます。具体的な数量を文字数で表すときは、式を立てる前に、必ず「どの文字で、どんな意味を表すことにするか」を明らかにしておく必要があります。必要があれば、単位も書き添えておくことが大切です。 このとき「文字 <math>x</math> で、太郎の飴の数を表す」のような表現にすると、しばしば数の単位を忘れることがありますから、「太郎の飴の数を <math>x</math> 個とする。」「飴の数を、太郎 <math>x</math> 個とおく。」のように、使う文字を文章に埋め込むスタイルをおすすめします。「とする」「とおく」「として」のどれかを使いましょう(省略してはいけません)。このように、使う文字数の意味を明らかにしておくことを'''[[元の宣言|{{ruby|元の宣言|げんのせんげん}}]]'''と呼びます。 文字式とは、このような文字を含んだ式のことです。数字の代わりの文字には、「<math>a</math>」「<math>b</math>」<math>\dots</math> 「<math>x</math>」「<math>y</math>」「<math>z</math>」といったアルファベットなどが使われます。数学では式の中で「マルあ」「(飴の数)」などの日本語の文字や「○」,「△」などの記号は使いません。}} {{-}} == なぜ文字で置くのか == 数を表すのに、数字で表記するのではなく、文字を使う場面には、いくつかの理由が考えられる。文字を使って表した数のことを'''[[文字数|{{ruby|文字数|もじすう}}]]'''と呼び、文字数を含む式を'''[[文字式|{{ruby|文字式|もじしき}}]]'''という。 中学数学では、文字数を使う場合が3つ、考えられる。 第一に、具体的な数の値がわかっていない場合がある。このような数をを'''[[w:未知数|{{ruby|未知数|みちすう}}]]'''(英語:unknown アンノウン)という。 また一つの意味を持つ数が、いろいろな値を取ることができる。このような数を'''[[w:変数|{{ruby|変数|へんすう}}]]'''(英語:variable バリアブル)という。変数については[[中学校数学 1年生-数量/比例と反比例|{{ruby|関数|かんすう}}]]のところで{{ruby|詳|くわ}}しく解説する。 未知数や変数を表す文字を、'''[[元|{{ruby|元|げん}}]]'''と呼ぶ。2種類の元を含む文字式は、2元式と呼ばれる。 さらにもうひとつ、値がわかっていて、決まった数ではあるが、数字ではうまく表せないときに文字を使って表すことがある。このような数を'''[[w:文字定数|{{ruby|文字定数|もじていすう}}]]'''という。代表的なものは、円周率を<math>\pi</math>であらわすことであるが(詳しくは後の節で説明する)、高校の物理や化学では、多くの「決まった数(定数)」を文字で表すことがある。 {| style="border:2px solid skyblue;width:95%" cellspacing=0 |style="background:skyblue"|'''文字を使って表す数の種類''' |- |style="padding:5px"| * [[wikt:変数|変数]] * [[wikt:未知数|未知数]] * [[wikt:文字定数|文字定数]] :いずれも、「数字では表せない、表しにくい」という点で共通している。 |} == 文字の式の決まり == 文字の式を書くときには決まりがある。 {| class="wikitable" |+ 積のあらわし方の約束 1 |- | * 文字数はならべて書く。 誤: <math>a \times b \rarr </math> 正: <math>ab</math> * 定数と元の積では、定数を先に書く。 誤: <math>a \times 2 \rarr</math> 正: <math>2a </math> * どうしても原則に外れるときは、<math>\cdot</math> で表す。 例: <math>0 \cdot a = a \cdot 0 = 0, 1 \cdot a = a \cdot 1 = a</math> |} 特別な事情がないかぎり、中学以降の数学では、これらの決まりに従う。 ;練習 間違った書き方の式を、文字の積の書き方の決まりにしたがって正しく書き直しましょう。 ; 問題:<math>7 \times a</math> :(答え)<math>7a</math> : &nbsp; ; 問題:<math>2 \times b</math> :(答え)<math>2b</math> : &nbsp; ; 問題:<math>a \times -3</math> :(答え)<math>-3a</math> : &nbsp; ; 問題:<math>y \times 0.3</math> :(答え)<math>0.3y</math> : &nbsp; ; 問題:<math>(a+b) \times 2</math> :(答え)<math>2(a+b)</math> : &nbsp; ; 問題:<math>2 \times a + b \times 3</math> :(答え)<math>2a+3b</math> {| class="wikitable" |+ 積のあらわし方の約束 2 |- | * 同じ文字の積は、[[wikt:指数|{{ruby|指数|しすう}}]](英語:exponent イクスポーネント)を使う。 *:例: <math>a \cdot a \cdot a = a^3</math> * 1と文字との積は1を省く。また、-1と整数との積は1を省いて「-」のみ書く。 *: 例: <math>a \times 1\rarr a, (-1) \times b \rarr -b</math> |} 練習 ; 問題:<math> a \times a </math> :(答え)<math> a^2 </math> : &nbsp; ; 問題:<math> a \times b \times a </math> :(答え)<math> a^2 b</math> : &nbsp; ; 問題: <math> 1 \times c </math> :(答え)<math> c </math> : &nbsp; ; 問題:<math> 2 \times c \times (-1) </math> :(答え)<math> -2c </math> : &nbsp; ; 問題: <math> b \times 1 \times b </math> :(答え)<math> b^2 </math> : &nbsp; ; 問題: <math>3 + a \times a \times 8</math> :(答え)<math>3 + 8a^2</math> または <math>8a^2 +3</math> : &nbsp; ; 問題: <math>7 + a \times a \times (-3)</math> :(答え)<math>7-3a^2</math> または <math>-3a^2+7</math> {| class="wikitable" |+ 商のあらわし方の約束 |- | * 文字式の除法では、原則として分数を使う。ただし、帯分数は原則として用いない。除法に「÷」は原則として用いない。 例: <math>a \div b \rarr \frac{a}{b}</math> |} ;練習 つぎの ÷ を使った式を、分数の形に直しなさい。 : &nbsp; ; 問題:<math>a \div 6</math> :(答え)<math>\frac{a}{6}</math> または <math>\frac{1}{6} a</math> : &nbsp; ; 問題:<math>(a-2) \div 5</math> :(答え)<math>\frac{a-2}{5}</math> また、決まりというほどではないが、2つ以上の積の場合、次のような習慣がある。 {| class="wikitable" |+ 2つ以上の文字の積について |- | * 1つの項の中で未知数が2個以上ある場合には、文字はアルファベット順に書くのが、普通である。 例: <math>c \times a \times b \rarr abc</math> ** 規則性がある場合は例外。例: <math>ab+bc+ca</math>(<math>ab+bc+ac</math>とはしない) |} 次のような決まりもある。 {| class="wikitable" |+ 数をあらわす文字には、<math>\Box</math> や <math>\triangle</math> などの図形は、中学入学以降は原則として使わない。 |- | * これらの記号は中学入学以降では <math>\Box</math> は正方形をあらわすときに使い、<math>\triangle</math> は三角形の図形をあらわすときに用いるからである。中学以降で数をあらわす文字には <math>a,b,c</math> や <math>A,B,C</math> などのアルファベットを原則的に用いる。 |} 練習 :(※ 問題作成中) ;まとめ # 元の積は、ならべて書く。 例: <math>a \times b \rarr ab</math> # 定数と元の積では、定数を先に書く。 例: <math>a \times 2 \times b \rarr 2ab</math> # 同じ元を2回以上かける時は、[[wikt:指数|指数]](しすう、exponent イクスポーネント)を使う。 例: <math>a \times a \times a \rarr a^3</math> # かけ算の1は省略する。 例: <math>a \times 1 \rarr a</math>, <math>(-1) \times b \rarr -b</math> # 除法では、原則として分数を使う。ただし、帯分数は原則として用いない。除法に「÷」は原則として用いない。 例: <math>a \div b \rarr \frac{a}{b}</math> # 1つの項の中で元が2個以上ある場合、特に意味がなければ普通、アルファベット順に書く。 例: <math>c \times a \times b \rarr abc</math> # 数をあらわす文字には、<math>\Box</math> や <math>\triangle</math> などの図形は原則として使わない。これらの記号は中学数学では <math>\Box</math> は正方形、<math>\triangle</math> は三角形の図形をあらわすときに用いるからである。中学以降で数をあらわす文字には a,b,c や A,B,C などのアルファベットを用いる。 {{コラム|なぜ「帯分数は原則として用いない」のか| * 帯分数は、<math>1\frac 2 3</math> のような形式をしており、これは <math>1 + \frac 2 3</math> を意味する。 * 文字式で、<math>a\frac b c</math> は、<math>a \times \frac b c</math> を意味する。 このように似かよった表現で意味が異なるので、文字式では帯分数を用いてはいけない。 }} == 文字をふくむ式の加法・乗法などの計算法則 == この単元で使う用語や公式などを紹介する。 ;加法の交換法則(こうかんほうそく) :加法の計算では、項の順を入れ替えても値が変わらないという法則を、加法(かほう)の'''交換法則'''(こうかんほうそく、英:Commutative property コミュータティヴ・プロパティ)という。 ::例: <math>a+b = b+a</math> これらの式のaやbに入る数は、正の数でも、負の数でも、加法の交換法則は成り立つ。簡単な数を代入してみて、確かめてみてください。 ;加法の結合法則(けつごうほうそく) :加法の計算では、項同士をどのように()でくくっても値が変わらないという法則を、加法の'''結合法則'''(けつごうほうそく、英:associative law アソシエイティブ・ロー)という。 ::例: <math>(a+b)+c = a+(b+c)</math> これらの式のaやbやcに入る数は、正の数でも、負の数でも、加法の結合法則は成り立つ。簡単な数を代入してみて、確かめてみてください。 ;乗法の交換法則 :乗法(かけ算)の式で、項の順を入れ替えても値が変わらないという法則を、乗法の'''交換法則'''という。 ::<math>ab = ba</math> これらの式のaやbに入る数は、正の数でも、負の数でも、乗法の交換法則は成り立つ。簡単な数を代入してみて、確かめてみてください。 ;乗法の結合法則 :乗法の式で、項同士をどのように()でくくっても値が変わらないという法則を、乗法の'''結合法則'''という。 ::<math>(ab)c = a(bc)</math> これらの式のaやbやcに入る数は、正の数でも、負の数でも、乗法の結合法則は成り立つ。簡単な数を代入してみて、確かめてみてください。 ※ 要するに、加法でも乗法でも、交換法則も結合法則も成り立つ。 ;分配法則(ぶんぱいほうそく) :次のように、aに b+c を掛けても、aをb、cにそれぞれ'''分配する'''ように掛けてから2つを足しても値が変わらないという法則を、'''分配法則''' (ぶんぱいほうそく、英:distributive property ディストゥリビュティヴ・プロパティ)という。 ::<math>a(b+c) = ab+ac</math> ::<math>(a+b)c = ac+bc</math> [[File:Distributivity 2.svg|Distributivity 2.svg]] :例: <math>5 \times (9+4) = 5 \times 9+5 \times 4</math> (どちらも65) 文字の中身が正の数の場合なら、加法でも乗法でも交換法則・結合法則・分配法則がすべて成り立つことは、小学校で習っている。 理解がむずかしいのは、文字の中身がマイナスであっても、はたして本当に交換法則・結合法則・分配法則が成り立つと決めても問題が起きないのだろうか、という事である。 では、これから、文字の中身がマイナスであっても交換法則・結合法則・分配法則が成り立つと決めても、まったく問題の起きないことを、確かめよう。 そのために、まず、いくつか前の単元で教えた、マイナス掛けるマイナスはプラスであることの説明のための長方形の図を使うと、簡単に分かる。 前の単元でつかった図は再掲しておく。[[File:マイナス×マイナスはプラス.svg|thumb|left|800px|(-1)×(-1)=(+1)の幾何学的な説明図。]] 参考にせよ。 {{-}} <math>(A-C)(B-D)</math> とあるが、あらたに文字 E と 文字F を用意して、 <math>E=-C</math> <math>F=-D</math> とすれば、 例の長方形の面積は <math>(A+E)(B+F)</math> と書ける。 このことから、まず、文字の中身がマイナスの場合であっても、この場合すらも、長方形の面積計算に対応させることができることがわかった。 ここまでくれば、あとはもう、長方形の面積計算の基本的な性質として、交換法則や結合法則や分配法則が成り立つことが、簡単に感じられるだろう。 {{-}} 例として、乗法の交換法則が成り立つことを確かめてみよう。 まず、長方形は、90度回転させてタテとヨコを入れ替えても、面積は同じである。なので交換法則は成り立つ。マイナスの数の掛け算も四角形で表せることが、さっきの図形の議論で分かってるので、よってマイナスの数でも交換法則は成り立つ。 同様に、乗法の分配法則や結合法則についても、例の図形の議論により文字の中身がマイナスの数の場合でも長方形の面積であらわせる事が分かっているので、よって、文字の中身がマイナスであっても分配法則や結合法則も成り立つ。 {{-}} == 文字の累乗と逆数 == ;累乗 :※ 文字をふくまない数の累乗と逆数については、単元『[[中学校数学 1年生-数量/正の数・負の数]]』で説明した。本ページでは、文字の累乗と逆数を説明する。 <math>a</math> を <math>b</math>回 掛けた積を <math>a^b</math> と表し、「'''<math>a</math>の<math>b</math>{{ruby|乗|じょう}}'''」と読む。 なお、このときの <math>b</math> にあたる数のことを{{ruby|'''指数'''|しすう}}(英:exponent イクスポウネント)という。 2乗のことを{{ruby|'''平方'''|へいほう}}(英:square スクウェア)とも言い、3乗のことを{{ruby|'''立方'''|りっぽう}}(英:cube キューブ)ともいう。 ;逆数(ぎゃくすう) : <math>a \times b = 1</math> となるときの <math>a</math> に対する <math>b</math> のことを{{ruby|'''逆数'''|ぎゃくすう}}という。かけて1になるということは、分母と分子がひっくり返れば約分されて1になるので、ある数の逆数を作るためには、分母と分子をひっくり返せばよい。 例えば :<math>\frac{d}{c}</math> の逆数は <math>\frac{c}{d}</math> である。 :<math>c</math> の逆数は <math>\frac{1}{c}</math> である。 例: 負の数の逆数 <math>-\frac{a}{2}</math> の逆数は<math>-\frac{2}{a}</math> である。 == 代入と式の値 == ;例題 1個40円のみかんを''x'' 個と50円のりんごを1個買ったとき、この代金を文字式で表すと 40''x'' + 50 (円) となる。では、みかんを5個買ったときの代金はいくらになるだろうか? この問題を解くためには、未知数である''x'' の代わりに5を入れて計算すればよい。 :40'''''x'''''+50 = 40×'''5'''+50 = 200+50 = 250 <ins>答.250円</ins> この問題で行ったように、式の中の文字を数でおきかえることを、文字にその数を'''代入'''(だいにゅう、英:substitution サブスティテューション)するという。また、文字式に具体的な数を代入して計算した結果を、そのときの'''式の値'''(値は「あたい」と読む。)という。 上の問題を今説明した言葉で言うと、''x'' = 5 のとき、40''x''+50 の値は 250 であると言える。 ;活用 たとえば、次のような理科の計算をするとき、代入が活用できる。 ;問題 (1) 空気中を伝わる音の速さは、そのときの気温 t ℃ によって変わり、秒速 (331.5 + 0.6''t'') m の式であらわされることが分かっています(末尾の m は長さの単位のメートル記号)。 気温が 30 ℃のときの音の速さを求めなさい。 :(解法と答え) 与えられた公式に実際に代入をする。 : 331.5 + 0.6 × 30 = 331.5 + 18 = 349.5 よって30℃のときの音の速さは秒速 349.5 m である。 ;問題 (2) 気温10度のときに、{{ruby|雷|かみなり}}が光ってから2秒後に雷の音が聞こえました。音の速さは秒速 (331.5 + 0.6''t'') m の式であらわされます。雷の光は瞬時に伝わるとします。雷の発生地点の真下の地面から、観測者がいる場所までの距離は何メートルでしょうか? :(解法と答え) まず、気温10℃のときの音の速さを求める。 :331.5 + 0.6 × 10 = 331.5 + 6 = 337.5 より、10℃での音の速さは秒速 337.5 m となる。 雷が光ってから2秒後に雷の音が聞こえたので、このあいだに音がつたわった距離は、 : 337.5×2 = 660+15 = 675 よって答えは 675mの距離である。 ::※ 東京書籍や大日本図書や学校図書や教育出版の検定教科書に、音の速さの計算の出題がある。なお、教科書会社によっては雷ではなく花火の場合もある。 ;問題(3) 気温が-10℃のときの音の速さを求めてください。音の速さの公式は秒速 (331.5 + 0.6''t'') m です。(tは気温) (解法と答え) :公式にt = 6 を代入すると : 331.5 - 6 = 325.5 :なので 、よって答えは秒速 325.5 m である。 ; 高さと気温の問題 気温は、高さ10km までは、その地点の上空にむかって 高さが 1km 高くなるごとに気温が 6 ℃ 低くなることが、すでに実験的に分かっています。つまり高さ0mの場所の気温がa℃の場合、b km 高くなるにつれて ( a - 6b )℃ の公式で、上空の気温があらわされることが分かっています。(末尾の「℃」は温度の単位の記号。) この式をもとにして、次の条件のときの気温をもとめてください。 (問題 ) 地上の気温が 30 ℃ のとき、4km 上空の気温をもとめてください。 (解法と答え) :公式に a = 30 と b = 4 を代入すると、 : ( 30 - 6×4 )= 30 - 24 = 6 :よって上空4kmでの気温は 6℃ である。 :※ 日本文教出版、大日本図書の教科書に、似たような出題がある。 == 式の項 == === 文字を含む項 === 「項」(こう)については、[[中学校数学 1年生-数量/正の数・負の数|正の数・負の数]]で、一度、説明した。例えば、2+5-9+4の式の項といえば、2、5、-9、4の4つのことである。この章では文字を含む項について考える。例えば、 :7+5''x'' -''y'' という式の場合、和の形で表すと 7 + 5''x'' + (-''y'' ) となる。したがって、この式の項は7、5x、-y の3つである。このように文字を含んだ式も含まない式も、項についての考え方は同じである。 == 項の種類と係数 == :7+5''x'' -''y'' について、文字xについている +5 と文字についている -1 のことを、それぞれ'''係数'''(けいすう)という。7は係数ではない。 つまり、文字をふくむ項についている数字と符号との積が係数である。 === 定数項と係数 === では、次の式を考えてみよう。 :3y + 5x - 2 この式の中で、文字を含む項は 3y、5x、文字を含まない項は -2 である。 文字を含む多項式の中で、文字を含まない項を'''[[wikt:定数項|定数項]]'''(ていすうこう)という。ここでは -2 が定数項である。 また、3y という項について、具体的な数字である 3 を yの'''[[wikt:係数|係数]]'''(けいすう、英:coefficient コエフィシェント) という。 yは3倍,xは5倍,さらに定数項は+1を-2倍していると考えて、式の係数は3,5,-2である。 {{中学校数学|定数項|文字を含まない項}} {{中学校数学|係数|文字式で使われている定数の部分}} === 同類項 === 文字の部分が同じ項のことを'''同類項'''(どうるいこう、英:like terms)という。次の式について考えてみよう。 :4x+8x+2y-3y<sup>2</sup> この式で 4x と 8x は、係数をのぞくと同じxとなりますから同類項だといえる。しかし、2y と 3y<sup>2</sup> は'''同類項ではない'''。文字の部分がそれぞれ y と y<sup>2</sup> となっていて指数が違うので、これらは文字の部分が同じとはいえない。したがって、同類項ではないということになる。 もし文字式のなかに同類項の加減算があれば、 :4x+8x+2y-3y<sup>2</sup> = 12x+2y - 3y<sup>2</sup> のように、同類項どうしで計算できて、式を短くできる場合が多い。 また、上記の計算例から分かるように、同類項の加減算の計算では、係数だけを加減算すればいい。 たとえば、右側の式 12x の係数 12 は、左側の式の項 4x と 項 8x という同類項どうしの係数4と8を足し合わせたもの(4+8)と同じ値になっている。 == 文字の式の利用 == === 等式 === 次のようなときを考えてみよう。 「ガム1枚で5円します。そのとき、ガムをa枚買うとb円になります。」 この場合、 5a=b という式が立てられる。このように等号(=)で2つの式が等しいことを表している物を'''等式'''(とうしき)という。また、等号の右側を '''右辺''' (うへん、英:right-hand side)といい、等号の左側を '''左辺'''(さへん、英:left-hand side) という。つまり、5a=bは等式で、左辺は5a、右辺はbである。 右辺と左辺の両方を指して '''両辺'''(りょうへん)といい、左辺と右辺それぞれのことを等式の'''辺々'''(へんぺん)という。 === 不等式 === 次のようなときを考えてみよう。 「1冊a円のノートを2冊と、1本b円の鉛筆を3本買うと、代金の合計は500円より多い。」 この場合、<math>2a + 3b > 500</math>という式が立てられる。このように2つの数量の間の関係を不等号 ≦、≧、>、< を使って表した式を '''不等式''' (ふとうしき、英:inequality イニクウォリティ)という。また、不等式の右側を '''右辺''' と言い、不等式の左側を '''左辺''' という。つまり、<math>2a + 3b > 500</math>は不等式で、左辺は、<math>2a + 3b</math>、右辺は500である。 右辺と左辺をあわせて '''両辺''' という。 「xは50より大きい または xは50と等しい」を <math>x \geqq 50</math> と表す。 「xは50より小さい または xは50と等しい」を <math>x \leqq 50</math> と表す。 <math>\geqq</math> も <math>\leqq</math> も不等号である。 == 一次式と二次式 == :3x-4y+5 のように、文字の指数が 1 までである式を'''一次式'''(いちじしき)という。(指数の 1 は記載を省略するので、上記の式中には書かれてない。) いっぽう、 :3x<sup>2</sup>-4y<sup>2</sup>+5 のように文字の指数に2を含み、最大の指数が 2 までである式を二次式という。 なお、 :x+6xy-2y+5 のような文字 xy をふくむ式については、説明を省略する(※ 検定教科書でも省略している)。中学1年生は考えなくて良い。 == 実用の問題 == === お金の計算 === ;問題 a円の 8% を文字式であらわしてみましょう。(2018年度の消費税) :解法 1% とは <math>\frac{1}{100}</math> である。なので 8% は <math>\frac{8}{100}</math> になる。 :(答え) <math>\frac{8a}{100}</math> 円 または 0.08a 円 約分をして <math>\frac{4a}{50}</math> や <math>\frac{2a}{25}</math> と書いても数学的には間違いではない。しかし、百分率の計算などの実務の問題の場合、あとの計算のことまで考えて、約分しないで分母を100のままにしておく場合もある。 ;問題 税抜きの値段が a円 の品物は、消費税こみ(消費税は8%とする)で、合計いくらになるか、文字式であらわしなさい。 :解法 a + 0.08a :(答え)<math>\frac{108a}{100}</math> 円 または 1.08a 円 ;問題 花子さんの地元のスーパーでは、お弁当の値段が、午後5時から午後6時までは定価から3割引きになります。 値引き前のお弁当の値段を、消費税込みで a円とした場合、午後5時から午後6時までの、お弁当を買うさいに払う値段を、文字式であらわしなさい。(※ すでに税込みの値段にしてあるので、消費税については考えなくてよいとする。) :解法 a - 0.3a = 0.7a :(答え)<math>\frac{7a}{10}</math> 円 または 0.7a 円 ※ まちがえて 0.3a 円 を答えとするような計算ミスが時々あるので、気をつけよう。 === 図形の数量 === [[File:Square and algebra for education.svg|300px|right|]] ;問題 一辺の長さを a cm(センチメートル)とする正方形の面積はいくらかを、文字式であらわしてください。 :(答え) a<sup>2</sup> cm<sup>2</sup> また、この正方形の周の長さを文字式で あらわしてください。 ;問題 [[File:Rectangle and algebra for education.svg|300px|right|]] 長方形があります。縦の長さを a cm 、横の長さをb cm とします。面積を文字式であらわしてください。また、周の長さを文字式であらわしてください。 :(答え)面積: ab cm<sup>2</sup> 周の長さ: (2a+2b) cm <!-- 周の長さは、値を表す式か、単位のいずれかをカッコで括って答えます。カッコがないと、2bの単位はcmとわかるが、2aの単位は表せていない、として減点の対象です。 --> {{-}} ;問題 三角形があります。底辺が a cm , 高さが h cm だとします。この三角形の面積はいくらかを、文字式であらわしてください。 :解法 三角形の面積は (底辺)×(高さ)÷2 である。これを文字式であらわせばいい。 :(答え)<math>\frac{ah}{2}</math> cm<sup>2</sup> ※ なお h とは、高さを意味する英語 height (ハイト)の{{ruby|頭|かしら}}文字。 なので、高さをあらわす文字として、数学や理科では、よく h が使われる。 === そのほか === ;問題 自動車が時速80km でa時間つづけて走っていたとします(※ 現実世界の自動車道路は途中でインターチェンジなどがあって停車するかもしれないが、しかし、そういうことは、この問題では考えない)。 この自動車がa時間によって走った 道のりは、いくらかを、文字式であらわしてください。 :(答え) 80a ''km'' {{コラム|速さの単位の記号| :※ 東京書籍の検定教科書(平成27年検定版, p.75)に km/h がある。 時速 60 km のことを、数学や理科では「 60 km/h 」のように書くことがあります。 h とは、1時間(=60分)を意味する英語 hour の頭文字です。 時速をあらわす記号は km/h です。読み方は「まいじ」ないし「パーアワー」。 }} ;問題 タカシくんは a km の道のりを 2時間で歩き終えました。タカシくんの歩行の時速を文字式であらわしてください。 :(答え)時速 <math>\frac{a}{2}</math>(km) == 円の数量 == 小学校では、「円周率は3.14」としましたが、実際には円周率は3.141592653589793…と無限に続き、数では表せません。そこで、円周率を文字で表すときには <math>\pi</math> (パイ)という記号を使います。この記号は、ギリシャ文字の小文字のひとつです。(※ 普段使わないギリシャ文字を使うのは、中学では円周率を表す専用の文字とするためです。断りなく使うことができます。) :円周の長さは、直径かける円周率 :円の面積は、半径の平方かける円周率 これを、円の半径を r (cm)として、円周の長さC (cm)と円の面積S (cm<sup>2</sup>) をそれぞれ文字式になおしてみましょう。(円の半径を表す文字には、よく r をつかう。) ;円周の長さ :C = 2r·<math>\pi</math> := 2<math>\pi</math> r ;円の面積 :S = r<sup>2</sup>·<math>\pi</math> := <math>\pi</math> r <sup>2</sup> 文字式に、円周率を表す<math>\pi</math>のように、ある決まった数をあらわす文字が含まれる場合、書く順序は、 定数を表す数字 → 文字定数 → 元 の順に書きます。 誤:a×<math>\pi</math>×4 → 正: 4<math>\pi</math>a ※ なお半径を意味する文字 r は、半径を意味する英語 radius (レイディアス)が由来。 [[Category:中学校数学|1もしとしき]]
2005-12-17T14:18:55Z
2024-02-18T03:57:48Z
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中学数学1年 方程式
中学校の学習 > 中学校数学 > 中学数学1年 > 方程式 方程式とは、わからない数を文字でおいて、その数が満たす条件を式にしたものです。 まだわかっていない数をあらわす文字として、よく x {\displaystyle x} (エックス)が使われます。(※かけ算の記号「×」ではない。) まず、方程式を学習する上で重要なことを覚えておこう。 現時点でみかんの重さはわからない。 そこでみかんの重さを、x(エックス)とおく。 合計が4.1kgなので、次の式が成り立つ。 xはこれから求めようとする数なので、まだわかっていない数を表す。 上の式のように、まだわかっていない数(未知数)を表す文字を含む等式を方程式(ほうていしき、英:equation イクエイション)という。 またこの式は、1次の項と定数の項で成り立っているので、1次式ということになる。 数ある方程式の中でも1次式でできたものを、一次方程式(いちじほうていしき)という。 方程式の基本的な式は、 もしくは、 である。 また、小学校で習った「□を使った式」も方程式と同じ様なことである。 方程式の答えを導く前に、等式の性質について習得しておこう。 まず、以下の式が成り立つとする。ここでAとBは「どんな数でもよいからとりあえず何らかの数」を表す。 このとき、"="で結ばれた式を等式(とうしき)といい、その両側にある部分を、それぞれ辺という。 特に、"="の左側を左辺(さへん)といい、右側を右辺(うへん)という。 理解しておくべき等式の性質は以下の4つである。 ※ (1) ≠ {\displaystyle \neq } とは、「等しくない」という意味の記号です。 実際に AとBに何らかの値を代入して、定数を四則演算してみよう。 (代入とは計算をする時に、式中の文字に、ある特定の数字を入れ、計算をすること) Aに6を代入する。 A=Bなので、Bも6になる。 A+C = B+C 等式の性質は、A,B,Cが7であれ243であれ-44でも、「4」でC=0のときを除いて、どんな数でも通用する。 例題の方程式に戻ってみよう。 求めるのはxなので、x=Aの形にする必要がある。 先ほどの式は、 等式の性質の1つに、等式の両辺に同じ数を加えても、等式は成り立つ、というものがある。 そこで、左辺にある300を取るため、両辺から300を引く。すると、 となる。 そしてさらに等式の性質を利用して、両辺をxの係数40で割る。 これにより、みかん1個の重さは95gということが分かった。 この95を、この方程式の解(かい)といい、解を求めることを、方程式を解く(とく)という。 一般に、なんらかの方程式のある場合に、xに数値を代入したときに、その方程式がなりたつ値のことを、解(かい) という。また、方程式の解(かい)をもとめることを(つまり、その方程式をみたす変数xなどの値をもとめることを)、その方程式を 解く(とく) という。 さて、上記のような解き方が正しいことを確認するために、検算もしてみよう。 検算は、元の式の未知数(ここではx)に解を代入して、計算結果が左辺と右辺で一致すればよい。 (左辺) = (右辺)なので、95は正しい解である。 先ほどの方程式では、 と式を変形した。 1と2の式を比べると、左辺にあった+300が、-300となって右辺に移ったと見ることができる。 この、等式の片方の辺にある項を、符号を変えてもう片方の辺に移すことを移項(いこう)という。 最も簡単な例として、方程式x - 5 = 31 を解いてみよう。 移項を利用すると、 となる。 方程式5x - 7 = 3x+9 を解いてみよう。 方程式にかかわらず、方程式を利用する時に重要なこととして、方程式を解くだけでなく、方程式を組み立てたり、正しい答えを導き出す作業も重要である。 特に文章題では、解を書くだけでは不十分なことがあるので、与えられている問題に対してどのような回答が望ましいかをじっくり考えなければならない。 要素が複雑にからみ合っているが、表や図に表すと分かりやすくなる。 今回は、BさんがAさんの家を出た時刻からx分後にAさんに追いつくとしてまとめてみる。 BさんがAさんに追いつくということは、 ということになる。 この方程式を解くと、 つまり、4分後に追いつくということになる。 Bさんは200m/分で移動しているので、 より、Bさんが出発してから4分経った時点で800m移動していることになる。 しかし、Aさんの家から駅までは600mなので、既にAさんは駅に到着しており、それまでにはBさんはAさんに追いつけない。 このように、方程式の解が問題の答えでないこともある。 一次式で方程式があらわされる式を一次方程式(いちじ ほうていしき)という。 一次方程式は 一次方程式を整理すると次のような形になる。 定数項であるbを移項すると、次のようになる。 この状態から、両辺をaで割ると、xについての式に直すことができる。 これが一次方程式の解の公式である。 比 a : b {\displaystyle a\ :\ b} に対し、aをbで割った値 a b {\displaystyle {\frac {a}{b}}} を、 a : b {\displaystyle a\ :\ b} の比の値という。 例えば、 9 : 15 {\displaystyle 9\ :\ 15} の比の値は、 9 15 = 3 5 {\displaystyle {\frac {9}{15}}={\frac {3}{5}}} である。 比 a : b {\displaystyle a\ :\ b} と比 c : d {\displaystyle c\ :\ d} の比の値が等しいとき、 a : b = c : d {\displaystyle a\ :\ b=c\ :\ d} と書く。このような、2つの比の比の値が等しいことを示す等式を比例式という。 a : b = c : d {\displaystyle a\ :\ b=c\ :\ d} であるとき、次のことが成り立つ。 横の長さをx cmとすると、 が成り立つ。上の性質を使うと、 となり、答えは24cmとなる。
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{{pathnav|中学校の学習|中学校数学|中学数学1年|pagename=方程式}} {{stub}} == 方程式とは == '''方程式'''とは、わからない数を文字でおいて、その数が満たす条件を式にしたものです。 まだわかっていない数をあらわす文字として、よく <math>x</math>(エックス)が使われます。(※かけ算の記号「×」'''ではない'''。) ;例題 :みかん40個を300gの箱に入れると、箱を含めた合計の重さが4.1kgだった。 :みかん1個の重さは何gですか。 ;解説 まず、方程式を学習する上で重要なことを覚えておこう。 {| style="border:2px solid skyblue;width:80%" cellspacing=0 |style="background:skyblue"|'''わからない数の表し方''' |- |style="padding:5px"| わからない数はいろいろな文字に置き換えて表す。 |} 現時点でみかんの重さはわからない。 そこでみかんの重さを、''x''(エックス)とおく。 合計が4.1kgなので、次の式が成り立つ。 :40''x'' + 300 = 4100 (重さの単位が統一されていないのでgになおす) ''x''はこれから求めようとする数なので、まだわかっていない数を表す。 上の式のように、まだわかっていない数(未知数)を表す文字を含む等式を'''方程式'''(ほうていしき、英:equation イクエイション)という。 またこの式は、1次の項と定数の項で成り立っているので、1次式ということになる。 数ある方程式の中でも1次式でできたものを、'''一次方程式'''(いちじほうていしき)という。 方程式の基本的な式は、 :ax + b = 0  (aは0でない数) もしくは、 :ax = b である。 また、小学校で習った「□を使った式」も方程式と同じ様なことである。 == 等式の性質 == 方程式の答えを導く前に、等式の性質について習得しておこう。 まず、以下の式が成り立つとする。ここでAとBは「どんな数でもよいからとりあえず何らかの数」を表す。 :<math>A=B</math> このとき、"="で結ばれた式を'''等式'''(とうしき)といい、その両側にある部分を、それぞれ'''辺'''という。 特に、"="の左側を'''左辺'''(さへん)といい、右側を'''右辺'''(うへん)という。 理解しておくべき等式の性質は以下の4つである。 {| style="border:2px solid skyblue;width:80%" cellspacing=0 |style="background:skyblue"|'''等式の性質''' |- |style="padding:5px"|  <math>A=B</math> のとき、次の性質が成り立つ。 |- |style="padding:5px"|1. 等式の両方の辺(両辺)に同じ数を加えても、等式は成り立つ。  <math>A+C=B+C</math> |- |style="padding:5px"|2. 等式の両辺から同じ数を引いても、等式は成り立つ。      <math>A-C=B-C</math> |- |style="padding:5px"|3. 等式の両辺に同じ数を掛けても、等式は成り立つ。       <math>AC=BC</math> |- |style="padding:5px"|4. 等式の両辺を同じ数で割っても、等式は成り立つ(ただし、割る数が0の場合を除く)。<br>                                <math>\frac{A}{C} = \frac{B}{C}</math>   (ただし <math> C \ne 0 </math>) |} ※ (1)<math> \ne </math> とは、「等しくない」という意味の記号です。 (2)次の性質も成り立つ。 5.等式の両辺を入れ{{Ruby|替|か}}えても、等式は成り立つ。 <math>B=A</math> 実際に AとBに何らかの値を代入して、定数を四則演算してみよう。 (代入とは計算をする時に、式中の文字に、ある特定の数字を入れ、計算をすること) Aに6を代入する。 A=Bなので、Bも6になる。 :そして両辺に2をたすと、 A+C = B+C ::6 + 2 = 6 + 2 = 8 ::A-C = B-C ::6 - 2 = 6 - 2 = 4 ::''AC'' = ''BC'' ::6 &times; 2 = 6 &times; 2 = 12 ::<math>\frac{A}{C} </math> = <math>\frac{B}{C} </math> ::<math>\frac{6}{2} </math> = <math>\frac{6}{2} </math> = 3 等式の性質は、A,B,Cが7であれ243であれ-44でも、「4」で''C''=0のときを除いて、どんな数でも通用する。 == 方程式の解き方 == === 等式の性質を利用する === 例題の方程式に戻ってみよう。 求めるのはxなので、''x''=''A''の形にする必要がある。 先ほどの式は、 :40''x'' + 300 = 4100 等式の性質の1つに、等式の両辺に同じ数を加えても、等式は成り立つ、というものがある。 そこで、左辺にある300を取るため、両辺から300を引く。すると、 :40''x'' + 300 - 300 = 4100 - 300 :40''x'' = 3800 となる。 そしてさらに等式の性質を利用して、両辺を''x''の係数40で割る。 :<math> \frac{40x}{40} = \frac{3800}{40} </math> :''x'' = 95 これにより、みかん1個の重さは95gということが分かった。 この95を、この方程式の'''解'''(かい)といい、解を求めることを、方程式を'''解く'''(とく)という。 一般に、なんらかの方程式のある場合に、xに数値を代入したときに、その方程式がなりたつ値のことを、'''解'''(かい) という。また、方程式の解(かい)をもとめることを(つまり、その方程式をみたす変数xなどの値をもとめることを)、その方程式を '''解く'''(とく) という。 さて、上記のような解き方が正しいことを確認するために、検算もしてみよう。 検算は、元の式の未知数(ここでは''x'')に解を代入して、計算結果が左辺と右辺で一致すればよい。 :(左辺)40 &times; 95 + 300 = 4100 :(右辺)4100 (左辺) = (右辺)なので、95は正しい解である。 === 移項 === 先ほどの方程式では、 :40''x'' + 300 = 4100 … ① :40''x'' + 300 - 300 = 4100 - 300 :40''x'' = 4100 - 300 … ② と式を変形した。 ①と②の式を比べると、左辺にあった+300が、-300となって右辺に移ったと見ることができる。 この、等式の片方の辺にある項を、符号を変えてもう片方の辺に移すことを'''移項'''(いこう)という。 最も簡単な例として、方程式''x'' - 5 = 31 を解いてみよう。 移項を利用すると、 :''x'' - 5 = 31 :''x'' = 31+5 = 36 (36-5=31) となる。 方程式''5x'' - 7 = 3''x''+9 を解いてみよう。 == 方程式の利用 == 方程式にかかわらず、方程式を利用する時に重要なこととして、方程式を解くだけでなく、方程式を組み立てたり、正しい答えを導き出す作業も重要である。 特に文章題では、解を書くだけでは不十分なことがあるので、与えられている問題に対してどのような回答が望ましいかをじっくり考えなければならない。 ;例題 :Aさんは、600m離れた駅に向かって、徒歩で自宅を出た。 :家を出た12分後に、Bさんが自転車でAさんの家を出た。 :Aさんの歩く速さを分速50m、Bさんの自転車の速さを分速200mとすると、BさんはAさんが駅に着くまでにAさんに合流できるか。 要素が複雑にからみ合っているが、表や図に表すと分かりやすくなる。 今回は、BさんがAさんの家を出た時刻から''x''分後にAさんに追いつくとしてまとめてみる。 <table border = "1" cellpadding = "2"> <caption>数量の関係</caption> <tr><th><th>Aさん<th>Bさん <tr><th>速さ(m/分)<td>50<td>200 <tr><th>追いつくまでの時間(分)<td>12+''x''<td>x <tr><th>追いつくまでの道のり(m)<td>50(12+''x'')<td>200x </table> BさんがAさんに追いつくということは、 :(Aさんが歩いた道のり) = (Bさんが走った道のり) ということになる。 この方程式を解くと、 :50(12+''x'') = 200''x'' :600 + 50''x'' = 200''x'' :150''x'' = 600 :''x'' = 4 つまり、4分後に追いつくということになる。 Bさんは200m/分で移動しているので、 :200 &times; 4 = 800 より、Bさんが出発してから4分経った時点で800m移動していることになる。 しかし、Aさんの家から駅までは600mなので、既にAさんは駅に到着しており、それまでにはBさんはAさんに追いつけない。 :答.追いつけない このように、方程式の解が問題の答えでないこともある。 == 一次方程式 == 一次式で方程式があらわされる式を'''一次方程式'''(いちじ ほうていしき)という。 一次方程式は :ax + b = 0  (a≠0) : :の形に表せる。ここで、a=0の場合は一次方程式ではなくなるので、a≠0 という条件をつけた。 == 一次方程式の解の公式 == 一次方程式を整理すると次のような形になる。 :''ax'' + ''b'' = ''c'' 定数項であるbを移項すると、次のようになる。 :''ax'' = ''c''-''b'' この状態から、両辺をaで割ると、xについての式に直すことができる。 :''x'' = <math>\begin{matrix} \frac{c-b}{a} \end{matrix}</math> これが一次方程式の解の公式である。 == 比と比例式 == === 比の値 === 比 <math>a\ :\ b</math> に対し、aをbで割った値 <math>\frac{a}{b}</math> を、 <math>a\ :\ b</math> の'''比の値'''という。 例えば、 <math>9\ :\ 15</math> の比の値は、<math>\frac{9}{15} = \frac{3}{5}</math> である。 === 比例式 === 比<math>a\ :\ b</math>と比<math>c\ :\ d</math>の比の値が等しいとき、<math>a\ :\ b = c\ :\ d</math>と書く。このような、2つの比の比の値が等しいことを示す等式を'''比例式'''という。 <math>a\ :\ b = c\ :\ d</math>であるとき、次のことが成り立つ。 :<math>a\ :\ b = c\ :\ d</math> ならば <math>ad = bc</math> ;例題 :縦と横の長さの比が<math>3\ :\ 4</math>の長方形がある。縦の長さが18cmのとき、横の長さは何cmですか。 横の長さをx cmとすると、 :<math>3\ :\ 4 = 18\ :\ x</math> が成り立つ。上の性質を使うと、 :<math>3 \times x = 18 \times 4</math> :<math>3x = 72</math> :<math>x = 24</math> となり、答えは24cmとなる。 [[Category:中学校数学|1ほうていしき]]
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2022-07-10T16:48:28Z
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中学数学1年 比例と反比例
中学校の学習 > 中学校数学 > 中学数学1年 > 比例と反比例 数学ではグラフを書くときに、右の図のような格子状の平面を用いる場合が多い。このような数の割りふられた格子状の平面を座標平面(ざひょうへいめん)といい、これをグラフ用紙として利用する。本来、座標平面とグラフ用紙は用途の異なる別々の存在だが、見た目の区別がつかないことからしばしば混同され、共通の用語で表現される場合がある。小学校でも「グラフ」を学んだと思われるが、中学校では負の数も考えるので、上・右だけでなく、左、下へとも広がっている平面として考える。グラフの横の数直線をx軸(エックスじく)、縦の数直線をy軸(ワイじく)と呼ぶ。2本の座標軸はそれぞれ値0に対応する点で直交させる。この点、x = 0, y = 0 を表す点で、原点(げんてん)と呼ぶ。ふつう記号 O (オー)で表す(ゼロではない)。原点はx軸とy軸の交わる点にある。因みに平面座標上のOはorigin(オリジン)を意味する。オリジンは「原点、基点」を意味する。 この章のタイトルは『比例・反比例のグラフ』だが、これら「座標平面」や「原点」・「x軸」・「y軸」などの用語は、比例や反比例の形のグラフにかぎらず、どんな形のグラフでも、右図のようにタテとヨコに一定間隔に数直線がある場合には分野を越えて共通に使われる用語である。座標は平面座標の他にも、複素平面(ガウス平面)や平面直角座標などがある。 座標平面の使い方の例として、右図に方程式 2x-y=0 を満たす2数の順序対(x,y)が、座標平面上の直線を形作る例をしめす。 また、原点をあらわす記号Oは、式の直線と重ならないように、少しだけ位置をズラして書き込むことが一般によく行われている。 右図に y = -2x の式であらわされる直線を座標平面であらわした例をしめす。 右図の例からも分かるように、 y=ax の形の式で係数aが 負の数 の場合は、右下がりの直線になる。 また、さきほどの y = 2x のグラフを思い起こせばわかるように、 係数aが 正の数 の場合は、右上がりの直線になる。 y = 3 2 x {\displaystyle y={\frac {3}{2}}x} の例を右図にしめす。このように、y=ax の係数 a が分数や小数であっても座標平面を使ってよい。 また、分数を係数にもつグラフは、右図の y = 3 2 x {\displaystyle y={\frac {3}{2}}x} のグラフのように、たとえば 3 2 {\displaystyle {\frac {3}{2}}} を xの係数 として持つなら、x軸方向(右)に2進むたびにy軸方向(上)に3進んでいる。 右図のように座標のサイズは自由であり、マス目が等間隔ならば、縦長でもいいし、横長でもいい。 ただしx座標にもy座標にも負の数(-の数)がある。 右の図は、座標上に点を取った様子である。点Aは、原点から右に4、上に3進んだところにある。そこで、この点の位置を表すときには、次のように表す。 一般に、原点から右にx、上にy進んだところにある点の座標を と書く。 もし、その(x,y) にある点が、点Cならば のように書く。 このとき、xをその点のx座標(エックスざひょう)と呼び、yをy座標(ワイざひょう)と呼ぶ。つまり、点Aのx座標は4であり、y座標は3といえる。 また、図の左下にある点 B の座標を表すことを考えてみると、これは原点から左に2つ、下に3つ進んだところにある。これは、負の数で言い換えると、右に-2、上に-3進んだところにある。よって、点 B の位置は「座標が (-2, -3)である」もしくは「x座標が -2、y座標が -3である」と言える。 原点Oの座標は (0,0) である。 例えば、空の風呂に水を入れるとき、水の深さは水を入れ始めてからの時間にともなって変わる。 x 分後の水の深さを y cmとすると、x , y はいろいろな値をとる。 この x , y のように、いろいろな値をとる文字を変数(へんすう)という。 ある量と、そのある量にともなって変わる他の量があり、それぞれを変数 x , y で表すとき、x の値を決めるとそれにつれて y の値もただ1つに決まることを、 y は x の関数(かんすう)であるという。例えば上の例のyはxの関数である。 二つの変数が比例の関係にあるとは 等式 y =ax が成り立つことをいい、この式の中でx と y が変数、a が比例定数である。このように、関数である2数の値を等式で示したものを、関係式(かんけいしき)という。関数の全てが関係式を持つわけではないが、中学数学では関係式を持つ関数を主に学んでゆく。関数を決定するとは、関係式を明らかにすることを指す場合が多い。また、学年ごとに異なる形の関係式を持つ関数について学習を進めて行く。小学校では比例する2数の関係を、片方の変数が2倍, 3倍, ......, n倍になると、もう片方の変数も2倍, 3倍, ......, n倍になると定めたが、数学ではこれを比例の持つ性質のひとつと考え、上に示した形の関係式を持つx と y を、比例の関係と定義する。 注意: 数学では上記の式のように、変数や文字定数、方程式で出てきたような未知数を、ひとつの式の中で同時に文字で表すことがある。上記の式では、x と y が変数で、a が文字定数である。文字の種類によって、変数、文字定数、未知数の使い分けが特に決まっているわけではないので、式を読むときにはどの文字が変数でどの文字が定数として使われているかを意識し、よく確認しておこう。 比例はy=axの形の関係式を持つ変数x,yの関数関係を指したが、 これに対し、xy=aすなわち、 の形の関係式を持つ変数x,yの関数関係を、反比例(はんぴれい、英:inverse proportion)とよぶ。反比例では、 片方の変数が2倍,3倍,......,n倍になると、もう片方の変数は 1 2 {\displaystyle {\begin{matrix}{\dfrac {1}{2}}\end{matrix}}} 倍, 1 3 {\displaystyle {\begin{matrix}{\dfrac {1}{3}}\end{matrix}}} 倍, ......, 1 n {\displaystyle {\begin{matrix}{\dfrac {1}{n}}\end{matrix}}} 倍となる関係を持っている。 この式の場合、yはxに反比例するという。慣習上、反比例の場合でもaは「比例定数」(ひれいていすう)という。 y=axと同様、この反比例の式 y = a x {\displaystyle y={\frac {a}{x}}} の場合も「yはxの関数である」といえる。 反比例では、その定義から、xとyの積が常に一定(どちらかが0である時を除く)になる。 比例を利用した問題である。 くぎ20本の重さは50gでした。くぎ150本の重さを求めなさい。 くぎの重さはくぎの数に比例するため、くぎの1本の重さをy g とすると、 という一次方程式に直せる。この方程式を解くと、 y = 5 2 {\displaystyle y={\frac {5}{2}}} となる。 これは1本あたりの重さなのでyで全体の重さを表し、くぎの本数をxで表すと y = 5 x 2 {\displaystyle y={\frac {5x}{2}}} という比例の式ができる。 問題の場合、150本の場合の重さを求めるので、式にx=150を代入する。 y = 750 2 {\displaystyle y={\frac {750}{2}}} y = 375 {\displaystyle y=375} すなわち375g、ということになる。 反比例を利用した問題である。 面積が30 c m 2 {\displaystyle {cm}^{2}} の長方形を作りたい。横を8cmとするとき、縦は何cmにすればいいか。 面積をある一定の数に定める場合、長方形の縦と横の長さは反比例する。縦の長さをyとすると、 (8y = 30) y = 15 4 {\displaystyle y={\frac {15}{4}}} すなわち 15 4 {\displaystyle {\frac {15}{4}}} cm、ということになる。 次のような問題を考える。 ここにたくさんのお湯の入った湯船がある。蛇口をひねれば最大で1分あたり1lの速度でお湯を足すことができる。また、栓を全て抜けば1分あたり2lの速度で排水できる。さらに、栓を半開きにすることで、排水速度は毎分0 ~2lの間で好きな量になるように調整することができる。蛇口、栓を調整して2分間放置するとき、湯船のお湯はどれだけ増減させられるだろうか。 湯船の注湯速度を毎分 xlとする。また、2 分後の湯船のお湯の増加量を ylとすると、 となる。この式のグラフは右図の青い直線である。 さて、問題文より、xは の範囲の値しかとることができない。 この領域をグラフに表すと、グラフの水色に塗りつぶされた領域となる。 よって、xが動く範囲を考えるとyのグラフはPからRまでの太い青の線分となる。 したがって、グラフを見るとyが動くことができる範囲は -4 ≦ y ≦ 2 であることが分かる。つまり、-4l減少~2l増加の範囲で増減することがわかる。 このように、変数にはとることのできる値の範囲に条件がある場合がある。 とることのできる値の範囲を、その変数の変域(へんいき)という。 yはxの関数であるとは、xの値を決めるとそれに対応するyの値が1つだけ決まることを指す。これを、xの関数yと表現することもある。よく検定教科書などで、 ともなって変わる2つの変数x,yがあって、... という記述を見かけるが、これは正しくない。xの値が変化したとき、これにともなってyの値が変わらなくても(例えば、常に y=3 の場合)、「yの値が1つだけ決まる」という条件にはあてはまるので、yはxの関数であるといえる。この関数は定数関数と呼ばれ、yの値に変化が見られないのでつまらないと思うかもしれないが、後に学ぶ継ぎ接ぎ関数の中で、しばしば見られるポピュラーな関数の一つである。 たとえば、小学校などで一日の気温の変化を1時間ごとに観測した折れ線グラフでも、xを時間、yを気温とすれば、xの値を決めるとそれに対応するyの値が1つだけ決まる。 このように、xの値を決めるとそれに対応するyの値が1つだけ決まる場合、この関係を関数(かんすう)であるという。 関数とは何かについて、さきほど「xの値を決めるとそれに対応するyの値が1つだけ決まる」と説明したが、実はこの決まりさえ守れば、関係式で表せなくても関数である。(たとえば、気温の例では、yの値をxの値から求める計算式はない。) このように「xの値を決めるとそれに対応するyの値が1つだけ決まる」とだけ関数の要件を決めておくことにより、数式であらわせないものであっても、必要に応じて関数として利用できるので、活用しやすくなる。 また、この気温の折れ線グラフの例からも分かるように、関数は折れ線であってもいいし、一次式や文字式であらわせなくてもいい。 そして重要なこととして、「xとyの関係を一次式や文字式などの数式であらわせなくてもいい」ということは、「関係を数式であらわせてもいい」ということである。 なので、正比例や反比例などの比例関係も、関数であるといえる。 なお、中学二年で習う「一次関数」とは、xとyの関係が一次式で表せる場合である。 気温の折れ線グラフでは、気温を測定してない時間帯には、当然、関数が存在しない。 たとえば、その日の朝6時から夕方5時まで気温を測定したら、そのあいだの時間だけが、関数の値が存在する時間帯である。 この、気温グラフで気温測定した時間帯のように、関数の値が存在する変数の領域のことを変域(へんいき)という。 なお、文字式であらわせる関数にも変域のある場合がある。 たとえば、反比例の式の関数 では、x=0 の部分は、変域から外れる 一次式であらわせる式でも、文章題などの応用問題では変域が存在する。 たとえば という問題では、 と式で表せるが、 窓のあけられた長さを0よりも小さくはできないし、窓の可動範囲までしか窓を開けないので、xに上限も存在する。 中学1年で習う『関数』の単元は入門的な内容のため、数式であらわせる関数については中学1年では「比例」や「反比例」といった、単項式またはその逆数であらわせる関数だけをあらわしており、関数の概念を使わなくても式を解けるため、わざわざ「関数」という概念を構築する必要性が分かりづらい。 しかし、本来の関数とは、たとえ、もしyの式がxの二次式または二次より大きい次数の数式であっても、それが条件「xの値を決めるとそれに対応するyの値が1つだけ決まる」という条件を満たしているならば、その場合「yはxの関数である」である。逆に言えばこのページの単元「比例、反比例」の比例とも関連する。つまり関数は研究していくと簡単に解く方法が見つかるかもしれない。 最終的に読者が中学3年や高校で習う関数の理論は、このような、xについての二次式以上のyの式でも関数としてあつかう理論である。
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"このように「xの値を決めるとそれに対応するyの値が1つだけ決まる」とだけ関数の要件を決めておくことにより、数式であらわせないものであっても、必要に応じて関数として利用できるので、活用しやすくなる。", "title": "※ 中1の範囲" }, { "paragraph_id": 60, "tag": "p", "text": "また、この気温の折れ線グラフの例からも分かるように、関数は折れ線であってもいいし、一次式や文字式であらわせなくてもいい。", "title": "※ 中1の範囲" }, { "paragraph_id": 61, "tag": "p", "text": "そして重要なこととして、「xとyの関係を一次式や文字式などの数式であらわせなくてもいい」ということは、「関係を数式であらわせてもいい」ということである。", "title": "※ 中1の範囲" }, { "paragraph_id": 62, "tag": "p", "text": "なので、正比例や反比例などの比例関係も、関数であるといえる。", "title": "※ 中1の範囲" }, { "paragraph_id": 63, "tag": "p", "text": "なお、中学二年で習う「一次関数」とは、xとyの関係が一次式で表せる場合である。", "title": "※ 中1の範囲" }, { "paragraph_id": 64, "tag": "p", "text": "", "title": "※ 中1の範囲" }, { "paragraph_id": 65, "tag": "p", "text": "気温の折れ線グラフでは、気温を測定してない時間帯には、当然、関数が存在しない。", "title": "※ 中1の範囲" }, { "paragraph_id": 66, "tag": "p", "text": "たとえば、その日の朝6時から夕方5時まで気温を測定したら、そのあいだの時間だけが、関数の値が存在する時間帯である。", "title": "※ 中1の範囲" }, { "paragraph_id": 67, "tag": "p", "text": "この、気温グラフで気温測定した時間帯のように、関数の値が存在する変数の領域のことを変域(へんいき)という。", "title": "※ 中1の範囲" }, { "paragraph_id": 68, "tag": "p", "text": "", "title": "※ 中1の範囲" }, { "paragraph_id": 69, "tag": "p", "text": "なお、文字式であらわせる関数にも変域のある場合がある。", "title": "※ 中1の範囲" }, { "paragraph_id": 70, "tag": "p", "text": "たとえば、反比例の式の関数", "title": "※ 中1の範囲" }, { "paragraph_id": 71, "tag": "p", "text": "では、x=0 の部分は、変域から外れる", "title": "※ 中1の範囲" }, { "paragraph_id": 72, "tag": "p", "text": "", "title": "※ 中1の範囲" }, { "paragraph_id": 73, "tag": "p", "text": "一次式であらわせる式でも、文章題などの応用問題では変域が存在する。 たとえば", "title": "※ 中1の範囲" }, { "paragraph_id": 74, "tag": "p", "text": "という問題では、", "title": "※ 中1の範囲" }, { "paragraph_id": 75, "tag": "p", "text": "と式で表せるが、 窓のあけられた長さを0よりも小さくはできないし、窓の可動範囲までしか窓を開けないので、xに上限も存在する。", "title": "※ 中1の範囲" }, { "paragraph_id": 76, "tag": "p", "text": "", "title": "※ 中1の範囲" }, { "paragraph_id": 77, "tag": "p", "text": "中学1年で習う『関数』の単元は入門的な内容のため、数式であらわせる関数については中学1年では「比例」や「反比例」といった、単項式またはその逆数であらわせる関数だけをあらわしており、関数の概念を使わなくても式を解けるため、わざわざ「関数」という概念を構築する必要性が分かりづらい。", "title": "※ 中1の範囲" }, { "paragraph_id": 78, "tag": "p", "text": "しかし、本来の関数とは、たとえ、もしyの式がxの二次式または二次より大きい次数の数式であっても、それが条件「xの値を決めるとそれに対応するyの値が1つだけ決まる」という条件を満たしているならば、その場合「yはxの関数である」である。逆に言えばこのページの単元「比例、反比例」の比例とも関連する。つまり関数は研究していくと簡単に解く方法が見つかるかもしれない。", "title": "※ 中1の範囲" }, { "paragraph_id": 79, "tag": "p", "text": "最終的に読者が中学3年や高校で習う関数の理論は、このような、xについての二次式以上のyの式でも関数としてあつかう理論である。", "title": "※ 中1の範囲" } ]
中学校の学習 > 中学校数学 > 中学数学1年 > 比例と反比例
{{pathnav|中学校の学習|中学校数学|中学数学1年|pagename=比例と反比例}} == 比例・反比例のグラフ == === グラフの基礎 === [[File:Mathematical axis for education japanese.svg|right|400px|]] 数学ではグラフを書くときに、右の図のような格子状の平面を用いる場合が多い。このような数の割りふられた格子状の平面を'''座標平面'''(ざひょうへいめん)といい、これをグラフ用紙として利用する。本来、座標平面とグラフ用紙は用途の異なる別々の存在だが、見た目の区別がつかないことからしばしば混同され、共通の用語で表現される場合がある。小学校でも「グラフ」を学んだと思われるが、中学校では負の数も考えるので、上・右だけでなく、左、下へとも<!-- 無限に (グラフを書く用紙は無限に広くないが)-->広がっている平面として考える。グラフの横の数直線を'''x軸'''(エックスじく)、縦の数直線を'''y軸'''(ワイじく)と呼ぶ。2本の座標軸はそれぞれ値0に対応する点で直交させる。この点、''x'' = 0, ''y'' = 0 を表す点で、'''原点'''(げんてん)と呼ぶ。ふつう記号 ''O'' (オー)で表す(ゼロではない)。原点はx軸とy軸の交わる点にある。因みに平面座標上のOはorigin(オリジン)を意味する。オリジンは「原点、基点」を意味する。 この章のタイトルは『比例・反比例のグラフ』だが、これら「座標平面」や「原点」・「x軸」・「y軸」などの用語は、比例や反比例の形のグラフにかぎらず、どんな形のグラフでも、右図のようにタテとヨコに一定間隔に数直線がある場合には分野を越えて共通に使われる用語である。座標は平面座標の他にも、複素平面(ガウス平面)や平面直角座標などがある。 {{-}} ---- [[File:Y=2x.svg|right|400px|]] 座標平面の使い方の例として、右図に方程式 2x-y=0 を満たす2数の順序対(x,y)が、座標平面上の直線を形作る例をしめす。 また、原点をあらわす記号Oは、式の直線と重ならないように、少しだけ位置をズラして書き込むことが一般によく行われている。 {{-}} ---- [[File:Y=-2x.svg|right|400px|]] 右図に y = -2x の式であらわされる直線を座標平面であらわした例をしめす。 右図の例からも分かるように、 y=ax の形の式で係数aが 負の数 の場合は、右下がりの直線になる。 また、さきほどの y = 2x のグラフを思い起こせばわかるように、 係数aが 正の数 の場合は、右上がりの直線になる。 {{-}} [[File:Y=(3 divide 2)x.svg|right|400px|]] <math> y = \frac{3}{2}x </math> の例を右図にしめす。このように、y=ax の係数 a が分数や小数であっても座標平面を使ってよい。 {{-}} [[File:Gradient of y=(3 divide 2)x.svg|right|400px|]] また、分数を係数にもつグラフは、右図の <math>y = \frac{3}{2}x </math> のグラフのように、たとえば <math>\frac{3}{2}</math> を xの係数 として持つなら、x軸方向(右)に2進むたびにy軸方向(上)に3進んでいる。 {{-}} [[File:Coordinate 8 * 11 wirt Y=2x.svg|right|400px|]] 右図のように座標のサイズは自由であり、マス目が等間隔ならば、縦長でもいいし、横長でもいい。 ただしx座標にもy座標にも負の数(-の数)がある。 {{-}} {{clear}} [[画像:XY-plane example.svg|thumb|right|360px|''xy'' 座標平面上の点]] 右の図は、座標上に点を取った様子である。点''A''は、原点から右に4、上に3進んだところにある。そこで、この点の位置を表すときには、次のように表す。 :''A''(4,3) 一般に、原点から右にx、上にy進んだところにある点の座標を :(''x'',''y'') と書く。 もし、その(x,y) にある点が、点Cならば :C(''x'',''y'') のように書く。 このとき、''x''をその点の'''x座標'''(エックスざひょう)と呼び、''y''を'''y座標'''(ワイざひょう)と呼ぶ。つまり、点''A''のx座標は4であり、y座標は3といえる。 また、図の左下にある点 B の座標を表すことを考えてみると、これは原点から左に2つ、下に3つ進んだところにある。これは、[[中学校数学_1年生-数量/正の数・負の数|負の数]]で言い換えると、右に-2、上に-3進んだところにある。よって、点 B の位置は「座標が (-2, -3)である」もしくは「x座標が -2、y座標が -3である」と言える。 原点Oの座標は (0,0) である。 === 用語 === ; ''x''軸(横軸) : 原点から左右に伸びた数直線(軸)、y=0 の点から成る。 ; ''y''軸(縦軸) : 原点から上下に伸びた数直線(軸)、x=0 の点から成る。 ; 座標軸 : x軸,y軸を合わせた言い方 ; 原点 : 座標平面の中心の交点 (記号で{{ruby|0|オー}}と表す) ; ''x''座標 : 点の位置を、横軸(x軸)で読み取った値。 ; ''y''座標 : 点の位置を、縦軸(y軸)で読み取った値。 ; 点の座標 : 点の位置をx座標とy座標の2値の順序対で表したもの。(x, y)で書き表す。 {| class="wikitable" |- | ! 第一象限 !! 第二象限 !! 第三象限 !! 第四象限 |- ! x座標 | 正 || 負 || 負 || 正 |- ! y座標 | 正 || 正 || 負 || 負 |} [[File:Quadrant japanese.svg|thumb|300px|]] === 関数 === 例えば、空の風呂に水を入れるとき、水の深さは水を入れ始めてからの時間にともなって変わる。 x 分後の水の深さを y cmとすると、x , y はいろいろな値をとる。 この x , y のように、いろいろな値をとる文字を'''変数'''(へんすう)という。 ある量と、そのある量にともなって変わる他の量があり、それぞれを変数 x , y で表すとき、x の値を決めるとそれにつれて y の値もただ1つに決まることを、 y は x の'''関数'''(かんすう)であるという。例えば上の例のyはxの関数である。 二つの変数が比例の関係にあるとは 等式 ''y'' =''ax'' が成り立つことをいい、この式の中で''x'' と ''y'' が変数、''a'' が比例定数である。このように、関数である2数の値を等式で示したものを、'''関係式'''(かんけいしき)という。関数の全てが関係式を持つわけではないが、中学数学では関係式を持つ関数を主に学んでゆく。関数を決定するとは、関係式を明らかにすることを指す場合が多い。また、学年ごとに異なる形の関係式を持つ関数について学習を進めて行く。小学校では比例する2数の関係を、'''片方の変数が2倍, 3倍, ……, n倍になると、もう片方の変数も2倍, 3倍, ……, n倍になる'''と定めたが、数学ではこれを比例の持つ性質のひとつと考え、上に示した形の関係式を持つ''x'' と ''y'' を、比例の関係と定義する。 {{clear}} {{notice-box| 注意: 数学では上記の式のように、変数や文字定数、[[中学校数学_1年生-数量/方程式|方程式]]で出てきたような未知数を、ひとつの式の中で同時に文字で表すことがある。上記の式では、''x'' と ''y'' が変数で、''a'' が文字定数である。文字の種類によって、変数、文字定数、未知数の使い分けが特に決まっているわけではないので、式を読むときにはどの文字が変数でどの文字が定数として使われているかを意識し、よく確認しておこう。 }} ==== 比例の関係にある変数の例 ==== * 時速 60km で走る車が ''x'' 時間かけて進む距離を ''y'' kmとしたとき、''y'' = 60 ''x'' である。 * 1個あたりの重さ 100グラム のみかん ''x'' 個の合計の重さを ''y'' グラムとしたとき、''y'' = 100 ''x'' である。 <br clear="all"/> === 反比例のグラフ === [[画像:Hyperbola g2 continuous.svg|thumb|right|360px|反比例の式 <math>y = \frac{1}{x}</math> のグラフ]] 比例は''y''=''ax''の形の関係式を持つ変数''x'',''y''の関数関係を指したが、<br> これに対し、''xy''=''a''すなわち、 : <math>y = \dfrac{a}{x}</math>   (aは定数) の形の関係式を持つ変数''x'',''y''の関数関係を、反比例(はんぴれい、英:inverse proportion)とよぶ。反比例では、 '''片方の変数が2倍,3倍,……,n倍になると、もう片方の変数は''' <math>\begin{matrix} \dfrac{1}{2} \end{matrix}</math>'''倍''', <math>\begin{matrix} \dfrac{1}{3} \end{matrix}</math>'''倍''', ……, <math>\begin{matrix} \dfrac{1}{n} \end{matrix}</math>'''倍となる'''関係を持っている。 この式の場合、'''yはxに反比例する'''という。慣習上、反比例の場合でもaは「比例定数」(ひれいていすう)という。 ''y''=''ax''と同様、この反比例の式 <math>y = \frac{a}{x}</math> の場合も「''y''は''x''の関数である」といえる。 反比例では、その定義から、xとyの積が'''常に一定'''(どちらかが0である時を除く)になる。 ==== 反比例になる例 ==== * 10リットルのジュースをx人で等分した一人分がyリットル  <math>y = \frac{10}{x}</math> * 面積が50<math>{cm}^2</math>の長方形の縦の長さがx cmのとき横の長さがy cm  <math>y= \frac{50}{x}</math> == 比例・反比例の利用 == === 比例の利用 === 比例を利用した問題である。 くぎ20本の重さは50gでした。くぎ150本の重さを求めなさい。 くぎの重さはくぎの数に比例するため、くぎの1本の重さをy g とすると、 :20''y''=50 という一次方程式に直せる。この方程式を解くと、<math>y = \frac{5}{2}</math>となる。 これは1本あたりの重さなのでyで全体の重さを表し、くぎの本数をxで表すと<math>y = \frac{5x}{2}</math>という比例の式ができる。 問題の場合、150本の場合の重さを求めるので、式にx=150を代入する。 <math>y = \frac{750}{2}</math> <math>y = 375</math> すなわち375g、ということになる。 === 反比例の利用 === 反比例を利用した問題である。 面積が30<math>{cm}^2</math>の長方形を作りたい。横を8cmとするとき、縦は何cmにすればいいか。 面積をある一定の数に定める場合、長方形の縦と横の長さは反比例する。縦の長さをyとすると、 (8y = 30)<br> <math>y = \frac{15}{4}</math> すなわち<math>\frac{15}{4}</math>cm、ということになる。 == グラフの範囲(発展) == 次のような問題を考える。 ここにたくさんのお湯の入った湯船がある。{{ruby|蛇|じゃ}}口をひねれば最大で1分あたり1{{ruby|ℓ|リットル}}の速度でお湯を足すことができる。また、{{ruby|栓|せん}}を全て抜けば1分あたり2ℓの速度で排水できる。さらに、栓を半開きにすることで、排水速度は毎分0 ~2ℓの間で好きな量になるように調整することができる。蛇口、栓を調整して2分間放置するとき、湯船のお湯はどれだけ増減させられるだろうか。<!-- 厳密にいえば排水速度は残っている水の高さによって変化してしまうのだが、短い時間であるのでここでは一定とする。 --> [[画像:XY-plane example y eq 2x with domain.svg|thumb|right|360px|''y'' = 2''x'' (-2≦''x''≦1)のグラフ]]<!-- P, Rの白丸をぬりつぶさねば --> 湯船の注湯速度を毎分 ''x''ℓとする。また、2 分後の湯船のお湯の増加量を yℓとすると、 : ''y'' = 2''x'' となる。この式のグラフは右図の青い直線である。 さて、問題文より、''x''は : -2 ≦ ''x'' ≦ 1 の範囲の値しかとることができない。 この領域をグラフに表すと、グラフの水色に塗りつぶされた領域となる。 よって、''x''が動く範囲を考えると''y''のグラフはPからRまでの太い青の線分となる。 したがって、グラフを見ると''y''が動くことができる範囲は -4 ≦ ''y'' ≦ 2 であることが分かる。つまり、-4ℓ減少~2ℓ増加の範囲で増減することがわかる。 このように、変数にはとることのできる値の範囲に条件がある場合がある。 とることのできる値の範囲<!--(「範囲」は(一つの)不等式で表せるものに限らない) 「範囲」というのは曖昧だが仕方があるまい -->を、その変数の'''変域'''(へんいき)という。<!-- とくに条件の無い場合は、変域は(実)数全体であると考える。 --> == ※ 中1の範囲 == '''yはxの関数である'''とは、''xの値を決めるとそれに対応するyの値が1つだけ決まる''ことを指す。これを、'''xの関数y'''と表現することもある。よく検定教科書などで、 '''ともなって変わる2つの変数x,yがあって、… ''' という記述を見かけるが、これは正しくない。xの値が変化したとき、これにともなってyの値が変わらなくても(例えば、常に y=3 の場合)、「yの値が1つだけ決まる」という条件にはあてはまるので、yはxの関数であるといえる。この関数は'''定数関数'''と呼ばれ、yの値に変化が見られないのでつまらないと思うかもしれないが、後に学ぶ'''継ぎ接ぎ関数'''の中で、しばしば見られるポピュラーな関数の一つである。 === 関数とは === たとえば、小学校などで一日の気温の変化を1時間ごとに観測した折れ線グラフでも、xを時間、yを気温とすれば、xの値を決めるとそれに対応するyの値が1つだけ決まる。 このように、xの値を決めるとそれに対応するyの値が1つだけ決まる場合、この関係を'''関数'''(かんすう)であるという。 関数とは何かについて、さきほど「xの値を決めるとそれに対応するyの値が1つだけ決まる」と説明したが、実はこの決まりさえ守れば、関係式で表せなくても関数である。(たとえば、気温の例では、yの値をxの値から求める計算式はない。) このように「xの値を決めるとそれに対応するyの値が1つだけ決まる」とだけ関数の要件を決めておくことにより、数式であらわせないものであっても、必要に応じて関数として利用できるので、活用しやすくなる。 また、この気温の折れ線グラフの例からも分かるように、関数は折れ線であってもいいし、一次式や文字式であらわせなくてもいい。 そして重要なこととして、「xとyの関係を一次式や文字式などの数式で'''あらわせなくても'''いい」ということは、「関係を数式で'''あらわせても'''いい」ということである。 なので、正比例や反比例などの比例関係も、関数であるといえる。 なお、中学二年で習う「一次関数」とは、xとyの関係が一次式で表せる場合である。 === 関数の変域 === 気温の折れ線グラフでは、気温を測定してない時間帯には、当然、関数が存在しない。 たとえば、その日の朝6時から夕方5時まで気温を測定したら、そのあいだの時間だけが、関数の値が存在する時間帯である。 この、気温グラフで気温測定した時間帯のように、関数の値が存在する変数の領域のことを'''変域'''(へんいき)という。 なお、文字式であらわせる関数にも変域のある場合がある。 たとえば、反比例の式の関数 <math>y=\frac{1}{x} </math> では、x=0 の部分は、変域から外れる 一次式であらわせる式でも、文章題などの応用問題では変域が存在する。 たとえば 窓があります。窓の高さは90 cmとします。窓を x cmあけたときの、あけられた部分の面積 y (単位はcm<sup>2</sup>とする)は、いくらでしょうか? という問題では、 y = 90x と式で表せるが、 窓のあけられた長さを0よりも小さくはできないし、窓の可動範囲までしか窓を開けないので、xに上限も存在する。 === さいごに === 中学1年で習う『関数』の単元は入門的な内容のため、数式であらわせる関数については中学1年では「比例」や「反比例」といった、単項式またはその逆数であらわせる関数だけをあらわしており、関数の概念を使わなくても式を解けるため、わざわざ「関数」という概念を構築する必要性が分かりづらい。 しかし、本来の関数とは、たとえ、もしyの式がxの二次式または二次より大きい次数の数式であっても、それが条件「xの値を決めるとそれに対応するyの値が1つだけ決まる」という条件を満たしているならば、その場合「yはxの関数である」である。逆に言えばこのページの単元「比例、反比例」の比例とも関連する。つまり関数は研究していくと簡単に解く方法が見つかるかもしれない。 最終的に読者が中学3年や高校で習う関数の理論は、このような、xについての二次式以上のyの式でも関数としてあつかう理論である。 [[Category:中学校数学|1ひれいとはんひれい]]
2005-12-17T14:19:36Z
2023-08-15T13:44:41Z
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中学数学2年 式の計算
中学校の学習 > 中学校数学 > 中学数学2年 > 式の計算 3 x {\displaystyle 3x} や、 a b {\displaystyle ab} などのように、数と文字をかけ合わせた数を単項式という。 x {\displaystyle x} というような一つの文字や、512 などの一つの数も単項式として考える。 2 a + 3 b {\displaystyle 2a+3b} などのように単項式の和で表される式を多項式という。 3 a + 5 {\displaystyle 3a+5} の項「 5 」の部分のように、定数だけの項のことを定数項(ていすうこう)という。 さて、ここでまた一つ言葉を覚えてもらいたい。 単項式又は多項式のそれぞれの項が数と文字の積になっているとき、数の部分をその項の係数(けいすう)という。 例えば、 4 x {\displaystyle 4x} の係数は 4 である。また、 2 x 2 {\displaystyle 2x^{2}} の係数は 2 である。 ただし、高校で学習することではあるが、次のような「ある文字に注目する」ということがあるので注意して欲しい。 このとき、x についての単項式 2xy の係数は 2y である。なお、このことについては高校で学習することなので、現在は深く考えなくてもよい。 中学校では、1つの単項式で、掛け合わされている文字の個数で、数字以外の文字の個数のことを「単項式の次数」(じすう、英: degree )と言う。例えば、 2 a {\displaystyle 2a} の次数は、数字以外の文字は a {\displaystyle a} が1個だけなので 1 である。ただし、 a 3 {\displaystyle a^{3}} の次数は 3 である。なぜなら a 3 {\displaystyle a^{3}} は 単項式の次数では、 a × a × a {\displaystyle a\times a\times a} として次数として文字を数える。 このように、指数の部分は、指数をつかわない掛け算に直したときの文字の個数として数えることになる。 多項式については、その中の項として現れる単項式たちの次数のうち、もっとも次数の高い項のもつ次数を、その多項式の次数とする。 例えば 一般に、多項式の次数が n のとき、その式を n-次式(n-じしき)という。 (※ 範囲外 ) 0 の項の次数については、定義しないか負数または -∞ とするなどいくつかの流派が存在する。 さて、ここで次の多項式を考えていこう。 このような式で、 3 x {\displaystyle 3x} と − 5 x {\displaystyle -5x} のように、文字の部分が次数まで含めて 同じ項 を、同類項(どうるいこう)と言う。 また、 − 4 y {\displaystyle -4y} と 2 y {\displaystyle 2y} も同類項である。 いっぽう、 では、次数が違うので同類項ではない。 さて、同類項どうしは、例えば多項式 3 a + 2 a {\displaystyle 3a+2a} を例にすると のように、分配法則を使って まとめることができる。 このように、同類項どうしは、分配法則を使って まとめることができる。 一般に m a + n a {\displaystyle ma+na} の形の式は、 と同類項をまとめることができる。(文字 a に注目すると、ma と na が同類項である。) では、冒頭の式 3 x − 4 y + 2 y − 5 x {\displaystyle 3x-4y+2y-5x} の同類項を まとめてみよう。 これをまとめると となる。 ところで、-2x と -2y は同類項ではないので、これ以上まとめることができないから、計算はここまでとなる。一般的に、文字式は必ず同類項をまとめなければならない。 複数の式を足したり、引いたりするには、それぞれの式にかっこをつけ、+、-の記号でつなぐことで式が完成する。例えば、2x + 3y と x + 6y という 2つの式を足すには、 とすればよい。また、左の式から右の式を引くには、 とする。 このような式を計算する場合、次のようにかっこをはずし、同類項をまとめる。 もし読者が、(符号が - の場合について)理解しづらい場合、xやyに1や2などの簡単な数字を代入してみて、確かめてみよう。 このような式の計算は、筆算を応用してもできる。ただし、文字の種類をそろえることに注意。 また、かっこの前に数字がついている場合は、分配法則によりその数字を括弧の中に入れてから はずすとよい。 計算になれてきたら、式を省略して暗算で出きるようになるとよい。 ここでは、単項式の乗除について学習する。まず、次の式を考えてみよう。 このような式の場合、係数どうしの積に文字の積をかけると答えが求められる。上の式でやってみると、 となる。なぜなら、2a = 2×a、3b = 3×bなので、掛け算はかける順番を変えてもよいから、 ( − 3 x ) 3 {\displaystyle (-3x)^{3}} を計算してみよう。 単項式の除法は、数の計算と同じように約分して計算できる。 例えば のように約分してよい。 ( − 6 x 3 y 2 ) ÷ 3 2 x y {\displaystyle (-6x^{3}y^{2})\div {\frac {3}{2}}xy} を計算してみよう。 3 2 x y = 3 x y 2 {\displaystyle {\frac {3}{2}}xy={\frac {3xy}{2}}} であるから、 3 2 x y {\displaystyle {\frac {3}{2}}xy} の逆数は 2 3 x y {\displaystyle {\frac {2}{3xy}}} となる。 よって − 4 x 2 y {\displaystyle -4x^{2}y} が答え。 ※ 慣れてきたら、先ほどの問題を次のように、数字どうし、文字の指数どうしを直接に計算していい。 この単元では、文字式を使うと、さまざまな場合の事柄が成り立つことを説明できる場合がよくあることを学習します。 ここで、次の問題を考えてみる。 まずは偶数を文字を使って表す。 偶数というのは 2 の倍数であるから、 と表すことができる。そこで、自然数を n と表すことにすると、偶数は と表すことになる。 また、奇数の場合は偶数より 1 小さい、あるいは、1 大きいと考えて、 と表すことになる。 では、問題になってる偶数どうしの和を考えてみる。 2つの式で表すには、それぞれ 2n, 2m とあらわすことができる。n, m と違う文字を用いたのは、もし同じ文字にしてしまうと、例えばn=3の場合、 2n+2n = 6+6 のように、同じ数どうしの和になってしまいます。 偶数どうしの和というのは、 6+10のように、もっと他のパターンもあるので、よってnとmのように、違う文字どうしを使う必要があります。 とにかく、nとmで記述した偶数どうしを足してみましょう。すると、 と、分配法則を使って、まとめることができます。 ここで、n + m というのは自然数同士の和であるわけだから、当然、自然数の一部になる。そして、偶数とは、自然数と2との積のことであったので、ならば自然数の一部と2との積であっても偶数である。 だから、偶数と偶数の和は偶数になる ということが説明できたわけである。 (説明 終わり) このように、文字を使った計算をすることにより、どんな場合でも主張が成り立つことを説明したことになる場合が、よくあります。 さきほどの説明では、自然数をつかって偶数および奇数を説明したが、自然数でなくても整数をつかっても偶数および奇数を表してもいい。検定教科書でも、啓林館などの教科書では、自然数ではなく整数で偶数および奇数を説明している。 整数を使う場合、0,-2,-4,-6,・・・・なども偶数になる。また、整数を使う場合、-1,-3,-5,・・・・なども奇数になる。 つまり、整数を使う場合の偶数は、 ・・・,-6,-4,-2,0,2,4,6,・・・ となる。 整数を使う場合の奇数は、 ・・・,-5,-3,-1,1,3,5,・・・ となる。 では、さきほどの問題で、整数を使った場合の解答の例をしめす。 まずは偶数を文字を使って表す。 偶数というのは 2 の倍数であるから、 と表すことができる。そこで、整数を n と表すことにすると、偶数は と表すことになる。 また、奇数の場合は偶数より 1 小さい、あるいは、1 大きいと考えて、 と表すことになる。 では、問題になってる偶数どうしの和を考えてみる。 2つの式で表すには、それぞれ 2n, 2m とあらわすことができる。n, m と違う文字を用いたのは、もし同じ文字にしてしまうと、例えばn=3の場合、 2n+2n = 6+6 のように、同じ数どうしの和になってしまいます。 偶数どうしの和というのは、 6+10のように、もっと他のパターンもあるので、よってnとmのように、違う文字どうしを使う必要があります。 とにかく、nとmで記述した偶数どうしを足してみましょう。すると、 と、分配法則を使って、まとめることができます。 ここで、n + m というのは整数同士の和であるわけだから、当然、整数の一部になる。そして、偶数とは、整数と2との積のことであったので、ならば整数の一部と2との積であっても偶数である。 だから、偶数と偶数の和は偶数になる ということが説明できたわけである。 (解答例 終わり) このように、この問題の場合、単に「自然数」を「整数」に言いかえるだけでよい。 偶数と奇数どうしの和が、どうなるか、考えてみましょう。 まず、偶数を 2n であらわした場合、奇数は 2m+1 のように、nではなくmを使って奇数を表します。 もし、奇数にも n を使ってしまうと、 和の 2n+(2n+1) は、例えば、6+7 とか、または 14+15 のように、連続する2つの数どうしの和の場合だけになってしまいます。これでは、どんな場合の説明には、なっていないです。 なので、 偶数に使う文字(例ではn)と奇数に使い文字(m)とは、別の文字にする必要があります。 では、実際に偶数と奇数の和を、文字式で計算してみましょう。 2n+(2m+1)= 2n+2m+1 あらたに、別の文字Aを用意してみて、 とすれば、まずAは自然数の一部です。 そして となるので、これは奇数の形だし、式中のAは自然数の一部なので、よって、偶数と奇数の和は奇数になります。(説明 終わり) 2つの奇数どうしの和がどうなるか、上述の例にならって説明しなさい。 5,6,7のように連続する3つの整数どうしの和は、3の倍数になる。3つのうちの1番目の数をnと置き、2番目を n+1 、3番目を n +2 と置いてみて、和が必ず3の倍数になることを説明しなさい。 (解法と答え) ※ 東京書籍などの教科書では、この問題の解法が書いてある。 n+(n+1)+(n+2) = n+n+n + 1+2 = 3n+3 =3(n+1) n+1 は整数なので、よって、3(n+1)も整数である。 よって、連続する3つの整数の和は3の倍数になる。 さきほどの連続する3つの数の和の問題で、まんなかの2番目のnと置き、1番目を n-1 、3番目を n+1 と置いてみて、和がどうなるかを説明しなさい。 2ケタの自然数があり、その1の位と10の位の数を入れ替えた自然数がある。 例えば、もし自然数が27なら、その1の位と10の位の数を入れ替えた自然数は72となる。 もしもし自然数が13なら、その1の位と10の位の数を入れ替えた自然数は31となる。 自然数と、その1の位と10の位の数を入れ替えた自然数の和は、必ず、あるの数の倍数になる。 つまり、 必ず、どんな数の倍数になるかということの説明と、および、その理由も説明しなさい。(説明 終わり) (解法と答え) ある自然数をAと置き、その10の位をxと置き、1の位をyと置けば、 と書ける。 Aの1の位と10の位の数を入れ替えた自然数をBと置けば、Bの式は、Aのxとyを入れ替えたものであるから、 となる。 とすれば、A+Bについて上記の結果を代入して計算すると、 同類項どうしをまとめるために項の順番をかえて、 上式の最後の計算では、11でまとめた。 x+y は整数だから、11(x+y)も整数である。そして、この式では A+B が 11×(整数) の形になっている。 よって、A+Bが11の倍数になることが説明できた。 ここで,Bとは、2ケタの自然数Aの1の位と10の位とを入れかえた自然数のことであったので、よって、 2ケタの自然数と、それの1の位と10の位とを入れかえた自然数の和は、必ず11の倍数になることが説明できた。(説明 終わり) 先ほどの問題では、和を考えていたが、では今度は差を考えてみよう。 例えば のようになるということである。 つまり、ある自然数と、その1の位と10の位を入れかえた自然数との差は、どんな整数の倍数になるか? どんな整数の倍数になるかということと、理由も文字の式をつかって説明しなさい。 目的に応じて、等式を、移項(いこう)などの操作をして変形することを学ぼう。 タカシくんの通学する中学校の校庭に、右図のような体育の競走用のトラックがあります。 図のように、曲線部分の半径を r メートル、まっすぐな部分の長さをa メートルとしたとします。 周の長さをLとすると、 L = 2 a + 2 × π r = 2 ( a + π r ) {\displaystyle L=2a+2\times \pi r=2(a+\pi r)} よって、 となります。 さきほどのタカシくんの学校のトラックで、曲線部分の半径を20メートルとします。 トラックの周の長さを300メートルとします。 (タカシくんの学校のトラックは、学校の建築時の数十年前に、教育上の理由で、トラックの半径の部分と周の長さは、このぐらいになったそうです。) このように、半径と周がすでに決まっている条件のときに、直線部分の長さはいくらになるかを知りたいので、直線部分の長さをもとめられる文字式をつくりなさい。(直線部分の長さの具体的な数は求めなくてもいい。) まず、求めるのは 直線部分の長さ a なので、 を、下記のように、aの式に直す。 まず、移項しやすくするために、分配法則をつかって次のように右辺を分解する。 今後の計算をしやすくするため、いったん結果を中間まとめする。 aについて求めたいので、見やすくするために上式の右辺と左辺を入れかえる。 つまり、 にする。 そして、aについて求めたいのであるから、aではない rのある項を移項して、反対側の項に移動する。つまり、 にする。 あとは、両辺を2で割ればいい。 a = L 2 − π r {\displaystyle a={\frac {L}{2}}-\pi r} よって、aについての式を求められた。 さきほどの問題のように、Lの式を変形にしてaの式にしたような操作のことを aについて解く(とく) という。 次の式で、a, b, c の値がわかっているとき、x をあらわす式を考えてみることにする。 この式を左辺が x、右辺がそれを表す式になるように、等式の性質を使って変形していくのである。 まず両辺を 2倍して、 そうしたら左辺に x 以外に 2a, 4bc がのこっているので、移項して、 これで完成である。 このように、はじめの等式から x を求める式を作ることを、はじめの等式を x について解くという。 またこのとき、値がわかっているとする文字(この問いではa, b, c )を定数(ていすう)という。 それでは、次の問題を考えてみることにする。 まず、赤道の長さと電線の長さを求めてみる。 地球の半径をr m とすると、円周の長さは 2πr なので、 となり、その差を求めればいいことになる。 このことから、およそ 6 m だけの違いだと言うことがわかる。 このように、文字の式を使って数量を求めることができる。
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"paragraph_id": 71, "tag": "p", "text": "このように、文字を使った計算をすることにより、どんな場合でも主張が成り立つことを説明したことになる場合が、よくあります。", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 72, "tag": "p", "text": "", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 73, "tag": "p", "text": "さきほどの説明では、自然数をつかって偶数および奇数を説明したが、自然数でなくても整数をつかっても偶数および奇数を表してもいい。検定教科書でも、啓林館などの教科書では、自然数ではなく整数で偶数および奇数を説明している。", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 74, "tag": "p", "text": "整数を使う場合、0,-2,-4,-6,・・・・なども偶数になる。また、整数を使う場合、-1,-3,-5,・・・・なども奇数になる。", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 75, "tag": "p", "text": "つまり、整数を使う場合の偶数は、 ・・・,-6,-4,-2,0,2,4,6,・・・ となる。", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 76, "tag": "p", "text": "整数を使う場合の奇数は、 ・・・,-5,-3,-1,1,3,5,・・・ となる。", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 77, "tag": "p", "text": "", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 78, "tag": "p", "text": "では、さきほどの問題で、整数を使った場合の解答の例をしめす。", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 79, "tag": "p", "text": "", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 80, "tag": "p", "text": "まずは偶数を文字を使って表す。 偶数というのは 2 の倍数であるから、", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 81, "tag": "p", "text": "と表すことができる。そこで、整数を n と表すことにすると、偶数は", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 82, "tag": "p", "text": "と表すことになる。", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 83, "tag": "p", "text": "また、奇数の場合は偶数より 1 小さい、あるいは、1 大きいと考えて、", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 84, "tag": "p", "text": "と表すことになる。", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 85, "tag": "p", "text": "では、問題になってる偶数どうしの和を考えてみる。 2つの式で表すには、それぞれ 2n, 2m とあらわすことができる。n, m と違う文字を用いたのは、もし同じ文字にしてしまうと、例えばn=3の場合、 2n+2n = 6+6 のように、同じ数どうしの和になってしまいます。", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 86, "tag": "p", "text": "偶数どうしの和というのは、 6+10のように、もっと他のパターンもあるので、よってnとmのように、違う文字どうしを使う必要があります。", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 87, "tag": "p", "text": "", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 88, "tag": "p", "text": "とにかく、nとmで記述した偶数どうしを足してみましょう。すると、", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 89, "tag": "p", "text": "と、分配法則を使って、まとめることができます。", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 90, "tag": "p", "text": "ここで、n + m というのは整数同士の和であるわけだから、当然、整数の一部になる。そして、偶数とは、整数と2との積のことであったので、ならば整数の一部と2との積であっても偶数である。", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 91, "tag": "p", "text": "だから、偶数と偶数の和は偶数になる ということが説明できたわけである。 (解答例 終わり)", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 92, "tag": "p", "text": "このように、この問題の場合、単に「自然数」を「整数」に言いかえるだけでよい。", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 93, "tag": "p", "text": "", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 94, "tag": "p", "text": "偶数と奇数どうしの和が、どうなるか、考えてみましょう。", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 95, "tag": "p", "text": "まず、偶数を 2n であらわした場合、奇数は 2m+1 のように、nではなくmを使って奇数を表します。", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 96, "tag": "p", "text": "もし、奇数にも n を使ってしまうと、", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 97, "tag": "p", "text": "和の 2n+(2n+1) は、例えば、6+7 とか、または 14+15 のように、連続する2つの数どうしの和の場合だけになってしまいます。これでは、どんな場合の説明には、なっていないです。", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 98, "tag": "p", "text": "なので、 偶数に使う文字(例ではn)と奇数に使い文字(m)とは、別の文字にする必要があります。", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 99, "tag": "p", "text": "", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 100, "tag": "p", "text": "では、実際に偶数と奇数の和を、文字式で計算してみましょう。", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 101, "tag": "p", "text": "2n+(2m+1)= 2n+2m+1", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 102, "tag": "p", "text": "あらたに、別の文字Aを用意してみて、", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 103, "tag": "p", "text": "とすれば、まずAは自然数の一部です。 そして", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 104, "tag": "p", "text": "となるので、これは奇数の形だし、式中のAは自然数の一部なので、よって、偶数と奇数の和は奇数になります。(説明 終わり)", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 105, "tag": "p", "text": "", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 106, "tag": "p", "text": "2つの奇数どうしの和がどうなるか、上述の例にならって説明しなさい。", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 107, "tag": "p", "text": "", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 108, "tag": "p", "text": "5,6,7のように連続する3つの整数どうしの和は、3の倍数になる。3つのうちの1番目の数をnと置き、2番目を n+1 、3番目を n +2 と置いてみて、和が必ず3の倍数になることを説明しなさい。", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 109, "tag": "p", "text": "(解法と答え) ※ 東京書籍などの教科書では、この問題の解法が書いてある。", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 110, "tag": "p", "text": "n+(n+1)+(n+2) = n+n+n + 1+2 = 3n+3 =3(n+1)", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 111, "tag": "p", "text": "n+1 は整数なので、よって、3(n+1)も整数である。", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 112, "tag": "p", "text": "よって、連続する3つの整数の和は3の倍数になる。", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 113, "tag": "p", "text": "", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 114, "tag": "p", "text": "さきほどの連続する3つの数の和の問題で、まんなかの2番目のnと置き、1番目を n-1 、3番目を n+1 と置いてみて、和がどうなるかを説明しなさい。", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 115, "tag": "p", "text": "", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 116, "tag": "p", "text": "2ケタの自然数があり、その1の位と10の位の数を入れ替えた自然数がある。", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 117, "tag": "p", "text": "例えば、もし自然数が27なら、その1の位と10の位の数を入れ替えた自然数は72となる。", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 118, "tag": "p", "text": "もしもし自然数が13なら、その1の位と10の位の数を入れ替えた自然数は31となる。", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 119, "tag": "p", "text": "", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 120, "tag": "p", "text": "自然数と、その1の位と10の位の数を入れ替えた自然数の和は、必ず、あるの数の倍数になる。", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 121, "tag": "p", "text": "つまり、", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 122, "tag": "p", "text": "必ず、どんな数の倍数になるかということの説明と、および、その理由も説明しなさい。(説明 終わり)", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 123, "tag": "p", "text": "(解法と答え)", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 124, "tag": "p", "text": "ある自然数をAと置き、その10の位をxと置き、1の位をyと置けば、", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 125, "tag": "p", "text": "と書ける。", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 126, "tag": "p", "text": "Aの1の位と10の位の数を入れ替えた自然数をBと置けば、Bの式は、Aのxとyを入れ替えたものであるから、", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 127, "tag": "p", "text": "となる。", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 128, "tag": "p", "text": "とすれば、A+Bについて上記の結果を代入して計算すると、", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 129, "tag": "p", "text": "同類項どうしをまとめるために項の順番をかえて、", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 130, "tag": "p", "text": "上式の最後の計算では、11でまとめた。", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 131, "tag": "p", "text": "x+y は整数だから、11(x+y)も整数である。そして、この式では A+B が 11×(整数) の形になっている。", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 132, "tag": "p", "text": "よって、A+Bが11の倍数になることが説明できた。", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 133, "tag": "p", "text": "ここで,Bとは、2ケタの自然数Aの1の位と10の位とを入れかえた自然数のことであったので、よって、", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 134, "tag": "p", "text": "2ケタの自然数と、それの1の位と10の位とを入れかえた自然数の和は、必ず11の倍数になることが説明できた。(説明 終わり)", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 135, "tag": "p", "text": "", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 136, "tag": "p", "text": "先ほどの問題では、和を考えていたが、では今度は差を考えてみよう。", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 137, "tag": "p", "text": "例えば", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 138, "tag": "p", "text": "のようになるということである。", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 139, "tag": "p", "text": "つまり、ある自然数と、その1の位と10の位を入れかえた自然数との差は、どんな整数の倍数になるか?", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 140, "tag": "p", "text": "どんな整数の倍数になるかということと、理由も文字の式をつかって説明しなさい。", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 141, "tag": "p", "text": "", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 142, "tag": "p", "text": "", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 143, "tag": "p", "text": "目的に応じて、等式を、移項(いこう)などの操作をして変形することを学ぼう。", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 144, "tag": "p", "text": "タカシくんの通学する中学校の校庭に、右図のような体育の競走用のトラックがあります。", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 145, "tag": "p", "text": "図のように、曲線部分の半径を r メートル、まっすぐな部分の長さをa メートルとしたとします。", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 146, "tag": "p", "text": "周の長さをLとすると、", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 147, "tag": "p", "text": "L = 2 a + 2 × π r = 2 ( a + π r ) {\\displaystyle L=2a+2\\times \\pi r=2(a+\\pi r)}", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 148, "tag": "p", "text": "よって、", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 149, "tag": "p", "text": "となります。", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 150, "tag": "p", "text": "", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 151, "tag": "p", "text": "さきほどのタカシくんの学校のトラックで、曲線部分の半径を20メートルとします。", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 152, "tag": "p", "text": "トラックの周の長さを300メートルとします。", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 153, "tag": "p", "text": "(タカシくんの学校のトラックは、学校の建築時の数十年前に、教育上の理由で、トラックの半径の部分と周の長さは、このぐらいになったそうです。)", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 154, "tag": "p", "text": "このように、半径と周がすでに決まっている条件のときに、直線部分の長さはいくらになるかを知りたいので、直線部分の長さをもとめられる文字式をつくりなさい。(直線部分の長さの具体的な数は求めなくてもいい。)", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 155, "tag": "p", "text": "", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 156, "tag": "p", "text": "まず、求めるのは 直線部分の長さ a なので、", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 157, "tag": "p", "text": "を、下記のように、aの式に直す。", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 158, "tag": "p", "text": "まず、移項しやすくするために、分配法則をつかって次のように右辺を分解する。", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 159, "tag": "p", "text": "今後の計算をしやすくするため、いったん結果を中間まとめする。", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 160, "tag": "p", "text": "aについて求めたいので、見やすくするために上式の右辺と左辺を入れかえる。", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 161, "tag": "p", "text": "つまり、", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 162, "tag": "p", "text": "にする。", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 163, "tag": "p", "text": "そして、aについて求めたいのであるから、aではない rのある項を移項して、反対側の項に移動する。つまり、", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 164, "tag": "p", "text": "にする。", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 165, "tag": "p", "text": "あとは、両辺を2で割ればいい。", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 166, "tag": "p", "text": "a = L 2 − π r {\\displaystyle a={\\frac {L}{2}}-\\pi r}", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 167, "tag": "p", "text": "よって、aについての式を求められた。", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 168, "tag": "p", "text": "", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 169, "tag": "p", "text": "さきほどの問題のように、Lの式を変形にしてaの式にしたような操作のことを aについて解く(とく) という。", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 170, "tag": "p", "text": "", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 171, "tag": "p", "text": "次の式で、a, b, c の値がわかっているとき、x をあらわす式を考えてみることにする。", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 172, "tag": "p", "text": "この式を左辺が x、右辺がそれを表す式になるように、等式の性質を使って変形していくのである。 まず両辺を 2倍して、", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 173, "tag": "p", "text": "そうしたら左辺に x 以外に 2a, 4bc がのこっているので、移項して、", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 174, "tag": "p", "text": "これで完成である。", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 175, "tag": "p", "text": "このように、はじめの等式から x を求める式を作ることを、はじめの等式を x について解くという。", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 176, "tag": "p", "text": "またこのとき、値がわかっているとする文字(この問いではa, b, c )を定数(ていすう)という。", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 177, "tag": "p", "text": "それでは、次の問題を考えてみることにする。", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 178, "tag": "p", "text": "まず、赤道の長さと電線の長さを求めてみる。 地球の半径をr m とすると、円周の長さは 2πr なので、", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 179, "tag": "p", "text": "となり、その差を求めればいいことになる。", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 180, "tag": "p", "text": "このことから、およそ 6 m だけの違いだと言うことがわかる。", "title": "式の利用" }, { "paragraph_id": 181, "tag": "p", "text": "このように、文字の式を使って数量を求めることができる。", "title": "式の利用" } ]
中学校の学習 > 中学校数学 > 中学数学2年 > 式の計算
{{pathnav|中学校の学習|中学校数学|中学数学2年|pagename=式の計算}} == 文字式で使う用語 == <math>3x</math> や、''<math>ab</math>'' などのように、数と文字をかけ合わせた数を'''単項式'''という。<math>x</math>というような一つの文字や、512 などの一つの数も単項式として考える。 <math>2a+3b</math> などのように単項式の和で表される式を'''多項式'''という。 <nowiki> </nowiki><math>3a+5</math> の項「 5 」の部分のように、定数だけの項のことを'''定数項'''(ていすうこう)という。 {{コラム|多項式の項| (啓林館などの教科書が説明しているが、書いていない教科書も多い)多項式を構成するこの一つ一つの単項式のことを、その多項式の'''[[wikt:項|項]]''' (こう)という。例えば、 <math>4a+3b-c+xy</math> という多項式は、 <math>4a+3b+(-c)+xy</math> というように4つの単項式の和の形に式を変形できる。この多項式の項は <math>4a,3b,-c,xy</math> の4つである。 一般に多項式の項は、その項の直前の符号を含めて書く。ただし、符号が+の場合は、普段通りに数を書くのと同様に、正の符号を省略をする。 }} {{コラム|<math>\frac{1}{x}</math>は単項式か| <math>\frac{1}{x}</math>のように、分母に文字がある分数の式は単項式でも多項式でもない。ただし、<math>\frac{x}{2}=\frac{1}{2}x</math>であるから、分子のみが文字である分数の式は単項式である。 }} さて、ここでまた一つ言葉を覚えてもらいたい。 単項式又は多項式のそれぞれの項が数と文字の積になっているとき、数の部分をその項の'''[[wikt:係数|係数]]'''(けいすう)という。 例えば、 <math>4x</math> の係数は 4 である。また、 <math>2x^2</math> の係数は 2 である。 <div style="border:solid #999 1px;width:80%;background:#FEE;padding:0.5em;margin:0 auto 1em auto"> ;発展 ただし、高校で学習することではあるが、次のような「ある文字に注目する」ということがあるので注意して欲しい。 : 2''xy'' の ''x'' に注目して、''x'' は変数(文字)だが、''y'' を変数ではない(数である)とみなす。 このとき、''x'' についての単項式 2''xy'' の係数は 2''y'' である。なお、このことについては高校で学習することなので、現在は深く考えなくてもよい。 </div> 中学校では、1つの単項式で、掛け合わされている''文字''の個数で、数字以外の文字の個数のことを「単項式の'''[[wikt:次数|次数]]'''」(じすう、英: degree )と言う。例えば、<math>2a</math> の次数は、数字以外の文字は<math>a</math>が1個だけなので 1 である。ただし、<math>a^3</math> の次数は 3 である。なぜなら <math>a^3</math> は 単項式の次数では、 <math>a\times a\times a</math> として次数として文字を数える。 このように、指数の部分は、指数をつかわない掛け算に直したときの文字の個数として数えることになる。 :<math>2ab</math> の次数は 2 である(文字が合計で2つ) :<math>3x</math>の次数は 1 である( <math>a</math> や <math>b</math> だけでなく <math>x</math> や <math>y</math> を使っても問題ない)。 :<math>4x^2</math>の次数は 2 である( <math>x \times x </math> なので文字が合計で2つ)。 :<math>-a</math> の次数は 1 である(使用されている文字が1つのため) :一次関数 y = ax+b は、右辺がxについての一次式であるのでこう呼ばれている。この場合、a,bは変数ではなく定数であるためである。 ;多項式の次数 多項式については、その中の項として現れる単項式たちの次数のうち、もっとも次数の高い項のもつ次数を、その多項式の次数とする。 例えば : 3''x''<sup>2</sup> + 25''y'' - 3 の次数は、最も次数の高い項 3''x''<sup>2</sup> の次数が 2 なので、この式の次数は 2 である。このような次数が2次の多項式を''二次式''という。 <div style="border:solid #999 1px;width:80%;background:#FEE;padding:0.5em;margin:0 auto 1em auto"> 一般に、多項式の次数が ''n'' のとき、その式を ''n''-'''次式'''(n-じしき)という。 </div> : (※ 範囲外 ) 0 の項の次数については、定義しないか負数または -∞ とするなどいくつかの流派が存在する。 === 同類項 === さて、ここで次の多項式を考えていこう。 :<math>3x-4y+2y-5x</math> このような式で、<math>3x</math> と <math>-5x</math> のように、文字の部分が''次数まで含めて'' 同じ項 を、'''[[wikt:同類項|同類項]]'''(どうるいこう)と言う。 また、<math>-4y</math> と <math>2y</math> も同類項である。 いっぽう、 :<math>x+3x^2</math> では、次数が違うので同類項'''ではない'''。 さて、同類項どうしは、例えば多項式 <math>3a+2a</math>を例にすると :<math>3a+2a=(3+2)a=5a</math> のように、分配法則を使って まとめることができる。 このように、同類項どうしは、分配法則を使って まとめることができる。 一般に <math>ma+na</math> の形の式は、 :<math>ma+na=(m+n)a</math> と同類項をまとめることができる。(文字 a に注目すると、ma と na が同類項である。) では、冒頭の式 <math>3x-4y+2y-5x</math> の同類項を まとめてみよう。 これをまとめると :<math>\begin{matrix}3x-4y+2y-5x&=& 3x-5x-4y+2y \\ \ & =& (3-5)x+(-4+2)y \\ \ & =& -2x-2y\end{matrix} </math> となる。 ところで、-2''x'' と -2''y'' は同類項ではないので、これ以上まとめることができないから、計算はここまでとなる。一般的に、文字式は必ず同類項をまとめなければならない。 ;問題: 次の文字式を簡単にせよ。 #)  ''x'' + 2''x'' #)  3''x'' + 2''y'' + 6''x'' + 4''y'' #)  5''x'' - 2''y'' + ''x'' -4 #)  ''a'' + 2''b'' + 4''a'' + 3 - 4 #)  2''x'' <sup>2</sup> + 4''x'' + 3''x'' <sup>2</sup> #)  7''x'' <sup>2</sup> + 8''x'' + 4 + 5''x'' <sup>2</sup> - 6''x'' #)  3''x'' <sup>2</sup> - 7''x'' - 1 + 9 + ''x'' <sup>2</sup> - 5''x'' #)  4''ax'' + 5''bx'' + 9''ax'' + 6 ===式の加法・減法=== 複数の式を足したり、引いたりするには、それぞれの式にかっこをつけ、+、-の記号でつなぐことで式が完成する。例えば、2''x'' + 3''y'' と ''x'' + 6''y'' という 2つの式を足すには、 : (2''x'' + 3''y'') + (''x'' + 6''y'') とすればよい。また、左の式から右の式を引くには、 : (2''x'' + 3''y'') - (''x'' + 6''y'') とする。 このような式を計算する場合、次のようにかっこをはずし、同類項をまとめる。 * かっこの直前の符号が + の場合(何も無い場合も + がついていると考える) *: → そのままかっこをはずす(ただし、そのかっこの中の最初の項に符号がついていない場合は + を加える) :<math>\begin{matrix}(2x+3y)+(x+6y)&=& 2x+3y+x+6y \\ \ & =& 3x+9y\end{matrix}</math> * かっこの直前の符号が - の場合 *: → かっこの中の符号を変えて抜き出す(かっこの中の最初の項に符号がついていない場合は + が付いていたと考える) :<math>\begin{matrix}(2x+3y)-(x+6y)&=& 2x+3y-x-6y \\ \ & =& x-3y\end{matrix}</math> もし読者が、(符号が - の場合について)理解しづらい場合、xやyに1や2などの簡単な数字を代入してみて、確かめてみよう。 このような式の計算は、筆算を応用してもできる。ただし、文字の種類をそろえることに注意。 <div align="center"> {| cellspacing="-50" cellpadding="-50" |- align="right" | &nbsp; || &nbsp; || 2x || + || 3y || &nbsp; || &nbsp; || &nbsp; || &nbsp; || &nbsp; || &nbsp; || &nbsp; || &nbsp; ||2x || + || 3y |- align="right" | <u>+)</u> || <u>&nbsp;</u> || <u>&nbsp;x</u> || <u>+</u> || <u>6y</u> || <u>&nbsp;</u> || &nbsp; &nbsp; || &nbsp; || &nbsp; || &nbsp; |||| <u>-)</u> || <u>&nbsp;</u> || <u>&nbsp;x</u> || <u>+</u> || <u>6y</u> |- align="right" | &nbsp; || &nbsp; || 3x || + || 9y || &nbsp; || &nbsp; || &nbsp; || &nbsp; &nbsp; || &nbsp; || &nbsp; || &nbsp; |||| &nbsp;x || - || 3y |} </div> また、かっこの前に数字がついている場合は、分配法則によりその数字を括弧の中に入れてから はずすとよい。 :<math>\begin{matrix} 2(2x-3y)-3(-x+6y)&=& (4x-6y)-(-3x+18y) \\ &=& 4x-6y+3x-18y \\ &=& 7x-24y \end{matrix}</math> 計算になれてきたら、式を省略して暗算で出きるようになるとよい。 ;問題5:次の2つの多項式の和を求めよ。また、左の式から右の式を引いた差を求めよ。 # 4''x'' + 2''y'' , 5''x'' - ''y'' # ''a'' + ''b'' + ''c'' , -2''a'' - 3''b'' + ''c'' # -8''p'' <sup>2</sup> + 4''q'' , 3''p'' + 4''q'' ==式の乗法・除法== ここでは、単項式の乗除について学習する。まず、次の式を考えてみよう。 : 2''a'' × 3''b'' このような式の場合、'''係数どうしの積に文字の積をかける'''と答えが求められる。上の式でやってみると、 :<math>2a \times 3b = 6ab</math> となる。なぜなら、2''a'' = 2×''a''、3''b'' = 3×''b''なので、掛け算はかける順番を変えてもよいから、 :<math>\begin{align} 2a \times 3b &= 2 \times a \times 3 \times b \\ &= (2 \times 3) \times a \times b \\ &= 6 \times a \times b \\ &= 6ab \end{align}</math> <math>(-3x)^3</math> を計算してみよう。 :<math>\begin{align} (-3x)^3 &= (-3x) \times (-3x) \times (-3x) \\ &= (-3) \times (-3) \times (-3) \times x \times x \times x \\ &= (-3)^3 \times x^3 \\ &= -27x^3 \end{align}</math> 単項式の除法は、数の計算と同じように約分して計算できる。 例えば <div align="left"> {| cellspacing="10" cellpadding="0" |- align="right" | &nbsp; || &nbsp; ||<math>\frac{4xy}{2x}</math>|| = ||<math>\frac{4\!\!\!/^2x\!\!\!/y}{2\!\!\!/x\!\!\!/}</math> |- align="left" | &nbsp; || &nbsp; || &nbsp; || = || <math>2y</math> |} </div> のように約分してよい。 ;例題 <math>(-6x^3 y^2) \div \frac{3}{2} xy</math> を計算してみよう。 :(解法と答え) <math>\frac{3}{2} xy = \frac{3xy}{2}</math> であるから、<math>\frac{3}{2} xy</math> の逆数は <math>\frac{2}{3xy}</math> となる。 :<math>\begin{align} (-6x^3 y^2) \div \frac{3}{2} xy &= (-6x^3 y^2) \div \frac{3xy}{2} \\ &= (-6x^3 y^2) \times \frac{2}{3xy} \\ &= \frac{(-6) \times x \times x \times x \times y \times y \times 2}{3 \times x \times y} \\ &= -4x^2 y \end{align}</math> よって <math>-4x^2 y</math> が答え。 :(慣れてきた人の解法) ※ 慣れてきたら、先ほどの問題を次のように、数字どうし、文字の指数どうしを直接に計算していい。 :(解法と答え) :<math>\begin{align} (-6x^3 y^2) \div \frac{3}{2} xy &= (-6 \div \frac{3}{2} ) (x^3 \div x) (y^2 \div y) \\ &= (-6 \times \frac{2}{3}) x^{3-1} {}{} y^{2-1} \\ &= ( \frac{-6 \times 2}{3}) x^2 y \\ &= -4x^2 y \end{align}</math> :※ なお検定教科書では、上述のような数字どうし、指数どうしを直接に割り算する解法の紹介は無い。 ;問題6 :次の式を簡単にせよ。 #  2''x'' &times; 4''y'' #  ''p'' &times; 8''pq'' #  3''x''<sup>2</sup>''y'' &times; 4''xy''<sup>3</sup> #  2''a'' &times; 3''b'' &times; 8''c'' #  ''x'' &times; 2''y''<sup>2</sup> &times; 4''x''<sup>3</sup>''z'' #  <math>\frac{24a^3b^2}{8a^2 b}</math> #  <math>\frac{7xy^2}{2xyz}</math> #  <math>\frac{56x^3 y^6}{64x^5 y^3}</math> #  <math>\frac{100a^2b^3c^4}{75ac^4}</math> #  <math>\frac{52a^3 b^2 c^8}{13a^6 b^3 c^7}</math> ;例題7 :次の式を簡単にせよ。 #  <math>4x^2y \times \frac{6x}{8y^2}</math> #  <math>3a^3b^3 \times \frac{4ac}{6b^2c^3}</math> #  <math>\frac{1}{8xy^2z^4} \times 52x^2y^3z</math> #  <math>16xyz \times \frac{2xz^5}{2x^5yz^8} \times \frac{1}{3}xyz^7</math> == 式の利用 == === 文字式による説明 === この単元では、文字式を使うと、さまざまな場合の事柄が成り立つことを説明できる場合がよくあることを学習します。 ここで、次の問題を考えてみる。 ;例題 * 2つの偶数の和が偶数になることを説明しなさい。 ;解説 まずは偶数を文字を使って表す。 偶数というのは 2 の倍数であるから、 : 2 &times;(自然数) と表すことができる。そこで、自然数を ''n'' と表すことにすると、偶数は :<math>2 \times n</math> すなわち <math>2n</math> と表すことになる。 また、奇数の場合は偶数より 1 小さい、あるいは、1 大きいと考えて、 :<math>2n+1</math> または <math>2n-1</math> と表すことになる。 ::(※ nを自然数(1,2,3,・・・。 中学校では0を自然数には含まない)とした場合、2n+1では 1 を表せないため2n-1が用いられる場合もある。) では、問題になってる偶数どうしの和を考えてみる。 2つの式で表すには、それぞれ 2''n'', 2''m'' とあらわすことができる。''n'', ''m'' と違う文字を用いたのは、もし同じ文字にしてしまうと、例えばn=3の場合、 2n+2n = 6+6 のように、同じ数どうしの和になってしまいます。 偶数どうしの和というのは、 6+10のように、もっと他のパターンもあるので、よってnとmのように、違う文字どうしを使う必要があります。 とにかく、nとmで記述した偶数どうしを足してみましょう。すると、 :<math>2n+2m = 2(n+m)</math> と、分配法則を使って、まとめることができます。 ここで、''n'' + ''m'' というのは自然数同士の和であるわけだから、当然、自然数の一部になる。そして、偶数とは、自然数と2との積のことであったので、ならば自然数の一部と2との積であっても偶数である。 だから、偶数と偶数の和は偶数になる ということが説明できたわけである。 (説明 終わり) このように、文字を使った計算をすることにより、どんな場合でも主張が成り立つことを説明したことになる場合が、よくあります。 ;整数による偶数・奇数の式 さきほどの説明では、自然数をつかって偶数および奇数を説明したが、自然数でなくても整数をつかっても偶数および奇数を表してもいい。検定教科書でも、啓林館などの教科書では、自然数ではなく整数で偶数および奇数を説明している。 整数を使う場合、0,-2,-4,-6,・・・・なども偶数になる。また、整数を使う場合、-1,-3,-5,・・・・なども奇数になる。 つまり、整数を使う場合の偶数は、 ・・・,-6,-4,-2,0,2,4,6,・・・ となる。 整数を使う場合の奇数は、 ・・・,-5,-3,-1,1,3,5,・・・ となる。 では、さきほどの問題で、整数を使った場合の解答の例をしめす。 :(整数を使った場合の解答の例) まずは偶数を文字を使って表す。 偶数というのは 2 の倍数であるから、 : 2 &times;(整数) と表すことができる。そこで、整数を ''n'' と表すことにすると、偶数は :<math>2 \times n</math> すなわち <math>2n</math> と表すことになる。 また、奇数の場合は偶数より 1 小さい、あるいは、1 大きいと考えて、 :<math>2n+1</math> または <math>2n-1</math> と表すことになる。 では、問題になってる偶数どうしの和を考えてみる。 2つの式で表すには、それぞれ 2''n'', 2''m'' とあらわすことができる。''n'', ''m'' と違う文字を用いたのは、もし同じ文字にしてしまうと、例えばn=3の場合、 2n+2n = 6+6 のように、同じ数どうしの和になってしまいます。 偶数どうしの和というのは、 6+10のように、もっと他のパターンもあるので、よってnとmのように、違う文字どうしを使う必要があります。 とにかく、nとmで記述した偶数どうしを足してみましょう。すると、 :<math>2n+2m = 2(n+m)</math> と、分配法則を使って、まとめることができます。 ここで、''n'' + ''m'' というのは整数同士の和であるわけだから、当然、整数の一部になる。そして、偶数とは、整数と2との積のことであったので、ならば整数の一部と2との積であっても偶数である。 だから、偶数と偶数の和は偶数になる ということが説明できたわけである。 (解答例 終わり) このように、この問題の場合、単に「自然数」を「整数」に言いかえるだけでよい。 ;練習問題 偶数と奇数どうしの和が、どうなるか、考えてみましょう。 まず、偶数を 2n であらわした場合、奇数は 2m+1 のように、nではなくmを使って奇数を表します。 もし、奇数にも n を使ってしまうと、 和の 2n+(2n+1) は、例えば、6+7 とか、または 14+15 のように、連続する2つの数どうしの和の場合だけになってしまいます。これでは、どんな場合の説明には、なっていないです。 なので、 偶数に使う文字(例ではn)と奇数に使い文字(m)とは、別の文字にする必要があります。 では、実際に偶数と奇数の和を、文字式で計算してみましょう。 2n+(2m+1)= 2n+2m+1 :: = 2(n+m)+1 あらたに、別の文字Aを用意してみて、 :A=n+m とすれば、まずAは自然数の一部です。 そして :2n+(2m+1)= 2A+1 となるので、これは奇数の形だし、式中のAは自然数の一部なので、よって、偶数と奇数の和は奇数になります。(説明 終わり) ;問題 1 2つの奇数どうしの和がどうなるか、上述の例にならって説明しなさい。 ;問題 2 5,6,7のように連続する3つの整数どうしの和は、3の倍数になる。3つのうちの1番目の数をnと置き、2番目を n+1 、3番目を n +2 と置いてみて、和が必ず3の倍数になることを説明しなさい。 (解法と答え) ※ 東京書籍などの教科書では、この問題の解法が書いてある。 n+(n+1)+(n+2) = n+n+n + 1+2 = 3n+3 =3(n+1) n+1 は整数なので、よって、3(n+1)も整数である。 よって、連続する3つの整数の和は3の倍数になる。 ;問題 3 さきほどの連続する3つの数の和の問題で、まんなかの2番目のnと置き、1番目を n-1 、3番目を n+1 と置いてみて、和がどうなるかを説明しなさい。 :※ 答えはwikibooksでは省略する。読者が自分で考えてみよう。検定教科書でも答えは省略されており、読者に考えさせている。 ;例題 2ケタの自然数があり、その1の位と10の位の数を入れ替えた自然数がある。 例えば、もし自然数が27なら、その1の位と10の位の数を入れ替えた自然数は72となる。 もしもし自然数が13なら、その1の位と10の位の数を入れ替えた自然数は31となる。 自然数と、その1の位と10の位の数を入れ替えた自然数の和は、必ず、あるの数の倍数になる。 つまり、 :27+72 = 99 =(ある数の倍数) :13+31 = ? =(ある数の倍数) 必ず、どんな数の倍数になるかということの説明と、および、その理由も説明しなさい。(説明 終わり) (解法と答え) ある自然数をAと置き、その10の位をxと置き、1の位をyと置けば、 :A=10x+y と書ける。 Aの1の位と10の位の数を入れ替えた自然数をBと置けば、Bの式は、Aのxとyを入れ替えたものであるから、 :B=10y+x となる。 とすれば、A+Bについて上記の結果を代入して計算すると、 :A+B = (10x+y)+(10y+x) = 10x+y+10y+x 同類項どうしをまとめるために項の順番をかえて、 :A+B = 10x+x+y+10y = x(10+1) + y(1+10) = 11x + 11y =11(x+y) 上式の最後の計算では、11でまとめた。 x+y は整数だから、11(x+y)も整数である。そして、この式では A+B が 11×(整数) の形になっている。 よって、A+Bが11の倍数になることが説明できた。 ここで,Bとは、2ケタの自然数Aの1の位と10の位とを入れかえた自然数のことであったので、よって、 2ケタの自然数と、それの1の位と10の位とを入れかえた自然数の和は、必ず11の倍数になることが説明できた。(説明 終わり) ;問題 先ほどの問題では、和を考えていたが、では今度は差を考えてみよう。 例えば :27-72 = ? =(ある数の倍数) :13-31 = ? =(ある数の倍数) のようになるということである。 つまり、ある自然数と、その1の位と10の位を入れかえた自然数との差は、どんな整数の倍数になるか? どんな整数の倍数になるかということと、理由も文字の式をつかって説明しなさい。 :※ 答えはwikibooksでは省略する。読者が自分で考えてみよう。検定教科書でも答えは省略されており、読者に考えさせている。 === 等式の変形 === 目的に応じて、等式を、移項(いこう)などの操作をして変形することを学ぼう。 ==== 例 ==== [[File:Running track matematics diagram.svg|right|400px|]] タカシくんの通学する中学校の校庭に、右図のような体育の競走用のトラックがあります。 図のように、曲線部分の半径を r メートル、まっすぐな部分の長さをa メートルとしたとします。 周の長さをLとすると、 <math>L = 2a + 2 \times \pi r = 2(a+\pi r) </math> よって、 :<math>L =2(a+\pi r) </math> となります。 ;例題 さきほどのタカシくんの学校のトラックで、曲線部分の半径を20メートルとします。 トラックの周の長さを300メートルとします。 (タカシくんの学校のトラックは、学校の建築時の数十年前に、教育上の理由で、トラックの半径の部分と周の長さは、このぐらいになったそうです。) このように、半径と周がすでに決まっている条件のときに、直線部分の長さはいくらになるかを知りたいので、直線部分の長さをもとめられる文字式をつくりなさい。(直線部分の長さの具体的な数は求めなくてもいい。) :(解法と答え) まず、求めるのは 直線部分の長さ a なので、 :<math>L =2(a+\pi r) </math> を、下記のように、aの式に直す。 まず、移項しやすくするために、分配法則をつかって次のように右辺を分解する。 :L=2(a+πr)=2a+2πr :<math>L =2(a+\pi r) = 2a + 2\pi r</math> 今後の計算をしやすくするため、いったん結果を中間まとめする。 :<math>L =2a + 2\pi r</math> aについて求めたいので、見やすくするために上式の右辺と左辺を入れかえる。 つまり、 :<math>2a + 2\pi r = L</math> にする。 そして、aについて求めたいのであるから、aではない rのある項を移項して、反対側の項に移動する。つまり、 :<math>2a = L - 2\pi r</math> にする。 あとは、両辺を2で割ればいい。 <math>a = \frac{L}{2} - \pi r</math> よって、aについての式を求められた。 ==== 用語 ==== さきほどの問題のように、Lの式を変形にしてaの式にしたような操作のことを aについて'''解く'''(とく) という。 ==== 理論 ==== 次の式で、''a'', ''b'', ''c'' の値がわかっているとき、''x'' をあらわす式を考えてみることにする。 :<math>{2a+4bc+x \over 2}=100</math> この式を左辺が ''x''、右辺がそれを表す式になるように、等式の性質を使って変形していくのである。 まず両辺を 2倍して、 :<math>2a + 4bc +x = 200</math> そうしたら左辺に ''x'' 以外に 2''a'', 4''bc'' がのこっているので、移項して、 :<math>x = -2a -4bc +200</math> これで完成である。 このように、はじめの等式から ''x'' を求める式を作ることを、はじめの等式を ''x'' '''について解く'''という。 またこのとき、値がわかっているとする文字(この問いでは''a'', ''b'', ''c'' )を'''定数'''(ていすう)という。 === 文字式による文章題 === それでは、次の問題を考えてみることにする。 ;例題1 :地球の赤道の下の、深さ 1 m のところにケーブルを通すことを考えます。 :このとき、ケーブルは赤道の長さより何 m 短くなるでしょうか。 :ただし、地球はただの球であり、凸凹などはないとします。 [[画像:数学中2 式の利用 例題1.png|thumb|201px|right|参考図 黒が赤道、青がケーブル]] ;解説 まず、赤道の長さと電線の長さを求めてみる。 地球の半径を''r'' m とすると、円周の長さは 2&pi;''r'' なので、 :赤道の長さ = 2&pi;''r'' [m] :ケーブルの長さ = 2&pi;(''r'' - 1) [m] となり、その差を求めればいいことになる。 :<math>\begin{matrix} 2\pi r - 2\pi (r-1) &=& 2\pi r - 2\pi r + 2\pi \\ & =& 2\pi \end{matrix}</math> このことから、およそ 6 m だけの違いだと言うことがわかる。 このように、文字の式を使って数量を求めることができる。 == 章末問題 == ;問題1:次の式は多項式か単項式か答えなさい。 # 5''x'' - 43''y'' # 73.8 # 98''i'' # <math>\frac{89c}{2}</math> # a&times; 48&pi; # <math>\frac{a+b-3c}{100}</math> ;問題2:次の多項式の項と係数をそれぞれ求めなさい。 # 8''a'' + ''b'' - 4''c'' + 5''d'' # <math>-3p+\frac{2}{5}q-41</math> # <math>\frac{11x+42y-37z}{5}</math> ;問題3:次の式の次数を求めなさい。 # 2''x'' <sup>5</sup> # 87''p'' <sup>2</sup> # ''a'' # 125 # -5''a'' + 37''b'' <sup>2</sup> - 7''c'' <sup>5</sup> + 3''x'' # <math>\frac{83n^2 +3m^4}{2}</math> [[Category:中学校数学|2しきのけいさん]]
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2022-07-10T16:47:49Z
[ "テンプレート:コラム" ]
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中学数学2年 連立方程式
中学校の学習 > 中学校数学 > 中学数学2年 > 連立方程式 まず、この問題を考えてみてほしい。 ここで、鉛筆をx本、消しゴムをy個買ったとすると、次の等式が成り立つ。 このような、文字が2種類あり、一次式である方程式を二元一次方程式という。(「元」とは文字の種類と考えればよい) ここで、xとyにどのような数が当てはまるか考えると(問題文より、x,yはともに整数)、 などと、x,yの組が求められる。 このような、x,yについての二元一次方程式の当てはまるx,yの組のことを、その方程式の解という。上に挙げたものは、すべてこの方程式の解である。解がいくつもあるため、このままでは本当に求めたい答えが定まらない。(もし解を自然数だけに限定したとしても、(3,4)のほかに(8,1)という解もあるからである) さて、上記の問題では、解がいくつもあるため、そのままでは本当に求めたい答えが定まらなかった。 しかし、この例題に、 という条件がつくとどうだろう。これは、 という式で表せる。この二元一次方程式の解は、 と考えられる。 では、次に、方程式(1)と(2)という2つの方程式を組みにして書き表す記法を学ぼう。2つ以上の方程式を組み合わせる場合、次のように書きあらわす。 このように、二つ以上の方程式を組にしたものを 連立方程式 という。また、その連立方程式に代入することですべての方程式が成立する文字の値の組を 連立方程式の解 といい、その解を求めることを 連立方程式を解く という。上の連立方程式の解は、(x,y)=(3,4)と表せる。 この2つの方程式に共通する解である(x,y)=(3,4)が、最終的に求めたい答えだとわかる。 つぎのア~ウの選択肢のなかから、連立方程式 の解を選べ。 実際に方程式の左辺に代入して確認してみればいい。 アの (3,-2) を代入してみると、 これは、それぞれ与えられた方程式の右辺に等しいので、よってアは解のひとつである。 では、他に解は無いだろうか。 念のため、イとウも確認してみよう。 まず、イから調べる。イの (1,4) を方程式に代入してみると、 となり、(イ)は1番目の方程式は満たすが、2番目の方程式は満たさないので、イ は解ではない。 ウ x = − 1 {\displaystyle x=-1} , y = − 3 {\displaystyle y=-3} を代入して確かめてみると、 となり、2番目の方程式は満たすが、1番目の方程式を満たさないので、ウ は解ではない。 よって、選択肢のうち、解は ア のみである。 加減法とは、2つの方程式を足したり引いたりすることによって文字を消去し、方程式を解く方法である。 たとえば、 という式について考える。 まず、下の式(2)の両辺を2倍して となり、2つの式のyの係数がそろう。ここで、上の式(1)から下の式(2)を引くと、 となる。だから、x=2となる。 このように、xとyをふくむ方程式から、式を足したり引いたりして、yをふくまないでxだけの式を作ることを、 yを消去する という。 ここで、これをもともとの下の式(2)にx=2を代入してみると、 ゆえに、y=0となり、解 (x,y)=(2,0) が求められる。 このように、連立方程式を解くときに2つの方程式を足したり引いたりすることによって文字を消去し、方程式を解く方法のことを加減法という。 加減法で解くときのポイントは、どちらかひとつの文字の係数の絶対値をそろえることである。等式は両辺に同じ数をかけても成立する、という性質があるので、それを利用してそろえればよい。 さきほどの例題では、どちらか片方を整数倍するだけで、xまたはyの少なくとも片方の係数が、2つの方程式で同じになった。 しかし のような連立方程式の場合、どちらか片方を整数倍するだけでは、係数が同じにならない。 これを解くには、どうすればいいだろうか? 解くための方針として主に2通りある。 のような、少なくとも2通りの方針がある。 とりあえず、方針1「両方の整数倍アイデア」で解いてみよう。 私達はxかyのどちらか片方を消去したいが、さきほどの例題1ではxを消去したから、今度の例題2ではyを消去してみよう。 yの係数に注目すると、(1)のyの係数は3、(2)のyの係数は2である。 (1)の式全体を2倍して(この「2」は(2)のyの係数)、(2)の式全体を3倍すれば(この「3」は(1)のyの係数)、(1)と(2)の両方ともyの係数が6になる。 このように、2つの式のある文字の係数が等しくなるようにすればよい。 では、やってみよう。 分配法則などを使って、この連立方程式からカッコを外すと、 になる。 さらにかけ算して整理して となる。 (2)の式のxの係数のほうが、(1)の式のxの係数よりも大きいので、(2)の式から(1)の式を引き算したほうが、解を求めるための計算がラクになりそうであるので、そうしよう。 となる。 計算を実行すれば 両辺を11で割れば、 となる。 こうして、解の片方として x=-4 が求められた。 では、これから残りのyの解も求めよう。 のうち、(1)か(2)のどちらか片方に先ほどの x=-4 を代入すればいいのであるが、上の(1)の式ばかりに代入していたら飽きるので、今回は(2)の式に代入してみよう。 すると、 になる。 両辺に20を足せば、(つまり -20を移項して右辺に移せば)、 あとはyの係数の2で割れば( 1 2 {\displaystyle {\frac {1}{2}}} 倍すれば) よって y = 1 {\displaystyle y=1} が求められた。 問1 { x + y = 2 2 x + 3 y = 1 {\displaystyle \left\{{\begin{matrix}x+y=2\\2x+3y=1\end{matrix}}\right.} 問2 { 5 x + y = 2 8 x + 2 y = − 7 {\displaystyle \left\{{\begin{matrix}5x+y=2\\8x+2y=-7\end{matrix}}\right.} 問3 { − 3 x + 4 y = − 2 9 x + 2 y = − 7 {\displaystyle \left\{{\begin{matrix}-3x+4y=-2\\9x+2y=-7\end{matrix}}\right.} 解答 まずは、次の連立方程式を考えることにする。 このような連立方程式は、文字がひとつの、つまり、1年生で学習した一次方程式の形にして解くことができる。 上の式を(1)、下の式を(2)とする。(1)の式では、"y"と"2x+7"の2つが等しいことを示しているわけであり、また、(1)と(2)のxとyにはまったく同じ物が解として入る。そこで、(2)のyを(1)の2x+7に置き換える。つまり、(1)の式を(2)に代入するのである。このとき、(2)のyという文字を消去できる。 (1)を(2)に代入して、 これで、yが消去された。これを解いて、 また、このxの値を(1)に代入して、 これで、この連立方程式の解、(3,13)が得られた。普通、連立方程式の解は次のように書く。 あるいは、 この教科書では、以後上の書き方を用いる。 このように、一方の式を他方に代入することで連立方程式を解くことができる。これを、代入法という。 解答 1 (x,y)=(3/5,19/5) 2 (x,y)=(10/19,4/19) 3 (x,y)=(7/17,11/17) 次の方程式を解きなさい。 上のようにカッコのある連立方程式の場合、分配法則などをつかってカッコを外したり、移項したりして、簡単な式に置きかえておくと、解を求めやすくなる。 カッコのあるのは(2)だけなので、(2)を式変形すれば済む。 まず、(2)左辺を式変形すると となる。 (2)の右辺より、左辺が11と等しいのであるから、つまり、 である。 次に、左辺の -2 を移項して、定数項どうしをまとめると、 になる。 よって、(2)は最終的に に変形される。 すると、この例題の方程式を求めるには、新たな連立方程式 を解けばいいことになる。なお、(1)式と(1)'式とは同じであるが、新しい連立方程式を見やすくするために、新たに(1)'と置いた。 カッコの含まない連立方程式の解き方は、1年生で学んだ。 なので、あとはもう、今まで習ったとおりに加減法や代入法などで、この新たな連立方程式を解けば、解がもとめられる。 yの係数が(xの係数と比べると)絶対値が小さいので、yに注目して加減法で解くと計算がラクそうなので、では、加減法で その方法で解いてみよう。 (1)''式を2倍、(2)''式を3倍すれば、 式(2)''から式(1)''を引き算すれば、 よって、 になる。まず、解の片方であるxの解が求められた。 このx=3の結果を(1)''すれば、 左辺の定数項24を移項して、 よって 最終的に求めたいのは、連立方程式(1),(2)の解であるので、よって解が求められた。 のように、分数の係数をもつ連立方程式の解法を考えよう。 このような場合も、分母の数で掛け算することで、整数の式に置きかえればよいだけである。 とりあえず、係数から分数を一掃したいので、式(1)の両辺を6倍してしまおう。この6倍という数の根拠は、xの係数の分母の2と、yの係数の分母の3の公倍数が6だからである。 では、実際に式(1)を6倍すると、 これを式(2)と連立させるので、 となる。 あとはもう、係数がすべて整数なので、習ったとおりの方法で解けばいい。 解法は加減法でも代入法でも、どちらでも解けるが、とりあえず代入法で解いてみると、式(2)のxの係数が1なので、これを代入法に利用するためにyを移項すると、 これを式(1)'に代入してみると、 2つめの式と3つ目の式を取り出し、 分配法則などを使ってカッコを外して 同類項をまとめて、定数項9を左辺に移項して定数項どうしでまとめて、 両辺をマイナス7で割り算して、 が求められた。 この結果を、 に代入し、 よって答えは、 x = − 6 , y = 3 {\displaystyle x=-6,\quad y=3} である。 例題 次の連立方程式を解きなさい。 解き方は数通りありますが、ここでは「別の文字に置く方法」で、やってみましょう。 まず、 1 x = X {\displaystyle {\dfrac {1}{x}}=X} 、 1 y = Y {\displaystyle {\dfrac {1}{y}}=Y} と おいてみよう。 例題 次の連立方程式を解きなさい。 一般に、 A = B = C {\displaystyle A=B=C} のとき、次のことが成り立ちます。 ですから、 A = B = C {\displaystyle A=B=C} の形の連立方程式は、上の3つのどれかの連立方程式に直して解きます。 今まで解いてきたのは、含(ふく)まれる文字が1つか2つの方程式(2元1次方程式)だったが、ここでは、3つの文字が含まれる「3元1次方程式」を考えてみよう。 連立方程式の問題を解くポイントは、 ことである。次の問題を考えてみよう。 連立方程式では、このような速さの問題や、あるいは食塩水の濃度に関する問題がよく出される。 さて、問題を考えることにするが、この問題文から次の関係がわかる。 ここで、自転車で進んだ距離をx km、走った距離をy kmとすると、この関係は と表せる。この連立方程式を解くと、(x,y)=(21,3)となるので、答えは、 となる。
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"このように、一方の式を他方に代入することで連立方程式を解くことができる。これを、代入法という。", "title": "連立方程式の解き方" }, { "paragraph_id": 85, "tag": "p", "text": "解答 1 (x,y)=(3/5,19/5) 2 (x,y)=(10/19,4/19) 3 (x,y)=(7/17,11/17)", "title": "連立方程式の解き方" }, { "paragraph_id": 86, "tag": "p", "text": "次の方程式を解きなさい。", "title": "いろいろな連立方程式の解法" }, { "paragraph_id": 87, "tag": "p", "text": "", "title": "いろいろな連立方程式の解法" }, { "paragraph_id": 88, "tag": "p", "text": "上のようにカッコのある連立方程式の場合、分配法則などをつかってカッコを外したり、移項したりして、簡単な式に置きかえておくと、解を求めやすくなる。", "title": "いろいろな連立方程式の解法" }, { "paragraph_id": 89, "tag": "p", "text": "カッコのあるのは(2)だけなので、(2)を式変形すれば済む。", "title": "いろいろな連立方程式の解法" }, { "paragraph_id": 90, "tag": "p", "text": "まず、(2)左辺を式変形すると", "title": "いろいろな連立方程式の解法" }, { "paragraph_id": 91, "tag": "p", "text": "となる。", "title": "いろいろな連立方程式の解法" }, { "paragraph_id": 92, "tag": "p", "text": "(2)の右辺より、左辺が11と等しいのであるから、つまり、", "title": "いろいろな連立方程式の解法" }, { "paragraph_id": 93, "tag": "p", "text": "である。", "title": "いろいろな連立方程式の解法" }, { "paragraph_id": 94, "tag": "p", "text": "次に、左辺の -2 を移項して、定数項どうしをまとめると、", "title": "いろいろな連立方程式の解法" }, { "paragraph_id": 95, "tag": "p", "text": "になる。", "title": "いろいろな連立方程式の解法" }, { "paragraph_id": 96, "tag": "p", "text": "よって、(2)は最終的に", "title": "いろいろな連立方程式の解法" }, { "paragraph_id": 97, "tag": "p", "text": "に変形される。", "title": "いろいろな連立方程式の解法" }, { "paragraph_id": 98, "tag": "p", "text": "すると、この例題の方程式を求めるには、新たな連立方程式", "title": "いろいろな連立方程式の解法" }, { "paragraph_id": 99, "tag": "p", "text": "を解けばいいことになる。なお、(1)式と(1)'式とは同じであるが、新しい連立方程式を見やすくするために、新たに(1)'と置いた。", "title": "いろいろな連立方程式の解法" }, { "paragraph_id": 100, "tag": "p", "text": "カッコの含まない連立方程式の解き方は、1年生で学んだ。 なので、あとはもう、今まで習ったとおりに加減法や代入法などで、この新たな連立方程式を解けば、解がもとめられる。", "title": "いろいろな連立方程式の解法" }, { "paragraph_id": 101, "tag": "p", "text": "yの係数が(xの係数と比べると)絶対値が小さいので、yに注目して加減法で解くと計算がラクそうなので、では、加減法で その方法で解いてみよう。 (1)''式を2倍、(2)''式を3倍すれば、", "title": "いろいろな連立方程式の解法" }, { "paragraph_id": 102, "tag": "p", "text": "式(2)''から式(1)''を引き算すれば、", "title": "いろいろな連立方程式の解法" }, { "paragraph_id": 103, "tag": "p", "text": "よって、", "title": "いろいろな連立方程式の解法" }, { "paragraph_id": 104, "tag": "p", "text": "になる。まず、解の片方であるxの解が求められた。", "title": "いろいろな連立方程式の解法" }, { "paragraph_id": 105, "tag": "p", "text": "このx=3の結果を(1)''すれば、", "title": "いろいろな連立方程式の解法" }, { "paragraph_id": 106, "tag": "p", "text": "左辺の定数項24を移項して、", "title": "いろいろな連立方程式の解法" }, { "paragraph_id": 107, "tag": "p", "text": "よって", "title": "いろいろな連立方程式の解法" }, { "paragraph_id": 108, "tag": "p", "text": "最終的に求めたいのは、連立方程式(1),(2)の解であるので、よって解が求められた。", "title": "いろいろな連立方程式の解法" }, { "paragraph_id": 109, "tag": "p", "text": "のように、分数の係数をもつ連立方程式の解法を考えよう。", "title": "いろいろな連立方程式の解法" }, { "paragraph_id": 110, "tag": "p", "text": "このような場合も、分母の数で掛け算することで、整数の式に置きかえればよいだけである。", "title": "いろいろな連立方程式の解法" }, { "paragraph_id": 111, "tag": "p", "text": "とりあえず、係数から分数を一掃したいので、式(1)の両辺を6倍してしまおう。この6倍という数の根拠は、xの係数の分母の2と、yの係数の分母の3の公倍数が6だからである。", "title": "いろいろな連立方程式の解法" }, { "paragraph_id": 112, "tag": "p", "text": "では、実際に式(1)を6倍すると、", "title": "いろいろな連立方程式の解法" }, { "paragraph_id": 113, "tag": "p", "text": "これを式(2)と連立させるので、", "title": "いろいろな連立方程式の解法" }, { "paragraph_id": 114, "tag": "p", "text": "となる。", "title": "いろいろな連立方程式の解法" }, { "paragraph_id": 115, "tag": "p", "text": "あとはもう、係数がすべて整数なので、習ったとおりの方法で解けばいい。", "title": "いろいろな連立方程式の解法" }, { "paragraph_id": 116, "tag": "p", "text": "解法は加減法でも代入法でも、どちらでも解けるが、とりあえず代入法で解いてみると、式(2)のxの係数が1なので、これを代入法に利用するためにyを移項すると、", "title": "いろいろな連立方程式の解法" }, { "paragraph_id": 117, "tag": "p", "text": "これを式(1)'に代入してみると、", "title": "いろいろな連立方程式の解法" }, { "paragraph_id": 118, "tag": "p", "text": "2つめの式と3つ目の式を取り出し、", "title": "いろいろな連立方程式の解法" }, { "paragraph_id": 119, "tag": "p", "text": "分配法則などを使ってカッコを外して", "title": "いろいろな連立方程式の解法" }, { "paragraph_id": 120, "tag": "p", "text": "同類項をまとめて、定数項9を左辺に移項して定数項どうしでまとめて、", "title": "いろいろな連立方程式の解法" }, { "paragraph_id": 121, "tag": "p", "text": "両辺をマイナス7で割り算して、", "title": "いろいろな連立方程式の解法" }, { "paragraph_id": 122, "tag": "p", "text": "が求められた。", "title": "いろいろな連立方程式の解法" }, { "paragraph_id": 123, "tag": "p", "text": "この結果を、", "title": "いろいろな連立方程式の解法" }, { "paragraph_id": 124, "tag": "p", "text": "に代入し、", "title": "いろいろな連立方程式の解法" }, { "paragraph_id": 125, "tag": "p", "text": "よって答えは、 x = − 6 , y = 3 {\\displaystyle x=-6,\\quad y=3} である。", "title": "いろいろな連立方程式の解法" }, { "paragraph_id": 126, "tag": "p", "text": "例題 次の連立方程式を解きなさい。", "title": "いろいろな連立方程式の解法" }, { "paragraph_id": 127, "tag": "p", "text": "解き方は数通りありますが、ここでは「別の文字に置く方法」で、やってみましょう。 まず、 1 x = X {\\displaystyle {\\dfrac {1}{x}}=X} 、 1 y = Y {\\displaystyle {\\dfrac {1}{y}}=Y} と おいてみよう。", "title": "いろいろな連立方程式の解法" }, { "paragraph_id": 128, "tag": "p", "text": "例題 次の連立方程式を解きなさい。", "title": "いろいろな連立方程式の解法" }, { "paragraph_id": 129, "tag": "p", "text": "一般に、 A = B = C {\\displaystyle A=B=C} のとき、次のことが成り立ちます。", "title": "いろいろな連立方程式の解法" }, { "paragraph_id": 130, "tag": "p", "text": "ですから、 A = B = C {\\displaystyle A=B=C} の形の連立方程式は、上の3つのどれかの連立方程式に直して解きます。", "title": "いろいろな連立方程式の解法" }, { "paragraph_id": 131, "tag": "p", "text": "今まで解いてきたのは、含(ふく)まれる文字が1つか2つの方程式(2元1次方程式)だったが、ここでは、3つの文字が含まれる「3元1次方程式」を考えてみよう。", "title": "いろいろな連立方程式の解法" }, { "paragraph_id": 132, "tag": "p", "text": "連立方程式の問題を解くポイントは、", "title": "連立方程式の利用" }, { "paragraph_id": 133, "tag": "p", "text": "ことである。次の問題を考えてみよう。", "title": "連立方程式の利用" }, { "paragraph_id": 134, "tag": "p", "text": "連立方程式では、このような速さの問題や、あるいは食塩水の濃度に関する問題がよく出される。", "title": "連立方程式の利用" }, { "paragraph_id": 135, "tag": "p", "text": "さて、問題を考えることにするが、この問題文から次の関係がわかる。", "title": "連立方程式の利用" }, { "paragraph_id": 136, "tag": "p", "text": "ここで、自転車で進んだ距離をx km、走った距離をy kmとすると、この関係は", "title": "連立方程式の利用" }, { "paragraph_id": 137, "tag": "p", "text": "と表せる。この連立方程式を解くと、(x,y)=(21,3)となるので、答えは、", "title": "連立方程式の利用" }, { "paragraph_id": 138, "tag": "p", "text": "となる。", "title": "連立方程式の利用" } ]
中学校の学習 > 中学校数学 > 中学数学2年 > 連立方程式
{{pathnav|中学校の学習|中学校数学|中学数学2年|pagename=連立方程式}} ==連立方程式とは何か== まず、この問題を考えてみてほしい。 ;例題1 *1本30円の鉛筆と1個50円の消しゴムをそれぞれいくつか買ったら、合計で290円になった。 :鉛筆と消しゴムをそれぞれいくつ買ったのだろうか。 ;解説 ここで、鉛筆をx本、消しゴムをy個買ったとすると、次の等式が成り立つ。 :30x+50y=290     ・・・(1) このような、文字が2種類あり、一次式である方程式を'''{{ruby|二元一次方程式|にげんいちじほうていしき}}'''という。(「元」とは文字の種類と考えればよい) ここで、xとyにどのような数が当てはまるか考えると(問題文より、x,yはともに整数)、 {| class="wikitable" style="text-align:center;" |- !  <math>x</math>  |  1  ||  2  ||  3  || ・・・ || 8 || ・・・ |- !  <math>y</math>  |  <math>{26 \over 5}</math>  ||  <math>{23 \over 5}</math>  ||  4  || ・・・ || 1 || ・・・ |- |} などと、x,yの組が求められる。 このような、''x,yについての二元一次方程式の当てはまるx,yの組''のことを、その方程式の'''{{ruby|解|かい}}'''という。上に挙げたものは、すべてこの方程式の解である。解がいくつもあるため、このままでは本当に求めたい答えが定まらない。(もし解を自然数だけに限定したとしても、(3,4)のほかに(8,1)という解もあるからである) {{コラム|解の表し方|※ なお、答えの組を (<math>x</math>,<math>y</math>) = (1,<math>{26 \over 5}</math>), (2,<math>{23 \over 5}</math>), (3,4)・・・ のように、「(xの数,yの数)」の記法で書きあらわしてもいい。}} さて、上記の問題では、解がいくつもあるため、そのままでは本当に求めたい答えが定まらなかった。 しかし、この例題に、 :また、鉛筆と消しゴムをあわせて7個買った という条件がつくとどうだろう。これは、 :x+y=7 …(2) という式で表せる。この二元一次方程式の解は、 :(0,7),(1,6),(2,5)… と考えられる。 では、次に、方程式(1)と(2)という2つの方程式を組みにして書き表す記法を学ぼう。2つ以上の方程式を組み合わせる場合、次のように書きあらわす。 :<math>\left\{ \begin{matrix} 30x+50y=290 \\ x+y=7 \end{matrix}\right.</math> このように、二つ以上の方程式を組にしたものを '''{{ruby|連立方程式|れんりつほうていしき}}''' という。また、その連立方程式に代入することですべての方程式が成立する文字の値の組を '''連立方程式の解''' といい、その解を求めることを '''連立方程式を解く''' という。上の連立方程式の解は、(''x'',''y'')=(3,4)と表せる。 この2つの方程式に共通する解である(x,y)=(3,4)が、最終的に求めたい答えだとわかる。 ;問題 つぎのア~ウの選択肢のなかから、連立方程式 :<math>\left\{ \begin{matrix} 3x+y=7 \\ x-4y=11 \end{matrix}\right.</math> の解を選べ。 :ア) <math>x=3</math>,  <math>y =-2</math> :イ) <math>x=1</math>,  <math>y =4</math> :ウ) <math>x=-1</math>,  <math>y =-3</math> ;解法と答え 実際に方程式の左辺に代入して確認してみればいい。 アの (3,-2) を代入してみると、 :<math>\left\{ \begin{matrix} 3\times 3+(-2) = 9-2=7 \\ 3-4(-2)=3+8=11 \end{matrix}\right.</math> これは、それぞれ与えられた方程式の右辺に等しいので、よってアは解のひとつである。 では、他に解は無いだろうか。 念のため、イとウも確認してみよう。 まず、イから調べる。イの (1,4) を方程式に代入してみると、 :<math>\left\{ \begin{matrix} 3\times 1+4=3+4=7 \\ 1-4(4)=1-16=-15 \end{matrix}\right.</math> となり、(イ)は1番目の方程式は満たすが、2番目の方程式は満たさないので、イ は解ではない。 ウ <math>x=-1</math>,  <math>y =-3</math>を代入して確かめてみると、 :<math>\left\{ \begin{matrix} 3\times (-1)+(-3)=-3-3=-6 \\ (-1)-4(-3)=-1+12=11 \end{matrix}\right.</math> となり、2番目の方程式は満たすが、1番目の方程式を満たさないので、ウ は解ではない。 よって、選択肢のうち、解は ア のみである。 == 連立方程式の解き方 == === 加減法 === 加減法とは、2つの方程式を足したり引いたりすることによって文字を消去し、方程式を解く方法である。 たとえば、 :<math>\left\{ \begin{matrix} 4x+2y=8 \qquad \cdot \cdot \cdot(1) \\ x+y=2 \qquad \cdot \cdot \cdot(2) \end{matrix}\right.</math> という式について考える。 まず、下の式(2)の両辺を2倍して :2''x'' +2''y'' =4 となり、2つの式のyの係数がそろう。ここで、上の式(1)から下の式(2)を引くと、 <div align="center"> {| cellspacing="-50" cellpadding="-50" |- align="right" | &nbsp; || &nbsp; || 4x || + || 2y || = || 8 |- align="right" | <u>-)</u> || <u>&nbsp;</u> || <u>&nbsp;2x</u> || <u>+</u> || <u>2y</u> || <u>=</u> || <u>4</u> |- align="right" | &nbsp; || &nbsp; || 2x || || || = || 4 |} </div> となる。だから、x=2となる。 このように、xとyをふくむ方程式から、式を足したり引いたりして、yをふくまないでxだけの式を作ることを、 yを'''{{ruby|消去|しょうきょ}}する''' という。 ここで、これをもともとの下の式(2)にx=2を代入してみると、 :<math>2+y=2</math> ゆえに、y=0となり、解 (''x'',''y'')=(2,0) が求められる。 このように、連立方程式を解くときに2つの方程式を足したり引いたりすることによって文字を消去し、方程式を解く方法のことを加減法という。 :※ 加減法は数学の用語のひとつだが、高校以上では あまり使わない用語なので、用語の暗記は不要。用語の暗記よりも、実際に計算をできるようになることのほうが必要である。 加減法で解くときのポイントは、どちらかひとつの文字の係数の絶対値をそろえることである。等式は両辺に同じ数をかけても成立する、という性質があるので、それを利用してそろえればよい。 ;例題2 さきほどの例題では、どちらか片方を整数倍するだけで、xまたはyの少なくとも片方の係数が、2つの方程式で同じになった。 しかし :<math>\left\{ \begin{matrix} 2x+3y=-5 \qquad \cdot \cdot \cdot(1) \\ 5x+2y= -18 \qquad \cdot \cdot \cdot(2) \end{matrix}\right.</math> のような連立方程式の場合、どちらか片方を整数倍するだけでは、係数が同じにならない。 これを解くには、どうすればいいだろうか? 解くための方針として主に2通りある。 :'''方針1'''  片方の整数倍では係数が一致しないなら、だったら両方の式とも別々の整数で整数倍すればいいのでは? (仮に「両方の整数倍アイデア」と呼ぼう) :'''方針2'''  整数倍でだめなら、分数倍すればいいのでは? (仮に「分数倍アイデア」と呼ぼう) のような、少なくとも2通りの方針がある。 とりあえず、方針1「両方の整数倍アイデア」で解いてみよう。 私達はxかyのどちらか片方を消去したいが、さきほどの例題1ではxを消去したから、今度の例題2ではyを消去してみよう。 yの係数に注目すると、(1)のyの係数は3、(2)のyの係数は2である。 (1)の式全体を2倍して(この「2」は(2)のyの係数)、(2)の式全体を3倍すれば(この「3」は(1)のyの係数)、(1)と(2)の両方ともyの係数が6になる。 このように、2つの式のある文字の係数が等しくなるようにすればよい。 では、やってみよう。 :<math>\left\{ \begin{matrix} (2x+3y) \times 2 = -5 \times 2 \qquad \cdot \cdot \cdot(1) \\ (5x+2y)\times 3 = -18 \times 3 \qquad \cdot \cdot \cdot(2) \end{matrix}\right.</math> 分配法則などを使って、この連立方程式からカッコを外すと、 :<math>\left\{ \begin{matrix} 2\times 2 x+3\times 2 y = -10 \qquad \cdot \cdot \cdot(1) \\ 5\times 3x+2\times 3y = -54 \qquad \cdot \cdot \cdot(2) \end{matrix}\right.</math> になる。 さらにかけ算して整理して :<math>\left\{ \begin{matrix} 4 x+6 y = -10 \qquad \cdot \cdot \cdot(1) \\ 15x+6y = -54 \qquad \cdot \cdot \cdot(2) \end{matrix}\right.</math> となる。 (2)の式のxの係数のほうが、(1)の式のxの係数よりも大きいので、(2)の式から(1)の式を引き算したほうが、解を求めるための計算がラクになりそうであるので、そうしよう。 :<math>(15x+6y)-(4 x+6 y ) = -54-(-10)</math> となる。 計算を実行すれば :<math>11x = -44</math> 両辺を11で割れば、 :<math>x = -4</math> となる。 こうして、解の片方として x=-4 が求められた。 では、これから残りのyの解も求めよう。 :<math>\left\{ \begin{matrix} 2x+3y=-5 \qquad \cdot \cdot \cdot(1) \\ 5x+2y= -18 \qquad \cdot \cdot \cdot(2) \end{matrix}\right.</math> のうち、(1)か(2)のどちらか片方に先ほどの x=-4 を代入すればいいのであるが、上の(1)の式ばかりに代入していたら{{ruby|飽|あ}}きるので、今回は(2)の式に代入してみよう。 すると、 :<math>5 \times (-4)+2y= -18 </math> になる。 :<math>-20+2y= -18 </math> 両辺に20を足せば、(つまり -20を移項して右辺に移せば)、 :<math>2y= 20-18=2 </math> あとはyの係数の2で割れば(<math>\frac{1}{2}</math>倍すれば) :<math>y= \frac{2}{2}=1 </math> よって <math>y= 1 </math> が求められた。 :::'''例題2の解'''   <math>x=-4, \quad y= 1</math><br> :::<u>                </u> ;問題:次の連立方程式を加減法で解け。 問1  <math> \left\{ \begin{matrix} x+y=2 \\ 2x+3y=1 \end{matrix}\right. </math> 問2  <math> \left\{ \begin{matrix} 5x+y=2 \\ 8x+2y=-7 \end{matrix}\right. </math> 問3  <math> \left\{ \begin{matrix} -3x+4y=-2 \\ 9x+2y=-7 \end{matrix}\right. </math> 解答 :問1  (x,y)=(5,-3) :問2  (x,y)=(11/2,-51/2) :問3  (x,y)=(-4/7,-13/14) === 代入法 === まずは、次の連立方程式を考えることにする。 :<math>\left\{ \begin{matrix} y=2x+7 \qquad \cdot \cdot \cdot(1) \\ 2x+3y=45 \qquad \cdot \cdot \cdot(2) \end{matrix}\right.</math> このような連立方程式は、文字がひとつの、つまり、1年生で学習した一次方程式の形にして解くことができる。 上の式を(1)、下の式を(2)とする。(1)の式では、''"y"と"2x+7"の2つが等しい''ことを示しているわけであり、また、(1)と(2)のxとyにはまったく同じ物が解として入る。そこで、(2)のyを(1)の2x+7に置き換える。つまり、(1)の式を(2)に代入するのである。このとき、(2)のyという文字を消去できる。 (1)を(2)に代入して、 :<math>2x+3(2x+7)=45</math> これで、yが消去された。これを解いて、 :<math>\begin{matrix}2x+3(2x+7)=45 &\Longrightarrow & 2x+6x+21=45 \\ \ & \Longrightarrow & 8x+21=45 \\ \ &\Longrightarrow & 8x=24 \\ \ &\Longrightarrow & x=3 \end{matrix}</math> また、このxの値を(1)に代入して、 :<math>\begin{matrix}y=2\times 3 +7 &\Longrightarrow & y=6+7 \\ \ &\Longrightarrow & y=13\end{matrix}</math> これで、この連立方程式の解、(3,13)が得られた。普通、連立方程式の解は次のように書く。 :(x,y)=(3,13) あるいは、 :<math>\left\{ \begin{matrix} x=3 \\ y=13 \end{matrix}\right.</math> この教科書では、以後上の書き方を用いる。 <!--これは一次関数でグラフの交点を求めるとき、この表記のほうが楽だからである--> このように、一方の式を他方に代入することで連立方程式を解くことができる。これを、'''代入法'''という。 ;問題:次の連立方程式を代入法で解きなさい。 #  <math> \left\{ \begin{matrix} y=3x+2 \\ 2x+y=5 \end{matrix}\right. </math> #  <math> \left\{ \begin{matrix} x=2-7y \\ 3x+2y=2 \end{matrix}\right. </math> #  <math> \left\{ \begin{matrix} x+4y=3 \\ 9x+2y=5 \end{matrix}\right. </math> 解答 1 (x,y)=(3/5,19/5) 2 (x,y)=(10/19,4/19) 3 (x,y)=(7/17,11/17) {{コラム|解の定まらない連立方程式| }} == いろいろな連立方程式の解法 == === カッコのある連立方程式 === ;例題 次の方程式を解きなさい。 :<math>\left\{ \begin{matrix} 4x+3y=9 \qquad \cdot \cdot \cdot(1) \\ 5x-2(1-y)=11 \qquad \cdot \cdot \cdot(2) \end{matrix}\right.</math> :(解法と答え) 上のようにカッコのある連立方程式の場合、分配法則などをつかってカッコを外したり、移項したりして、簡単な式に置きかえておくと、解を求めやすくなる。 カッコのあるのは(2)だけなので、(2)を式変形すれば済む。 まず、(2)左辺を式変形すると :<math>5x-2(1-y)= 5x-2+2y = 5x +2y -2 </math> となる。 (2)の右辺より、左辺が11と等しいのであるから、つまり、 :<math>5x +2y -2 = 11</math> である。 次に、左辺の -2 を移項して、定数項どうしをまとめると、 :<math>5x +2y = 11+2 =13 </math> になる。 よって、(2)は最終的に :<math>5x +2y = 13 \qquad \cdot \cdot \cdot(2)^' </math> に変形される。 すると、この例題の方程式を求めるには、新たな連立方程式 :<math>\left\{ \begin{matrix} 4x+3y=9 \qquad \cdot \cdot \cdot(1)^' \\ 5x +2y = 13 \qquad \cdot \cdot \cdot(2)^' \end{matrix}\right.</math> を解けばいいことになる。なお、(1)式と(1)'式とは同じであるが、新しい連立方程式を見やすくするために、新たに(1)'と置いた。 カッコの含まない連立方程式の解き方は、1年生で学んだ。 なので、あとはもう、今まで習ったとおりに加減法や代入法などで、この新たな連立方程式を解けば、解がもとめられる。  yの係数が(xの係数と比べると)絶対値が小さいので、yに注目して加減法で解くと計算がラクそうなので、では、加減法で その方法で解いてみよう。 (1)<nowiki>''</nowiki>式を2倍、(2)<nowiki>''</nowiki>式を3倍すれば、 :<math>\left\{ \begin{matrix} 8x+6y=18 \qquad \cdot \cdot \cdot(1)^{''} \\ 15x +6y = 39 \qquad \cdot \cdot \cdot(2)^{''} \end{matrix}\right.</math> 式(2)<nowiki>''</nowiki>から式(1)<nowiki>''</nowiki>を引き算すれば、 :<math>7x=21</math> よって、 :<math>x=3</math> になる。まず、解の片方であるxの解が求められた。 このx=3の結果を(1)<nowiki>''</nowiki>すれば、 :<math>24+6y=18 </math> 左辺の定数項24を移項して、 :<math>6y=18-24=-6 </math> よって :<math>y=-1 </math> 最終的に求めたいのは、連立方程式(1),(2)の解であるので、よって解が求められた。 :::'''例題の解'''   <math>x=3, \quad y= -1</math><br> :::<u>                </u> === 分数や小数のある連立方程式 === :<math>\begin{cases} \dfrac{1}{2}x + \dfrac {1}{3}y = -2 \qquad \cdot \cdot \cdot (1) \\ x +3y = 3 \qquad \cdot \cdot \cdot (2) \end{cases}</math> のように、分数の係数をもつ連立方程式の解法を考えよう。 このような場合も、分母の数で掛け算することで、整数の式に置きかえればよいだけである。 とりあえず、係数から分数を一掃したいので、式(1)の両辺を6倍してしまおう。この6倍という数の根拠は、xの係数の分母の2と、yの係数の分母の3の公倍数が6だからである。 では、実際に式(1)を6倍すると、 :<math> 3x + 2y = -12 \qquad \cdot \cdot \cdot (1)~{'} </math> これを式(2)と連立させるので、 :<math>\begin{cases} 3x + 2 y = -12 \qquad \cdot \cdot \cdot (1)~{'} \\ x +3y = 3 \qquad \cdot \cdot \cdot (2) \end{cases}</math> となる。 あとはもう、係数がすべて整数なので、習ったとおりの方法で解けばいい。 解法は加減法でも代入法でも、どちらでも解けるが、とりあえず代入法で解いてみると、式(2)のxの係数が1なので、これを代入法に利用するためにyを移項すると、 :<math>x = 3-3y </math> これを式(1)<nowiki>'</nowiki>に代入してみると、 :<math> 3x + 2 y =3(3-3y)+2y= -12 </math> 2つめの式と3つ目の式を取り出し、 :<math>3(3-3y)+2y= -12 </math> 分配法則などを使ってカッコを外して :<math>9-9y+2y= -12 </math> 同類項をまとめて、定数項9を左辺に移項して定数項どうしでまとめて、 :<math>-7y= -12-9=-21 </math> 両辺をマイナス7で割り算して、 :<math>y=3 </math> が求められた。 この結果を、 :<math>x = 3-3y </math> に代入し、 :<math>x = 3-3\times 3 =3-9 = -6</math> よって答えは、<math>x=-6, \quad y= 3</math>である。 :::'''例題の解'''   <math>x=-6, \quad y= 3</math><br> :::<u>                </u> :<span style="font-size: large">'''※ここから先の、「分母に文字がある連立方程式」「''A''=''B''=''C'' の形の連立方程式」「3元1次方程式」は、発展内容です。'''</span> === 分母に文字がある連立方程式 ===  '''例題'''  次の連立方程式を解きなさい。 :<math>\begin{cases} \dfrac{1}{x} + \dfrac {3}{y} = \dfrac {5}{4} \qquad \cdot \cdot \cdot (1) \\ \dfrac{5}{x} + \dfrac{2}{y} = 3 \qquad \cdot \cdot \cdot (2) \end{cases}</math> 解き方は数通りありますが、ここでは「別の文字に置く方法」で、やってみましょう。<br> まず、<math>\dfrac{1}{x} = X</math>、 <math>\dfrac{1}{y} = Y </math> と おいてみよう。 :<math>\left\{ \begin{matrix} X+3Y= \dfrac{5}{4} \qquad \cdot \cdot \cdot(1)~{'} \\ 5X+2Y= 3 \qquad \cdot \cdot \cdot(2) ~{'} \end{matrix}\right.</math> ===''A''=''B''=''C'' の形の連立方程式 ===  '''例題'''  次の連立方程式を解きなさい。 #<math> x - 2y = 4x + 3y = 11 </math> #<math> 3x + y = 2x + 3y + 5 = 4x + 2y - 2 </math><br> 一般に、<math>A=B=C</math>のとき、次のことが成り立ちます。 :<math>\left\{ \begin{matrix} A=B \\ B=C \end{matrix}\right.</math><br> :<math>\left\{ \begin{matrix} A=B \\ A=C \end{matrix}\right.</math> <br> :<math>\left\{ \begin{matrix} A=C \\ B=C \end{matrix}\right.</math> ですから、<math>A=B=C</math>の形の連立方程式は、上の3つのどれかの連立方程式に直して解きます。 === 3元1次方程式 === 今まで解いてきたのは、含(ふく)まれる文字が1つか2つの方程式(2元1次方程式)だったが、ここでは、3つの文字が含まれる「3元1次方程式」を考えてみよう。 == 連立方程式の利用 == 連立方程式の問題を解くポイントは、 #  求めるものをx、yに置き換える #  2つの式を立てる ことである。次の問題を考えてみよう。 ;例題1 :全長24kmのコースを、スタートからA地点までは自転車で進み、そこから先は自転車を降りて走ります。自転車の速さが時速18km、走る速さが時速9kmのとき、スタートしてからゴールするまで1時間半かかりました。自転車で進んだ距離と走った距離を求めなさい。 ;解説 連立方程式では、このような速さの問題や、あるいは食塩水の濃度に関する問題がよく出される。 さて、問題を考えることにするが、この問題文から次の関係がわかる。 #(自転車で進んだ距離)+(走った距離)=24km #(自転車で進んだ時間)+(走った時間)=1.5時間 ここで、自転車で進んだ距離を''x'' km、走った距離を''y'' kmとすると、この関係は :<math>\left\{ \begin{matrix} x+y=24 \\ \dfrac{x}{18} + \dfrac{y}{9} = \dfrac{3}{2} \end{matrix}\right.</math> と表せる。この連立方程式を解くと、(''x'',''y'')=(21,3)となるので、答えは、 :<u>自転車で進んだ距離は21km、走った距離は3km</u> となる。 == 総括 == :連立方程式では、(x,y)という二つの文字を使って方程式を解いてきました。ピンときた方は、「この問題は1次方程式で解けるよね?」と疑問を抱くと思います。決して間違いではないです。先ほどの文章題は、スタートからA地点までをx(km)、A地点からゴール地点までを(24-x)kmとして、x/18+(24-x)/9=1.5の方程式を作成することも可能です。 :でもこうしてしまうと式が複雑になり、解くのに時間がかかる。変な疲労を溜めてしまうこともあります。皆さんが受験することになる高校入試、身近なところで言えば定期テスト。時間勝負であり、ほかの問題を解く際に支障をきたしてしまいます。 :そこで連立方程式を利用するのです。文字化してしまえば、解くのは非常に楽になります。また皆さんはこれから高度な数学を学んでいきます。そこでは必ずしも今回のx,24-xのように繋がりがあるとは限らないのです。1次方程式のみでは限界があります。 :連立方程式は中高、さらにはその先の世界でも出会うことになります。マスターされることを祈念しております。 [[Category:中学校数学|2ねんせい すうりよう れんりつほうていしき]]
2005-12-17T14:38:00Z
2024-02-25T03:13:53Z
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中学数学2年 確率
中学校の学習 > 中学校数学 > 中学数学2年 > 確率 ※2020年以降に中学2年生になった方へ:このページの内容の一部は、中学1年生に移動されました。 「100円玉を投げたとき、表面(絵が描いてある面)がどの頻度で上になるか」を調べます。 上記の方法で実行した結果が右もしくは上のグラフです。 回数が少ないうちは割合にばらつきがありますが、回数が多くなるにつれて0.5に近い値になっていることが分かります。では、この0.5とは何でしょう。0.5は分数で表すと、 1 2 {\displaystyle {\frac {1}{2}}} です。これは、100円玉を2回投げるうち、1回は表が出ると期待されることを表しています。つまり、2回投げれば1回は必ず表が出るということではなく、起こりそうだと期待される程度が0.5なのです。 このように、ある ことがら についてそれが起こると期待される程度を表す数を、その ことがら の起こる確率と言います。この実験の場合、「100円玉を投げて表が出る確率は0.5」(確率の表し方については後述)と言うことができます。 また、ある ことがら が絶対に起こらないとき、その ことがら が起こる確率は 0 であり、反対にある ことがら が絶対に起こるとき、その ことがら が起こる確率は 1 です。 どのようなことがらの確率も、絶対でない限り、0以上かつ1以下です。確率を文字Pで表すとすると、これらの確率は 0 ≦ P ≦ 1 {\displaystyle 0\leqq P\leqq 1} です。 数式で確率を表す文字には、よく P が使われる。 上では、確率を小数を用いて 0.5 {\displaystyle 0.5} などと表しました。しかし、確率は基本的に分数を用いて表します。例えば、 0.5 {\displaystyle 0.5} は分数で表すと、 1 2 {\displaystyle {\frac {1}{2}}} です。確率に単位をつけることも基本的にありません。 しかし、例外的に確率を百分率を用いることや単位をつけることがあります。新聞やテレビのニュース番組における天気予報の枠で「降水確率」という言葉を目にしたことや、耳にしたことはありませんでしたか。あの降水確率は雨の降りやすさを表したもので、70%の場合「この予報が100回出された時、おおよそ70回は1mm以上の雨が降る」という意味です。このように一部の特殊な場合には確率を通常と異なった表現で表しますが、読者のみなさんが試験などにおいてこれらで回答することはあまりありません。ご注意ください。 ペットボトルのキャップ (ふた) があったとします。これを数百回ほど投げてみて、表になる確率と、裏になる確率を比べる実験をすると、表になる確率はおよそ 1 10 {\displaystyle {\frac {1}{10}}} で、裏になる確率は、およそ 4 5 {\displaystyle {\frac {4}{5}}} 、0.6でした。なお、残りの 3 10 {\displaystyle {\frac {3}{10}}} 、0.3 は横向きになる確率です。 ペットボトルキャップの形は、対称ではないので、重さの 偏り などの理由もあり、表と裏の出る確率は、必ずしも同じとは限りません。このように、表と裏のあるもので、その出現の確率がかならず等しくなるとは限りません。 一方で、10円玉や100円玉などは、表側に近い部分の重さも、裏側に近い部分の重さも、重さはほぼ同じです。実際に10円玉や100円玉を投げた上の実験でも、表の出る確率と、裏側の出る確率は同じで 1 2 {\displaystyle {\frac {1}{2}}} ずつです。 この10円玉の表の出る確率と裏の出る確率のように、あることがらの起きる確率が同じである場合に、それらの ことがら を 同様に確からしい と呼びます。 普通のサイコロで、1~6の目のあるサイコロを振った場合に出る目の確率も、「1の目がでる確率 と 2の目が出る確率、 3の目が出る確率、 4の目の出る確率、5の目のでる確率、6の目のでる確率」は、「同様に確からしい」と言えます。このように、3つ以上の ことがら についても、「同様に確からしい」という言葉を使えます。 なお、6つの目のあるサイコロをふった時に、ある目の出る確率は 1 6 {\displaystyle {\frac {1}{6}}} です。すなわち、このサイコロを振った時に 5 の目が出る確率は 1 6 {\displaystyle {\frac {1}{6}}} です。 例えば、6つの目のあるサイコロを振って、3の目の出ない ことがら の確率を考えてみましょう。3が出ないということは、1もしくは2、4、5、6 の目が出る5パターンの確率を求めます。そして、それぞれの目の出る確率は 1 6 {\displaystyle {\frac {1}{6}}} ずつである。確率 1 6 {\displaystyle {\frac {1}{6}}} で起きる別々の ことがら が全部で5種類あるので、合計の確率は 1 6 × 5 = 5 6 {\displaystyle {\frac {1}{6}}\times 5={\frac {5}{6}}} である。よって、3の出ない確率は 5 6 {\displaystyle {\frac {5}{6}}} である。また、3の出る確率は 1 6 {\displaystyle {\frac {1}{6}}} (前述)である。 サイコロを振った時、(どれかの)目が出る確率は 1 (どれかの目が出るため)である。 1 − 1 6 {\displaystyle 1-{\frac {1}{6}}} を計算してみると、 1 − 1 6 = 5 6 {\displaystyle 1-{\frac {1}{6}}={\frac {5}{6}}} となり、これは、先ほどの3以外 (1もしくは2、4、5、6 の5つ) の出る確率を合計した結果と同じです。 このような例から、「あることがらの起きない確率は、その ことがら の起きる確率を P としたとき、 1 − P {\displaystyle 1-P} であること」が分かります。 (問題)1から6までの目のあるサイコロを振った時、出た目が偶数である確率を求めなさい。 (解答)0.5 (解説)サイコロの偶数の目は 2,4,6 の3通り。このサイコロの目は6つあるので、偶数の出る確率は、 3 6 = 1 2 {\displaystyle {\frac {3}{6}}={\frac {1}{2}}} である。 いかがでしたか。よく発展させた問題が作られやすい問題ですので、間違えてしまった方はしっかり復習をしましょう。 場合の数とは、あることがらの起こり方が何通りあるかを示します。例えば、コインを2回投げた時、それぞれで出た面の組み合わせは「表-表」、「表-裏」、「裏-表」、「裏-裏」の4通りです。このような場合の数を求める際は、考えられる全ての順番を整理して考えるのが重要です。このとき、樹形図と呼ばれる図がよく用いられる。樹形図とは、右もしくは上の図のようなものです。 また、順番を考えないで組み合わせを考えるとき(A-BとB-Aを同じものと考えること)にも樹形図は使うことができます。ただし、図のように、違った方法でもこれを求めることは可能です。右もしくは上の図には4チームで総当たり戦(全てのチームと戦う)をするときの試合数(つまり、4チームを2組ずつ組み合わせる場合の数)を求める図を示した。 それでは、前の章で取り上げた、「100円玉を投げて表が出る確率」を、計算で求めてみましょう。これは、次のように考えていけば、求めることができます。 このとき、表の面が出る確率は、 1 2 {\displaystyle {\frac {1}{2}}} となります。これは、実験で出た値と一致しているので、正しいと考えられます。 このように、「1つ1つの起こる確率」が、どれも「同様に確からしい」とき、確率は場合の数の割合として求めることができます。 2つの確率から1つの確率を求めることがあります。試験などでは基礎となるこれまでの内容はもちろんのこと、ここから先の内容が出題されることが多いです。しかし、これらは一見難しく見えるものの、その実態は基本的にいままでの内容の組み合わせです。 例として、「6つの面のあるサイコロを2回振った時、2回とも奇数の目が出る確率」を求めてみましょう。目の出方を表に表すと、次のようになります。 この表の太字に強調されている「奇数*奇数」の部分が、この問題で重要です。この「奇数*奇数」は全部で9つあります。そしてこの場合の場合の数は6×6で、36となります。よってこれは 9 36 = 1 4 {\displaystyle {\frac {9}{36}}={\frac {1}{4}}} になります。しかし、この問題は表に頼らずとも、計算で完結させることができます。さいころ1つの場合、全ての目の内奇数は3つですから、 3 6 = 1 2 {\displaystyle {\frac {3}{6}}={\frac {1}{2}}} です。この問題では という2つの条件の両方を満たしている必要がありますので、 1 2 {\displaystyle {\frac {1}{2}}} を2乗した 1 4 {\displaystyle {\frac {1}{4}}} になります。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "中学校の学習 > 中学校数学 > 中学数学2年 > 確率", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "※2020年以降に中学2年生になった方へ:このページの内容の一部は、中学1年生に移動されました。", "title": "" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "「100円玉を投げたとき、表面(絵が描いてある面)がどの頻度で上になるか」を調べます。", "title": "確率とは" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "上記の方法で実行した結果が右もしくは上のグラフです。", "title": "確率とは" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "回数が少ないうちは割合にばらつきがありますが、回数が多くなるにつれて0.5に近い値になっていることが分かります。では、この0.5とは何でしょう。0.5は分数で表すと、 1 2 {\\displaystyle {\\frac {1}{2}}} です。これは、100円玉を2回投げるうち、1回は表が出ると期待されることを表しています。つまり、2回投げれば1回は必ず表が出るということではなく、起こりそうだと期待される程度が0.5なのです。", "title": "確率とは" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "このように、ある ことがら についてそれが起こると期待される程度を表す数を、その ことがら の起こる確率と言います。この実験の場合、「100円玉を投げて表が出る確率は0.5」(確率の表し方については後述)と言うことができます。", "title": "確率とは" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "また、ある ことがら が絶対に起こらないとき、その ことがら が起こる確率は 0 であり、反対にある ことがら が絶対に起こるとき、その ことがら が起こる確率は 1 です。", "title": "確率とは" 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中学校の学習 > 中学校数学 > 中学数学2年 > 確率 ※2020年以降に中学2年生になった方へ:このページの内容の一部は、中学1年生に移動されました。
{{pathnav|中学校の学習|中学校数学|中学数学2年|pagename=確率}} <!-- このページには導入部がありません。適切な導入部を作成し、このコメントを除去してください。 --> '''※2020年以降に中学2年生になった方へ:このページの内容の一部は、中学1年生に移動されました。''' == 確率とは == 確率とは、偶然起こる現象に対する頻度(起こりやすさの指標)のことです。 確率について知るために、次のような実験を行います。 [[画像:1000coin.GIF|thumb|コインの表が出る確率]] ;実験の方法 # 100円玉を10回投げ、そのうち何回表が出たか記録する。これを100回繰り返し、合計1000回投げる。 # 表が出た割合を10回ごとに出す。たとえば120回投げ終わって、今までに65回表が出たなら、65 &divide; 120 = 0.541666667となる。 # それをグラフにする。 上記の方法で実行した結果が右もしくは上のグラフです。 回数が少ないうちは割合にばらつきがありますが、回数が多くなるにつれて0.5に近い値になっていることが分かります。では、この0.5とは何でしょう。0.5は分数で表すと、<math>\frac{1}{2}</math>です。これは、100円玉を2回投げるうち、1回は表が出ると期待されることを表しています。つまり、2回投げれば1回は'''必ず'''表が出るということではなく、起こりそうだと期待される程度が0.5なのです。 このように、ある ことがら についてそれが起こると期待される程度を表す数を、その ことがら の起こる{{ruby|'''確率'''|かくりつ}}と言います。この実験の場合、「100円玉を投げて表が出る確率は0.5」(確率の表し方については後述)と言うことができます。 また、ある ことがら が絶対に起こらないとき、その ことがら が起こる確率は 0 であり、反対にある ことがら が'''絶対に'''起こるとき、その ことがら が起こる確率は 1 です。 どのようなことがらの確率も、絶対でない限り、0以上かつ1以下です。確率を文字Pで表すとすると、これらの確率は <math> 0 \leqq P \leqq 1 </math>です。 <!-- 確率の英語が Probability だからだろうか、 -->数式で確率を表す文字には、よく P が使われます。<!-- (※ 数研出版の検定教科書にも、確率の英訳で Probability と書いてある。) --> == 確率の表し方 == 上では、確率を小数を用いて<math>0.5</math>などと表しました。しかし、確率は基本的に分数を用いて表します。例えば、<math>0.5</math>は分数で表すと、<math>\frac{1}{2}</math>です。確率に単位をつけることも基本的にありません。 しかし、例外的に確率を百分率を用いることや単位をつけることがあります。新聞やテレビのニュース番組における天気予報の枠で「降水確率」という言葉を目にしたことや、耳にしたことはありませんでしたか。あの降水確率は雨の降りやすさを表したもので、70%の場合「この予報が100回出された時、おおよそ70回は1mm以上の雨が降る」という意味です。このように一部の特殊な場合には確率を通常と異なった表現で表しますが、読者のみなさんが試験などにおいてこれらで回答することはあまりありません。ご注意ください。 == 「同様に確からしい」とは == ペットボトルのキャップ (ふた) があったとします。これを数百回ほど投げてみて、表になる確率と、裏になる確率を比べる実験をすると、表になる確率はおよそ <math>\frac{1}{10}</math> で、裏になる確率は、およそ<math>\frac{4}{5}</math>、0.6でした。なお、残りの<math>\frac{3}{10}</math>、{{#expr: 1-0.1-0.6 }} は横向きになる確率です。 ペットボトルキャップの形は、{{ruby|対称|たいしょう}}ではないので、重さの {{ruby|偏|かたよ}}り などの理由もあり、表と裏の出る確率は、必ずしも同じとは限りません。このように、表と裏のあるもので、その出現の確率がかならず等しくなるとは限りません。 一方で、10円玉や100円玉などは、表側に近い部分の重さも、裏側に近い部分の重さも、重さはほぼ同じです。実際に10円玉や100円玉を投げた上の実験でも、表の出る確率と、裏側の出る確率は同じで <math>\frac{1}{2}</math> ずつです。 この10円玉の表の出る確率と裏の出る確率のように、あることがらの起きる確率が同じである場合に、それらの ことがら を '''同様に確からしい''' と呼びます。 普通のサイコロで、1~6の目のあるサイコロを振った場合に出る目の確率も、「1の目がでる確率 と 2の目が出る確率、 3の目が出る確率、 4の目の出る確率、5の目のでる確率、6の目のでる確率」は、「同様に確からしい」と言えます。このように、3つ以上の ことがら についても、「同様に確からしい」という言葉を使えます。 なお、6つの目のあるサイコロをふった時に、ある目の出る確率は <math> \frac{1}{6} </math> です。すなわち、このサイコロを振った時に 5 の目が出る確率は <math> \frac{1}{6} </math> です。 == あることがらの起きない確率 == 例えば、6つの目のあるサイコロを振って、3の目の出ない ことがら の確率を考えてみましょう。3が出ないということは、1もしくは2、4、5、6 の目が出る5パターンの確率を求めます。そして、それぞれの目の出る確率は <math> \frac{1}{6} </math> ずつで、確率 <math> \frac{1}{6} </math> で起きる別々の ことがら が全部で5種類あるので、合計の確率は <math> \frac{1}{6} \times 5 = \frac{5}{6} </math> となります。よって、3の出ない確率は <math> \frac{5}{6} </math> で、3の出る確率は <math> \frac{1}{6} </math> (前述)であることがわかります。。 サイコロを振った時、(どれかの)目が出る確率は 1 (どれかの目が出るため)である。<math> 1- \frac{1}{6} </math> を計算してみると、<math> 1- \frac{1}{6} = \frac{5}{6} </math> となり、これは、先ほどの3以外 (1もしくは2、4、5、6 の5つ) の出る確率を合計した結果と同じです。 このような例から、「あることがらの起きない確率は、その ことがら の起きる確率を P としたとき、<math>1-P</math> であること」が分かります。 == 問題 == (問題)1から6までの目のあるサイコロを振った時、出た目が{{Ruby|偶|ぐう}}数である確率を求めなさい。 (解答){{#expr: 1/2 }} (解説)サイコロの偶数の目は 2,4,6 の3通り。このサイコロの目は6つあるので、偶数の出る確率は、 <math> \frac{3}{6} = \frac{1}{2} </math> である。 いかがでしたか。よく発展させた問題が作られやすい問題ですので、間違えてしまった方はしっかり復習をしましょう。 == 場合の数 == [[画像:Jukeizu.GIF|thumb|201px|right|この例の場合の樹形図]] [[画像:Jukeizu2.GIF|thumb|201px|right|上:組み合わせの樹形図・下:その他の方法]] 場合の数とは、あることがらの起こり方が何通りあるかを示します。例えば、コインを2回投げた時、それぞれで出た面の組み合わせは「表-表」、「表-裏」、「裏-表」、「裏-裏」の4通りです。このような場合の数を求める際は、考えられる全ての順番を整理して考えるのが重要です。このとき、{{Ruby|'''樹形図'''|じゅけいず}}と呼ばれる図がよく用いられる。樹形図とは、右もしくは上の図のようなものです。 また、順番を考えないで組み合わせを考えるとき(A-BとB-Aを同じものと考えること)にも樹形図は使うことができます。ただし、図のように、違った方法でもこれを求めることは可能です。右もしくは上の図には4チームで{{Ruby|総当たり戦|リーグ戦| (全てのチームと戦う) }}をするときの試合数(つまり、4チームを2組ずつ組み合わせる場合の数)を求める図を示した。 == 確率の求め方 == それでは、前の章で取り上げた、「100円玉を投げて表が出る確率」を、計算で求めてみましょう。これは、次のように考えていけば、求めることができます。 # 100円玉を投げたときにでる面は、表と裏の2通りである。 #* 側面 (横) はないものとする。 # この2通りのうち、表の面が出るのは1通りである。 このとき、表の面が出る確率は、<math>\frac{1}{2}</math>となります。これは、実験で出た値と一致しているので、正しいと考えられます。 このように、「1つ1つの起こる確率」が、どれも「同様に確からしい」とき、確率は場合の数の割合として求めることができます。 {{中学校数学|確率の求め方|2=起こる場合が全部で''n''通りあり、どれも同様に確からしいとする。そのうち、ことがら''A''の起こる場合が''a''通りで、その確率を''P''とすると、 <div style="text-align:center"> <math>P = \frac{a}{n}</math> <math>0 \leq P \leq 1</math> </div> }} == かけ合わせ == 2つの確率から1つの確率を求めることがあります。試験などでは基{{Ruby|礎|そ}}となるこれまでの内容はもちろんのこと、ここから先の内容が出題されることが多いです。しかし、これらは一見難しく見えるものの、その実態は基本的にいままでの内容の組み合わせです。 例として、「6つの面のあるサイコロを2回{{Ruby|振|ふ}}った時、2回とも{{Ruby|奇|き}}数の目が出る確率」を求めてみましょう。目の出方を表に表すと、次のようになります。 {| class="wikitable" |+ さいころを2度振った時の結果 ! !! '''1''' !! 2 !! '''3''' !! 4 !! '''5''' !! 6 |- | '''1''' || '''奇数*奇数 '''|| 奇数*偶数 || '''奇数*奇数''' || 奇数*偶数 || '''奇数*奇数''' || 奇数*偶数 |- | 2 || 偶数*奇数 || 偶数*偶数 || 偶数*奇数 || 偶数*偶数 || 偶数*奇数 || 偶数*偶数 |- | '''3''' || '''奇数*奇数 '''|| 奇数*偶数 || '''奇数*奇数''' || 奇数*偶数 || '''奇数*奇数''' || 奇数*偶数 |- | 4 || 偶数*奇数 || 偶数*偶数 || 偶数*奇数 || 偶数*偶数 || 偶数*奇数 || 偶数*偶数 |- | '''5''' || '''奇数*奇数 '''|| 奇数*偶数 || '''奇数*奇数''' || 奇数*偶数 || '''奇数*奇数''' || 奇数*偶数 |- | 6 || 偶数*奇数 || 偶数*偶数 || 偶数*奇数 || 偶数*偶数 || 偶数*奇数 || 偶数*偶数 |} この表の太字に強調されている「奇数*奇数」の部分が、この問題で重要です。この「奇数*奇数」は全部で9つあります。そしてこの場合の場合の数は6×6で、{{#expr: 6*6 }}となります。よってこれは<math> \frac{9}{36} = \frac{1}{4} </math>になります。しかし、この問題は表に頼らずとも、計算で完結させることができます。さいころ1つの場合、全ての目の内奇数は3つですから、<math> \frac{3}{6} = \frac{1}{2} </math>です。この問題では # 1つ目のサイコロが奇数で'''かつ''' # 2つ目のさいころが奇数 という2つの条件の両方を満たしている必要がありますので、<math> \frac{1}{2} </math>を2乗した<math> \frac{1}{4} </math>になります。 <!-- これは1つのサイコロにある6つの目のうち、奇数の目が3つ (1・3・5) であることから、<math> \frac{3}{6} = \frac{1}{2} </math>になります(前述)。 --> [[Category:中学校数学|2ねんせい すうりよう かくりつ]] [[カテゴリ:確率]]
2005-12-17T14:38:06Z
2023-12-04T05:39:53Z
[ "テンプレート:Pathnav", "テンプレート:Ruby", "テンプレート:中学校数学" ]
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東京理科大対策
本項は、東京理科大学の入学試験対策に関する事項である。 東京理科大学は、東京都にある理工系総合大学である。文系学部は経営学部だけである。略称は「理科大」。 理科大の入試問題は計算力・思考力を問う良問が多い。理系学部の入試科目は英語、数学、理科(地学以外から一科目選択)である。早慶や旧帝国大、東工大の理・工学部の併願として受験する場合、特別な対策は不要だが、農学部、医療系学部との併願である場合、問題の質が異なるので対策が必要。実質倍率はどの学部も3~4倍程度である。 (60分)数学や理科に比べると英語の問題は総じて平易だが、下記の特徴を持つ。 (100分)良問が多いが、解法パターンを暗記しただけの勉強法では解けない。解法の理解を前提として、それらを応用する力が問われる。数IIIの出題が多く、微分積分、数列、三角関数がよく出題される。この領域に関してはかなりの習熟度が必要である。全体的に奇問・難問は少ないが、数学科専用の数学問題の難易度は極めて高い。また、記述式問題も出る。 繁雑な計算を長々とさせられた挙句に出る答えが,ルートの中に t の4次式が入るなど汚いものであることが多いが,それに惑わされずに解き進めてゆく必要があろう. (80分)物理・化学・生物の中から1科目選択して受験する。学部学科によっては、指定された科目を受験する。 力学、熱力学、波動、電磁気の分野からよく出題される。洗練された良問が多く、難易度の高い問題も出るが、悪問や奇問は出題されない。知識よりも思考力を試す問題である。 化学に対する基本的な理解、および素早い計算力が問われることが多い。計算量は多い。 分子生物学領域の問題が多い。応用生物科学科では遺伝の計算問題が出題されることもあり、思考力と計算力が問われる。知識問題は少ない。限られた時間で問題文を適切に判断、計算していく能力が問われる。生物工学科は応用生物科学科よりシンプルな問題が多い。現象に対する理解を確認するだけではなく、それらを応用する力が求められるため、暗記型の学習では対応できない。 経営学部は学科によって入試方式が微妙に異なっている。 ・経営学科は3教科(400点満点)である。 【国語】国語総合・現代文B(古文・漢文を除く)(100)、 【数学】数I・数A・数II・数B(数列・ベクトル)(100)、 【外国語】コミュ英I・コミュ英II・コミュ英III・英語表現I・英語表現II(100)。 3教科のうち、高得点の2科目を1.5倍にして、合否判定する。 ・国際デザイン経営学科は3教科(400点満点)である。 【国語】国語総合・現代文B(古文・漢文を除く)(100)、 【数学】数I・数A・数II・数B(数列・ベクトル)(100)、 【外国語】コミュ英I・コミュ英II・コミュ英III・英語表現I・英語表現II(200)。 ・ビジネスエコノミクス学科は2~3教科(300点満点)である。 【数学】数I・数A・数II・数B(数列・ベクトル)(100)、 【外国語】コミュ英I・コミュ英II・コミュ英III・英語表現I・英語表現II(100)を必須科目とし、最後の1科目は 《国語》国語総合・現代文B(古文・漢文を除く)(100)、と 《数学》数I・数A・数II・数B(数列・ベクトル)・数III(100)の中から1科目を選択する。 東京理科大学経営学部は都内キャンパスへの全面移転により競争率が近年上昇している。 必須科目。理系学部の「英語」を参照。 国語か理系数学(3Cまで)から1科目選択する。 国語 全国の国語の入試問題の中でも、驚くほどの長い文章を課す。その分量は大問1つにつき、本文は10ページにも及ぶものである。大問構成は大問2つでどちらも前述した量の文章量である。記述式の設問が多いので、思考力が試される。今までは試験時間が100分であったが2016年度の入試から試験時間が80分になってしまった。その2016年の入試では大問1つにつき8ページから9ページ程に文章量は減ったが、設問数は変わらず時間内に終わらせるには相当至難な問題となっていた。2017年度以降に注目である。受験生は読解速度の向上と記述式の設問に慣れ、解答速度を上げておく必要がある。本文本文の諺や国文法に関する知識も問われ、単独での古文、漢文の出題は例年見受けられないものの、現古融合文は年によって課されるため、古文と漢文の学習は必須である。 理系数学 理系学部の「理系数学」を参照。 数学(2B) 文系数学 理系数学に比べると平易。 センター試験の成績のみで合否を決める入試である。 国語、数学IA・IIB、英語(リスニングあり)、理科1科目のセンター試験5科目の成績が求められる。合格するには、薬学部で85%、その他の学部学科で75%~82%必要である。 英語+3科目選択のセンター試験4科目の成績が求められる。合格するには80%必要である。 センター試験の成績と個別入試の成績の合計で合否を決める入試である。 国語、英語(リスニングあり)のセンター試験2科目と数学(IIICまで)、理科1科目の個別入試2科目を合わせた4科目の成績で合否を決める。 国語、英語(リスニングあり)のセンター試験2科目と数学(IIICまで)、理科1科目の個別入試2科目を合わせた4科目の成績で合否を決める。ただし、個別入試では理科を受験せず、数学の1科目だけの受験も可能である。その場合は、数学の得点が2倍される。
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日本の大学受験ガイド > 東京理科大対策 本項は、東京理科大学の入学試験対策に関する事項である。 東京理科大学は、東京都にある理工系総合大学である。文系学部は経営学部だけである。略称は「理科大」。 理科大の入試問題は計算力・思考力を問う良問が多い。理系学部の入試科目は英語、数学、理科(地学以外から一科目選択)である。早慶や旧帝国大、東工大の理・工学部の併願として受験する場合、特別な対策は不要だが、農学部、医療系学部との併願である場合、問題の質が異なるので対策が必要。実質倍率はどの学部も3~4倍程度である。
{{wikipedia|東京理科大学}} *[[日本の大学受験ガイド]] > [[東京理科大対策]] 本項は、[[w:東京理科大学|東京理科大学]]の入学試験対策に関する事項である。 東京理科大学は、東京都にある理工系総合大学である。文系学部は経営学部だけである。略称は「理科大」。 理科大の入試問題は計算力・思考力を問う良問が多い。理系学部の入試科目は英語、数学、理科(地学以外から一科目選択)である。早慶や旧帝国大、東工大の理・工学部の併願として受験する場合、特別な対策は不要だが、農学部、医療系学部との併願である場合、問題の質が異なるので対策が必要。実質倍率はどの学部も3~4倍程度である。 = 個別入試(B方式) = == 理系学部 == === 英語 === (60分)数学や理科に比べると英語の問題は総じて平易だが、下記の特徴を持つ。 * 他大学と比べて長文が長く、整序英作文も難易度が高いため、それらへの対策が必要である。なお整序英作文は、配点が全体の3割を占める年(2008年)もある。 * 年によって文法問題が見受けられないこともあるが、多くは長文問題に隠れて重複している。 * 整序英作文以外は概ね平易なので、まずは基本文法、語彙をマスターすることが重要。 * 長文は大抵、受験する学科に関連した英文が出るため、志望学科の専門領域に関連した語彙を覚えること。文学部向けの小説読解や社会問題読解などに時間を費やす必要はない。 ===理系数学 === (100分)良問が多いが、解法パターンを暗記しただけの勉強法では解けない。解法の理解を前提として、それらを応用する力が問われる。数IIIの出題が多く、微分積分、数列、三角関数がよく出題される。この領域に関してはかなりの習熟度が必要である。全体的に奇問・難問は少ないが、数学科専用の数学問題の難易度は極めて高い。また、記述式問題も出る。 繁雑な計算を長々とさせられた挙句に出る答えが,ルートの中に t の4次式が入るなど汚いものであることが多いが,それに惑わされずに解き進めてゆく必要があろう. === 理科 === (80分)物理・化学・生物の中から1科目選択して受験する。学部学科によっては、指定された科目を受験する。 ====物理==== 力学、熱力学、波動、電磁気の分野からよく出題される。洗練された良問が多く、難易度の高い問題も出るが、悪問や奇問は出題されない。知識よりも思考力を試す問題である。 ====化学==== 化学に対する基本的な理解、および素早い計算力が問われることが多い。計算量は多い。 ; 【理学部】 : 計算力重視の問題が多い。知識問題での失点を最小限にとどめ、計算問題でどれだけ粘れるかが大切である。特に化学科受験生は計算練習をしっかりとしておくことが大切である。最近は無機化学の出題頻度は少ないが、対策しないで受験することは望ましくない。 ; 【薬学部】 : 化学の配点が大きいので化学の出来が合否に大きく影響する。有機化学の分量がやや多い。知識問題が多いが有機の知識問題では高度なものが出題されることがある。過去問に類似していることが多いので過去問対策は重要である。 ; 【工学部】 : 理学部に比べると知識問題の割合は多いが、計算量の多い問題もあるので素早く正確に解くことが重要である。 ; 【理工学部】 : 他の学部に比べると知識問題の分量が多い。高得点が取りやすいので7割以上は確実に取りたい。 ====生物==== 分子生物学領域の問題が多い。応用生物科学科では遺伝の計算問題が出題されることもあり、思考力と計算力が問われる。知識問題は少ない。限られた時間で問題文を適切に判断、計算していく能力が問われる。生物工学科は応用生物科学科よりシンプルな問題が多い。現象に対する理解を確認するだけではなく、それらを応用する力が求められるため、暗記型の学習では対応できない。 ==経営学部== 経営学部は学科によって入試方式が微妙に異なっている。 ・経営学科は3教科(400点満点)である。 【国語】国語総合・現代文B(古文・漢文を除く)(100)、 【数学】数I・数A・数II・数B(数列・ベクトル)(100)、 【外国語】コミュ英I・コミュ英II・コミュ英III・英語表現I・英語表現II(100)。 3教科のうち、高得点の2科目を1.5倍にして、合否判定する。 ・国際デザイン経営学科は3教科(400点満点)である。 【国語】国語総合・現代文B(古文・漢文を除く)(100)、 【数学】数I・数A・数II・数B(数列・ベクトル)(100)、 【外国語】コミュ英I・コミュ英II・コミュ英III・英語表現I・英語表現II(200)。 ・ビジネスエコノミクス学科は2~3教科(300点満点)である。 【数学】数I・数A・数II・数B(数列・ベクトル)(100)、 【外国語】コミュ英I・コミュ英II・コミュ英III・英語表現I・英語表現II(100)を必須科目とし、最後の1科目は 《国語》国語総合・現代文B(古文・漢文を除く)(100)、と 《数学》数I・数A・数II・数B(数列・ベクトル)・数III(100)の中から1科目を選択する。 東京理科大学経営学部は都内キャンパスへの全面移転により競争率が近年上昇している。 ===英語=== 必須科目。理系学部の「英語」を参照。 ===選択科目1=== 国語か理系数学(3Cまで)から1科目選択する。 '''国語'''<br /> 全国の国語の入試問題の中でも、驚くほどの長い文章を課す。その分量は大問1つにつき、本文は10ページにも及ぶものである。大問構成は大問2つでどちらも前述した量の文章量である。記述式の設問が多いので、思考力が試される。今までは試験時間が100分であったが2016年度の入試から試験時間が80分になってしまった。その2016年の入試では大問1つにつき8ページから9ページ程に文章量は減ったが、設問数は変わらず時間内に終わらせるには相当至難な問題となっていた。2017年度以降に注目である。受験生は読解速度の向上と記述式の設問に慣れ、解答速度を上げておく必要がある。本文本文の諺や国文法に関する知識も問われ、単独での古文、漢文の出題は例年見受けられないものの、現古融合文は年によって課されるため、古文と漢文の学習は必須である。 '''理系数学'''<br /> 理系学部の「理系数学」を参照。 ===選択科目2=== 数学(2B) '''文系数学'''<br /> 理系数学に比べると平易。 = センター試験利用入試(A方式) = センター試験の成績のみで合否を決める入試である。 *'''理系学部''' 国語、数学ⅠA・ⅡB、英語(リスニングあり)、理科1科目のセンター試験5科目の成績が求められる。合格するには、薬学部で85%、その他の学部学科で75%~82%必要である。 *'''経営学部''' 英語+3科目選択のセンター試験4科目の成績が求められる。合格するには80%必要である。 = センター試験+個別入試(C方式) = センター試験の成績と個別入試の成績の合計で合否を決める入試である。 *'''理系学部''' 国語、英語(リスニングあり)のセンター試験2科目と数学(ⅢCまで)、理科1科目の個別入試2科目を合わせた4科目の成績で合否を決める。 *'''経営学部''' 国語、英語(リスニングあり)のセンター試験2科目と数学(ⅢCまで)、理科1科目の個別入試2科目を合わせた4科目の成績で合否を決める。ただし、個別入試では理科を受験せず、数学の1科目だけの受験も可能である。その場合は、数学の得点が2倍される。 = 外部サイト = *[http://www.tus.ac.jp/ 理科大公式サイト] [[Category:大学入試|とうきようりかたいたいさく]]
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2022-08-04T23:12:01Z
[ "テンプレート:Wikipedia" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E7%90%86%E7%A7%91%E5%A4%A7%E5%AF%BE%E7%AD%96
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PHP
メインページ > 工学 > 情報技術 > プログラミング > PHP PHPは、Web開発において非常に人気の高いプログラミング言語です。その理由は、PHPがシンプルで、簡単に学べること、Webアプリケーションの開発に特化していること、そして多くのオープンソースのフレームワークやライブラリが存在していることによるものです。 本書では、プログラミング初心者を対象に、PHPの基本的な概念や構文、そして関数やクラスの作り方などをわかりやすく説明します。また、実際に手を動かしてコードを書くことで、PHPの理解を深めることができます。 PHP 8は2022年12月現在、唯一サポートされているバージョンであり、最新の機能や安全性が確保されています。本書では、PHPの基礎から始めて、ウェブアプリケーション開発に必要な知識や技術を解説し、PHPを使った開発の初心者でも簡単に理解できるように構成されています。 PHPは、バージョンごとに多くの新機能が追加されています。以下に、PHP 7.0以降の主要な新機能をいくつか紹介します。 これらの機能は、PHPの新しいバージョンで利用可能ですが、サポートが継続しているバージョンでは全て利用可能です。 PHPには、他の一部のプログラミング言語にあるような明示的なジェネリックタイプがありません。ただし、PHPはジェネリックプログラミングのコンセプトを活用することができます。 たとえば、PHPの標準ライブラリには、異なるデータ型の値を扱うための多数の関数があります。これらの関数は、異なるデータ型に対応するように書かれていますが、多くの場合、同じロジックが繰り返されます。これは、ジェネリックプログラミングの考え方を応用することによって回避できます。 例えば、PHPの標準ライブラリの配列関数(array_*関数)は、配列の要素を処理するための多数の関数を提供します。これらの関数は、様々な種類の配列に対応するように書かれています。しかし、PHP 5.6からは、可変長引数機能を活用して、これらの関数をジェネリックに扱うことができます。たとえば、以下のようにarray_map関数を使用すると、異なるデータ型の配列に対しても同じロジックを適用できます。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "メインページ > 工学 > 情報技術 > プログラミング > PHP", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "PHPは、Web開発において非常に人気の高いプログラミング言語です。その理由は、PHPがシンプルで、簡単に学べること、Webアプリケーションの開発に特化していること、そして多くのオープンソースのフレームワークやライブラリが存在していることによるものです。", "title": "" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "本書では、プログラミング初心者を対象に、PHPの基本的な概念や構文、そして関数やクラスの作り方などをわかりやすく説明します。また、実際に手を動かしてコードを書くことで、PHPの理解を深めることができます。", "title": "" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "PHP 8は2022年12月現在、唯一サポートされているバージョンであり、最新の機能や安全性が確保されています。本書では、PHPの基礎から始めて、ウェブアプリケーション開発に必要な知識や技術を解説し、PHPを使った開発の初心者でも簡単に理解できるように構成されています。", "title": "" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "PHPは、バージョンごとに多くの新機能が追加されています。以下に、PHP 7.0以降の主要な新機能をいくつか紹介します。", "title": "PHPの新機能" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "これらの機能は、PHPの新しいバージョンで利用可能ですが、サポートが継続しているバージョンでは全て利用可能です。", "title": "PHPの新機能" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "PHPには、他の一部のプログラミング言語にあるような明示的なジェネリックタイプがありません。ただし、PHPはジェネリックプログラミングのコンセプトを活用することができます。 たとえば、PHPの標準ライブラリには、異なるデータ型の値を扱うための多数の関数があります。これらの関数は、異なるデータ型に対応するように書かれていますが、多くの場合、同じロジックが繰り返されます。これは、ジェネリックプログラミングの考え方を応用することによって回避できます。 例えば、PHPの標準ライブラリの配列関数(array_*関数)は、配列の要素を処理するための多数の関数を提供します。これらの関数は、様々な種類の配列に対応するように書かれています。しかし、PHP 5.6からは、可変長引数機能を活用して、これらの関数をジェネリックに扱うことができます。たとえば、以下のようにarray_map関数を使用すると、異なるデータ型の配列に対しても同じロジックを適用できます。", "title": "PHPとジェネリックプログラミング" } ]
メインページ > 工学 > 情報技術 > プログラミング > PHP PHPは、Web開発において非常に人気の高いプログラミング言語です。その理由は、PHPがシンプルで、簡単に学べること、Webアプリケーションの開発に特化していること、そして多くのオープンソースのフレームワークやライブラリが存在していることによるものです。 本書では、プログラミング初心者を対象に、PHPの基本的な概念や構文、そして関数やクラスの作り方などをわかりやすく説明します。また、実際に手を動かしてコードを書くことで、PHPの理解を深めることができます。 PHP 8は2022年12月現在、唯一サポートされているバージョンであり、最新の機能や安全性が確保されています。本書では、PHPの基礎から始めて、ウェブアプリケーション開発に必要な知識や技術を解説し、PHPを使った開発の初心者でも簡単に理解できるように構成されています。
<small>[[メインページ]] > [[工学]] > [[情報技術]] > [[プログラミング]] > [[PHP]]</small> __NOTOC__ {{Wikipedia|PHP (プログラミング言語)}} PHPは、Web開発において非常に人気の高いプログラミング言語です。その理由は、PHPがシンプルで、簡単に学べること、Webアプリケーションの開発に特化していること、そして多くのオープンソースのフレームワークやライブラリが存在していることによるものです。 本書では、プログラミング初心者を対象に、PHPの基本的な概念や構文、そして関数やクラスの作り方などをわかりやすく説明します。また、実際に手を動かしてコードを書くことで、PHPの理解を深めることができます。 PHP 8は2022年12月現在、唯一サポートされているバージョンであり、最新の機能や安全性が確保されています。本書では、PHPの基礎から始めて、ウェブアプリケーション開発に必要な知識や技術を解説し、PHPを使った開発の初心者でも簡単に理解できるように構成されています<ref>PHP7.4系列は、2022/11/28にEnd of lifeを迎えました。</ref><ref>[https://www.php.net/eol.php Unsupported Branches]</ref><ref>[https://www.php.net/supported-versions.php Supported Versions](2022-12-02)</ref>。 == 目次 == # [[PHP/開発環境|開発環境]] # [[PHP/コマンドラインでの活用|コマンドライン]] # [[PHP/入門/テキスト表示とコメント|テキスト表示とコメント]] # [[PHP/入門/変数と値|変数と値]] # [[PHP/入門/変数の種類|データ型]] # [[PHP/配列|配列]] # [[PHP/制御構造|制御構造]] # [[PHP/入門/関数とは|関数]] # [[PHP/クラス|PHPのオブジェクト指向]] # [[PHP/Webアプリケーション向けの機能|Webアプリケーション向けの機能]] # [[PHP/ファイル入出力|ファイル入出力]] # [[PHP/データベースとの連動|データベースとの連携]] == PHPの新機能 == PHPは、バージョンごとに多くの新機能が追加されています。以下に、PHP 7.0以降の主要な新機能をいくつか紹介します。 # Null合体演算子: <code>??</code>演算子は、左側の値が<code>null</code>でない場合は左側の値を返し、そうでない場合は右側の値を返します。 # スカラー型宣言: 関数の引数と戻り値に、スカラー型宣言(int、float、string、bool)を使用できるようになりました。 # 厳密なモード: 厳密なモードを有効にすることで、PHPは暗黙的な型変換を行わず、厳密な型チェックを行います。 # 匿名クラス: PHP 7から、匿名クラスを作成できるようになりました。これにより、一時的なオブジェクトを作成することができます。 # Closure::call()メソッド: Closure::call()メソッドは、別のオブジェクトのコンテキストでクロージャを実行することができます。 # Group use宣言: <code>use</code>宣言をグループ化して、複数の名前空間を一度にインポートできるようになりました。 # Unicode codepointエスケープ構文: <code>"\u{XXXX}"</code>の形式で、Unicode codepointをエスケープすることができます。 # 多倍長整数サポート: GMPおよびBCMath関数のパフォーマンスが向上し、64ビットのプラットフォームで多倍長整数を使用できるようになりました。 # Return type宣言: 関数の戻り値に、クラス、インターフェース、およびスカラー型を指定できるようになりました。 # Generator return expressions: Generatorのreturn文で、値を返すことができるようになりました。 これらの機能は、PHPの新しいバージョンで利用可能ですが、サポートが継続しているバージョンでは全て利用可能です。 == PHPとジェネリックプログラミング == PHPには、他の一部のプログラミング言語にあるような明示的なジェネリックタイプがありません。ただし、PHPはジェネリックプログラミングのコンセプトを活用することができます。 たとえば、PHPの標準ライブラリには、異なるデータ型の値を扱うための多数の関数があります。これらの関数は、異なるデータ型に対応するように書かれていますが、多くの場合、同じロジックが繰り返されます。これは、ジェネリックプログラミングの考え方を応用することによって回避できます。 例えば、PHPの標準ライブラリの配列関数(array_*関数)は、配列の要素を処理するための多数の関数を提供します。これらの関数は、様々な種類の配列に対応するように書かれています。しかし、PHP 5.6からは、可変長引数機能を活用して、これらの関数をジェネリックに扱うことができます。たとえば、以下のようにarray_map関数を使用すると、異なるデータ型の配列に対しても同じロジックを適用できます。 :<syntaxhighlight lang=php> function addOne($n) { return $n + 1; } $array1 = [1, 2, 3, 4]; $array2 = ['a', 'b', 'c', 'd']; $newArray1 = array_map('addOne', $array1); $newArray2 = array_map('addOne', $array2); </syntaxhighlight> :この例では、addOne関数を定義し、array_map関数を使用して、異なるデータ型の配列に同じ処理を適用しています。 :このように、可変長引数やコールバック関数を活用することで、PHPにおいてもジェネリックプログラミングのコンセプトを実現することができます。 == 脚註 == <references /> [[Category:PHP|*]] [[Category:プログラミング言語]] {{NDC|007.64}}
2005-12-18T16:17:55Z
2024-03-03T11:01:21Z
[ "テンプレート:Wikipedia", "テンプレート:NDC" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/PHP
3,054
料理本/米料理/米飯
米飯(べいはん)とは米を煮炊きして、食べられるようにしたものである。一般に、ご飯、めしと呼ばれる。日本において米は主食であり、おいしい米飯を調理することは日本食の基礎であると言ってよい。 米にはいくつか種類があり、うるち米、もち米、タイ米などがあるが、通常日本の食卓に出させるものはうるち米で精米した白米である。精米していない玄米は昔ほど食されることはなくなったが、栄養価が高いことから健康食として食されることもある。 炊飯後はできるだけ早く食べたほうが良い。時間が経つとご飯の粘りや味が落ちる。また、出来立てのご飯を冷凍すると長期の保存が可能である。 柔らかく炊けばおかゆに、具材を炊き込めば炊き込みご飯になる。 現在では炊飯器を用いて炊飯するのが一般的になっている。炊飯器は指定された量の水と米を入れるだけで加熱時間や温度を自動的に調節し炊飯する家電である。炊飯器の中にはおかゆや玄米などを調理できるものもある。取扱説明書などを読んで操作すると良い。
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米飯(べいはん)とは米を煮炊きして、食べられるようにしたものである。一般に、ご飯、めしと呼ばれる。日本において米は主食であり、おいしい米飯を調理することは日本食の基礎であると言ってよい。 米にはいくつか種類があり、うるち米、もち米、タイ米などがあるが、通常日本の食卓に出させるものはうるち米で精米した白米である。精米していない玄米は昔ほど食されることはなくなったが、栄養価が高いことから健康食として食されることもある。
[[ファイル:Super large serving.jpg|500px|米飯]] {{-}} '''米飯'''(べいはん)とは米を煮炊きして、食べられるようにしたものである。一般に、ご飯、めしと呼ばれる。日本において米は主食であり、おいしい米飯を調理することは日本食の基礎であると言ってよい。 米にはいくつか種類があり、うるち米、もち米、タイ米などがあるが、通常日本の食卓に出させるものはうるち米で精米した白米である。精米していない玄米は昔ほど食されることはなくなったが、栄養価が高いことから健康食として食されることもある。 ==材料(1人分)== *米 … 120g(150mL) *水 … 180mL(米の質量の1.5倍、体積の1.2倍) ==作り方== #米を計る。米の量は人数分に合わせて調節する。 #米を研ぐ。水を2~3回かえて研ぐ(洗う)。 #水を切る。ざるにあげて水を切る。 #吸水させる。水を入れ、30~60分間放置して吸水させる。 #火にかける。沸騰するまで強火で約10分。 #中火にする。沸騰したら、中火にして約7~8分。 #弱火にする。弱火にして、12~15分蒸し煮する。 #火を止めて蒸らす。 火を止めて約10分蒸らす。 #ほぐして盛り付ける。しゃもじでほぐして、器に盛り付ける。 ===注意=== 炊飯後はできるだけ早く食べたほうが良い。時間が経つとご飯の粘りや味が落ちる。また、出来立てのご飯を冷凍すると長期の保存が可能である。 ==バリエーション== 柔らかく炊けば[[料理本/おかゆ|おかゆ]]に、具材を炊き込めば[[料理本/炊き込みご飯|炊き込みご飯]]になる。 現在では炊飯器を用いて炊飯するのが一般的になっている。炊飯器は指定された量の水と米を入れるだけで加熱時間や温度を自動的に調節し炊飯する家電である。炊飯器の中にはおかゆや玄米などを調理できるものもある。取扱説明書などを読んで操作すると良い。 == 関連する料理 == {{Wikipedia|飯}} *[[料理本/卵かけご飯|卵かけご飯]] *[[料理本/おにぎり|おにぎり]] *[[料理本/カレーライス|カレーライス]] *[[料理本/チャーハン|チャーハン]] *[[料理本/すし|すし]] [[カテゴリ:米料理|*2]] [[カテゴリ:料理本|こめりようりへいはん]]
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2020-08-12T00:58:05Z
[ "テンプレート:Wikipedia" ]
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日本語/品詞/自立語/体言/副詞
副詞(ふくし)は、用言(動詞、形容詞、形容動詞)を修飾する自立語のひとつであり、活用はない。 <例>そっと、やがて、ふんわり 等々 <例>とても、たいそう、随分 等々 <例>どうして(~か)、もし(~なら等)、おそらく(~だろう) (上の括弧内は、括弧の前に対して呼応している言葉)
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "副詞(ふくし)は、用言(動詞、形容詞、形容動詞)を修飾する自立語のひとつであり、活用はない。", "title": "副詞" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "<例>そっと、やがて、ふんわり 等々", "title": "副詞" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "<例>とても、たいそう、随分 等々", "title": "副詞" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "<例>どうして(~か)、もし(~なら等)、おそらく(~だろう)", "title": "副詞" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "(上の括弧内は、括弧の前に対して呼応している言葉)", "title": "副詞" } ]
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{{Wikipedia|副詞}} {{Wiktionary|副詞}} == 副詞 == '''副詞'''(ふくし)は、[[wikt:用言|用言]](動詞、形容詞、形容動詞)を修飾する[[wikt:自立語|自立語]]のひとつであり、活用はない。 *状態を表すもの <例>そっと、やがて、ふんわり 等々 *程度を表すもの <例>とても、たいそう、随分 等々 *呼応する言葉が後ろにあるもの <例>どうして(~か)、もし(~なら等)、おそらく(~だろう) (上の括弧内は、括弧の前に対して呼応している言葉) [[カテゴリ:日本語 品詞|品]] [[カテゴリ:副詞]]
2005-12-22T12:59:33Z
2023-07-11T11:16:54Z
[ "テンプレート:Wiktionary", "テンプレート:Wikipedia" ]
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香港の歴史
この書籍では中華人民共和国香港特別行政区の歴史を概観する。 広義の香港は九竜半島や新界を含むが、狭義には香港島のみを指す。この香港島南西部に香港仔と呼ばれる場所がある。香木の積出港であったところから命名されたと伝えられ、観光客にはアバディーンとして知られるところである。ここが香港発祥地となる。 香港は中国語(北京語)ではシアンガンと発音する。これを英語で「ホンコン」と呼ぶ由来は、アヘン戦争に遡る。英軍が初めてアバディーン付近に上陸した時、土地の名を知らなかった。そこで地元の民に地名を聞いたところ「ホンコン」と言った。この発音は広東語のもの(ヒョーンゴーン)とも異なり、現地の水上生活者・蛋民の言葉である。 中国南部、珠江デルタに属する香港地区では5,000年前の新石器時代大湾文化の遺跡がランタオ島や香港島で発見されている。秦王朝が嶺南(華南)を征服すると、香港地区は中華帝国の支配下に入り、番禺県の管轄となった。331年から756年までは宝安県、757年以降1572年までは東莞県に属している。 唐代には広州が南海貿易の交易港として繁栄したため、ランタオ島から対岸の東莞を含む地域が「屯門」と呼ばれて文献にしばしば登場するようになった。この頃から香港地区では塩田が開かれ、五代十国の南漢時代から真珠採集も行われた。 1563年、明朝は香港地区の南頭に水軍基地を設置して南頭寨と称し、1565年には参将を置いて南頭寨を統括させた。 南頭寨には大小戦船53隻、官兵1486人が置かれ、1591年以後は戦船112隻,官兵及雜役2008人に増加した。 1552年頃から九龍の名が文献に現れ、その後香港島の地名も見え始める。1573年には新安県が新設され、県治は南頭に置かれた。 新設時の新安県は約34,000人の人口が記録されている。 1514年からポルトガル人が来航して屯門を占拠したため、広東海道副使・汪鋐が自から督師してポルトガル人を駆逐する事件があった。 その後、ポルトガル人は寧波沖のリャンポー(双嶼島)に移り、やがてマカオに定着することになる。 清代に入って広州が開港すると、1699年からイギリス東インド会社などが来航するようになり、1711年には広州に英国商館が開設されている。 イギリスは次第に中国茶を大量に輸入するようになり、貿易代金決済のためにインドからアヘンを中国に輸出し始めた。 アヘンの輸入を規制しようとする清朝政府とイギリスの争いが起こり、1839年第一次アヘン戦争が勃発、 1841年1月20日チャールズ・エリオット大佐率いる英国軍は香港島を占領、1842年に締結された南京条約で香港島は英国に永遠に割譲された。 1843年6月、サー・ヘンリー・ポッティンジャーが初代香港総督に就任して英国の統治がはじまったが、1856年には第二次アヘン戦争が再発し、1860年に締結された北京条約で九龍半島も英国に割譲される。 西欧列強による中国の半植民地化も過程で、英国は清政府に迫り1898年7月1日から九竜以北、深圳河以南の新九竜及び新界地域の租借に成功した。 この地域の租借期限は99年、1997年6月30日午後12時を以って切れることになっていた。 イギリス資本主義の拠点となった香港では19世紀末から20世紀初にかけて南中国貿易の基地として発展する。1884年にはハッピーバレーにロイヤル香港ジョッキー・クラブ(競馬場)が建設されて英人の社交場となり、1877年香港西医書院(香港医科大学)が創立され、1910年には総合大学である香港大学に発展する。経済的には1865年創設の香港上海銀行が極東最大の銀行に発展し、地域通貨として初期には銀貨が使用されたが、1935年には香港ドルが発券されている。1928年成立した南京国民政府は不平等条約をなんとか解消しようとしたが、イギリスは応じなかった。当時、中国と新界の国境線は開放されており、中国人は自由に行き来できた。 1941年12月、太平洋戦争が勃発すると、酒井隆中将指揮下の日本第28軍が香港に進攻を開始し、 同年12月25日香港総督マーク・ヤングは九竜のペニンシュラー・ホテルに出向き、日本軍に降伏した。 英領香港を占領した日本は当初、酒井中将を長官とする香港軍政庁を設置し、1942年2月には磯谷廉介中将を香港総督に任命して軍政を行った。 戦時体制化、中国本土との貿易は急低下し、香港は経済的苦境に立たされる。日本軍は軍票を発行してインフレを起こし、香港経済を疲弊させた。 日本軍は香港住民に皇民化政策を実施し、英語の使用を禁止して、日本語を強制した。また、日本軍より虐殺と強姦も多発していた。占領下の香港から70万人前後の中国人住民が中国本土に退去している。 今なお軍票問題が残されている。 戦後、国際連合の安全保障理事会常任理事国となった国民党政府は英国に香港返還を求めたが、間もなく国共内戦が始まったため不調に終わり、内戦や共産主義を避けた多数の中国人が本土から香港に逃れ、廉価な労働力を提供するとともに、上海から技術と資本をもった外国企業がも香港に本拠を移し、このことが香港の経済発展に少なからぬ寄与をした。 中華人民共和国は香港の主権回復を求めず、むしろ英国との国交回復を求めた。 英国のクレメント・アトリー政権は早くも1950年に中華人民共和国を国家承認した。これは西側諸国としては最も早い新中国承認であった。 間もなく朝鮮戦争に中国が介入して、世界から孤立すると、香港が新中国にとって西側世界との唯一の窓口となった。 香港政庁は古典的な自由放任政策を採用して、政府規制を極力押さえ、税率を低くして産業育成を図った。このため、繊維産業を中心とする輸出型の軽工業が発達し、李嘉誠のような企業家も出てきた。中国貿易の中継貿易港としても発展し、香港はやがてシンガポール、台湾、韓国とともにアジア四龍と呼ばれる経済発展を遂げる。 1967年に文化大革命が起こると、香港でもその影響下に暴動が発生し、紅衛兵が深圳方面から越境し、香港警察と銃撃戦になることもあったが、間もなく周恩来が長期的な利益から香港を回収しない方針を明らかにし、香港暴動は沈静化した。 1970年代に入ると、租借地新界の租借期限が次第に近付いてくるため、英国政府は新界租借の延長を中国に求めたが、中国は応じなかった。しかし、この頃には租借期限問題にどのような結末を付けるかまだ誰にも予測できなかった。 (ここでは「中国」は北京当局、すなわち中華人民共和国を表す) 1980年代に中国の改革開放政策が進展し、香港の製造業は国境を越えて中国側に進出、香港は金融、商業、観光都市となっていった。 マーガレット・サッチャー首相は英国が引き続き香港を管理できるよう求めていたが、中国は「港人治港」を要求してこれに応じず、 鄧小平はサッチャー首相に英国がどうしても応じない場合は武力行使もありうることを示唆した。サッチャーは鄧小平との会談を終えて人民大会堂を出る時、足元がふらついたという。 1984年12月19日,中英双方が署名した中英共同声明が発表され、英国は1997年7月1日に香港の主権を中国に返還し、 香港は中華人民共和国の一特別行政区となることが明らかにされた。 この中で中国政府は鄧小平が提示した「一国両制」政策をもとに社会主義政策を将来50年にわたって香港で実施しないことを約束した。 この発表は中国の支配を受けることを喜ばない一部の香港住民を不安に落としいれ、英連邦内のカナダやオーストラリアへの移民ブームが起こった。 1989年に北京で六四天安門事件が発生すると、香港では民主派支持の大規模デモが行われ、専制的な中国の本質が明確になったとして再び移民ブームが巻き起こった。大部分の香港移民はトロント、バンクーバー、シドニー、シンガポールに向かった。 1990年4月4日、香港基本法が制定されると、香港人の不安は一応、沈静化した。しかし、1992年、クリストファー・パッテンが香港総督として着任すると、返還を前に香港の政治的な民主化を加速させたため、中国との関係が緊張した。ただ、このような政治的動揺や移民の大量流出にもかかわらず、経済的には中国資本の流入によって返還前の香港の不動産市場や株式市場は空前の活況を呈した。 1997年7月1日、香港は正式に英国から中国に返還され、最後の総督パッテンは香港を去った。パッテンが制定した直接選挙制の立法局は北京が成立させた臨時立法会に変わり、中国政府と深い関係にある富豪の董建華が初代香港特別行政区行政長官となった。これまで香港に君臨してきたユニオンジャックとエリザベス2世の肖像は姿を消し、五星紅旗が香港に翻った。 中国が香港の外交権と軍事権を掌握し、イギリス軍に代わって人民解放軍部隊が香港に進駐、これまでの英語、広東語とともに普通話(標準中国語)も香港の公用語となり、学校でも教えられるようになった。しかし、基本的な社会経済制度は変わらず、法体系も英領時代のコモン・ローがそのまま用いられている。 香港返還直後に始まったアジア通貨危機の影響で香港の不動産価格は大暴落し、中国貿易の中継基地としての役割も次第に減少して香港の失業率は上昇、香港の衰退がささやかれた。とりわけ2003年には隣接の広東省が発端となったSARSが香港でも急速に拡大し、2000人が感染、299人が死亡する事態となり、観光客は激減、香港経済は大打撃を受けた。 あまりにも中国寄りで香港市民に不評だった董建華行政長官は2005年3月12日に辞任して中華人民共和国政治協商会議副主席に転じ、曽蔭権が長官代理となった。新行政長官選挙は2005年7月に行われる。また9月には香港再生の期待を背負い、新香港国際空港近くに香港ディズニーランドがオープンした。また、2018年9月23日にはこれまで低頻度の在来線しか無かった香港と中国本土の間に広深港高速鉄道が運行を開始し、香港側の駅である香港西九龍駅では「一地両検」(詳しくはリンク先を参照)が行われるようになった。これに反発する動きが出てきている。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "この書籍では中華人民共和国香港特別行政区の歴史を概観する。", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "広義の香港は九竜半島や新界を含むが、狭義には香港島のみを指す。この香港島南西部に香港仔と呼ばれる場所がある。香木の積出港であったところから命名されたと伝えられ、観光客にはアバディーンとして知られるところである。ここが香港発祥地となる。", "title": "地名の由来" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "香港は中国語(北京語)ではシアンガンと発音する。これを英語で「ホンコン」と呼ぶ由来は、アヘン戦争に遡る。英軍が初めてアバディーン付近に上陸した時、土地の名を知らなかった。そこで地元の民に地名を聞いたところ「ホンコン」と言った。この発音は広東語のもの(ヒョーンゴーン)とも異なり、現地の水上生活者・蛋民の言葉である。", "title": "地名の由来" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "中国南部、珠江デルタに属する香港地区では5,000年前の新石器時代大湾文化の遺跡がランタオ島や香港島で発見されている。秦王朝が嶺南(華南)を征服すると、香港地区は中華帝国の支配下に入り、番禺県の管轄となった。331年から756年までは宝安県、757年以降1572年までは東莞県に属している。", "title": "初期の香港" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "唐代には広州が南海貿易の交易港として繁栄したため、ランタオ島から対岸の東莞を含む地域が「屯門」と呼ばれて文献にしばしば登場するようになった。この頃から香港地区では塩田が開かれ、五代十国の南漢時代から真珠採集も行われた。", "title": "初期の香港" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "1563年、明朝は香港地区の南頭に水軍基地を設置して南頭寨と称し、1565年には参将を置いて南頭寨を統括させた。 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"イギリス資本主義の拠点となった香港では19世紀末から20世紀初にかけて南中国貿易の基地として発展する。1884年にはハッピーバレーにロイヤル香港ジョッキー・クラブ(競馬場)が建設されて英人の社交場となり、1877年香港西医書院(香港医科大学)が創立され、1910年には総合大学である香港大学に発展する。経済的には1865年創設の香港上海銀行が極東最大の銀行に発展し、地域通貨として初期には銀貨が使用されたが、1935年には香港ドルが発券されている。1928年成立した南京国民政府は不平等条約をなんとか解消しようとしたが、イギリスは応じなかった。当時、中国と新界の国境線は開放されており、中国人は自由に行き来できた。", "title": "英領植民地" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "1941年12月、太平洋戦争が勃発すると、酒井隆中将指揮下の日本第28軍が香港に進攻を開始し、 同年12月25日香港総督マーク・ヤングは九竜のペニンシュラー・ホテルに出向き、日本軍に降伏した。", "title": "日本の占領" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "英領香港を占領した日本は当初、酒井中将を長官とする香港軍政庁を設置し、1942年2月には磯谷廉介中将を香港総督に任命して軍政を行った。 戦時体制化、中国本土との貿易は急低下し、香港は経済的苦境に立たされる。日本軍は軍票を発行してインフレを起こし、香港経済を疲弊させた。 日本軍は香港住民に皇民化政策を実施し、英語の使用を禁止して、日本語を強制した。また、日本軍より虐殺と強姦も多発していた。占領下の香港から70万人前後の中国人住民が中国本土に退去している。 今なお軍票問題が残されている。", "title": "日本の占領" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "戦後、国際連合の安全保障理事会常任理事国となった国民党政府は英国に香港返還を求めたが、間もなく国共内戦が始まったため不調に終わり、内戦や共産主義を避けた多数の中国人が本土から香港に逃れ、廉価な労働力を提供するとともに、上海から技術と資本をもった外国企業がも香港に本拠を移し、このことが香港の経済発展に少なからぬ寄与をした。 中華人民共和国は香港の主権回復を求めず、むしろ英国との国交回復を求めた。 英国のクレメント・アトリー政権は早くも1950年に中華人民共和国を国家承認した。これは西側諸国としては最も早い新中国承認であった。 間もなく朝鮮戦争に中国が介入して、世界から孤立すると、香港が新中国にとって西側世界との唯一の窓口となった。", "title": "戦後の香港" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "香港政庁は古典的な自由放任政策を採用して、政府規制を極力押さえ、税率を低くして産業育成を図った。このため、繊維産業を中心とする輸出型の軽工業が発達し、李嘉誠のような企業家も出てきた。中国貿易の中継貿易港としても発展し、香港はやがてシンガポール、台湾、韓国とともにアジア四龍と呼ばれる経済発展を遂げる。", "title": "戦後の香港" }, { "paragraph_id": 14, "tag": "p", "text": "1967年に文化大革命が起こると、香港でもその影響下に暴動が発生し、紅衛兵が深圳方面から越境し、香港警察と銃撃戦になることもあったが、間もなく周恩来が長期的な利益から香港を回収しない方針を明らかにし、香港暴動は沈静化した。 1970年代に入ると、租借地新界の租借期限が次第に近付いてくるため、英国政府は新界租借の延長を中国に求めたが、中国は応じなかった。しかし、この頃には租借期限問題にどのような結末を付けるかまだ誰にも予測できなかった。", "title": "戦後の香港" }, { "paragraph_id": 15, "tag": "p", "text": "(ここでは「中国」は北京当局、すなわち中華人民共和国を表す)", "title": "中英交渉" }, { "paragraph_id": 16, "tag": "p", "text": "1980年代に中国の改革開放政策が進展し、香港の製造業は国境を越えて中国側に進出、香港は金融、商業、観光都市となっていった。 マーガレット・サッチャー首相は英国が引き続き香港を管理できるよう求めていたが、中国は「港人治港」を要求してこれに応じず、 鄧小平はサッチャー首相に英国がどうしても応じない場合は武力行使もありうることを示唆した。サッチャーは鄧小平との会談を終えて人民大会堂を出る時、足元がふらついたという。", "title": "中英交渉" }, { "paragraph_id": 17, "tag": "p", "text": "1984年12月19日,中英双方が署名した中英共同声明が発表され、英国は1997年7月1日に香港の主権を中国に返還し、 香港は中華人民共和国の一特別行政区となることが明らかにされた。 この中で中国政府は鄧小平が提示した「一国両制」政策をもとに社会主義政策を将来50年にわたって香港で実施しないことを約束した。", "title": "中英交渉" }, { "paragraph_id": 18, "tag": "p", "text": "この発表は中国の支配を受けることを喜ばない一部の香港住民を不安に落としいれ、英連邦内のカナダやオーストラリアへの移民ブームが起こった。 1989年に北京で六四天安門事件が発生すると、香港では民主派支持の大規模デモが行われ、専制的な中国の本質が明確になったとして再び移民ブームが巻き起こった。大部分の香港移民はトロント、バンクーバー、シドニー、シンガポールに向かった。", "title": "中英交渉" }, { "paragraph_id": 19, "tag": "p", "text": "1990年4月4日、香港基本法が制定されると、香港人の不安は一応、沈静化した。しかし、1992年、クリストファー・パッテンが香港総督として着任すると、返還を前に香港の政治的な民主化を加速させたため、中国との関係が緊張した。ただ、このような政治的動揺や移民の大量流出にもかかわらず、経済的には中国資本の流入によって返還前の香港の不動産市場や株式市場は空前の活況を呈した。", "title": "香港の返還" }, { "paragraph_id": 20, "tag": "p", "text": "1997年7月1日、香港は正式に英国から中国に返還され、最後の総督パッテンは香港を去った。パッテンが制定した直接選挙制の立法局は北京が成立させた臨時立法会に変わり、中国政府と深い関係にある富豪の董建華が初代香港特別行政区行政長官となった。これまで香港に君臨してきたユニオンジャックとエリザベス2世の肖像は姿を消し、五星紅旗が香港に翻った。", "title": "香港の返還" }, { "paragraph_id": 21, "tag": "p", "text": "中国が香港の外交権と軍事権を掌握し、イギリス軍に代わって人民解放軍部隊が香港に進駐、これまでの英語、広東語とともに普通話(標準中国語)も香港の公用語となり、学校でも教えられるようになった。しかし、基本的な社会経済制度は変わらず、法体系も英領時代のコモン・ローがそのまま用いられている。", "title": "返還後の香港" }, { "paragraph_id": 22, "tag": "p", "text": "香港返還直後に始まったアジア通貨危機の影響で香港の不動産価格は大暴落し、中国貿易の中継基地としての役割も次第に減少して香港の失業率は上昇、香港の衰退がささやかれた。とりわけ2003年には隣接の広東省が発端となったSARSが香港でも急速に拡大し、2000人が感染、299人が死亡する事態となり、観光客は激減、香港経済は大打撃を受けた。", "title": "返還後の香港" }, { "paragraph_id": 23, "tag": "p", "text": "あまりにも中国寄りで香港市民に不評だった董建華行政長官は2005年3月12日に辞任して中華人民共和国政治協商会議副主席に転じ、曽蔭権が長官代理となった。新行政長官選挙は2005年7月に行われる。また9月には香港再生の期待を背負い、新香港国際空港近くに香港ディズニーランドがオープンした。また、2018年9月23日にはこれまで低頻度の在来線しか無かった香港と中国本土の間に広深港高速鉄道が運行を開始し、香港側の駅である香港西九龍駅では「一地両検」(詳しくはリンク先を参照)が行われるようになった。これに反発する動きが出てきている。", "title": "返還後の香港" } ]
この書籍では中華人民共和国香港特別行政区の歴史を概観する。
{{Pathnav|メインページ|歴史学|frame=1}} この書籍では[[w:中華人民共和国|中華人民共和国]][[w:香港|香港]]特別行政区の歴史を概観する。 [[画像:Victoria peak.jpg|thumb|450px|right|現代の香港、ヴィクトリア・ピークからの眺望]] == 地名の由来 == 広義の香港は[[w:九龍|九竜半島]]や[[w:新界|新界]]を含むが、狭義には[[w:香港島|香港島]]のみを指す。この香港島南西部に香港仔と呼ばれる場所がある。香木の積出港であったところから命名されたと伝えられ、観光客にはアバディーンとして知られるところである。ここが香港発祥地となる。 香港は[[中国語]](北京語)ではシアンガンと発音する。これを英語で「ホンコン」と呼ぶ由来は、[[中国史#アヘン戦争|アヘン戦争]]に遡る。英軍が初めてアバディーン付近に上陸した時、土地の名を知らなかった。そこで地元の民に地名を聞いたところ「ホンコン」と言った。この発音は[[w:広東語|広東語]]のもの(ヒョーンゴーン)とも異なり、現地の水上生活者・[[w:蛋民|蛋民]]の言葉である。 == 初期の香港 == 中国南部、[[w:珠江|珠江]]デルタに属する香港地区では5,000年前の[[w:新石器時代|新石器時代]]大湾文化の遺跡が[[w:ランタオ島|ランタオ島]]や香港島で発見されている。[[w:秦|秦]]王朝が[[w:嶺南|嶺南]](華南)を征服すると、香港地区は中華帝国の支配下に入り、番禺県の管轄となった。[[w:331年|331年]]から[[w:756年|756年]]までは宝安県、[[w:757年|757年]]以降[[w:1572年|1572年]]までは東莞県に属している。 [[w:唐|唐]]代には[[w:広州|広州]]が南海貿易の交易港として繁栄したため、ランタオ島から対岸の東莞を含む地域が「屯門」と呼ばれて文献にしばしば登場するようになった。この頃から香港地区では[[w:塩田|塩田]]が開かれ、[[w:五代十国|五代十国]]の[[w:南漢|南漢]]時代から[[w:真珠|真珠]]採集も行われた。 == 明代の香港 == [[w:1563年|1563年]]、[[w:明|明]]朝は香港地区の南頭に水軍基地を設置して南頭寨と称し、[[w:1565年|1565年]]には参将を置いて南頭寨を統括させた。 南頭寨には大小戦船53隻、官兵1486人が置かれ、[[w:1591年|1591年]]以後は戦船112隻,官兵及雜役2008人に増加した。 [[w:1552年|1552年]]頃から九龍の名が文献に現れ、その後香港島の地名も見え始める。[[w:1573年|1573年]]には新安県が新設され、県治は南頭に置かれた。 新設時の新安県は約34,000人の人口が記録されている。 [[w:1514年|1514年]]から[[w:ポルトガル|ポルトガル]]人が来航して屯門を占拠したため、[[w:広東|広東]]海道副使・汪鋐が自から督師してポルトガル人を駆逐する事件があった。 その後、ポルトガル人は[[w:寧波|寧波]]沖のリャンポー(双嶼島)に移り、やがて[[w:マカオ|マカオ]]に定着することになる。 == 清代の香港 == [[w:清|清]]代に入って[[w:広州|広州]]が開港すると、[[w:1699年|1699年]]から[[w:イギリス東インド会社|イギリス東インド会社]]などが来航するようになり、[[w:1711年|1711年]]には広州に英国商館が開設されている。 イギリスは次第に中国茶を大量に輸入するようになり、貿易代金決済のために[[w:インド|インド]]から[[w:アヘン|アヘン]]を中国に輸出し始めた。 アヘンの輸入を規制しようとする[[w:清|清]]朝政府とイギリスの争いが起こり、[[w:1839年|1839年]]第一次[[w:アヘン戦争|アヘン戦争]]が勃発、 [[w:1841年|1841年]][[w:1月20日|1月20日]]チャールズ・エリオット大佐率いる英国軍は香港島を占領、[[w:1842年|1842年]]に締結された[[w:南京条約|南京条約]]で香港島は英国に永遠に割譲された。 == 英領植民地 == [[w:1843年|1843年]]6月、サー・ヘンリー・ポッティンジャーが初代[[w:香港総督|香港総督]]に就任して英国の統治がはじまったが、[[w:1856年|1856年]]には[[w:第二次アヘン戦争|第二次アヘン戦争]]が再発し、[[w:1860年|1860年]]に締結された[[w:北京条約|北京条約]]で九龍半島も英国に割譲される。 西欧列強による中国の半植民地化も過程で、英国は清政府に迫り[[w:1898年|1898年]][[w:7月1日|7月1日]]から九竜以北、深圳河以南の[[w:新九竜|新九竜]]及び[[w:新界|新界]]地域の租借に成功した。 この地域の租借期限は99年、[[w:1997年|1997年]][[w:6月30日|6月30日]]午後12時を以って切れることになっていた。 イギリス資本主義の拠点となった香港では[[w:19世紀|19世紀]]末から[[w:20世紀|20世紀]]初にかけて南中国貿易の基地として発展する。[[w:1884年|1884年]]にはハッピーバレーにロイヤル香港ジョッキー・クラブ(競馬場)が建設されて英人の社交場となり、[[w:1877年|1877年]]香港西医書院(香港医科大学)が創立され、[[w:1910年|1910年]]には総合大学である[[w:香港大学|香港大学]]に発展する。経済的には[[w:1865年|1865年]]創設の[[w:香港上海銀行|香港上海銀行]]が極東最大の銀行に発展し、地域通貨として初期には[[w:銀貨|銀貨]]が使用されたが、[[w:1935年|1935年]]には[[w:香港ドル|香港ドル]]が発券されている。[[w:1928年|1928年]]成立した[[w:南京国民政府|南京国民政府]]は[[w:不平等条約|不平等条約]]をなんとか解消しようとしたが、イギリスは応じなかった。当時、中国と新界の国境線は開放されており、中国人は自由に行き来できた。 == 日本の占領 == [[w:1941年|1941年]]12月、[[w:太平洋戦争|太平洋戦争]]が勃発すると、[[w:酒井隆|酒井隆]]中将指揮下の日本第28軍が香港に進攻を開始し、 同年[[w:12月25日|12月25日]]香港総督マーク・ヤングは九竜のペニンシュラー・ホテルに出向き、日本軍に降伏した。 英領香港を占領した日本は当初、酒井中将を長官とする香港軍政庁を設置し、[[w:1942年|1942年]]2月には磯谷廉介中将を香港総督に任命して軍政を行った。 戦時体制化、中国本土との貿易は急低下し、香港は経済的苦境に立たされる。日本軍は軍票を発行して[[w:インフレ|インフレ]]を起こし、香港経済を疲弊させた。 日本軍は香港住民に[[w:皇民化政策|皇民化政策]]を実施し、[[w:英語|英語]]の使用を禁止して、[[w:日本語|日本語]]を強制した。また、日本軍より虐殺と強姦も多発していた。占領下の香港から70万人前後の中国人住民が中国本土に退去している。 今なお[[w:軍票|軍票]]問題が残されている。 == 戦後の香港 == 戦後、[[w:国際連合|国際連合]]の[[w:安全保障理事会|安全保障理事会]][[w:常任理事国|常任理事国]]となった国民党政府は英国に香港返還を求めたが、間もなく[[w:国共内戦|国共内戦]]が始まったため不調に終わり、内戦や共産主義を避けた多数の中国人が本土から香港に逃れ、廉価な労働力を提供するとともに、[[w:上海|上海]]から技術と資本をもった外国企業がも香港に本拠を移し、このことが香港の経済発展に少なからぬ寄与をした。 [[w:中華人民共和国|中華人民共和国]]は香港の主権回復を求めず、むしろ英国との国交回復を求めた。 英国の[[クレメント・アトリー]]政権は早くも[[w:1950年|1950年]]に中華人民共和国を国家承認した。これは西側諸国としては最も早い新中国承認であった。 間もなく[[w:朝鮮戦争|朝鮮戦争]]に中国が介入して、世界から孤立すると、香港が新中国にとって西側世界との唯一の窓口となった。 香港政庁は古典的な[[w:自由放任政策|自由放任政策]]を採用して、政府規制を極力押さえ、税率を低くして産業育成を図った。このため、繊維産業を中心とする輸出型の[[w:軽工業|軽工業]]が発達し、[[w:李嘉誠|李嘉誠]]のような企業家も出てきた。中国貿易の中継貿易港としても発展し、香港はやがて[[w:シンガポール|シンガポール]]、[[w:台湾|台湾]]、[[w:大韓民国|韓国]]とともにアジア四龍と呼ばれる経済発展を遂げる。 [[w:1967年|1967年]]に[[w:文化大革命|文化大革命]]が起こると、香港でもその影響下に暴動が発生し、[[w:紅衛兵|紅衛兵]]が[[w:深圳|深圳]]方面から越境し、香港警察と銃撃戦になることもあったが、間もなく[[w:周恩来|周恩来]]が長期的な利益から香港を回収しない方針を明らかにし、香港暴動は沈静化した。 [[w:1970年代|1970年代]]に入ると、[[w:租借地|租借地]][[w:新界|新界]]の租借期限が次第に近付いてくるため、英国政府は新界租借の延長を中国に求めたが、中国は応じなかった。しかし、この頃には租借期限問題にどのような結末を付けるかまだ誰にも予測できなかった。 == 中英交渉 == (ここでは「中国」は北京当局、すなわち中華'''人'''民'''共和'''国を表す) [[w:1980年代|1980年代]]に中国の[[w:改革開放|改革開放]]政策が進展し、香港の製造業は国境を越えて中国側に進出、香港は金融、商業、観光都市となっていった。 [[w:マーガレット・サッチャー|マーガレット・サッチャー]]首相は英国が引き続き香港を管理できるよう求めていたが、中国は「港人治港」を要求してこれに応じず、 [[w:鄧小平|鄧小平]]はサッチャー首相に英国がどうしても応じない場合は武力行使もありうることを示唆した。サッチャーは鄧小平との会談を終えて[[w:人民大会堂|人民大会堂]]を出る時、足元がふらついたという。 [[w:1984年|1984年]][[w:12月19日|12月19日]],中英双方が署名した中英共同声明が発表され、英国は[[w:1997年|1997年]][[w:7月1日|7月1日]]に香港の主権を中国に返還し、 香港は中華人民共和国の一[[w:特別行政区|特別行政区]]となることが明らかにされた。 この中で中国政府は鄧小平が提示した「一国両制」政策をもとに社会主義政策を将来50年にわたって香港で実施しないことを約束した。 この発表は中国の支配を受けることを喜ばない一部の香港住民を不安に落としいれ、[[w:英連邦|英連邦]]内の[[w:カナダ|カナダ]]や[[w:オーストラリア|オーストラリア]]への移民ブームが起こった。 [[w:1989年|1989年]]に[[w:北京|北京]]で[[w:六四天安門事件|六四天安門事件]]が発生すると、香港では民主派支持の大規模デモが行われ、専制的な中国の本質が明確になったとして再び移民ブームが巻き起こった。大部分の香港移民は[[w:トロント|トロント]]、[[w:バンクーバー市|バンクーバー]]、[[w:シドニー|シドニー]]、[[w:シンガポール|シンガポール]]に向かった。 == 香港の返還 == [[w:1990年|1990年]][[w:4月4日|4月4日]]、[[w:香港基本法|香港基本法]]が制定されると、香港人の不安は一応、沈静化した。しかし、[[w:1992年|1992年]]、[[w:クリストファー・パッテン|クリストファー・パッテン]]が香港総督として着任すると、返還を前に香港の政治的な民主化を加速させたため、中国との関係が緊張した。ただ、このような政治的動揺や移民の大量流出にもかかわらず、経済的には中国資本の流入によって返還前の香港の不動産市場や株式市場は空前の活況を呈した。 [[w:1997年|1997年]][[w:7月1日|7月1日]]、香港は正式に英国から中国に返還され、最後の総督パッテンは香港を去った。パッテンが制定した直接選挙制の立法局は北京が成立させた臨時立法会に変わり、中国政府と深い関係にある富豪の[[w:董建華|董建華]]が初代[[w:香港特別行政区行政長官|香港特別行政区行政長官]]となった。これまで香港に君臨してきた[[w:ユニオンジャック|ユニオンジャック]]と[[w:エリザベス2世|エリザベス2世]]の肖像は姿を消し、[[w:五星紅旗|五星紅旗]]が香港に翻った。 == 返還後の香港 == 中国が香港の外交権と軍事権を掌握し、イギリス軍に代わって[[w:人民解放軍|人民解放軍]]部隊が香港に進駐、これまでの[[英語]]、[[w:広東語|広東語]]とともに[[w:普通話|普通話]](標準中国語)も香港の公用語となり、学校でも教えられるようになった。しかし、基本的な社会経済制度は変わらず、法体系も英領時代の[[w:コモン・ロー|コモン・ロー]]がそのまま用いられている。 香港返還直後に始まった[[w:アジア通貨危機|アジア通貨危機]]の影響で香港の不動産価格は大暴落し、中国貿易の中継基地としての役割も次第に減少して香港の失業率は上昇、香港の衰退がささやかれた。とりわけ[[w:2003年|2003年]]には隣接の[[w:広東省|広東省]]が発端となった[[w:SARS|SARS]]が香港でも急速に拡大し、2000人が感染、299人が死亡する事態となり、観光客は激減、香港経済は大打撃を受けた。 あまりにも中国寄りで香港市民に不評だった董建華行政長官は[[w:2005年|2005年]][[w:3月12日|3月12日]]に辞任して[[w:中華人民共和国政治協商会議|中華人民共和国政治協商会議]]副主席に転じ、[[w:曽蔭権|曽蔭権]]が長官代理となった。新行政長官選挙は2005年7月に行われる。また9月には香港再生の期待を背負い、新[[w:香港国際空港|香港国際空港]]近くに[[w:香港ディズニーランド|香港ディズニーランド]]がオープンした。また、2018年9月23日にはこれまで低頻度の在来線しか無かった香港と中国本土の間に[[W:広深港高速鉄道|広深港高速鉄道]]が運行を開始<ref>鉄道ファン、第694号、2019年2月号、「香港~中国本土を直結 広深港旅客鉄道全線開業!」、三浦一幹、128ページ、2019年7月5日閲覧。</ref>し、香港側の駅である{{Ruby|香港西九龍|ほんこんにしかおるーん・Hong Kong West Kowloon}}駅では「[[W:一地両検|一地両検]]」(詳しくはリンク先を参照)が行われるようになった。これに反発する動きが出てきている。 == 出典 == {{Reflist}} [[カテゴリ:中国の歴史|ほんこん]]
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2022-12-04T16:27:14Z
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マカオの歴史
この本では、マカオの歴史について述べる。 マカオにポルトガル人が到来し、中国の明王朝との交易に乗り出すのは16世紀初めの1513年のことである。当初は東南アジアの植民地から中国近海に来航していたポルトガル人は、マカオに居留地を確保し、中国や日本に対する貿易拠点とした。マカオはまた日本や中国に対するカトリック教会の布教の拠点でもあり、日本の禁教後はマテオ・リッチなどのイエズス会宣教師を北京に送り込んでいた。 しばしば「1557年ポルトガル領マカオ植民地成立」と書かれるが、これは正確に言うと誤り、あるいは事実のミスリードである。実際には、ポルトガルはこの年に明王朝から後期倭寇の討伐で明に協力した代償として、マカオの永久居留権を認められたにすぎない。明および続く清の時代を通じてマカオは中国が領土主権を有し、中国の海関が設置され、中国の官吏がマカオ内に自由に出入りしていた。 17世紀の明清交代期には、清が台湾の鄭氏政権対策として遷界令を発して貿易を禁じ、また日本も鎖国をひいてポルトガル船を締め出したために、一時期マカオは没落した。その後、鄭氏が清に降伏すると貿易は再開される。 ポルトガルがマカオの行政権を中国人官吏から奪取し、ここを完全に植民地化したのは1849年のことで、アヘン戦争によってイギリスが香港植民地を獲得したのに刺激されたものであった。その後、1862年になって初めて中国(清)もマカオにおけるポルトガル統治権を認め、1887年に友好通商条約を締結してマカオを第三国に譲渡しないことを条件に永久的に占有することを承認した。 第二次世界大戦では、ポルトガルが中立を宣言したためにマカオは東アジアにおける中立港となり、経済的には繁栄したものの中国人の難民が大量に流入した。戦後の1951年、ポルトガルはマカオを海外県とし、ポルトガル系住民支配のもとで植民地支配を続けようとしたが、1966年に中国系住民による反ポルトガル闘争(マカオ暴動)が巻き起こった。 マカオ暴動以降、中国側からの影響と返還の圧力が高まる中、1974年にポルトガル本国でカーネーション革命が起こって政権交代が実現、左派系の新政権は海外植民地の放棄を宣言した。1976年、ポルトガルはマカオを海外県から特別領に改め、立法会を設置するなど、行政における本国からの大幅な独立性を認めた。 1979年には中華人民共和国とポルトガルの国交が樹立されるにあたり、マカオの本来の主権が中国にあることが確認された。1986年より、中国がイギリスとの間で進める香港返還交渉と平行してマカオ返還交渉が開始。翌1987年、両国は共同声明を発して1999年に行政権が中国に返還されることが決定した。 マカオには、マカオ基本法を実質上の憲法として運用する一国二制度の適用され、ポルトガルから受け継いだ現行の社会制度を返還後50年にわたって維持することとなった。返還は1999年12月20日に実現、マカオは中国の特別行政区となった。 16世紀のポルトガル人が到来した当初、マカオ貿易の中心は、インドや東南アジアで買い付けた物産を中国に輸出し、中国から絹や陶磁器などを東南アジアや欧州にまで輸出する南海貿易であったが、やがて日中貿易の仲介でも大きな利益を見出した。これは倭寇に苦しんだ明王朝が日本との貿易を禁止していたため、日本船が中国に来航できず、ポルトガルがその代行者として参入したことによる。 1580年には本国ポルトガルがスペインとの同君連合となり、スペインの植民地マニラとの間にも貿易ルートが開かれた。この頃、日本では統一権力が形成に向かうとともに先進的な鉱山技術が導入されて金・銀の生産量が飛躍的に増加し、経済発展著しい中国が通貨として用いる銀を欲していたことから日中中継貿易は莫大な利益をもたらした。しかし日本との貿易は江戸幕府の鎖国政策によって終結し、明末清初の動乱ともあいまって17世紀のマカオの没落を招いた。 台湾の鄭氏政権が清朝に降伏して明末清初の動乱が終わると、マカオは東南アジア貿易に活路を見出し、ティモール島に植民するなど一応の回復を見せたが、清朝が広州を開放して欧米諸国の貿易船を受入れ、いわゆる広東貿易が発展すると衰退の一途を辿った。広州で貿易に従事する欧米人はマカオを休養地として利用することが多く、カジノ産業が発達して「東洋のモンテ・カルロ」と呼ばれるようになった。
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歴史学 >マカオの歴史(マカオのれきし) この本では、マカオの歴史について述べる。
{{wikipedia|マカオの歴史}} *歴史学 >'''マカオの歴史'''('''マカオのれきし''') この本では、[[w:マカオ|マカオ]]の歴史について述べる。 == 政治史 == マカオに[[w:ポルトガル|ポルトガル]]人が到来し、[[w:中国|中国]]の[[w:明|明]]王朝との交易に乗り出すのは[[w:16世紀|16世紀]]初めの[[w:1513年|1513年]]のことである。当初は[[w:東南アジア|東南アジア]]の[[w:植民地|植民地]]から中国近海に来航していたポルトガル人は、マカオに居留地を確保し、中国や[[w:日本|日本]]に対する貿易拠点とした。マカオはまた日本や中国に対する[[w:カトリック教会|カトリック教会]]の布教の拠点でもあり、日本の禁教後は[[w:マテオ・リッチ|マテオ・リッチ]]などの[[w:イエズス会|イエズス会]]宣教師を北京に送り込んでいた。 '''しばしば「1557年ポルトガル領マカオ植民地成立」と書かれるが、これは正確に言うと誤り、あるいは事実のミスリードである。'''実際には、ポルトガルはこの年に明王朝から後期[[w:倭寇|倭寇]]の討伐で明に協力した代償として、マカオの永久居留権を認められたにすぎない。明および続く[[w:清|清]]の時代を通じてマカオは中国が領土[[w:主権|主権]]を有し、中国の海関が設置され、中国の官吏がマカオ内に自由に出入りしていた。 [[w:17世紀|17世紀]]の明清交代期には、清が[[w:台湾|台湾]]の[[w:鄭氏政権|鄭氏政権]]対策として[[w:遷界令|遷界令]]を発して貿易を禁じ、また日本も[[w:鎖国|鎖国]]をひいてポルトガル船を締め出したために、一時期マカオは没落した。その後、鄭氏が清に降伏すると貿易は再開される。 ポルトガルがマカオの行政権を中国人官吏から奪取し、ここを完全に植民地化したのは[[w:1849年|1849年]]のことで、[[w:アヘン戦争|アヘン戦争]]によってイギリスが[[w:香港|香港]]植民地を獲得したのに刺激されたものであった。その後、[[w:1862年|1862年]]になって初めて中国(清)もマカオにおけるポルトガル統治権を認め、[[w:1887年|1887年]]に友好通商条約を締結してマカオを第三国に譲渡しないことを条件に永久的に占有することを承認した。 [[w:第二次世界大戦|第二次世界大戦]]では、ポルトガルが中立を宣言したためにマカオは[[w:東アジア|東アジア]]における中立港となり、経済的には繁栄したものの中国人の難民が大量に流入した。戦後の[[w:1951年|1951年]]、ポルトガルはマカオを海外県とし、ポルトガル系住民支配のもとで植民地支配を続けようとしたが、[[w:1966年|1966年]]に中国系住民による反ポルトガル闘争([[w:マカオ暴動|マカオ暴動]])が巻き起こった。 マカオ暴動以降、中国側からの影響と返還の圧力が高まる中、[[w:1974年|1974年]]にポルトガル本国で[[w:カーネーション革命|カーネーション革命]]が起こって政権交代が実現、左派系の新政権は海外植民地の放棄を宣言した。[[w:1976年|1976年]]、ポルトガルはマカオを海外県から特別領に改め、立法会を設置するなど、行政における本国からの大幅な独立性を認めた。 [[w:1979年|1979年]]には[[w:中華人民共和国|中華人民共和国]]とポルトガルの国交が樹立されるにあたり、マカオの本来の主権が中国にあることが確認された。[[w:1986年|1986年]]より、中国が[[w:イギリス|イギリス]]との間で進める[[w:香港|香港]]返還交渉と平行してマカオ返還交渉が開始。翌[[w:1987年|1987年]]、両国は共同声明を発して[[w:1999年|1999年]]に行政権が中国に返還されることが決定した。 マカオには、[[w:マカオ基本法|マカオ基本法]]を実質上の憲法として運用する[[w:一国二制度|一国二制度]]の適用され、ポルトガルから受け継いだ現行の社会制度を返還後50年にわたって維持することとなった。返還は1999年[[w:12月20日|12月20日]]に実現、マカオは中国の特別行政区となった。 == 経済史 == 16世紀のポルトガル人が到来した当初、マカオ貿易の中心は、[[w:インド|インド]]や[[w:東南アジア|東南アジア]]で買い付けた物産を中国に輸出し、中国から[[w:絹|絹]]や[[w:陶磁器|陶磁器]]などを東南アジアや欧州にまで輸出する南海貿易であったが、やがて日中貿易の仲介でも大きな利益を見出した。これは[[w:倭寇|倭寇]]に苦しんだ明王朝が日本との貿易を禁止していたため、日本船が中国に来航できず、ポルトガルがその代行者として参入したことによる。 [[w:1580年|1580年]]には本国ポルトガルがスペインとの[[w:同君連合|同君連合]]となり、スペインの植民地[[w:マニラ|マニラ]]との間にも貿易ルートが開かれた。この頃、日本では統一権力が形成に向かうとともに先進的な鉱山技術が導入されて[[w:金|金]]・[[w:銀|銀]]の生産量が飛躍的に増加し、経済発展著しい中国が通貨として用いる銀を欲していたことから日中中継貿易は莫大な利益をもたらした。しかし日本との貿易は[[w:江戸幕府|江戸幕府]]の鎖国政策によって終結し、明末清初の動乱ともあいまって17世紀のマカオの没落を招いた。 台湾の鄭氏政権が清朝に降伏して明末清初の動乱が終わると、マカオは東南アジア貿易に活路を見出し、[[w:ティモール島|ティモール島]]に植民するなど一応の回復を見せたが、清朝が[[w:広州|広州]]を開放して欧米諸国の貿易船を受入れ、いわゆる[[w:広東貿易|広東貿易]]が発展すると衰退の一途を辿った。広州で貿易に従事する欧米人はマカオを休養地として利用することが多く、[[w:カジノ|カジノ]]産業が発達して「東洋の[[w:モンテ・カルロ|モンテ・カルロ]]」と呼ばれるようになった。 == 年表 == * [[w:1517年|1517年]] - [[w:ポルトガル|ポルトガル]]人広東来航。 * [[w:1535年|1535年]] - [[w:明|明]]王朝、香山県濠鏡(マカオ)に市舶司を設置。 * [[w:1557年|1557年]] - ポルトガル、[[w:マカオ|マカオ]]に永久居留権を獲得。 * [[w:1580年|1580年]] - [[w:スペイン|スペイン]]国王[[w:フェリペ2世 (スペイン王)|フェリペ2世]]がポルトガル王位を兼任。 * [[w:1582年|1582年]] - マカオ、フェリペ2世への忠誠を宣言、以後マカオ - [[w:マニラ|マニラ]]貿易始まる。 * [[w:1583年|1583年]] - マカオ市政議会設置。 * [[w:1586年|1586年]] - ポルトガル国王、マカオの自治都市資格を承認。 * [[w:1603年|1603年]] - オランダ船、マカオから[[w:ゴア|ゴア]]に向かうサンタ・カタリナ号を拿捕。 * [[w:1613年|1613年]] - 最初のマカオ総督任命。 * [[w:1622年|1622年]] - [[w:オランダ|オランダ]]艦隊、マカオを攻撃し、[[w:澎湖諸島|澎湖諸島]]に転じる。 * [[w:1638年|1638年]] - 日本、ポルトガル船の来航を禁止。 * [[w:1640年|1640年]] - ポルトガル、スペイン支配から離脱。マニラ貿易停止。 * [[w:1647年|1647年]] - ポルトガル使節[[w:長崎|長崎]]に来航し貿易再開を願うが、拒絶される。 * [[w:1650年|1650年]] - 清軍[[w:広州|広州]]入城。 * [[w:1662年|1662年]] - 清王朝、遷海令発布、マカオの貿易を禁じる(-64年)。 * [[w:1670年|1670年]] - ポルトガル使節、[[w:北京|北京]]に朝貢([[w:康熙帝|康熙帝]]) * [[w:1685年|1685年]] - 清王朝、対外貿易を再開。 * [[w:1685年|1685年]] - ポルトガル船、日本人漂流民を長崎に返還するが、貿易再開は拒否される。 * [[w:1727年|1727年]] - ポルトガル使節、北京に朝貢([[w:雍正帝|雍正帝]])。 * [[w:1753年|1753年]] - ポルトガル使節、北京に朝貢([[w:乾隆帝|乾隆帝]])。 * [[w:1808年|1808年]] - [[w:ナポレオン戦争|ナポレオン戦争]]中[[w:イギリス|英国]]艦隊マカオを保護下に置くため来航するが、清の武力を背景に拒絶。 * [[w:1849年|1849年]] - ポルトガル、マカオ「独立」を宣言、マカオ総督フェレイラ・アマラル暗殺。 * [[w:1851年|1851年]] - ポルトガル、タイパ島を占領。 * [[w:1862年|1862年]] - [[w:天津条約|天津条約]]で中国、マカオがポルトガル植民地であることを承認。 * [[w:1864年|1864年]] - ポルトガル、コロアネ島を占領。 * [[w:1941年|1941年]] - [[w:大東亜戦争|大東亜戦争]]勃発、マカオ中立港として繁栄。 * [[w:1943年|1943年]] - [[w:日本軍|日本軍]]、マカオを保護領化。 * [[w:1949年|1949年]] - [[w:中華人民共和国|中華人民共和国]]成立。 * [[w:1962年|1962年]] - [[w:スタンレー・ホー|スタンレー・ホー]]が[[w:霍英東|霍英東]]、[[w:テディ・イップ|テディ・イップ]]、[[w:イップ・ホン|イップ・ホン]]らの協力の下、マカオにおけるギャンブル権を獲得。香港との高速定期航路路線[[w:TurboJET|TurboJET]]の運行が開始される。 * [[w:1966年|1966年]] - マカオ暴動。 * [[w:1974年|1974年]] - ポルトガル本国で[[w:カーネーション革命|カーネーション革命]]、海外植民地放棄を宣言。 * [[w:1979年|1979年]] - 中葡外交関係樹立。 * [[w:1980年|1980年]] - マカオ総督北京訪問。 * [[w:1987年|1987年]] - マカオ問題に関する中国ポルトガル共同声明発表。 * [[w:1999年|1999年]] - マカオ返還、特別行政区成立。 [[カテゴリ:中国の歴史|まかおのれきし]]
2005-12-28T03:04:03Z
2023-07-13T13:45:18Z
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台湾の歴史
歴史学 > 台湾の歴史(たいわんのれきし) この本では、w:台湾地域の歴史区分と主要な歴史的事項を述べる。なお、台湾地域の地域範囲については台湾の地域範囲を参照のこと。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "歴史学 > 台湾の歴史(たいわんのれきし)", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "この本では、w:台湾地域の歴史区分と主要な歴史的事項を述べる。なお、台湾地域の地域範囲については台湾の地域範囲を参照のこと。", "title": "" } ]
歴史学 > 台湾の歴史(たいわんのれきし) この本では、w:台湾地域の歴史区分と主要な歴史的事項を述べる。なお、台湾地域の地域範囲については台湾の地域範囲を参照のこと。
[[歴史学]] > '''台湾の歴史'''('''たいわんのれきし''') この本では、[[w:台湾]]地域の歴史区分と主要な歴史的事項を述べる。なお、台湾地域の地域範囲については[[w:台湾#地域範囲|台湾の地域範囲]]を参照のこと。 == 時代区分と主要事項 == ===[[w:史前時代 (台湾)|史前時代]]=== *[[w:230年]]、[[w:三国時代]]の[[w:呉]]の[[w:孫権]]が探索を行った。 *[[w:607年]]、[[w:中国]]の文書に台湾への探検の記録が記載される。 *[[w:14世紀]]半ば、[[w:元]]朝が[[w:澎湖諸島]]を領有。 *[[w:1608年]]、[[w:有馬晴信]]が台湾へ軍勢を派遣。 *[[w:1616年]]、[[w:長崎]]代官・村山等安が台湾へ軍勢を派遣。 ===[[w:オランダ統治時代 (台湾)|オランダ統治時代]](1624年~1662年)=== *[[w:1624年]]、[[w:オランダ]]の[[w:オランダ東インド会社|東インド会社]]が、台湾島の大員(現在の[[w:台南市]]周辺)を中心とした地域を制圧。 *[[w:1626年]]、[[w:スペイン]]勢力が台湾島北部の現[[w:基隆市]]付近に進出して要塞を築く。 *[[w:1642年]]、オランダ東インド会社がスペイン勢力を台湾から追放する。 *[[w:1661年]]、[[w:鄭成功]]の攻撃を受け、翌年に台湾から完全撤退する。 ===[[w:鄭氏政権 (台湾)|鄭氏政権時代]](1662年~1683年)=== *[[w:1662年]]、[[w:鄭成功]]が[[w:オランダ東インド会社]]を台湾から駆逐する事に成功する。 *[[w:1683年]]、鄭氏政権が[[w:清]]朝に降伏し、滅亡する。 ===[[w:清朝統治時代 (台湾)|清朝統治時代]](1683年~1895年)=== *[[w:1683年]]、[[w:清]]王朝が台湾を制圧して鄭氏政権を滅ぼすことに成功。後に台湾を[[w:福建省]]に編入する。 *[[w:1858年]]、[[w:天津条約]]によって[[w:台南市|台南]]・安平(アンピン)港や[[w:基隆市|基隆]]港が欧州列強に開港される。 *[[w:1874年]]、[[w:日本]]による[[w:台湾出兵]](牡丹社事件)が起きる。 *[[w:1884年]]、[[w:清仏戦争]]が発生して台湾もフランス軍に攻撃される。 *[[w:1885年]]、[[w:台湾省]]を新設する。 *[[w:1887年]]、[[w:基隆市|基隆]]―[[w:台北市|台北]]間に[[w:鉄道]]を敷設する。 *[[w:1888年]]、[[w:郵政総局]]が完成する。 *[[w:1895年]]、[[w:下関条約]](馬關條約)に基づいて台湾が[[w:清]]王朝から[[w:大日本帝国]]に割譲され、台湾省が廃止される。 ===[[w:日本統治時代 (台湾)|日本統治時代]](1895年~1945年)=== *[[w:1895年]]、[[w:台湾民主国]]の成立と崩壊。 *[[w:1915年]]、[[w:西来庵事件]](タパニー事件)の勃発。 *[[w:1930年]]、[[w:霧社事件]]の勃発。 *[[w:1944年]]、[[w:日本軍]]による[[w:徴兵制度]]が発足。[[w:台湾人日本兵]]が兵役に服務する。 *[[w:1945年]]、[[w:大日本帝国]]が[[w:連合国 (第二次世界大戦)|連合国]]に降伏。[[w:第二次世界大戦]](当時の台湾では「[[w:大東亜戦争]]」)が終結。 ===[[w:中華民国|中華民国統治時代]](1945年~現在)=== ;[[w:中華民国の歴史#中華民国と台湾 (台湾の歴史、1945~1949)|南京国民政府]](1945年~1949年) *[[w:1945年]]、[[w:大日本帝国]]が[[w:連合国 (第二次世界大戦)|連合国]]に降伏し、台湾は[[w:中華民国]]([[w:国民政府]])に編入される。国民政府は、台湾省を統治する機関・台湾行政公所を設置。 *[[w:1947年]]、[[w:二・二八事件]]が勃発。以降、中華民国政府による[[w:白色テロ]]が頻発する。 *[[w:1949年]]、[[w:毛沢東]]指導下の[[w:中国共産党]]が[[w:中華人民共和国]]を樹立し、[[w:蒋介石]]指導下の[[w:中国国民党|国民党軍]]が[[w:国共内戦]]で敗北。国民政府は[[w:台北]]に亡命し、実行統治区域内で戒厳令を実施。 ;[[w:中国国民党による一党独裁時代の台湾|中国国民党による一党独裁時代]](1949年~1996年) *[[w:1950年]]、蒋介石が[[w:中華民国総統]]に復帰。 *1955年、中華民国が[[w:浙江省]]・大陳列島を喪失。これにより、今日の[[w:台湾#地域範囲|台湾地域(広義の台湾)]]が形成される。 *[[w:1971年]]、[[w:国際連合]]総会にて、[[w:アルバニア]]提案の「追放国府、招請北京」案が可決され、中華民国「[[w:中国]]」の代表権を喪失。同時に国際連合から脱退。 *[[w:1972年]]、[[w:日中国交正常化|日本国と中華人民共和国の国交樹立]]により[[w:日華平和条約]]が失効。中華民国が[[w:日本国]]との国交を断絶。 *[[w:1979年]]、中華民国政府が[[w:アメリカ合衆国]]との国交を断絶。 *[[w:1987年]]、[[w:台湾省戒厳令]]を解除。その後、他の地域でも暫時解除。 ;[[w:総統民選期の中華民国|総統民選期]](1996年~現在) *[[w:1996年]]、国民の直接選挙による総統選出が実施され、[[w:李登輝]]が当選。[[w:中国国民党|国民党]]一党独裁が終結。 *[[w:2000年]]、[[w:総統 (中華民国)|総統]]に[[w:民主進歩党]]の[[w:陳水扁]]が選出され、国民党が初めて野党となる。 *[[w:2004年]]、[[w:陳水扁]]が総統職に民選で初めて再選される。 *[[w:2005年]]、[[w:連戦]][[w:中国国民党|国民党]]主席が[[w:中華人民共和国]]を訪問。[[w:胡錦涛]][[w:中国共産党|共産党]]総書記と1945年以来60年ぶりの国共首脳会談を行なう。 [[カテゴリ:中国の歴史|たいわん]]
2005-12-28T03:04:11Z
2023-11-15T11:54:20Z
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朝鮮の歴史
歴史 > 朝鮮の歴史 朝鮮の歴史(ちょうせんのれきし)では、朝鮮(朝鮮半島)における歴史を述べる。 考古学的な実証ある事項はここに記す。 考古学的事実は変わる事がある為、現在書かれている時点で解っているものである。 考古学的考証の無い伝説的な事項はここに記す。 ※「朝鮮民主主義人民共和国」については、本記事では以後「北朝鮮」と記す。「北朝鮮」という言葉は分断された地域を意味するのであって国家を意味するものではない、との意見もあるが、本記事では、同国の実質的な統治範囲が、建国以来朝鮮半島の軍事境界線以北であることなどから、あくまで便宜上用いるものである。 ※ w:韓国現代史年表も参照のこと。 ※並列して存在する国は、数字リストをつけた。
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[[歴史]] > 朝鮮の歴史 '''朝鮮の歴史'''(ちょうせんのれきし)では、[[w:朝鮮|朝鮮]]([[w:朝鮮半島|朝鮮半島]])における[[歴史学|歴史]]を述べる。 == 概観 == === 先史時代 === ''[[w:考古学|考古学]]的な実証ある事項はここに記す。'' <small>考古学的事実は変わる事がある為、現在書かれている時点で解っているものである。</small> * [[w:旧石器時代|旧石器時代]] * [[w:新石器時代|新石器時代]](櫛目文土器時代/侯目文土器) BC4000年(もしくは5000年) - BC1000年 ** 早期 BC5000-4000 ** 前期 BC4000-3000 ** 中期 BC3000-2000 ** 晩期 BC2000-1000 *** BC1500年ごろ、[[w:中国|中国]]より[[w:農耕|農耕]]が伝わる。 * 無文土器時代(BC1000年頃 - BC100年) ** 前期 BC1000-700 ** 中期 BC700-300 *** BC700年ごろ、[[w:青銅器|青銅器]]つたわる。 ** 後期 BC300-100(初期鉄器時代) *** BC300年ごろ、[[w:鉄器|鉄器]]つたわる。 === 神話・伝説時代 === ''考古学的考証の無い伝説的な事項はここに記す。'' ; [[w:檀君朝鮮|檀君朝鮮]]([[w:檀君|檀君]][[w:神話|神話]]) : 檀君は神話上の人物。([[w:三国遺事|三国遺事]]によると、[[w:魏書|魏書]]より引用したとあるが、魏書には書かれていない)中国の[[w:堯|堯]]帝時代に,[[w:白頭山|白頭山]]に降臨した天神の子と[[w:クマ|熊]]の間に生まれた檀君が[[w:平壌|平壌]]城で建国したとする。[[w:大韓民国|韓国]]では[[w:桓檀古記|桓檀古記]]によりその建国をB.C.2333年とし、それから年を数える「[[w:檀君紀元|檀紀]]」という暦法も存在。近年[[w:朝鮮民主主義人民共和国|北朝鮮]]では、[[w:コンクリート|コンクリート]]製の[[w:檀君陵|檀君陵]]を復元しているが、その考古学的事実性には疑問が残る。そもそも神という概念が無いので近代になって創作されたものと思われる。 ; [[w:箕子朝鮮|箕子朝鮮]] : 『[[w:史記|史記]]』では、[[w:殷|殷]]の[[w:帝辛|紂王]]の一族の箕子が、殷滅亡後に朝鮮に亡命し、朝鮮国王となったことになっている。[[w:高麗|高麗]]時代の儒者が支持した。 == 古代の朝鮮半島 == ; [[w:衛氏朝鮮|衛氏朝鮮]] : 衛氏朝鮮の建国に関しては考古学的に証明できてないが、史記によれば、[[w:燕 (春秋)|燕]]の将軍の衛滿が立てたことになっている。 : 衛氏朝鮮は三代衞右渠の時、[[w:漢|漢]]の[[w:武帝 (漢)|武帝]]に滅ぼされた。 ; [[w:原三国時代|原三国時代]](BC108 - 4世紀中葉) :# [[w:楽浪郡|楽浪郡]] :# [[w:馬韓|馬韓]] :# [[w:辰韓|辰韓]] :# [[w:弁韓|弁韓]] ; [[w:三国志 (歴史書)|三国志]][[w:東夷伝|東夷伝]]の記述(3世紀ごろ)による区分。右の記述は現在の行政区分に大まかに当てはめたもの。 :# [[w:高句麗|高句麗]] - [[w:吉林省|吉林省]]・[[w:両江道|両江道]]。 :# [[w:楽浪郡|楽浪郡]] - [[w:平安北道|平安北道]]・[[w:平安南道|平安南道]]・[[w:黄海北道|黄海北道]]。ただし,[[w:黄海南道|黄海南道]]を含むとする説もある。 :# [[w:帯方郡|帯方郡]] - 黄海南道。ただし、[[w:京畿道|京畿道]]とする説もある。 :# [[w:東沃沮#北沃沮|北沃沮]] - [[w:咸鏡北道|咸鏡北道]]。 :# [[w:東沃沮|東沃沮]] - [[w:咸鏡南道|咸鏡南道]]。 :# [[w:ワイ人|濊]](ワイ) - [[w:江原道|江原道]]。 :# 馬韓 - [[w:京畿道|京畿道]]・[[w:忠清北道|忠清北道]]・[[w:忠清南道|忠清南道]]・[[w:全羅北道|全羅北道]]・[[w:全羅南道|全羅南道]]。ただし,京畿道・忠清北道・忠清南道を含まないとする説もある。 :# 辰韓 - [[w:慶尚北道|慶尚北道]]・[[w:慶尚南道|慶尚南道]]。 :# 弁韓 - 全羅南道・慶尚南道。ただし、全羅南道を含まないとする説もある。 :# [[w:州胡|州胡]] - [[w:済州特別自治道|済州道]]。 ; [[w:三国時代 (朝鮮半島)|三国時代]](4世紀中葉-676年) : 南部三韓は、百済・新羅・任那となる。 :# [[w:高句麗|高句麗]] :# [[w:百済|百済]] :# [[w:新羅|新羅]] :# [[w:任那|任那]]([[w:伽耶|伽耶]]、加羅) :#* 加羅、伽耶は朝鮮側、任那は[[w:日本|日本]]と中国側の呼び名。[[w:耽羅|耽羅]](済州島)は5世紀に百済に服属。 :#* <small>日本書紀によると、『日本書紀』512年条に「任那四県」の百済への割譲が記載されるなど、任那は日本の統治下にあったとされるが、朝鮮側の資料では、『鳳林寺真鏡大師宝月凌空塔碑文』(924年成立)に「任那」が見えるが、『三国史記』(1145年成立)の『本紀』には全くみえず、『伝』に僅かに1例が認められるのみで、詳しい関係は未だ不明である。</small> ; [[w:新羅|統一新羅]](676年-935年) : 初めての統一政権 ; [[w:渤海 (国)|渤海]](698年-926年) : 高句麗の滅亡後建国した高句麗流民中心の国家 ; [[w:後三国時代|後三国時代]](892年 - 936年) :# 新羅 :# [[w:後高句麗|後高句麗]](894年-918年)→[[w:高麗|高麗]] :# [[w:後百済|後百済]](892年-936年) ; 高麗 :* 918年、後高句麗の豪族の[[w:王健|王健]]が新羅を滅ぼして[[w:王位|王位]]を[[w:皇位簒奪|簒奪]]し、高麗を建国する。 :* 933年 - [[w:後唐|後唐]]の[[w:冊封|冊封]]を受ける。 :* 935年、新羅の[[w:敬順王|敬順王]]、高麗に国を譲渡し、ここに新羅滅亡す。 :* 936年 - 後百済を滅ぼし朝鮮半島統一。 :* 976年 - [[w:田柴科|田柴科]]の創設。 :* 1010年 - [[w:契丹|契丹]]の侵入。 :* 1018年 - 契丹の再侵入。 :* 1033年 - 高麗の長城の建設開始。 :* 1095年 - 李資義の乱。 :* 1107年 - 朝鮮東北部の[[w:女真|女真]]族征討。失敗に終わる。 :* 1126年 - 李資謙の乱。[[w:金 (王朝)|金]]に服属。 :* 1135年 - 妙清の乱。 :* 1170年 - 庚寅の乱。以後武人政権が続く。 :* 1196年 - [[w:崔忠献|崔忠献]]によるクーデター。崔氏政権の始まり。 :* 1259年 - [[w:モンゴル帝国|モンゴル帝国]]([[w:元 (王朝)|元]])に屈し、属国化。皇帝のむすめむこの国になる。 :* 1270年-1273年 - 武人派の軍隊[[w:三別抄|三別抄]]の反乱。 <!-- :* 1272年 :** 高麗王の王世子の[[椹]]と従者たちは元の[[大都]]に長期滞在を強いられ、椹の従者たちはホームシックにかかり、本国(高麗)への帰国を主張するグループと、帰国は本国を危うくするとして反対するグループとに分かれて、対立していた。 :** 帰国派は椹に、日本遠征に従事することを口実として、元の[[皇帝]][[クビライ]]に帰国する許可を得るよう要請した。帰国反対派は椹に帰国しないよう要請した。両派からの要請を受けて、椹は帰国の可否を定めかねていた。 :** 椹と政治的に対立する一派(武人派の林衍・林惟茂)に属する林惟幹という人物が、椹に先んじて自分が帰国する許可を求めてクビライに奏上した。林惟幹が椹より先に帰国することで、椹に対抗する勢力を得る可能性があった。 :** 林惟幹の計画を未発に終わらせるため、椹はクビライが検討していた日本遠征に賛同する旨をクビライに奏上し、遠征計画に従事する名目で帰国した。 --> :* 1274年、1281年 - 元の2度の日本侵攻([[w:元寇|元寇]])への協力と出兵により甚大な被害をこうむる。 :* この頃より[[w:倭寇|倭寇]]に悩まされるようになる。 :* 1388年 - 親明派の武将[[w:李成桂|李成桂]]がクーデターを起こし実権者になる。 ; [[w:李氏朝鮮|李氏朝鮮]] :* 1392年 - 李成桂が高麗・恭譲王から王位を簒奪し、高麗王に即位。 :* 1393年 - 明の皇帝から、新たな国号を「朝鮮」(チョソン)と「和寧」(ファリョン)の二案から選んでもらい、朝鮮に変更する。 :* 1398年 - [[w:第一次王子の乱|第一次王子の乱]] :* 1400年 - [[w:第二次王子の乱|第二次王子の乱]] :* 1404年 - [[w:室町幕府|室町幕府]]と国交回復、日朝貿易盛んとなる。 :* 1419年 - [[w:対馬|対馬]]に倭寇征伐する([[w:応永の外寇|応永の外寇]])。 :* 1443年 - [[w:訓民正音|訓民正音]]の制定(1446年公布)。 :* 1453年 - [[w:癸酉靖難|癸酉靖難]]首陽大君による政権奪取。 :* 1467年 - [[w:李施愛の乱|李施愛の乱]] :* 1468年 - [[w:南怡の謀叛事件|南怡の謀叛事件]] :* 1474年 - 『[[w:経国大典|経国大典]]』頒布(85年施行) :* 1498年 - [[w:士林派|士林派]]に対する弾圧が始まる([[w:戊午士禍|戊午士禍]])。 :* 1504年 - [[w:甲子士禍|甲子士禍]]が起こる。 :* 1506年 - [[w:中宗 (朝鮮王)|中宗反正]]で[[w:燕山君 (朝鮮王)|燕山君]]廃位。 :* 1510年 - [[w:在朝日本人|在朝日本人]]の[[w:貿易|貿易]]活動等を統制したため、三港で日本人の暴動が起こった([[w:三浦の乱|三浦の乱]])。 :* 1519年 - [[w:己卯士禍|己卯士禍]]が起こる。 :* 1545年 - [[w:士禍|乙巳士禍]]が起こる。 :* 1555年 - 備辺司設置。 :* 1559年 - [[w:林巨正の乱|林巨正の乱]] (-62年) :* 1567年 - [[w:勲旧派|勲旧派]]の終焉。以後、士林派同士の対立が続く。 :* 1575年 - 東人・西人の党争の始まり。[[w:乙亥党論|乙亥党論]] :* 1589年 - [[w:鄭汝立の乱|鄭汝立の乱]] :* 1592年-1598年 - [[w:豊臣秀吉|豊臣秀吉]]の2度の朝鮮侵攻([[w:文禄・慶長の役|文禄・慶長の役]] - 韓国では「壬辰倭乱・丁酉再乱」と呼ぶ)で、全国土が戦乱の被害をうける。 :* 1607年 - 日朝国交回復。1609年[[w:日朝通商条約|日朝通商条約]]。幕府との[[w:朝鮮通信使|朝鮮通信使]]による交流がはじまる。 :* 1616年 - [[w:光海君 (朝鮮王)|光海君]]の明、金 中立外交 :* 1619年 - [[w:サルフの戦い|サルフの戦い]](ヌルハチが大勝) :* 1623年 - [[w:仁祖反正|仁祖反正]]で光海君廃位。 :* 1627年 - [[w:丁卯胡乱|丁卯胡乱]] :* 1636年 - [[清]]の[[w:ホンタイジ|ホンタイジ]]が朝鮮に親征[[w:丙子胡乱|丙子胡乱]]。朝鮮国王[[w:仁祖 (朝鮮王)|仁祖]]、南漢山城に篭城。 :* 1637年 - 仁祖降伏([[w:大清皇帝功徳碑|大清皇帝功徳碑]])。 :* 1796年 - [[w:正祖 (朝鮮王)|正祖]]水原城(華城)建設。朝鮮後半の全盛期。 :* 1804年 - [[w:安東金氏|安東金氏]]による権勢政治 (-1863年)。士林派の終焉。 :* 1811年 - [[w:洪景来の乱|洪景来の乱]](地方差別に反発した一揆)。 :* 1863年 - [[w:興宣大院君|大院君]]政権の成立。 :* 1866年 - [[w:ジェネラル・シャーマン号事件|ジェネラル・シャーマン号事件]]。 :* 1873年 - [[w:興宣大院君|大院君]]追放、[[w:閔妃|閔妃]]を中心にした閔氏政権の成立。 :* 1875年 - [[w:江華島事件|江華島事件]]江華島で日本が国交通商を要求し武力示威した事件。 :* 1876年 - 明治新政府と[[w:日朝修好条規|日朝修好条規]] :* 1882年 - 壬午軍乱([[w:壬午事変|壬午事変]])おこる。 :* 1822年 - 九月に、[[w:中国朝鮮商民水陸貿易章程|中国朝鮮商民水陸貿易章程]]を調印する。 :* 1866年 - [[w:キリスト教|キリスト教]]を弾圧し、信者1000人の死傷者を出した。 :* 1884年 - 甲申政変([[w:甲申政変|甲申事変]])、[[w:開化派|開化派]]のクーデターは失敗に終わり、[[w:事大党|事大派]]の勝利となる。 :* 1894年 - 東学党の乱([[w:甲午農民戦争|甲午農民戦争]])、朝鮮官軍と日本国軍の針圧。大院君派と閔妃派の対立が深まる。 :* 1895年 - [[w:閔妃|閔妃]](明成皇后)が[[w:大院君|大院君]]らによって殺害される。 == 近代 == ; [[w:大韓帝国|大韓帝国]] 1897-1910(日本の保護国の時期 1905-1910) : [[w:日清戦争|日清戦争]] 1894-95の清の敗北を機に、日本と清との二国間で結ばれた[[w:下関条約|下関条約]]により、朝鮮は清の[[w:冊封|冊封]]体制から離脱し、朝鮮国から大韓帝国と国号を改める(1897年)。 :* 1904年 - [[w:第一次日韓協約|第一次日韓協約]]を結ぶ。 :* 1905年 - [[w:第二次日韓協約|第二次日韓協約]]を結ぶ。韓国政府の外交権の剥奪。 :* 1906年 - [[w:韓国統監府|韓国統監府]]設置、韓国政府の権力を無力化。 :* 1907年 - [[w:ハーグ密使事件|ハーグ密使事件]]。[[w:第三次日韓協約|第三次日韓協約]]。韓国軍、解散させられる。 :* 1909年 - 韓国統監府初代統監[[w:伊藤博文|伊藤博文]]が[[w:安重根|安重根]]により暗殺される。 ; [[w:日本統治時代の朝鮮|日本統治時代]] :* 1910年 - [[w:日韓併合条約|日韓併合条約]]を結び、[[w:大日本帝国|大日本帝国]]に[[w:韓国併合|併合]]される。 :* 1919年 - [[w:三・一独立運動|三・一独立運動]]。大韓民国臨時政府設立。 :* 1920年 - [[w:満州|満州]]東部の[[w:間島|間島]]で[[w:独立軍 (朝鮮)|独立軍]]の抗日武装闘争が激化。 :* 1937年10月2日 - [[w:皇国臣民ノ誓詞|皇国臣民ノ誓詞]]が発布される。 :; [[w:朝鮮総督府|朝鮮総督府]] ::* [[w:土地調査事業|土地調査事業]] ::* [[w:創氏改名|創氏改名]] ::* 従軍[[w:慰安婦|慰安婦]] ::* [[w:朝鮮会社令|朝鮮会社令]] :; [[w:大韓民国臨時政府|大韓民国臨時政府]] ::* 1919年 - 三・一独立運動後[[w:上海|上海]]で設立 ::* 1940年 - [[w:重慶|重慶]]に移転し、[[w:韓国光復軍|韓国光復軍]]を創設。 == 現代 == ; [[w:連合軍管轄期|連合軍管轄期]]([[w:ko:한국의 역사|ko.wikipedia]]では「{{lang|ko|'''[[w:ko:군정기|군정기]]'''}}」) :* 1945年8月15日 - [[w:第二次世界大戦|第二次世界大戦]]で日本敗北。朝鮮半島の日本統治が終わり、連合軍の管轄になる(北緯38度線以北をソ連が、同以南を米国が管轄)。 :* 1945年9月6日 - 南側で、[[w:呂運亨|呂運亨]]らによって結成された「朝鮮建国準備委員会」、「朝鮮人民共和国」樹立を宣言。 :* 1945年9月8日 - ホッジ中将の米第24軍団第一陣、[[w:仁川広域市|仁川]]に上陸。9日、[[w:朝鮮総督府|朝鮮総督府]]、降伏文書調印。 :* 1945年9月11日 - 米、在朝鮮アメリカ陸軍司令部軍政庁を宣布。 :* 1945年10月 - 米、「朝鮮人民共和国」および「朝鮮建国準備委員会」を否定する。 :* 1948年4月3日 - [[w:済州島四・三事件|済州島四・三事件]]が起こり、多数の[[w:済州島|済州島]]民が日本に密入国する。 :* 1948年 - 米ソ両国が、南北にそれぞれ自国の[[w:傀儡政権|傀儡政権]]を立てる(8月15日に南側で「大韓民国」、9月9日に北側で「朝鮮民主主義人民共和国」樹立宣言)。尚、実際に大韓民国が樹立したのは1948年8月13日である。 <small>''※「朝鮮民主主義人民共和国」については、本記事では以後「北朝鮮」と記す。「北朝鮮」という言葉は分断された地域を意味するのであって国家を意味するものではない、との意見もあるが、本記事では、同国の実質的な統治範囲が、建国以来朝鮮半島の軍事境界線以北であることなどから、あくまで便宜上用いるものである。''</small> ; [[w:朝鮮戦争|朝鮮戦争]](韓国では「韓国動乱」、北朝鮮では「祖国解放戦争」と呼ばれる) :* 1950年に[[w:保導連盟事件|保導連盟事件]]で35万人死亡。6月、北側の朝鮮人民軍が38度線を南侵したことで始まったとされる内戦。米軍で結成された国連軍・中国共産党義勇軍の双方が戦闘に参加。1953年、[[w:板門店|板門店]]で停戦協定。38度線付近の、現在の軍事境界線が敷かれた。 :* 1951年に[[w:国民防衛軍事件|国民防衛軍事件]]が起こる。 === 大韓民国 === ''※ [[w:韓国現代史年表]]も参照のこと''。 ; [[w:第一共和国 (大韓民国)|第一共和国]] : [[w:李承晩|李承晩]]政権…初代 - 第三代[[w:大統領 (大韓民国)|韓国大統領]](1948年 - 1960年) :* 1952年 - [[w:李承晩ライン|李承晩ライン]]の制定(参考:[[w:竹島 (島根県)|竹島]]問題) :* 1960年 - [[w:4月革命|4月革命]]で政権崩壊 ; [[w:第二共和国 (大韓民国)|第二共和国]] :; [[w:尹ボ善|尹潽善]]政権…第四代大統領(1960年 - 1963年) :: この時期は議院内閣制のため、実質的な権力は首相の[[w:張勉|張勉]]にあった。 ; [[w:第三共和国 (大韓民国)|第三共和国]]、[[w:第四共和国 (大韓民国)|第四共和国]] :; [[w:朴正煕|朴正煕]]政権…第五代 - 九代大統領(1963年 - 1979年) ::* 1961年 - [[w:5・16軍事クーデター|クーデター]]により政権を奪取。大統領の座に付く。 ::* 1965年に[[w:日本国と大韓民国との間の基本関係に関する条約|日本国と大韓民国との間の基本関係に関する条約]]を締結する。 ::* 1965年 - [[w:ベトナム戦争|ベトナム戦争]]に[[w:アメリカ合衆国|アメリカ]]と共に参戦。 ::* 1979年に暗殺される([[w:朴正煕暗殺事件|10・26事件]])。 :; [[w:崔圭夏|崔圭夏]]政権…第十代大統領(1979年 - 1980年) ::* 1979年12月12日 - [[w:粛軍クーデター|12・12軍事クーデター]] ; [[w:第五共和国 (大韓民国)|第五共和国]] :; [[w:全斗煥|全斗煥]]政権…第十一代・十二代大統領(1980年 - 1988年) ::* 1980年5月1日 - [[w:光州事件|光州事件]](韓国では光州事態→光州民主化運動) ::* 1987年 - [[w:六月抗争|六月抗争]] ::* 1987年6月29日 - [[w:民主化宣言|六・二九民主化宣言]] ; [[w:第六共和国 (大韓民国)|第六共和国]] :; [[w:盧泰愚|盧泰愚]]政権…第十三代大統領(1988年 - 1993年) ::* [[w:ソウルオリンピック|ソウル五輪]](1988年) ::* [[w:国際連合|国連]]加盟(1991年、北朝鮮と同時加盟) :; [[w:金泳三|金泳三]]政権…第十四代大統領(1993年 - 1998年) ::* [[w:北朝鮮核問題|核危機]]が発生。米国の対北戦争を水際で回避(1994年)。 ::* 全斗煥、盧泰愚を光州事件などに関して訴追(1995年) :; [[w:金大中|金大中]]政権…第十五代大統領(1998年 - 2003年) :: [[w:太陽政策|太陽政策]](北朝鮮宥和政策)を開始。金正日との初の[[w:南北首脳会談|南北首脳会談]]に成功。 :: 日本大衆文化開放を開始 :: [[w:2002 FIFAワールドカップ|日韓共催サッカーワールドカップ]](2002年) :; [[w:盧武鉉|盧武鉉]]政権…第十六代大統領(2003年 - 2008年) ::* 2004年3月、国会が盧武鉉大統領に対する弾劾訴追可決 ::* 2004年4月、総選挙で[[w:ウリ党|ウリ党]]圧勝 国民の弾劾拒否意思 ::* 2004年5月、憲法裁判所、弾劾訴追を棄却 ::* 2005年12月、韓国の海上警察が、日本の[[w:海上保安庁|海上保安庁]]に対して、日本領海における海上捜査権の移譲を求めるが、拒否される。 ::* 2007年10月、第2回南北首脳会談 :; [[w:李明博|李明博]]政権…第十七代大統領(2008年 - 2013年) :; [[w:朴槿恵|朴槿恵]]政権…第十八代大統領(2013年 - 2017年) :; [[w:文在寅|文在寅]]政権…第十九代大統領(2017年 - 現在) ::* [[w:2018年平昌オリンピック|平昌五輪]](2018年) ::* 第3回南北首脳会談・第4回南北首脳会談・第5回南北首脳会談(2018年) === 朝鮮民主主義人民共和国 === ; [[w:朝鮮民主主義人民共和国の歴史|朝鮮民主主義人民共和国の歴史]] :; [[w:金日成|金日成]]体制(1945年 - 1994年) ::* 1949年 - 南北朝鮮の主要政党団体の集結により、「祖国統一民主主義戦線」が結成される。 ::* 1949年6月、[[w:朝鮮労働党|朝鮮労働党]]成立。金日成が中央委員長に就任。 ::* [[w:朝鮮戦争|朝鮮戦争]]後、金日成が[[w:朴憲永|朴憲永]]などを粛清。 ::* 1956年8月29日 - ソ連派の{{lang|ko|박창옥}}(パク・チャンオク)、延安派の{{lang|ko|최장익}}(チェ・ジャンイク)などが金日成に粛清される。 ::* 1972年 - 金日成の反勢力粛清が完了し、「朝鮮民主主義人民共和国社会主義憲法」が制定される。 ::* 1973年 - 金日成の後継者問題が浮上。[[w:金正日|金正日]]が政治の表舞台に出始める。 ::* 1977年- 「朝鮮民主主義人民共和国社会主義憲法」における国家の公式理念が、[[w:マルクス・レーニン主義|マルクス・レーニン主義]]から[[w:主体思想|主体(チュチェ)思想]]に変更される。 ::* 1991年9月17日 - [[w:国際連合|国連]]加盟(大韓民国と同時加盟) ::* 1994年7月8日 - 金日成死去。 :; [[w:金正日|金正日]]体制(1994年 - 2011年) ::* 2000年 - 韓国の金大中大統領との初めての南北首脳会談を実施。6.15南北共同宣言を発表。 ::* 2002年 - [[w:日朝首脳会談|日朝首脳会談]]を実施。日本人拉致の事実を認め、日本人拉致被害者5名を日本に帰国させる。 ::* 2004年 ::** 2回目の日朝首脳会談を実施。先に帰国した日本人拉致被害者5名の家族を日本に帰国させる。 ::** 日本人拉致被害者の遺骨を返還。日本側が遺骨の正式調査を行い、他人の遺骨だと発表するが、北朝鮮側はこれに反発。 ::** 12月9日 - 日本からの人道支援の残りの15万5000トンが停止される。 ::* 2005年2月11日 - [[w:核兵器|核兵器]]製造・保有を公式に認める。 ::* 2007年10月 - 韓国の盧武鉉大統領と第2回南北首脳会談を実施。 ::* 2011年12月17日 - 金正日死去。 :; [[w:金正恩|金正恩]]体制(2011年 - 現在) ::* 2018年 ::** 第3回南北首脳会談・第4回南北首脳会談・第5回南北首脳会談 ::** シンガポールでアメリカ合衆国の[[w:ドナルド・トランプ|ドナルド・トランプ]]大統領との[[w:2018年米朝首脳会談|初めての米朝首脳会談]]を実施 ::* 2019年 ::** ベトナムでアメリカ合衆国の[[w:ドナルド・トランプ|ドナルド・トランプ]]大統領との[[w:2019年米朝首脳会談|2回目の米朝首脳会談]]を実施 ※並列して存在する国は、数字リストをつけた。 [[Category:アジア史|ちようせん]] [[カテゴリ:朝鮮]]
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工学
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ここは工学に関する文書・資料・教科書が収められる書庫です。収録内容は以下をご覧ください。
{{半保護S}} {{Pathnav|メインページ|frame=1}}{{Wikipedia}} {{wikiversity|School:工学|工学}} ここは工学に関する文書・資料・教科書が収められる書庫です。収録内容は以下をご覧ください。 == 書庫 == {{進捗状況}} === 一般工学 === * [[機械工学]]{{進捗|25%|2014-01-16}} * [[制御工学]]{{進捗|00%|2008-11-09}} * [[電気工学]]{{進捗|25%|2014-01-16}} * [[電子工学]] * [[材料工学]] * [[工業化学]] * [[環境工学]] * [[化学工学]] * [[工業数学]] === 専門工学 === * [[テキスタイル工学]] * [[自動車工学]] * [[造船工学]] * [[航空工学]] * [[建築学]] * [[土木工学]] * [[原子力工学]] * [[送電工学]] * [[都市工学]] * [[海洋工学]] * [[経営工学]] * [[農業工学]] * [[鉄道工学]] * [[情報技術|情報工学]] * [[半導体工学]] == 関連項目 == * [[応用物理学]] * [[合成化学]] * [[設計の理論]] <!--というより [[en:Wikibooks:Engineering bookshelf]] か?--> [[de:Regal:Maschinenbau]] [[en:Subject:Engineering]] [[fr:Subject:Engineering]] [[Category:工学|*]]
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教育学
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[[メインページ]] > '''教育学''' {{NDC|370|*}} {| style="float:right" |- |{{Wikipedia|教育学|教育学}} |- |{{蔵書一覧}} |- |{{進捗状況}} |} 教育に関する本が収められています。 == 高等教育用教科書 == *[[教育学入門]] *[[教育学概論]] *[[教育勅語]] *[[教育心理学]] * [[学校教育]] **[[中学校学習指導]] ***[[学習指導 中学校数学]] ***[[中学校生徒会活動・委員会活動]] **[[高等学校学習指導]] ***[[高等学校部活動]] *[[美術教育]] *[[博物館教育論]] *[[司書課程|司書教諭課程]] == 関連書籍 == * [[教員採用試験]] * [[生活と進路]] * [[学習方法]] [[Category:教育|*]] [[en:Wikibooks:Education bookshelf]] [[de:Regal:Pädagogik]]
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ゲーム
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テニス
1対1のシングルスと2対2のダブルスがある。 試合開始前のトスによって決定された一方のプレイヤーがサーバー、他方がレシーバーとなり、ゲームごとに交替する。また、プレーするコートは、奇数ゲーム終了ごとに交替する。サーバーはベースラインの外から相手コートのサービスエリアでバウンドするようにボールを打つ。レシーバーはサーブされたボールを2回バウンドする前に相手コートに打ち返し、お互いにラリーを続ける。次のようなときに失点(相手方の得点)となる。 得点は、0点=ラブ (love)、1点=フィフティーン (fifteen, 15)、2点=サーティ (thirty, 30)、3点=フォーティ (forty, 40) と数える。一方が4点を取ると1ゲーム、6ゲーム取ると1セット取得できる。5セットマッチなら、3セット先取すると勝ちである。ポイントが両者3点(40)ずつになるとデュース(フォーティオールとは言わない)となり、相手に1点差をつけるとアドバンテージサーバー(レシーバー)(Advantage[Adv.]server[receiver])となる。そのままもう1点獲得した場合そのゲームを得るが、1点相手に取られた場合は再びデュースとなる。また、ゲームカウントが 5-5 になると、そのセットを得るためには2ゲーム差をつけて 7-5 としなければならない。 ただし、ゲームカウントが6-6となった場合は、次のゲームはタイブレークという特別ルールのゲームとなり、2ポイント以上の差をつけて7点以上先取したほうが取得し、このセットを得る。タイブレーク中のポイントは、普通にワン、ツー、スリー・・・・と数える。主要な国際大会の最終セットでは、タイブレークのルールを採用せず、2ゲーム差が付くまで通常ルールでゲームを続行する場合もある。 タイブレークのルールは1920年代に、試合時間短縮のために考案されたものである。4大大会でも、全米オープンだけは、最終セットでタイブレーク決着を採用している。 なお、現在は有力選手の参加が少なく注目度の低いダブルスの合理化を目的として、2005年秋以降の男子国際大会において、ダブルスのみ、各ゲームともデュースなし(ノーアドバンテージの1本勝負)、1セットを一律5ゲーム先取方式(4-4で通常方式のタイブレークを行う)とする等のルール変更が提案されており、ダブルスプレイヤーを中心として反対運動が起こるなど、大論争が巻き起こっている。 このシステムを試行した初の国際大会である2005年10月のAIGジャパンオープンテニスでは、日本の岩渕聡、鈴木貴男組が日本人ペアとして初のツアーダブルス優勝を果たしている。 テニスの用語は、ロイヤルテニスで使われるフランス語の用語から命名されている。 ボールを空中に離し(「トス」と呼ぶ)、そのボールをラケットで打つこと。サーブによりボールを相手コートのサービスエリアに入れる事で、ゲームのポイントが開始される。「サービス」とも言う。サーブを打つ人を「サーバー」と呼ぶ。 多くの場合、トスは頭上に投げるが、それはサーブの威力を増すためである。トスは頭上でなくてもよい。野球のアンダースローのようにラケットを下から振り、ボールを打つ場合、アンダーサーブと呼ぶ。プロでも意表を突くときにアンダーサーブを打つ事がある。サーブしたボールを相手がリターンできない場合、「サービスエース」と呼ぶ。このとき相手がボールに触る事ができなかった場合、「ノータッチ・サービスエース」と呼ぶ。「ノータッチエース」と略す場合もある。 サーブに威力のある選手の場合、サーブはてっとり早くポイントを稼ぐのに良い武器となる。そのため、サーブの強化はテニスプレーヤーがいつも考えている課題のひとつでもある。 サーブの種類はボールの回転で分類されることが多く、「フラットサーブ」「スライスサーブ」「スピンサーブ」「トップスライスサーブ」と呼ばれる。 「フラットサーブ」はボールの回転が少なくスピードが速いサーブである。初心のうちはこれしか打てない。スピードが速いが確率が低いので、一発屋的なサーバーが好んで打つ。 「スライスサーブ」は右効きの場合、サーバーから見てボールは左に曲がりながら飛ぶ。軌道は低いが簡単に習得しやすいので、もっとも多用されるサーブでもある。プロの場合、大きく曲がるので「ノータッチエース」を取るためにも使われる。 「スピンサーブ」はバウンドした後、大きく弾む。さらに右利きのサーバーから見て右に弾ませる場合「キックサーブ」と呼ぶ。「スピンサーブ」はネットの上を高く超えるのでネットする確率は低く、また、大きく弾む事で「リターン」がしにくいので「セカンドサーブ」として打たれる事が多い。ただし習得には時間がかかり、スピンサーブが打てたら一人前みたいに思われ、初心者の仲間同士では尊敬される。ちなみに「キックサーブ」は漫画「テニスの王子様」の主人公、越前リョーマの必殺技の「ツイストサーブ」として紹介されたため、昔の呼び方とされる「(アメリカン)ツイストサーブ」と呼ばれることもある。本質的には同じものだが、近年のテニス雑誌においては「キックサーブよりも攻撃的なサーブがツイストサーブ」と差別化を図る動きもある為、依然、「キックサーブ」と「ツイストサーブ」の明確な定義の分け方は存在しない。 「トップスライスサーブ(またはスピンスライスサーブ)」はトップスピン回転とスライス回転を融合したサーブ。「トップスライスサーブ」の軌道はスピンサーブ同様ネットの上を高く超えるが、ボール着地後 の変化はスライスサーブのように右利きのサーバーからみて左に弾む。スピンサーブの持つ「ネットにかかりにくくサービス成功確率が上がる」点とスライスサーブの持つ「習得が容易」という利点をあわせもつ 一般的には「セカンドサーブ」として打たれることが多いが(特に女子やダブルスにおいて)、上級者またはプロレベルになるとトップスピンとスライススピンの割合を調整し、毎回異なる変化を作り出せることから、各種テニス雑誌において「サービスゲームキープ率アップの登竜門」的な見方がなされている。 ラケットの進化によりサーブの速度は毎年上がる傾向にある。その結果「ノータッチエース」が激増し、テニスが淡白になりつつある。このことはラリーによる戦略やあらゆるテクニックを楽しみにしているファンには物足りない傾向とも言える。
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{{Wikipedia}} {{Commons|Tennis}} *[[スポーツ]] > テニス == ルール == 1対1の'''シングルス'''と2対2の'''ダブルス'''がある。 試合開始前のトスによって決定された一方のプレイヤーが'''サーバー'''、他方が'''レシーバー'''となり、ゲームごとに交替する。また、プレーするコートは、奇数ゲーム終了ごとに交替する。サーバーはベースラインの外から相手コートのサービスエリアでバウンドするようにボールを打つ。レシーバーはサーブされたボールを2回バウンドする前に相手コートに打ち返し、お互いにラリーを続ける。次のようなときに失点(相手方の得点)となる。 * サーブを2回続けてミス(ダブルフォルト)したとき * サーブされたボールがバウンドする前にレシーバーが触れたとき * 自分のコートでボールが連続2回バウンドしたとき * 自分の打ったボールの1回目のバウンドが、相手のコート外(アウト)だったとき * 打ったボールが審判に命中したとき * [[ラケット]]以外の部位がボールに触れたとき * 相手コート内でボールに触れたとき * 体や[[ラケット]]がプレー中に[[ネット]]に触れたとき(タッチネット、又はネットタッチ) * [[ラケット]]以外の持ち物をコート上に落としたとき(1回目は警告) * ボールがラケットに掠ったとき(チップ) 得点は、0点=ラブ (love)、1点=フィフティーン (fifteen, 15)、2点=サーティ (thirty, 30)、3点=フォーティ (forty, 40) と数える。一方が4点を取ると1[[ゲーム]]、6ゲーム取ると1セット取得できる。5セットマッチなら、3セット先取すると勝ちである。ポイントが両者3点(40)ずつになるとデュース(フォーティオールとは言わない)となり、相手に1点差をつけるとアドバンテージサーバー(レシーバー)(Advantage[Adv.]server[receiver])となる。そのままもう1点獲得した場合そのゲームを得るが、1点相手に取られた場合は再びデュースとなる。また、ゲームカウントが 5-5 になると、そのセットを得るためには2ゲーム差をつけて 7-5 としなければならない。 ただし、ゲームカウントが6-6となった場合は、次のゲームはタイブレークという特別ルールのゲームとなり、2ポイント以上の差をつけて7点以上先取したほうが取得し、このセットを得る。タイブレーク中のポイントは、普通にワン、ツー、スリー・・・・と数える。主要な国際大会の最終セットでは、タイブレークのルールを採用せず、2ゲーム差が付くまで通常ルールでゲームを続行する場合もある。 タイブレークのルールは[[1920年代]]に、試合時間短縮のために考案されたものである。[[グランドスラム (テニス)|4大大会]]でも、[[全米オープン (テニス)|全米オープン]]だけは、最終セットでタイブレーク決着を採用している。 なお、現在は有力選手の参加が少なく注目度の低いダブルスの合理化を目的として、2005年秋以降の男子国際大会において、ダブルスのみ、各ゲームともデュースなし(ノーアドバンテージの1本勝負)、1セットを一律5ゲーム先取方式(4-4で通常方式のタイブレークを行う)とする等のルール変更が提案されており、ダブルスプレイヤーを中心として反対運動が起こるなど、大論争が巻き起こっている。 このシステムを試行した初の国際大会である2005年10月の[[ジャパン・オープン・テニストーナメント|AIGジャパンオープンテニス]]では、日本の岩渕聡、鈴木貴男組が日本人ペアとして初のツアーダブルス優勝を果たしている。 == 使用する用具 == <DIV style="float:right">[[画像:tennis_court.png]]</DIV> * ラケット:棒状のグリップの先が輪になっており、そこに牛や羊の腸、または、ナイロン、ポリエステル製のストリングが張られている。長さ69センチ、重さは240~380グラム程度。材質はグラスファイバー、カーボン、アルミ、スチール、木などである。 * ボール:白または黄色、表面はフェルトで覆われている。直径6.35~6.67センチメートル、重さ56.7~58.5グラム。 * コート:サーフェスはグラス(芝)、クレー(土)、アンツーカー、ハード(コンクリート、ゴム)、グラスサンド(砂入り人工芝)など。縦23.77メートル、横10.97メートルで、中央に高さ107センチメートルのネットが張られている。 == テニス用語 == テニスの用語は、ロイヤルテニスで使われるフランス語の用語から命名されている。 *'''テニス''' (tennis) :[[フランス語]]の動詞tenirの命令形で、「受け取れ」 (hold) という意味の「テネ(zは発音せず)」 (tenez) に由来する。これはロイヤルテニスにおけるサーバー側のプレイヤーの掛け声であり、「サーブするぞ!」 (I am about to serve!) ということを意味する。[[ゴルフ]]で「フォア!」 (Fore!) というのと似ている。 *'''ラケット'''(Racquet) :フランス語の「raquette」からきているが、この語は[[アラビア語]]の[[手のひら]] (rakhat) に由来する。 *'''ガット'''(gut) :ラケットに張られている網。正式にはストリングスと言う。ガットの語源は「[[腸]]」。 *'''[[デュース]]''' (Deuce) :「両プレイヤーは同点」 (to both is the game、the two players have equal scores) を意味するフランス語の表現、「a deux le jeu」に由来する。 *'''ラブ''' (love) :[[卵]]を意味するフランス語、「l'oeuf」に由来する。ゼロの記号「0」が卵形をしていることから使われた。 :「15」「30」「40」というスコアの数え方は、中世のフランスでは[[60進法]]が採用されていたため、当初は、0、15、30、45であったものの、45の5が後に、60進法の廃れた代になって省略されるようになったものだいう説が有力である。また、「quinze」「trente」「quarante」という単語が由来するとも言われる。 *'''レット'''(let) :サーブの時、ボールがネットに当たってサービスエリア内に落ちること。もう一度そのサーブをやり直す権利がある。偶に「ネット」と誤ってコールする人がいる。 *'''サーブ''' ボールを空中に離し(「トス」と呼ぶ)、そのボールをラケットで打つこと。サーブによりボールを相手コートのサービスエリアに入れる事で、ゲームのポイントが開始される。「サービス」とも言う。サーブを打つ人を「サーバー」と呼ぶ。 多くの場合、トスは頭上に投げるが、それはサーブの威力を増すためである。トスは頭上でなくてもよい。野球のアンダースローのようにラケットを下から振り、ボールを打つ場合、アンダーサーブと呼ぶ。プロでも意表を突くときにアンダーサーブを打つ事がある。サーブしたボールを相手がリターンできない場合、「サービスエース」と呼ぶ。このとき相手がボールに触る事ができなかった場合、「ノータッチ・サービスエース」と呼ぶ。「ノータッチエース」と略す場合もある。 サーブに威力のある選手の場合、サーブはてっとり早くポイントを稼ぐのに良い武器となる。そのため、サーブの強化はテニスプレーヤーがいつも考えている課題のひとつでもある。 サーブの種類はボールの回転で分類されることが多く、「フラットサーブ」「スライスサーブ」「スピンサーブ」「トップスライスサーブ」と呼ばれる。 「フラットサーブ」はボールの回転が少なくスピードが速いサーブである。初心のうちはこれしか打てない。スピードが速いが確率が低いので、一発屋的なサーバーが好んで打つ。 「スライスサーブ」は右効きの場合、サーバーから見てボールは左に曲がりながら飛ぶ。軌道は低いが簡単に習得しやすいので、もっとも多用されるサーブでもある。プロの場合、大きく曲がるので「ノータッチエース」を取るためにも使われる。 「スピンサーブ」はバウンドした後、大きく弾む。さらに右利きのサーバーから見て右に弾ませる場合「キックサーブ」と呼ぶ。「スピンサーブ」はネットの上を高く超えるのでネットする確率は低く、また、大きく弾む事で「リターン」がしにくいので「セカンドサーブ」として打たれる事が多い。ただし習得には時間がかかり、スピンサーブが打てたら一人前みたいに思われ、初心者の仲間同士では尊敬される。ちなみに「キックサーブ」は漫画「テニスの王子様」の主人公、越前リョーマの必殺技の「ツイストサーブ」として紹介されたため、昔の呼び方とされる「(アメリカン)ツイストサーブ」と呼ばれることもある。本質的には同じものだが、近年のテニス雑誌においては「キックサーブよりも攻撃的なサーブがツイストサーブ」と差別化を図る動きもある為、依然、「キックサーブ」と「ツイストサーブ」の明確な定義の分け方は存在しない。 「トップスライスサーブ(またはスピンスライスサーブ)」はトップスピン回転とスライス回転を融合したサーブ。「トップスライスサーブ」の軌道はスピンサーブ同様ネットの上を高く超えるが、ボール着地後 の変化はスライスサーブのように右利きのサーバーからみて左に弾む。スピンサーブの持つ「ネットにかかりにくくサービス成功確率が上がる」点とスライスサーブの持つ「習得が容易」という利点をあわせもつ 一般的には「セカンドサーブ」として打たれることが多いが(特に女子やダブルスにおいて)、上級者またはプロレベルになるとトップスピンとスライススピンの割合を調整し、毎回異なる変化を作り出せることから、各種テニス雑誌において「サービスゲームキープ率アップの登竜門」的な見方がなされている。 ラケットの進化によりサーブの速度は毎年上がる傾向にある。その結果「ノータッチエース」が激増し、テニスが淡白になりつつある。このことはラリーによる戦略やあらゆるテクニックを楽しみにしているファンには物足りない傾向とも言える。 *'''リターン''' :サーブを返球すること。返球したボールがサーバーに触れずにポイントを得た場合「リターンエース」と呼ぶ。かつての[[ジミー・コナーズ]]は「リターンエース」を量産してリターンの天才と言われた。 *'''ボールボーイ'''(ボールパーソン) :テニスの試合中に、ラリーが終了したボールを拾う専門の係。多くの場合、そのための訓練を受けた子供たちが球拾いの仕事をする。 == 技術関連 == *[[/フォアハンド]] *[[/バックハンド]] *[[/ボレー]] *[[/サーブ]] *[[/スマッシュ]] *[[/フットワークの種類]] *[[/プレースタイル]] *[[/プロ選手にみる技術]] *[[/コート]] == トレーニング方法 == *[[/フットワーク関連]] *[[/ラケットワーク関連]] [[Category:スポーツ|てにす]]
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2021-06-04T00:30:33Z
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サッカー
プレイヤーは11人ずつの 2チームに分かれ、一つのボールを主に足を使って移動させ、自分のチームのゴールを守りつつ、相手のチームのゴールへ運ぶ。試合時間中にゴールに入れた回数の多い方のチームが勝ちとなる。 足以外でも手(腕)以外であれば使っても良い。手がボールに触れた場合は反則となる。各チームの中から一人だけ、ゴールキーパーと呼ばれる人が選出される。ゴールキーパーだけは基本的に自らのチームのゴール前に広がるペナルティエリア内に限って手を含む全身を使うことが許され、ゴールにボールを入れられないようにする。ゴールキーパーはペナルティエリアを出て、ボールを運ぶこともできるが、その場合は、他のプレイヤー同様に手などを使ってはならない。 詳細はサッカー/フィールドを参照 詳細はサッカー/ルールを参照 詳細はサッカー/技術を参照 大きく分けて次の4つのポジションがある。詳細はサッカー/ポジションを参照 詳細はサッカー/戦術を参照
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "プレイヤーは11人ずつの 2チームに分かれ、一つのボールを主に足を使って移動させ、自分のチームのゴールを守りつつ、相手のチームのゴールへ運ぶ。試合時間中にゴールに入れた回数の多い方のチームが勝ちとなる。", "title": "ルール" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "足以外でも手(腕)以外であれば使っても良い。手がボールに触れた場合は反則となる。各チームの中から一人だけ、ゴールキーパーと呼ばれる人が選出される。ゴールキーパーだけは基本的に自らのチームのゴール前に広がるペナルティエリア内に限って手を含む全身を使うことが許され、ゴールにボールを入れられないようにする。ゴールキーパーはペナルティエリアを出て、ボールを運ぶこともできるが、その場合は、他のプレイヤー同様に手などを使ってはならない。", "title": "ルール" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "詳細はサッカー/フィールドを参照", "title": "ルール" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "", "title": "ルール" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "詳細はサッカー/ルールを参照", "title": "ルール" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "詳細はサッカー/技術を参照", "title": "技術" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "大きく分けて次の4つのポジションがある。詳細はサッカー/ポジションを参照", "title": "ポジション" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "詳細はサッカー/戦術を参照", "title": "戦術" } ]
スポーツ > サッカー
{{Wikipedia|サッカー}} {{Commons|Soccer (association football)}} *[[スポーツ]] > サッカー == ルール == === 基本的な流れ === プレイヤーは11人ずつの 2チームに分かれ、一つのボールを主に足を使って移動させ、自分のチームのゴールを守りつつ、相手のチームのゴールへ運ぶ。試合時間中にゴールに入れた回数の多い方のチームが勝ちとなる。 足以外でも手(腕)以外であれば使っても良い。手がボールに触れた場合は反則となる。各チームの中から一人だけ、ゴールキーパーと呼ばれる人が選出される。ゴールキーパーだけは基本的に自らのチームのゴール前に広がるペナルティエリア内に限って手を含む全身を使うことが許され、ゴールにボールを入れられないようにする。ゴールキーパーはペナルティエリアを出て、ボールを運ぶこともできるが、その場合は、他のプレイヤー同様に手などを使ってはならない。 === 試合時間 === * 前後半45分の計90分。 ** 年齢、性別により変更できる。 * 途中の選手交代や負傷などによる中断時間を[[審判員 (サッカー)|審判員]]が独自に計測し、その分の余剰時間(アディショナルタイム)を付ける。 ** 一定以上の規模の試合では、第4の審判員が目安となる時間をタッチラインで明示する。 * 時間内に決着がつかなければ次のように取り扱われる。 *# 引き分け : 各国リーグではそのまま引き分けにする場合が多い。 *# [[延長戦]] : [[トーナメント]]戦で次のラウンドに進むチームを決める場合に行われる事が多い。 *# [[PK戦]] : 延長戦でも勝者が決しない場合に行われる。場合によっては延長戦行わずにPK戦となることもある。 === 出場人数 === *11人以下。但し、そのうち1人は必ずゴールキーパーであること。どちらかのチームが7人未満の場合は試合を行わない。 *FIFA、各大陸連盟、各国協会が行う公式競技会ではいかなる試合でも最大5人まで交代できる。 ** 親善試合などでは6人までの範囲で交代枠を増やすことができる(対戦者の合意があればさらに増やすことができる場合もある)。 === フィールド === [[画像:Football Field (ja).png|240px|thumb|フィールド]] 詳細は'''[[サッカー/フィールド]]'''を参照 * 大きさ : 縦105m×横68m(国際大会) * ライン : 12cm以下 * ゴールの大きさ : 7.32×2.44m(内側寸法)、柱12cm程度 * コーナーフラッグ : 高さ1.5m以上 * センターサークル : ゲームの開始時 (キックオフ) 、また、得点が入ったとき、ここの中心 (センターマーク) からプレイが始められる。相手側の選手がこのエリアにいるときは、キックオフすることができない。 * サイドライン : フィールドの側方に引かれたライン。ボールがこのラインからフィールドの外に出たとき、最後に触れた選手の相手方のチームにスローインが与えられる。 * ゴールライン : ゴール後方に引かれたライン。ボールがこのラインからフィールドの外に出たとき、最後に触れた選手が攻撃側の場合はゴールキック、守備側の場合はコーナーキックになる。 * ペナルティーエリア : このエリア内では、守備側のゴールキーパーがボールを手で扱える。また、守備側が直接フリーキック(FK)にあたる反則をした場合には、攻撃側にペナルティーキック (PK) が与えられる。{{-}} === 用具 === [[画像:Fussball.jpg|200px|right|thumb|サッカーのボール]] * [[サッカーボール|ボール]] ** 大きさ : 外周は68cm以上70cm以下 ** 重さ : 410g以上450g以下(試合開始時) ** 空気圧 : 0.6~1.1気圧 * シャツ * パンツ * ストッキング * [[スパイク]] * 脛当て(シンガード)(レガース) * グローブ(キーパー用) {{-}} === ルールに関する用語 === [[Image:Yellow-red card.svg|80px|right|イエローカードとレッドカード]] 詳細は'''[[サッカー/ルール]]'''を参照 * イエローカード:警告を告げる際に主審が提示するカード。同一試合に2枚で退場(レッドカード)となる。 * レッドカード:退場を告げる際に主審が提示するカード。 * アドバンテージ:守備側に反則があったが、その反則を取らずに流したほうが明らかに攻撃側に有利な場合 (例 守備側に後ろからのチャージがあって攻撃側選手が倒されたが、ボールがこぼれて他の攻撃側選手に渡り、得点のチャンスとなった場合等) はその時点での反則を取らないことがある。これをアドバンテージといい、主審は両手を上前方にあげるジェスチャーで示す。一方、それは反則をなかったことにするということではないので、ボールがタッチを割るなどしてプレーが切れたときに、その反則を犯した選手に警告や退場を命じることがある。 * オフサイド:相手側ゴールラインより前に相手側の選手が2人(GK含む)の時に、その選手の前でボールを受けること。または、ボールに関与する動きをすること。または、相手選手を邪魔すること。 [[Image:Soccer CK.jpg|200px|right|thumb|コーナーキック]] * フリーキック:反則を犯したチームへの罰として相手チームによって試合を再開させるキック。直接得点できる直接フリーキックと、ほかのプレーヤーに触れてからでないと得点できない間接フリーキックがある。フリーキックの際は、守備側選手は一定距離離れなければならないが、その距離が満たされていなくても攻撃側はキックでプレーを始めることができる。 * ペナルティーキック:ペナルティーエリア内で反則を犯したチームへの罰として相手チームによって試合を再開させるキック。 * コーナーキック:ゴールラインを割ったときに最後に触れた選手が守備側だった場合、フィールドの角を示すコーナーポストの位置から相手に邪魔されない形でキックすることができる。直接ゴールを狙ってもよい。 * ゴールキック:ゴールラインを割ったときに最後に触れた選手が攻撃側だった場合、守備側がゴールエリア内にボールを置いてキックで再開する。直接ゴールを狙ってもよい。 * スローイン:タッチラインを割ったときに最後に触れた選手の反対のチームが、ボールが割った位置で頭上で両手を使ってボールを投げ入れて試合を再開する。直接ゴールを狙うことはできない。スローインのボールはオフサイドの対象とならない。{{-}} ====ファウル及び不正行為==== * ハンドリング:プレイヤーが手でボールを扱う反則。故意や悪質と判断されたもの、決定的な得点の機会を阻止した(例 触らなければゴールになるシュートをフィールドプレイヤーが手で阻止した)場合には、警告や退場となる。一方、たとえばプレーに伴い、体のバランスを取るために手を広げていたところに相手の蹴ったボールが偶然当たったような場合は、手に明らかに当たっていても反則を取られない。 * キッキング:相手選手を蹴ること。または蹴ろうとすること。 * ストライキング:相手選手を打つこと。または打とうとすること。 * プッシング:相手選手を押すこと。 * ホールディング:相手選手を押さえること。 * トリッピング:相手選手を躓かせること。または躓かせようとすること。 * ジャンピングアット:相手選手に飛び掛ること。 * スピッティング:相手選手に唾を吐きかけること。 * ファールコンタクト:ボールを奪う為にタックルしようとしたときに、ボールより前に相手選手に接触すること。 * ファールチャージ:過剰な力でタックルを行ったり、非常に危険なタックルを行ったりすること。適切なショルダーチャージはファウルにならない。 * シミュレーション:相手選手との接触による転倒を模擬し、審判を欺こうとする行為。 == 技術 == 詳細は'''[[サッカー/技術]]'''を参照 * シュート:ゴールへ向かってボールを蹴ること。 * パス:ボールを足で蹴るなどして味方選手に渡すこと。 * ドリブル:ボールを蹴りながらボールとともに移動すること。 * ヘディング:頭でボールを叩いてパスやシュートを行うこと。 * トラップ:ボールを受け止めて、次の動きを行いやすい位置にボールを移動させること。 * フェイント : 相手選手にプレーの意図を読まれないようにするための動作。 * ポストプレイ:ゴールに背を向けて、相手選手を背負いながらボールをもらうこと。 * ボディシェイプ : 競技者の動きと身体の姿勢を表す概念。ボールを持っているとき持っていないとき関わらず、常によいボディシェイプで視野を確保することがいいプレーをするために非常に重要。 * オフ・ザ・ボール:ボールを持っていないときの動き * オーバーラップ:後ろにいる選手が前にいる選手を追い越す動き。或いはディフェンダーの攻撃参加のことをいう。 * インターセプト(パスカット):相手選手のパスなどを途中で止めてボールを奪うこと。 * マンマーク:1対1で特定の選手の守備につくこと。 * ショルダーチャージ:ボールを持っている選手に肩をぶつけてバランスを崩させること。 * スライディングタックル:ボールに足先から滑り込んで相手選手からボールを奪うこと。 * クリア: 敵が自陣内に攻め入った際、ボールを奪い安全地帯に逃すこと。 * チェッキング:ボールを持っている相手選手に素早くプレッシャーをかけること。 * ディレイ:相手選手が前に進もうとするのを遅らせること。 * カバー(カバーリング):1人の選手が抜かれたときに他の選手が助けに行くこと。或いはスペースを埋めること。 == ポジション == 大きく分けて次の4つのポジションがある。詳細は'''[[サッカー/ポジション]]'''を参照 * [[サッカー/ポジション/ゴールキーパー|ゴールキーパー]] (GK) : ゴールを守る選手。ペナルティエリア内に限るが、唯一手でボールを扱うことができる。 * [[サッカー/ポジション/ディフェンダー|ディフェンダー]] (DF) : 主に後方で守備を行う選手。 * [[サッカー/ポジション/ミッドフィールダー|ミッドフィールダー]] (MF) : 主に中盤で守備と攻撃とをつなぐ選手 * [[サッカー/ポジション/フォワード|フォワード]] (FW) : 主に前線で攻撃を行う選手。 == 戦術 == 詳細は'''[[サッカー/戦術]]'''を参照 * [[サッカー/戦術/カウンターアタック|カウンター・アタック]]: 相手からボールを奪取し、すぐさま攻撃に転じること。相手の守備陣形が整う前に攻撃を仕掛けるので大きな得点のチャンスとなる。 * ポジションチェンジ * サイドアタック: 主にウイングやサイドハーフの選手がボールを保持する攻撃。相手ゴール前に入り込む味方選手にクロスを送るか、サイドの選手が中に切り込んで自らシュートを打つパターンが多い。 * ラインディフェンス * オフサイドトラップ * プレッシング * マンマークディフェンス * ゾーンディフェンス * ゾーンプレス * フォアチェック * パワープレイ: フォワードを中心に前線に人数を増やし、前線を狙うパスを出して得点のチャンスを増やし、ゴールを狙うプレイのこと。試合終了間際にどうしても得点が欲しい時に使うことが多い。 == 用語 == === 選手・プレイに関するもの === * ストライカー:積極的にシュートを打ち得点を決める選手 * パサー(パッサー) : 上手にパスを出す選手 * ドリブラー:上手にドリブルする選手 * ファンタジスタ: トリッキーなプレーやアクロバティックなプレーをし観客を魅了する選手。 * ハードワーカー:味方のために激しく動き回って献身的なプレーをする選手。 * 守護神:ゴールを堅固に守ってくれる優秀なゴールキーパー。 * カードコレクター : イエローカードをよく出される選手。 * アシスト : 得点につながったラストパス。 * ハットトリック : 1試合個人3ゴールを達成すること。元々はクリケットの用語。 * マリーシア:ずる賢いプレー。 * 削る : 厳密にはファウルだが、見逃される位のボディコンタクト。特にスパイクの裏ですね辺りを蹴ったり膝を入れたりすること。激しく足をはらいに行く行為などもこう呼ぶ。この場合はもちろんファウルとなる。 * フリー : ボールを受ける際、近くに敵がいないこと。 * スペース:選手が誰もいない空間。 * ギャップ : ディフェンダーとディフェンダーの間にできる隙間。 * バイタルエリア * インテンシティ * アイコンタクト === その他 === * [[サッカー/サポーター|サポーター]] : サッカーファン・応援する人々。 * [[サッカー/フーリガン|フーリガン]] : 暴力的なサッカーファンのこと。 * [[サッカー/ダービーマッチ|ダービーマッチ]] : 同一都市に本拠地を置くチーム同士の対戦。 * 勝ち点:主にリーグ戦で導入されている。勝利で3点、引き分けで1点が割り振られる。敗北の場合は0点。全試合終了時に勝ち点が多いほど順位が上となる。 * 指揮官:監督のこと。 [[カテゴリ:球技|さつかあ]] [[Category:サッカー| ]]
2005-12-29T06:52:16Z
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野球
野球は二つのチームが対戦する競技。両者が交互に攻撃を9回ずつ行い、攻撃中に得た点数の合計点が多い方が勝者となる。9回ずつの攻撃で点数が等しい場合は、延長戦を行う、引き分けとするなどルール体系によって対応が分かれる。 一方のチームが攻撃している間、他方のチームは得点を阻止すべく守備を行う。攻撃と守備の一巡はイニングと呼ばれ、硬式野球では、1ゲームは9イニングからなる(1ゲームにおけるイニング数はルール体系によって異なる。1ゲーム7イニングの場合もある)。 ある一点から正方形(公式規定では一辺が27.431m。以後括弧の中の数値は全て公式規定)を描き、それぞれの角に目印となる塁を置く。中の一点は本塁(ホームベース)と呼び、以下反時計回り順に一塁(ファースト)・二塁(セカンド)・三塁(サード)と呼ぶ。本塁から二塁への線分上の真ん中付近(本塁から18.44mの位置)に板を置く。これは投手板(ピッチャーズプレート)と呼ばれる。本塁は五角形をしており、投手板は長方形、他は正方形である。これらは原則として白色である。 本塁と一塁とを結ぶ直線と本塁と三塁を結ぶ直線との二塁側の間をフェアゾーンと呼び、それ以外をファウルゾーンと呼ぶ。本塁と一塁・三塁を結ぶ直線をファウルラインと呼ぶ。なお、ファウルライン上の部分はフェアゾーンとなる。 9人以上の2チームに分かれ、先攻・後攻を決定する。先攻・後攻の決定方法は、ルール体系などにより異なる。両チームはあらかじめ9人の攻撃時の打順と、守備時の守備位置を決定しておく。投手の代わりに打つ指名打者(DH)ルールを使用する場合には、あわせて指名打者とその打順も決定しておく。 守備の際の所定の位置は、およそ次の図および解説に示すとおりである。 ただしこれらの位置は投手と捕手以外は状況により常に移動する。また投手と捕手以外は投手の投球前にフェアゾーン内であれば、打者の邪魔をしない限りどこにいても良い。 バウンドせずに球が出た場合はホームラン(本塁打)となり、打者は4つの進塁をする権利(すなわち本塁まで進塁する権利)を得る。バウンドした後に出た場合はエンタイトルツーベースとなり、打者は2つの進塁をする権利を得る。 捕った場所がフェアゾーン・ファウルゾーンであるかを問わず、その時点で打者はアウトとなる。このとき高く上がったものをフライ、水平に飛んだものをライナーという。 打球の飛んだ方向などにより、審判員によって打球がファウルボールかフェアボールの判定がなされ、その判定により下記のようになる(ファウルボールおよびフェアボールの詳しいルールは、上記のリンク先を参照されたい)。 野手の失策や野手選択によらずに一塁に達した場合を、安打という。 打者が四球・死球や安打などで出塁した場合は走者となる。走者は一塁・二塁・三塁・本塁の順番に進み、本塁まで進塁した時は攻撃側に1点が加算される。走者は常に進塁を試みることが出来るが、走者が塁に体の一部を触れさせていない状態で守備側の選手が持つ球(あるいは球を持ったグローブ)に触れられる(タッチ)とアウトになる。野手からのタッチを避けるために塁と塁とを結ぶラインから3フィート(91センチ)以上離れた場合もアウトになる。また、走者は自分の前を走る走者を追い越してはならず、これに反してもアウトとなる。 四球・死球などで打者が一つ以上の塁を進塁する権利を得た場合、その進塁する塁上にいた走者は順次打者と同じだけ進塁する権利を得る。更にその走者が進塁する塁上にいた走者も同じだけ進塁する権利を得る。これに該当しない走者は進塁できない。すべての塁に走者がいる(満塁)状態で四球・死球となった場合、三塁走者が本塁に進塁する権利を得るため、1点が加えられることになる。これは押し出しと呼ばれる。なおホームランやエンタイトルツーベースの場合は、塁上にいるすべての走者に打者と同じ数だけ進塁する権利が与えられる。 一塁走者がいる場合に打者が球を打ち、一塁に走ってきた時には一塁走者は二塁への進塁を試みなければならない。このとき二塁にも走者があれば二塁走者も三塁へ、さらに三塁にも走者があれば三塁走者も本塁へ、それぞれ進塁を試みなければならない。このように、必ず走者が進塁しなければならない状態のことをフォースプレイという。フォースプレイのとき、打者を含めた走者が次のベースに触れるまでの間に とアウトになる。フォースプレイの状態で上記のアウトになることをフォースアウト(封殺)という。ある走者がフォースアウトとなったとき、その走者より前を走る走者はフォースの状態からとかれるので、フォースアウトとなることはない(例えばベースに球を触れられても、それだけではアウトにならない)。 また、フライやライナーを捕球されてアウトとなった場合、捕球後に走者はその打者が打つ直前にいた塁に触れ直さなければならない。触れ直す前に守備側にタッチされた場合、またはボールを持った野手がその塁に触れた場合、走者はそこでアウトとなる。触れ直した後であれば、アウトになる危険を冒して進塁を試みることができる(これをタッチアップという)。 アウトが3つになったら攻守交替をする。 先攻側の攻撃を表、後攻側の攻撃を裏と言い、これを1セットとしてあらかじめ決めておいた回数(一般的には9回)繰り返し、終わった時点で得点の多いほうが勝者となる。 選手の交代は、一旦審判にタイムを要請した後に任意の選手交代をする事が出来る。控え選手と交代させる場合、交代させられた選手は二度とその試合に参加できない。普通は交代できる控え選手の上限をあらかじめ決めておく。また公式戦では交代要員の数はルールに決められており、あらかじめ登録しておかなければならない。交代要員無しで行ってもかまわない。 打者が交代する場合は代打(ピンチヒッター)と呼ばれ、走者が交代する時は代走(ピンチランナー)投手が交代する時はリリーフと呼ばれる。アマチュアでは少ないが、プロやセミプロなどでは投手には役割分担が為されている。この理由には投手の体力の点が大きいが、投手の投げる球に打者の目が慣れる事で打たれやすくなる事から、細かく投手を交代する事でアウトを取ろうと言う理由もある。それぞれの役割ごとに先発(スターター)、中継ぎ(セットアッパー)、抑え(ストッパー、クローザー)と呼ばれる。先発は最初から6、7回程までを投げ、その後に中継ぎが1、2回を投げ、最後の1回を抑えが投げる。この数字は固定したものではなく、先発が最後まで投げ切る(完投)事もあるし、中継ぎを使わない場合もある。 Wikipedia版:野球の記事説明やリンク先に詳細な説明がされています。
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スポーツ > 野球
{{Wikipedia|野球}} {{Commons|Baseball}} *[[スポーツ]] > 野球 ==ゲームの目的== 野球は二つのチームが対戦する競技。両者が交互に'''攻撃'''を9回ずつ行い、攻撃中に得た点数の合計点が多い方が勝者となる。9回ずつの攻撃で点数が等しい場合は、延長戦を行う、引き分けとするなどルール体系によって対応が分かれる。 一方のチームが攻撃している間、他方のチームは得点を阻止すべく'''守備'''を行う。攻撃と守備の一巡は'''イニング'''と呼ばれ、硬式野球では、1ゲームは9イニングからなる(1ゲームにおけるイニング数はルール体系によって異なる。1ゲーム7イニングの場合もある)。 ==[[野球場]]の概要== ある一点から正方形(公式規定では一辺が27.431m。以後括弧の中の数値は全て公式規定)を描き、それぞれの角に目印となる'''塁'''を置く。中の一点は本塁(ホームベース)と呼び、以下反時計回り順に一塁(ファースト)・二塁(セカンド)・三塁(サード)と呼ぶ。本塁から二塁への線分上の真ん中付近(本塁から18.44mの位置)に板を置く。これは投手板(ピッチャーズプレート)と呼ばれる。本塁は五角形をしており、投手板は長方形、他は正方形である。これらは原則として白色である。 本塁と一塁とを結ぶ直線と本塁と三塁を結ぶ直線との二塁側の間をフェアゾーンと呼び、それ以外をファウルゾーンと呼ぶ。本塁と一塁・三塁を結ぶ直線をファウルラインと呼ぶ。なお、ファウルライン上の部分はフェアゾーンとなる。 ==試合== ===試合開始までの準備=== 9人以上の2チームに分かれ、先攻・後攻を決定する。先攻・後攻の決定方法は、ルール体系などにより異なる。両チームはあらかじめ9人の攻撃時の[[打順]]と、守備時の守備位置を決定しておく。投手の代わりに打つ[[指名打者]](DH)ルールを使用する場合には、あわせて指名打者とその打順も決定しておく。 ===守備位置=== 守備の際の所定の位置は、およそ次の図および解説に示すとおりである。 *[[投手]](ピッチャー) プレートの上に立つ。 *[[捕手]](キャッチャー) 本塁の少し後ろに位置する。 *[[一塁手]](ファースト) 一塁の付近に立つ。 *[[二塁手]](セカンド) 二塁から一塁に少し寄った所に立つ。 *[[三塁手]](サード) 三塁の付近に立つ。 *[[遊撃手]](ショートストップ) 二塁から三塁に少し寄った所に立つ。 *[[左翼手]](レフト) 遊撃手の後方に立つ。 *[[中堅手]](センター) 二塁の後方に立つ。 *[[右翼手]](ライト) 二塁手の後方に立つ。 ただしこれらの位置は投手と捕手以外は状況により常に移動する。また投手と捕手以外は投手の投球前にフェアゾーン内であれば、打者の邪魔をしない限りどこにいても良い。 ===投手対打者=== *投手は[[マウンド]]から、18.44メートル先にいる捕手に向かってボールを投げる(投球という)。 *打者は[[バッターボックス]]の中からそのボールを[[バット_(野球)|バット]]を使って打つ([[バッティング]])。ただし、実際にボールを打つかどうかは、打者の判断に任される。 *打者が打たなかった(打てなかった)場合は、球審により[[ストライク (野球)|ストライク]]または[[ボール (野球)|ボール]]が宣告される。 **次の条件に当たるものをストライクという。 ***打者がバットを振ったがボールがバットに当たらなかった場合([[空振り]]という)。 ***投手の投げたボールが[[ホームベース]]の上で、かつ、打者の膝より上、胸よりも下の高さ([[ストライクゾーン]])を通過した場合。打者が振らずにストライクになった場合を'''見逃し'''という。 ***打者のバットにボールが当たったものの、かすった程度や多少投球のコースが変化した程度である場合で、かつ、捕手がそれを地面につかない状態で捕球した場合。 **ストライクの条件のいずれにも当てはまらない投球を'''ボール'''という。 *同じ打席でストライクが3回に達することを[[三振]]といい、打者はアウトになる。ただし、一塁に走者がいないときかアウトカウントが2つのときに、捕手が投球を正規に捕球できなかった場合には、打者は直ちにアウトとはならず、走者として一塁に向けて走ることができる。この場合、守備側は打者走者にボールをタッチするか、打者走者が一塁に達する前に一塁に送球しなければアウトは成立しない(日本ではこれを'''[[振り逃げ]]'''という)。<!-- なお、2アウトで走者が一塁にいる際は、[[刺殺]]が成立する。--> *同じ打席でボールが4回に達することを[[四球]](フォアボール)という。打者はアウトにされることなく一塁に進むことができる。 *投球が打者に当たった場合を[[死球]](デッドボール)という。打者はアウトにされることなく一塁に進むことができる。ただし、投球がストライクゾーンを通過した場合や、打者が空振りした場合はストライクである。 *打者がボールを打った場合は、次節に示すルールに基づく。 *打者がアウトになるか、走者として一塁に達したら、次の打者の打順となる。 *以上を攻撃側のアウトが3つに達するまで行い、アウトが3つになったら攻守を交代する。 ===打者が打った場合のルール=== ;フェアゾーン内のフェンスの向こう側や川など、これ以上球を選手が追っていけない所に打者が打ったボール(打球)が出た場合 バウンドせずに球が出た場合は'''[[ホームラン]]'''(本塁打)となり、打者は4つの進塁をする権利(すなわち本塁まで進塁する権利)を得る。バウンドした後に出た場合は'''[[エンタイトルツーベース]]'''となり、打者は2つの進塁をする権利を得る。 ;打球がグラウンドに一度もバウンド(着地)せずに守備側の選手(野手)が捕球した場合 捕った場所がフェアゾーン・ファウルゾーンであるかを問わず、その時点で打者は[[アウト]]となる。このとき高く上がったものを'''[[飛球|フライ]]'''、水平に飛んだものを'''ライナー'''という。 ;上記以外の場合 打球の飛んだ方向などにより、審判員によって打球が[[ファウルボール]]か[[フェアボール]]の判定がなされ、その判定により下記のようになる(ファウルボールおよびフェアボールの詳しいルールは、上記のリンク先を参照されたい)。 *打球が'''ファウルボール'''になった場合 :走者などを元の状態に戻し、投球をやり直す。このとき打者にストライクが1つ追加される(ただしすでに2つストライクがある場合は数えない)。 *打球が'''フェアボール'''になった場合 :打者は走者として一塁へ進まなければならない。この間に、下の'''走者'''の節で説明するフォースアウトの状態になると、打者はアウトとなる。途中で障害物(審判、フェンス、塁など)に球が当たった場合はその真下の地点でバウンドしたとみなされる。アウトにされることなく一塁に到達すれば、打者は一塁の上で安全に待機することが出来る。また、アウトになる危険を冒して更に二塁、三塁、本塁への進塁を試みることも出来る。 野手の[[失策]]や[[野手選択]]によらずに一塁に達した場合を、[[安打]]という。 ===[[走者]]=== 打者が四球・死球や安打などで出塁した場合は走者となる。走者は一塁・二塁・三塁・本塁の順番に進み、本塁まで進塁した時は攻撃側に1点が加算される。走者は常に進塁を試みることが出来るが、走者が塁に体の一部を触れさせていない状態で守備側の選手が持つ球(あるいは球を持ったグローブ)に触れられる(タッチ)とアウトになる。野手からのタッチを避けるために塁と塁とを結ぶラインから3フィート(91センチ)以上離れた場合もアウトになる。また、走者は自分の前を走る走者を追い越してはならず、これに反してもアウトとなる。 四球・死球などで打者が一つ以上の塁を進塁する権利を得た場合、その進塁する塁上にいた走者は順次打者と同じだけ進塁する権利を得る。更にその走者が進塁する塁上にいた走者も同じだけ進塁する権利を得る。これに該当しない走者は進塁できない。すべての塁に走者がいる(満塁)状態で四球・死球となった場合、三塁走者が本塁に進塁する権利を得るため、1点が加えられることになる。これは'''押し出し'''と呼ばれる。なおホームランやエンタイトルツーベースの場合は、塁上にいるすべての走者に打者と同じ数だけ進塁する権利が与えられる。 一塁走者がいる場合に打者が球を打ち、一塁に走ってきた時には一塁走者は二塁への進塁を試みなければならない。このとき二塁にも走者があれば二塁走者も三塁へ、さらに三塁にも走者があれば三塁走者も本塁へ、それぞれ進塁を試みなければならない。このように、必ず走者が進塁しなければならない状態のことを'''[[フォースプレイ]]'''という。フォースプレイのとき、打者を含めた走者が次のベースに触れるまでの間に #守備側によって選手が持った球(もしくは球を持ったグローブ)にタッチされる #球を持った選手が、走者が進まなければならない次のベースに、球(もしくは球を持ったグローブ)あるいは体の一部を触れさせる(ベースタッチする) とアウトになる。フォースプレイの状態で上記のアウトになることを'''フォースアウト'''(封殺)という。ある走者がフォースアウトとなったとき、その走者より前を走る走者はフォースの状態からとかれるので、フォースアウトとなることはない(例えばベースに球を触れられても、それだけではアウトにならない)。 また、フライやライナーを捕球されてアウトとなった場合、捕球後に走者はその打者が打つ直前にいた塁に触れ直さなければならない。触れ直す前に守備側にタッチされた場合、またはボールを持った野手がその塁に触れた場合、走者はそこでアウトとなる。触れ直した後であれば、アウトになる危険を冒して進塁を試みることができる(これを[[タッチアップ]]という)。 ===攻守交替=== アウトが3つになったら攻守交替をする。 ===試合終了=== 先攻側の攻撃を表、後攻側の攻撃を裏と言い、これを1セットとしてあらかじめ決めておいた回数(一般的には9回)繰り返し、終わった時点で得点の多いほうが勝者となる。 *最終回の表が終了した時点で後攻側の得点が先攻側を上回っている場合、最終回の裏を行うことなく試合終了となる。 *最終回の表が終了した時点で、先攻側の得点が後攻側を上回っているか、または先攻側・後攻側の得点が等しい場合は最終回の裏を行う。最終回の裏の後攻側の攻撃で、後攻側の得点が先攻側を上回った場合、その時点で直ちに試合終了となる。これを'''[[サヨナラゲーム]]'''という。先攻側の立場で言えば「サヨナラ負け」、後攻側の立場では「サヨナラ勝ち」、安打によって入った得点による場合は「サヨナラ安打」などというように使う。 *最終回の裏が終了した時点で先攻側・後攻側の得点が等しい場合は延長戦を行い、勝負を決定する。ただし、延長戦をどこまで行うかは各リーグにより異なる。規定回数(もしくは規定試合時間)まで行ってもなお得点が等しい場合は引き分けとなる。 *降雨・天災・日没などで試合続行が困難になった場合、最終回まで達していなくても'''[[コールドゲーム]]'''が宣告され試合終了となることがある。コールドゲームは、各リーグのルール・試合進行状況などで試合として有効か無効かが決定される。 *途中に怪我などでチームの人数が9人以下となった場合は棄権負けとなる。 ===選手交代=== 選手の交代は、一旦審判に'''タイム'''を要請した後に任意の選手交代をする事が出来る。控え選手と交代させる場合、交代させられた選手は二度とその試合に参加できない。普通は交代できる控え選手の上限をあらかじめ決めておく。また公式戦では交代要員の数はルールに決められており、あらかじめ登録しておかなければならない。交代要員無しで行ってもかまわない。 打者が交代する場合は'''[[代打]]'''(ピンチヒッター)と呼ばれ、走者が交代する時は'''[[代走]]'''(ピンチランナー)投手が交代する時はリリーフと呼ばれる。アマチュアでは少ないが、プロやセミプロなどでは投手には役割分担が為されている。この理由には投手の体力の点が大きいが、投手の投げる球に打者の目が慣れる事で打たれやすくなる事から、細かく投手を交代する事でアウトを取ろうと言う理由もある。それぞれの役割ごとに先発(スターター)、中継ぎ(セットアッパー)、抑え(ストッパー、クローザー)と呼ばれる。先発は最初から6、7回程までを投げ、その後に中継ぎが1、2回を投げ、最後の1回を抑えが投げる。この数字は固定したものではなく、先発が最後まで投げ切る(完投)事もあるし、中継ぎを使わない場合もある。 ==野球競技の実際== [[w:野球|Wikipedia版:野球]]の記事説明やリンク先に詳細な説明がされています。 [[カテゴリ:球技|やきゆう]] [[en:Baseball]] [[it:Baseball]] [[pa:ਬੇਸਬਾਲ]]
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2022-12-28T12:40:25Z
[ "テンプレート:Wikipedia", "テンプレート:Commons" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E9%87%8E%E7%90%83
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チェス/チェスとは
チェスは将棋と違い、以下の場合引き分けとなる。 以下の手は反則であり指すことはできない。
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== ルール == === 用具 === [[Image:Staunton chess set.jpg|thumb|right|標準的なチェスセットと対局時計]] * [[w:チェスボード|チェスボード]](チェス盤) - 縦横8マスずつに区切られ、白と黒(またはそれに代わる濃色と淡色)で[[w:市松模様|市松模様]]に塗り分けられた盤。 * [[w:駒|駒]] - [[w:キング (チェス)|キング]](King)・[[w:クイーン (チェス)|クイーン]](Queen)・[[w:ビショップ|ビショップ]](Bishop)・[[w:ナイト (チェス)|ナイト]](Knight)・[[w:ルーク|ルーク]](Rook)・[[w:ポーン|ポーン]](Pawn)の6種類。それぞれ動きが決まっている。([[w:チェス#駒の動き|駒の動き]]参照) ** このうちポーンとキングを除く4種類を特に(狭義の)'''ピース'''(役駒)という。 ** 役駒のうちクイーンとルークを[[w:大駒|大駒]]('''メジャーピース''')、ビショップとナイトを[[w:小駒|小駒]]('''マイナーピース''')と呼ぶ。 * 正式な対局では対局者自身による[[w:棋譜|棋譜]]の記録が求められる。 * [[w:持ち時間|持ち時間]]制の対局では[[w:対局時計|対局時計]]が使用される。 === 基本ルール === * ゲームはチェスボードの盤上で行う。 * 競技者双方は交互に、盤上にある自分の駒を一回ずつ動かす。 * ナイトを除き、他の駒を飛び越して移動することはできない。 * 自分の駒を動かすとき、移動先のマスに相手の駒があればその駒を取り、取った駒の在ったマスへ移動する。一度取られた駒は盤上から除去する。 * 競技者は相手のキングを[[w:チェックメイト|チェックメイト]]([[w:詰み|詰み]])することを目指す。(詳細は勝敗の決め方を参照) * 特殊なルール(駒の動きで説明) ** キャスリング ** プロモーション ** アンパッサン === 駒の初期位置 === * チェスボードは、右下が白マス(薄い色のマス)になるように置く。 * 開始時には駒を次のように並べる。   [[File:AAA_SVG_Chessboard_and_chess_pieces_02.svg|300px]] * 上図のように、盤面を図として表示する場合、下側が白(先手)、上側が黒(後手)となる。 ** 白から見て、チェスボードの左下のマスを基点とし、横方向にa、b、c、…、h、縦方向に1、2、3、…、8 とマス目の位置を表す座標が決められている。縦の列のことを'''ファイル'''と呼び、横の列のことを'''ランク'''という。チェスの棋譜はこの座標を使って表される。 ** またチェスの棋譜では、キングは'''K'''、クイーンは'''Q'''、ルークは'''R'''、ビショップは'''B'''、ナイトは'''N'''で表される。(通常ポーンは何も書かないことで表される) * キングとクイーンは自分から見て一番手前の列の中央に配する。この時、キングは自分の駒と異なる色(視覚的に目立つためとされる)のマスに、クイーンは自分の駒と同じ色("Queen on her own color"と言われる)のマスに配する。結果として、キング同士、クイーン同士が向かい合う配置となる。 === 駒の動き === ==== [[w:キング (チェス)|キング]](K) ==== {| border="1" cellspacing="0" cellpadding="3" |- |- |width=18| ||width=18| ||width=18| ||width=18| ||width=18|  |- | ||○||○||○||  |- | ||○||'''K'''||○||  |- | ||○||○||○||  |- | || || || ||  |} * 周りに1マス動ける。 * 何もしなければ相手にキングを取られてしまう状態を'''チェック'''という。 * 自分のキングにチェックをかけられると、必ずそれを回避する手を指さなければならない。次のような手で回避する。 ** キングにチェックをかけている駒を取る。 ** キングをチェックのかからないマスに移動させる。 ** 相手の駒の利き筋に自駒を移動させる。 * 次の条件を満たす場合、キングを横に2マス移動し、移動した方向のルークをキングの逆隣(aファイルのルークならdファイル、hファイルのルークならfファイル)に動かすことができる。('''キャスリング''') ** キングと移動する方のルークとの間に他の駒がない。 ** キングと移動する方のルークがともに初期位置から一度も動いていない。 ** キングにチェックがかかっていない。 ** キングの移動するルート上に相手の駒が利いていない。 ==== [[w:クイーン (チェス)|クイーン]](Q) ==== {| border="1" cellspacing="0" cellpadding="3" |- |- |width=18|\||width=18| ||width=18||||width=18| ||width=18|/ |- | ||\|||||/||  |- |―||―||'''Q'''||―||― |- | ||/|||||\||  |- |/|| ||||| ||\ |} * 縦横斜め方向にどこまでも動ける。 ==== [[w:ビショップ|ビショップ]](B) ==== {| border="1" cellspacing="0" cellpadding="3" |- |- |width=18|\||width=18| ||width=18| ||width=18| ||width=18|/ |- | ||\|| ||/||  |- | || ||'''B'''|| ||  |- | ||/|| ||\||  |- |/|| || || ||\ |} * 斜め方向にどこまでも動ける。 ==== [[w:ナイト (チェス)|ナイト]](N) ==== {| border="1" cellspacing="0" cellpadding="3" |- |- |width=18| ||width=18|☆||width=18| ||width=18|☆||width=18|  |- |☆|| || || ||☆ |- | || ||'''N'''|| ||  |- |☆|| || || ||☆ |- | ||☆|| ||☆||  |} * 前(後)へ2マス、横へ1マスの位置、または横へ2マス、前(後)へ1マスの位置に移動できる。 ** 現在いるマスと異なる色のマスに移動することになる。 * その際、他の駒を飛び越えて移動する。 ==== [[w:ルーク|ルーク]](R) ==== {| border="1" cellspacing="0" cellpadding="3" |- |- |width=18| ||width=18| ||width=18||||width=18| ||width=18|  |- | || ||||| ||  |- |―||―||'''R'''||―||― |- | || ||||| ||  |- | || ||||| ||  |} * 縦横方向にどこまでも動ける。 ==== [[w:ポーン|ポーン]](P) ==== {| border="1" cellspacing="0" cellpadding="3" |- |- |width=18| ||width=18| ||width=18| ||width=18| ||width=18|  |- | ||×||○||×||  |- | || ||'''P'''|| ||  |- | || || || ||  |- | || || || ||  |} * 前方に1マス動ける。 ** 初期位置にある場合のみ、2マス前に進むこともできる。 * 駒を取るときにのみ斜め前に動く。(図中の×) * ポーンが相手の最終ランク(白なら8ランク、黒なら1ランク)に達すると、キングとポーンを除く4種類の駒のうち任意のものに成らなければならない。ちなみに、多くの場合はクイーンに成る。('''プロモーション''') * 白のポーンが5ランク(黒なら4ランク)にある時に、移動前の黒(白)ポーンが2マス前へ移動して相手に獲られるのを避けた場合、その黒(白)ポーンの移動の直後であるなら白(黒)ポーンは黒(白)ポーンを取りながら斜め前に進むことができる。('''アンパッサン''') === ゲームの始め方 === * 常に白が先手になる。 * 片方の競技者が両手にそれぞれ白と黒のポーンを一つずつ握る。その後、もう一方の競技者が右手か左手かを選び、選んだ手の中にあるほうの色の駒を使う。 * 公式試合などで同一の相手と複数回(通常は偶数)のゲームをするときは、両者が白・黒を交互にもつ。 === 勝敗の決め方 === * どちらか一方が、チェックがかかっていてかつ、ルール上可能な着手がなくなったとき、負けとなる。すなわち、相手のキングを追い詰め、チェックの回避ができない状態にすれば勝ちである。この状態を'''チェックメイト'''(詰み)という。 * どちらか一方が、自分の手番のときに'''リザイン'''([[w:投了|投了]])することで負けとなる。たいていの場合、自分のキングが詰み筋に入った場合や、駒損が多く引き分けにも持ち込めない場合にリザインする。キングを倒すことで、リザインの意を表す。 * [[w:持ち時間|持ち時間]]制の場合、持ち時間が切れると負けになる。 ==== 引き分けについて ==== チェスは将棋と違い、以下の場合引き分けとなる。 * 自分の手番で、自分のキングにチェックはかかっていないが、合法手がない場合。([[w:ステイルメイト|ステイルメイト]]) * 双方に相手のキングをチェックメイトできる駒がなくなったとき。次の駒の組合せの場合、たとえ相手の駒がキングだけであってもチェックメイトできない。 ** キング+ビショップ ** キング+ナイト ** (キング+ナイト+ナイト)(理論的には可能。ただし、そのためにはチェックメイトされる側がチェックメイトされるように動く必要がある。) * 同一局面が3回現れた場合。([[w:千日手|千日手]]) ** 連続チェックでの千日手は特に'''パペチュアルチェック'''という。 * 50手連続して両者ともポーンを動かす、相手の駒を取る、という事がない時。(50手ルール) ** 双方が1回ずつ動かしたとき1手と数える。したがって、100回の動き。 * 一方が引き分けを提案し、相手がそれを了承したとき。 === 反則 === 以下の手は反則であり指すことはできない。 * 自らの着手の後、自分のキングがチェックのかかった状態にあってはいけない。すなわち、相手にチェックされた場合はチェックを回避しなければならないし、キングを相手の駒の利きに移動してはならない。もしそのような手を指しても、その手は無効手となる。('''イリーガルムーブ''') * その他、基本ルールに反する行為として、2手続けて指す、ポーンが成れない状況で成る、ポーンが成った駒を再びポーンの状態に戻す、なども反則と考えられ、無効となる。 * 一度手を触れた駒は上記の手を除き、必ず動かさなければならない場合もある。('''タッチアンドムーブ''') [[Category:チェス|*]]
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2018-08-13T06:08:51Z
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将棋/将棋とは
上の表では便宜的に成銀を「全」、成桂を「圭」、成香を「杏」と表示している。この表記は、将棋駒の活字がない環境で(特に詰将棋で)しばしば用いられる。成銀を「全」、成桂を「今」、成香を「仝」、と金を「个」で表す流儀もある。 対局者の棋力の差によって手合割がある程度決まってくる。 棋力が同じくらいの場合、平手戦とする。平手戦の場合、開始時には駒を次のように並べる。 先手から見て、将棋盤の右上のマスを基点とし、横方向に1、2、3、...、9、縦方向に一、二、三、...、九とマス目の位置を表す座標が決められている。棋譜はこの数字を用いて表現される。また、先手は▲、後手は△で示すのが一般的である。 先手・後手は、棋力が同じ程度の者同士であれば振り駒により決定することが多い。棋力に多少差がある場合には弱い者が先手をもつ。棋力の差が非常に大きく、平手では勝負にならない場合、ハンデをつけた駒落ち戦とする場合もある。 駒落ち戦の場合、駒を落とした方を上手(うわて)、落とされた方を下手(したて)という。駒落ち戦では上手から指し始める。 将棋の戦法一覧(将棋の戦法一覧)、将棋の格言なども参照のこと。 一局の対局はおおよそ100手前後(先手・後手それぞれの着手を1手と数える)で勝負がつくが、対局全体を大きく以下の3つに分けることができる。ただし、何手目までが序盤であるかなど、明確な線を引くことは通常はできない。 序盤戦はまず自軍の陣形を整えることから始まる。多くは定跡化されており、その知識と研究に加えて、相手の動きを見ながら先々の有利を見据える大局観が重要となる。詳しくは将棋の戦法一覧を参照のこと。 初手は角道を開ける▲7六歩か飛車先の歩を突く▲2六歩のどちらかが常識とされ、ほとんどの対局はこのどちらかで開始される。 基本的には金や銀を使って玉の守りを固め(囲い)ながら、歩や銀、桂、大駒を繰り出して敵を攻める体勢を作ることになる。囲いを簡略化してすぐに攻めに入ることを急戦といい、じっくりと固めてから戦いに入ることを持久戦という。 戦法は、飛車を初期位置から動かさずに攻める居飛車と、左へ動かして展開する振り飛車の二通りに大別され、それぞれに定跡が研究されている。ほとんどの将棋指しは居飛車を好む「居飛車党」と振り飛車を好む「振り飛車党」のどちらかに大別されるほどである。 双方が囲い合い、駒のぶつかり合いが始まると中盤戦に突入する。 中盤戦は、駒を取り合い、敵陣に切り込んで相手の囲いを崩しに行く戦いになる。駒の損得と働きが重要になる。 銀、桂、歩などを繰り出しながら相手の駒を攻めて駒得を狙い、敵陣に攻め入って龍、馬やと金などを作って相手玉の囲いを脅かすこと、またそのような相手の攻めを防ぐ(受ける)攻防が主となる。攻めと受けのどちらに主眼をおくかによって個人の棋風が良く現れる部分である。 一方または両方の囲いが崩れ出すと、終盤戦に突入する。 終盤戦では、いよいよ相手の玉を詰ましに行く(寄せる)戦いになる。駒得よりも玉を寄せるスピードが重要となり、正確な読みの力が重要となる。コンピュータが得意とする部分でもある。この段階では、ある駒の利きをふさいでる駒(邪魔駒という)も多々見られるようになる。 囲いを崩しながら相手玉に迫り、詰めろをかけ続け、最終的には詰将棋のように王手の連続で詰みまで持って行くことになる。お互いに玉に迫りあっている場合、相手への詰めろを一手外すと逆に自玉にかけ返されてしまうので、一手の緩手で勝敗がひっくり返ってしまうこともある重要な局面である。 一方的な場合は詰められるのを逃れるために逃げ道を確保する。入玉を目指し早めに逃げることもある。 玉将は別格として、駒の価値はおおむね次のような順であるとされている。 飛車と角行を大駒といい、それ以外を小駒という。ただで相手の駒を手に入れたり、価値の低い駒を捨てるかわりに価値の高い駒を手に入れたりすることを駒得(こまどく)といい、一般的には有利になる。その反対は駒損(こまぞん)という。同列の中では角行より飛車、銀将より金将の方がわずかに価値が高いとされるが、それは状況により変化する。序盤の角と飛車の交換は角の方が有利ともされる。 角と銀+桂など、大駒1枚と歩以外の小駒2枚を交換することを二枚替えといい、一般的には小駒2枚を得た側が有利とされる。ただし大駒と桂香2枚の交換では大駒を得た側が有利になりやすい。 交換した駒は再利用することが前提なので、成駒と元の駒の価値は交換に関してはあまり変わらない。また持ち駒をすぐに敵陣近くに打ち込めるため、成りが目前の歩だからといって特に価値が跳ね上がるようなこともない。チェスのポーンが二段目、七段目、クイーン昇格後で価値が全く異なるのとは対照的である。 これらの駒の価値は中盤戦で特に意識される。終盤では駒得より詰ますスピードが重要なため、あまり重視されない。 簡単な将棋AIは駒の価値を数の大きさで表し、先の手を読んで駒の価値の総和が最も高くなる手を選ぶことで実装できる。
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== ルール == === 基本ルール === [[ファイル:Shogi_Ban_Koma.jpg|thumb|将棋の盤と駒。手前側の駒はゲーム開始時の状態、向こう側の駒は位置は同じで裏返しにして配置している]] * 縦横9マスずつに区切られた'''[[w:将棋盤|将棋盤]]'''の上で行う。 * 競技者双方が交互に、盤上にある自分の[[w:将棋の駒|駒]]を一回ずつ動かす(「指す」と表現する)か、既に取った相手の駒([[w:持ち駒|持ち駒]])を一つ盤上に置く(「打つ」と表現する)かどちらかをすることができる。持ち駒を打つときは成っていない状態で配置する。成った状態の駒を打つことはできない。 * 駒は、[[w:玉将|玉将]](玉、ぎょく)または[[w:王将 (駒)|王将]](王、おう)・[[w:飛車|飛車]](飛、ひしゃ)・[[w:角行|角行]](角、かくぎょう)・[[w:金将|金将]](金、きん、きんしょう)・[[w:銀将|銀将]](銀、ぎん、ぎんしょう)・[[w:桂馬|桂馬]](桂、けいま)・[[w:香車|香車]](香、きょうしゃ、きょうす)・[[w:歩兵 (将棋)|歩兵]](歩、ふひょう、ほへい)の八種類であり、それぞれ動きが決まっている。(香車は、[かしゃ]と呼ばれることもあるが、これは誤った俗称である。) * 玉と金以外は敵側の陣地(敵陣)三段目以内に進むと「成駒」にできる。 ** 成るときには駒を裏返す。 ** 成りは強制ではなく、成らないこと(「不成(ならず)」)を選択することもできる。ただし不成を選択することができるのは駒が次に動ける場所がある場合のみである。 *** 桂は敵陣二段目もしくは一段目に進んだときには必ず成らなくてはならない。同様に、香・歩は敵陣一段目に進んだときには必ず成らなくてはならない(成らなかった場合、移動先がなくなるため)。 ** 飛・角はそれぞれ[[w:龍王 (駒)|龍王]](龍)・[[w:龍馬|龍馬]](馬)になり、元の動きに加えて王将、玉将の動きが可能になる。 ** それ以外の駒は、それぞれ銀は[[w:成銀|成銀]]、桂は[[w:成桂|成桂]]、香は[[w:成香|成香]]、歩は[[w:と金|と金]]となり、金と同じ動きが出来るようになる。 ** 一度成った駒は元に戻すことはできない。 ** 敵陣から出る場合にも成ることができる。ただし、成らないまま敵陣から出た駒はもう一度敵陣に入るまで成ることはできない。 * 自分の駒を動かすとき、動く先に相手の駒があるとき、その駒を捕獲することができ、自らの持ち駒にできる。成った駒は元に戻る。 * 自分の駒を動かすとき、動く先に自分の駒があるときは、そこに移動することはできない。 === 駒の動き === * ○…1マス動ける。 * ―,/…何マスでも動ける。 *☆…飛び越える(桂馬のみ) * (空白)…動けない。 {| border="1" cellspacing="0" cellpadding="3" |-tr bgcolor="#dddddd" !元の駒||colspan="2"|動き||成駒||colspan="2"|動き |- |[[w:玉将|玉将]](ぎょくしょう)<br>王将(おうしょう)|| {|border="1" cellspacing="0" cellpadding="3" |- |○||○||○ |- |○||'''玉'''||○ |- |○||○||○ |- |} ||全方向に1マス動ける。||align="center"|-||align="center"|-||align="center"|- |- |[[w:飛車|飛車]](ひしゃ)|| {|border="1" cellspacing="0" cellpadding="3" |- |&nbsp;|||||&nbsp; |- |―||'''飛'''||― |- |&nbsp;|||||&nbsp; |- |} ||縦横に何マスでも動ける。<br>飛び越えては行けない。||龍王(りゅうおう)|| {|border="1" cellspacing="0" cellpadding="3" |- |○|||||○ |- |―||<b style="color: red;">龍</b>||― |- |○|||||○ |- |} ||飛+玉の動き。 |- |[[w:角行|角行]](かくぎょう)|| {|border="1" cellspacing="0" cellpadding="3" |- |\||&nbsp;||/ |- |&nbsp;||'''角'''||&nbsp; |- |/||&nbsp;||\ |} ||斜めに何マスでも動ける。<br>飛び越えては行けない。||龍馬(りゅうめ、りゅうま)|| {| border="1" cellspacing="0" cellpadding="3" |- |\||○||/ |- |○||<b style="color: red;">馬</b>||○ |- |/||○||\ |} ||角+玉の動き。 |- |[[w:金将|金将]](きんしょう)|| {| border="1" cellspacing="0" cellpadding="3" |- |○||○||○ |- |○||'''金'''||○ |- |&nbsp;||○||&nbsp; |} ||縦横と斜め前に1マス動ける。 |align="center"|-||align="center"|-||align="center"|- |- |[[w:銀将|銀将]](ぎんしょう)|| {| border="1" cellspacing="0" cellpadding="3" |- |○||○||○ |- |&nbsp;||'''銀'''||&nbsp; |- |○||&nbsp;||○ |} ||前と斜めに1マス動ける。||成銀(なりぎん)|| {| border="1" cellspacing="0" cellpadding="3" |- |○||○||○ |- |○||<b style="color: red;">全</b>||○ |- |&nbsp;||○||&nbsp; |} ||金と同じ。 |- |[[w:桂馬|桂馬]](けいま)|| {| border="1" cellspacing="0" cellpadding="3" |- |☆||&nbsp;||☆ |- |&nbsp;||&nbsp;||&nbsp; |- |&nbsp;||'''桂'''||&nbsp; |} ||前へ2、横へ1の位置に移動できる。<br>その際、駒を飛び越えることができる。||成桂(なりけい)|| {| border="1" cellspacing="0" cellpadding="3" |- |○||○||○ |- |○||<b style="color: red;">圭</b>||○ |- |&nbsp;||○||&nbsp; |} ||金と同じ。 |- |[[w:香車|香車]](きょうしゃ)|| {| border="1" cellspacing="0" cellpadding="3" |- |&nbsp;|||||&nbsp; |- |<font color="white">■</font>||'''香'''||<font color="white">■</font> |- |&nbsp;||&nbsp;||&nbsp; |} ||前方に何マスでも動ける。<br>飛び越えては行けない。||成香(なりきょう)|| {| border="1" cellspacing="0" cellpadding="3" |- |○||○||○ |- |○||<b style="color: red;">杏</b>||○ |- |&nbsp;||○||&nbsp; |} ||金と同じ。 |- |[[w:歩兵 (将棋)|歩兵]](ふひょう)|| {| border="1" cellspacing="0" cellpadding="3" |- |&nbsp;||○||&nbsp; |- |&nbsp;||'''歩'''||&nbsp; |- |&emsp;||&nbsp;||&emsp; |} ||前に1マス動ける||と金(ときん)|| {| border="1" cellspacing="0" cellpadding="3" |- |○||○||○ |- |○||<b style="color: red;">と</b>||○ |- |&nbsp;||○||&nbsp; |} ||金と同じ。 |} 上の表では便宜的に成銀を「全」、成桂を「圭」、成香を「杏」と表示している。この表記は、将棋駒の活字がない環境で(特に詰将棋で)しばしば用いられる。成銀を「全」、成桂を「今」、成香を「仝」、と金を「个」で表す流儀もある。 === ゲームの進め方 === 対局者の[[w:棋力|棋力]]の差によって[[w:将棋の手合割|手合割]]がある程度決まってくる。 棋力が同じくらいの場合、平手戦とする。平手戦の場合、開始時には駒を次のように並べる。 先手から見て、将棋盤の右上のマスを基点とし、横方向に1、2、3、…、9、縦方向に一、二、三、…、九とマス目の位置を表す座標が決められている。[[w:棋譜|棋譜]]はこの数字を用いて表現される。また、先手は▲、後手は△で示すのが一般的である。 先手・後手は、棋力が同じ程度の者同士であれば[[w:振り駒|振り駒]]により決定することが多い。棋力に多少差がある場合には弱い者が先手をもつ。棋力の差が非常に大きく、平手では勝負にならない場合、ハンデをつけた駒落ち戦とする場合もある。 駒落ち戦の場合、駒を落とした方を'''上手'''(うわて)、落とされた方を'''下手'''(したて)という。駒落ち戦では上手から指し始める。 === 勝敗の決め方 === * どちらか一方が、自分の手番のときにルール上可能な着手(合法手)がなくなったとき、負けとなる。すなわち、玉を追い詰めて[[w:王手|王手]]の回避ができない状態にすれば勝ちである。この状態を「[[w:詰み|詰み]]」という。 * 自分の手番で、自玉に王手はかかっていないが合法手がない場合([[w:チェス|チェス]]で言う[[w:ステイルメイト|ステイルメイト]])、将棋では負けとなる。 * どちらか一方が、自分の手番のときに[[w:投了|投了]]することで負けとなる。大抵の場合、自玉が詰み筋に入った場合や、自玉にかかった[[w:必至|必至]]から逃れることができない場合、攻めが切れて相手の玉を詰ませる見込みがなくなった場合に投了する。 * 同一局面が4回現れた場合[[w:千日手|千日手]]となり、無勝負指し直しとなる。ただし、一方の側が王手の連続により同一局面が4回現れた場合は王手をかけ続けた側の反則負けとなる。 * 先後両者の玉(王)が互いに[[w:入玉|入玉]]し、玉を詰める見込みがなくなった場合、判定により勝敗を決める場合がある。この判定法により引き分けとなる場合があり、これを[[w:持将棋|持将棋]]という。 * プロの公式戦では制限時間を定め、ストップウォッチまたは[[w:対局時計|対局時計]]を扱い、時間切れによる勝敗を厳正に定める。プロの公式戦以外では制限時間なしの対局もある。 === 反則 === * 次の行為は反則と決められており、直ちに負けとなる。 ** ('''[[w:二歩|二歩]]の禁止''')成っていない歩兵を二枚同じ縦の列に配置することはできない。 ** ('''行き所のない駒の禁止''')盤上の駒を行き先のない状態にしてはいけない。すなわち、1段目の桂馬、香車、歩兵、2段目の桂馬は配置してはいけない。 ** ('''[[w:打ち歩詰め|打ち歩詰め]]の禁止''')歩を打って玉を詰めてはいけない。ただし、盤上の歩を突いて玉を詰ます'''突き歩詰め'''は反則ではない。 ** ('''自玉を相手駒の利きにさらす手の禁止''')自らの着手の後、自らの玉が[[w:王手|王手]]のかかった状態にあってはいけない。すなわち、相手に王手された場合は王手を回避しなければならないし、玉を相手の駒の利きに移動してはならない。 ** ('''連続王手の千日手の禁止''')連続王手での千日手は王手している側が指し手を変更しなければならない。 * その他、基本ルールに反する行為として、移動のできない場所へ駒を移動する、2手続けて指す、持ち駒を裏返して打つ、駒が成れない状況で成ってしまう、玉や金を成ってしまう、成駒を成っていない状態に戻す、なども反則と考えられる。いったん着手した手を変えることは「待った」として禁じられる。プロの将棋で[[w:加藤一二三|加藤一二三]]の行為がこれにあたるとして処分を受けたことがある([[w:銀河戦#備考|銀河戦の項]]参照)。 === その他 === *将棋は「指す」ものであって「打つ」ものではない。打つのは[[囲碁]]と[[連珠]]である。ただし、持ち駒を盤面に配置することは「打つ」という。 *「王手をするときには『王手!』と言わなければいけない」と思っている人がいるが、正式にはそのようなルールは存在しない。 *王将と玉将について **将棋駒にはもともと「玉将」しかなかったようであるが、字体の類似も相まっていつの間にか「王将」も使うようになったと言われている。「王将」と「玉将」には実質的には違いはないが、「天に二日なく、地に二王なし」との言葉に基づき「王将」は1枚とし、上位者が「王将」を使い、下位者が「玉将」を使うのが慣例となっている。 **玉は金、銀、桂、香などと同じように宝物の名称に基づくものである。よって、意味からすると、王将を「王様」と言うのは本来間違いである。しかし、チェスでは玉将に相当するのは「キング」であるし、「王手」とは言うが「玉手」と言う言葉はない。そのため、玉将を表すのに「王」と「玉」のどちらの言葉を使用しても問題ないと考えられるし、実際問題にしている人もほとんどいない。 == 戦略と戦術 == [[将棋の戦法一覧]]([[w:将棋の戦法一覧|将棋の戦法一覧]])、[[w:将棋の格言|将棋の格言]]なども参照のこと。 === ゲームの進行ごとの戦略 === 一局の対局はおおよそ100手前後(先手・後手それぞれの着手を1手と数える)で勝負がつくが、対局全体を大きく以下の3つに分けることができる。ただし、何手目までが序盤であるかなど、明確な線を引くことは通常はできない。 *'''序盤''' - 初手から駒組みが完成するまでのおおよその間。 *'''中盤''' - 駒組みが完成し、両軍の駒のぶつかり合いが始まってから、劣勢の側または両者の玉の囲いが崩れ始めるまでのおおよその間。 *'''終盤''' - 劣勢の側または両者の玉の囲いが崩れ始めてから、終局までの間。 ==== 序盤戦 ==== 序盤戦はまず自軍の陣形を整えることから始まる。多くは[[w:定跡|定跡]]化されており、その知識と研究に加えて、相手の動きを見ながら先々の有利を見据える大局観が重要となる。詳しくは[[将棋の戦法一覧]]を参照のこと。 初手は角道を開ける▲7六歩か飛車先の歩を突く▲2六歩のどちらかが常識とされ、ほとんどの対局はこのどちらかで開始される。 基本的には金や銀を使って玉の守りを固め('''囲い''')ながら、歩や銀、桂、大駒を繰り出して敵を攻める体勢を作ることになる。囲いを簡略化してすぐに攻めに入ることを[[w:急戦|急戦]]といい、じっくりと固めてから戦いに入ることを[[w:持久戦|持久戦]]という。 戦法は、飛車を初期位置から動かさずに攻める'''居飛車'''と、左へ動かして展開する'''振り飛車'''の二通りに大別され、それぞれに定跡が研究されている。ほとんどの将棋指しは居飛車を好む「居飛車党」と振り飛車を好む「振り飛車党」のどちらかに大別されるほどである。 双方が囲い合い、駒のぶつかり合いが始まると中盤戦に突入する。 ==== 中盤戦 ==== 中盤戦は、駒を取り合い、敵陣に切り込んで相手の囲いを崩しに行く戦いになる。駒の損得と働きが重要になる。 銀、桂、歩などを繰り出しながら相手の駒を攻めて駒得を狙い、敵陣に攻め入って龍、馬やと金などを作って相手玉の囲いを脅かすこと、またそのような相手の攻めを防ぐ(受ける)攻防が主となる。攻めと受けのどちらに主眼をおくかによって個人の棋風が良く現れる部分である。 一方または両方の囲いが崩れ出すと、終盤戦に突入する。 ==== 終盤戦 ==== 終盤戦では、いよいよ相手の玉を詰ましに行く('''寄せる''')戦いになる。駒得よりも玉を寄せるスピードが重要となり、正確な読みの力が重要となる。[[w:コンピュータ|コンピュータ]]が得意とする部分でもある。この段階では、ある駒の利きをふさいでる駒(邪魔駒という)も多々見られるようになる。 囲いを崩しながら相手玉に迫り、[[w:詰めろ|詰めろ]]をかけ続け、最終的には[[w:詰将棋|詰将棋]]のように[[w:王手|王手]]の連続で[[w:詰み|詰み]]まで持って行くことになる。お互いに玉に迫りあっている場合、相手への詰めろを一手外すと逆に自玉にかけ返されてしまうので、一手の緩手で勝敗がひっくり返ってしまうこともある重要な局面である。 一方的な場合は詰められるのを逃れるために逃げ道を確保する。[[w:入玉|入玉]]を目指し早めに逃げることもある。 === 駒の価値 === [[w:玉将|玉将]]は別格として、駒の価値はおおむね次のような順であるとされている。 # 飛車、角行 # 金将、銀将 # 桂馬、香車 # 歩兵 飛車と角行を'''[[w:大駒|大駒]]'''といい、それ以外を'''[[w:小駒|小駒]]'''という。ただで相手の駒を手に入れたり、価値の低い駒を捨てるかわりに価値の高い駒を手に入れたりすることを'''駒得'''(こまどく)といい、一般的には有利になる。その反対は'''駒損'''(こまぞん)という。同列の中では角行より飛車、銀将より金将の方がわずかに価値が高いとされるが、それは状況により変化する。序盤の角と飛車の交換は角の方が有利ともされる。 角と銀+桂など、大駒1枚と歩以外の小駒2枚を交換することを'''二枚替え'''といい、一般的には小駒2枚を得た側が有利とされる。ただし大駒と桂香2枚の交換では大駒を得た側が有利になりやすい。 交換した駒は再利用することが前提なので、成駒と元の駒の価値は交換に関してはあまり変わらない。また持ち駒をすぐに敵陣近くに打ち込めるため、成りが目前の歩だからといって特に価値が跳ね上がるようなこともない。[[w:チェス|チェス]]の[[w:ポーン|ポーン]]が二段目、七段目、[[w:クイーン (チェス)|クイーン]]昇格後で価値が全く異なるのとは対照的である。 これらの駒の価値は中盤戦で特に意識される。終盤では駒得より詰ますスピードが重要なため、あまり重視されない。 簡単な将棋AIは駒の価値を数の大きさで表し、先の手を読んで駒の価値の総和が最も高くなる手を選ぶことで実装できる。 [[Category:将棋|*]]
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2018-02-24T10:45:57Z
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囲碁/囲碁とは
詳細は、ルールで説明し、ここでは大まかな囲碁の特徴を説明する。 初心者向けに、しばしば、囲碁は黒と白が地の大小を争うゲームであるといわれる。実際、戦争の領土争いと囲碁には、著しい類似性が見られるだろう。石を兵力に例えるとなおさら分かりやすい。 黒と白が、できるだけ効率良く石を配置して、相手が地を作りにくくして、自分はできるだけ大きな地を確保しようとする。しかし、地を「囲う」というイメージよりは、戦いに勝つことによって領土を確保するというイメージのほうが正しい。 ポイントは石の死活である。相手の石を取り囲むと、それを捕虜(これをハマという)として取り上げることが出来る。逆に、相手が囲おうとしているところに石を突入させて(打ち込み)生きてしまえば、そこは自分の地となる。また、相手が地だと思って囲っている壁の一部を、国境を侵害するように切り取ってしまえば、地はそれだけ減ってしまう。 このように、大まかに囲っている地域(これを模様という)と最終的な地との間には大きな違いがあり、ゲームの進行と共に、景色が大きく入れ替わる。相手の地や捕虜と自分の地や捕虜を交換するフリカワリというテクニックもある。 戦争で条約締結まで領土が確定しないのと同様に、終局するまでは、地は確定しない。最終的に相手の石が生きることができず、かつ境界が破られないような領域が地となる。 地の面積とハマ(捕虜)の数の和の大小によって勝敗を争う。形勢判断などでは、この和の数値のことを地というため、例えば、黒地○○目、白地○○目などというときは、この和のことを言う。 なお、中国ルールでは、ほとんどの場合、日本ルールと勝敗判定は変わらないが、イメージは異なる。まず、ハマは「死ぬ」。すなわち資産価値がない。その代わり、盤上に置かれた石一つ一つに価値がある。つまり、地と盤上の石の和を自分の点数とする。 囲碁は、石(将棋で言えば駒に相当)を置いて良い場所にきわめて制約が少ないことが特徴的である。 さらには、囲碁のルールにおいてもっとも重要な概念である石の死活が、戦略を極めて難しくする。 こうした事情から、囲碁は他に類を見ない複雑なゲームとなっている。チェスなどでコンピュータプログラムが世界チャンピオンを負かしたりしているのに対して、コンピュータ囲碁ソフトがいまだに(2012年)きわめて弱いのも、これが原因である。 基本的な考え方は同じだが、細かい違いをもつ二つのルールの系統として、中国ルールと日本ルールがある。 以下では、日本囲碁規約に基づき、日本ルールを中心に説明する。 黒と白と呼ばれる2人のプレイヤーがそれぞれ、黒、白の石の碁笥を持つ。 盤上にある石は、盤上の罫線の交点の上にある。 複数個の一つの色の石が縦横の碁盤の線に沿ってつながっているものを石の一団とよぼう。 石の一団は、その周囲の交点全てに相手の石を置かれると取られる。 取られない石は、着手されてから終局まで盤上に存在し続ける。 黒と白が、交互に一つずつ石を置いていく(打つ)。黒が先手で白が後手となる。 以下に説明するような制約を除くと、すでに石が置かれていない盤上の線の交点上のどこに打っても良い。さらに、パスや投了をすることも許される。 石が打たれている点に打つことはできない。 自分の石を置くとその石が取られる状態になる点は着手禁止点となる。つまり自殺は禁止。ただし、自殺手によって、相手の石が取れる場合は、自殺手は許され、打ち込んだその石自体も取られない。 対局者の一方が一つの石(以後一子と称す)を取った後、即座にもう一方の対局者が一子を取れる状態になる場合。この状態をコウと呼ぶ。一子の取り合いを続けていると永久に対局が終わらないことになるため、コウには特別ルールを設けている。一方の対局者がコウの一子を取った後、もう一方の対局者は別の場所に1手打たない限りはコウの一子を取り返すことが出来ないものとする。なお、この別の場所に打たれる一手のことを、コウ材またはコウダテと呼ぶ。 まず、片方のプレーヤーが投了を告げると終局し、もう片方のプレーヤーが勝ちになる。 また、二人のプレーヤーが連続でパスをすると終局処理に入る。通常は、パスの代わりに、両対局者の合意によって終局状態に移行する。言葉で終局を確認したり、頷きあったりして確認することが多い。逆に、「両対局者の合意」などの終局状態への移行手続きを形式化した表現が連続パスであると考えて良い。 囲碁は、他のゲームと比べて、終局処理が極めて複雑なことも特徴的である。 投了以外の場合の終局状態においては、盤上は、活きた石とそれによって囲まれた地によって分割されることが、勝敗が判定可能であることの条件である。誤って地が確定しない状態で終局に同意してしまった場合は、勝敗判定は不可能になる。麻雀で、アガリの状態でないのに、ロンを宣告してしまった状態と同様の事態が生じると思って良い。ある程度以上の実力になれば、こうした誤りはめったに起こらない。 以下では、地の確定している正常な終局状態における終局手続きを述べる。 地の境界線を定めるために打つ(ダメを詰める)。ダメは漢字で駄目と書き、打っても何の価値も生じない手という意味であり、日本語の駄目もここからきている。しかし場合によっては死活などで駄目を詰めることで手筋が生じたり、相手の手入れが必要となることもある。中国ルールでは、ダメを詰め終えるまでは終局しない。 盤上にある石は活き、死にの二つの状態のどちらかになる。 死活判定は必ずしも簡単ではない。ここでも対局者両者の合意が前提となる。 相手の死んだ石は、盤上から取り除き、自分のハマに加える。セキの場合は何もせず、その場所については両者とも0目とする。 死石を除去すると、盤上には活きた白石と黒石のみが存在する。自分の石と碁盤の端で囲んだ領域を、自分の地と定義する。 地の面積は、交点の数で数え、単位は目(もく)である。日本ルールでは、自分の地から相手のハマの数を引いた数を計算し、その大小によって勝敗を決める。中国ルールにおいては、地の目数、盤面で生きている石の数の合計 [訂正:取ったハマの数を削除] の大小で勝敗を決する。このため、セキの場合に勝敗が大きく変わる。 麻雀などの他の点数を使うゲームと異なり、囲碁においては通常目数の差は重要ではない。そのため、複数回対局して優劣を競う大会などでは、目数差は累積せず、単に勝敗のみを記録して集計する。 囲碁は先手有利のゲームなので互先の場合、コミと呼ばれるハンディキャップを先手の地の計算から引くことが一般的。実力差がある場合は、置碁が行われることがある。 とりわけ、日本ルールは、終局に関するルールが高度である。そこで、例えば、お互いの合意が成立していないのに終局が成立していると勘違いし、駄目詰めに対して必要な着手(手入れという。)をせずに石をとられてしまい、終局していたかどうかで争いになってしまうといったトラブルが後を絶たない。こういったトラブルはアマチュアだけでなくプロでも起こり得る。 2002年王立誠二冠(棋聖・十段)に柳時薫七段が挑戦した第26期棋聖戦七番勝負第五局において、終局したと思っていた柳時薫は「駄目詰め」の作業に入っていたが、王立誠は終局とは思っておらず柳時薫の石を六子も取ってしまった。終局していないのなら柳時薫は取られないように「手入れ」すべきで、終局しているなら順序関係なくお互いの地にならない駄目をつめるだけだったため柳時薫は手入れを怠った。これにより王立誠の逆転勝利となり、行為の正当性を巡り囲碁界に論争を巻き起こした。 通常、対局が始まるとしばらくは布石が行われる。大体の場合は碁盤の四隅に打つ事から始まる。なお初手を四隅に打つ場合は、慣例的に右上隅に打つ。 中盤は死活の絡んだ戦いになる。互いに死活がはっきりしていない弱い石を意識しながら打ち進める。 中盤でもっとも重要な概念は、厚みと実利であろう。全局的に影響が及ぶような石の配置を厚みといい、それに対して、局所的に地になりそうなところを実際に地とみなしたときの利益を実利という。経営で言えば、厚みが長期、実利が短期である。このバランスが重要である。とりわけ厚みは、使い方、またその効果の評価が難しく、コンピュータ囲碁プログラムにとって最大の難関の一つである。 中盤は、もっとも作戦が富んだところである。基本的な構想をいくつかあげると: などがある。 ヨセは双方共に、死活の心配がなくなった状態の事を言い、大まかな領域線を決める大ヨセと細かい一目・二目で争う小ヨセに分かれる。プロならば小ヨセの段階で勝敗が解るのは極自然である。
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"paragraph_id": 28, "tag": "p", "text": "地の境界線を定めるために打つ(ダメを詰める)。ダメは漢字で駄目と書き、打っても何の価値も生じない手という意味であり、日本語の駄目もここからきている。しかし場合によっては死活などで駄目を詰めることで手筋が生じたり、相手の手入れが必要となることもある。中国ルールでは、ダメを詰め終えるまでは終局しない。", "title": "ルール" }, { "paragraph_id": 29, "tag": "p", "text": "盤上にある石は活き、死にの二つの状態のどちらかになる。", "title": "ルール" }, { "paragraph_id": 30, "tag": "p", "text": "死活判定は必ずしも簡単ではない。ここでも対局者両者の合意が前提となる。", "title": "ルール" }, { "paragraph_id": 31, "tag": "p", "text": "相手の死んだ石は、盤上から取り除き、自分のハマに加える。セキの場合は何もせず、その場所については両者とも0目とする。", "title": "ルール" }, { "paragraph_id": 32, "tag": "p", "text": "死石を除去すると、盤上には活きた白石と黒石のみが存在する。自分の石と碁盤の端で囲んだ領域を、自分の地と定義する。", "title": "ルール" }, { "paragraph_id": 33, "tag": "p", "text": "地の面積は、交点の数で数え、単位は目(もく)である。日本ルールでは、自分の地から相手のハマの数を引いた数を計算し、その大小によって勝敗を決める。中国ルールにおいては、地の目数、盤面で生きている石の数の合計 [訂正:取ったハマの数を削除] の大小で勝敗を決する。このため、セキの場合に勝敗が大きく変わる。", "title": "ルール" }, { "paragraph_id": 34, "tag": "p", "text": "麻雀などの他の点数を使うゲームと異なり、囲碁においては通常目数の差は重要ではない。そのため、複数回対局して優劣を競う大会などでは、目数差は累積せず、単に勝敗のみを記録して集計する。", 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{{Pathnav|[[ゲーム]]>[[囲碁]]|frame=1}} ==用具== [[Image:Goban.jpg|thumb|囲碁用具]] *[[w:碁石|碁石]] : 単に'''石'''ともいう。黒・白の二色あり、合わせて碁盤を埋め尽くせる数(黒181、白180)だけ用意される(グリーン碁石では、濃い緑と薄い緑の二色である。)。理論的には、碁石の数は無限個で良い。碁石を入れる器を'''碁笥'''('''ごけ''')と言う。盤上の碁石を数える時の単位は'''子'''(し)であり、一つを一子(いっし)、二つを二子(にし)などと表す。 *[[w:碁盤|碁盤]] : 板の上に、直行する縦横それぞれ同じ本数の直線を引いたもの。碁石を置くのは縦線と横線の交点である。一般に、縦横19本ずつの'''19路盤'''が使われる。初心者用に'''13路盤'''や'''9路盤'''もある。線は最も辺にあるものから順に第2線・・・第5線あたりまでこのように呼ぶ。また第4線の交点や中間、碁盤の中心の天元にある黒点を星と呼ぶ。 *[[w:対局時計|対局時計]] : 公式戦では制限時間を定め、時間切れによる勝敗を厳正に定めるために'''対局時計'''を扱う。時間無制限の対局の場合は必要無い。 ==ゲームの概要== [[Image:Go board.jpg|thumb|囲碁]] 詳細は、ルールで説明し、ここでは大まかな囲碁の特徴を説明する。 初心者向けに、しばしば、囲碁は黒と白が地の大小を争うゲームであるといわれる。実際、戦争の領土争いと囲碁には、著しい類似性が見られるだろう。石を兵力に例えるとなおさら分かりやすい。 黒と白が、できるだけ効率良く石を配置して、相手が地を作りにくくして、自分はできるだけ大きな地を確保しようとする。しかし、地を「囲う」というイメージよりは、戦いに勝つことによって領土を確保するというイメージのほうが正しい。 ポイントは石の[[w:死活|死活]]である。相手の石を取り囲むと、それを捕虜(これを'''ハマ'''という)として取り上げることが出来る。逆に、相手が囲おうとしているところに石を突入させて('''打ち込み''')生きてしまえば、そこは自分の地となる。また、相手が地だと思って囲っている壁の一部を、国境を侵害するように切り取ってしまえば、地はそれだけ減ってしまう。 このように、大まかに囲っている地域(これを'''模様'''という)と最終的な地との間には大きな違いがあり、ゲームの進行と共に、景色が大きく入れ替わる。相手の地や捕虜と自分の地や捕虜を交換する'''フリカワリ'''というテクニックもある。 戦争で条約締結まで領土が確定しないのと同様に、終局するまでは、地は確定しない。最終的に相手の石が生きることができず、かつ境界が破られないような領域が地となる。 地の面積とハマ(捕虜)の数の和の大小によって勝敗を争う。形勢判断などでは、この和の数値のことを地というため、例えば、黒地○○目、白地○○目などというときは、この和のことを言う。 なお、中国ルールでは、ほとんどの場合、日本ルールと勝敗判定は変わらないが、イメージは異なる。まず、ハマは「死ぬ」。すなわち資産価値がない。その代わり、盤上に置かれた石一つ一つに価値がある。つまり、地と盤上の石の和を自分の点数とする。 ==ルール== 囲碁は、[[w:碁石|石]](将棋で言えば駒に相当)を置いて良い場所にきわめて制約が少ないことが特徴的である。 さらには、囲碁のルールにおいてもっとも重要な概念である石の[[w:死活|死活]]が、戦略を極めて難しくする。 こうした事情から、囲碁は他に類を見ない複雑なゲームとなっている。チェスなどでコンピュータプログラムが世界チャンピオンを負かしたりしているのに対して、[[w:コンピュータ囲碁|コンピュータ囲碁]]ソフトがいまだに(2012年)きわめて弱いのも、これが原因である。 基本的な考え方は同じだが、細かい違いをもつ二つのルールの系統として、中国ルールと日本ルールがある。 以下では、[http://park6.wakwak.com/~igo/igorule/jp_rule.html 日本囲碁規約]に基づき、日本ルールを中心に説明する。 ===対局者(プレーヤー)=== 黒と白と呼ばれる2人のプレイヤーがそれぞれ、黒、白の石の碁笥を持つ。 ===盤上の石の状態=== ====交点==== 盤上にある石は、盤上の罫線の交点の上にある。 ====連続==== 複数個の一つの色の石が縦横の碁盤の線に沿ってつながっているものを石の一団とよぼう。 :縦横の方向だけが重要で、斜めは関係ない。「つながっている」「囲まれる」などの言葉は、縦横に限った話であることに注意。 ====取り==== 石の一団は、その周囲の交点全てに相手の石を置かれると取られる。 :石の一団は隣接点で呼吸をしている。隣接点が空点(石が存在しない交点)であれば、呼吸ができる。隣接点に相手の石があれば呼吸を邪魔される。上下左右四方向とも相手の石にふさがれると窒息してしまい取られてしまう。もし、隣接点に味方の石がある場合は、味方の石を通じて呼吸ができ、石の一団で一つでも呼吸のできる石があれば、その石の一団全体が呼吸できる。全ての石の縦横が塞がれ、呼吸のできる石が一つも無くなった場合は、その石の一団全体が窒息し'''取られて'''しまう。取った石は'''ハマ'''とよばれる。 ====石の存在==== 取られない石は、着手されてから終局まで盤上に存在し続ける。 ===着手=== 黒と白が、交互に一つずつ石を置いていく('''打つ''')。黒が[[w:先手|先手]]で白が[[w:後手|後手]]となる。 以下に説明するような制約を除くと、すでに石が置かれていない盤上の線の交点上のどこに打っても良い。さらに、パスや[[w:投了|投了]]をすることも許される。 ====空点==== 石が打たれている点に打つことはできない。 ====自殺の禁止==== 自分の石を置くとその石が取られる状態になる点は着手禁止点となる。つまり自殺は禁止。ただし、自殺手によって、相手の石が取れる場合は、自殺手は許され、打ち込んだその石自体も取られない。 ==== 同型反復禁止(コウ)==== [[画像:Goko.gif|thumb|同型反復禁止(コウ)]] 対局者の一方が一つの石(以後一子と称す)を取った後、即座にもう一方の対局者が一子を取れる状態になる場合。この状態を[[w:コウ|コウ]]と呼ぶ。一子の取り合いを続けていると永久に対局が終わらないことになるため、コウには特別ルールを設けている。一方の対局者がコウの一子を取った後、もう一方の対局者は別の場所に1手打たない限りはコウの一子を取り返すことが出来ないものとする。なお、この別の場所に打たれる一手のことを、'''コウ材'''または'''コウダテ'''と呼ぶ。 ===終局=== まず、片方のプレーヤーが投了を告げると終局し、もう片方のプレーヤーが勝ちになる。 また、二人のプレーヤーが連続でパスをすると終局処理に入る。通常は、パスの代わりに、両対局者の合意によって終局状態に移行する。言葉で終局を確認したり、頷きあったりして確認することが多い。逆に、「両対局者の合意」などの終局状態への移行手続きを形式化した表現が連続パスであると考えて良い。 ====終局処理(終局状態の確定)==== 囲碁は、他のゲームと比べて、終局処理が極めて複雑なことも特徴的である。 投了以外の場合の終局状態においては、盤上は、活きた石とそれによって囲まれた地によって分割されることが、勝敗が判定可能であることの条件である。誤って地が確定しない状態で終局に同意してしまった場合は、勝敗判定は不可能になる。[[w:麻雀|麻雀]]で、アガリの状態でないのに、ロンを宣告してしまった状態と同様の事態が生じると思って良い。ある程度以上の実力になれば、こうした誤りはめったに起こらない。 以下では、地の確定している正常な終局状態における終局手続きを述べる。 ====ダメ詰め==== 地の境界線を定めるために打つ('''ダメ'''を詰める)。ダメは漢字で'''駄目'''と書き、打っても何の価値も生じない手という意味であり、日本語の'''駄目'''もここからきている。しかし場合によっては死活などで駄目を詰めることで手筋が生じたり、相手の手入れが必要となることもある。中国ルールでは、ダメを詰め終えるまでは終局しない。 ====死活判定==== 盤上にある石は活き、死にの二つの状態のどちらかになる。 [[File:Go kaksi silmää.png|right|活きている石]] *プレーを続ければ相手の石を取ることができる場合('''死に''') *死にでない場合('''活き''') **着手禁止点を2つ以上もつ石のグループ **[[w:セキ (囲碁)|セキ]]=相手の石を取りに行くと、自分の石が取られる。よって両者ともこれ以上手入れをできない状態。 死活判定は必ずしも簡単ではない。ここでも対局者両者の合意が前提となる。 ====死石の除去==== 相手の死んだ石は、盤上から取り除き、自分のハマに加える。セキの場合は何もせず、その場所については両者とも0目とする。 ====地の定義==== 死石を除去すると、盤上には活きた白石と黒石のみが存在する。自分の石と碁盤の端で囲んだ領域を、自分の地と定義する。 ===勝敗判定=== 地の面積は、交点の数で数え、単位は'''目'''(もく)である。日本ルールでは、自分の地から相手のハマの数を引いた数を計算し、その大小によって勝敗を決める。中国ルールにおいては、地の目数、盤面で生きている石の数の合計 [訂正:取ったハマの数を削除] の大小で勝敗を決する。このため、[[w:セキ (囲碁)|セキ]]の場合に勝敗が大きく変わる。 麻雀などの他の点数を使うゲームと異なり、囲碁においては通常目数の''差''は重要ではない。そのため、複数回対局して優劣を競う大会などでは、目数差は累積せず、単に勝敗のみを記録して集計する。 ===ハンディキャップ=== 囲碁は先手有利のゲームなので[[w:互先|互先]]の場合、[[w:コミ|コミ]]と呼ばれるハンディキャップを先手の地の計算から引くことが一般的。実力差がある場合は、[[w:置碁|置碁]]が行われることがある。 === ルールにまつわるエピソード: 終局に関するトラブル === とりわけ、日本ルールは、終局に関するルールが高度である。そこで、例えば、お互いの合意が成立していないのに終局が成立していると勘違いし、駄目詰めに対して必要な着手('''手入れ'''という。)をせずに石をとられてしまい、終局していたかどうかで争いになってしまうといったトラブルが後を絶たない。こういったトラブルはアマチュアだけでなくプロでも起こり得る。 [[w:2002年|2002年]][[w:王立誠|王立誠]]二冠(棋聖・十段)に[[w:柳時薫|柳時薫]]七段が挑戦した第26期[[w:棋聖 (囲碁)|棋聖戦]]七番勝負第五局において、終局したと思っていた柳時薫は「駄目詰め」の作業に入っていたが、王立誠は終局とは思っておらず柳時薫の石を六子も取ってしまった。終局していないのなら柳時薫は取られないように「手入れ」すべきで、終局しているなら順序関係なくお互いの地にならない駄目をつめるだけだったため柳時薫は手入れを怠った。これにより王立誠の逆転勝利となり、行為の正当性を巡り囲碁界に論争を巻き起こした。 ==対局の進行== ===序盤=== 通常、対局が始まるとしばらくは[[w:布石|布石]]が行われる。大体の場合は碁盤の四隅に打つ事から始まる。なお初手を四隅に打つ場合は、慣例的に右上隅に打つ。 *三々(さんさん) - 碁盤の隅から3・3の位置の事。地に対して最も堅い手であるが中央への働きが弱い。 *小目(こもく) - 碁盤の隅から3・4あるいは4・3の位置の事。古くから布石の基本とされる。 *[[w:星 (囲碁)|星]](ほし) - 碁盤の隅から4・4の位置の事。現在の布石の花形。特に初心者はこの手より始める事が多い。 *目外し(もくはずし) - 碁盤の隅から3・5あるいは5・3の位置の事。相手の作戦をくじくための物として打たれることが多い。 *高目(たかもく) - 碁盤の隅から4・5あるいは5・4の位置の事。 *五の五(ごのご) - 碁盤の隅から5・5の事。 *大高目(おおたかもく) - 碁盤の隅から4・6あるいは6・4の位置の事。 *[[w:天元|天元]](てんげん) - 碁盤の中心。中心に打つため四方全ての向きからのシチョウに有利とされるが、五の五・大高目とともに未だあまり研究が成されていない。 ===中盤=== 中盤は死活の絡んだ'''戦い'''になる。互いに[[w:死活|死活]]がはっきりしていない弱い石を意識しながら打ち進める。 中盤でもっとも重要な概念は、'''厚み'''と'''実利'''であろう。全局的に影響が及ぶような石の配置を厚みといい、それに対して、局所的に地になりそうなところを実際に地とみなしたときの利益を実利という。経営で言えば、厚みが長期、実利が短期である。このバランスが重要である。とりわけ厚みは、使い方、またその効果の評価が難しく、コンピュータ囲碁プログラムにとって最大の難関の一つである。 中盤は、もっとも作戦が富んだところである。基本的な構想をいくつかあげると: *相手の弱い石を攻撃して、地模様をつくるのに役立つ厚み(壁)を作る *相手の石をとる *自分の石を捨てて('''捨石''')、別のところで利益を得る *打ち込んで生きる などがある。 ===終盤=== [[w:ヨセ|ヨセ]]は双方共に、死活の心配がなくなった状態の事を言い、大まかな領域線を決める'''大ヨセ'''と細かい一目・二目で争う小ヨセに分かれる。プロならば小ヨセの段階で勝敗が解るのは極自然である。 == 関連項目 == *[[w:囲碁]] [[Category:ゲーム|いこ]] [[Category:囲碁|*]] [[en:go]] [[de:go]]
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2021-06-11T07:18:33Z
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身体に対する罪
法学>刑事法>刑法>刑法各論>個人的法益に対する罪>身体に対する罪 ここでは、刑法に規定された犯罪類型のうち、保護法益が身体に対する犯罪類型について解説する。(個人的法益に対する罪の一種)。 「狐落とし」治療術と暴行の故意
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[[法学]]>[[刑事法]]>[[刑法]]>[[刑法各論]]>[[個人的法益に対する罪]]>[[身体に対する罪]] ここでは、[[w:刑法|刑法]]に規定された犯罪類型のうち、[[w:保護法益|保護法益]]が身体に対する犯罪類型について解説する。([[w:個人的法益|個人的法益]]に対する罪の一種)。 == 身体に対する罪 == === [[傷害罪]] === ====[[傷害の意義]]==== ====[[胎児傷害]]==== ====[[傷害罪#故意|故意]]==== ====[[同時傷害の特例(刑法207条)]]==== =====[[同時傷害の特例(刑法207条)#意義|意義]]===== =====[[同時傷害の特例(刑法207条)#要件|要件]]===== =====[[同時傷害の特例(刑法207条)#承継的共同正犯論との関係|承継的共同正犯論との関係]]===== === [[暴行罪]] === [http://knakayam.exblog.jp/3113224/ 「狐落とし」治療術と暴行の故意] === [[凶器準備集合罪]] === === [[過失傷害及び致死罪]] === ==== [[過失傷害・過失致死罪]] ==== ==== [[業務上過失致死傷罪]] ==== ==== [[危険運転致死傷罪]] ==== {{stub}} [[Category:刑法各論|しんたいにたいするつみ]]
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2006-08-29T14:33:59Z
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強盗罪
法学>刑事法>刑法>刑法各論>個人的法益に対する罪>財産に対する罪>強盗罪 刑法240条の論点は決着済みか (例)暴行脅迫を用いて、不動産の登記名義を取得
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "法学>刑事法>刑法>刑法各論>個人的法益に対する罪>財産に対する罪>強盗罪", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "刑法240条の論点は決着済みか", "title": "強盗傷人罪・強盗致死罪" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "", "title": "強盗傷人罪・強盗致死罪" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "(例)暴行脅迫を用いて、不動産の登記名義を取得", "title": "以下整理中" } ]
法学>刑事法>刑法>刑法各論>個人的法益に対する罪>財産に対する罪>強盗罪
[[法学]]>[[刑事法]]>[[刑法]]>[[刑法各論]]>[[個人的法益に対する罪]]>[[財産に対する罪]]>[[強盗罪]] == 強盗罪 == === 強盗罪総説 === *強盗罪([[刑法第236条|第236条]]) :'''暴行又は脅迫を用いて他人の[[財物の意義|財物]]を強取した者は、強盗の罪とし、五年以上の[[有期懲役]]に処する。''' :'''前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。''' === 各文言の意義 === *「'''暴行'''」:人に向けられる有形力の行使であり、かつ、その反抗を抑圧するに足る強度者であること、いわゆる「最狭義の暴行(→[[暴行罪#暴行概念]])」 *「'''脅迫'''」:害悪の告知により恐怖心を起こさせること ::「強取」の手段であれば、相手方の反抗を抑圧する程度で足り、その判断基準は社会通念上一般的なものにより、被害者の主観に寄らない(最判昭和24年2月8日刑集3巻2号75号)。なお、その程度に達しない脅迫であれば、[[恐喝罪]]を構成することがある。 :「強取」の手段として用いられる以上、必ずしも所有者・占有者に対して加えられる必要はない(判例)。 *「'''強取'''」:暴行・脅迫により被害者の意思に反して財物を自己の占有に移すこと。 :奪取である必要はなく、被害者による交付や、被害者の不知のうちに領得しても強取したことになる。 *「'''財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた'''」:[[二項犯罪]]を参照。 === 強盗の罪数 === *財物詐取後の暴行・脅迫の場合 **1項詐欺罪+暴行罪/脅迫罪併合罪 ***神戸地判昭和34年9月25日下刑集1巻9号2069頁 **1項詐欺罪+2項強盗罪併合罪 ***大分地判昭和52年9月26日判時879号161頁 **1項詐欺罪+2項強盗罪→2項強盗罪包括一罪 *財物窃取後の暴行・脅迫の場合 **窃盗罪+2項強盗罪→2項強盗罪包括一罪 **窃盗罪の共罰的事後行為/不可罰的事後行為 ====暴行後財物奪取の犯意を生じた場合==== #[[暴行罪]](傷害を生じていれば[[傷害罪]])と[[窃盗罪]]の[[併合罪]](判例通説) #*東京高判昭和48年3月26日 #:(論拠) #:*強盗罪の構成要件は「暴行・脅迫によって」財物を奪取していること #:*強盗罪には[[強姦罪]](現・[[強制性交等罪]])における[[刑法第178条]]にあたる条項が存在しない #:→ [[不真性不作為犯]]類似の構成は、強盗罪の定形を不明瞭にする。従って、強盗罪は不成立。 #強盗罪説([[w:藤木英雄|藤木]]) #:自己の惹起した抗拒不能状態を積極的に利用して財物を取得する行為は、一種の不真性不作為犯であり暴行を手段として財物を奪取したと同一の評価をすることができる。 === 強盗の予備及び未遂 === *強盗予備罪([[刑法第237条|第237条]]) :'''強盗の罪を犯す目的で、その予備をした者は、二年以下の懲役に処する。''' *強盗未遂罪([[刑法第243条|第243条]]) :'''[[刑法第235条|第235条]]から[[刑法第236条|第236条]]まで及び[[刑法第238条|第238条]]から[[刑法第241条|第241条]]までの罪の未遂は、罰する。''' == 事後強盗 == === 事後強盗 === *事後強盗罪([[刑法第238条|第238条]]) :'''窃盗が、財物を得てこれを取り返されることを防ぎ、逮捕を免れ、又は罪跡を隠滅するために、暴行又は脅迫をしたときは、強盗として論ずる。''' ==== 各文言の意義 ==== ;「'''窃盗'''」:窃盗犯人のこと。窃盗の着手をした者とされる。「財物を得てこれを取り返されることを防」ぐ目的で行われた場合、既遂犯が対象であるが、「逮捕を免れ、又は罪跡を隠滅するためになされる場合は、既遂・未遂を問わない。 ==== 論点 ==== *[[目的犯]] *暴行・脅迫 **福岡地判昭和62 年2 月9 日判時1233 号157頁 **窃盗の機会の継続 ***肯定例 ****広島高判昭和28 年5 月27 日判特31 号15 頁 ****最決昭和34年3月23日刑集13巻3号391頁 ****最決平成14年2月14日刑集56巻2号240頁 ***否定例 ****京都地判昭和51 年10 月15 日刑裁月報8 巻9=10 号431頁 *未遂および既遂 **最判昭和24年7月9日刑集3巻8号1188頁 *予備 **肯定説 ***最決昭和54 年11 月19 日刑集33 巻7 号710 頁 **否定説 *共犯 **構成的身分犯説 ***大阪高判昭和62 年7 月17 日判時1253 号141頁 **加減的身分犯説 ***新潟地判昭和42 年12 月5 日判時509 号77 頁 ***東京地判昭和60 年3 月19 日判時1172 号155 頁 **結合犯説(非身分犯説) ***承継的共同正犯肯定説 ***承継的共同正犯否定説 *窃盗罪との関係 **居直り強盗→強盗罪 **窃盗既遂の後に、さらに暴行・脅迫により財物を強取した場合 ***高松高判昭和28 年7 月27 日高刑集6 巻11 号1442 頁 **窃盗既遂の後に、強盗の犯意で暴行・脅迫を行ったが、逮捕されそうになったため、暴行・脅迫により逃走した場合 ***窃盗既遂罪+強盗未遂罪包括一罪 ***事後強盗既遂罪一罪 ****広島高判昭和32年9月25日高刑集10巻9号701頁 === 昏睡強盗 === *昏睡強盗罪([[刑法第239条|第239条]]) :'''人を昏酔させてその財物を盗取した者は、強盗として論ずる。''' ==== 各文言の意義 ==== ;昏睡:睡眠薬や麻酔薬、アルコール等により、人の意識作用に一時的または継続的に障害を生じさせることであるが、意識喪失までは不要とされる(東京高判昭和49 年5 月10 日東高刑時報25 巻5 号37 頁、横浜地判昭和60 年2 月8 日刑裁月報17 巻1=2 号11 頁) ==== 論点 ==== *昏睡状態に乗ずるだけでは足りず、犯人が、暴行・脅迫以外の方法で昏睡させたことを要する。 *昏睡強盗罪の予備 **肯定説(多数説) **否定説 == 強盗傷人罪・強盗致死罪 == *強盗傷人罪・強盗致死罪([[刑法第240条|第240条]]) :'''強盗が、人を負傷させたときは無期又は六年以上の懲役に処し、死亡させたときは死刑又は無期懲役に処する。''' *強盗致死傷罪[240 条]の類型 *主体 **「強盗」=強盗犯人を意味し、強盗未遂犯人を含む ***最判昭和23 年6 月12 日刑集2 巻7 号676頁 **事後強盗罪、昏睡強盗罪(これらの未遂罪を含む)の犯人をも含む ***大判昭和6年7月8日刑集10巻319頁 **死傷結果の原因行為 ***手段説 ***機会説 **肯定例 ***大判大正6年10月29日刑集10巻511頁 ***最判昭和24年5月28日刑集3巻6号873頁 ***最判昭和25 年12 月14 日刑集4 巻12 号2548頁 ***最判昭和23年3 月9 日刑集2 巻3 号140頁 ***最判昭和32 年7 月18 日刑集11 巻7 号1861頁 **密接関連性説 **拡張された手段説 *主観的要件=本罪に死傷結果について故意のある場合を含むか? **死亡結果について故意ある場合 ***殺人罪+強盗致死罪観念的競合 ****大判明治43 年10 月27 日刑録16 輯1764頁 ***殺人罪+強盗罪の観念的競合 ***240 条後段のみ適用 ****大連判大正11 年12 月22 日刑集1 巻815 頁 ****最判昭和32 年8 月1 日刑集11 巻8 号2065 頁 ****最決昭和28年2月19日刑集7巻2号280頁 ****大阪高判昭和60 年2月6 日判時1149 号165 頁 *傷害の程度 **非限定説 ***大判大正4 年5 月24 日刑録21 輯661 頁 ***東京高判昭和62 年12 月21 日判時1270 号159 頁 **限定説 ***大阪地判昭和54 年6 月21 日判時948 号128 頁 *強盗殺人罪と強取の範囲 **大判大正2年10月21日刑録19 輯982 頁 **東京高判昭和53 年9 月13 日判時916 号104 頁 **仙台高判昭和31 年6 月13 日判時916 号104 頁=窃盗罪成立 **東京高判昭和57 年1 月21 日刑裁月報14 巻1=2 号1 頁 *未遂 **結果的加重犯である強盗致傷罪・強盗致死罪の場合 ***大判昭和4年5月16日刑集8巻251頁 ***最判昭和23年6月12日刑集2巻7号676頁 **強盗傷人罪の場合 **強盗殺人罪の場合 ***大連判大正11 年12 月22 日刑集1 巻815頁 [http://strafrecht.typepad.jp/blog/2005/10/240_0e35.html 刑法240条の論点は決着済みか] == 強盗・強制性交等罪 == *強盗・強制性交等罪・同致死傷罪([[刑法第241条|第241条]]) :'''強盗が人を強姦したときは、無期又は七年以上の懲役に処する。よって人を死亡させたときは、死刑又は無期懲役に処する'''。 *強盗・強制性交等罪=強盗罪と強制性交等罪の結合犯 **最判昭和30年12月23日刑集9巻14号2957頁 **最判昭和24年12月24日刑集3巻12号2114頁) *強盗・強制性交等致死罪 **強盗・強制性交等致死罪は死亡結果について故意ある場合を含むか? ***消極説 ****大判昭和10年5月13日刑集14巻514頁 ****大阪高判昭和42年5月29日高刑集20巻3号330頁 ***積極説 **強盗・強制性交等致死罪の未遂 **強盗・強制性交等致傷 ***強盗・強制性交等罪説 ****大判昭和8年6月29日刑集12巻1269頁 ****東京地判平成元年10月31日判時1363号158頁 ****浦和地判昭和32 年9 月27日判時13 号43頁 == 以下整理中 == ***強盗罪 ****財物強盗罪 ****利益強盗罪 **他罪との関係 ***窃盗罪 ***恐喝罪 === 客体 === *財物=他人の占有する他人の財物(基本的に235条と同じ) **不動産 ***学説 ****肯定説(西田) ****否定説(多数説)→利益強盗 (例)暴行脅迫を用いて、不動産の登記名義を取得 *財産上の利益 **財物(有体物)以外の財産的利益 **「財産上不法の利益」とは利益自体が不法であることを意味するものではなく、財産上の利益を不法に移転させることを意味する。 **移転性 ***役務 ***情報 **不法な利益 ***大阪高判昭和35 年12 月26 日下刑集3 巻3=4 号208 頁:盗品等の対価であることを明らかにして消費寄託の目的とした現金に対する返還請求権 ***名古屋高判昭和35 年12 月26 日高刑集13 巻10 号781 頁:「白タク」の料金 ***最決昭和61年11月18日刑集40巻7号523頁:取引を斡旋すると欺罔されて渡した覚せい剤の返還請求権または代金請求権 ***否定例 ****広島高判昭和43年12月24日判時548号105頁:売春代金 ***学説 ****肯定説 ****否定説(山口・各論212、中山・口述各論140など) === 行為 === *強取 **手段 ***暴行・脅迫 ****被害者の反抗を抑圧するに足りる程度(最判昭和24年2月8日刑集3巻2号75号) ****「社会通念上一般に被害者の反抗を抑圧する程度のものであるかどうかと云う客観的基準によって決せされるのであって、具体的事案の被害者の主観を基準としてその被害者の反抗を抑圧する程度であったかどうかと云うことによって決せられるものではない。」(最判昭和24年2月8日刑集3巻2号75頁) ****肯定例:東京高判昭和29年10月7日東高刑時報5巻9号380頁 ****否定例:東京高判昭和37年10月31日東高刑時報13巻10号267頁 ***大阪地判平成4 年9 月22 日判タ828 号281頁 ***「ひったくり」 ****最決昭和45 年12 月22 日刑集24巻13号1882頁 ***奪取 ****東京高判昭和42年6月20日東高刑時報18巻6号193頁 ****名古屋高判昭和32年3月4日高刑裁特報4巻6号116頁 ****最判昭和23年12月24日刑集2巻14号1883頁 ****否定例:名古屋高判昭和30年5月4日高刑裁特報2巻11号501頁 ***財物奪取後の暴行・脅迫 ****1項強盗罪説(最判昭和24年2月15日刑集3巻2号164頁) ****1項強盗罪否定説(最決昭和61年11月18日刑集40巻7号523頁) ***暴行・脅迫後の領得意思 ****新たな暴行・脅迫不要説 *****大審院昭和19年11月24日刑集23巻252頁 *****最判昭和24年12月24日刑集3巻12号2114頁 *****東京高判昭和37年8月30日高刑集15巻6号488頁 *****東京高判昭和57年8月6日判時1083号150頁 ****必要説 *****高松高判昭和34年2月11日高刑集12巻1号18頁 *****東京高判昭和48年3月26日高刑集26巻1号85頁 *****札幌高判平成7年6月29日判時1551号142頁 *****大阪高判平成元年3月3日判タ712号248頁 *****最判昭和41年4月8日刑集20巻4号207頁 *利得行為 **処分行為の要否 ***必要説 ****大判明治43年6月17日刑録16 輯1210頁 ***不要説 ****大判昭和6年5月8日刑集10巻205頁 ****最判昭和32年9月13日刑集11巻9号2263頁 ****大阪高判昭和59年11月28 日高刑集37巻3号438頁 ***相続人による被相続人の殺害 ****東京高判平成元年2月27日高刑集42巻1号87頁 {{stub}} [[category:刑法各論|こうとうさい]]
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3,081
財産犯総論
法学>刑法>刑法各論>個人的法益に対する罪>財産に対する罪>財産犯総論 不法領得の意思:権利者排除意思と一時使用の可罰性
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "法学>刑法>刑法各論>個人的法益に対する罪>財産に対する罪>財産犯総論", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "不法領得の意思:権利者排除意思と一時使用の可罰性", "title": "財産犯総論" } ]
法学>刑法>刑法各論>個人的法益に対する罪>財産に対する罪>財産犯総論
[[法学]]>[[刑法]]>[[刑法各論]]>[[個人的法益に対する罪]]>[[財産に対する罪]]>[[財産犯総論]] == 財産犯総論 == === 財産犯の分類 === * 領得罪と毀棄罪 * 移転罪と横領罪 * 財物罪と利得罪(財産犯の客体を参照) === 財産犯の客体 === ==== 財物 ==== * 学説 ** 有体物説 ** 管理可能性説 * 判例 ** 大判明治36年5月21日刑録9輯874頁 ** 東京地判昭和40年6月26日下刑集7巻6号1319頁 ** 東京地判昭和59年6月28日判時1126号6頁 ** 東京地判平成9年12月5日判時1634号155頁 * 不動産 ==== 財産上の利益 ==== === 財産犯の保護法益 === * 学説 ** 本権説 ** 所持説 * 242条の解釈 * 判例 ** 大判大正7年9月25日刑録24輯1219頁 ** 大判大正12年6月9日刑集2巻508頁 ** 最判昭和24年2月15日刑集3巻2号175頁 ** 最判昭和24年2月8日刑集3巻2号83頁 ** 最判昭和34年8月28日刑集13巻10号2906頁 ** 最判昭和35年4月26日刑集14巻6号748頁 ** 最判平成元年7月7日刑集43巻7号607頁 === [[不法領得の意思]] === [http://strafrecht.typepad.jp/blog/2005/10/post_b7ba.html 不法領得の意思:権利者排除意思と一時使用の可罰性]<!--リンク切れ 2017-5 --> == 関連項目 == * [[w:財産犯|財産犯]] * [[w:財物|財物]] {{stub}} [[Category:刑法各論|さいさんはんそうろん]]
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3,082
名誉毀損と表現の自由
名誉(人格的利益)と表現の自由という憲法的価値(人権)が対立する場合、いずれの保護が優先されるか、またその判断基準は何かが問題になる。 以下では、刑法学における議論を紹介する。
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*[[法学]]>[[憲法]]>[[日本国憲法]]>[[人権 (日本国憲法)]]>[[表現の自由 (日本国憲法)]]>[[名誉毀損と表現の自由]] *[[法学]]>[[刑事法]]>[[刑法]]>[[刑法各論]]>[[名誉毀損と表現の自由]] == 名誉毀損と表現の自由 == === 総論・合憲性 === 名誉(人格的利益)と表現の自由という憲法的価値(人権)が対立する場合、いずれの保護が優先されるか、またその判断基準は何かが問題になる。 以下では、刑法学における議論を紹介する。 === 真実性の証明 === *挙証責任の転換 *法的性格 **処罰阻却事由説 **違法阻却事由説 **構成要件該当性阻却説 **過失犯処罰規定説 === 真実性の誤信 === *判例 **初期の判例 **最大判昭和44・6・25刑集23・7・975 *学説 **錯誤論的アプローチ ***違法阻却事由説+厳格責任説 ***「証明可能な程度の真実」 **違法論的アプローチ ***二分説+刑法35条 **過失論的アプローチ ***過失犯処罰規定説 {{stub}} [[Category:刑法|めいよきそんとひようけんのしゆう]] [[Category:憲法|めいよきそんとひようけんのしゆう]]
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3,083
高等学校英語オーラルコミュニケーション
小学校・中学校・高等学校の学習>高等学校の学習>高等学校英語オーラルコミュニケーション 英語>高等学校英語オーラルコミュニケーション 本項は高等学校英語オーラルコミュニケーション の解説である。 オーラルコミュニケーションでは特に英語での会話を扱う。 通常言語を学ぶ際に、会話でそれを用いることこそが最も重要な 目的であると考えられがちである。しかし、より深く考えてみると必ずしも それが常に正しいといえるわけではないことが分かる。 ある情况では自分がやりたいと考えていることや仕事でやらなくてはいけないと 考えられることに関する情報が英語でしか与えらえられていないことがある。 このような場面にあたって英語を学ぶときには、英語はあくまで自分の本来の 目的を果たすための方法であり、そのことを学ぶ事自体が目的であるわけではない。 そのため、例えば、対応する情報が常に文書の形で与えられていることが 既に知られているなら、英語の話し方というよりも読み方に集中して学べばよい。 また、仮に対応する情報伝達が主に会話を通じてなされるとしても それだけで英語の会話を詳しく学ぶことが必要という結論に到ることは できない。なぜなら、あらかじめ十分な準備をしなくても、ある場面に おいては、片言の英語や単語の羅列だけでも十分必要なことをなすことが出来、 文法的に正しい会話や正しい発音を用いる必要が無いことがある。 そのため、特に英語の会話により重点を置く内容があることは一見不思議に思える。 このことはしかし、正しい発音と正しい文法に裏打ちされた正確な英語が 必要でないということを意味してはいない。 例えば、国際会議などの公の場で用いられる英語に、正確でない英語を用いることは 情况によっては面倒な自体を引き起こしかねない。この様な情况では 1語1語が日常会話とは異なる重要な意味を持つため、どんな言い間違いや 言葉の間違いも重大な不利益を引き起こす可能性があるからである。 このようなことから、より重要な地位を得たいと思うものはより正確な英語を 修得しておいた方が英語を用いるいろいろな場面で有利に働くと考えられる。 更に重要なことには、上のように英語を読むことが必要であるから 読むことを特に重点的に練習するという方法が効率的な方法であるかどうかが 必ずしも明らかでは無いことによる。 そうではなく、英語に関する能力を全体的に伸ばす方がより効果的な勉強法である という意見もある。ここでいう英語に関する全体的な能力とは 読む、書く、聞く、話すの4つの能力であり、これらは互いに関係しあって いるので、1つだけを伸ばそうとするよりもより効果的であるという 考え方である。 しかし、これは経験的な結果であり、このことが仮に正しいとしても どんな人に対してもこのことが当てはまるわけではない。 いずれにしても正確な英語を身に着けることはそれ自体興味深いことでもあるので、 ここで扱うのである。 既に英語の音が日本語の音よりもかなり多いことを中学校英語で 学んだ。母音を表わすアルファベットは日本語と同じく の5つであるが、それぞれに対応する音が複数ある。そのうえ、 日本語でいうそれぞれの音に対応する文字が常に英語でも同じ文字で表わされる 訳でもない。例えば、 の強勢音節の母音はouで与えられるが、この語は /ɪˈnʌf/ とよみ 対応する日本語の文字は /ʌ/ である。同じ様に という単語では ir は /ɜː(r)/ と発音され、イとは読まれない。 このように英語の音は文字と異なった発音をすることがあり、 特にいくつかの文字がつらなった時にその傾向がある。 ここではおもな母音と対応する発音をまとめる。 更に、英語の単語にはそれぞれアクセントと呼ばれる強く読まれる位置が 定められている。アクセントの位置の母音とその前の子音は通常の 音よりもすこし長く読むようにするとよい。 一方、アクセントが無い位置の母音は通常弱く読まれ、多くの場合に əと同じ様な発音になる。これは、aに対応する文字だけでなく、 i, u, e, o に関しても同じである。また、əと同じような発音になった 母音は情况によって全く発音されないことがある。そのため、このようなときには アクセントがある母音だけが発音され、それ以外はただ子音だけが発音される ようになる。このような音だけでも英語を母国語とする人間はこれらの単語を 聞き取ることが出来るようである。例えば、 という単語ではアクセントはiの上につく。このときそれ以外の母音である e, ieはどちらもəのような発音になり、情况によっては発音されないこともある。 それぞれの場合について上の語の発音は または のようになる。一方仮にアクセントの位置が最初のeの上にあるとかんちがいしたと する。このときには上の単語は または のように発音され全く違う語のように聞こえてしまう。この様にアクセントの位置は 英語の発音の中で非常に重要な位置をしめるため、それぞれの単語に対する アクセントの位置を記憶しておく必要がある。 更に、子音に対しても子音のつながり方次第で発音が変わることが知られている。 例えば、appleという単語があるが、この単語のplの発音はlの位置に舌をつけて pという様な音に対応する。日本語のプ音とル音を続けて読んだような音は 通常pulのような語に対応してしまうので注意が必要である。この様な発音を 行なう必要がある子音の並びはいくつかあるのでここでまとめておく。 まず、 ではlの位置に舌をつけたまま対応する子音の発音をする。一方、 ではrの位置に舌をつけたまま対応する子音の発音をする。 また、上のような発音とは異なっているが、thという子音の並びが出て来たときには この語は /θ, ð/ という特別な発音になる。 このように子音の並びで特別な発音が生じる語をまとめる。 などがある。 通常英語の文章では重要な単語や新しく出て来た情報は強く読まれそれ以外の 単語は弱く読まれる。例えば、 などの文章では食べたということを強調したいときにはeatを 強く読み、リンゴをという点を強調したいときにはappleを強く読む。 一方それ以外の単語は弱く読まれるのであるが、実際にはこの時単に弱く読まれる だけでなく速く読まれる。また、読まれる速度が速くなるにしたがって 特に冠詞や代名詞などの重要な情報を担っていないと思われる語については、 その母音はアクセントが入っている文字ですらəに近い音になることがある。 ただし、名詞などの比較的重要度の高い語ではアクセントの音だけは保たれる 事が多い。そのため、例えば上の文でappleを強調するときには というように eat と apple 以外の母音がほとんど落ちて聞こえる。このため 日本語的に全ての語に母音が入っているものとして聞こうと思うとけっして聞き取る 事が出来なくなるので注意が必要である。また、最後のpl音は通常の発音と 比べて変化することに注意。 また、英語の発音では日本語の感覚と比べると息継ぎと息継ぎの感覚がかなり 長くなっている。 例えば、 という程度の文は通常1度も息継ぎをすること無く発声されるものと思われる。 もちろん話す速度によるので、sinceの前などで息継ぎが入ることも ありそうだが、たいていは息継ぎ無しで十分と思われる。 これは実際に上の文を読むときには母音を読む語が 程度であり、しかもそれらの語に対しても発音するのはアクセントが入った 文字だけである。それ以外の語は単に軽く口の形を適当な発音の音の形に 変化させる程度ですむのである。一方、日本語ではそれぞれの字に対して 母音を明確に定める必要があるためこの様な読み方をすることは難しい。 ここからは実際の会話に近い文章をあげていく。この様な文章は 会話の基本になるものなので十分に身に着けておくとよい。 ここでは本文は単に文として書いたが、実際にはこれらの文章は 通常音声としてだけ与えられ、それらの本文は与えられないことも多い。 しかし、ここでは技術的な問題で音声を受け渡す方法が無いので、 さしあたり文章だけを書いている。 ほとんどが中学校程度の文法だが中学校程度の英文でも、 日常会話程度にはほぼ十分であることがわかる。 場面としてはそれほど高級でないレストランに来た夫婦を想定している。 例えばここがより高級なレストランだったときには店員に対する注文では 単にwantではなく、would like toなどのより丁寧な表現を使った方が 無難である。一方、店員の側はB,Cに対して丁寧な口調で話している。 また、男の方も店員に対してはwantで話しているが自分の妻に対しては would like toで話している。 店員の会話の1つに という文章があるが、疑問文であることからsomethingはanythingとなった方が よいように思える。ただし疑問文の中でanyの代わりにsomeを用いることは可能であり、 その場合には実際にそれが存在することをより強く前堤としている言い方となる。 ここでは、anythingとすると既に十分に買いものをしているという 表現になりsomeではもう少し買ってもよいのではとすすめるような表現になる。 ここでは、店員の発言と言うことで後者を選んでもよさそうである。 一応ここでは店員の言っていることは全て本当であると言う 前堤で話を進めている。 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小学校・中学校・高等学校の学習>高等学校の学習>高等学校英語オーラルコミュニケーション 英語>高等学校英語オーラルコミュニケーション 本項は高等学校英語オーラルコミュニケーション の解説である。
[[小学校・中学校・高等学校の学習]]>[[高等学校の学習]]>高等学校英語オーラルコミュニケーション [[英語]]>高等学校英語オーラルコミュニケーション 本項は高等学校英語オーラルコミュニケーション の解説である。 ==始めに== オーラルコミュニケーションでは特に英語での会話を扱う。 通常言語を学ぶ際に、会話でそれを用いることこそが最も重要な 目的であると考えられがちである。しかし、より深く考えてみると必ずしも それが常に正しいといえるわけではないことが分かる。 ある情况では自分がやりたいと考えていることや仕事でやらなくてはいけないと 考えられることに関する情報が英語でしか与えらえられていないことがある。 このような場面にあたって英語を学ぶときには、英語はあくまで自分の本来の 目的を果たすための方法であり、そのことを学ぶ事自体が目的であるわけではない。 そのため、例えば、対応する情報が常に文書の形で与えられていることが 既に知られているなら、英語の話し方というよりも読み方に集中して学べばよい。 また、仮に対応する情報伝達が主に会話を通じてなされるとしても それだけで英語の会話を詳しく学ぶことが必要という結論に到ることは できない。なぜなら、あらかじめ十分な準備をしなくても、ある場面に おいては、片言の英語や単語の羅列だけでも十分必要なことをなすことが出来、 文法的に正しい会話や正しい発音を用いる必要が無いことがある。 <!-- それが間違いの始まりだった ... 。 --> そのため、特に英語の会話により重点を置く内容があることは一見不思議に思える。 このことはしかし、正しい発音と正しい文法に裏打ちされた正確な英語が 必要でないということを意味してはいない。 <!-- この文章は難しい。''このこと''は正確な英語が、英語が用いられる あらゆる場面で必要だというわけではないということ''のことを表わしている。 --> 例えば、国際会議などの公の場で用いられる英語に、正確でない英語を用いることは 情况によっては面倒な自体を引き起こしかねない。この様な情况では 1語1語が日常会話とは異なる重要な意味を持つため、どんな言い間違いや 言葉の間違いも重大な不利益を引き起こす可能性があるからである。 このようなことから、より重要な地位を得たいと思うものはより正確な英語を 修得しておいた方が英語を用いるいろいろな場面で有利に働くと考えられる。 更に重要なことには、上のように''英語を読むことが必要であるから 読むことを特に重点的に練習する''という方法が効率的な方法であるかどうかが 必ずしも明らかでは無いことによる。 そうではなく、英語に関する能力を全体的に伸ばす方がより効果的な勉強法である という意見もある。ここでいう英語に関する全体的な能力とは ''読む、書く、聞く、話す''の4つの能力であり、これらは互いに関係しあって いるので、1つだけを伸ばそうとするよりもより効果的であるという 考え方である。 しかし、これは経験的な結果であり、このことが仮に正しいとしても どんな人に対してもこのことが当てはまるわけではない。 <!-- この話をどこで聞いたのか思いだせない。しかし、 高校の授業がreading, writing 等に分かれている事自体が情況証拠にはなる。 --> いずれにしても正確な英語を身に着けることはそれ自体興味深いことでもあるので、 ここで扱うのである。 <!-- 正確にはこの発言はおかしい。あまり論理的ではない。しかし、このような 話の進め方はよく用いられる。 --> ==基本事項== ===発音=== 既に英語の音が日本語の音よりもかなり多いことを[[中学校英語]]で 学んだ。母音を表わすアルファベットは日本語と同じく a, i, u, e, o の5つであるが、それぞれに対応する音が複数ある。そのうえ、 日本語でいうそれぞれの音に対応する文字が常に英語でも同じ文字で表わされる 訳でもない。例えば、 enough の強勢音節の母音は''ou''で与えられるが、この語は /ɪˈnʌf/ とよみ 対応する日本語の文字は /ʌ/ である。同じ様に birth という単語では ''ir'' は /ɜː(r)/ と発音され、''イ''とは読まれない。 このように英語の音は文字と異なった発音をすることがあり、 特にいくつかの文字がつらなった時にその傾向がある。 ここではおもな母音と対応する発音をまとめる。 a: /æ/ apple packageなど /ə/ 強勢が無い場合通常この音になる。 /eɪ/ case tableなど i: /ɪ/ pick, kickなど u: /uː/ June nuclearなど /ʌ/ supper summerなど e: /e/ neck deskなど, また、語の最後のeはしばしば読まれない。更に母音+子音+eで 終わる単語は母音を長母音で読む。 safe knife cute codeなど o: /ʌ/ college tongueなど /əʊ/ code, homeなど ai: /eɪ/ paint mountainなど ay: /eɪ/ play clayなど au: /ɔː/ August fraudなど aw: /ɔː/ law drawなど ei: /eɪ/ weightなど <!-- ''aɪ'' height--> ey: ''eɪ/ they mayなど ee: /iː/ knee teethなど ea: /iː/ cease teaなど ie: /iː/ piece fieldなど ou: /aʊ/ loud cloudなど, /ʌ/ enough country accountなど oa: /əʊ/ load, soapなど ow: /aʊ/ how, nowなど au: /ɔː/ pause sauceなど al: /ɔː/ call tallなど oo: /ʊ/ hook goodなど /uː/ shoot chooseなど ir, ur, er: どれも /ɜː(r)/ third hour winter これらの発音は等しい。 ar: /ɑː(r)/ hard yardなど or: /ɔː(r)/ lord swordなど <!-- 辞書を検索するとすぐ単語が集まる。偉大だ ... 。 ここでは和英辞書として [[w:edict]]を用いた。--> 更に、英語の単語にはそれぞれアクセントと呼ばれる強く読まれる位置が 定められている。アクセントの位置の母音とその前の子音は通常の 音よりもすこし長く読むようにするとよい。 一方、アクセントが無い位置の母音は通常弱く読まれ、多くの場合に ''ə''と同じ様な発音になる。これは、aに対応する文字だけでなく、 i, u, e, o に関しても同じである。また、''ə''と同じような発音になった 母音は情况によって全く発音されないことがある。そのため、このようなときには アクセントがある母音だけが発音され、それ以外はただ子音だけが発音される ようになる。このような音だけでも英語を母国語とする人間はこれらの単語を 聞き取ることが出来るようである。例えば、 efficient という単語ではアクセントはiの上につく。このときそれ以外の母音である e, ieはどちらも''ə''のような発音になり、情况によっては発音されないこともある。 それぞれの場合について上の語の発音は əˈfɪʃənt または ˈfɪʃnt のようになる。一方仮にアクセントの位置が最初のeの上にあるとかんちがいしたと する。このときには上の単語は *efəʃənt または *efʃnt のように発音され全く違う語のように聞こえてしまう。この様にアクセントの位置は 英語の発音の中で非常に重要な位置をしめるため、それぞれの単語に対する アクセントの位置を記憶しておく必要がある。 更に、子音に対しても子音のつながり方次第で発音が変わることが知られている。 例えば、appleという単語があるが、この単語のplの発音はlの位置に舌をつけて pという様な音に対応する。日本語の''プ''音と''ル''音を続けて読んだような音は 通常pulのような語に対応してしまうので注意が必要である。この様な発音を 行なう必要がある子音の並びはいくつかあるのでここでまとめておく。 まず、 bl pl kl sl ではlの位置に舌をつけたまま対応する子音の発音をする。一方、 br pr kr ではrの位置に舌をつけたまま対応する子音の発音をする。 また、上のような発音とは異なっているが、thという子音の並びが出て来たときには この語は /θ, ð/ という特別な発音になる。 このように子音の並びで特別な発音が生じる語をまとめる。 th: /θ, ð/ sh: /ʃ/ ch: /ʧ/ などがある。 ===強勢=== 通常英語の文章では重要な単語や新しく出て来た情報は強く読まれそれ以外の 単語は弱く読まれる。例えば、 Did you eat this apple? などの文章では''食べた''ということを強調したいときには''eat''を 強く読み、''リンゴを''という点を強調したいときには''apple''を強く読む。 一方それ以外の単語は弱く読まれるのであるが、実際にはこの時単に弱く読まれる だけでなく''速く''読まれる。また、読まれる速度が速くなるにしたがって 特に冠詞や代名詞などの重要な情報を担っていないと思われる語については、 その母音はアクセントが入っている文字ですら''ə''に近い音になることがある。 ただし、名詞などの比較的重要度の高い語ではアクセントの音だけは保たれる 事が多い。そのため、例えば上の文で''apple''を強調するときには dɪd j ˌiːt ðɪs ˈæpl? というように eat と apple 以外の母音がほとんど落ちて聞こえる。このため 日本語的に全ての語に母音が入っているものとして聞こうと思うとけっして聞き取る 事が出来なくなるので注意が必要である。また、最後のpl音は通常の発音と 比べて変化することに注意。 また、英語の発音では日本語の感覚と比べると息継ぎと息継ぎの感覚がかなり 長くなっている。<!-- これは上のように重要でない単語では母音を落とすことが 出来るので、それほど息継ぎをしなくても発声が出来るからに思われる。 --> 例えば、 I think that this plan just must be the one that you have to choose, since if you did that, you will have got a lot of good experience. 訳:私はこの案こそあなたが選ばなくてはならない案だと思う、なぜなら もしあなたがそうしたならあなたはとてもよい経験をたくさんすることになるからだ。 <!-- 何かを推めているときに言われそうな文章。語数から予測される程に 内容をたくさん含んでいるわけではない。 --> <!-- この文章のsince以下は仮定法を用いているためyou will ... のwillは 文法的にはwouldで無くてはいけない。しかし、どちらかといえば決め付けるような 含みがある文章であるため、wouldではなくwillが用いられることもありそうである。 --> という程度の文は通常1度も息継ぎをすること無く発声されるものと思われる。 もちろん話す速度によるので、sinceの前などで息継ぎが入ることも ありそうだが、たいていは息継ぎ無しで十分と思われる。 これは実際に上の文を読むときには母音を読む語が think plan must choose did experience 程度であり、しかもそれらの語に対しても発音するのはアクセントが入った 文字だけである。それ以外の語は単に軽く口の形を適当な発音の音の形に 変化させる程度ですむのである。一方、日本語ではそれぞれの字に対して 母音を明確に定める必要があるためこの様な読み方をすることは難しい。 ==レストラン== <!-- 指導要領には望ましい場面に関する記述がある。レストランはそのうちの1つで 他には電話、旅行、買いもの、... などがある。 --> ここからは実際の会話に近い文章をあげていく。この様な文章は 会話の基本になるものなので十分に身に着けておくとよい。 ここでは本文は単に文として書いたが、実際にはこれらの文章は 通常音声としてだけ与えられ、それらの本文は与えられないことも多い。 しかし、ここでは技術的な問題で音声を受け渡す方法が無いので、 さしあたり文章だけを書いている。 <!-- 技術的には既にlinuxなどを使っていてすら音声をコンピューター上のデータとして とどけることは容易になっている。Windowsなどにおいてはwindows media playerなどが既に数年前から実用化されており、それらを用いた英語教材も 多く知られている。ただし、あらゆるプラットフォームで同じ様に使える音楽 データがあるかどうかは今の時点では''だいたいある''としか言いようがない。 windows media playerで最もよく使われる保存形式は特許等の理由で linux上で用いることは出来ない。一方、フリーの音楽形式と知られている .oggファイルはlinux上で聞くことが出来、windows上でもwindows media player で聞くことができるようだが、少し古いwindowsだと対応しておらず、 プラグイン等の設定をしないとうまくいかないようである。 また、仮に技術的な問題が解決されたとしても、英語の文章を正確に 発音してくれるnative speakerを探す必要があるので、全ての問題が解決される わけではない。 --> *本文 A: What is your order, sir? B: Well, I wanna have a steak and potato salad. Mary, what would you like? C: I also want to have a steak, but I also want to have a cup of coffee. A: Would you like your coffee after the lunch or before the lunch? C: I want that after the lunch. A: Okay, uh, do you need something else? B: Oh, well, I want to have a glass of wine. C: George, you can't. You have to go to your office this afternoon. B: Well, I guess I could. Since such little amount of wine is not bad at all to do my work. C: George, absolutely you can't. If you did, you should be just fired from your job. *解説 ほとんどが中学校程度の文法だが中学校程度の英文でも、 日常会話程度にはほぼ十分であることがわかる。 場面としてはそれほど高級でないレストランに来た夫婦を想定している。 例えばここがより高級なレストランだったときには店員に対する注文では 単にwantではなく、would like toなどのより丁寧な表現を使った方が 無難である。一方、店員の側はB,Cに対して丁寧な口調で話している。 また、男の方も店員に対してはwantで話しているが自分の妻に対しては would like toで話している。 <!-- レディーファーストとというよりは年の功といった方が正しそうだが ... 。 --> *文法 店員の会話の1つに A: Okay, uh, do you need something else? という文章があるが、疑問文であることからsomethingはanythingとなった方が よいように思える。ただし疑問文の中でanyの代わりにsomeを用いることは可能であり、 その場合には実際にそれが存在することをより強く前堤としている言い方となる。 ここでは、anythingとすると''既に十分に買いものをしている''という 表現になりsomeでは''もう少し買ってもよいのでは''とすすめるような表現になる。 ここでは、店員の発言と言うことで後者を選んでもよさそうである。 ==買いもの== *本文 A: Excuse me, but may I help you? B: Yes, I need a chair for my husband. The old one is a bit shabby. A: Ok, then you could have this. That is made of the finest wood from an Asian country Malaysia. Where would you like to put this chair in your house? B: I'd like to put it in the living room. A: If you put this in your room, the atmosphere of your house will be much warmer since the chair is created by the best worker in that country. <!-- And the house you have also must be the superb one since you could by such a majestic thing. --> B: You mean you know the best worker in such a distant country? Is that really? I don't see why you could say such a thing. That is a bit too good to occur around me. A: Well, the company I belong to collects a large amount of catalog of each piece of our furniture. Then since I read that, I naturally could say what I have told. *解説 <!-- 妙に口の上手い店員がいる場合、話の流れとしては途中でその話が嘘であることが 知れるなどのぼろが出てしまい、店員は目的を達することが出来ないという話を 作ることは出来るが、 --> 一応ここでは店員の言っていることは全て本当であると言う 前堤で話を進めている。 <!-- 最も''家の雰囲気がとてもあたたかくなりますよ''という くだりは個人の主観がからむので何とも言えないのだが ... 。 --> ここでは、彼らの会社がカタログを集めて、それぞれの家具の特徴をつかんでいる 事にしているが、実際の商売の場面では[[w:posシステム]]などコンピューターを からめる場合が多い。日本でも、スーパーなどの生鮮食品を扱うコーナーでは それぞれの野菜や肉の生産者をリアルタイムで表示するシステムを <!-- ''システム''という言葉は常に大雑把 ... 。 --> 用いているところがある。これらはよりよいものを使いたいという消費者の 声に答えて導入されているが、情報技術の技術的な発展がそのことを助けたことは 興味深い。 上の例では特に店員の属する会社がそのような技術を用いているという記述は 無いのだが、マレーシアの情况をつかんでいることからおそらく何らかの 形で情報技術を用いているといえるだろう。 *文法 much warmer 形容詞の比較級が形容詞に-erをつけて作られることは既に[[中学校英語]]で 学んだ。ここで、形容詞の比較級に適切な副詞をつけることで、 比較の意味を強めたり、和らげたりすることが出来る。例えば、上の例では warmer: よりあたたかい much warmer: ずっとあたたかい などとなり、muchは比較級を強める働きをする。ここで、通常の形容詞を 扱うときのように >< very warmer などとすることは出来ない。 <!-- 一方 very much warmer という言い方は可能だが、 --> 他に比較級を修飾する副詞として a bit: 少し by far: はるかに などがあげられる。 furniture 英語の名詞には数えられる名詞と数えられない名詞があることを[[中学校英語]]で 学んだ。このような名詞のことをそれぞれ可算(countable)名詞、 不可算(uncountable)名詞と呼ぶ。ここで、不可算名詞の例として 物質で出来た名詞があげられるがこの様な名詞を特に物質名詞と呼ぶことがある。 例えば、 metal, wood, silver ... などがあげられる。また、ある数えられる名詞が集まって出来た名詞の中には それ自体が複数形の様な意味を持ち、複数形を持たなくなる名詞がある。 例えば、 people, furniture ... などがあげられる。furnitureは日本語では''家具''と訳されるため、数えられる 名詞と考えられがちだが、実際に''1つのfurniture''といいたい時には a piece of furniture などを用いるとよい。単語によってはその名詞をどのように解釈するかで、 複数形となったり単数形となったりする。例えば、 family, police などはそれらを構成するメンバーについて考えるなら複数と考えられ、 全体を1つとして考えるなら単数となる。 ==インタビュー== *本文 A: Good morning, Mr Sato. B: Good morning. A: I wanna give you several questions about what you did. If you have something you couldn't tell us, please let me know. B: I see. If I have, I could say so. A: Well, uh, you're a soccer player belonging to a famous German football club. Is that true? B: Yes, it is. I went there in the year before last. A: You have played a lot of games in that soccer league and have much contribution to the success of the team you belong to. B: Yes, I did. I played most games held this year and got three goals that could be a winning goal. A: Oh, that seems wonderful. Well, you also have a lot of fans in that country and in your hometown, is that true? B: Well, yes. In my hometown, I seem sort of famous and many soccer fans seem to visit my house. In Germany, since soccer is very popular sports in that country, there could be many persons watching our playing games and our training. A: To have a lot of fans is so nice that I sort of envy you. Well, lastly, do you have something to say the persons who wanna play in German league? B: Well, uh, I want to say that it is very nice to play soccer in that country since the people there generally like soccer very much. Since the people there also are very kind, it is not very hard to live there. Since they generally don't speak Japanese, you could learn German. Speaking English could also help you. A: Ok, that is the best comment to end this interview. Thank you for your cooperation. B: Thank you. *解説 <!-- さすがにこれだけ長いと文法ミスがありそうだ。とはいえ 校正を頼めるネイティブの友人などいないので、誰かが気が付いて 直してくれることを祈る。後ろ向きな処置だが ... 。 --> ドイツに渡った日本のサッカー選手が有名になって何らかのニュースのインタビューを 受けているという設定である。 <!-- ドイツでインタビューならドイツ語だろうし、日本でインタビューなら 日本語だろうからなぜ英語なのかという疑問が残るが ... 。そもそも通訳は いないのだろうか。 --> やや長い英文だが例えば[[w:TOEIC]]リスニングの終盤の問題ではこの程度の 長さの英文を聞いてその内容から質問されるという形式の問題が 多い。この種の問題はかなり難易度が高く差がつきやすいところである。 *文法 sort of 上の文章中でsort ofという言葉が何か所か見られた。この言葉は本来文法的には 後に名詞がつくはずだが現在では副詞に転用されて単に後の語を和らげる 働きを持つようである。 他にkind ofなども使われる。 <!-- Practical English Usage Michael Swan Oxford University Press で見つけた文法。 --> ただしこれらの文法はあくまでinformalなもので、formalな場では用いられない ようである。 [[Category:英語|高えいこおうらるこみゆにけしよん]] [[Category:高等学校教育|えいこおうらるこみゆにけしよん]]
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2009-12-02T06:35:23Z
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https://ja.wikibooks.org/wiki/%E9%AB%98%E7%AD%89%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E8%8B%B1%E8%AA%9E%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%A9%E3%83%AB%E3%82%B3%E3%83%9F%E3%83%A5%E3%83%8B%E3%82%B1%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3
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小学校算数/2学年
バスに人が、9人のっています。つぎのバスていで、7人ふえて、またつぎのバスていで3人がへりました。バスにのっている人数は何人でしょう。 このもんだいの答えは というしきで もとめられます。こたえは13人です。 34 + 12 の ような けいさん を するとき に、 下 の ような けいさん の しかた が あります。 これを ひっさん(筆算) と いいます。 たとえば、この 34+12 の ひっさん では、34 の「3」 の ぶぶん は、十(じゅう)の くらい です。 34 の「4」 の ぶぶん は、一(いち)の くらい です。 12 の、「1」のぶぶんは 十のくらい です。 12 の、「2」のぶぶんは、一のくらいです。 このように、ひっさんを かくときは おなじ くらい どうしの 、たて の ならび を あわせて、かきます。 3の下に 1が かいてあることに、きづいてください。 4の下に 2が かいてあることに、きづいてください。 では、 たしざんの ひっさん の しかた を せつめいします。 まず、一のくらいの数をたして、下にかきます。4+2=6なので、6 とかきます。 つぎに、十のくらいの数をたして、下にかきます。3+1=4なので、4 とかきます。 こたえは 46 となります。 つぎは 53+29 を計算してしましょう。 まず、一のくらいをたしあわせると 3+9=12 となりますが、そのままではかけません。 そこで、十のくらいに 1 くりあげて 一のくらいに 2だけかきます。 つぎに 十のくらいを たしあわせますが、くりあがりの 1 があるので 1 も たして 5+2+1=8 となります。 53+29のこたえは 82です。 まず、一のくらいをひきます。 6-2=4 となります。下に 4 とかきます。 つぎに 十のくらいを ひきます。5-3=2 となります。下に 2 とかきます。 56-32のこたえは 24 です。 まず、一のくらいをひくと 1-5 となりますが、ひけません。 そこで、5 だけかいて、十のくらいを 1 くりさげて 一のくらいに 3をけして 1ひいて 2 に します。 十のくらいを ひきます。6-2=4 となります。下に 4 とかきます。 71-26 のこたえは 45 となります。 106 - 37 を考えてみましょう。 まず、一のくらいを ひきざんします。しかし、6-7 はけいさんできません。下に 9 だけかいて、そこで、十のくらいを 1 くり下げます。しかし、十のくらいは 0 なので、くり下げられません。そこで、百のくらいから 1 くり下げます。百のくらいと 十のくらいの「10」を1 くりさげて 9 にします。そして、十のくらいをけいさんします。 9-3=6 なので、 6 をかきます。よって、こたえは 69です。 うさぎが、3ひき います。うさぎには、1ひきで 2こずつ 耳が ついています。うさぎの耳の数は、3ひきを あわせて、ぜんぶで、耳は、いくつでしょうか。 かんがえかたは、いくつもあります。 うさぎが、3ひき、います。 そして、耳は、1ひき に、2こ ずつ ついています。 なので、3ひき、ぜんぶでは、つぎのようになります。 そして、耳は、1ひき に、2こ ずつ ついています。 うさぎが、3ひき、います。 なので、3ひき、ぜんぶでは、つぎのようになります。 ほかにも、 しきは と、あらわせます。 つぎのように、 かきます。 よみかたは、「に かける さん」 と、 よみます。 2 × 3 {\displaystyle 2\times 3} の こたえは、 2 + 2 + 2 {\displaystyle 2+2+2} と おなじです。 たしざんの しきと こたえは 2 + 2 + 2 = 6 {\displaystyle 2+2+2=6} ですね。 なので 2 × 3 {\displaystyle 2\times 3} の こたえは です。 たしざんの しきと こたえは 2 + 2 + 2 = 6 {\displaystyle 2+2+2=6} ですね。 なので 2 × 3 {\displaystyle 2\times 3} の こたえは です。 「 2 × 3 {\displaystyle 2\times 3} 」 のようなけいさん を かけざん と いいます。 うさぎが、5ひき だと しましょう。 このとき、 5ひき ぜんぶを あわせた みみのかずは いくつでしょう? しきの、 を、 もとめるには、 どうすれば、よいでしょうか? このばあい、 で、 もとめることが、 できます。 を、計算してみましょう。 たとえば、うえの 図のように、かんがえた場合、こたえは 15 ですね。 8台の車に、子どもが、4人ずつのっています。ぜんぶで、子どもは、何人のっていますか。 「4かける8」とよみます。こたえのもとめかたは、4の8つ分なので、 と、たしざんでもとめます。こたえは、32です。 1 × 1 {\displaystyle 1\times 1} から、 9 × 9 {\displaystyle 9\times 9} まで、かけ算のしきは、たくさんあります。たとえば、 5 × 6 {\displaystyle 5\times 6} は、「五六 30」といいます。このようないいかたを、「九九」といいます。九九をおぼえると、生活の中で、とてもやくに立ちます。 上の表は、九九の表です。もし 4 × 8 {\displaystyle 4\times 8} のばあいは、4と8のらんを見ていって、かさなるところが、答え(こたえ)に、なります。 ところで、=の、よみかたについて、 たしざんのときは 1+1=2 は「いち たす いち は(わ) に」 と = を 「は」(わ)と、よんでいたのに、 なんで、 かけざんでは 1×1=1「いんいち が いち。」 というふうに = を 「が」 で よむの? と、いわれても、 とくに、 ふかい りゆうは ありません 。 むかしからの 日本(にほん)での 九九(くく)の よみかたで 、 このような 九九の よみかたが 、 つたえられている だけです 。 ちなみに、かけざんの答えが9までなら九九に「が」が入り、10をこえたら入りません。 つぎの もんだいを といて みましょう。 4×3 = 7×2 = 9×9 = 2×7 = 5+9 = 7×8 = 7-2 = 3×9 = 4×3 = 12 7×2 =14 9×9 = 81 2×7 = 14 5+9 = 14 7×8 = 56 7-2 = 5 3×9 = 27 もっと、もんだい を ときたい ひと は 、 「2ねんせいのためのさんすうドリル」 の ページ を 見に 行って(いって) ください。 した の 「2ねんせいのためのさんすうドリル」の もじ を おすと、みている ページが ドリルのぺージに かわります。 ながさをはかるときには、「ものさし」というどうぐを つかうことがあります。 学校や いえ(家) で、 このような めもり が ふってある もの を みたことが ある人も いるでしょう。 家の人 に 、おうち にある ものさし を みせてもらって ください。 うえの ものさしの 図で、1めもり (「0」と「1」の あいだの ながさ) を 1cmといいます。ながさは、1cmの いくつ分かで あらわします。 もし、 ものさし が ふたつ いじょう あれば 1cm の ながさを くらべてみてください。 どのものさしも、 1cmのながさ は、おなじに なっている でしょう。 このように、ながさのきじゅんはきまっています。 日本じゅう、せかいじゅう どこでも、1cm は同じ 長さです。これは、きまりなので かってに かえることは できません。 ものさし で書いた、まっすぐな線のことを、「直線」といいます。 たとえば、「4センチメートルの直線」といったら、ものさしをつかって書かれた、ながさが4センチメートルのまっすぐな線(せん)のことです。 100cmのことを 1mということがあります。 1mは100cmです。 1cm が 10mm でした。 なので、1mは 1000mm です。 ものには いろいろな 形のものが あります。たとえば あなたが 今見ているパソコンや タブレットなどの がめんも 形です。 3本の まっすぐな せん で できていて 、 そのどれもが むすばれている かたちを 三角形といいます。下の図を見てみましょう。 三角形 を つくっている まっすぐ な 直線 を 辺 と いいます 。 三角形 は 3ほん の へん で つくられています。 図形の角の点を ちょう点 といいます。 また、4ほんのまっすぐなせんでできていてそのどれもがむすばれているかたちをしかくけい(四角形)といいます。 しかくけい は 4ほん の 、直線 から できています 。 しかくけい は 4ほん の へん で できています。 このような、かど が みんな 直角 である しかくけい を、 ちょうほうけい (長方形)と いいます。 この ずけい の いろが ついている ところ は しかくけい ですね。 このように、 かど が みんな ちょっかくで、へんのながさ が すべて おなじ しかくけいを せいほうけい(正方形) と いいます。「ましかく」 下の図のような、かど が せいほうけい(正方形) の かど(角) や ちょうほうけい(長方形) の かど(角) と おなじ かど(角) の こと を ちょっかく(直角) といいます。 1つの かどが ちょっかくである三角形 のこと を 直角三角形 (ちょっかく さんかくけい) と、いいます。 かず の 100 のことを 百 といいます。 かず の 1000 の こと を 「千」と いいます。 1000 は かん字 で 千 と かきます。 1000 の こと を 一千 と いう ばあい も あります。 千(せん) の すうじ 1000 は、 1 の うしろ に、 0 が 3こ です。 1623 の よみかた は 「せん ろっぴゃく にじゅう さん」 です 。または、「いっせん ろっぴゃく にじゅう さん」 です 。 2000 の よみかた は 「にせん」 です 。 2025 の よみかた は 「にせん にじゅう ご」 です 。 3000 の よみかた は 「さんぜん」 です 。「さん せん」では なくて、「さん ぜん」です。 4000 の よみかた は 「よんせん」 です 。 5000 の よみかた は 「ごせん」 です 。 5000 の よみかた は 「ごせん」 です 。 6000 の よみかた は 「ろくせん」 です 。 7000 の よみかた は 「ななせん」 です 。 8000 の よみかた は 「はっせん」 です 。 9000 の よみかた は 「きゅうせん」 です 。 かず の 10000 の こと を 、「いち まん」と いいます。 10000 は かん字(漢字) で 一万 と かきます。 一万(いちまん) の すうじ 10000 は、 1 の うしろ に、 0 が 4こ です。 1から10000までの けた の いいかた を いうと 「いち じゅう ひゃく せん まん 」 となります。 声にだして、おぼえましょう。 お店でかうことのできるジュースには、中にどれくらいジュースが入っているかを「mL」や「L」をつかって書いてあります。またガソリンスタンドでも車にどれくらいガソリンが入ったかをあらわすために「L」をつかいます。これらはジュースやガソリンなどのりょうをくらべるためにつかうたんいです。 「mL」は ミリリットル とよみ、「L」は リットル とよみます。また、「dL」は デシリットル とよみます。 1L は 10dL です。 また 1L は 1000mL です。 1dL は 100mL と なります。 1リットル の おおきさ は 、せかいじゅう(世界中) の どこに でかけても、おなじです。 なお、リットルをはかる ための いれもの として 「リットルます」 という もの が あります。 ふつう、1リットルのかさを はかりやすいように なっているので 「1リットルます」とも いいます。 なお、デシリットルのための ます は「1デシリットルます」といいます。 バケツに、「1デシリットルます」を10っぱい そそぐと、1リットル の かさ になります。 「1リットルます」には、10とう分 した 線(せん)が あります。そして、その1Lのかさを 10とうぶん したものが 1dL でした。 「1デシリットルます」には、10とう分 した線が あります。 ですが、1デシリットルます を 10とう分 したものは 10mL です。(1mL と まちがえる人が、ときどき いる。) むかし、リットル「L」を「l」と 書くことが ありました。 また、むかし、「mL」を、「cc(シーシー)」ということが ありました。 いまはもう、あまり 「l」 や「cc」 はつかわれなく なりましたが、むかしは、つかわれていました。 14 と 57 では、どちらが おおきい かず でしょうか。 57 のほうが 、おおきい ですね。 かず の おおきさ を くらべるとき、この 14 と 57 の ばあい は、 と、かきます。 「14は、57より、小さい」 9 と 2 では、どちらが おおきい でしょうか。 9のほうが大きいです。 と、かきます。 このように、大きさ(おおきさ)をくらべるときに「>」や「<」といった記号(きごう)をつかいます。 >や<を ふとうごう(不等号) と いいます。 「とうごう」(等号)とは 「=」 のことです。 「ふとうごう」(不等号) の「ふ」(不)とは、「ちがう。」とか「そうではない。」という意味(いみ)です。 大きさが ちがう数(かず)を くらべるとき は、ちがう大きさなので、不等号(ふとうごう)の > や < をつかいます。 > と < の 、つかいかた は、 です。 17 と 13+4 は、どちらが大きいでしょうか。 このばあい、13+4=17 なので、おなじ大きさです。 こういうばあい の 大きさ くらべ は、 と、かきます。 このばあい、大きさが、おなじ なので、ふとうごうの < や > は、つかえません 。 みなさんは、たとえば、今(いま) 何時(なんじ)か しりたい ばあい に 時計(とけい)を 見ますね。では、 時こく(じこく) と 時間(じかん) に ついて 学びましょう。時計とは、このしゃしんのようなものです。 時計の 長いはりが 1目もり(いち めもり) うごく あいだ が 1分 (いちふん) です。 たとえば、宿題(しゅくだい)を始めた 時こく が 4時 だったとします。ちなみに、「時こく」は、「3時」「4時」などの「たんい」のことです。では「分」の学習にもどりましょう。宿題がおわると、 4時15分 でした。 宿題を始めてから 何分 たったか かんがえましょう。 さっき言ったように、長いはりが1目もり うごく あいだ が 1分 です。 4時 から 4時15分 に なるまで 15目もり うごきました。 こたえ は した に かいてあります。 さきに かんがえてから 、 こたえ を みて ください。 答えは、15分(じゅうごふん) が たった の です。 つぎは、時間(じかん)について 学びましょう。 時間とは、時こくと時こくの間のことです。 たとえば、サッカーの 番組(ばんぐみ)が はじまった 時こく(じこく) は、7時(しちじ)でした。 サッカー の 番組(ばんぐみ) が おわった 時こく(じこく) は、10時(じゅうじ)でした。 サッカー の 番組(ばんぐみ) は 何分 ほうそう していた でしょう。 まず、時間 の あたらしい たんい を 学びましょう。 短いはりが 一回り する あいだ は、1時間(いちじかん)です。 1時間 は、 60分(ろくじっぷん)です。 7時 から 10時 の あいだ に、長いはり の 一回り は 3回 ありました。 つまり、サッカーの 番組は 3時間(さんじかん) ほうそう していたのです。 1にち の ながさ は 24時間 です。 また、前の12時間を 午前といい、後の12時間を 午後といいます。 はこの形 について考えましょう。 つぎの もんだい を といてみましょう。 もんだいが なにを たずねているのか、 かんがえましょう。 たずねているのは あめだま の かず です。 人数(にんずう)は、たずねてない のです。 なので、あめだまの あわせた かず を もとめるためには、 「しき」 も、 あめだま だけ 計算すればいいのです。 男の子のあめだま は 7こ 女の子のあめだま は 5こ なので しき は で、計算すると です。 なので、こたえは、 12こ です。 もんだい を 出されたら、「なにを たずねているのか」 を、しっかりと、よんでください。 そして、もんだいが たずねていることに、 こたえてください。 今(いま)までに ならった ちしき を つかって 、もんだい を もっと たくさん ときたい 人(ひと) は 、「2ねんせい の ため の さんすうドリル」 の ページ を 見(み)に 行って(いって) ください。 下(した) の 「2ねんせい の ため の さんすうドリル」の 文字(もじ) を おすと、 見ている(みている) ページが ドリルのぺージに かわります。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "バスに人が、9人のっています。つぎのバスていで、7人ふえて、またつぎのバスていで3人がへりました。バスにのっている人数は何人でしょう。", "title": "1年生のふくしゅう" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "このもんだいの答えは", "title": "1年生のふくしゅう" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "というしきで もとめられます。こたえは13人です。", "title": "1年生のふくしゅう" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "34 + 12 の ような けいさん を するとき に、", "title": "たし算とひき算のひっ算" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "下 の ような けいさん の しかた が あります。", "title": "たし算とひき算のひっ算" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "これを ひっさん(筆算) と いいます。", "title": "たし算とひき算のひっ算" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "", "title": "たし算とひき算のひっ算" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "", "title": "たし算とひき算のひっ算" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "", "title": "たし算とひき算のひっ算" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "たとえば、この 34+12 の ひっさん では、34 の「3」 の ぶぶん は、十(じゅう)の くらい です。", "title": "たし算とひき算のひっ算" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "34 の「4」 の ぶぶん は、一(いち)の くらい です。", "title": "たし算とひき算のひっ算" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "12 の、「1」のぶぶんは 十のくらい です。", "title": "たし算とひき算のひっ算" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "12 の、「2」のぶぶんは、一のくらいです。", "title": "たし算とひき算のひっ算" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "", "title": "たし算とひき算のひっ算" }, { "paragraph_id": 14, "tag": "p", "text": "このように、ひっさんを かくときは おなじ くらい どうしの 、たて の ならび を あわせて、かきます。", "title": "たし算とひき算のひっ算" }, { "paragraph_id": 15, "tag": "p", "text": "3の下に 1が かいてあることに、きづいてください。", "title": "たし算とひき算のひっ算" }, { "paragraph_id": 16, "tag": "p", "text": "4の下に 2が かいてあることに、きづいてください。", "title": "たし算とひき算のひっ算" }, { "paragraph_id": 17, "tag": "p", "text": "", "title": "たし算とひき算のひっ算" }, { "paragraph_id": 18, "tag": "p", "text": "では、 たしざんの ひっさん の しかた を せつめいします。", "title": "たし算とひき算のひっ算" }, { "paragraph_id": 19, "tag": "p", "text": "まず、一のくらいの数をたして、下にかきます。4+2=6なので、6 とかきます。", "title": "たし算とひき算のひっ算" }, { "paragraph_id": 20, "tag": "p", "text": "つぎに、十のくらいの数をたして、下にかきます。3+1=4なので、4 とかきます。", 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だけかいて、そこで、十のくらいを 1 くり下げます。しかし、十のくらいは 0 なので、くり下げられません。そこで、百のくらいから 1 くり下げます。百のくらいと 十のくらいの「10」を1 くりさげて 9 にします。そして、十のくらいをけいさんします。 9-3=6 なので、 6 をかきます。よって、こたえは 69です。", "title": "たし算とひき算のひっ算" }, { "paragraph_id": 42, "tag": "p", "text": "", "title": "たし算とひき算のひっ算" }, { "paragraph_id": 43, "tag": "p", "text": "うさぎが、3ひき います。うさぎには、1ひきで 2こずつ 耳が ついています。うさぎの耳の数は、3ひきを あわせて、ぜんぶで、耳は、いくつでしょうか。", "title": "かけざん" }, { "paragraph_id": 44, "tag": "p", "text": "かんがえかたは、いくつもあります。", "title": "かけざん" }, { "paragraph_id": 45, "tag": "p", "text": "", "title": "かけざん" }, { "paragraph_id": 46, "tag": "p", "text": "うさぎが、3ひき、います。", "title": "かけざん" }, { "paragraph_id": 47, "tag": "p", "text": "", "title": "かけざん" }, { "paragraph_id": 48, "tag": "p", "text": "そして、耳は、1ひき に、2こ ずつ ついています。", "title": "かけざん" }, { "paragraph_id": 49, "tag": "p", "text": "", "title": "かけざん" }, { "paragraph_id": 50, "tag": "p", "text": "", "title": "かけざん" }, { "paragraph_id": 51, "tag": "p", "text": "なので、3ひき、ぜんぶでは、つぎのようになります。", "title": "かけざん" }, 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{\\displaystyle 2+2+2=6} ですね。", "title": "かけざん" }, { "paragraph_id": 64, "tag": "p", "text": "なので 2 × 3 {\\displaystyle 2\\times 3} の こたえは", "title": "かけざん" }, { "paragraph_id": 65, "tag": "p", "text": "です。", "title": "かけざん" }, { "paragraph_id": 66, "tag": "p", "text": "たしざんの しきと こたえは 2 + 2 + 2 = 6 {\\displaystyle 2+2+2=6} ですね。", "title": "かけざん" }, { "paragraph_id": 67, "tag": "p", "text": "なので 2 × 3 {\\displaystyle 2\\times 3} の こたえは", "title": "かけざん" }, { "paragraph_id": 68, "tag": "p", "text": "です。", "title": "かけざん" }, { "paragraph_id": 69, "tag": "p", "text": "「 2 × 3 {\\displaystyle 2\\times 3} 」 のようなけいさん を かけざん と いいます。", "title": "かけざん" }, { "paragraph_id": 70, "tag": "p", "text": "", "title": "かけざん" }, { "paragraph_id": 71, "tag": "p", "text": "", "title": "かけざん" }, { "paragraph_id": 72, "tag": "p", "text": "うさぎが、5ひき だと しましょう。 このとき、 5ひき ぜんぶを あわせた みみのかずは いくつでしょう?", "title": "かけざん" }, { "paragraph_id": 73, "tag": "p", "text": "しきの、", "title": "かけざん" }, { "paragraph_id": 74, "tag": 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"paragraph_id": 87, "tag": "p", "text": "と、たしざんでもとめます。こたえは、32です。", "title": "かけざん" }, { "paragraph_id": 88, "tag": "p", "text": "1 × 1 {\\displaystyle 1\\times 1} から、 9 × 9 {\\displaystyle 9\\times 9} まで、かけ算のしきは、たくさんあります。たとえば、 5 × 6 {\\displaystyle 5\\times 6} は、「五六 30」といいます。このようないいかたを、「九九」といいます。九九をおぼえると、生活の中で、とてもやくに立ちます。", "title": "かけざん" }, { "paragraph_id": 89, "tag": "p", "text": "上の表は、九九の表です。もし 4 × 8 {\\displaystyle 4\\times 8} のばあいは、4と8のらんを見ていって、かさなるところが、答え(こたえ)に、なります。", "title": "かけざん" }, { "paragraph_id": 90, "tag": "p", "text": "", "title": "かけざん" }, { "paragraph_id": 91, "tag": "p", "text": "ところで、=の、よみかたについて、 たしざんのときは", "title": "かけざん" }, { "paragraph_id": 92, "tag": "p", "text": "1+1=2", "title": "かけざん" }, { "paragraph_id": 93, "tag": "p", "text": "は「いち たす いち は(わ) に」 と = を 「は」(わ)と、よんでいたのに、", "title": "かけざん" }, { "paragraph_id": 94, "tag": "p", "text": "なんで、 かけざんでは", "title": "かけざん" }, { "paragraph_id": 95, "tag": "p", "text": "1×1=1「いんいち が いち。」", "title": "かけざん" }, { "paragraph_id": 96, "tag": "p", "text": "というふうに = を 「が」 で よむの?", "title": "かけざん" }, { "paragraph_id": 97, "tag": "p", "text": "と、いわれても、", "title": "かけざん" }, { "paragraph_id": 98, "tag": "p", "text": "とくに、 ふかい りゆうは ありません 。", "title": "かけざん" }, { "paragraph_id": 99, "tag": "p", "text": "むかしからの 日本(にほん)での 九九(くく)の よみかたで 、 このような 九九の よみかたが 、 つたえられている だけです 。", "title": "かけざん" }, { "paragraph_id": 100, "tag": "p", "text": "", "title": "かけざん" }, { "paragraph_id": 101, "tag": "p", "text": "", "title": "かけざん" }, { "paragraph_id": 102, "tag": "p", "text": "", "title": "かけざん" }, { "paragraph_id": 103, "tag": "p", "text": "", "title": "かけざん" }, { "paragraph_id": 104, "tag": "p", "text": "", "title": "かけざん" }, { "paragraph_id": 105, "tag": "p", "text": "", "title": "かけざん" }, { "paragraph_id": 106, "tag": "p", "text": "", "title": "かけざん" }, { "paragraph_id": 107, "tag": "p", "text": "", "title": "かけざん" }, { "paragraph_id": 108, "tag": "p", "text": "", "title": "かけざん" }, { "paragraph_id": 109, "tag": "p", "text": "ちなみに、かけざんの答えが9までなら九九に「が」が入り、10をこえたら入りません。", "title": "かけざん" }, { "paragraph_id": 110, "tag": "p", "text": "", "title": "かけざん" }, { "paragraph_id": 111, "tag": "p", "text": "つぎの もんだいを といて みましょう。", "title": "かけざん" }, { "paragraph_id": 112, "tag": "p", "text": "4×3 =", "title": "かけざん" }, { "paragraph_id": 113, "tag": "p", "text": "7×2 =", "title": "かけざん" }, { "paragraph_id": 114, "tag": "p", "text": "9×9 =", "title": "かけざん" }, { "paragraph_id": 115, "tag": "p", "text": "2×7 =", "title": "かけざん" }, { "paragraph_id": 116, "tag": "p", "text": "5+9 =", "title": "かけざん" }, { "paragraph_id": 117, "tag": "p", "text": "7×8 =", "title": "かけざん" }, { "paragraph_id": 118, "tag": "p", "text": "7-2 =", "title": "かけざん" }, { "paragraph_id": 119, "tag": "p", "text": "3×9 =", "title": "かけざん" }, { "paragraph_id": 120, "tag": "p", "text": "", "title": "かけざん" }, { "paragraph_id": 121, "tag": "p", "text": "4×3 = 12", "title": "かけざん" }, { "paragraph_id": 122, "tag": "p", "text": "7×2 =14", "title": "かけざん" }, { "paragraph_id": 123, "tag": "p", "text": "9×9 = 81", "title": "かけざん" }, { "paragraph_id": 124, "tag": "p", "text": "2×7 = 14", "title": "かけざん" }, { "paragraph_id": 125, "tag": "p", "text": "5+9 = 14", "title": "かけざん" }, { "paragraph_id": 126, "tag": "p", "text": "7×8 = 56", "title": "かけざん" }, { "paragraph_id": 127, "tag": "p", "text": "7-2 = 5", "title": "かけざん" }, { "paragraph_id": 128, "tag": "p", "text": "3×9 = 27", "title": "かけざん" }, { "paragraph_id": 129, "tag": "p", "text": "もっと、もんだい を ときたい ひと は 、 「2ねんせいのためのさんすうドリル」 の ページ を 見に 行って(いって) ください。 した の 「2ねんせいのためのさんすうドリル」の もじ を おすと、みている ページが ドリルのぺージに かわります。", "title": "かけざん" }, { "paragraph_id": 130, "tag": "p", "text": "ながさをはかるときには、「ものさし」というどうぐを つかうことがあります。", "title": "ながさ" }, { "paragraph_id": 131, "tag": "p", "text": "学校や いえ(家) で、 このような めもり が ふってある もの を みたことが ある人も いるでしょう。", "title": "ながさ" }, { "paragraph_id": 132, "tag": "p", "text": "家の人 に 、おうち にある ものさし を みせてもらって ください。", "title": "ながさ" }, { "paragraph_id": 133, "tag": "p", "text": "うえの ものさしの 図で、1めもり (「0」と「1」の あいだの ながさ) を 1cmといいます。ながさは、1cmの いくつ分かで あらわします。", "title": "ながさ" }, { "paragraph_id": 134, "tag": "p", "text": "もし、 ものさし が ふたつ いじょう あれば 1cm の ながさを くらべてみてください。", "title": "ながさ" }, { "paragraph_id": 135, "tag": "p", "text": "どのものさしも、 1cmのながさ は、おなじに なっている でしょう。", "title": "ながさ" }, { "paragraph_id": 136, "tag": "p", "text": "このように、ながさのきじゅんはきまっています。 日本じゅう、せかいじゅう どこでも、1cm は同じ 長さです。これは、きまりなので かってに かえることは できません。", "title": "ながさ" }, { "paragraph_id": 137, "tag": "p", "text": "", "title": "ながさ" }, { "paragraph_id": 138, "tag": "p", "text": "ものさし で書いた、まっすぐな線のことを、「直線」といいます。", "title": "ながさ" }, { "paragraph_id": 139, "tag": "p", "text": "たとえば、「4センチメートルの直線」といったら、ものさしをつかって書かれた、ながさが4センチメートルのまっすぐな線(せん)のことです。", "title": "ながさ" }, { "paragraph_id": 140, "tag": "p", "text": "", "title": "ながさ" }, { "paragraph_id": 141, "tag": "p", "text": "100cmのことを 1mということがあります。 1mは100cmです。", "title": "ながさ" }, { "paragraph_id": 142, "tag": "p", "text": "1cm が 10mm でした。", "title": "ながさ" }, { "paragraph_id": 143, "tag": "p", "text": "なので、1mは 1000mm です。", "title": "ながさ" }, { "paragraph_id": 144, "tag": "p", "text": "", "title": "ながさ" }, { "paragraph_id": 145, "tag": "p", "text": "ものには いろいろな 形のものが あります。たとえば あなたが 今見ているパソコンや タブレットなどの がめんも 形です。", "title": "形" }, { "paragraph_id": 146, "tag": "p", "text": "3本の まっすぐな せん で できていて 、 そのどれもが むすばれている かたちを 三角形といいます。下の図を見てみましょう。", "title": "形" }, { "paragraph_id": 147, "tag": "p", "text": "三角形 を つくっている まっすぐ な 直線 を 辺 と いいます 。", "title": "形" }, { "paragraph_id": 148, "tag": "p", "text": "三角形 は 3ほん の へん で つくられています。", "title": "形" }, { "paragraph_id": 149, "tag": "p", "text": "図形の角の点を ちょう点 といいます。", "title": "形" }, { "paragraph_id": 150, "tag": "p", "text": "また、4ほんのまっすぐなせんでできていてそのどれもがむすばれているかたちをしかくけい(四角形)といいます。", "title": "形" }, { "paragraph_id": 151, "tag": "p", "text": "しかくけい は 4ほん の 、直線 から できています 。", "title": "形" }, { "paragraph_id": 152, "tag": "p", "text": "しかくけい は 4ほん の へん で できています。", "title": "形" }, { "paragraph_id": 153, "tag": "p", "text": "", "title": "形" }, { "paragraph_id": 154, "tag": "p", "text": "このような、かど が みんな 直角 である しかくけい を、 ちょうほうけい (長方形)と いいます。", "title": "形" }, { "paragraph_id": 155, "tag": "p", "text": "", "title": "形" }, { "paragraph_id": 156, "tag": "p", "text": "この ずけい の いろが ついている ところ は しかくけい ですね。", "title": "形" }, { "paragraph_id": 157, "tag": "p", "text": "このように、 かど が みんな ちょっかくで、へんのながさ が すべて おなじ しかくけいを せいほうけい(正方形) と いいます。「ましかく」", "title": "形" }, { "paragraph_id": 158, "tag": "p", "text": "", "title": "形" }, { "paragraph_id": 159, "tag": "p", "text": "下の図のような、かど が せいほうけい(正方形) の かど(角) や ちょうほうけい(長方形) の かど(角) と おなじ かど(角) の こと を ちょっかく(直角) といいます。", "title": "形" }, { "paragraph_id": 160, "tag": "p", "text": "1つの かどが ちょっかくである三角形 のこと を 直角三角形 (ちょっかく さんかくけい) と、いいます。", "title": "形" }, { "paragraph_id": 161, "tag": "p", "text": "", "title": "形" }, { "paragraph_id": 162, "tag": "p", "text": "かず の 100 のことを 百 といいます。", "title": "10000までの数" }, { "paragraph_id": 163, "tag": "p", "text": "かず の 1000 の こと を 「千」と いいます。", "title": "10000までの数" }, { "paragraph_id": 164, "tag": "p", "text": "1000 は かん字 で 千 と かきます。", "title": "10000までの数" }, { "paragraph_id": 165, "tag": "p", "text": "1000 の こと を 一千 と いう ばあい も あります。", "title": "10000までの数" }, { "paragraph_id": 166, "tag": "p", "text": "千(せん) の すうじ 1000 は、 1 の うしろ に、 0 が 3こ です。", "title": "10000までの数" }, { "paragraph_id": 167, "tag": "p", "text": "1623 の よみかた は 「せん ろっぴゃく にじゅう さん」 です 。または、「いっせん ろっぴゃく にじゅう さん」 です 。", "title": "10000までの数" }, { "paragraph_id": 168, "tag": "p", "text": "2000 の よみかた は 「にせん」 です 。", "title": "10000までの数" }, { "paragraph_id": 169, "tag": "p", "text": "2025 の よみかた は 「にせん にじゅう ご」 です 。", "title": "10000までの数" }, { "paragraph_id": 170, "tag": "p", "text": "3000 の よみかた は 「さんぜん」 です 。「さん せん」では なくて、「さん ぜん」です。", "title": "10000までの数" }, { "paragraph_id": 171, "tag": "p", "text": "4000 の よみかた は 「よんせん」 です 。", "title": "10000までの数" }, { "paragraph_id": 172, "tag": "p", "text": "5000 の よみかた は 「ごせん」 です 。", "title": "10000までの数" }, { "paragraph_id": 173, "tag": "p", "text": "5000 の よみかた は 「ごせん」 です 。", "title": "10000までの数" }, { "paragraph_id": 174, "tag": "p", "text": "6000 の よみかた は 「ろくせん」 です 。", "title": "10000までの数" }, { "paragraph_id": 175, "tag": "p", "text": "7000 の よみかた は 「ななせん」 です 。", "title": "10000までの数" }, { "paragraph_id": 176, "tag": "p", "text": "8000 の よみかた は 「はっせん」 です 。", "title": "10000までの数" }, { "paragraph_id": 177, "tag": "p", "text": "9000 の よみかた は 「きゅうせん」 です 。", "title": "10000までの数" }, { "paragraph_id": 178, "tag": "p", "text": "", "title": "10000までの数" }, { "paragraph_id": 179, "tag": "p", "text": "かず の 10000 の こと を 、「いち まん」と いいます。", "title": "10000までの数" }, { "paragraph_id": 180, "tag": "p", "text": "10000 は かん字(漢字) で 一万 と かきます。", "title": "10000までの数" }, { "paragraph_id": 181, "tag": "p", "text": "一万(いちまん) の すうじ 10000 は、 1 の うしろ に、 0 が 4こ です。", "title": "10000までの数" }, { "paragraph_id": 182, "tag": "p", "text": "", "title": "10000までの数" }, { "paragraph_id": 183, "tag": "p", "text": "1から10000までの けた の いいかた を いうと", "title": "10000までの数" }, { "paragraph_id": 184, "tag": "p", "text": "「いち じゅう ひゃく せん まん 」", "title": "10000までの数" }, { "paragraph_id": 185, "tag": "p", "text": "となります。", "title": "10000までの数" }, { "paragraph_id": 186, "tag": "p", "text": "声にだして、おぼえましょう。", "title": "10000までの数" }, { "paragraph_id": 187, "tag": "p", "text": "お店でかうことのできるジュースには、中にどれくらいジュースが入っているかを「mL」や「L」をつかって書いてあります。またガソリンスタンドでも車にどれくらいガソリンが入ったかをあらわすために「L」をつかいます。これらはジュースやガソリンなどのりょうをくらべるためにつかうたんいです。", "title": "かさ" }, { "paragraph_id": 188, "tag": "p", "text": "「mL」は ミリリットル とよみ、「L」は リットル とよみます。また、「dL」は デシリットル とよみます。", "title": "かさ" }, { "paragraph_id": 189, "tag": "p", "text": "1L は 10dL です。 また 1L は 1000mL です。 1dL は 100mL と なります。", "title": "かさ" }, { "paragraph_id": 190, "tag": "p", "text": "1リットル の おおきさ は 、せかいじゅう(世界中) の どこに でかけても、おなじです。", "title": "かさ" }, { "paragraph_id": 191, "tag": "p", "text": "なお、リットルをはかる ための いれもの として 「リットルます」 という もの が あります。", "title": "かさ" }, { "paragraph_id": 192, "tag": "p", "text": "ふつう、1リットルのかさを はかりやすいように なっているので 「1リットルます」とも いいます。", "title": "かさ" }, { "paragraph_id": 193, "tag": "p", "text": "なお、デシリットルのための ます は「1デシリットルます」といいます。", "title": "かさ" }, { "paragraph_id": 194, "tag": "p", "text": "バケツに、「1デシリットルます」を10っぱい そそぐと、1リットル の かさ になります。", "title": "かさ" }, { "paragraph_id": 195, "tag": "p", "text": "", "title": "かさ" }, { "paragraph_id": 196, "tag": "p", "text": "「1リットルます」には、10とう分 した 線(せん)が あります。そして、その1Lのかさを 10とうぶん したものが 1dL でした。", "title": "かさ" }, { "paragraph_id": 197, "tag": "p", "text": "「1デシリットルます」には、10とう分 した線が あります。 ですが、1デシリットルます を 10とう分 したものは 10mL です。(1mL と まちがえる人が、ときどき いる。)", "title": "かさ" }, { "paragraph_id": 198, "tag": "p", "text": "", "title": "かさ" }, { "paragraph_id": 199, "tag": "p", "text": "むかし、リットル「L」を「l」と 書くことが ありました。", "title": "かさ" }, { "paragraph_id": 200, "tag": "p", "text": "また、むかし、「mL」を、「cc(シーシー)」ということが ありました。", "title": "かさ" }, { "paragraph_id": 201, "tag": "p", "text": "いまはもう、あまり 「l」 や「cc」 はつかわれなく なりましたが、むかしは、つかわれていました。", "title": "かさ" }, { "paragraph_id": 202, "tag": "p", "text": "", "title": "かさ" }, { "paragraph_id": 203, "tag": "p", "text": "14 と 57 では、どちらが おおきい かず でしょうか。", "title": "かず の おおきさ くらべ" }, { "paragraph_id": 204, "tag": "p", "text": "57 のほうが 、おおきい ですね。", "title": "かず の おおきさ くらべ" }, { "paragraph_id": 205, "tag": "p", "text": "かず の おおきさ を くらべるとき、この 14 と 57 の ばあい は、", "title": "かず の おおきさ くらべ" }, { "paragraph_id": 206, "tag": "p", "text": "と、かきます。 「14は、57より、小さい」", "title": "かず の おおきさ くらべ" }, { "paragraph_id": 207, "tag": "p", "text": "9 と 2 では、どちらが おおきい でしょうか。", "title": "かず の おおきさ くらべ" }, { "paragraph_id": 208, "tag": "p", "text": "9のほうが大きいです。", "title": "かず の おおきさ くらべ" }, { "paragraph_id": 209, "tag": "p", "text": "と、かきます。", "title": "かず の おおきさ くらべ" }, { "paragraph_id": 210, "tag": "p", "text": "このように、大きさ(おおきさ)をくらべるときに「>」や「<」といった記号(きごう)をつかいます。", "title": "かず の おおきさ くらべ" }, { "paragraph_id": 211, "tag": "p", "text": ">や<を ふとうごう(不等号) と いいます。", "title": "かず の おおきさ くらべ" }, { "paragraph_id": 212, "tag": "p", "text": "「とうごう」(等号)とは 「=」 のことです。 「ふとうごう」(不等号) の「ふ」(不)とは、「ちがう。」とか「そうではない。」という意味(いみ)です。", "title": "かず の おおきさ くらべ" }, { "paragraph_id": 213, "tag": "p", "text": "大きさが ちがう数(かず)を くらべるとき は、ちがう大きさなので、不等号(ふとうごう)の > や < をつかいます。", "title": "かず の おおきさ くらべ" }, { "paragraph_id": 214, "tag": "p", "text": "> と < の 、つかいかた は、", "title": "かず の おおきさ くらべ" }, { "paragraph_id": 215, "tag": "p", "text": "です。", "title": "かず の おおきさ くらべ" }, { "paragraph_id": 216, "tag": "p", "text": "", "title": "かず の おおきさ くらべ" }, { "paragraph_id": 217, "tag": "p", "text": "17 と 13+4 は、どちらが大きいでしょうか。", "title": "かず の おおきさ くらべ" }, { "paragraph_id": 218, "tag": "p", "text": "このばあい、13+4=17 なので、おなじ大きさです。", "title": "かず の おおきさ くらべ" }, { "paragraph_id": 219, "tag": "p", "text": "こういうばあい の 大きさ くらべ は、", "title": "かず の おおきさ くらべ" }, { "paragraph_id": 220, "tag": "p", "text": "と、かきます。", "title": "かず の おおきさ くらべ" }, { "paragraph_id": 221, "tag": "p", "text": "このばあい、大きさが、おなじ なので、ふとうごうの < や > は、つかえません 。", "title": "かず の おおきさ くらべ" }, { "paragraph_id": 222, "tag": "p", "text": "", "title": "かず の おおきさ くらべ" }, { "paragraph_id": 223, "tag": "p", "text": "みなさんは、たとえば、今(いま) 何時(なんじ)か しりたい ばあい に 時計(とけい)を 見ますね。では、 時こく(じこく) と 時間(じかん) に ついて 学びましょう。時計とは、このしゃしんのようなものです。", "title": "じこく" }, { "paragraph_id": 224, "tag": "p", "text": "", "title": "じこく" }, { "paragraph_id": 225, "tag": "p", "text": "時計の 長いはりが 1目もり(いち めもり) うごく あいだ が 1分 (いちふん) です。", "title": "じこく" }, { "paragraph_id": 226, "tag": "p", "text": "たとえば、宿題(しゅくだい)を始めた 時こく が 4時 だったとします。ちなみに、「時こく」は、「3時」「4時」などの「たんい」のことです。では「分」の学習にもどりましょう。宿題がおわると、 4時15分 でした。", "title": "じこく" }, { "paragraph_id": 227, "tag": "p", "text": "宿題を始めてから 何分 たったか かんがえましょう。", "title": "じこく" }, { "paragraph_id": 228, "tag": "p", "text": "さっき言ったように、長いはりが1目もり うごく あいだ が 1分 です。", "title": "じこく" }, { "paragraph_id": 229, "tag": "p", "text": "4時 から 4時15分 に なるまで 15目もり うごきました。", "title": "じこく" }, { "paragraph_id": 230, "tag": "p", "text": "こたえ は した に かいてあります。 さきに かんがえてから 、 こたえ を みて ください。", "title": "じこく" }, { "paragraph_id": 231, "tag": "p", "text": "答えは、15分(じゅうごふん) が たった の です。", "title": "じこく" }, { "paragraph_id": 232, "tag": "p", "text": "つぎは、時間(じかん)について 学びましょう。 時間とは、時こくと時こくの間のことです。", "title": "じこく" }, { "paragraph_id": 233, "tag": "p", "text": "たとえば、サッカーの 番組(ばんぐみ)が はじまった 時こく(じこく) は、7時(しちじ)でした。", "title": "じこく" }, { "paragraph_id": 234, "tag": "p", "text": "サッカー の 番組(ばんぐみ) が おわった 時こく(じこく) は、10時(じゅうじ)でした。", "title": "じこく" }, { "paragraph_id": 235, "tag": "p", "text": "サッカー の 番組(ばんぐみ) は 何分 ほうそう していた でしょう。", "title": "じこく" }, { "paragraph_id": 236, "tag": "p", "text": "まず、時間 の あたらしい たんい を 学びましょう。", "title": "じこく" }, { "paragraph_id": 237, "tag": "p", "text": "短いはりが 一回り する あいだ は、1時間(いちじかん)です。", "title": "じこく" }, { "paragraph_id": 238, "tag": "p", "text": "1時間 は、 60分(ろくじっぷん)です。", "title": "じこく" }, { "paragraph_id": 239, "tag": "p", "text": "7時 から 10時 の あいだ に、長いはり の 一回り は 3回 ありました。", "title": "じこく" }, { "paragraph_id": 240, "tag": "p", "text": "つまり、サッカーの 番組は 3時間(さんじかん) ほうそう していたのです。", "title": "じこく" }, { "paragraph_id": 241, "tag": "p", "text": "1にち の ながさ は 24時間 です。", "title": "じこく" }, { "paragraph_id": 242, "tag": "p", "text": "また、前の12時間を 午前といい、後の12時間を 午後といいます。", "title": "じこく" }, { "paragraph_id": 243, "tag": "p", "text": "はこの形 について考えましょう。", "title": "はこの形" }, { "paragraph_id": 244, "tag": "p", "text": "", "title": "はこの形" }, { "paragraph_id": 245, "tag": "p", "text": "", "title": "分数" }, { "paragraph_id": 246, "tag": "p", "text": "つぎの もんだい を といてみましょう。", "title": "まぎらわしい もんだい" }, { "paragraph_id": 247, "tag": "p", "text": "", "title": "まぎらわしい もんだい" }, { "paragraph_id": 248, "tag": "p", "text": "", "title": "まぎらわしい もんだい" }, { "paragraph_id": 249, "tag": "p", "text": "もんだいが なにを たずねているのか、 かんがえましょう。", "title": "まぎらわしい もんだい" }, { "paragraph_id": 250, "tag": "p", "text": "たずねているのは あめだま の かず です。", "title": "まぎらわしい もんだい" }, { "paragraph_id": 251, "tag": "p", "text": "", "title": "まぎらわしい もんだい" }, { "paragraph_id": 252, "tag": "p", "text": "人数(にんずう)は、たずねてない のです。", "title": "まぎらわしい もんだい" }, { "paragraph_id": 253, "tag": "p", "text": "なので、あめだまの あわせた かず を もとめるためには、 「しき」 も、 あめだま だけ 計算すればいいのです。", "title": "まぎらわしい もんだい" }, { "paragraph_id": 254, "tag": "p", "text": "男の子のあめだま は 7こ", "title": "まぎらわしい もんだい" }, { "paragraph_id": 255, "tag": "p", "text": "女の子のあめだま は 5こ", "title": "まぎらわしい もんだい" }, { "paragraph_id": 256, "tag": "p", "text": "なので しき は", "title": "まぎらわしい もんだい" }, { "paragraph_id": 257, "tag": "p", "text": "で、計算すると", "title": "まぎらわしい もんだい" }, { "paragraph_id": 258, "tag": "p", "text": "です。", "title": "まぎらわしい もんだい" }, { "paragraph_id": 259, "tag": "p", "text": "なので、こたえは、 12こ です。", "title": "まぎらわしい もんだい" }, { "paragraph_id": 260, "tag": "p", "text": "", "title": "まぎらわしい もんだい" }, { "paragraph_id": 261, "tag": "p", "text": "もんだい を 出されたら、「なにを たずねているのか」 を、しっかりと、よんでください。", "title": "まぎらわしい もんだい" }, { "paragraph_id": 262, "tag": "p", "text": "そして、もんだいが たずねていることに、 こたえてください。", "title": "まぎらわしい もんだい" }, { "paragraph_id": 263, "tag": "p", "text": "今(いま)までに ならった ちしき を つかって 、もんだい を もっと たくさん ときたい 人(ひと) は 、「2ねんせい の ため の さんすうドリル」 の ページ を 見(み)に 行って(いって) ください。", "title": "さんすうドリル" }, { "paragraph_id": 264, "tag": "p", "text": "下(した) の 「2ねんせい の ため の さんすうドリル」の 文字(もじ) を おすと、 見ている(みている) ページが ドリルのぺージに かわります。", "title": "さんすうドリル" } ]
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== 1年生のふくしゅう == * もんだい バスに人が、9人のっています。つぎのバスていで、7人ふえて、またつぎのバスていで3人がへりました。バスにのっている{{ruby|人数|にんずう}}は{{ruby|何人|なんにん}}でしょう。 このもんだいの{{ruby|答|こた}}えは :<math>9+7-3</math> というしきで もとめられます。こたえは13人です。 == たし算とひき算のひっ算 == === たしざん の ひっさん === 34 + 12 の ような けいさん を するとき に、 下 の ような けいさん の しかた が あります。 これを '''ひっさん'''(筆算) と いいます。 {{clear}} <br><br> {| border="0" cellspacing="0" cellpadding="0" style="background:#eeffee; border:solid 2px #cccccc; float:right;" |- align="center" |align="right"|&nbsp; |&nbsp; |&nbsp; |&nbsp; |3 |4 |&nbsp; |- align="center" |&nbsp; |align="right" style="text-decoration:underline;"|+&nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp;&nbsp;&nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp;&nbsp;&nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp;1&nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp;2&nbsp; |&nbsp; |- align="center" |&nbsp; |&nbsp; |&nbsp; |&nbsp; |4 |6 | |&nbsp; &nbsp; |} <br> <br> <br> {| class="wikitable" style="float: right; text-align: center; margin: 2pt;" |- ! style="text-align: center;" | 十の くらい !! 一の くらい |- | 3 || 4 |- |} たとえば、この 34+12 の ひっさん では、34 の「3」 の ぶぶん は、十(じゅう)の くらい です。 34 の「4」 の ぶぶん は、一(いち)の くらい です。 12 の、「1」のぶぶんは 十のくらい です。 12 の、「2」のぶぶんは、一のくらいです。 このように、ひっさんを かくときは おなじ くらい どうしの 、たて の ならび を あわせて、かきます。 3の下に 1が かいてあることに、きづいてください。 4の下に 2が かいてあることに、きづいてください。 ;ひっさんの しかた では、 たしざんの ひっさん の しかた を せつめいします。 まず、一のくらいの{{ruby|数|かず}}をたして、下にかきます。4+2=6なので、6 とかきます。 つぎに、十のくらいの数をたして、下にかきます。3+1=4なので、4 とかきます。 こたえは 46 となります。 {{clear}} つぎは 53+29 を{{ruby|計算|けいさん}}してしましょう。 <br><br> {| border="0" cellspacing="0" cellpadding="0" style="background:#eeffee; border:solid 2px #cccccc; float:right;" |- align="center" |align="right"|&nbsp; |&nbsp; |&nbsp; |&nbsp; |5 |3 |&nbsp; |- align="center" |&nbsp; |align="right" style="text-decoration:underline;"|+&nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp;&nbsp;&nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp;&nbsp;&nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp;2&nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp;9&nbsp; |&nbsp; |- align="center" |&nbsp; |&nbsp; | |<sup> </sup> | | |&nbsp; &nbsp; |} まず、一のくらいをたしあわせると 3+9=12 となりますが、そのままではかけません。 そこで、十のくらいに 1 くりあげて 一のくらいに 2だけかきます。 :※ 「くりあげる」とは、このように、ひとつ上の くらい に 1 を たすことを いいます。 つぎに 十のくらいを たしあわせますが、くりあがりの 1 があるので 1 も たして 5+2+1=8 となります。 53+29のこたえは 82です。 {{clear}} <br><br> {| border="0" cellspacing="0" cellpadding="0" style="background:#eeffee; border:solid 2px #cccccc; float:right;" |- align="center" |align="right"|&nbsp; |&nbsp; |&nbsp; |&nbsp; |5<sup>1</sup> |3 |&nbsp; |- align="center" |&nbsp; |align="right" style="text-decoration:underline;"|+&nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp;&nbsp;&nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp;&nbsp;&nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp;2&nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp;9&nbsp; |&nbsp; |- align="center" |&nbsp; |&nbsp; |&nbsp; |&nbsp; |8 |2 |&nbsp; &nbsp; |} <!-- ;いちばん上の くらい に くりあがり のある ひっさん --> {{-}} === ひきざん の ひっさん === {| border="0" cellspacing="0" cellpadding="0" style="background:#eeffee; border:solid 2px #cccccc; float:right;" |- align="center" |align="right"|&nbsp; |&nbsp; |&nbsp; |5 |6 |&nbsp; |- align="center" |&nbsp; |align="right" style="text-decoration:underline;"|-&nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp;&nbsp;&nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp;3&nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp;2&nbsp; |&nbsp; |- align="center" |&nbsp; |&nbsp; | |2 |4 |&nbsp; &nbsp; |} まず、一のくらいをひきます。 6-2=4 となります。下に 4 とかきます。 つぎに 十のくらいを ひきます。5-3=2 となります。下に 2 とかきます。 56-32のこたえは 24 です。 {{clear}} <br><br> {| border="0" cellspacing="0" cellpadding="0" style="background:#eeffee; border:solid 2px #cccccc; float:right;" |- align="center" |align="right"|&nbsp; |&nbsp; |&nbsp; |{{打ち消し線|7}}<sup>6</sup> |1 |&nbsp; |- align="center" |&nbsp; |align="right" style="text-decoration:underline;"|-&nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp;&nbsp;&nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp;2&nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp;6&nbsp; |&nbsp; |- align="center" |&nbsp; |&nbsp; | |4 |5 |&nbsp; &nbsp; |} まず、一のくらいをひくと 1-5 となりますが、ひけません。 そこで、5 だけかいて、十のくらいを 1 くりさげて 一のくらいに 3をけして 1ひいて 2 に します。 :※ 「くりさげる」とは、ひとつ上の くらい から、1 を かりてくる ことです。 十のくらいを ひきます。6-2=4 となります。下に 4 とかきます。 71-26 のこたえは 45 となります。 {| border="0" cellspacing="0" cellpadding="0" style="background:#eeffee; border:solid 2px #cccccc; float:right;" |- align="center" |align="right"|&nbsp; |&nbsp; |&nbsp; ||106 |&nbsp; |&nbsp; |&nbsp; |&nbsp; |- align="center" |&nbsp; |align="right" style="text-decoration:underline;"|-&nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp;&nbsp;&nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp;3&nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp;7&nbsp; |- align="center" |&nbsp; |&nbsp; | |6 |9 |&nbsp; &nbsp; |} 106 - 37 を{{ruby|考|かんが}}えてみましょう。 まず、一のくらいを ひきざんします。しかし、6-7 はけいさんできません。下に 9 だけかいて、そこで、十のくらいを 1 くり下げます。しかし、十のくらいは 0 なので、くり下げられません。そこで、百のくらいから 1 くり下げます。百のくらいと 十のくらいの「10」を1 くりさげて 9 にします。そして、十のくらいをけいさんします。 9-3=6 なので、 6 をかきます。よって、こたえは 69です。 {| border="0" cellspacing="0" cellpadding="0" style="background:#eeffee; border:solid 2px #cccccc; float:right;" |- align="center" |align="right"|&nbsp; |&nbsp; |&nbsp; |{{打ち消し線|1}} {{打ち消し線|0}}<sup>9</sup>6 |&nbsp; |&nbsp; |&nbsp; |&nbsp; |- align="center" |&nbsp; |align="right" style="text-decoration:underline;"|-&nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp;&nbsp;&nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp;3&nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp;7&nbsp; |- align="center" |&nbsp; |&nbsp; | |6 |9 |&nbsp; &nbsp; |} == かけざん == うさぎが、3ひき います。うさぎには、1ひきで 2こずつ 耳が ついています。うさぎの耳の数は、3ひきを あわせて、ぜんぶで、耳は、いくつでしょうか。 {|class="wikitable" |- |[[File:Rabbit in montana.jpg|110px]][[File:JumpingRabbit.JPG|JumpingRabbit.|100px]][[ファイル:Oryctolagus cuniculus Tasmania.jpg|120px]] |} かんがえかたは、いくつもあります。 * かんがえかた {|class="wikitable" |- |[[ファイル:Oryctolagus cuniculus Tasmania.jpg|120px]][[ファイル:Oryctolagus cuniculus Tasmania.jpg|120px]][[ファイル:Oryctolagus cuniculus Tasmania.jpg|120px]] |} うさぎが、3ひき、います。 そして、耳は、1ひき に、2こ ずつ ついています。 [[File:JumpingRabbit.JPG|100px]] なので、3ひき、ぜんぶでは、つぎのようになります。 {|class="wikitable" |- |[[File:JumpingRabbit.JPG|JumpingRabbit|100px]][[File:JumpingRabbit.JPG|JumpingRabbit|100px]][[File:JumpingRabbit.JPG|JumpingRabbit|100px]] |} * ほかの、かんがえかた そして、耳は、1ひき に、2こ ずつ ついています。 [[File:JumpingRabbit.JPG|100px]] うさぎが、3ひき、います。 {|class="wikitable" |- |[[File:Rabbit in montana.jpg|Rabbit in montana|120px]][[File:Rabbit in montana.jpg|Rabbit in montana|120px]][[File:Rabbit in montana.jpg|Rabbit in montana|120px]] |} なので、3ひき、ぜんぶでは、つぎのようになります。 {|class="wikitable" |- |[[File:JumpingRabbit.JPG|JumpingRabbit|100px]][[File:JumpingRabbit.JPG|JumpingRabbit|100px]][[File:JumpingRabbit.JPG|JumpingRabbit|100px]] |} ほかにも、 しきは :<math>2+2+2</math> と、あらわせます。 * かけざん つぎのように、 かきます。 :<math>2\times3</math> よみかたは、「に かける さん」 と、 よみます。 <math>2\times3</math> の こたえは、 <math>2+2+2</math> と おなじです。  たしざんの しきと こたえは <math>2+2+2=6</math>  ですね。 なので <math>2\times3</math> の こたえは :<math>2\times3=6</math> です。 たしざんの しきと こたえは <math>2+2+2=6</math>  ですね。 なので <math>2\times3</math> の こたえは :<math>2\times3=6</math> です。 「<math>2\times3</math>」 のようなけいさん を <big>'''かけざん'''</big> と いいます。 * かけざんの れんしゅう うさぎが、'''5'''ひき だと しましょう。 このとき、 5ひき ぜんぶを あわせた みみのかずは いくつでしょう? しきの、  :<math>2\times5</math> を、 もとめるには、 どうすれば、よいでしょうか? このばあい、 :<math>2+2+2+2+2=10</math> で、 もとめることが、 できます。 [[File:Oryctolagus cuniculus (European rabbit), Valkenburg, the Netherlands.jpg|200px]] {{clear}} ---- * けいさん :<math>5\times3</math> を、計算してみましょう。 {|class="wikitable" |- |[[File:Crystal Clear app babelfish.png|Crystal Clear app babelfish|70px]][[File:Crystal Clear app babelfish.png|Crystal Clear app babelfish|70px]][[File:Crystal Clear app babelfish.png|Crystal Clear app babelfish|70px]][[File:Crystal Clear app babelfish.png|Crystal Clear app babelfish|70px]][[File:Crystal Clear app babelfish.png|Crystal Clear app babelfish|70px]] |- |[[File:Crystal Clear app babelfish.png|Crystal Clear app babelfish|70px]][[File:Crystal Clear app babelfish.png|Crystal Clear app babelfish|70px]][[File:Crystal Clear app babelfish.png|Crystal Clear app babelfish|70px]][[File:Crystal Clear app babelfish.png|Crystal Clear app babelfish|70px]][[File:Crystal Clear app babelfish.png|Crystal Clear app babelfish|70px]] |- |[[File:Crystal Clear app babelfish.png|Crystal Clear app babelfish|70px]][[File:Crystal Clear app babelfish.png|Crystal Clear app babelfish|70px]][[File:Crystal Clear app babelfish.png|Crystal Clear app babelfish|70px]][[File:Crystal Clear app babelfish.png|Crystal Clear app babelfish|70px]][[File:Crystal Clear app babelfish.png|Crystal Clear app babelfish|70px]] |} たとえば、うえの {{ruby|図|ず}}のように、かんがえた{{ruby|場合|ばあい}}、こたえは 15 ですね。 [[ファイル:Cherry-barb female and male.jpg|200px]] {{clear}} ---- * れんしゅう 8{{ruby|台|だい}}の車に、子どもが、4人ずつのっています。ぜんぶで、子どもは、{{ruby|何人|なんにん}}のっていますか。 [[File:Fiat 500 (2007).jpg|200px]] * かんがえかた : 車に、子どもは、4人のっていて、車は、8台ありますね。4人のっている車が8つ分(ぶん)あることから、4の8つ分といい、しきは、<math>4\times8</math>になります。 「4かける8」とよみます。こたえのもとめかたは、4の8つ分なので、 :<math>\begin{matrix}4+4+4+4+4+4+4+4& &\end{matrix}</math> と、たしざんでもとめます。こたえは、32です。 {{clear}} ---- === 九九 === <math>1\times1</math>から、<math>9\times9</math>まで、かけ算のしきは、たくさんあります。たとえば、<math>5\times6</math>は、「{{ruby|五六|ごろく}} 30」といいます。このようないいかたを、「{{ruby|九九|くく}}」といいます。九九をおぼえると、{{ruby|生活|せいかつ}}の中で、とてもやくに立ちます。 *5のだん・2のだんの九九 :{{ruby|五一|ごいち}}が{{ruby|五|ご}} <math>5 \times 1=5</math> :{{ruby|五二|ごに}} {{ruby|十|じゅう}} <math>5 \times 2=10</math> :{{ruby|五三|ごさん}} {{ruby|十五|じゅうご}} <math>5 \times 3=15</math> :{{ruby|五四|ごし}} {{ruby|二十|にじゅう}} <math>5 \times 4=20</math> *3のだん・4のだんの九九 *6のだん・7のだんの九九 *8のだん・9のだんの九九 *1のだんの九九 <table class="wikitable"> <caption>'''かけ算九九の表'''</caption> <tr> <th>&nbsp;</th> <th>'''1'''</th> <th>'''2'''</th> <th>'''3'''</th> <th>'''4'''</th> <th>'''5'''</th> <th>'''6'''</th> <th>'''7'''</th> <th>'''8'''</th> <th>'''9'''</th> </tr><tr> <th>'''1'''</th> <td>1</td> <td>2</td> <td>3</td> <td>4</td> <td>5</td> <td>6</td> <td>7</td> <td>8</td> <td>9</td> </tr><tr> <th>'''2'''</th> <td>2</td> <td>4</td> <td>6</td> <td>8</td> <td>10</td> <td>12</td> <td>14</td> <td>16</td> <td>18</td> </tr><tr> <th>'''3'''</th> <td>3</td> <td>6</td> <td>9</td> <td>12</td> <td>15</td> <td>18</td> <td>21</td> <td>24</td> <td>27</td> </tr><tr> <th>'''4'''</th> <td>4</td> <td>8</td> <td>12</td> <td>16</td> <td>20</td> <td>24</td> <td>28</td> <td>32</td> <td>36</td> </tr><tr> <th>'''5'''</th> <td>5</td> <td>10</td> <td>15</td> <td>20</td> <td>25</td> <td>30</td> <td>35</td> <td>40</td> <td>45</td> </tr><tr> <th>'''6'''</th> <td>6</td> <td>12</td> <td>18</td> <td>24</td> <td>30</td> <td>36</td> <td>42</td> <td>48</td> <td>54</td> </tr><tr> <th>'''7'''</th> <td>7</td> <td>14</td> <td>21</td> <td>28</td> <td>35</td> <td>42</td> <td>49</td> <td>56</td> <td>63</td> </tr><tr> <th>'''8'''</th> <td>8</td> <td>16</td> <td>24</td> <td>32</td> <td>40</td> <td>48</td> <td>56</td> <td>64</td> <td>72</td> </tr><tr> <th>'''9'''</th> <td>9</td> <td>18</td> <td>27</td> <td>36</td> <td>45</td> <td>54</td> <td>63</td> <td>72</td> <td>81</td> </tr> </table> 上の表は、{{ruby|九九|くく}}の{{ruby|表|ひょう}}です。もし<math>4\times8</math>のばあいは、4と8のらんを見ていって、かさなるところが、答え(こたえ)に、なります。 :1×1=1「いんいち が いち。」 1×2=2「いんに が に。」 1×3=3「いんさん が さん。」 1×4=4「いんよん が よん。」 1×5=5「いんご が ご。」 1×6=6「いんろく が ろく。」 1×7=7「いんなな が なな。」 1×8=8「いんはち が はち。」 1×9=9「いんく が く。」 ところで、=の、よみかたについて、 たしざんのときは 1+1=2 は「いち たす いち '''は'''(わ) に」 と = を 「は」(わ)と、よんでいたのに、 なんで、 かけざんでは  1×1=1「いんいち '''が''' いち。」 というふうに = を 「が」 で よむの? と、いわれても、 とくに、 ふかい りゆうは ありません 。  むかしからの 日本(にほん)での 九九(くく)の よみかたで 、 このような 九九の よみかたが 、 つたえられている だけです 。 :2×1=2「にいち が に。」 2×2=4「ににん が し。」 2×3=6「にさん が ろく。」 2×4=8「にし が はち。」 2×5=10「にご じゅう。」 2×6=12「にろく じゅうに。」 2×7=14「にしち じゅうし。」 2×8=16「には じゅうろく。」 2×9=18「にく じゅうはち。」 :3×1=3「さんいち が さん。」 3×2=6「さんに が ろく。」 3×3=9「さざん が く。」 3×4=12「さんし じゅうに。」 3×5=15「さんご じゅうご。」 3×6=18「さぶろく じゅうはち。」 3×7=21「さんしち にじゅういち。」 3×8=24「さんぱ にじゅうし。」 3×9=27「さんく にじゅうしち。」 :4×1=4「しいち が し。」 4×2=8「しに が はち。」 4×3=12「しさん じゅうに。」 4×4=16「しし じゅうろく。」 4×5=20「しご にじゅう。」 4×6=24「しろく にじゅうし。」 4×7=28「ししち  にじゅうはち。」 4×8=32「しは さんじゅうに。」 4×9=36「しく さんじゅうろく。」 :5×1=5「ごいち が ご。」 5×2=10「ごに じゅう。」 5×3=15「ごさん じゅうご。」 5×4=20「ごし にじゅう。」 5×5=25「ごご にじゅうご。」 5×6=30「ごろく さんじゅう。」 5×7=35「ごしち さんじゅうご。」 5×8=40「ごは しじゅう。」 5×9=45「ごっく しじゅうご。」 :6×1=6「ろくいち が ろく。」 6×2=12「ろくに じゅうに。」 6×3=18「ろくさん じゅうはち。」 6×4=24「ろくし にじゅうし。」 6×5=30「ろくご さんじゅう。」 6×6=36「ろくろく さんじゅうろく。」 6×7=42「ろくしち しじゅうに。」 6×8=48「ろくは しじゅうはち。」 6×9=54「ろっく ごじゅうし。」 :7×1=7「しちいち が しち。」 7×2=14「しちに じゅうし。」 7×3=21「しちさん にじゅういち。」 7×4=28「しちし にじゅうはち。」 7×5=35「しちご さんじゅうご。」 7×6=42「しちろく しじゅうに。」 7×7=49「しちしち しじゅうく。」 7×8=56「しちは ごじゅうろく。」 7×9=63「しちく ろくじゅうさん。」 :8×1=8「はちいち が はち。」 8×2=16「はちに じゅうろく。」 8×3=24「はちさん にじゅうし。」 8×4=32「はちし さんじゅうに。」 8×5=40「はちご しじゅう。」 8×6=48「はちろく しじゅうはち。」 8×7=56「はちしち ごじゅうろく。」 8×8=64「はっぱ ろくじゅうし。」 8×9=72「はっく しちじゅうに。」 :9×1=9「くいち が く。」 9×2=18「くに じゅうはち。」 9×3=27「くさん にじゅうしち。」 9×4=36「くし さんじゅうろく。」 9×5=45「くご しじゅうご。」 9×6=54「くろく ごじゅうし。」 9×7=63「くしち ろくじゅうさん。」 9×8=72「くは しちじゅうに。」 9×9=81「くく はちじゅういち。」 ちなみに、かけざんの{{ruby|答|こた}}えが9までなら九九に「が」が入り、10をこえたら入りません。 * れんしゅう つぎの もんだいを といて みましょう。 4×3 = 7×2 = 9×9 = 2×7 = 5+9 = 7×8 = 7-2 = 3×9 = <!-- 問題の中に、足し算や引き算が混ざっているのは、誤記では、ありません。わざと混ぜています。小学生読者が、式を、きちんと読んでいるか、確認するためです。 --> * こたえ 4×3 = 12 7×2 =14 9×9 = 81 2×7 = 14 5+9 = 14 7×8 = 56 7-2 = 5 3×9 = 27 もっと、もんだい を ときたい ひと は 、 「2ねんせいのためのさんすうドリル」 の ページ を 見に 行って(いって) ください。 した の 「2ねんせいのためのさんすうドリル」の もじ を おすと、みている ページが ドリルのぺージに かわります。 * [[算数演習 小学校2年生|2ねんせいのためのさんすうドリル]] == ながさ == === {{ruby|cm|センチメートル}}と{{ruby|mm|ミリメートル}} === ながさをはかるときには、「ものさし」というどうぐを つかうことがあります。  [[File:Regla V.svg]]学校や いえ(家) で、 このような めもり が ふってある もの を みたことが ある人も いるでしょう。 :これが '''ものさし''' です。 家の人 に 、おうち にある ものさし を みせてもらって ください。 うえの ものさしの {{ruby|図|ず}}で、1めもり (「0」と「1」の あいだの ながさ) を 1{{ruby|cm|センチメートル}}といいます。ながさは、1cmの いくつ{{ruby|分|ぶん}}かで あらわします。 もし、 ものさし が ふたつ いじょう あれば 1cm の ながさを くらべてみてください。 どのものさしも、 1cmのながさ は、おなじに なっている でしょう。 このように、ながさのきじゅんはきまっています。   {{ruby|日本|にほん(にっぽん)}}じゅう、せかいじゅう どこでも、1cm は{{ruby|同|おな}}じ {{ruby|長|なが}}さです。これは、きまりなので かってに かえることは できません。 * 4cmは、ものさしの「0」と書かれたところから、「4」と書かれたところまでの長さです。 *{{ruby|mm|ミリメートル}}は、1cmを同じ長さに10こにわけたものです。1cmは、10mmです。 * 2cm3mmは、2cmと 3mm のことです。 === {{ruby|直線|ちょくせん}} === ものさし で書いた、まっすぐな{{Ruby|線|せん}}のことを、「{{Ruby|直線|ちょくせん}}」といいます。 たとえば、「4センチメートルの直線」といったら、ものさしをつかって書かれた、ながさが4センチメートルのまっすぐな線(せん)のことです。 === {{ruby|m|メートル}} === 100cmのことを 1{{ruby|m|メートル}}ということがあります。 1mは100cmです。 1cm が 10mm でした。 なので、1mは 1000mm です。 == {{Ruby|形|かたち}} == ものには いろいろな {{Ruby|形|かたち}}のものが あります。たとえば あなたが {{Ruby|今|いま}}見ているパソコンや タブレットなどの がめんも 形です。 3本の まっすぐな せん で できていて 、 そのどれもが むすばれている かたちを '''{{Ruby|三角形|さんかくけい}}'''といいます。下の{{Ruby|図|ず}}を見てみましょう。 <div style="float:center; margin:0 0 0 10px;text-align:center;">[[画像:正しい三角形.png]]</div> * {{Ruby|一番|いちばん}}左は、三角形 です。 まっすぐな3本の直線でできていて、ちゃんとほかの辺にむすばれています。 * まん中は、三角形 ではありません。 3本の まっすぐな直線で できていますが うち2本のせんは むすばれて いません。 * 一番右は、三角形 ではありません。 3本は ちゃんとむずばれていますが、 うち1本の せん は まがって います。 三角形 を つくっている まっすぐ な {{Ruby|直線|ちょくせん}} を '''{{Ruby|辺|へん}}''' と いいます 。 三角形 は 3ほん の へん で つくられています。 図形の角の点を ちょう点 といいます。 {{clear}} === しかくけい === また、4ほんのまっすぐなせんでできていてそのどれもがむすばれているかたちを'''しかくけい'''(四角形)といいます。 <gallery> File:Regular polygon 4.svg|* これも、しかくけい です。 File:Rectangle.svg|* これも、しかくけい です。 File:Trapezoid2.png|* これも、しかくけい です。 File:Trapezoid.png|* これも、しかくけい です。 </gallery> しかくけい は 4ほん の 、{{ruby|直線|ちょくせん}} から できています 。 しかくけい は 4ほん の へん で できています。 {{clear}} * ちょうほうけい [[File:Rectangle.svg|200px|ちょうほうけい です。]] このような、かど が みんな {{ruby|直角|ちょっかく}} である しかくけい を、''' ちょうほうけい ''' (長方形)と いいます。 * せいほうけい [[File:Square on plane.svg|200px]] この ずけい の いろが ついている ところ は しかくけい ですね。 このように、 かど が みんな ちょっかくで、へんのながさ が すべて おなじ しかくけいを '''せいほうけい'''(正方形) と いいます。「ましかく」 [[File:Regular quadrilateral.svg|thumb|left|200px|せいほうけい]] {{clear}} === ちょっかく === 下の図のような、かど が せいほうけい(正方形) の かど(角) や ちょうほうけい(長方形) の かど(角) と おなじ かど(角) の こと を '''ちょっかく'''(直角) といいます。 1つの かどが ちょっかくである三角形 のこと を 直角三角形 ('''ちょっかく さんかくけい''') と、いいます。 :[[File:Triangle.Right.svg|150px|]] == 10000までの{{ruby|数|かず}} == かず の 100 のことを <big>百</big> といいます。 かず の 1000 の こと を 「'''{{Ruby|千|せん}}'''」と いいます。 1000 は かん字 で 千 と かきます。 1000 の こと を 一千 と いう ばあい も あります。 千(せん) の すうじ 1000 は、 1 の うしろ に、 0 が 3こ です。 1623 の よみかた は 「せん ろっぴゃく にじゅう さん」 です 。または、「いっせん ろっぴゃく にじゅう さん」 です 。 2000 の よみかた は 「にせん」 です 。 2025 の よみかた は 「にせん にじゅう ご」 です 。 3000 の よみかた は 「さんぜん」 です 。「さん <big>せ</big>ん」では なくて、「さん <big>ぜ</big>ん」です。 4000 の よみかた は 「よんせん」 です 。 5000 の よみかた は 「ごせん」 です 。 5000 の よみかた は 「ごせん」 です 。 6000 の よみかた は 「ろくせん」 です 。 7000 の よみかた は 「ななせん」 です 。 8000 の よみかた は 「はっせん」 です 。 9000 の よみかた は 「きゅうせん」 です 。 かず の 10000 の こと を 、「いち '''まん'''」と いいます。 10000 は かん字(漢字) で <big>一万</big> と かきます。 一万(いちまん) の すうじ 10000 は、 1 の うしろ に、 0 が 4こ です。 1から10000までの けた の いいかた を いうと  「いち じゅう ひゃく せん まん 」 となります。 {{ruby|声|こえ}}にだして、おぼえましょう。 == かさ == お店でかうことのできるジュースには、中にどれくらいジュースが入っているかを「mL」や「L」をつかって書いてあります。またガソリンスタンドでも車にどれくらいガソリンが入ったかをあらわすために「L」をつかいます。これらはジュースやガソリンなどのりょうをくらべるためにつかうたんいです。 「mL」は <big>ミリリットル</big> とよみ、「L」は <big>リットル</big> とよみます。また、「dL」は <big>デシリットル</big> とよみます。 1L は 10dL です。 また 1L は 1000mL です。 1dL は 100mL と なります。 1リットル の おおきさ は 、せかいじゅう(世界中) の どこに でかけても、おなじです。 なお、リットルをはかる ための いれもの として 「リットルます」 という もの が あります。 ふつう、1リットルのかさを はかりやすいように なっているので 「1リットルます」とも いいます。 なお、デシリットルのための ます は「1デシリットルます」といいます。 バケツに、「1デシリットルます」を10っぱい そそぐと、1リットル の かさ になります。 ;きをつけよう 「1リットルます」には、10とう分 した 線(せん)が あります。そして、その1Lのかさを 10とうぶん したものが 1dL でした。 「1デシリットルます」には、10とう分 した線が あります。 ですが、1デシリットルます を 10とう分 したものは 10mL です。(1mL と まちがえる人が、ときどき いる。) {{コラム|「ミリ」の おはなし| :※ このワクの なかの ハナシ は、おぼえなくていいです。 「ミリリットル」の「ミリ」と、「ミリメートル」の「ミリ」は、おなじ いみ で、 「1000とうぶん した」 という いみ です。千(せん)とうぶん です。 なので、1000ミリリットルは 1リットル です。 なので、1000ミリメートルは 1メートル です。 さて、「デシ」は、ながさ では、めったに つかわないのが ふつう です。<!-- ※ 編集者への注: 実はデシメートルも存在するが、慣習的に、あまり使われていない。またSI規格などでも、推奨されてないハズで、なるべくミリメートルを用いるようにSIでは推奨されてたかと。 --> なので、「かさ」の「デシリットル」というように、リットルという たんい と いっしょに おぼえるように しましょう。 また、「センチ」は、 かさ では めったに つかわないのが ふつう です。<!-- ※ 編集者への注: 実はセンチリットルも存在するが、慣習的に、あまり使われていない。またSI規格などでも、推奨されてないハズで、なるべくミリリットルを用いるようにSIでは推奨されてたかと。 --> なので、「ながさ」の「センチメートル」というように、 メートルという たんい と いっしょに おぼえるように しましょう。<!-- ※ 編集者への注: 実はデシメートルも存在するが、SI規格などでは、推奨されてないハズ。なるべくミリメートルを用いるようにSIでは推奨されてたかと。 --> <!-- :※ 重さのハナシをしようか悩んだが、とりあえず保留。参考までに非表示で残す。 あと、おもさの たんい で、キログラム とか グラム というのを、身体測定(しんたい そくてい) のときに きいたこと あると おもいます。 ちなみに 1円玉(いちえんだま) の おもさ が、ほとんど 1グラム です。 おもさ でも、じつは「ミリグラム」という たんい が あって、1000ミリグラムは1グラムです。 おもさ の 計算(けいさん) は、小2で ならう 計算(けいさん) とは、すこし ちがいます。 --> }} むかし、リットル「L」を「ℓ」と 書くことが ありました。 また、むかし、「mL」を、「cc(シーシー)」ということが ありました。<!-- ※ 編集者への参考: たしか1990年代ぐらいまでは、世間でもℓ表記やccなども使われていた。小中高の教育現場でも1990年代はまだ、「ℓ」表記を教えてたハズ。--> いまはもう、あまり 「ℓ」 や「cc」 はつかわれなく なりましたが、むかしは、つかわれていました。<!-- たぶんSI単位系では「ℓ」表記やcc単位は非推奨。あと、ℓはパソコンでは環境依存文字。 --> <!-- ※ 編集者むけの伝達事項: ※ ここは非表示のままにしてください。小2レベルを超える内容なので。 「立方メートル」単位の他教科での教育状況の連絡です。 立方メートル m^3 については(m<sup>3</sup>)、社会科など別教科で、小学3年から教えます。出典として日本文教出版『住みよい社会 小学生の社会 3・4』(平成22年3月10日 検定済、)33ページ にあります。なお1立方メートルは1000Lです。日常の例としては、家庭用の水道料金の使用水量の伝票が届きますが、あの伝票が立方メートル表記を採用しているのが一般的です。ちなみに一般家庭の1ヶ月あたりの水使用料は、数十立方メートルていどです(日本文教出版の教科書では62立方メートルという例があります。教科書には無いデータですが、東京都の水道局のホームページでは1世帯あたり1か月で30〜40立方メートルていどとの事です)。なお教科書によると、小学校の25mプールの水量はおよそ240立方メートルとこのことです。--> == かず の おおきさ くらべ == 14 と 57 では、どちらが おおきい かず でしょうか。 57 のほうが 、おおきい ですね。 かず の おおきさ を くらべるとき、この 14 と 57 の ばあい は、 :14 < 57 と、かきます。 「14は、57より、小さい」 9 と 2 では、どちらが おおきい でしょうか。 9のほうが大きいです。 :9 > 2 と、かきます。 このように、大きさ(おおきさ)をくらべるときに「>」や「<」といった記号(きごう)をつかいます。 >や<を '''ふとうごう'''(不等号) と いいます。 「とうごう」(等号)とは 「=」 のことです。 「ふとうごう」(不等号) の「ふ」(不)とは、「ちがう。」とか「そうではない。」という意味(いみ)です。 大きさが ちがう数(かず)を くらべるとき は、ちがう大きさなので、不等号(ふとうごう)の > や < をつかいます。 > と < の 、つかいかた は、 :大きな数(おおきなかず) > 小さな数(ちいさなかず) :小さな数 < 大きな数 です。 17 と 13+4 は、どちらが大きいでしょうか。 このばあい、13+4=17 なので、おなじ大きさです。 こういうばあい の 大きさ くらべ は、 :17 = 13+4 と、かきます。 このばあい、大きさが、おなじ なので、ふとうごうの < や > は、'''つかえません''' 。 == じこく == みなさんは、たとえば、今(いま) 何時(なんじ)か しりたい ばあい に 時計(とけい)を 見ますね。では、 時こく(じこく) と 時間(じかん) に ついて 学びましょう。時計とは、このしゃしんのようなものです。 [[File:AnalogClockAnimation1 2hands 1h in 6sec.gif|220px]] === ふん === 時計の 長いはりが 1目もり(いち めもり) うごく あいだ が 1分 (いちふん) です。 たとえば、宿題(しゅくだい)を始めた 時こく が 4時 だったとします。ちなみに、「時こく」は、「3時」「4時」などの「たんい」のことです。では「分」の学習にもどりましょう。宿題がおわると、 4時15分 でした。 宿題を始めてから 何分 たったか かんがえましょう。 さっき言ったように、長いはりが1目もり うごく あいだ が 1分 です。 4時 から 4時15分 に なるまで 15目もり うごきました。 こたえ は した に かいてあります。  さきに かんがえてから 、 こたえ を みて ください。 <div style="margin: 8em;"></div> 答えは、15分(じゅうごふん) が たった の です。 === じかん === つぎは、時間(じかん)について 学びましょう。 時間とは、時こくと時こくの間のことです。 たとえば、サッカーの 番組(ばんぐみ)が はじまった 時こく(じこく) は、7時(しちじ)でした。 サッカー の 番組(ばんぐみ) が おわった 時こく(じこく) は、10時(じゅうじ)でした。 サッカー の 番組(ばんぐみ) は 何分 ほうそう していた でしょう。 まず、時間 の あたらしい たんい を 学びましょう。 短いはりが 一回り する あいだ は、'''1時間'''(いちじかん)です。 1時間 は、 60分(ろくじっぷん)です。 7時 から 10時 の あいだ に、長いはり の 一回り は 3回 ありました。 つまり、サッカーの 番組は 3時間(さんじかん) ほうそう していたのです。 === 1にち の ながさ === 1にち の ながさ は 24時間 です。 また、{{ruby|前|まえ}}の12{{ruby|時間|じかん}}を {{ruby|午前|ごぜん}}といい、{{ruby|後|あと}}の12時間を {{ruby|午後|ごご}}といいます。 == はこの{{ruby|形|かたち}} == はこの{{ruby|形|かたち}} について考えましょう。 [[File:Balk geometrie.png|thumb|right|180px|{{ruby|長方形|ちょうほうけい}}だけでできているはこ]] **:ふでばこ などがありますね。 {{-}} [[File:Cube Animation.gif|thumb|right|180px|おなじ 大きさの {{ruby|正方形|せいほうけい}}だけでできているはこ]] **:さいころ などがありますね。 == {{ruby|分数|ぶんすう}} == [[File:分数説明図.png|500px]] :{{ruby|図|ず}}のように、もとの大きさを2つに{{ruby|分|わ}}けたうちの1つを<math>\frac{1}{2}</math>とかき、2{{ruby|分|ぶん}}の1 とよみます。 :図のように、もとの大きさを3つに{{ruby|分|わ}}けたうちの1つを<math>\frac{1}{3}</math>とかき、3{{ruby|分|ぶん}}の1 とよみます。 :図のように、もとの大きさを4つに{{ruby|分|わ}}けたうちの1つを<math>\frac{1}{4}</math>とかき、4{{ruby|分|ぶん}}の1 とよみます。 {{clear}} == まぎらわしい もんだい == つぎの もんだい を といてみましょう。 :「3人の 男の子と、 4人の女の子が います。 男の子も女の子も、1年生(いちねんせい)です。 :男の子たちは、あめだま を あわせて 7こ もっています。 :女の子たちは、あめだま を あわせて 5こ もっています。 :あめだまは、 あわせて なんこ あるでしょうか。」 もんだいが なにを たずねているのか、 かんがえましょう。 たずねているのは あめだま の かず です。 人数(にんずう)は、たずねてない のです。 なので、あめだまの あわせた かず を もとめるためには、 「しき」 も、 あめだま だけ 計算すればいいのです。 男の子のあめだま は 7こ 女の子のあめだま は 5こ なので しき は :7+5 で、計算すると :7+5=12 です。 なので、こたえは、 12こ です。 ;おぼえてほしい こと もんだい を 出されたら、「なにを たずねているのか」 を、しっかりと、よんでください。 そして、もんだいが たずねていることに、 こたえてください。 == さんすうドリル == 今(いま)までに ならった ちしき を つかって 、もんだい を もっと たくさん ときたい 人(ひと) は 、<br>「2ねんせい の ため の さんすうドリル」 の ページ を 見(み)に 行って(いって) ください。 <br> 下(した) の 「2ねんせい の ため の さんすうドリル」の 文字(もじ) を おすと、 <br>見ている(みている) ページが ドリルのぺージに かわります。 * [[算数演習 小学校2年生|2ねんせい の ため の さんすうドリル]] [[Category:小学校算数|2がくねん]]
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2022-08-31T23:03:26Z
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小学校算数/3学年
かけ算は数字に0をかけることも、また0に数字をかけることもできます。たとえば、 式(しき)は、 10 × 0 {\displaystyle 10\times 0} となりますが、もんだいをよく見ると おかしは1つも買っていません。 もちろん お店にはらうお金は ありません。答えは、0円に なります。 式(しき)を書くと、 です。 また、それが5円のおかしでも 100円のおかしでも 買わなければ 店にお金を はらわなくていいことに なります。 このように どのような数でも 0をかけると 答えは0 になります。 式を書くと、 や などです。 また、次のもんだいも見てみましょう。 式は、 0 × 7 {\displaystyle 0\times 7} となりますが、 7このふでばこには どれにも えんぴつは1本も入っていません。 もちろん えんぴつは ふでばこには ありません。 答えは、0本 に なります。 式を書くと、 です。 また、ふでばこ が 3こ あっても 20こ あっても 中に 何も入っていなければ、えんぴつ は ない ことになります。このように 0にどんな数をかけても、答えは 0 に なります。 式(しき)を書くと、 や などです。 さいごに、 0 × 0 {\displaystyle 0\times 0} は どうなるでしょう。 何もないもの に べつの何もないもの を かけても かわり は ありませんね。 0 × 0 {\displaystyle 0\times 0} の 答えも 0 に なります。 わり算 は、いくつ分あるか調べる計算です。 記号は、 ÷ {\displaystyle \div } を つかいます。例えば、 などの問題を考えるときに使います。 式は、 と、なります。 「にじゅう わる よん は ご」と読みます。 ÷ {\displaystyle \div } は 「わる」 と読みます。 このとき、20を、 「わられる数」 といい、4を 「わる数」 と いいます。 式に あらわす ときは、 と、なるように します。 このような計算を、 わり算 といいます。 例えば、 (1人分の数)×6 が、18本 ですね。1人分の数は、 ☆×6=18 のあてはまる数と同じなのです。何に6をかけると、18になるかを計算すると、1人分のえんぴつの数がわかります。そのため、 18 ÷ 6 = 3 {\displaystyle 18\div 6=3} です。 例えば、 さきほどと同じように計算しましょう。 1人分の数×4 が23本です。あてはまる数 を さがしてみましょう。かけ算の 4 の だん を さがして 4 × 5 = 20 {\displaystyle 4\times 5=20} 、 4 × 6 = 24 {\displaystyle 4\times 6=24} ... しかし、どうしても23にはなりません。 4 × 5 {\displaystyle 4\times 5} に 3 {\displaystyle {\begin{matrix}3&&\end{matrix}}} をたすと→ 4 × 5 + 3 = 23 {\displaystyle {\begin{matrix}4\times 5+3&=&23\end{matrix}}} に なりました。 ですから、このような時は 23 ÷ 4 = 5 {\displaystyle 23\div 4=5} あまり 3 {\displaystyle 3} というようにします。「あまり」とは、分けたあとののこりのことです。あまりは、わる数より小さくしなければいけません。たとえば、 23 ÷ 4 = 4 {\displaystyle 23\div 4=4} あまり 7 {\displaystyle 7} (わる数4はあまり7より大きい)としてはいけません。 次のもんだいを考えてみましょう。 式は 0 ÷ 5 {\displaystyle 0\div 5} となりますが、分けられるおはじきは 1つも ありません。 ですから、もらえる おはじき も ありません。答えは、0こ に なります。 また、2人で 分けても 10人で 分けても おはじきが なければ もらうことは できません。 このように 0を ほかの数字(0はのぞきます。次の「0でわるわり算」を見てください)でわっても答えは0になります。 次の もんだいを 考えてみましょう。 式は 10 ÷ 0 {\displaystyle 10\div 0} になりますが、おはじきを もらう人が 1人も いないのに 1人分は何こと もんだい では きいています。 こう書けば もんだい じたい が おかしいことが 分かります。 このようにある数字を 0 で わることは できません。 最後に、 0 ÷ 0 {\displaystyle 0\div 0} を考えてみましょう。これもわる数が0なので 計算することはできません。 かけ算も、筆算で計算できます。 かけざんを、筆算で計算する しかたをせつめいしていきます。 たとえば 13×8 を筆算で計算すると、 次のように、なります。 まず、一のくらいどうしをかけます。 です。 24の、くりあがりは「2」です。この2は小さく書いて 4 と書きます。 つぎに、かけられる数 の 十のくらいの数と、かける数 の 一のくらいの数 を かけます。 です。 これは、10×8を 意味しています。なので、1×8のこたえの8は、十のくらいに書きます。 一のくらいを、そのまま下に、おろします。 つづけて、十のくらいどうしを、足し算して(この場合は 2+8=10)、下に おろします。 べつの数の かけ算 でも、ためしてみましょう。 こんどは、2けたの数 どうしの かけざん です。 かけ算のひっさんでは、まず、一のくらいどうしを、かけ算します。 このばあい 4×7 = 28 です。 くりあがりの2は、ちいさく書くので、 8 のように書きます。 つぎに、かけられる数の十のくらいの数と、かける数の一のくらいの数を、かけます。 のばあい、 2×7 です。 これは20×7を、意味しています。 ですから、この 2×7 =14 の意味は 20×7 = 140 ですから、 2×7=14の、こたえの14の、1を百のくらいに書いて、4を十のくらいに書きます。 つぎに、かけられる数の一のくらいの数と、かける数の十のくらいの数を、かけます。 のばあい、 4×1 です。 これは 4×10 を、意味しています。 ですから、この 4×1 =4の意味は 4×10 = 40 ですから、 4×1 =4 の、こたえの4を十のくらいに書きます。 つぎに、かけられる数の十の位の数と、かける数の十の位の数をかけます。 のばあい、 2×1 です。 これは 20×10 を、意味しています。 なので、この 2×1 =2 の意味は 20×10 = 200 ですから、 2×1 =2 の、こたえの2を 百のくらい に書きます。 一のくらいを おろします。 十のくらいの 2と4と4を 足しあわせて、2+4+4=10を、おろします。 くりあがりの1は、たしざんのひっさんのように、たす前の数の上に、かいておきます。 148 の 1 の上に、くりあがりがついて、148 に、なっています。 それから、百のくらいどうしを、足します。 です。 24×17 の こたえ は 408 です。 こうして、かけざん の ひっさん で、かけざん の こたえ が もとめられました。 しくみは このようになっています。 これが、この 24×17 の ひっさん の しくみ です。 12×12 = 31×70 = 65×45 = 31+70 = 85×74 = 63-44 = 69×45 = 67×54 = 10×6 = 60 12×12 = 144 31×70 = 2170 65×45 = 2925 31+70 = 101 85×74 = 6290 63-44 = 19 69×45 = 3105 67×54 = さいご の 、67×54 の こたえ は ここでは おしえません。ちゃんとといてから、こたえをしらべてください。 10000 のことを一万といいます。(※ これは小学2年で習いましたね。) 一万に一万をたしあわせた数を 二万 といい、20000 とかきます。つまり、1万を2倍した数が 20000 です。 おなじように、一万を3倍した数は 三万 といい、30000 とかきます。 二十万は 200000 だと、0が多くて よみづらいので、「20万」というふうに、数字と漢字を くみあわせて かくことも あります。 「20万」は「にじゅうまん」と よみます。 おなじように、三十万なら、30万と かくことも、あります。 64000000 のように、0が多いと、よみづらいので、「6400万」と かくことも あります。「6400万」なら「ろくせんよんひゃくまん」と よみます。 大きな数でも、いままでと おなじように 計算できます。 たとえば、東京都の人口 13515271 人と、 埼玉県の人口 7338536人との、ちがいは、 13515721- 7338536 = 6176735 より、6176735人です。 タカシくんのお父さんが、つとめ先の会社からもらう きゅうりょう は、 1か月あたり、300000円(30万円) でした。 1年間で12回、おなじ金がくの給料を、お父さんは、会社から、うけとっています。 1年間で、タカシくんのお父さんは、会社から何円、給料(きゅうりょう)を もらうでしょうか? しき 300000 × 12 = 3600000 タカシくんのお父さんは、一年で360万円、きゅうりょうをもらっていることになります。 こたえ 道のりを表すときなどに、1kmというたんいを使うことがあります。1kmは「1キロメートル」とよみます。1km=1000mです。あるたんいの前に「k」がつくと1000倍を表します。 時こくと 時間 に ついて 学びましょう。 たかしくんは、3時50分に家を出て、4時15分に図書館につきました。何分でついたでしょうか。 3時50分から4時までは10分で、4時から4時15分までは15分です。だから、10+15=25分となります。 「秒」という時間の単位もあります。1分は60秒です。 250を10倍、100倍、1000倍、10でわった数について考えましょう。 コンパスでかけるまるい形を、 円 といいます。円は、コンパスで書くことができます。コンパスでの円の書き方も学習しましょう。まず、コンパスを開きます。はりを紙にさして、ひとまわりさせると、円が書けます。 円の中央の点を円の中心といいます。中心から円のまわりまでの長さを、 半径 といいます。円のまわりから中心を通ってまわりまでの長さの線を、直径といいます。直径は、円の中にある直線の中で、一番長い直線です。直径は半径の2倍です。 ドッジボール や サッカーボール のような まるいボール を ま上 や ま横 から 見てみましょう。 ボールは、どこから見ても円に見えます。 ボールのように、どこから見ても円に見える立体を 球 といいます。球をどのように切っても、切り口の形は円になります。円をまっ2つに切ったとき、切り口の円が一番大きくなります。この一番大きな円の中心が球の中心で、この円の半径や直径が球の半径や直径になります。 円は、球ではありません。円は立体ではありませんが、球は立体です。 じゃがいもの形は 円ではありません。じゃがいもは 球でもありません。 2本の辺がつくる形を 角といいます。また、その2本の辺の開き具合を 角の大きさ といいます。辺の長さは、角の大きさには関係ありません。 下の図のように、2辺の長さが 等しい 三角形 のこと を 二等辺三角形 といいます。二等辺三角形では、2つの角の大きさが等しくなっています。 下の図のように、3辺の長さが 等しい 三角形 のこと を 正三角形 といいます。正三角形では、3つの角の大きさが等しくなっています。 1mのテープがあります。これを3等分したときの1つ分の長さと2つ分の長さを考えましょう。 1 3 {\displaystyle {\frac {1}{3}}} , 2 3 {\displaystyle {\frac {2}{3}}} のような数を 分数といいます。 (練習) 2 4 {\displaystyle {\frac {2}{4}}} , 4 4 {\displaystyle {\frac {4}{4}}} は 1 4 {\displaystyle {\frac {1}{4}}} をいくつ集めた数でしょう。 (答え) 2 4 {\displaystyle {\frac {2}{4}}} は2こ、 4 4 {\displaystyle {\frac {4}{4}}} は4こ 4 4 {\displaystyle {\frac {4}{4}}} は1のことです。 4 4 {\displaystyle {\frac {4}{4}}} =1 1mの 1 10 {\displaystyle {\frac {1}{10}}} を0.1m, 1mの 2 10 {\displaystyle {\frac {2}{10}}} を0.2m...と表すことがあります。また、1mと0.3mを合わせた長さを 1.3m ということがあります。 この0.1や1.3のように、位(くらい)に 1よりも小さい数を ふくんだ数を 「.」をつかって、あらわした数を 小数(しょうすう) といいます。 また、この点「.」のことを 小数点(しょうすうてん)といいます。 0,1,2...のような数(かず)を 整数(せいすう) といいます。 1cm は 10mm ですね。1mm は 0.1cm です。 100cm は 1m ですね。1cm は 0.01m です。 1L は 10dL ですね。1dL は 0.1L です。 3デシリットルに5デシリットルを足せば(たせば)、8デシリットルです。 ですね。 3デシリットルを0.3リットルとかんがえて、おなじように5デシリットルを0.5リットルと考えましょう。 こたえは、いくつでしょうか。 こたえの8デシリットルは 0.8 リットルとも、書けますね。 0.3リットル に 0.5リットル を足しあわせて、あわせて 0.8リットル に なるわけですから、 式は、 と、式は、なります。読みかたは「れいてんさん たす れいてんご は(わ) れいてんはち」と読みます。 つまり です。 つまり です。 4リットル から 3デシリットル を、へらしたら、こたえは 37デシリットル ですよね。 単位(たんい)を、すべてリットルにかえると、 4リットル から 0.3リットル をへらして、こたえが 3.7 リットル に なったわけです。 式で書くと、 です。読み方は、「よん ひく れいてんさん は さんてんなな」と読みます。 べつの数にしてみて、メートルでも、かんがえてみましょう。 0.8m から 0.2mを、へらしたら、こたえは 0.6m ですね。 式で書くと、 です。読み方は、「れいてんはち ひく れいてんに は れいてんろく」と読みます。 式を書くときにわからないことを□で表すことがあります。 3 3 = 1 {\displaystyle {\frac {3}{3}}=1} のように、等しいことを表す「 = {\displaystyle =} 」を 等号といい、 1 3 < 2 3 {\displaystyle {\frac {1}{3}}<{\frac {2}{3}}} のように、数の大小を表す「 < {\displaystyle <} 」「 > {\displaystyle >} 」を不等号といいます。 表(ひょう)とは、たくさん、ある、なにかの数を、分かりやすくするために、まとめたものです。 たとえば、ウィキ小学校の3年1組のクラスのみんな(41人)に、好き(すき)な虫を、聞いてみると、つぎのような結果になりました。 カブトムシが好きな人が9人、クワガタが好きな人が7人、トンボが好きな人が6人、セミが好きな人が4人、スズムシが好きな人が4人、バッタが好きな人が3人、カマキリが好きな人が2人、 その他の虫が6人です。 これを表にすると、 という表に、なります。 合計を書くのは、きまりでは、ありません。もし、合計を書く場合は、表のさいごに、合計を書くのがふつうです。 おなじ質問を2組の人に聞いたら、 だったとします。 1組と2組をあわせて、 と、まとめることも、できます。 3年生が3組まであったとして、3年3組にアンケートをした結果、 の場合、3年生全体は、 のように、まとめられます。 グラフとは、なにかについての、いくつもの数を、見やすくするために、数を図に おきかえて、図で 数をあらわしたものである。 棒グラフ(ぼうグラフ)は、四角い棒の長さで何らかの数を表したグラフです。 棒を のばす方向は、上下の方向にのばす場合と、または、横にのばす場合があり、とくにどちらかにするかの、きまりはないです。 棒グラフの例として、ウィキペディアの記事「棒グラフ」から記事と表とグラフを引用し、説明する。 例として、2004年の欧州議会選挙(おうしゅうぎかいせんきょ)の結果と1999年の欧州議会選挙の結果を使う。以下の表は、それぞれの政党(せいとう)が、手にした議席数(ぎせきすう)である。1999年の総議席数(そう ぎせきすう)は少ないので、1.16933倍して、2004年のときと総議席数が同じになるようにしてある。 「選挙とはなにか」を知りたい場合は小学校6学年の教科書の政治・国際編を見てください。 上記の2004年の選挙結果を棒グラフにしたものを、つぎに、しめす。 次の棒グラフは、2004年の結果と1999年の結果を、両方とも、しめしたものである。 のようなグラフになります。 このように、棒グラフをつくるには、あらかじめ表をつくる必要があります。 また、グラフでは、こまかい数字は、わかりません。 表やグラフについて、くわしくは、教科書や参考書、あるいは外部のウェブサイトなどで、しらべてください。 このページでは、説明しきれません。 今(いま)までに ならった ちしき を つかって 、もんだい を もっと たくさん ときたい 人(ひと) は 、「3年生のための算数ドリル」 の ページ を 見(み)に 行って(いって) ください。 下(した) の 「3年生のための算数ドリル」の 文字 を おすと、 見ている ページが ドリルのぺージに かわります。
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"tag": "p", "text": "なので、この 2×1 =2 の意味は 20×10 = 200 ですから、", "title": "かけ算の筆算" }, { "paragraph_id": 62, "tag": "p", "text": "2×1 =2 の、こたえの2を 百のくらい に書きます。", "title": "かけ算の筆算" }, { "paragraph_id": 63, "tag": "p", "text": "一のくらいを おろします。", "title": "かけ算の筆算" }, { "paragraph_id": 64, "tag": "p", "text": "十のくらいの 2と4と4を 足しあわせて、2+4+4=10を、おろします。", "title": "かけ算の筆算" }, { "paragraph_id": 65, "tag": "p", "text": "くりあがりの1は、たしざんのひっさんのように、たす前の数の上に、かいておきます。", "title": "かけ算の筆算" }, { "paragraph_id": 66, "tag": "p", "text": "148 の 1 の上に、くりあがりがついて、148 に、なっています。", "title": "かけ算の筆算" }, { "paragraph_id": 67, "tag": "p", "text": "それから、百のくらいどうしを、足します。", "title": "かけ算の筆算" }, { "paragraph_id": 68, "tag": "p", "text": "です。", "title": "かけ算の筆算" }, { "paragraph_id": 69, "tag": "p", "text": "24×17 の こたえ は 408 です。", "title": "かけ算の筆算" }, { "paragraph_id": 70, "tag": "p", "text": "こうして、かけざん の ひっさん で、かけざん の こたえ が もとめられました。", "title": "かけ算の筆算" }, { "paragraph_id": 71, "tag": "p", "text": "しくみは このようになっています。", "title": "かけ算の筆算" }, { "paragraph_id": 72, "tag": "p", "text": "これが、この 24×17 の ひっさん の しくみ です。", "title": "かけ算の筆算" }, { "paragraph_id": 73, "tag": "p", "text": "12×12 =", "title": "かけ算の筆算" }, { "paragraph_id": 74, "tag": "p", "text": "31×70 =", "title": "かけ算の筆算" }, { "paragraph_id": 75, "tag": "p", "text": "65×45 =", "title": "かけ算の筆算" }, { "paragraph_id": 76, "tag": "p", "text": "31+70 =", "title": "かけ算の筆算" }, { "paragraph_id": 77, "tag": "p", "text": "85×74 =", "title": "かけ算の筆算" }, { "paragraph_id": 78, "tag": "p", "text": "63-44 =", "title": "かけ算の筆算" }, { "paragraph_id": 79, "tag": "p", "text": "69×45 =", "title": "かけ算の筆算" }, { "paragraph_id": 80, "tag": "p", "text": "67×54 =", "title": "かけ算の筆算" }, { "paragraph_id": 81, "tag": "p", "text": "", "title": "かけ算の筆算" }, { "paragraph_id": 82, "tag": "p", "text": "10×6 = 60", "title": "かけ算の筆算" }, { "paragraph_id": 83, "tag": "p", "text": "12×12 = 144", "title": "かけ算の筆算" }, { "paragraph_id": 84, "tag": "p", "text": "31×70 = 2170", "title": "かけ算の筆算" }, { "paragraph_id": 85, "tag": "p", "text": "65×45 = 2925", "title": "かけ算の筆算" }, { "paragraph_id": 86, "tag": "p", "text": "31+70 = 101", "title": "かけ算の筆算" }, { "paragraph_id": 87, "tag": "p", "text": "85×74 = 6290", "title": "かけ算の筆算" }, { "paragraph_id": 88, "tag": "p", "text": "63-44 = 19", "title": "かけ算の筆算" }, { "paragraph_id": 89, "tag": "p", "text": "69×45 = 3105", "title": "かけ算の筆算" }, { "paragraph_id": 90, "tag": "p", "text": "67×54 =", "title": "かけ算の筆算" }, { "paragraph_id": 91, "tag": "p", "text": "さいご の 、67×54 の こたえ は ここでは おしえません。ちゃんとといてから、こたえをしらべてください。", "title": "かけ算の筆算" }, { "paragraph_id": 92, "tag": "p", "text": "", "title": "かけ算の筆算" }, { "paragraph_id": 93, "tag": "p", "text": "10000 のことを一万といいます。(※ これは小学2年で習いましたね。)", "title": "一億までの数" }, { "paragraph_id": 94, "tag": "p", "text": "一万に一万をたしあわせた数を 二万 といい、20000 とかきます。つまり、1万を2倍した数が 20000 です。", "title": "一億までの数" }, { "paragraph_id": 95, "tag": "p", "text": "おなじように、一万を3倍した数は 三万 といい、30000 とかきます。", "title": "一億までの数" }, { "paragraph_id": 96, "tag": "p", "text": "", "title": "一億までの数" }, { "paragraph_id": 97, "tag": "p", "text": "", "title": "一億までの数" }, { "paragraph_id": 98, "tag": "p", "text": "二十万は 200000 だと、0が多くて よみづらいので、「20万」というふうに、数字と漢字を くみあわせて かくことも あります。 「20万」は「にじゅうまん」と よみます。", "title": "一億までの数" }, { "paragraph_id": 99, "tag": "p", "text": "おなじように、三十万なら、30万と かくことも、あります。", "title": "一億までの数" }, { "paragraph_id": 100, "tag": "p", "text": "64000000 のように、0が多いと、よみづらいので、「6400万」と かくことも あります。「6400万」なら「ろくせんよんひゃくまん」と よみます。", "title": "一億までの数" }, { "paragraph_id": 101, "tag": "p", "text": "大きな数でも、いままでと おなじように 計算できます。", "title": "一億までの数" }, { "paragraph_id": 102, "tag": "p", "text": "たとえば、東京都の人口 13515271 人と、 埼玉県の人口 7338536人との、ちがいは、", "title": "一億までの数" }, { "paragraph_id": 103, "tag": "p", "text": "13515721- 7338536 = 6176735 より、6176735人です。", "title": "一億までの数" }, { "paragraph_id": 104, "tag": "p", "text": "タカシくんのお父さんが、つとめ先の会社からもらう きゅうりょう は、 1か月あたり、300000円(30万円) でした。", "title": "一億までの数" }, { "paragraph_id": 105, "tag": "p", "text": "1年間で12回、おなじ金がくの給料を、お父さんは、会社から、うけとっています。", "title": "一億までの数" }, { "paragraph_id": 106, "tag": "p", "text": "1年間で、タカシくんのお父さんは、会社から何円、給料(きゅうりょう)を もらうでしょうか?", "title": "一億までの数" }, { "paragraph_id": 107, "tag": "p", "text": "", "title": "一億までの数" }, { "paragraph_id": 108, "tag": "p", "text": "しき 300000 × 12 = 3600000", "title": "一億までの数" }, { "paragraph_id": 109, "tag": "p", "text": "タカシくんのお父さんは、一年で360万円、きゅうりょうをもらっていることになります。", "title": "一億までの数" }, { "paragraph_id": 110, "tag": "p", "text": "こたえ", "title": "一億までの数" }, { "paragraph_id": 111, "tag": "p", "text": "道のりを表すときなどに、1kmというたんいを使うことがあります。1kmは「1キロメートル」とよみます。1km=1000mです。あるたんいの前に「k」がつくと1000倍を表します。", "title": "長さ" }, { "paragraph_id": 112, "tag": "p", "text": "時こくと 時間 に ついて 学びましょう。", "title": "時こくと時間" }, { "paragraph_id": 113, "tag": "p", "text": "たかしくんは、3時50分に家を出て、4時15分に図書館につきました。何分でついたでしょうか。", "title": "時こくと時間" }, { "paragraph_id": 114, "tag": "p", "text": "3時50分から4時までは10分で、4時から4時15分までは15分です。だから、10+15=25分となります。", "title": "時こくと時間" }, { "paragraph_id": 115, "tag": "p", "text": "「秒」という時間の単位もあります。1分は60秒です。", "title": "時こくと時間" }, { "paragraph_id": 116, "tag": "p", "text": "250を10倍、100倍、1000倍、10でわった数について考えましょう。", "title": "10倍、100倍、1000倍、10でわった数" }, { "paragraph_id": 117, "tag": "p", "text": "コンパスでかけるまるい形を、 円 といいます。円は、コンパスで書くことができます。コンパスでの円の書き方も学習しましょう。まず、コンパスを開きます。はりを紙にさして、ひとまわりさせると、円が書けます。", "title": "図形" }, { "paragraph_id": 118, "tag": "p", "text": "円の中央の点を円の中心といいます。中心から円のまわりまでの長さを、 半径 といいます。円のまわりから中心を通ってまわりまでの長さの線を、直径といいます。直径は、円の中にある直線の中で、一番長い直線です。直径は半径の2倍です。", "title": "図形" }, { "paragraph_id": 119, "tag": "p", "text": "ドッジボール や サッカーボール のような まるいボール を ま上 や ま横 から 見てみましょう。", "title": "図形" }, { "paragraph_id": 120, "tag": "p", "text": "ボールは、どこから見ても円に見えます。", "title": "図形" }, { "paragraph_id": 121, "tag": "p", "text": "ボールのように、どこから見ても円に見える立体を 球 といいます。球をどのように切っても、切り口の形は円になります。円をまっ2つに切ったとき、切り口の円が一番大きくなります。この一番大きな円の中心が球の中心で、この円の半径や直径が球の半径や直径になります。", "title": "図形" }, { "paragraph_id": 122, "tag": "p", "text": "円は、球ではありません。円は立体ではありませんが、球は立体です。 じゃがいもの形は 円ではありません。じゃがいもは 球でもありません。", "title": "図形" }, { "paragraph_id": 123, "tag": "p", "text": "", "title": "図形" }, { "paragraph_id": 124, "tag": "p", "text": "2本の辺がつくる形を 角といいます。また、その2本の辺の開き具合を 角の大きさ といいます。辺の長さは、角の大きさには関係ありません。", "title": "図形" }, { "paragraph_id": 125, "tag": "p", "text": "下の図のように、2辺の長さが 等しい 三角形 のこと を 二等辺三角形 といいます。二等辺三角形では、2つの角の大きさが等しくなっています。", "title": "図形" }, { "paragraph_id": 126, "tag": "p", "text": "下の図のように、3辺の長さが 等しい 三角形 のこと を 正三角形 といいます。正三角形では、3つの角の大きさが等しくなっています。", "title": "図形" }, { "paragraph_id": 127, "tag": "p", "text": "1mのテープがあります。これを3等分したときの1つ分の長さと2つ分の長さを考えましょう。", "title": "分数" }, { "paragraph_id": 128, "tag": "p", "text": "1 3 {\\displaystyle {\\frac {1}{3}}} , 2 3 {\\displaystyle {\\frac {2}{3}}} のような数を 分数といいます。", "title": "分数" }, { "paragraph_id": 129, "tag": "p", "text": "(練習) 2 4 {\\displaystyle {\\frac {2}{4}}} , 4 4 {\\displaystyle {\\frac {4}{4}}} は 1 4 {\\displaystyle {\\frac {1}{4}}} をいくつ集めた数でしょう。", "title": "分数" }, { "paragraph_id": 130, "tag": "p", "text": "(答え) 2 4 {\\displaystyle {\\frac {2}{4}}} は2こ、 4 4 {\\displaystyle {\\frac {4}{4}}} は4こ", "title": "分数" }, { "paragraph_id": 131, "tag": "p", "text": "4 4 {\\displaystyle {\\frac {4}{4}}} は1のことです。 4 4 {\\displaystyle {\\frac {4}{4}}} =1", "title": "分数" }, { "paragraph_id": 132, "tag": "p", "text": "1mの 1 10 {\\displaystyle {\\frac {1}{10}}} を0.1m, 1mの 2 10 {\\displaystyle {\\frac {2}{10}}} を0.2m...と表すことがあります。また、1mと0.3mを合わせた長さを 1.3m ということがあります。", "title": "小数" }, { "paragraph_id": 133, "tag": "p", "text": "この0.1や1.3のように、位(くらい)に 1よりも小さい数を ふくんだ数を 「.」をつかって、あらわした数を 小数(しょうすう) といいます。 また、この点「.」のことを 小数点(しょうすうてん)といいます。", "title": "小数" }, { "paragraph_id": 134, "tag": "p", "text": "0,1,2...のような数(かず)を 整数(せいすう) といいます。", "title": "小数" }, { "paragraph_id": 135, "tag": "p", "text": "", "title": "小数" }, { "paragraph_id": 136, "tag": "p", "text": "", "title": "小数" }, { "paragraph_id": 137, "tag": "p", "text": "1cm は 10mm ですね。1mm は 0.1cm です。 100cm は 1m ですね。1cm は 0.01m です。", "title": "小数" }, { "paragraph_id": 138, "tag": "p", "text": "1L は 10dL ですね。1dL は 0.1L です。", "title": "小数" }, { "paragraph_id": 139, "tag": "p", "text": "", "title": "小数" }, { "paragraph_id": 140, "tag": "p", "text": "3デシリットルに5デシリットルを足せば(たせば)、8デシリットルです。", "title": "小数" }, { "paragraph_id": 141, "tag": "p", "text": "ですね。", "title": "小数" }, { "paragraph_id": 142, "tag": "p", "text": "3デシリットルを0.3リットルとかんがえて、おなじように5デシリットルを0.5リットルと考えましょう。", "title": "小数" }, { "paragraph_id": 143, "tag": "p", "text": "こたえは、いくつでしょうか。", "title": "小数" }, { "paragraph_id": 144, "tag": "p", "text": "こたえの8デシリットルは 0.8 リットルとも、書けますね。", "title": "小数" }, { "paragraph_id": 145, "tag": "p", "text": "0.3リットル に 0.5リットル を足しあわせて、あわせて 0.8リットル に なるわけですから、", "title": "小数" }, { "paragraph_id": 146, "tag": "p", "text": "式は、", "title": "小数" }, { "paragraph_id": 147, "tag": "p", "text": "と、式は、なります。読みかたは「れいてんさん たす れいてんご は(わ) れいてんはち」と読みます。", "title": "小数" }, { "paragraph_id": 148, "tag": "p", "text": "", "title": "小数" }, { "paragraph_id": 149, "tag": "p", "text": "つまり", "title": "小数" }, { "paragraph_id": 150, "tag": "p", "text": "です。", "title": "小数" }, { "paragraph_id": 151, "tag": "p", "text": "", "title": "小数" }, { "paragraph_id": 152, "tag": "p", "text": "", "title": "小数" }, { "paragraph_id": 153, "tag": "p", "text": "つまり", "title": "小数" }, { "paragraph_id": 154, "tag": "p", "text": "です。", "title": "小数" }, { "paragraph_id": 155, "tag": "p", "text": "4リットル から 3デシリットル を、へらしたら、こたえは 37デシリットル ですよね。", "title": "小数" }, { "paragraph_id": 156, "tag": "p", "text": "単位(たんい)を、すべてリットルにかえると、", "title": "小数" }, { "paragraph_id": 157, "tag": "p", "text": "4リットル から 0.3リットル をへらして、こたえが 3.7 リットル に なったわけです。", "title": "小数" }, { "paragraph_id": 158, "tag": "p", "text": "式で書くと、", "title": "小数" }, { "paragraph_id": 159, "tag": "p", "text": "です。読み方は、「よん ひく れいてんさん は さんてんなな」と読みます。", "title": "小数" }, { "paragraph_id": 160, "tag": "p", "text": "べつの数にしてみて、メートルでも、かんがえてみましょう。 0.8m から 0.2mを、へらしたら、こたえは 0.6m ですね。", "title": "小数" }, { "paragraph_id": 161, "tag": "p", "text": "式で書くと、", "title": "小数" }, { "paragraph_id": 162, "tag": "p", "text": "です。読み方は、「れいてんはち ひく れいてんに は れいてんろく」と読みます。", "title": "小数" }, { "paragraph_id": 163, "tag": "p", "text": "式を書くときにわからないことを□で表すことがあります。", "title": "□を使った式" }, { "paragraph_id": 164, "tag": "p", "text": "3 3 = 1 {\\displaystyle {\\frac {3}{3}}=1} のように、等しいことを表す「 = {\\displaystyle =} 」を 等号といい、 1 3 < 2 3 {\\displaystyle {\\frac {1}{3}}<{\\frac {2}{3}}} のように、数の大小を表す「 < {\\displaystyle <} 」「 > {\\displaystyle >} 」を不等号といいます。", "title": "等号と不等号" }, { "paragraph_id": 165, "tag": "p", "text": "", "title": "等号と不等号" }, { "paragraph_id": 166, "tag": "p", "text": "表(ひょう)とは、たくさん、ある、なにかの数を、分かりやすくするために、まとめたものです。", "title": "表とグラフ" }, { "paragraph_id": 167, "tag": "p", "text": "たとえば、ウィキ小学校の3年1組のクラスのみんな(41人)に、好き(すき)な虫を、聞いてみると、つぎのような結果になりました。", "title": "表とグラフ" }, { "paragraph_id": 168, "tag": "p", "text": "カブトムシが好きな人が9人、クワガタが好きな人が7人、トンボが好きな人が6人、セミが好きな人が4人、スズムシが好きな人が4人、バッタが好きな人が3人、カマキリが好きな人が2人、 その他の虫が6人です。", "title": "表とグラフ" }, { "paragraph_id": 169, "tag": "p", "text": "これを表にすると、", "title": "表とグラフ" }, { "paragraph_id": 170, "tag": "p", "text": "という表に、なります。 合計を書くのは、きまりでは、ありません。もし、合計を書く場合は、表のさいごに、合計を書くのがふつうです。", "title": "表とグラフ" }, { "paragraph_id": 171, "tag": "p", "text": "おなじ質問を2組の人に聞いたら、", "title": "表とグラフ" }, { "paragraph_id": 172, "tag": "p", "text": "だったとします。", "title": "表とグラフ" }, { "paragraph_id": 173, "tag": "p", "text": "1組と2組をあわせて、", "title": "表とグラフ" }, { "paragraph_id": 174, "tag": "p", "text": "と、まとめることも、できます。", "title": "表とグラフ" }, { "paragraph_id": 175, "tag": "p", "text": "3年生が3組まであったとして、3年3組にアンケートをした結果、", "title": "表とグラフ" }, { "paragraph_id": 176, "tag": "p", "text": "の場合、3年生全体は、", "title": "表とグラフ" }, { "paragraph_id": 177, "tag": "p", "text": "", "title": "表とグラフ" }, { "paragraph_id": 178, "tag": "p", "text": "のように、まとめられます。", "title": "表とグラフ" }, { "paragraph_id": 179, "tag": "p", "text": "グラフとは、なにかについての、いくつもの数を、見やすくするために、数を図に おきかえて、図で 数をあらわしたものである。", "title": "表とグラフ" }, { "paragraph_id": 180, "tag": "p", "text": "棒グラフ(ぼうグラフ)は、四角い棒の長さで何らかの数を表したグラフです。", "title": "表とグラフ" }, { "paragraph_id": 181, "tag": "p", "text": "棒を のばす方向は、上下の方向にのばす場合と、または、横にのばす場合があり、とくにどちらかにするかの、きまりはないです。", "title": "表とグラフ" }, { "paragraph_id": 182, "tag": "p", "text": "棒グラフの例として、ウィキペディアの記事「棒グラフ」から記事と表とグラフを引用し、説明する。", "title": "表とグラフ" }, { "paragraph_id": 183, "tag": "p", "text": "例として、2004年の欧州議会選挙(おうしゅうぎかいせんきょ)の結果と1999年の欧州議会選挙の結果を使う。以下の表は、それぞれの政党(せいとう)が、手にした議席数(ぎせきすう)である。1999年の総議席数(そう ぎせきすう)は少ないので、1.16933倍して、2004年のときと総議席数が同じになるようにしてある。", "title": "表とグラフ" }, { "paragraph_id": 184, "tag": "p", "text": "「選挙とはなにか」を知りたい場合は小学校6学年の教科書の政治・国際編を見てください。", "title": "表とグラフ" }, { "paragraph_id": 185, "tag": "p", "text": "", "title": "表とグラフ" }, { "paragraph_id": 186, "tag": "p", "text": "上記の2004年の選挙結果を棒グラフにしたものを、つぎに、しめす。", "title": "表とグラフ" }, { "paragraph_id": 187, "tag": "p", "text": "次の棒グラフは、2004年の結果と1999年の結果を、両方とも、しめしたものである。", "title": "表とグラフ" }, { "paragraph_id": 188, "tag": "p", "text": "のようなグラフになります。", "title": "表とグラフ" }, { "paragraph_id": 189, "tag": "p", "text": "このように、棒グラフをつくるには、あらかじめ表をつくる必要があります。", "title": "表とグラフ" }, { "paragraph_id": 190, "tag": "p", "text": "また、グラフでは、こまかい数字は、わかりません。", "title": "表とグラフ" }, { "paragraph_id": 191, "tag": "p", "text": "表やグラフについて、くわしくは、教科書や参考書、あるいは外部のウェブサイトなどで、しらべてください。 このページでは、説明しきれません。", "title": "表とグラフ" }, { "paragraph_id": 192, "tag": "p", "text": "今(いま)までに ならった ちしき を つかって 、もんだい を もっと たくさん ときたい 人(ひと) は 、「3年生のための算数ドリル」 の ページ を 見(み)に 行って(いって) ください。", "title": "算数ドリル" }, { "paragraph_id": 193, "tag": "p", "text": "下(した) の 「3年生のための算数ドリル」の 文字 を おすと、 見ている ページが ドリルのぺージに かわります。", "title": "算数ドリル" } ]
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== 0をかけるかけ算 == かけ算は数字に0をかけることも、また0に数字をかけることもできます。たとえば、 *1つ10円の おかし を 0こ 買いました。 お店に はらう お金 は いくらに なりますか。 式(しき)は、<math>10\times0</math>となりますが、もんだいをよく見ると おかしは1つも買っていません。 もちろん お店にはらうお金は ありません。答えは、0円に なります。 式(しき)を書くと、 :10×0 = 0 です。 また、それが5円のおかしでも 100円のおかしでも 買わなければ 店にお金を はらわなくていいことに なります。 このように どのような数でも 0をかけると 答えは0 になります。 {{ruby|式|しき}}を書くと、 :5×0 = 0 や  :100×0 = 0 などです。 また、次のもんだいも見てみましょう。 *0本の えんぴつが入っているふでばこが 7こあります。えんぴつは ぜんぶで 何本ありますか? 式は、 <math>0\times7</math> となりますが、 7このふでばこには どれにも えんぴつは1本も入っていません。 もちろん えんぴつは ふでばこには ありません。 答えは、0本 に なります。 {{ruby|式|しき}}を書くと、 :0×7 = 0 です。 また、ふでばこ が 3こ あっても 20こ あっても 中に 何も入っていなければ、えんぴつ は ない ことになります。このように 0にどんな数をかけても、答えは 0 に なります。 式(しき)を書くと、 :0×3 = 0 や :0×20 = 0 などです。 さいごに、 <math>0\times0</math> は どうなるでしょう。 何もないもの に べつの何もないもの を かけても かわり は ありませんね。 <math>0\times0</math> の 答えも 0 に なります。 == わり算 == '''わり{{ruby|算|ざん}}''' は、いくつ分あるか{{ruby|調|しら}}べる計算です。 記号は、 <math>\div</math> を つかいます。例えば、 *いちごが、20こ あります。このいちごを、4人におなじ数ずつ分けます。一人分は何こになりますか。 *いちごが、20こ あります。このいちごを、4こずつ分けようと思います。何人に分けられますか。 などの問題を考えるときに使います。 式は、 :<math>20\div4=5</math> と、なります。 「にじゅう わる よん は ご」と読みます。 <math>\div</math> は 「'''わる'''」 と読みます。 このとき、20を、 「わられる数」 といい、4を 「わる数」 と いいます。 式に あらわす ときは、 :(わられる数) ÷ (わる数) と、なるように します。 このような計算を、 '''わり算''' といいます。 === わり算の 答えのもとめかた === 例えば、 *18本のえんぴつを6人におなじ数ずつ分けようと思います。1人分は何本になりますか? (1人分の数)×6 が、18本 ですね。1人分の数は、 ☆×6=18 のあてはまる数と同じなのです。何に6をかけると、18になるかを計算すると、1人分のえんぴつの数がわかります。そのため、 <math>18\div6=3</math> です。 === あまりのある わり算 === 例えば、 *23まいのおり紙を4人におなじ数ずつ分けようと思います。1人分は何まいになりますか? さきほどと同じように計算しましょう。 1人分の数×4 が23本です。あてはまる数 を さがしてみましょう。かけ算の 4 の だん を さがして <math>4\times5=20</math> 、 <math>4\times6=24</math> … しかし、どうしても23にはなりません。 <math>4\times5</math> に <math>\begin{matrix}3& &\end{matrix}</math> をたすと→ <math>\begin{matrix}4\times5+3&=&23\end{matrix}</math> に なりました。 ですから、このような時は <math>23\div4=5</math>あまり<math>3</math> というようにします。「あまり」とは、分けたあとののこりのことです。あまりは、わる数より小さくしなければいけません。たとえば、 <math>23\div4=4</math>あまり<math>7</math> (わる数4はあまり7より大きい)としてはいけません。 === 0をわる わり算 === 次のもんだいを考えてみましょう。 * 0こ のおはじきを 5人で おなじ数ずつ 分けました。 1人分は 何こ に なりますか? 式は <math>0\div5</math> となりますが、分けられるおはじきは 1つも ありません。 ですから、もらえる おはじき も ありません。答えは、0こ に なります。 また、2人で 分けても 10人で 分けても おはじきが なければ もらうことは できません。 このように 0を ほかの数字(0はのぞきます。次の「0でわるわり算」を見てください)でわっても答えは0になります。 === 0でわるわり算 === 次の もんだいを 考えてみましょう。 *10こ の おはじきを 0人で おなじ数ずつ 分けました。 1人分は 何こ に なりますか? 式は <math>10\div0</math> になりますが、'''おはじきを もらう人が 1人も いないのに 1人分は何こ'''と もんだい では きいています。 こう書けば もんだい じたい が おかしいことが 分かります。 このように'''ある数字を 0 で わることは できません。''' 最後に、 <math>0\div0</math> を考えてみましょう。これも'''わる数が0なので 計算することはできません'''。 == たし算とひき算の筆算 == == かけ算の筆算 == かけ算も、{{ruby|筆算|ひっさん}}で計算できます。 かけざんを、筆算で計算する しかたをせつめいしていきます。 たとえば 13×8 を筆算で計算すると、 {{ruby|次|つぎ}}のように、なります。 {{clear}} <div style="margin: 1em;"></div> {| border="0" cellspacing="0" cellpadding="0" style="background:#eeffee; border:solid 2px #cccccc; float:right;" |- align="center" |align="right"|&nbsp; |&nbsp; |&nbsp; | |1 |3 |&nbsp; |- align="center" |&nbsp; |align="right" style="text-decoration:underline;"|×&nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp;&nbsp;&nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp;&nbsp;&nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp;&nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp;8&nbsp; |&nbsp; |- align="center" |&nbsp; |&nbsp; | | |<sup>2</sup> |4 |&nbsp; &nbsp; |- align="center" |&nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp; &nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp; &nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp; &nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp; &nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp;&nbsp;&nbsp; |&nbsp; &nbsp; |- align="center" |&nbsp; | | | | | |&nbsp; &nbsp; |} まず、一のくらいどうしをかけます。 :3×8=24 です。 24の、くりあがりは「2」です。この2は小さく書いて <sup>2</sup>4 と書きます。 {{clear}} <div style="margin: 1em;"></div> {| border="0" cellspacing="0" cellpadding="0" style="background:#eeffee; border:solid 2px #cccccc; float:right;" |- align="center" |align="right"|&nbsp; |&nbsp; |&nbsp; | |1 |3 |&nbsp; |- align="center" |&nbsp; |align="right" style="text-decoration:underline;"|×&nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp;&nbsp;&nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp;&nbsp;&nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp;&nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp;8&nbsp; |&nbsp; |- align="center" |&nbsp; |&nbsp; | | |8<sup>2</sup> |4 |&nbsp; &nbsp; |- align="center" |&nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp; &nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp; &nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp; &nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp; &nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp;&nbsp;&nbsp; |&nbsp; &nbsp; |- align="center" |&nbsp; | | | | | |&nbsp; &nbsp; |} つぎに、かけられる数 の 十のくらいの数と、かける数 の 一のくらいの数 を かけます。 :1×8 です。 これは、10×8を {{ruby|意味|いみ}}しています。なので、1×8のこたえの8は、十のくらいに書きます。 {{clear}} <div style="margin: 1em;"></div> {| border="0" cellspacing="0" cellpadding="0" style="background:#eeffee; border:solid 2px #cccccc; float:right;" |- align="center" |align="right"|&nbsp; |&nbsp; |&nbsp; | |1 |3 |&nbsp; |- align="center" |&nbsp; |align="right" style="text-decoration:underline;"|×&nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp;&nbsp;&nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp;&nbsp;&nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp;&nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp;8&nbsp; |&nbsp; |- align="center" |&nbsp; |&nbsp; | | |8<sup>2</sup> |4 |&nbsp; &nbsp; |- align="center" |&nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp; &nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp; &nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp; &nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp; &nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp;&nbsp;&nbsp; |&nbsp; &nbsp; |- align="center" |&nbsp; | | |1 |0 |4 |&nbsp; &nbsp; |} 一のくらいを、そのまま下に、おろします。 つづけて、十のくらいどうしを、足し算して(この場合は 2+8=10)、下に おろします。 {{clear}} * べつの数の かけ算 でも、ためしてみましょう。 :24×17 こんどは、2けたの数 どうしの かけざん です。 {| border="0" cellspacing="0" cellpadding="0" style="background:#eeffee; border:solid 2px #cccccc; float:right;" |- align="center" |align="right"|&nbsp; |&nbsp; |&nbsp; | |2 |4 |&nbsp; |- align="center" |&nbsp; |align="right" style="text-decoration:underline;"|×&nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp;&nbsp;&nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp;&nbsp;&nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp;1&nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp;7&nbsp; |&nbsp; |- align="center" |&nbsp; |&nbsp; | | |<sup>2</sup> |8 |&nbsp; &nbsp; |- align="center" |&nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp; &nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp; &nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp; &nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp; &nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp;&nbsp;&nbsp; |&nbsp; &nbsp; |- align="center" |&nbsp; | | | | | |&nbsp; &nbsp; |} かけ算のひっさんでは、まず、一のくらいどうしを、かけ算します。 このばあい 4×7 = 28 です。 くりあがりの2は、ちいさく書くので、 <sup>2</sup>8 のように書きます。 {{clear}} <div style="margin: 1em;"></div> {| border="0" cellspacing="0" cellpadding="0" style="background:#eeffee; border:solid 2px #cccccc; float:right;" |- align="center" |align="right"|&nbsp; |&nbsp; |&nbsp; | |2 |4 |&nbsp; |- align="center" |&nbsp; |align="right" style="text-decoration:underline;"|×&nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp;&nbsp;&nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp;&nbsp;&nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp;1&nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp;7&nbsp; |&nbsp; |- align="center" |&nbsp; |&nbsp; | |1 |4<small><sup>2</sup></small> |8 |&nbsp; &nbsp; |- align="center" |&nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp; &nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp; &nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp; &nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp; &nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp;&nbsp;&nbsp; |&nbsp; &nbsp; |- align="center" |&nbsp; | | | | | |&nbsp; &nbsp; |} つぎに、かけられる数の十のくらいの数と、かける数の一のくらいの数を、かけます。 :24×17 のばあい、 2×7 です。 これは20×7を、{{ruby|意味|いみ}}しています。 ですから、この 2×7 =14 の意味は 20×7 = 140 ですから、 2×7=14の、こたえの14の、1を百のくらいに書いて、4を十のくらいに書きます。 {{clear}} <div style="margin: 1em;"></div> {| border="0" cellspacing="0" cellpadding="0" style="background:#eeffee; border:solid 2px #cccccc; float:right;" |- align="center" |align="right"|&nbsp; |&nbsp; |&nbsp; | |2 |4 |&nbsp; |- align="center" |&nbsp; |align="right" style="text-decoration:underline;"|×&nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp;&nbsp;&nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp;&nbsp;&nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp;1&nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp;7&nbsp; |&nbsp; |- align="center" |&nbsp; |&nbsp; | |1 |4<small><sup>2</sup></small> |8 |&nbsp; &nbsp; |- align="center" |&nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp; &nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp; &nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp; &nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp;4&nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp;&nbsp;&nbsp; |&nbsp; &nbsp; |- align="center" |&nbsp; | | | | | |&nbsp; &nbsp; |} つぎに、かけられる数の一のくらいの数と、かける数の十のくらいの数を、かけます。 :24×17 のばあい、 4×1 です。 これは 4×10 を、{{ruby|意味|いみ}}しています。 ですから、この 4×1 =4の意味は 4×10 = 40 ですから、 4×1 =4 の、こたえの4を十のくらいに書きます。 {{clear}} <div style="margin: 1em;"></div> {| border="0" cellspacing="0" cellpadding="0" style="background:#eeffee; border:solid 2px #cccccc; float:right;" |- align="center" |align="right"|&nbsp; |&nbsp; |&nbsp; | |2 |4 |&nbsp; |- align="center" |&nbsp; |align="right" style="text-decoration:underline;"|×&nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp;&nbsp;&nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp;&nbsp;&nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp;1&nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp;7&nbsp; |&nbsp; |- align="center" |&nbsp; |&nbsp; | |1 |4<small><sup>2</sup></small> |8 |&nbsp; &nbsp; |- align="center" |&nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp; &nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp; &nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp;2&nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp;4&nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp;&nbsp;&nbsp; |&nbsp; &nbsp; |- align="center" |&nbsp; | | | | | |&nbsp; &nbsp; |} つぎに、かけられる数の十の位の数と、かける数の十の位の数をかけます。 :24×17 のばあい、 2×1 です。 これは 20×10 を、{{ruby|意味|いみ}}しています。 なので、この 2×1 =2 の意味は 20×10 = 200 ですから、 2×1 =2 の、こたえの2を 百のくらい に書きます。 {{clear}} <div style="margin: 1em;"></div> {| border="0" cellspacing="0" cellpadding="0" style="background:#eeffee; border:solid 2px #cccccc; float:right;" |- align="center" |align="right"|&nbsp; |&nbsp; |&nbsp; | |2 |4 |&nbsp; |- align="center" |&nbsp; |align="right" style="text-decoration:underline;"|×&nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp;&nbsp;&nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp;&nbsp;&nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp;1&nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp;7&nbsp; |&nbsp; |- align="center" |&nbsp; |&nbsp; | |1 |4<small><sup>2</sup></small> |8 |&nbsp; &nbsp; |- align="center" |&nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp; &nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp; &nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp;2&nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp;4&nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp;&nbsp;&nbsp; |&nbsp; &nbsp; |- align="center" |&nbsp; | | | | |8 |&nbsp; &nbsp; |} 一のくらいを おろします。 {{clear}} <div style="margin: 1em;"></div> {| border="0" cellspacing="0" cellpadding="0" style="background:#eeffee; border:solid 2px #cccccc; float:right;" |- align="center" |align="right"|&nbsp; |&nbsp; |&nbsp; | |2 |4 |&nbsp; |- align="center" |&nbsp; |align="right" style="text-decoration:underline;"|×&nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp;&nbsp;&nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp;&nbsp;&nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp;1&nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp;7&nbsp; |&nbsp; |- align="center" |&nbsp; |&nbsp; | |1<sup>1</sup> |4<small><sup>2</sup></small> |8 |&nbsp; &nbsp; |- align="center" |&nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp; &nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp; &nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp;2&nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp;4&nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp;&nbsp;&nbsp; |&nbsp; &nbsp; |- align="center" |&nbsp; | | | |0 |8 |&nbsp; &nbsp; |} 十のくらいの 2と4と4を 足しあわせて、2+4+4=10を、おろします。 くりあがりの1は、たしざんのひっさんのように、たす前の数の上に、かいておきます。 148 の 1 の上に、くりあがりがついて、1<sup>1</sup>48 に、なっています。 {{clear}} <div style="margin: 1em;"></div> {| border="0" cellspacing="0" cellpadding="0" style="background:#eeffee; border:solid 2px #cccccc; float:right;" |- align="center" |align="right"|&nbsp; |&nbsp; |&nbsp; | |2 |4 |&nbsp; |- align="center" |&nbsp; |align="right" style="text-decoration:underline;"|×&nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp;&nbsp;&nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp;&nbsp;&nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp;1&nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp;7&nbsp; |&nbsp; |- align="center" |&nbsp; |&nbsp; | |1<sup>1</sup> |4<small><sup>2</sup></small> |8 |&nbsp; &nbsp; |- align="center" |&nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp; &nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp; &nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp;2&nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp;4&nbsp; |style="text-decoration:underline;"|&nbsp;&nbsp;&nbsp; |&nbsp; &nbsp; |- align="center" |&nbsp; | | |4 |0 |8 |&nbsp; &nbsp; |} それから、百のくらいどうしを、足します。 :1+1+2=4 です。 24×17 の こたえ は 408 です。 こうして、かけざん の ひっさん で、かけざん の こたえ が もとめられました。 * ひっさん の しくみ しくみは このようになっています。 :24×17 =(20+4)×(10+7) :: = (20+4)×10 + (20+4)×7 :: = (20×10) + (4×10) + (20+4)×7 :: = (20×10) + (4×10) + (20×7) + (4×7) これが、この 24×17 の ひっさん の しくみ です。 * れんしゅう 12×12 = 31×70 = 65×45 = 31+70 = 85×74 = 63-44 = 69×45 = 67×54 = * こたえ 10×6 = 60 12×12 = 144 31×70 = 2170 65×45 = 2925 31+70 = 101 85×74 = 6290 63-44 = 19 69×45 = 3105 67×54 = さいご の 、67×54 の こたえ は ここでは おしえません。ちゃんとといてから、こたえをしらべてください。 <!-- 答えを非公開した問題の答え。 67×54 = 3618 です。--> == 一億までの数 == 10000 のことを{{Ruby|一万|いちまん}}といいます。(※ これは小学2年で{{Ruby|習|なら}}いましたね。) 一万に一万をたしあわせた数を '''二万''' といい、20000 とかきます。つまり、1万を2{{ruby|倍|ばい}}した数が 20000 です。 おなじように、一万を3倍した数は 三万 といい、30000 とかきます。 :また、一万を10倍した数を '''十万''' といい、100000 とかきます。 :十万を10倍した数を '''百万''' といい、1000000 とかきます。 :百万を10倍した数を '''千万''' といい、10000000 とかきます。 :千万を10倍した数を '''{{ruby|一億|いちおく}}''' といい、100000000 とかきます。 :{{ruby|次|つぎ}}の数を読んでみましょう。 * 13515271({{ruby|東京都|とうきょうと}}の人口) :* 答えは '''千三百五十一万 五千二百七十一''' です。 <br> {| class="wikitable" style="float: right; text-align: center; margin: 2pt;" |- ! style="text-align: center;" | 一億の <br>くらい !! 千万の <br>くらい !! 百万の <br>くらい !! 十万の <br>くらい !! 万の <br>くらい !! 千の <br>くらい !! 百の <br>くらい !! 十の <br>くらい !! 一の <br>くらい |- | || 1 || 3 || 5 || 1 || 5 || 2 || 7 || 1 |- |} {{-}} 二十万は 200000 だと、0が多くて よみづらいので、「20万」というふうに、数字と{{ruby|漢字|かんじ}}を くみあわせて かくことも あります。 「20万」は「にじゅうまん」と よみます。 おなじように、三十万なら、30万と かくことも、あります。 64000000 のように、0が多いと、よみづらいので、「6400万」と かくことも あります。「6400万」なら「ろくせんよんひゃくまん」と よみます。 大きな数でも、いままでと おなじように 計算できます。 たとえば、東京都の人口 13515271 人と、 {{ruby|埼玉県|さいたまけん}}の人口 7338536人との、ちがいは、 13515721- 7338536 = 6176735 より、6176735人です。 ;{{Ruby|問題|もんだい}} タカシくんのお父さんが、つとめ先の会社からもらう きゅうりょう は、 1か月あたり、300000円(30万円) でした。 1年間で12回、おなじ金がくの給料を、お父さんは、会社から、うけとっています。 1年間で、タカシくんのお父さんは、会社から何円、給料(きゅうりょう)を もらうでしょうか? :(※ ぜい金などは考えません。) しき 300000 × 12 = 3600000 タカシくんのお父さんは、一年で360万円、きゅうりょうをもらっていることになります。 こたえ ::360万円 ::(「3600000円」と書いてもいい。) == 長さ == 道のりを{{ruby|表|あらわ}}すときなどに、1kmというたんいを使うことがあります。1kmは「1キロメートル」とよみます。1km=1000mです。あるたんいの前に「{{ruby|k|キロ}}」がつくと1000{{ruby|倍|ばい}}を表します。 == 時こくと時間 == 時こくと 時間 に ついて 学びましょう。 たかしくんは、3時50分に家を出て、4時15分に{{ruby|図書館|としょかん}}につきました。何分でついたでしょうか。 3時50分から4時までは10分で、4時から4時15分までは15分です。だから、10+15=25分となります。 === 秒 === 「{{ruby|秒|びょう}}」という時間の{{ruby|単位|たんい}}もあります。1分は60秒です。 == 10倍、100倍、1000倍、10でわった数 == 250を10{{ruby|倍|ばい}}、100倍、1000倍、10でわった数について考えましょう。 == 図形 == === 円と球 === [[File:Circle-withsegments.svg|thumb|200px|left|この円の場合は 点{{ruby|O|オー}}が中心で、赤の辺{{ruby|R|アール}}の長さが半径で、青の線{{ruby|D|ディー}}が直径です。]] [[File:Diameter.svg|right|thumb|赤い矢印(←→)の長さが、直径です。]] [[File:Compass1.jpg|right|200px|thumb|コンパス]] コンパスでかけるまるい形を、 円 といいます。円は、コンパスで書くことができます。コンパスでの円の書き方も{{Ruby|学習|がくしゅう}}しましょう。まず、コンパスを開きます。はりを紙にさして、ひとまわりさせると、円が書けます。 円の{{ruby|中央|ちゅうおう}}の点を円の'''{{ruby|中心|ちゅうしん}}'''といいます。中心から円のまわりまでの長さを、 {{ruby|半径|はんけい}} といいます。円のまわりから中心を通ってまわりまでの長さの線を、'''{{ruby|直径|ちょっけい}}'''といいます。直径は、円の中にある直線の中で、一番長い直線です。直径は半径の2倍です。 {{clear}} [[画像:Sphere - monochrome simple.svg|thumb|150px|left|球]] [[画像:Sphere wireframe.svg|thumb|球]] ドッジボール や サッカーボール のような まるいボール を ま上 や ま{{ruby|横|よこ}} から 見てみましょう。 ボールは、どこから見ても円に見えます。 ボールのように、どこから見ても円に見える立体を {{ruby|球|きゅう}} といいます。球をどのように切っても、切り口の形は円になります。円をまっ2つに切ったとき、切り口の円が一番大きくなります。この一番大きな円の中心が球の中心で、この円の半径や直径が球の半径や直径になります。 円は、球ではありません。円は立体ではありませんが、球は立体です。 じゃがいもの形は 円ではありません。じゃがいもは 球でもありません。 {{clear}} <gallery> Image:Baseball.jpg|野球のボール Image:Basketball Clipart.svg|バスケットボール Image:Tennis ball2.jpg|テニスのボール Image:Softball.jpg|ソフトボール用ボール Image:Russet potato cultivar with sprouts.jpg|じゃがいも </gallery> {{clear}} === 角 === 2本の{{Ruby|辺|へん}}がつくる形を {{Ruby|角|かく}}といいます。また、その2本の辺の{{ruby|開|ひら}}き{{Ruby|具合|ぐあい}}を 角の大きさ といいます。辺の長さは、角の大きさには{{ruby|関係|かんけい}}ありません。 === 三角形 === 下の図のように、2辺の長さが {{ruby|等|ひと|しい}} 三角形 のこと を '''{{ruby|二等辺三角形|にとうへんさんかくけい}}''' といいます。二等辺三角形では、2つの角の大きさが{{ruby|等|ひと}}しくなっています。 :[[File:Triangle.Isosceles.svg|100px|]] 下の図のように、3辺の長さが 等しい 三角形 のこと を '''{{ruby|正三角形|せいさんかくけい}}''' といいます。正三角形では、3つの角の大きさが{{ruby|等|ひと}}しくなっています。 :[[File:Triangle.Equilateral.svg|150px|]] == 分数 == 1mのテープがあります。これを3{{ruby|等分|とうぶん}}したときの1つ分の長さと2つ分の長さを考えましょう。 :1mを3等分したうちの1つの長さを 「'''<math>\frac{1}{3}</math>m'''」とかき「3分の1メートル」とよみます。[[File:3分の1と3分の2.png|thumb|<math>\frac{1}{3}</math>と<math>\frac{2}{3}</math>]] :1mを3等分したうちの2つの長さを 「'''<math>\frac{2}{3}</math>m'''」とかき「3分の2メートル」とよみます。<math>\frac{1}{3}</math>mの2こ分です。 <math>\frac{1}{3}</math>,<math>\frac{2}{3}</math>のような数を {{ruby|分数|ぶんすう}}といいます。 ({{ruby|練習|れんしゅう}})<math>\frac{2}{4}</math>,<math>\frac{4}{4}</math>は<math>\frac{1}{4}</math>をいくつ{{ruby|集|あつ}}めた数でしょう。 (答え)<math>\frac{2}{4}</math>は2こ、<math>\frac{4}{4}</math>は4こ <!-- 3年生では約分の概念はない --> <math>\frac{4}{4}</math>は1のことです。 <math>\frac{4}{4}</math>=1 == 小数 == 1mの<math>\frac{1}{10}</math>を0.1m, 1mの<math>\frac{2}{10}</math>を0.2m…と{{Ruby|表|あらわ}}すことがあります。また、1mと0.3mを合わせた長さを 1.3m ということがあります。 この0.1や1.3のように、位(くらい)に 1よりも小さい数を ふくんだ数を 「.」をつかって、あらわした数を <big>小数</big>(しょうすう) といいます。 また、この点「.」のことを <big>小数点</big>(しょうすうてん)といいます。 0,1,2…のような数(かず)を <big>整数</big>(せいすう) といいます。 * れい :0.4cm は 4mm の、ことです。 :0.8L (0.8リットル)は 8dL のことです。 :2.9cm は 29mm のことです。 :8.3L は 83dL のことです。 :8.0L は 8L のことです。 :7.0L は 7L のことです。 :7.0cm は 7cm のことです。 :7.0cm は 70mm でも、あります。 :4.0cm は 4cm です。 :4.0cm は 40mm でも、あります。 1cm は 10mm ですね。1mm は 0.1cm です。 100cm は 1m ですね。1cm は 0.01m です。 1L は 10dL ですね。1dL は 0.1L です。 === 小数の計算 === 3デシリットルに5デシリットルを足せば(たせば)、8デシリットルです。 :3+5=8 ですね。 3デシリットルを0.3リットルとかんがえて、おなじように5デシリットルを0.5リットルと考えましょう。 :0.3 + 0.5 = こたえは、いくつでしょうか。 こたえの8デシリットルは 0.8 リットルとも、書けますね。 0.3リットル に 0.5リットル を足しあわせて、あわせて 0.8リットル に なるわけですから、 式は、 :0.3 + 0.5 = 0.8 と、式は、なります。読みかたは「れいてんさん たす れいてんご は(わ) れいてんはち」と読みます。 * 例(れい) :0.4dL に 0.2dL をたすと、あわせて 0.6dL に なります。 :2.4dL に 0.2dL をたすと、あわせて 2.6dL に なります。 :2.4L に 0.6L をたすと、あわせて 3L に なります。 :2.4dL に 0.6dL をたすと、あわせて 3dL に なります。 :2.4cm に 0.6cm をたすと、あわせて 3cm に なります。 :2.4 に 0.6 をたすと、あわせて 3.0 に なります。 つまり :2.4 + 0.6 = 3.0 = 3 です。 :7.1cm に 2.6cm をたすと、あわせて 9.7cm に なります。 :7.1mm に 2.6mm をたすと、あわせて 9.7mm に なります。 :7.1m に 2.6m をたすと、あわせて 9.7m に なります。 :7.1 に 2.6 をたすと、あわせて 9.7 に なります。 つまり :7.1 + 2.6 = 9.7 です。 === 小数の引き算 === 4リットル から 3デシリットル を、へらしたら、こたえは 37デシリットル ですよね。 単位(たんい)を、すべてリットルにかえると、 4リットル から 0.3リットル をへらして、こたえが 3.7 リットル に なったわけです。 式で書くと、 :4 ー 0.3 = 3.7 です。読み方は、「よん ひく れいてんさん は さんてんなな」と読みます。 べつの数にしてみて、メートルでも、かんがえてみましょう。 0.8m から 0.2mを、へらしたら、こたえは 0.6m ですね。 式で書くと、 :0.8 ー 0.2 = 0.6 です。読み方は、「れいてんはち ひく れいてんに は れいてんろく」と読みます。 == □を使った式 == 式を書くときにわからないことを□で{{ruby|表|あらわ}}すことがあります。 == 等号と不等号 == <math>\frac{3}{3}=1</math>のように、{{Ruby|等|ひと}}しいことを{{Ruby|表|あらわ}}す「<math>=</math>」を {{ruby|等号|とうごう}}といい、<math>\frac{1}{3}<\frac{2}{3}</math>のように、数の大小を表す「<math><</math>」「<math>></math>」を{{ruby|不等号|ふとうごう}}といいます。 == 表とグラフ == === 表 === 表(ひょう)とは、たくさん、ある、なにかの数を、分かりやすくするために、まとめたものです。 たとえば、ウィキ小学校の3年1組のクラスのみんな(41人)に、好き(すき)な虫を、聞いてみると、つぎのような結果になりました。 カブトムシが好きな人が9人、クワガタが好きな人が7人、トンボが好きな人が6人、セミが好きな人が4人、スズムシが好きな人が4人、バッタが好きな人が3人、カマキリが好きな人が2人、 その他の虫が6人です。 これを表にすると、 {| class="wikitable" style="text-align:center" |+ 好きな虫の表(3年1組)の例 ! 好きな虫 !! 人数 |- ! カブトムシ | 9 |- ! クワガタ | 7 |- ! トンボ | 6 |- ! セミ | 4 |- ! スズムシ | 4 |- ! バッタ | 3 |- ! カマキリ | 2 |- ! そのほか | 6 |- ! 合計 | 41 |- |} という表に、なります。 合計を書くのは、きまりでは、ありません。もし、合計を書く場合は、表のさいごに、合計を書くのがふつうです。 おなじ質問を2組の人に聞いたら、 {| class="wikitable" style="text-align:center" |+ 好きな虫の表(3年2組)の例 ! 好きな虫 !! 人数 |- ! カブトムシ | 6 |- ! クワガタ | 5 |- ! トンボ | 7 |- ! セミ | 3 |- ! スズムシ | 8 |- ! バッタ | 5 |- ! カマキリ | 1 |- ! そのほか | 5 |- ! 合計 | 40 |- |} だったとします。 1組と2組をあわせて、 {| class="wikitable" style="text-align:center" |+ 好きな虫の表 ! 好きな虫 !! 1組 !! 2組 |- ! カブトムシ | 9 || 6 |- ! クワガタ | 7 || 5 |- ! トンボ | 6 || 7 |- ! セミ | 4 || 3 |- ! スズムシ | 4 || 8 |- ! バッタ | 3 || 5 |- ! カマキリ | 2 || 1 |- ! そのほか | 6 || 5 |- ! 合計 | 41 || 40 |- |} と、まとめることも、できます。 3年生が3組まであったとして、3年3組にアンケートをした結果、 {| class="wikitable" style="text-align:center" |+ 好きな虫の表(3年2組)の例 ! 好きな虫 !! 人数 |- ! カブトムシ | 5 |- ! クワガタ | 4 |- ! トンボ | 4 |- ! セミ | 5 |- ! スズムシ | 3 |- ! バッタ | 7 |- ! カマキリ | 6 |- ! そのほか | 7 |- ! 合計 | 41 |- |} の場合、3年生全体は、 {| class="wikitable" style="text-align:center" |+ 好きな虫の表    (人) ! 好きな虫 !! 1組 !! 2組 !! 3組 !! 合計 |- ! カブトムシ | 9 || 6 || 5 || 20 |- ! クワガタ | 7 || 5 || 4 || 16 |- ! トンボ | 6 || 7 || 4 || 17 |- ! セミ | 4 || 3 || 5 || 12 |- ! スズムシ | 4 || 8 || 3 || 15 |- ! バッタ | 3 || 5 || 7 || 15 |- ! カマキリ | 2 || 1 || 6 || 9 |- ! そのほか | 6 || 5 || 5 || 16 |- ! 合計 | 41 || 40 || 41 || 122 |- |} のように、まとめられます。 === グラフ === '''グラフ'''とは、なにかについての、いくつもの数を、見やすくするために、数を図に おきかえて、図で 数をあらわしたものである。 '''棒グラフ'''(ぼうグラフ)は、四角い棒の長さで何らかの数を表したグラフです。 棒を のばす方向は、上下の方向にのばす場合と、または、横にのばす場合があり、とくにどちらかにするかの、きまりはないです。 棒グラフの例として、ウィキペディアの記事「棒グラフ」から記事と表とグラフを引用し、説明する。 * 例 例として、2004年の欧州議会選挙(おうしゅうぎかいせんきょ)の結果と1999年の欧州議会選挙の結果を使う。以下の表は、それぞれの政党(せいとう)が、手にした議席数(ぎせきすう)である。1999年の総議席数(そう ぎせきすう)は少ないので、1.16933倍して、2004年のときと総議席数が同じになるようにしてある。 「選挙とはなにか」を知りたい場合は[[小学校社会/6学年/政治・国際編|小学校6学年の教科書の政治・国際編]]を見てください。 {| class="wikitable" !政党 !議席数 (2004) !議席数 (1999) |- |EUL |39 |49 |- |PES |200 |210 |- |EFA |42 |56 |- |EDD |15 |19 |- |ELDR |67 |60 |- |EPP |276 |272 |- |UEN |27 |36 |- |その他 |66 |29 |} 上記の2004年の選挙結果を棒グラフにしたものを、つぎに、しめす。 <timeline> ImageSize = width:400 height:240 PlotArea = width:300 height:150 left:50 bottom:40 AlignBars = late DateFormat = yyyy Period = from:0 till:300 TimeAxis = orientation:vertical ScaleMajor = unit:year increment:50 start:0 BarData= bar:1 text:"EUL" bar:2 text:"PES" bar:3 text:"EFA" bar:4 text:"EDD" bar:5 text:"ELDR" bar:6 text:"EPP" bar:7 text:"UEN" bar:8 text:"Other" Colors = id:lightgrey value:gray(0.7) id:darkgrey value:gray(0.1) TextData = pos:(10,220) textcolor:black fontsize:S text:Seats pos:(180,25) textcolor:black fontsize:S text:Group pos:(90,225) textcolor:black fontsize:M text:European Parliament Election 2004 PlotData= width:18 bar:1 color:lightgrey from:0 till:39 bar:2 color:lightgrey from:0 till:200 bar:3 color:lightgrey from:0 till:42 bar:4 color:lightgrey from:0 till:15 bar:5 color:lightgrey from:0 till:67 bar:6 color:lightgrey from:0 till:276 bar:7 color:lightgrey from:0 till:27 bar:8 color:lightgrey from:0 till:66 </timeline> 次の棒グラフは、2004年の結果と1999年の結果を、両方とも、しめしたものである。 <timeline> ImageSize = width:480 height:240 PlotArea = width:360 height:150 left:50 bottom:40 AlignBars = late DateFormat = yyyy Period = from:0 till:300 TimeAxis = orientation:vertical ScaleMajor = unit:year increment:50 start:0 BarData= bar:17 text: bar:2 text: bar:1 text: bar:17 text: bar:4 text: bar:3 text: bar:17 text: bar:6 text: bar:5 text: bar:17 text: bar:8 text: bar:7 text: bar:17 text: bar:10 text: bar:9 text: bar:17 text: bar:12 text: bar:11 text: bar:17 text: bar:14 text: bar:13 text: bar:17 text: bar:16 text: bar:15 text: Colors = id:lightgrey value:gray(0.7) id:darkgrey value:gray(0.4) TextData = tabs:(28-center,74-center,118-center,164-center,211-center,254-center,300-center,347-center) pos:(10,220) textcolor:black fontsize:S text:Seats pos:(200,25) textcolor:black fontsize:S text:Group pos:(130,225) textcolor:black fontsize:M text:European Parliament Elections pos:(233,193) textcolor:black fontsize:S text:2004 pos:(185,193) textcolor:black fontsize:S text:1999 pos:(50,40) textcolor:black fontsize:S text:^EUL^PES^EFA^EDD^ELDR^EPP^UEN^Other PlotData= width:0 bar:1 color:lightgrey from:0 till:39 width:15 bar:2 color:darkgrey from:0 till:49 width:15 bar:3 from:0 till:200 width:15 color:lightgrey bar:4 color:darkgrey from:0 till:210 width:15 bar:5 from:0 till:42 width:15 color:lightgrey from:280 till:300 color:darkgrey width:10 bar:6 from:0 till:56 width:10 color:darkgrey width:15 bar:7 from:0 till:15 width:15 color:lightgrey from:280 till:300 color:lightgrey width:10 bar:8 color:darkgrey from:0 till:19 width:15 bar:9 color:lightgrey from:0 till:67 width:15 bar:10 color:darkgrey from:0 till:60 width:15 bar:11 color:lightgrey from:0 till:276 width:15 bar:12 color:darkgrey from:0 till:272 width:15 bar:13 color:lightgrey from:0 till:27 width:15 bar:14 color:darkgrey from:0 till:36 width:15 bar:15 color:lightgrey from:0 till:66 width:15 bar:16 color:darkgrey from:0 till:29 width:15 </timeline> のようなグラフになります。 このように、棒グラフをつくるには、あらかじめ表をつくる必要があります。 また、グラフでは、こまかい数字は、わかりません。 表やグラフについて、くわしくは、教科書や参考書、あるいは外部のウェブサイトなどで、しらべてください。 このページでは、説明しきれません。 == そろばん == == 算数ドリル == 今(いま)までに ならった ちしき を つかって 、もんだい を もっと たくさん ときたい 人(ひと) は 、<br>「3年生のための算数ドリル」 の ページ を 見(み)に 行って(いって) ください。 <br> 下(した) の 「3年生のための算数ドリル」の 文字 を おすと、 <br>見ている ページが ドリルのぺージに かわります。 * [[算数演習 小学校3年生|3年生のための算数ドリル]] [[Category:小学校算数|3かくねん]]
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2022-04-13T10:20:54Z
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https://ja.wikibooks.org/wiki/%E5%B0%8F%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E7%AE%97%E6%95%B0/3%E5%AD%A6%E5%B9%B4
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中学数学2年 図形の調べ方
中学校の学習 > 中学校数学 > 中学数学2年 > 図形の調べ方 この章では、2年生の図形の学習の基礎を学びます。 直線が2つ交わると、その交点の周りに、頂点を共有する4つの角ができます。 このとき、右図の∠a と∠c のような、正反対の向きに開いた2つの角を対頂角(たいちょうかく)といいます。∠b と∠d も対頂角です。 たとえば∠b が120°のとき、∠a と∠c の大きさを比べてみると、 つまり、∠a = ∠c となります。 これは、∠b が何度であっても成り立ちます。なぜなら、∠a も∠c も、(180-∠b )°になるからです。ですから、次のことが言えます。 2直線を横切るようにもうひとつの直線が交わるとき、8つの角ができます(右図)。 このとき、∠a と∠e のように、角の頂点から見たとき、同じ方位に開いた角を同位角(どういかく)といいます。∠a と∠e はどちらも、頂点から見て左上の方位に開いているため、互いに同位角といえます。∠b と∠f は互いに同位角であり、∠c と∠g は互いに同位角であり、∠d と∠h もそれぞれ同位角です。 また、∠b と∠h のように、2直線の内側にある2つの角で、それぞれの頂点から見たとき、正反対の方角に開いた角の組あわせを錯角(さっかく)といいます。右下の方位に開いた∠c と左上の方位に開いた∠e も錯角です。 右図のように2直線が平行(へいこう)であるとき、同位角どうしは等しくなります。これは、平行線の基本的な性質として、しっかり覚えて下さい。また逆に、2直線の作る同位角が等くなっていれば、2直線は平行であることがわかります。これは、平行線の成立条件として覚えてください。 右図のように直線, m, nと角度a,bがある場合、 になっており、また、 になっていることがわかります。 錯角どうしも、2直線が平行なときには、錯覚の大きさも等しくなります。また、2直線の作る錯角が等しくなっていれば、2直線は平行だと見抜くことができます。 中学校数学では、主に円、三角形、四角形について学習します。2年生では三角形と四角形を主に学習します。まずは、三角形から調べてみましょう。 三角形の3つの内角(図形の内側の角)の和はいくつになるでしょうか。ここでは、平行線と角の性質を用いて調べていきます。 右図のΔABCに、辺BCの延長CDを引きます。 また、辺ABに平行で、Cを通る直線CEを引きます。 分かりやすいように、全ての角に右図のように名前をつけてみましょう。 このとき、平行線の同位角は等しいですから、 また、平行線の錯角は等しいですから、 ∠c, ∠d, ∠e は一直線上にあるので ですから、これに(1),(2)を代入する事により、 外角とは、内角と隣り合った角のことで、右図の1のような角を指します。2のような角は指しません。 右図のように外角は1つの頂点につき大きさの等しい外角が2個あるが、普通はどちらか片方のことを言う。 外角には、次のような性質があります。 ある1つの三角形の頂点をA,B,C、それらの頂点に対応する3つの内角を ∠a, ∠b, ∠c とすると、 頂点Cの外角は、∠a + ∠b です。 なぜなら、さきほどの内角の和の説明の図で、 よって 頂点Cの外角は、∠a + ∠b です。 多角形の内角と外角の位置は、右図のとおり。 右図では例として五角形の場合をしめす。 n角形の内角の和は、 (nー2)×180 ° になる なぜなら、n角形は、右図のように、(n-2) 個の三角形に分割できるからである。(なお、右図は七角形である。) ただし中学のこれらの多角形の公式では、右図のような、へこんだ多角形については考えていない。 右図のように、2つの図形が、その図形の位置や向きをかえるだけで、形と大きさをかえずに一致させることができる場合、その2つの図形は 合同(ごうどう) である、という。 三角形GHIも、三角形ABCを左右にひっくり返して位置をズラしただけなので、三角形GHIと三角形ABCは合同である。 合同な図形には、次の性質があります。 四角形や五角形といった四角形以上でも同様に、ある図形が「合同である」とは、その図形の位置や向きをかえるだけで、形と大きさをかえずに一致させることができる場合のことである。 右の図の例では、 三角形ABCと三角形DEFが合同の場合に、合同であることをあらわす記号≡を使って、 のように書くことで、三角形ABCと三角形DEFが合同であることを記述したことになる。 なお、合同の記号 ≡ を使う時には、対応する頂点が同じ順番になるように書く。 たとえば、 △ABC ≡ △DEF なら、頂点AとDが対応、頂点BとEが対応、頂点CとFが対応、というふうに対応していると主張していることになる。 四角形ABCDと四角形EFGHが合同の場合に、そのことを表す記法として、 のように書く。三角形の場合とちがい、四角形では、四角であることを表す数学記号が無いので、上式のように式中に日本語(「四角形」)を使ってもよい。 四角形以上の場合でも、対応する頂点が同じ順番になるように書く。 五角形以上の場合も同様に、式中に のように、日本語を式中に使ってもよい。 2つの図形が合同であるために、満たすべき条件を 合同条件(ごうどうじょうけん) という。 2つの三角形において、つぎの条件のいずれかが成り立つとき、その2つの三角形は合同である。 2個の三角形が、上記の3つの条件のいずれかを満たすと、その2個の三角形は合同である。 この3つの条件のことを 三角形の合同条件(さんかっけい の ごうどうじょけん) という。 三角形の合同条件はまた、三角形を作図する際に、その三角形の形を1通りにするための条件でもあります。 言い方をかえると、もし、ある三角形について、合同条件を満たせる辺や角度の情報が当たれられたなら、その三角形と合同な三角形を作図できます。 証明(しょうめい)とは、すでに成り立つことがわかっていることを使って、成り立つかどうかわからないことが実は成り立つということを確かめること、その確かめの内容を人に説明することです。さっそく例を見てみましょう。 左の図で、BC=DC,AC=ECのとき、AB=EDを証明しなさい。 このような場合、問題の情報を整理します。情報を整理すると以下の通りです。 問題の前提として与えられた条件を仮定(かてい)といいます。 つまり証明とは、仮定から結論(けつろん)を導くことです。結論を導くために、今回は△ABC≡△EDCを証明すればよさそうです。(記号≡は合同という意味) そのためには∠BCA=∠DCEであるか、AB=EDであることを確かめられればよさそうです。この場合は、対頂角の関係にあるので∠BCA=∠DCEであることがわかります。以上のことを、きちんと整理した形に書くのが証明です。 細かいことですが、証明が終了したら最後に必ず「ここで終わりです」という宣言をします。たとえば「(証明終)」や「//」や「Q.E.D」と書いたり、あるいは文章で「これで結論は証明された。」と書くなど、いくつかの書き方がありますが、ここでは「(証明終)」を用いることにします。 △ABCと△EDCにおいて仮定より また、対頂角は等しいので 1・2・3より、対応する2辺とその間の角がそれぞれ等しいので したがってAB=ED (証明終) 以上のような今回の証明の中身を簡単に表すと次のようにまとめられます。 【仮定】 問題に書いてある内容+自分で見つけた内容を整理する。 「正方形は、長方形でしょうか?」 この疑問に、あなたは答えられますか? もし「長方形」とは何であるかの条件を、「長方形とは、タテとヨコの長さが等しいとは限らないので、すべての角度が90度の四角形のことである」としたら、 正方形もまた長方形の一種になります。なぜなら、この条件では「タテとヨコの長さが等しいとは限らない」としましたが、一言も「タテとヨコの長さが違う」とは言ってないので、タテとヨコの長さが同じであってもいいからです。 一方、もし「長方形とは、タテとヨコの長さが違っており、すべての角度が90度の四角形のことである」としたら、正方形は長方形でなくなります。 この「長方形とは、タテとヨコの長さが等しいとは限らないで、すべての角度が90度の四角形のことである」という宣言や「長方形とは、タテとヨコの長さが違っており、すべての角度が90度の四角形のことである」という宣言のように、ある用語の意味をはっきりさせる説明のことを定義(ていぎ)といいます。 つまり、 という主張は、長方形の定義を宣言したことになります。 また、 という主張も、長方形の定義を宣言したことになります。 議論などの際に、他人の書いた「証明」を読むさい、ときどき、言葉の意味が自分の使い方とは違っている場合があるので、必要に応じて、相手の人の証明での語句の定義を確認する必要があります。(※ しかし中学校レベルの議論や数学の場合は、教科書などが用語の意味を決めているので、定義を確認する必要性が少ない。) ひとつの証明の中では、定義は一貫させる必要があります。 中学校以上の数学では(中学校での教育もふくむ)、証明の手間をラクにするためか、長方形の定義を「長方形とは、タテとヨコの長さが等しいとは限らないで(等しくてもよい)、すべての角度が90度の四角形のことである」として、正方形を長方形の一種に含める場合があります。こうすれば、長方形について成り立つ公式などを証明した際に、正方形についても証明したことになるので、わざわざ正方形について別々の証明をする手間が省略できるからです。 同様に、中学校では、「二等辺三角形」を「正三角形」の特殊な場合とすることも、よくあります。 もし二等辺三角形の定義を「2辺以上の長さが同じ三角形である」(二等辺三角形の定義)とすれば、正三角形の3つの等しい辺も2辺以上という条件を満たすので( 3辺 ≧ 2辺 )、正三角形は二等辺三角形の特殊な場合であると分類できます。 また、長方形や三角形にかぎらず、高校や大学などで、いくつかの用語の定義が変わっている場合もあるので、あたらしい分野の学習の際には、その分野の言葉の定義を確認するようにしましょう。(あまり気にしなくても、普通の気のきいた教材なら、中学など下の学校とは用語の定義が違っている場合、読者に定義に変更のあることを説明しておいてくれる。とりあえず中学生は、高校・大学レベルに学習が進んだ将来、いくつかの用語の定義が将来的に更新される可能性もあることを、念頭においておけばいい。) 左の図で、AD=AB , DC=BC のとき、∠B=∠Dを証明しなさい。 ACという補助線を引くことにより、結論に登場する角を含むような三角形を作ることができます。 △ADCと△ABCにおいて仮定より また、ACは共通だから 1・2・3より、対応する3辺がそれぞれ等しいので したがって∠B=∠D (証明終) 直角三角形にかぎらず、ある角の角度が0°以上で 90° より小さい場合に、その角度を 鋭角 (えいかく)という。 ある角の角度が 90° 以上で180より小さい角度の場合に、その角を 鈍角 (どんかく)という。 図でみると分かるように、三角形では、どんな三角形でも最低限でも2つの鋭角がある。 また、直角では、鋭角でもなく鈍角でもないと分類するのが一般的である。 つまり、角度は、鋭角か直角か鈍角かの3通りのうちのどれかに分類される。 ※ 指導要領のカリキュラム改訂で、中学2年の数学に「反例」が加わりました。とりあえず、幾何の単元に付け足します。 検定教科書を編集者がまだ調べていないので、当ページでは当面のあいだ、図形の例ではなく、代数計算を例に説明します。 図形でも反例や逆では下記と同様の理論が成り立ちます。 たとえば、 という主張があったとします。 もちろん、この主張は間違っています。 では、どうやって、この主張の間違いを見つければいいでしょうか。 たとえば、10 は 5 の倍数です。しかし 10 は奇数ではありません。10は偶数です。その証拠に、10÷2=5 で割りきれます。 このように、主張されていることの前提条件(この場合は「5の倍数である」)を満たしているのに、主張の後半(この場合は「必ず奇数である」)を満たさないものを反例(はんれい)と言います。 前提条件の部分は、必要に応じて文章を少し意訳して言い換える必要があります。たとえば、もとの文章 は、そのまま元の文章の前半分を抜き取ると のように途中で終わってしまうので、文章になっていないです。 この場合、同じ内容の文章を自分でつくり、 のように、2つの文章に分けます。 そして、それから前提条件「ある数 m が5の倍数である」と後半部分「この数 m は必ず奇数である」を作っていきます。 この例のように、証明において、主張されている内容によっては、もし反例のある主張の場合、反例を一つでも見つければ、それで証明になる場合もあります。 もっと言うと、「必ず~である」という主張は、もし一つでも反例が見つかれば、その主張は間違いだと証明できることになります。 また「必ず~である」という主張は、数学においては、「すべて~である」と言った場合と意味が同じです。 実際、さきほどの5の倍数の主張の例なら、 と言い換えることも出来ます。 主張「すべての~が□□である」が間違いだと証明したいなら、ひとつでも反例を見つければいいのです。 主張「4の倍数は、かならず2の倍数である」は正しいです。 なぜなら、 4の倍数を 4p とした場合、 4p ÷ 2 = 2p なので2で割りきれるからです。よって、4の倍数は、かならず2の倍数です。 しかし、2の倍数は、4の倍数ではありません。 たとえば、 2は整数の範囲では 4 で割りきれません。 2÷4 =0あまり2 です。 このように、「4の倍数は、かならず2の倍数である」は正しいのに、「2の倍数は、かならず4の倍数である」は正しくないです。 ある主張の前提と後半を入れ替えたものを逆(ぎゃく)と言います。 たとえば、「4の倍数は、かならず2の倍数である」の逆は、「2の倍数は、かならず4の倍数である」です。 この例のように、逆は必ずしも正しいとは限りません。 ※範囲外: 「逆は必ずしも真(しん)ならず」という格言があります。 では、逆は必ず間違っているのでしょうか。いいえ、逆も正しい場合もあります。 たとえば、「ある数mが3の倍数であり、5の倍数であるとする。この場合、ある数mは15の倍数である。」の逆は、 「ある数mが15の倍数であるとする。この場合、ある数mは3の倍数であり、5の倍数である。」となります。 実際に m=15p と置いた場合、 15p÷3=5p 15p÷5=3p のように、それぞれ割りきれます。このように計算などによって、証明をできます。 ※範囲外: 「逆は必ずしも真(しん)ならず」という格言では、「しも」が入っていることに注意してください。「必ず真ならず」とは言っていません。
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"このような場合、問題の情報を整理します。情報を整理すると以下の通りです。", "title": "証明の仕組み" }, { "paragraph_id": 68, "tag": "p", "text": "問題の前提として与えられた条件を仮定(かてい)といいます。 つまり証明とは、仮定から結論(けつろん)を導くことです。結論を導くために、今回は△ABC≡△EDCを証明すればよさそうです。(記号≡は合同という意味) そのためには∠BCA=∠DCEであるか、AB=EDであることを確かめられればよさそうです。この場合は、対頂角の関係にあるので∠BCA=∠DCEであることがわかります。以上のことを、きちんと整理した形に書くのが証明です。 細かいことですが、証明が終了したら最後に必ず「ここで終わりです」という宣言をします。たとえば「(証明終)」や「//」や「Q.E.D」と書いたり、あるいは文章で「これで結論は証明された。」と書くなど、いくつかの書き方がありますが、ここでは「(証明終)」を用いることにします。", "title": "証明の仕組み" }, { "paragraph_id": 69, "tag": "p", "text": "△ABCと△EDCにおいて仮定より", "title": "証明の仕組み" }, { "paragraph_id": 70, "tag": "p", "text": "また、対頂角は等しいので", "title": "証明の仕組み" }, { "paragraph_id": 71, "tag": "p", "text": "1・2・3より、対応する2辺とその間の角がそれぞれ等しいので", "title": "証明の仕組み" }, { "paragraph_id": 72, "tag": "p", "text": "したがってAB=ED (証明終)", "title": "証明の仕組み" }, { "paragraph_id": 73, "tag": "p", "text": "以上のような今回の証明の中身を簡単に表すと次のようにまとめられます。", "title": "証明の仕組み" }, { "paragraph_id": 74, "tag": "p", "text": "【仮定】 問題に書いてある内容+自分で見つけた内容を整理する。", "title": "証明の仕組み" }, { "paragraph_id": 75, "tag": "p", "text": "", "title": "証明の仕組み" }, { "paragraph_id": 76, "tag": "p", "text": "「正方形は、長方形でしょうか?」", "title": "三角形・四角形の定義の変更" }, { "paragraph_id": 77, "tag": "p", "text": "この疑問に、あなたは答えられますか?", "title": "三角形・四角形の定義の変更" }, { "paragraph_id": 78, "tag": "p", "text": "もし「長方形」とは何であるかの条件を、「長方形とは、タテとヨコの長さが等しいとは限らないので、すべての角度が90度の四角形のことである」としたら、 正方形もまた長方形の一種になります。なぜなら、この条件では「タテとヨコの長さが等しいとは限らない」としましたが、一言も「タテとヨコの長さが違う」とは言ってないので、タテとヨコの長さが同じであってもいいからです。", "title": "三角形・四角形の定義の変更" }, { "paragraph_id": 79, "tag": "p", "text": "一方、もし「長方形とは、タテとヨコの長さが違っており、すべての角度が90度の四角形のことである」としたら、正方形は長方形でなくなります。", "title": "三角形・四角形の定義の変更" }, { "paragraph_id": 80, "tag": "p", "text": "", "title": "三角形・四角形の定義の変更" }, { "paragraph_id": 81, "tag": "p", "text": "この「長方形とは、タテとヨコの長さが等しいとは限らないで、すべての角度が90度の四角形のことである」という宣言や「長方形とは、タテとヨコの長さが違っており、すべての角度が90度の四角形のことである」という宣言のように、ある用語の意味をはっきりさせる説明のことを定義(ていぎ)といいます。", "title": "三角形・四角形の定義の変更" }, { "paragraph_id": 82, "tag": "p", "text": "", "title": "三角形・四角形の定義の変更" }, { "paragraph_id": 83, "tag": "p", "text": "つまり、", "title": "三角形・四角形の定義の変更" }, { "paragraph_id": 84, "tag": "p", "text": "という主張は、長方形の定義を宣言したことになります。", "title": "三角形・四角形の定義の変更" }, { "paragraph_id": 85, "tag": "p", "text": "また、", "title": "三角形・四角形の定義の変更" }, { "paragraph_id": 86, "tag": "p", "text": "という主張も、長方形の定義を宣言したことになります。", "title": "三角形・四角形の定義の変更" }, { "paragraph_id": 87, "tag": "p", "text": "議論などの際に、他人の書いた「証明」を読むさい、ときどき、言葉の意味が自分の使い方とは違っている場合があるので、必要に応じて、相手の人の証明での語句の定義を確認する必要があります。(※ しかし中学校レベルの議論や数学の場合は、教科書などが用語の意味を決めているので、定義を確認する必要性が少ない。)", "title": "三角形・四角形の定義の変更" }, { "paragraph_id": 88, "tag": "p", "text": "ひとつの証明の中では、定義は一貫させる必要があります。", "title": "三角形・四角形の定義の変更" }, { "paragraph_id": 89, "tag": "p", "text": "中学校以上の数学では(中学校での教育もふくむ)、証明の手間をラクにするためか、長方形の定義を「長方形とは、タテとヨコの長さが等しいとは限らないで(等しくてもよい)、すべての角度が90度の四角形のことである」として、正方形を長方形の一種に含める場合があります。こうすれば、長方形について成り立つ公式などを証明した際に、正方形についても証明したことになるので、わざわざ正方形について別々の証明をする手間が省略できるからです。", "title": "三角形・四角形の定義の変更" }, { "paragraph_id": 90, "tag": "p", "text": "同様に、中学校では、「二等辺三角形」を「正三角形」の特殊な場合とすることも、よくあります。", "title": "三角形・四角形の定義の変更" }, { "paragraph_id": 91, "tag": "p", "text": "もし二等辺三角形の定義を「2辺以上の長さが同じ三角形である」(二等辺三角形の定義)とすれば、正三角形の3つの等しい辺も2辺以上という条件を満たすので( 3辺 ≧ 2辺 )、正三角形は二等辺三角形の特殊な場合であると分類できます。", "title": "三角形・四角形の定義の変更" }, { "paragraph_id": 92, "tag": "p", "text": "また、長方形や三角形にかぎらず、高校や大学などで、いくつかの用語の定義が変わっている場合もあるので、あたらしい分野の学習の際には、その分野の言葉の定義を確認するようにしましょう。(あまり気にしなくても、普通の気のきいた教材なら、中学など下の学校とは用語の定義が違っている場合、読者に定義に変更のあることを説明しておいてくれる。とりあえず中学生は、高校・大学レベルに学習が進んだ将来、いくつかの用語の定義が将来的に更新される可能性もあることを、念頭においておけばいい。)", "title": "三角形・四角形の定義の変更" }, { "paragraph_id": 93, "tag": "p", "text": "左の図で、AD=AB , DC=BC のとき、∠B=∠Dを証明しなさい。", "title": "三角形についての証明" }, { "paragraph_id": 94, "tag": "p", "text": "ACという補助線を引くことにより、結論に登場する角を含むような三角形を作ることができます。", "title": "三角形についての証明" }, { "paragraph_id": 95, "tag": "p", "text": "△ADCと△ABCにおいて仮定より", "title": "三角形についての証明" }, { "paragraph_id": 96, "tag": "p", "text": "また、ACは共通だから", "title": "三角形についての証明" }, { "paragraph_id": 97, "tag": "p", "text": "1・2・3より、対応する3辺がそれぞれ等しいので", "title": "三角形についての証明" }, { "paragraph_id": 98, "tag": "p", "text": "したがって∠B=∠D (証明終)", "title": "三角形についての証明" }, { "paragraph_id": 99, "tag": "p", "text": "", "title": "三角形についての証明" }, { "paragraph_id": 100, "tag": "p", "text": "", "title": "角の分類" }, { "paragraph_id": 101, "tag": "p", "text": "直角三角形にかぎらず、ある角の角度が0°以上で 90° より小さい場合に、その角度を 鋭角 (えいかく)という。", "title": "角の分類" }, { "paragraph_id": 102, "tag": "p", "text": "ある角の角度が 90° 以上で180より小さい角度の場合に、その角を 鈍角 (どんかく)という。", "title": "角の分類" }, { "paragraph_id": 103, "tag": "p", "text": "", "title": "角の分類" }, { "paragraph_id": 104, "tag": "p", "text": "図でみると分かるように、三角形では、どんな三角形でも最低限でも2つの鋭角がある。", "title": "角の分類" }, { "paragraph_id": 105, "tag": "p", "text": "また、直角では、鋭角でもなく鈍角でもないと分類するのが一般的である。", "title": "角の分類" }, { "paragraph_id": 106, "tag": "p", "text": "つまり、角度は、鋭角か直角か鈍角かの3通りのうちのどれかに分類される。", "title": "角の分類" }, { "paragraph_id": 107, "tag": "p", "text": "", "title": "角の分類" }, { "paragraph_id": 108, "tag": "p", "text": "※ 指導要領のカリキュラム改訂で、中学2年の数学に「反例」が加わりました。とりあえず、幾何の単元に付け足します。", "title": "反例と逆" }, { "paragraph_id": 109, "tag": "p", "text": "検定教科書を編集者がまだ調べていないので、当ページでは当面のあいだ、図形の例ではなく、代数計算を例に説明します。", "title": "反例と逆" }, { "paragraph_id": 110, "tag": "p", "text": "図形でも反例や逆では下記と同様の理論が成り立ちます。", "title": "反例と逆" }, { "paragraph_id": 111, "tag": "p", "text": "", "title": "反例と逆" }, { "paragraph_id": 112, "tag": "p", "text": "たとえば、", "title": "反例と逆" }, { "paragraph_id": 113, "tag": "p", "text": "という主張があったとします。", "title": "反例と逆" }, { "paragraph_id": 114, "tag": "p", "text": "もちろん、この主張は間違っています。", "title": "反例と逆" }, { "paragraph_id": 115, "tag": "p", "text": "では、どうやって、この主張の間違いを見つければいいでしょうか。", "title": "反例と逆" }, { "paragraph_id": 116, "tag": "p", "text": "たとえば、10 は 5 の倍数です。しかし 10 は奇数ではありません。10は偶数です。その証拠に、10÷2=5 で割りきれます。", "title": "反例と逆" }, { "paragraph_id": 117, "tag": "p", "text": "このように、主張されていることの前提条件(この場合は「5の倍数である」)を満たしているのに、主張の後半(この場合は「必ず奇数である」)を満たさないものを反例(はんれい)と言います。", "title": "反例と逆" }, { "paragraph_id": 118, "tag": "p", "text": "前提条件の部分は、必要に応じて文章を少し意訳して言い換える必要があります。たとえば、もとの文章", "title": "反例と逆" }, { "paragraph_id": 119, "tag": "p", "text": "は、そのまま元の文章の前半分を抜き取ると", "title": "反例と逆" }, { "paragraph_id": 120, "tag": "p", "text": "のように途中で終わってしまうので、文章になっていないです。", "title": "反例と逆" }, { "paragraph_id": 121, "tag": "p", "text": "この場合、同じ内容の文章を自分でつくり、", "title": "反例と逆" }, { "paragraph_id": 122, "tag": "p", "text": "のように、2つの文章に分けます。", "title": "反例と逆" }, { "paragraph_id": 123, "tag": "p", "text": "そして、それから前提条件「ある数 m が5の倍数である」と後半部分「この数 m は必ず奇数である」を作っていきます。", "title": "反例と逆" }, { "paragraph_id": 124, "tag": "p", "text": "この例のように、証明において、主張されている内容によっては、もし反例のある主張の場合、反例を一つでも見つければ、それで証明になる場合もあります。", "title": "反例と逆" }, { "paragraph_id": 125, "tag": "p", "text": "もっと言うと、「必ず~である」という主張は、もし一つでも反例が見つかれば、その主張は間違いだと証明できることになります。", "title": "反例と逆" }, { "paragraph_id": 126, "tag": "p", "text": "また「必ず~である」という主張は、数学においては、「すべて~である」と言った場合と意味が同じです。", "title": "反例と逆" }, { "paragraph_id": 127, "tag": "p", "text": "実際、さきほどの5の倍数の主張の例なら、", "title": "反例と逆" }, { "paragraph_id": 128, "tag": "p", "text": "と言い換えることも出来ます。", "title": "反例と逆" }, { "paragraph_id": 129, "tag": "p", "text": "主張「すべての~が□□である」が間違いだと証明したいなら、ひとつでも反例を見つければいいのです。", "title": "反例と逆" }, { "paragraph_id": 130, "tag": "p", "text": "", "title": "反例と逆" }, { "paragraph_id": 131, "tag": "p", "text": "主張「4の倍数は、かならず2の倍数である」は正しいです。", "title": "反例と逆" }, { "paragraph_id": 132, "tag": "p", "text": "なぜなら、", "title": "反例と逆" }, { "paragraph_id": 133, "tag": "p", "text": "4の倍数を 4p とした場合、", "title": "反例と逆" }, { "paragraph_id": 134, "tag": "p", "text": "4p ÷ 2 = 2p なので2で割りきれるからです。よって、4の倍数は、かならず2の倍数です。", "title": "反例と逆" }, { "paragraph_id": 135, "tag": "p", "text": "しかし、2の倍数は、4の倍数ではありません。", "title": "反例と逆" }, { "paragraph_id": 136, "tag": "p", "text": "たとえば、", "title": "反例と逆" }, { "paragraph_id": 137, "tag": "p", "text": "2は整数の範囲では 4 で割りきれません。", "title": "反例と逆" }, { "paragraph_id": 138, "tag": "p", "text": "2÷4 =0あまり2", "title": "反例と逆" }, { "paragraph_id": 139, "tag": "p", "text": "です。", "title": "反例と逆" }, { "paragraph_id": 140, "tag": "p", "text": "このように、「4の倍数は、かならず2の倍数である」は正しいのに、「2の倍数は、かならず4の倍数である」は正しくないです。", "title": "反例と逆" }, { "paragraph_id": 141, "tag": "p", "text": "ある主張の前提と後半を入れ替えたものを逆(ぎゃく)と言います。", "title": "反例と逆" }, { "paragraph_id": 142, "tag": "p", "text": "たとえば、「4の倍数は、かならず2の倍数である」の逆は、「2の倍数は、かならず4の倍数である」です。", "title": "反例と逆" }, { "paragraph_id": 143, "tag": "p", "text": "この例のように、逆は必ずしも正しいとは限りません。", "title": "反例と逆" }, { "paragraph_id": 144, "tag": "p", "text": "※範囲外: 「逆は必ずしも真(しん)ならず」という格言があります。", "title": "反例と逆" }, { "paragraph_id": 145, "tag": "p", "text": "", "title": "反例と逆" }, { "paragraph_id": 146, "tag": "p", "text": "では、逆は必ず間違っているのでしょうか。いいえ、逆も正しい場合もあります。", "title": "反例と逆" }, { "paragraph_id": 147, "tag": "p", "text": "たとえば、「ある数mが3の倍数であり、5の倍数であるとする。この場合、ある数mは15の倍数である。」の逆は、", "title": "反例と逆" }, { "paragraph_id": 148, "tag": "p", "text": "「ある数mが15の倍数であるとする。この場合、ある数mは3の倍数であり、5の倍数である。」となります。", "title": "反例と逆" }, { "paragraph_id": 149, "tag": "p", "text": "実際に", "title": "反例と逆" }, { "paragraph_id": 150, "tag": "p", "text": "m=15p と置いた場合、", "title": "反例と逆" }, { "paragraph_id": 151, "tag": "p", "text": "15p÷3=5p", "title": "反例と逆" }, { "paragraph_id": 152, "tag": "p", "text": "15p÷5=3p", "title": "反例と逆" }, { "paragraph_id": 153, "tag": "p", "text": "のように、それぞれ割りきれます。このように計算などによって、証明をできます。", "title": "反例と逆" }, { "paragraph_id": 154, "tag": "p", "text": "※範囲外: 「逆は必ずしも真(しん)ならず」という格言では、「しも」が入っていることに注意してください。「必ず真ならず」とは言っていません。", "title": "反例と逆" }, { "paragraph_id": 155, "tag": "p", "text": "", "title": "反例と逆" } ]
中学校の学習 > 中学校数学 > 中学数学2年 > 図形の調べ方 この章では、2年生の図形の学習の基礎を学びます。
{{pathnav|中学校の学習|中学校数学|中学数学2年|pagename=図形の調べ方}} この章では、2年生の図形の学習の基礎を学びます。 == 直線と角 == === 2直線が交わってできる角 === [[File:Vertical angles2.svg|right]] 直線が2つ交わると、その交点の周りに、頂点を共有する4つの角ができます。 このとき、右図の&ang;''a'' と&ang;''c'' のような、正反対の向きに開いた2つの角を'''対頂角'''(たいちょうかく)といいます。&ang;''b'' と&ang;''d'' も対頂角です。 たとえば&ang;''b'' が120&deg;のとき、&ang;''a'' と&ang;''c'' の大きさを比べてみると、 :&ang;''a'' = 180&deg;-120&deg; = 60&deg; :&ang;''c'' = 180&deg;-120&deg; = 60&deg; つまり、&ang;''a'' = &ang;''c'' となります。 これは、&ang;''b'' が何度であっても成り立ちます。なぜなら、&ang;''a'' も&ang;''c'' も、(180-&ang;''b'' )&deg;になるからです。ですから、次のことが言えます。 {| style="border:2px solid skyblue;width:80%" cellspacing=0 |style="background:skyblue"|'''対頂角の性質''' |- |style="padding:5px"|対頂角は等しい。 |} === 2直線に1つの直線が交わってできる角 === [[File:Corresponding angles2.svg||right]] 2直線を横切るようにもうひとつの直線が交わるとき、8つの角ができます(右図)。 このとき、&ang;''a'' と&ang;''e'' のように、角の頂点から見たとき、同じ方位に開いた角を'''同位角'''(どういかく)といいます。&ang;''a'' と&ang;''e'' はどちらも、頂点から見て左上の方位に開いているため、互いに同位角といえます。&ang;''b'' と&ang;''f'' は互いに同位角であり、&ang;''c'' と&ang;''g'' は互いに同位角であり、&ang;''d'' と&ang;''h'' もそれぞれ同位角です。 また、&ang;''b'' と&ang;''h'' のように、2直線の内側にある2つの角で、それぞれの頂点から見たとき、正反対の方角に開いた角の組あわせを'''錯角'''(さっかく)といいます。右下の方位に開いた&ang;''c'' と左上の方位に開いた&ang;''e'' も錯角です。 === 平行線と同位角・錯角 === [[File:Corresponding angles with parallel line.svg|thumb|]] 右図のように2直線が平行(へいこう)であるとき、同位角どうしは等しくなります。これは、平行線の基本的な性質として、しっかり覚えて下さい。また逆に、2直線の作る同位角が等くなっていれば、2直線は平行であることがわかります。これは、平行線の成立条件として覚えてください。 右図のように直線[[File:Cursive l for mathematics.svg|12px|]], m, nと角度a,bがある場合、 :[[File:Cursive l for mathematics.svg|12px|]]//m ならば &ang;''a'' = &ang;''b'' になっており、また、 :&ang;''a'' = &ang;''b'' ならば [[File:Cursive l for mathematics.svg|12px|]]//m になっていることがわかります。 {{-}} [[File:Alternate angles with parallel line.svg|thumb|]] 錯角どうしも、2直線が平行なときには、錯覚の大きさも等しくなります。また、2直線の作る錯角が等しくなっていれば、2直線は平行だと見抜くことができます。 {| style="border:2px solid skyblue;width:80%" cellspacing=0 |style="background:skyblue"|'''平行線と同位角・錯角''' |- |style="padding:5px"|1, 2直線が平行であるとき、その同位角は等しい。また、錯角も等しい。 |- |style="padding:5px"|2, 同位角どうし、あるいは錯角どうしが等しければ、その2直線は平行である。 |} == 多角形の角 == === 三角形の内角と外角 === 中学校数学では、主に円、三角形、四角形について学習します。2年生では三角形と四角形を主に学習します。まずは、三角形から調べてみましょう。 三角形の3つの内角(図形の内側の角)の和はいくつになるでしょうか。ここでは、平行線と角の性質を用いて調べていきます。 [[File:Proof of internal angle sum = 180 degree type2.svg|300px|right]] 右図の&Delta;ABCに、辺BCの延長CDを引きます。 また、辺ABに平行で、Cを通る直線CEを引きます。 分かりやすいように、全ての角に右図のように名前をつけてみましょう。 このとき、平行線の同位角は等しいですから、 :&ang;''b'' = &ang;''e''   … (1) また、平行線の錯角は等しいですから、 :&ang;''a'' = &ang;''d''   … (2) &ang;''c'', &ang;''d'', &ang;''e'' は一直線上にあるので :&ang;''c'' + &ang;''d'' + &ang;''e'' = 180&deg; ですから、これに(1),(2)を代入する事により、 :&ang;''a'' + &ang;''b'' + &ang;''c'' = 180&deg; {{中学校数学|三角形の3つの内角の和|三角形の3つの内角の和は180゚である。}} <!--ここから先、説明の得意な人好きなように書き換えてください--> [[File:External-angle.svg|right]] ;外角 外角とは、内角と隣り合った角のことで、右図の1のような角を指します。2のような角は指しません。<BR> {{-}} [[File:External-angle double.svg|thumb|]] 右図のように外角は1つの頂点につき大きさの等しい外角が2個あるが、普通はどちらか片方のことを言う。 {{-}} [[File:Proof of internal angle sum = 180 degree type2.svg|300px|right]] 外角には、次のような性質があります。 ある1つの三角形の頂点をA,B,C、それらの頂点に対応する3つの内角を &ang;a, &ang;b, &ang;c とすると、 頂点Cの外角は、&ang;''a'' + &ang;''b'' です。 なぜなら、さきほどの内角の和の説明の図で、 :&ang;''d'' + &ang;''e'' = &ang;''a'' + &ang;''b''なので、 よって 頂点Cの外角は、&ang;''a'' + &ang;''b'' です。 {{中学校数学|三角形の外角|三角形の1つの外角は、それと隣り合わない2つの内角の和に等しい}} == 多角形 == [[File:Interior and exterior angles of 5-gon japanese.svg|thumb|300px|]] 多角形の'''内角'''と'''外角'''の位置は、右図のとおり。 右図では例として五角形の場合をしめす。 {{-}} [[File:Triangular division of 7-gon.svg|thumb|]] n角形の内角の和は、 (nー2)×180 ° になる なぜなら、n角形は、右図のように、(n-2) 個の三角形に分割できるからである。(なお、右図は七角形である。) {{-}} [[File:Concaved polygon.svg|thumb|]] ただし中学のこれらの多角形の公式では、右図のような、へこんだ多角形については考えていない。 {{-}} == 合同 == === 三角形の合同 === [[File:Congruence triangle.svg|thumb|400px|図のような三角形ABCと三角形DEFは合同である。]] 右図のように、2つの図形が、その図形の位置や向きをかえるだけで、形と大きさをかえずに一致させることができる場合、その2つの図形は '''合同'''(ごうどう) である、という。 三角形GHIも、三角形ABCを左右にひっくり返して位置をズラしただけなので、三角形GHIと三角形ABCは合同である。 合同な図形には、次の性質があります。 <div style="border:solid #999 1px;width:80%;background:#FEE;padding:0.5em;margin:0 auto 1em auto"> ;合同な図形の性質 :合同な図形では、対応する線分どうしの長さが等しい。 :合同な図形では、対応する角どうしの角度が等しい。 </div> {{-}} === 四角形以上の合同 === [[File:Congruence 4-gon.svg|thumb|400px|合同な2つの四角形。]] 四角形や五角形といった四角形以上でも同様に、ある図形が「合同である」とは、その図形の位置や向きをかえるだけで、形と大きさをかえずに一致させることができる場合のことである。 右の図の例では、 :四角形ABCDと四角形EFGHは合同である。 {{-}} === 記法 === 三角形ABCと三角形DEFが合同の場合に、合同であることをあらわす記号≡を使って、 △ABC ≡ △DEF のように書くことで、三角形ABCと三角形DEFが合同であることを記述したことになる。 なお、合同の記号 ≡ を使う時には、対応する頂点が同じ順番になるように書く。 たとえば、 △ABC ≡ △DEF なら、頂点AとDが対応、頂点BとEが対応、頂点CとFが対応、というふうに対応していると主張していることになる。 ;四角形や五角形などの場合の記法 四角形ABCDと四角形EFGHが合同の場合に、そのことを表す記法として、 四角形ABCD ≡ 四角形EFGH のように書く。三角形の場合とちがい、四角形では、四角であることを表す数学記号が無いので、上式のように式中に日本語(「四角形」)を使ってもよい。 四角形以上の場合でも、対応する頂点が同じ順番になるように書く。 五角形以上の場合も同様に、式中に 五角形ABCDE ≡ 五角形 FGHIJ のように、日本語を式中に使ってもよい。 === 合同条件 === 2つの図形が合同であるために、満たすべき条件を '''合同条件'''(ごうどうじょうけん) という。 ==== 三角形 ==== 2つの三角形において、つぎの条件のいずれかが成り立つとき、その2つの三角形は合同である。 {{-}} [[File:Triangles unique conditions japanese.svg|thumb|700px|center|]] {{-}} ;三角形の合同条件 :2つの三角形は、次の3つの条件のどれかを満たす場合に、合同です。 # 3組の辺がそれぞれ等しい場合        # 2組の辺とその間の角がそれぞれ等しい場合  # 1組の辺とその両端の角がそれぞれ等しい場合 2個の三角形が、上記の3つの条件のいずれかを満たすと、その2個の三角形は合同である。 この3つの条件のことを <span style="font-size: large">三角形の合同条件</span>(さんかっけい の ごうどうじょけん) という。 三角形の合同条件はまた、三角形を作図する際に、その三角形の形を1通りにするための条件でもあります。 言い方をかえると、もし、ある三角形について、合同条件を満たせる辺や角度の情報が当たれられたなら、その三角形と合同な三角形を作図できます。 == 証明の仕組み == '''証明'''(しょうめい)とは、すでに成り立つことがわかっていることを使って、成り立つかどうかわからないことが実は成り立つということを確かめること、その確かめの内容を人に説明することです。さっそく例を見てみましょう。 <div style="border-style:solid;border-width:1px;border-color:#eeeeee;padding:1em;background:#fafafa;font-size:1.2em;"> <div style="text-align: center;"> [[File:中学幾何 図1.svg|left|250px||]] <span style="font-size:200%; padding: 1em;"><br><small><small>左の図で、BC=DC,AC=ECのとき、AB=EDを証明しなさい。</small></small></span> </div> </div><br> このような場合、問題の情報を整理します。情報を整理すると以下の通りです。<br> :【仮定】 BC=DC , AC=EC <br> :【結論】 AB=ED <br> 問題の前提として与えられた条件を'''仮定'''(かてい)といいます。 つまり証明とは、仮定から結論(けつろん)を導くことです。結論を導くために、今回は△ABC≡△EDCを証明すればよさそうです。(記号≡は合同という意味) そのためには∠BCA=∠DCEであるか、AB=EDであることを確かめられればよさそうです。この場合は、対頂角の関係にあるので∠BCA=∠DCEであることがわかります。以上のことを、きちんと整理した形に書くのが証明です。 細かいことですが、証明が終了したら最後に必ず「ここで終わりです」という宣言をします。たとえば「(証明終)」や「//」や「Q.E.D」と書いたり、あるいは文章で「これで結論は証明された。」と書くなど、いくつかの書き方がありますが、ここでは「(証明終)」を用いることにします。 <div style="border-style:solid;border-color:#eeeeee;padding:1em;background:#fafafa;"> <div style="text-align: left;"> △ABCと△EDCにおいて仮定より<br> :BC=DC・・・①<br> :AC=EC・・・②<br> また、対頂角は等しいので<br> :∠BCA=∠DCE・・・③<br> ①・②・③より、対応する2辺とその間の角がそれぞれ等しいので<br> :△ABC≡△EDC<br> したがってAB=ED  (証明終) </div> </div> 以上のような今回の証明の中身を簡単に表すと次のようにまとめられます。 <div style="border-style:solid;border-color:#eeeeee;padding:1em;background:#fafafa;"> <div style="text-align: left;"> 【仮定】 問題に書いてある内容+自分で見つけた内容を整理する。 ::::::↓          ↓ ::::合同条件により、合同な三角形が見つかる。 ::::::::↓ ::::【結論】合同な図形の性質により、結論が得られる。 (証明終) </div> </div> == 三角形・四角形の定義の変更 == 「正方形は、長方形でしょうか?」 この疑問に、あなたは答えられますか? もし「長方形」とは何であるかの条件を、「長方形とは、タテとヨコの長さが等しいとは限らないので、すべての角度が90度の四角形のことである」としたら、 正方形もまた長方形の一種になります。なぜなら、この条件では「タテとヨコの長さが等しいとは限らない」としましたが、一言も「タテとヨコの長さが違う」とは言ってないので、タテとヨコの長さが同じであってもいいからです。 一方、もし「長方形とは、タテとヨコの長さが違っており、すべての角度が90度の四角形のことである」としたら、正方形は長方形でなくなります。 この「長方形とは、タテとヨコの長さが等しいとは限らないで、すべての角度が90度の四角形のことである」という宣言や「長方形とは、タテとヨコの長さが違っており、すべての角度が90度の四角形のことである」という宣言のように、ある用語の意味をはっきりさせる説明のことを'''定義'''(ていぎ)といいます。 つまり、 :「長方形とは、タテとヨコの長さが等しいとは限らないで、すべての角度が90度の四角形のことである」 という主張は、長方形の定義を宣言したことになります。 また、 :「長方形とは、タテとヨコの長さが違っており、すべての角度が90度の四角形のことである」 という主張も、長方形の定義を宣言したことになります。 議論などの際に、他人の書いた「証明」を読むさい、ときどき、言葉の意味が自分の使い方とは違っている場合があるので、必要に応じて、相手の人の証明での語句の定義を確認する必要があります。(※ しかし中学校レベルの議論や数学の場合は、教科書などが用語の意味を決めているので、定義を確認する必要性が少ない。) ひとつの証明の中では、定義は一貫させる必要があります。 中学校以上の数学では(中学校での教育もふくむ)、証明の手間をラクにするためか、長方形の定義を「長方形とは、タテとヨコの長さが等しいとは限らないで(等しくてもよい)、すべての角度が90度の四角形のことである」として、正方形を長方形の一種に含める場合があります。こうすれば、長方形について成り立つ公式などを証明した際に、正方形についても証明したことになるので、わざわざ正方形について別々の証明をする手間が省略できるからです。 同様に、中学校では、「二等辺三角形」を「正三角形」の特殊な場合とすることも、よくあります。 もし二等辺三角形の定義を「2辺以上の長さが同じ三角形である」(二等辺三角形の定義)とすれば、正三角形の3つの等しい辺も2辺以上という条件を満たすので( 3辺 ≧ 2辺 )、正三角形は二等辺三角形の特殊な場合であると分類できます。 また、長方形や三角形にかぎらず、高校や大学などで、いくつかの用語の定義が変わっている場合もあるので、あたらしい分野の学習の際には、その分野の言葉の定義を確認するようにしましょう。(あまり気にしなくても、普通の気のきいた教材なら、中学など下の学校とは用語の定義が違っている場合、読者に定義に変更のあることを説明しておいてくれる。とりあえず中学生は、高校・大学レベルに学習が進んだ将来、いくつかの用語の定義が将来的に更新される可能性もあることを、念頭においておけばいい。) == 三角形についての証明 == ===3組の辺がそれぞれ等しい場合=== <div style="border-style:solid;border-width:1px;border-color:#eeeeee;padding:1em;background:#fafafa;font-size:1.2em;"> <div style="text-align: left;"> [[File:中学幾何 図2.svg|left|150px|]] <br><br><span style="font-size: large">左の図で、AD=AB , DC=BC のとき、∠B=∠Dを証明しなさい。</span> </div> </div> <br>ACという補助線を引くことにより、結論に登場する角を含むような三角形を作ることができます。 <div style="border-style:solid;border-color:#eeeeee;padding:1em;background:#fafafa;"> <div style="text-align: left;"> △ADCと△ABCにおいて仮定より<br> :AD=AB・・・①<br> :DC=BC・・・②<br> また、ACは共通だから<br> :AC=AC・・・③<br> ①・②・③より、対応する3辺がそれぞれ等しいので<br> :△ADC≡△ABC<br> したがって∠B=∠D  (証明終) </div> </div> ===2組の辺がそれぞれ等しく,その間の角が等しい場合=== ===1組の辺が等しく,その両端の角がそれぞれ等しい場合=== == 角の分類 == {{-}} [[File:Acute angle japanese.svg|thumb|]] [[File:Obtuse angle.svg|thumb|]] 直角三角形にかぎらず、ある角の角度が0°以上で 90° より小さい場合に、その角度を '''鋭角''' (えいかく)という。 ある角の角度が 90° 以上で180より小さい角度の場合に、その角を '''鈍角''' (どんかく)という。 {{-}} [[File:Acute angle and obtuse angle japanese.svg|thumb|]] 図でみると分かるように、三角形では、どんな三角形でも最低限でも2つの鋭角がある。 また、直角では、鋭角でもなく鈍角でもないと分類するのが一般的である。 つまり、角度は、鋭角か直角か鈍角かの3通りのうちのどれかに分類される。 == 反例と逆 == ※ 指導要領のカリキュラム改訂で、中学2年の数学に「反例」が加わりました。とりあえず、幾何の単元に付け足します。 検定教科書を編集者がまだ調べていないので、当ページでは当面のあいだ、図形の例ではなく、代数計算を例に説明します。 図形でも反例や逆では下記と同様の理論が成り立ちます。 === 反例 === たとえば、 :「5の倍数は、かならず奇数である」 という主張があったとします。 もちろん、この主張は間違っています。 では、どうやって、この主張の間違いを見つければいいでしょうか。 たとえば、10 は 5 の倍数です。しかし 10 は奇数ではありません。10は偶数です。その証拠に、10÷2=5 で割りきれます。 このように、主張されていることの前提条件(この場合は「5の倍数である」)を満たしているのに、主張の後半(この場合は「必ず奇数である」)を満たさないものを反例(はんれい)と言います。 前提条件の部分は、必要に応じて文章を少し意訳して言い換える必要があります。たとえば、もとの文章 :「5の倍数は、かならず奇数である」」 は、そのまま元の文章の前半分を抜き取ると :「5の倍数は」 のように途中で終わってしまうので、文章になっていないです。 この場合、同じ内容の文章を自分でつくり、 :「ある数 m が5の倍数であるとする。この数 m は必ず奇数である。」 のように、2つの文章に分けます。 そして、それから前提条件「ある数 m が5の倍数である」と後半部分「この数 m は必ず奇数である」を作っていきます。 この例のように、証明において、主張されている内容によっては、もし反例のある主張の場合、反例を一つでも見つければ、それで証明になる場合もあります。 もっと言うと、「必ず~である」という主張は、もし一つでも反例が見つかれば、その主張は間違いだと証明できることになります。 また「必ず~である」という主張は、数学においては、「すべて~である」と言った場合と意味が同じです。 実際、さきほどの5の倍数の主張の例なら、 :「ある数 m,n,p,q,・・・ がすべて5の倍数であるとする。こうして得られた数 m,n,p,q,・・・ はすべて奇数である。」 と言い換えることも出来ます。 主張「すべての~が□□である」が間違いだと証明したいなら、ひとつでも反例を見つければいいのです。 === 逆 === 主張「4の倍数は、かならず2の倍数である」は正しいです。 なぜなら、 4の倍数を 4p とした場合、 4p ÷ 2 = 2p なので2で割りきれるからです。よって、4の倍数は、かならず2の倍数です。 しかし、2の倍数は、4の倍数ではありません。 たとえば、 2は整数の範囲では 4 で割りきれません。 2÷4 =0あまり2 です。 このように、「4の倍数は、かならず2の倍数である」は正しいのに、「2の倍数は、かならず4の倍数である」は正しくないです。 ある主張の前提と後半を入れ替えたものを'''逆'''(ぎゃく)と言います。 たとえば、「4の倍数は、かならず2の倍数である」の逆は、「2の倍数は、かならず4の倍数である」です。 この例のように、逆は必ずしも正しいとは限りません。 ※範囲外: 「逆は必ずしも真(しん)ならず」という格言があります。 では、逆は必ず間違っているのでしょうか。いいえ、逆も正しい場合もあります。 たとえば、「ある数mが3の倍数であり、5の倍数であるとする。この場合、ある数mは15の倍数である。」の逆は、 「ある数mが15の倍数であるとする。この場合、ある数mは3の倍数であり、5の倍数である。」となります。 実際に m=15p と置いた場合、 15p÷3=5p 15p÷5=3p のように、それぞれ割りきれます。このように計算などによって、証明をできます。 ※範囲外: 「逆は必ずしも真(しん)ならず」という格言では、「しも」が入っていることに注意してください。「必ず真ならず」とは言っていません。 {{コラム|(※範囲外 :)法律などへの「逆」の応用| 逆の概念は、数学だけでなく、法律など社会科のような分野でも使えます。 たとえば、 「日本国民なら、必ず人間である。」という主張は、たぶん正しいでしょう。あるいは、「必ず」が断定しすぎだと思うなら、「現代では確率90%以上で」とかに言い換えてください。 説明を短くするため、とりあえず「必ず人間である」という主張だとして解説を進めます。 さきほどの「日本国民なら」の主張の逆は、 :「人間なら、必ず日本人である。」 という主張になります。もちろん、アメリカ人とか韓国人とかを考えれば、この主張が間違いであると、すぐに分かります。 アメリカ人も韓国人も当然に人間ですが、しかし彼ら彼女らは日本人ではないのが普通です。(二重国籍とかの人を考えた場合ですら、「人間なら、必ず日本人である」の主張は間違いです。) この例だけだと、法律との関係が分からないでしょう。しかし、たとえば、下記のような主張をする外国人がいたとしましょう。 :「私はアメリカ在住のアメリカ人です。私はパスポートも日本滞在ビザも持っていません。しかし私は人間ですので、よって私は「人間なら、必ず日本人である。」という言葉のように人間でもあるので、よって私は日本人でもあります。だから私はパスポートなしでも日本に入国していいのだ。」 と言い張るアメリカ人がいたら、どこが論理的に間違っているか、ちょっと考えれば分かります。(その人が本当にアメリカ人かどうかは、ひとまず考えないでおく。) 「人間なら、必ず日本人である。」が間違いですので、それ以降の彼の主張は、基本的に価値がありません。 現実の法律問題はこのように単純ではなく、もっと複雑だったりもしますが、しかし法律においても、「逆」などの概念は必要です。 }} [[Category:中学校数学|図形]] [[Category:中学校数学|2ねんせい すけい すけいのせいしつ]] [[カテゴリ:図形]]
2006-01-03T12:08:45Z
2023-11-07T11:21:35Z
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中学数学2年 三角形と四角形
中学校の学習 > 中学校数学 > 中学数学2年 > 三角形と四角形 まず、直角三角形の用語を学ぼう。 直角三角形で、直角に対する線を 斜辺(しゃへん) という。 直角三角形の場合、三角形の合同条件に加え、次の条件がある。 内角に直角を持つこと、斜辺の長さが等しいことに、もう一つの条件が加わるので、条件の個数は3つ。これは、一般の三角形の合同条件と変わらないように思われがちだが、一般の三角形の合同条件には、向かい合った辺と角の大きさに注目したものはなかったのに対し、直角三角形の場合には、直角と斜辺が向かい合っているにもかかわらず、これに1つの条件を付け加えることで合同であることが明らかになる点が大きく異なる。 斜辺とそれ以外の辺の1組がそれぞれ等しい」については、直角三角形の外心が斜辺の中点に位チすることから、「3組の辺がそれぞれ等しい」ことを用いた合同から1組の鋭角が等しいことを導出できる。 「斜辺と1組の鋭角がそれぞれ等しい」については、三角形の内角の和が180°であることから、もう一つの鋭角がわかり、三角形の合同条件「1組の辺とその両端の角がそれぞれ等しい」が利用できる。 中学以上では、二等辺三角形の各部の用語を、右図および下記のように定義する。 さて、二等辺三角形の重要な性質として、 という性質があります。 では、これから、このことを証明してみましょう。 まず、頂角 ∠ A の二等分線を引き、この二等分線と辺BCとの交点をDとする。 すると、△ABDと△ACDは合同である。 なぜなら、 よって、一つの角度と、その両端の辺の長さが等しいので、三角形の合同条件を満たしているので、 である。 よって、合同な図形の対応する角どうしは等しく、角Bと角Cについては、頂点Bと頂点Cが 式 △ABD ≡ △ACD の2番目にある文字であることからも分かるように角Bと角Cは合同図形の対応しあう点なので、 である。 そして、この角Bと角Cはそもそも底角であったので、よって二等辺三角形の底角どうしは等しい。 (証明 おわり) 上で証明された、「二等辺三角形の底角どうしは等しい」という性質は、数学では、さまざまな図形の性質の証明でも、説明の根拠として、よく利用される。 証明された ことがら のうち、説明の根拠として、よく利用されるものを 定理 (ていり)という。 では、二等辺三角形かどうかわかっていない、ある三角形ABC で、3つある内角のうち、2つの内角の大きさが等しいとき、その三角形ABCは、二等辺三角形といえるでしょうか? このことは、次のような証明で、検証できます。 内角Aの二等分線をひき、辺BCとの交点をDとする。 △ABDと△ACDにおいて、 三角形の内角の和180°から、(1),(2)を辺々引いた残りも等しくなることから、 また、共通な線分が辺となり DA = DA ・・・ (4) (1),(3),(4) より、三角形の合同条件が満たされて、 合同な図形の対応する辺は等しいので、 (5)は、三角形ABCが二等辺三角形となることを表している。 そして、「2つの内角の大きさが等しい」で仮定した、大きさの等しい2つの内角が、二等辺三角形の底角に相当している。 このことから、三角形の2内角が等しいなら、二等辺三角形であることが証明できた。(証明 おわり) このことから、次の定理が証明できました。 この定理「2つの角が等しいならば二等辺三角形である」は、一つ前に紹介した定理「二等辺三角形の2つの底角は等しい」の仮定と結論を入れかえたものになっています。 文章だと分かりづらいかそいれませんが、式で表すと、定理「二等辺三角形の2つの底角は等しい」は、 です。 いっぽう、定理「2つの角が等しいならば二等辺三角形である」は、 です。 こうやって数式で見ると、仮定と結論とを入れかえたものになっています。 当然、ここでいう「仮定」と「結論」とは、どこの部分かというと、 の箇所のことです。 これらの定理のように、ある定理の仮定と結論を入れ替えた定理のことを、定理の 逆 といいます。 定理「2つの角が等しいならば二等辺三角形である」の逆は、定理「二等辺三角形の2つの底角は等しい」です。 定理「二等辺三角形の2つの底角は等しい」の逆は、定理「2つの角が等しいならば二等辺三角形である」です。 このように、定理の 逆 があるとき、相手方の定理から見れば、もとの定理のほうが 逆 です。 たとえば、 という主張は、もし正しいとしても、 逆の「a+b > 0 ならば、a>0 で b>0 である。」は正しくない。 なぜなら、たとえば a = 100 で b = -1 とすれば、a+b > 0 なのに a<0 (aが0より小さい)であるからだ。 また、これらの例(たとえば a = 100 で b = -1 とする)のように、 ある主張(「a+b > 0 ならば、a>0 で b>0 である。」)が成り立たないことを説明する具体例のことを 反例 といいます。 反例は、1つ出せば、その内容が正しくないことを説明するのに、数学的には充分です。 数学で 逆 が正しくない場合があるのは、けっして文字式の分野だけではなく、図形の問題でも、逆が正しくない場合があります。 たとえば、「△ABCと△DEFが合同ならば、2つの三角形は等しい面積を囲む」(△ABC≡△DEF ならば △ABC=△DEF)は正しいが、その逆、 その逆の、「△ABCと△DEFが等積ならば、2つの三角形は合同な形を持つ」 (△ABC=△DEF ならば △ABC≡△DEF)は正しくない。 なぜなら、面積が同じでも、合同にならない三角形の例など、いくらでも出せるだろう(その一つ一つが反例となりうる)。 平行四辺形にかぎらず、一般に四角形において、向かい合う角どうしを 対角( たいかく)という。 たとえば図の場合、角Aと角Cは対角である。 向かい合う辺どうしを 対辺 (たいへん)という。 「対辺」という言葉を使うと、平行四辺形は、次のように定義される。 対辺という言葉を使わない場合、次のようにして平行四辺形は定義される。 平行四辺形の図を見ると、平行四辺形では、対辺どうしの長さが等しいように見える。けれども、対辺の長さが等しくなることは、定義のどこにも含まれていない。そこで、平行四辺形でありさえすれば、対辺の長さはそれぞれ等しくなることを、証明してみよう。ここでは、平行四辺形ABCDについて、対辺ABとCDの長さが等しくなることを、三角形の合同を用いて証明する。準備として、図の中に対角線ACを引き、三角形を作っておこう。 △ABCと△CDAに注目して、対応する辺や角の大きさを比較すると、 (1),(2),(3) より、1組の辺とその両端の角がそれぞれ等しくなっているので、 合同な図形の対応する辺の長さは等くなることが分かっているので、 ここでは、平行四辺形の対辺のうち、左右の1組(ABとCD)について、その長さが等しくなることを証明したが、平行四辺形の上下にあるもう1組の対辺(BCとDA)についても、平行四辺形の頂点の名前をひとつづつずらして読み替えることで、今の証明と全く同じ方法で明らかにすることができる。対辺が2組あるからと言って、それぞれについて証明しなくても、どちらか一方の組について証明できれば、すべての対辺について示されたことになる。 また、さきほど導いた右の図からも分かるように、等式(1)と(2)の辺々の和を考えると、平行四辺形の対角どうしの角度も等しいことが示される。 このことから、次の定理が証明できました。 いくつか前の定理で、平行四辺形では、対辺どうしの長さが等しいことを証明した。 では、逆の問題を考えてみよう。 つまり、対辺どうしの等しい四角形は、平行四辺形だろうか? (証明) 証明の方針としては、対角線を引き、錯角が等しいことを利用して辺が平行であることを導きだせばいい。 では、実際に証明にとりかかる。 まず、対角線BDを引く。 すると、△ABDと△CDBは、仮定と合わせると結果的に、3つの辺の長さが等しいから合同であり、記号であらわすと である。 念のためになぜ三辺が等しいかを述べると、 仮定から対辺どうしは等しいので、 である。 ともかく、三辺が等しいために合同であるのでしたがって、 ∠ADB=∠CBD である。 錯角の角度が等しいので、よって AD//BC ある。 同様にして AB // DC も証明できる。 そして、対辺どうしが平行の四角形であるので、平行四辺形であることが導ける。 (証明 おわり)
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "中学校の学習 > 中学校数学 > 中学数学2年 > 三角形と四角形", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "まず、直角三角形の用語を学ぼう。", "title": "図形の性質" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "直角三角形で、直角に対する線を 斜辺(しゃへん) という。", "title": "図形の性質" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "直角三角形の場合、三角形の合同条件に加え、次の条件がある。", "title": "図形の性質" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "内角に直角を持つこと、斜辺の長さが等しいことに、もう一つの条件が加わるので、条件の個数は3つ。これは、一般の三角形の合同条件と変わらないように思われがちだが、一般の三角形の合同条件には、向かい合った辺と角の大きさに注目したものはなかったのに対し、直角三角形の場合には、直角と斜辺が向かい合っているにもかかわらず、これに1つの条件を付け加えることで合同であることが明らかになる点が大きく異なる。 斜辺とそれ以外の辺の1組がそれぞれ等しい」については、直角三角形の外心が斜辺の中点に位チすることから、「3組の辺がそれぞれ等しい」ことを用いた合同から1組の鋭角が等しいことを導出できる。 「斜辺と1組の鋭角がそれぞれ等しい」については、三角形の内角の和が180°であることから、もう一つの鋭角がわかり、三角形の合同条件「1組の辺とその両端の角がそれぞれ等しい」が利用できる。", "title": "図形の性質" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "中学以上では、二等辺三角形の各部の用語を、右図および下記のように定義する。", "title": "図形の性質" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "さて、二等辺三角形の重要な性質として、", "title": "図形の性質" }, { 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"四角形" }, { "paragraph_id": 53, "tag": "p", "text": "平行四辺形の図を見ると、平行四辺形では、対辺どうしの長さが等しいように見える。けれども、対辺の長さが等しくなることは、定義のどこにも含まれていない。そこで、平行四辺形でありさえすれば、対辺の長さはそれぞれ等しくなることを、証明してみよう。ここでは、平行四辺形ABCDについて、対辺ABとCDの長さが等しくなることを、三角形の合同を用いて証明する。準備として、図の中に対角線ACを引き、三角形を作っておこう。", "title": "四角形" }, { "paragraph_id": 54, "tag": "p", "text": "", "title": "四角形" }, { "paragraph_id": 55, "tag": "p", "text": "△ABCと△CDAに注目して、対応する辺や角の大きさを比較すると、", "title": "四角形" }, { "paragraph_id": 56, "tag": "p", "text": "(1),(2),(3) より、1組の辺とその両端の角がそれぞれ等しくなっているので、", "title": "四角形" }, { "paragraph_id": 57, "tag": "p", "text": "合同な図形の対応する辺の長さは等くなることが分かっているので、", "title": "四角形" }, { "paragraph_id": 58, "tag": "p", "text": "", "title": "四角形" }, { "paragraph_id": 59, "tag": "p", "text": "ここでは、平行四辺形の対辺のうち、左右の1組(ABとCD)について、その長さが等しくなることを証明したが、平行四辺形の上下にあるもう1組の対辺(BCとDA)についても、平行四辺形の頂点の名前をひとつづつずらして読み替えることで、今の証明と全く同じ方法で明らかにすることができる。対辺が2組あるからと言って、それぞれについて証明しなくても、どちらか一方の組について証明できれば、すべての対辺について示されたことになる。 また、さきほど導いた右の図からも分かるように、等式(1)と(2)の辺々の和を考えると、平行四辺形の対角どうしの角度も等しいことが示される。", "title": "四角形" }, { "paragraph_id": 60, "tag": "p", "text": "このことから、次の定理が証明できました。", "title": "四角形" }, { "paragraph_id": 61, "tag": "p", "text": "", "title": "四角形" }, { "paragraph_id": 62, "tag": "p", "text": "いくつか前の定理で、平行四辺形では、対辺どうしの長さが等しいことを証明した。", "title": "四角形" }, { "paragraph_id": 63, "tag": "p", "text": "では、逆の問題を考えてみよう。", "title": "四角形" }, { "paragraph_id": 64, "tag": "p", "text": "つまり、対辺どうしの等しい四角形は、平行四辺形だろうか?", "title": "四角形" }, { "paragraph_id": 65, "tag": "p", "text": "(証明)", "title": "四角形" }, { "paragraph_id": 66, "tag": "p", "text": "証明の方針としては、対角線を引き、錯角が等しいことを利用して辺が平行であることを導きだせばいい。 では、実際に証明にとりかかる。", "title": "四角形" }, { "paragraph_id": 67, "tag": "p", "text": "まず、対角線BDを引く。", "title": "四角形" }, { "paragraph_id": 68, "tag": "p", "text": "すると、△ABDと△CDBは、仮定と合わせると結果的に、3つの辺の長さが等しいから合同であり、記号であらわすと", "title": "四角形" }, { "paragraph_id": 69, "tag": "p", "text": "である。", "title": "四角形" }, { "paragraph_id": 70, "tag": 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中学校の学習 > 中学校数学 > 中学数学2年 > 三角形と四角形
{{pathnav|中学校の学習|中学校数学|中学数学2年|pagename=三角形と四角形}} == 図形の性質 == === 直角三角形 === [[File:Hypotenuse of right triangle japanese.svg|thumb|400px|]] まず、直角三角形の用語を学ぼう。 直角三角形で、直角に対する線を '''斜辺'''(しゃへん) という。 [[File:Right triangle 02.png|thumb|250px|直角三角形]] 直角三角形の場合、三角形の合同条件に加え、次の条件がある。 # 斜辺とそれ以外の辺の1組がそれぞれ等しい # 斜辺と1組の鋭角がそれぞれ等しい 内角に直角を持つこと、斜辺の長さが等しいことに、もう一つの条件が加わるので、条件の個数は3つ。これは、一般の三角形の合同条件と変わらないように思われがちだが、一般の三角形の合同条件には、向かい合った辺と角の大きさに注目したものはなかったのに対し、直角三角形の場合には、直角と斜辺が向かい合っているにもかかわらず、これに1つの条件を付け加えることで合同であることが明らかになる点が大きく異なる。 斜辺とそれ以外の辺の1組がそれぞれ等しい」については、直角三角形の外心が斜辺の中点に位チすることから、「3組の辺がそれぞれ等しい」ことを用いた合同から1組の鋭角が等しいことを導出できる。 「斜辺と1組の鋭角がそれぞれ等しい」については、三角形の内角の和が180°であることから、もう一つの鋭角がわかり、三角形の合同条件「1組の辺とその両端の角がそれぞれ等しい」が利用できる。 === 二等辺三角形 === [[File:Definition of terms in each part of isosceles triangle japanese.svg|thumb|]] 中学以上では、二等辺三角形の各部の用語を、右図および下記のように定義する。 :* 二等辺三角形では、長さの等しい2辺を'''等辺'''と呼び、等辺のつくる角(図では &ang;A )を '''頂角''' (ちょうかく)という。 :* 頂角の見込む辺(二等辺三角形の周から、頂角が切り取る辺の意味)を '''底辺''' (ていへん)という。 :* 底辺の両端の角を '''底角''' (ていかく)という。 さて、二等辺三角形の重要な性質として、 {| style="border:2px solid skyblue;width:80%" cellspacing=0 |style="background:skyblue"|'''二等辺三角形の底角の性質''' |- |style="padding:5px"|二等辺三角形の底角は等しい。 |} という性質があります。 では、これから、このことを証明してみましょう。 ;証明 [[File:Theorem of base angles of isosceles triangles.svg|thumb|]] まず、頂角 &ang; A の二等分線を引き、この二等分線と辺BCとの交点をDとする。 すると、△ABDと△ACDは合同である。 なぜなら、 :まず、点Dの決め方から、&ang;BAD と &ang;CAD が等しい。 :△ABDの辺ADと△ACDの辺ADは、もともと同じ線分ADだから長さは当然、等しい。 :辺ABと辺ACは二等辺三角形△ABC 等辺だという仮定より、等しい長さを持つ。 よって、一つの角度と、その両端の辺の長さが等しいので、三角形の合同条件を満たしているので、 : △ABD ≡ △ACD である。 よって、合同な図形の対応する角どうしは等しく、角Bと角Cについては、頂点Bと頂点Cが 式 △ABD ≡ △ACD の2番目にある文字であることからも分かるように角Bと角Cは合同図形の対応しあう点なので、 :&ang; B = &ang; C である。 そして、この角Bと角Cはそもそも底角であったので、よって二等辺三角形の底角どうしは等しい。 (証明 おわり) 上で証明された、「二等辺三角形の底角どうしは等しい」という性質は、数学では、さまざまな図形の性質の証明でも、説明の根拠として、よく利用される。 証明された ことがら のうち、説明の根拠として、よく利用されるものを '''定理''' (ていり)という。 {| style="border:2px solid skyblue;width:80%" cellspacing=0 |style="background:skyblue"|'''定理:二等辺三角形の底角''' |- |style="padding:5px"|二等辺三角形の底角は等しい。 |} ;逆 [[File:Proof diagram that triangles with equal base angles are isosceles triangles.svg|thumb|200px|※ イメージ図<br> 「どうせ二等辺三角形だろう」という先入観を防ぐため、このイメージ図では、実際の図とは多少、辺の長さや角度を変えています。]] では、二等辺三角形かどうかわかっていない、ある三角形ABC で、3つある内角のうち、2つの内角の大きさが等しいとき、その三角形ABCは、二等辺三角形といえるでしょうか? このことは、次のような証明で、検証できます。 ;証明 内角Aの二等分線をひき、辺BCとの交点をDとする。 △ABDと△ACDにおいて、 :まず、点Dの決め方から、&ang;DAB = &ang;DAC  ・・・ (1) :2内角が等しい仮定から、&ang;ABD = &ang;ACD  ・・・ (2) 三角形の内角の和180°から、(1),(2)を辺々引いた残りも等しくなることから、 :180°-((1)+(2))   &ang;ADB = &ang;ADC  ・・・ (3) また、共通な線分が辺となり DA = DA     ・・・ (4) (1),(3),(4) より、三角形の合同条件が満たされて、 :1組の辺とその両端の角がそれぞれ等しいから、△ABD ≡ △ACD 合同な図形の対応する辺は等しいので、 ::::::AB=AC ・・・(5) (5)は、三角形ABCが二等辺三角形となることを表している。 そして、「2つの内角の大きさが等しい」で仮定した、大きさの等しい2つの内角が、二等辺三角形の底角に相当している。 このことから、三角形の2内角が等しいなら、二等辺三角形であることが証明できた。(証明 おわり) このことから、次の定理が証明できました。 {| style="border:2px solid skyblue;width:80%" cellspacing=0 |style="background:skyblue"|'''定理''' |- |style="padding:5px"|2つの角が等しいならば二等辺三角形である。 |} この定理「2つの角が等しいならば二等辺三角形である」は、一つ前に紹介した定理「二等辺三角形の2つの底角は等しい」の仮定と結論を入れかえたものになっています。 文章だと分かりづらいかそいれませんが、式で表すと、定理「二等辺三角形の2つの底角は等しい」は、 :「 AB = AC ならば &ang; B = &ang; C 」 です。 いっぽう、定理「2つの角が等しいならば二等辺三角形である」は、 :「 &ang; B = &ang; C ならば AB = AC 」 です。 こうやって数式で見ると、仮定と結論とを入れかえたものになっています。 当然、ここでいう「仮定」と「結論」とは、どこの部分かというと、 :「(仮定) ならば (結論)」 の箇所のことです。 これらの定理のように、ある定理の仮定と結論を入れ替えた定理のことを、定理の '''逆''' といいます。 定理「2つの角が等しいならば二等辺三角形である」の逆は、定理「二等辺三角形の2つの底角は等しい」です。 定理「二等辺三角形の2つの底角は等しい」の逆は、定理「2つの角が等しいならば二等辺三角形である」です。 このように、定理の 逆 があるとき、相手方の定理から見れば、もとの定理のほうが 逆 です。 たとえば、 :「a>0 で b>0 ならば、a+b > 0 である。」 という主張は、もし正しいとしても、 逆の「a+b > 0 ならば、a>0 で b>0 である。」は正しくない。 なぜなら、たとえば a = 100 で b = -1 とすれば、a+b > 0 なのに a<0 (aが0より小さい)であるからだ。 また、これらの例(たとえば a = 100 で b = -1 とする)のように、 ある主張(「a+b > 0 ならば、a>0 で b>0 である。」)が成り立たないことを説明する具体例のことを '''{{Ruby|反例|はんれい}}''' といいます。 反例は、1つ出せば、その内容が正しくないことを説明するのに、数学的には充分です。 数学で 逆 が正しくない場合があるのは、けっして文字式の分野だけではなく、図形の問題でも、逆が正しくない場合があります。 たとえば、「△ABCと△DEFが合同ならば、2つの三角形は等しい面積を囲む」(△ABC≡△DEF ならば △ABC=△DEF)は正しいが、その逆、 その逆の、「△ABCと△DEFが等積ならば、2つの三角形は合同な形を持つ」 (△ABC=△DEF ならば △ABC≡△DEF)は正しくない。 なぜなら、面積が同じでも、合同にならない三角形の例など、いくらでも出せるだろう(その一つ一つが反例となりうる)。 == 四角形 == [[File:対辺と対角.svg|thumb|400px|]] 平行四辺形にかぎらず、一般に四角形において、向かい合う角どうしを '''対角'''( たいかく)という。 たとえば図の場合、角Aと角Cは対角である。 向かい合う辺どうしを '''対辺''' (たいへん)という。 {{-}} 「対辺」という言葉を使うと、平行四辺形は、次のように定義される。 [[File:Parallelogram ABCD.svg|thumb|300px|平行四辺形]] <div style="border:solid #999 1px;width:fit-content;background:#FEE;padding:0.5em;margin:0 auto 1em 2rem"> ;平行四辺形の定義 :2組の対辺がそれぞれ平行な四角形を、平行四辺形(へいこう しへんけい)という。 </div> 対辺という言葉を使わない場合、次のようにして平行四辺形は定義される。 <div style="border:solid #999 1px;width:fit-content;background:#FEE;padding:0.5em;margin:0 auto 1em 2rem"> ;対辺という言葉を使わない場合の、平行四辺形の定義 :四角形ABCDで、AB//DC かつ AD // BC なら、その四角形ABCDは平行四辺形であるという。 </div> === 平行四辺形 === 平行四辺形の図を見ると、平行四辺形では、対辺どうしの長さが等しいように見える。けれども、対辺の長さが等しくなることは、定義のどこにも含まれていない。そこで、平行四辺形でありさえすれば、対辺の長さはそれぞれ等しくなることを、証明してみよう。ここでは、平行四辺形ABCDについて、対辺ABとCDの長さが等しくなることを、三角形の合同を用いて証明する。準備として、図の中に対角線ACを引き、三角形を作っておこう。 ;証明 [[File:平行四辺形の対辺どうしの長さは等しいことの証明の図.svg|thumb|300px|]] △ABCと△CDAに注目して、対応する辺や角の大きさを比較すると、 ::平行線 AB//DC の錯角で等しくなるため、∠CAB = ∠ACD ・・・(1) ::平行線 BC//DA の錯角で等しくなるため、∠BCA = ∠DAC ・・・(2) ::双方の三角形に共通している辺であるから、 CA = AC ・・・(3) (1),(2),(3) より、1組の辺とその両端の角がそれぞれ等しくなっているので、 ::::::::::△ABC ≡ △CDA 合同な図形の対応する辺の長さは等くなることが分かっているので、 :::::::::: AB=CD (証明 おわり) [[File:平行四辺形の対辺どうしの長さは等しいことの証明の図.svg|thumb|300px|(再掲)]] ここでは、平行四辺形の対辺のうち、左右の1組(ABとCD)について、その長さが等しくなることを証明したが、平行四辺形の上下にあるもう1組の対辺(BCとDA)についても、平行四辺形の頂点の名前をひとつづつずらして読み替えることで、今の証明と全く同じ方法で明らかにすることができる。対辺が2組あるからと言って、それぞれについて証明しなくても、どちらか一方の組について証明できれば、すべての対辺について示されたことになる。 また、さきほど導いた右の図からも分かるように、等式(1)と(2)の辺々の和を考えると、平行四辺形の対角どうしの角度も等しいことが示される。 このことから、次の定理が証明できました。 {| style="border:2px solid skyblue;width:80%" cellspacing=0 |style="background:skyblue"|'''定理''' |- |style="padding:5px"|平行四辺形の対辺は等しい長さを持つ。 |} {| style="border:2px solid skyblue;width:80%" cellspacing=0 |style="background:skyblue"|'''定理''' |- |style="padding:5px"|平行四辺形の対角は等しい大きさを持つ。 |} ;対辺どうしの等しい四角形 いくつか前の定理で、平行四辺形では、対辺どうしの長さが等しいことを証明した。 では、逆の問題を考えてみよう。 つまり、対辺どうしの等しい四角形は、平行四辺形だろうか? (証明) [[File:Parallelogram ABCD and diagonal BD.svg|thumb|300px|]] 証明の方針としては、対角線を引き、錯角が等しいことを利用して辺が平行であることを導きだせばいい。 では、実際に証明にとりかかる。 まず、対角線BDを引く。 すると、△ABDと△CDBは、仮定と合わせると結果的に、3つの辺の長さが等しいから合同であり、記号であらわすと : △ABD ≡ △CBD である。 念のためになぜ三辺が等しいかを述べると、 :BDとDBは共通だし、 仮定から対辺どうしは等しいので、 : AB=AD であり :BC=DA であるから である。 ともかく、三辺が等しいために合同であるのでしたがって、 ∠ADB=∠CBD である。 錯角の角度が等しいので、よって  AD//BC ある。 同様にして AB // DC も証明できる。 そして、対辺どうしが平行の四角形であるので、平行四辺形であることが導ける。 (証明 おわり) === ひし形 === === 長方形 === == 平行線と面積 == [[File:平行線と面積.png|thumb|400px|図において、ℓ//mであるとき, △ABC=△A'BC=△A''BCとなります。]] {| style="border:2px solid skyblue;width:80%" cellspacing=0 |style="background:skyblue"|'''平行線と面積''' |- |style="padding:5px"|定理 右上の図でℓ//mならば、△ABC=△A'BC=△A''BCとなる。 |} {| style="border:2px solid skyblue;width:80%" cellspacing=0 |style="background:skyblue"|'''平行線と面積の逆''' |- |style="padding:5px"|定理 右上の図で△ABC=△A'BC=△A''BCならば、ℓ//mとなる。 |} [[Category:中学校数学|図形]] [[Category:中学校数学|2ねんせい へいこうとこうとう]]
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2023-01-20T04:13:13Z
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中学数学3年 2乗に比例する関数
中学校の学習 > 中学校数学 > 中学数学3年 > 2乗に比例する関数 中学校では4種類の関数を学習します。1年生のときに学習した「比例」「反比例」、2年生で学習した「1次関数」、そして、これから学ぶ「2乗に比例する関数」です。2乗に比例する関数はさまざまなところに見られます。例えば、衛星放送などを見るために必要なパラボラアンテナの形も、この2乗に比例する関数の形です。 では、2乗に比例する関数について学んでいきましょう。 yがxの関数で、yとxの関係が、 という式で表すことができるとき、 yはxの2乗に比例するといいます。 y = a x 2 {\displaystyle y=ax^{2}} のグラフは, a>0 の場合、右図のようになります。 a>0の場合、xの正負にかかわらず、yは常に正の値をとっています。 また、y軸に対し左右対称であることも分かります。 そして座標平面において、1次関数が直線、反比例関数が双曲線を描くのに対し、 2乗に比例する関数は、放物線(ほうぶつせん)と呼ばれる線を描きます。 なぜなら、a<0 の場合の y = a x 2 {\displaystyle y=ax^{2}} のグラフの形が、物体が飛んでいく軌道と同じだからです。 放物線は係数の値により形が変わります。2乗に比例する関数 y = a x 2 {\textstyle y=ax^{2}} ( a {\displaystyle a} は定数)で考えてみましょう。 で a = 1 {\displaystyle a=1} のとき、 x {\displaystyle x} の値が1、2、3...と増加すると、 y {\displaystyle y} の値は1、4、9...と増加します。 さて、関数 y = a x 2 {\displaystyle y=ax^{2}} では、定数 a {\displaystyle a} の符号が入れ替わると、グラフは x {\displaystyle x} 軸に対して反転します。 右のグラフを見ればわかるように、2乗に比例する関数には、最大の値 または 最小の値 があります。 たとえば、a>0 の場合、 y = a x 2 {\displaystyle y=ax^{2}} は、yは0より小さくならない。つまり、a>0の関数 y = a x 2 {\displaystyle y=ax^{2}} では 0がyの最小の値である。 同様に、 a<0 の場合、 y = a x 2 {\displaystyle y=ax^{2}} は、yは0より大きくならない。つまり、a<0の関数 y = a x 2 {\displaystyle y=ax^{2}} では 0がyの最小の値である。 ただし、この性質(2乗に比例する関数には、最大の値 または 最小の値 があること)を証明するのは難しいので、中学生のうちは、証明せずに、性質として使っていい。(※ 高校2年で微分(びぶん)という単元を習うと、証明できるようになる。) (i) 同式で a = 2 {\displaystyle a=2} のとき、 x {\displaystyle x} の値が1、2、3...と増加すると、 y {\displaystyle y} の値は2、8、18...と増加します。 つまり定数 a {\displaystyle a} が増加するとき、2乗に比例する関数のグラフは横に幅広くなります。 (ii)また、 a = − 1 {\displaystyle a=-1} のとき、 x {\displaystyle x} の値が1、2、3...と増加すると、 y {\displaystyle y} の値は-1、-4、-9...と増加します。 定数がプラスのグラフを、関数は上に凸である、凸型である、山型であるなどといい、 逆に定数がマイナスのグラフを関数は上に凸である、凹型である、谷型であるなどといいます。 関数 y = x 2 {\displaystyle y=x^{2}} について、 xとyの動き方を対応表で見てみましょう。 対応表を見ると、xが増加するとき、yの増加量が増えていきます。 1次関数のときは、変化の割合を、(yの増加量)/(xの増加量)で求めたのでした。 2乗に比例する関数でもこの考えを使うことができます。 前の対応表において、「xが1増加するときのyの増加量」は、xの増加量を1とすれば、変化の割合になるのです。 つまり、関数 y = a x 2 {\displaystyle y=ax^{2}} における変化の割合は一定ではないということになります。 先ほどの関数 y = x 2 {\displaystyle y=x^{2}} において、xが-2から5まで増加するときの変化の割合を調べてみましょう。 まず、xが-2,5のときのそれぞれのyを出します。 そしてx,yそれぞれの増加量で変化の割合を出します。 よって、変化の割合は3ということになります。 先ほどの変化の割合の求め方を応用して、関数 y = a x 2 {\displaystyle y=ax^{2}} のxが、 mからnまで増加する(つまり任意の変化の割合を求める)ときの変化の割合を求める公式を作ってみましょう。 ただこれは中学生で習う範囲ではないので無理に覚える必要はありません。 まず、関数 y = a x 2 {\displaystyle y=ax^{2}} の対応表を作っておきましょう。 先ほどと同じように変化の割合を求めます。 ここで、因数分解の公式を覚えているでしょうか? 分子に「 q 2 − p 2 {\displaystyle q^{2}-p^{2}} 」があるので、これを因数分解します。 これでいつでも変化の割合が出せるようになります。最後の2行は、どちらを用いてもかまいません。 これを利用して、このような問題を解いてみましょう。 問題 先ほどの公式a(m+n)を利用して方程式を作って解くことができます。 2乗に比例する関数の変域を考えてみましょう。例として、 y = 1 2 x 2 {\displaystyle y={\frac {1}{2}}x^{2}} を考えます。xの変域を − 4 ≦ x ≦ 2 {\displaystyle -4\leqq x\leqq 2} としたときのyの変域を求めてみましょう。 まず、 x = − 4 {\displaystyle x=-4} と x = 2 {\displaystyle x=2} を、 y = 1 2 x 2 {\displaystyle y={\frac {1}{2}}x^{2}} に代入します。すると、yの値は8と2になります。しかし、グラフを見るとわかりますが、yの変域は 2 ≦ x ≦ 8 {\displaystyle 2\leqq x\leqq 8} ではありません。yの最小値は、 x = 0 {\displaystyle x=0} のときの値である0になっていることがわかります。最大値は先ほど代入して求めた値のうちの大きいほうである8ですから、yの変域は、 0 ≦ y ≦ 8 {\displaystyle 0\leqq y\leqq 8} となります。 では、 y = − 1 2 x 2 {\displaystyle y=-{\frac {1}{2}}x^{2}} ではどうでしょうか。定数が負の式では、最大値が0になります。よって、先ほどと同じように考えると、 − 8 ≦ y ≦ 0 {\displaystyle -8\leqq y\leqq 0} となります。 このように、2乗に比例する関数yの変域を調べるためには、xの変域の両端だけを見ていてはいけません。xの変域が0を含んでいる場合には、 x = 0 {\displaystyle x=0} のときの値である0も含めて、3つの数を比較しなくてはいけません。 数学だけでなく実社会や自然現象などでも、2乗に比例する関数の実例はあります。 そのような実例をいくつか紹介します。 たとえば、自動車があり、時速40kmで走ってた自動車がブレーキをかけてから停止するまでに、10mすべって走行したとします。 同じブレーキ性能で時速80kmで走る車にブレーキをかけた場合、速度は2倍ですが、停止するまでに走行する距離は2倍ではなく4倍になります。 もし一般に、ある速度を基準にして、自動車の速度がn倍になれば、ブレーキがきいてから停止するまでに走行する距離は n になります。 自動車産業や道路交通の業界では、上述のようにブレーキをかけてから停止するまでの距離のことを 「制動距離」(せいどう きょり)といいます。 制動距離は速度の2乗に比例します。 (※ 最近の検定教科書には、こういう事例も書いてある。啓林館や教育出版などの検定教科書に、制動距離について書いてある。) 空気抵抗の無い場合、まっすぐ真下(ました)に落下する物体の落下速度は、時間の2乗に比例して、速くなっていきます。
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中学校の学習 > 中学校数学 > 中学数学3年 > 2乗に比例する関数 中学校では4種類の関数を学習します。1年生のときに学習した「比例」「反比例」、2年生で学習した「1次関数」、そして、これから学ぶ「2乗に比例する関数」です。2乗に比例する関数はさまざまなところに見られます。例えば、衛星放送などを見るために必要なパラボラアンテナの形も、この2乗に比例する関数の形です。 では、2乗に比例する関数について学んでいきましょう。
{{pathnav|中学校の学習|中学校数学|中学数学3年|pagename=2乗に比例する関数}} 中学校では4種類の関数を学習します。1年生のときに学習した「比例」「反比例」、2年生で学習した「1次関数」、そして、これから学ぶ「2乗に比例する関数」です。2乗に比例する関数はさまざまなところに見られます。例えば、衛星放送などを見るために必要なパラボラアンテナの形も、この2乗に比例する関数の形です。 では、2乗に比例する関数について学んでいきましょう。 ==2乗に比例する関数の式== ''y''が''x''の関数で、''y''と''x''の関係が、 :'''<math>y=ax^2</math>'''(aは定数) という式で表すことができるとき、 ''' ''y''は''x''の2乗に比例する'''といいます。 == グラフ == [[File:Y=(0.5)x^2.svg|thumb|400px]] <math>y=ax^2</math>のグラフは, a>0 の場合、右図のようになります。 a>0の場合、''x''の正負にかかわらず、''y''は常に正の値をとっています。<BR> また、''y''軸に対し左右対称であることも分かります。<BR> そして座標平面において、1次関数が直線、反比例関数が双曲線を描くのに対し、<BR> 2乗に比例する関数は、'''放物線'''(ほうぶつせん)と呼ばれる線を描きます。 なぜなら、a<0 の場合の<math>y=ax^2</math>のグラフの形が、物体が飛んでいく軌道と同じだからです。 [[File:Y=-0.5x^2 on coordinate grid.svg|thumb|400px]] ;性質 放物線は係数の値により形が変わります。2乗に比例する関数<math display="inline">y=ax^2</math>(<math>a</math>は定数)で考えてみましょう。 で<math>a=1 </math>のとき、 <math>x</math>の値が1、2、3…と増加すると、<math>y</math>の値は1、4、9…と増加します。 さて、関数 <math>y=ax^2</math> では、定数<math>a</math>の符号が入れ替わると、グラフは<math>x</math>軸に対して反転します。 右のグラフを見ればわかるように、2乗に比例する関数には、最大の値 または 最小の値 があります。 たとえば、a>0 の場合、<math>y=ax^2</math> は、yは0より小さくならない。つまり、a>0の関数 <math>y=ax^2</math> では 0がyの最小の値である。 同様に、 a<0 の場合、<math>y=ax^2</math> は、yは0より大きくならない。つまり、a<0の関数 <math>y=ax^2</math> では 0がyの最小の値である。 ただし、この性質(2乗に比例する関数には、最大の値 または 最小の値 があること)を証明するのは難しいので、中学生のうちは、証明せずに、性質として使っていい。(※ 高校2年で微分(びぶん)という単元を習うと、証明できるようになる。) {{コラム|ボールを投げると放物線| [[File:Parabola of throwing ball diaglam.svg|thumb|400px]] 野球ボールでもバレーボールの玉でも何でもいいですが、ボールを ななめ上 に投げると、 a<0 の場合の <math>y=ax^2</math> の放物線の跡(あと)をえがいて、飛んでいきます。 そもそも、このような理由から、 <math>y=ax^2</math> のグラフのことを日本語では「放物線」と言われています。 }} {{-}} == ※ 編集中 == (ⅰ) 同式で<math>a=2 </math>のとき、 <math>x </math>の値が1、2、3…と増加すると、<math>y</math>の値は2、8、18…と増加します。 つまり定数<math>a</math>が増加するとき、2乗に比例する関数のグラフは横に幅広くなります。 (ⅱ)また、<math>a=-1 </math>のとき、 <math>x </math>の値が1、2、3…と増加すると、<math>y</math>の値は-1、-4、-9…と増加します。 定数がプラスのグラフを、関数は上に凸である、凸型である、山型であるなどといい、 逆に定数がマイナスのグラフを関数は上に凸である、凹型である、谷型であるなどといいます。 {{-}} ==2乗に比例する関数の性質== [[画像:Ratio qp.png|thumb|right|<math>y=ax^2</math>の変化の割合(''x''が1ずつ動くとき)]] 関数<math>y=x^2</math>について、 ''x''と''y''の動き方を対応表で見てみましょう。 <table border="1"> <tr align="center"> <th>''x''</th> <td colspan="2">0</td> <td colspan="2">1</td> <td colspan="2">2</td> <td colspan="2">3</td> <td colspan="2">4</td> <td colspan="2">5</td> <td colspan="2">6</td> <td colspan="2">7</td> </tr> <tr align="center"> <th>''y''</th> <td colspan="2">0</td> <td colspan="2">1</td> <td colspan="2">4</td> <td colspan="2">9</td> <td colspan="2">16</td> <td colspan="2">25</td> <td colspan="2">36</td> <td colspan="2">49</td> </tr> <tr align="center"> <th>''x''が1増加するときの''y''の増加量</th> <td colspan="2"></td> <td colspan="2">1</td> <td colspan="2">3</td> <td colspan="2">5</td> <td colspan="2">7</td> <td colspan="2">9</td> <td colspan="2">11</td> <td colspan="2">13</td> </tr> </table> 対応表を見ると、''x''が増加するとき、''y''の'''増加量'''が増えていきます。<br> 1次関数のときは、変化の割合を、(''y''の増加量)/(''x''の増加量)で求めたのでした。<br> 2乗に比例する関数でもこの考えを使うことができます。<br> 前の対応表において、「''x''が1増加するときの''y''の増加量」は、''x''の増加量を1とすれば、変化の割合になるのです。<br> つまり、関数<math>y=ax^2</math>における変化の割合は'''一定ではない'''ということになります。<br> 先ほどの関数<math>y=x^2</math>において、''x''が-2から5まで増加するときの変化の割合を調べてみましょう。<br> まず、''x''が-2,5のときのそれぞれの''y''を出します。 :''x'' = -2 のとき、 ::<math> y = (-2)^2</math> ::= 4 :''x'' = 5 のとき、 ::<math> y = 5^2</math> ::= 25 そして''x'',''y''それぞれの増加量で変化の割合を出します。 :<math> \begin{align} \frac{25-4}{5-(-2)} &= \frac{21}{7} \\ &= 3 \end{align} </math> よって、変化の割合は3ということになります。 ;応用 - 関数<math>y=ax^2</math>の変化の割合の公式 先ほどの変化の割合の求め方を応用して、関数<math>y=ax^2</math>の''x''が、<br> ''m''から''n''まで増加する(つまり任意の変化の割合を求める)ときの変化の割合を求める公式を作ってみましょう。<br> ただこれは中学生で習う範囲ではないので無理に覚える必要はありません。 まず、関数<math>y=ax^2</math>の対応表を作っておきましょう。 <table border="1"> <tr align="center"> <th>''x''</th> <td>''q''</td> <td width="64">…</td> <td>''p''</td> </tr> <tr align="center"> <th>''y''</th> <td><math>aq^2</math></td> <td>…</td> <td><math>ap^2</math></td> </tr> </table> 先ほどと同じように変化の割合を求めます。 :<math> \frac{ap^2 - aq^2}{q-p} = \frac{a(p^2 - q^2)}{q - p} </math> ここで、因数分解の公式を覚えているでしょうか?<br> 分子に「<math>q^2 - p^2</math>」があるので、これを因数分解します。 :<math> \begin{align} \frac{a(q^2 - p^2)}{q-p} &= \frac{a(q+p)(q-p)}{q-p} \\ &= a(q+p) \\ &= a(p+q) \\ \end{align} </math> これでいつでも変化の割合が出せるようになります。最後の2行は、どちらを用いてもかまいません。 これを利用して、このような問題を解いてみましょう。 '''問題''' :関数<math>y=ax^2</math>で、''x''が-5から-3まで増加するときの変化の割合が24だった。''a''の値を求めよ。 先ほどの公式''a''(''m''+''n'')を利用して方程式を作って解くことができます。 :''a''{(-5)+(-3)} = 24 :-8''a'' = 24 :''a'' = -3 == 2乗に比例する関数の変域 == [[File:Y=1-2x^2 変域.jpg|frame|right|<math>y=\frac{1}{2}x^2</math> (<math>-4\leqq x \leqq 2</math>)のグラフ]] 2乗に比例する関数の変域を考えてみましょう。例として、<math>y=\frac{1}{2}x^2</math>を考えます。xの変域を<math>-4\leqq x \leqq 2</math>としたときのyの変域を求めてみましょう。 まず、<math>x=-4</math>と<math>x=2</math>を、<math>y=\frac{1}{2}x^2</math>に代入します。すると、yの値は8と2になります。しかし、グラフを見るとわかりますが、yの変域は<math>2\leqq x \leqq 8</math> '''ではありません'''。yの最小値は、<math>x=0</math>のときの値である0になっていることがわかります。最大値は先ほど代入して求めた値のうちの大きいほうである8ですから、yの変域は、<math>0\leqq y \leqq 8</math>となります。 では、<math>y=-\frac{1}{2}x^2</math>ではどうでしょうか。定数が負の式では、最大値が0になります。よって、先ほどと同じように考えると、<math>-8\leqq y \leqq 0</math>となります。 このように、2乗に比例する関数yの変域を調べるためには、xの変域の両端だけを見ていてはいけません。xの変域が0を含んでいる場合には、<math>x=0</math>のときの値である0も含めて、3つの数を比較しなくてはいけません。 == 2乗に比例する関数の実例 == 数学だけでなく実社会や自然現象などでも、2乗に比例する関数の実例はあります。 そのような実例をいくつか紹介します。 === 制動距離 === たとえば、自動車があり、時速40kmで走ってた自動車がブレーキをかけてから停止するまでに、10mすべって走行したとします。 同じブレーキ性能で時速80kmで走る車にブレーキをかけた場合、速度は2倍ですが、停止するまでに走行する距離は2倍ではなく4倍になります。 もし一般に、ある速度を基準にして、自動車の速度がn倍になれば、ブレーキがきいてから停止するまでに走行する距離は n<sup>2</sup> になります。 自動車産業や道路交通の業界では、上述のようにブレーキをかけてから停止するまでの距離のことを 「制動距離」(せいどう きょり)といいます。 制動距離は速度の2乗に比例します。 (※ 最近の検定教科書には、こういう事例も書いてある。啓林館や教育出版などの検定教科書に、制動距離について書いてある。) === 物体の落下運動 === 空気抵抗の無い場合、まっすぐ真下(ました)に落下する物体の落下速度は、時間の2乗に比例して、速くなっていきます。 [[Category:中学校数学|3ねんせい 2しようにひれいするかんすう]] [[カテゴリ:関数]]
2006-01-03T12:23:30Z
2023-10-29T12:16:40Z
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中学数学3年 2次方程式
中学校の学習 > 中学校数学 > 中学数学3年 > 2次方程式 今までに習った方程式は、 の2つであるが、3年生では新しい方程式を学ぶ。たとえば、次の問題を考えてみよう。 縦横をそれぞれx m長くしたとすると、 という式ができる。しかし、左辺を展開すると となり、左辺が二次式となる。これは、今までのやり方では解くことができない。では、いったいどのようにしてこのような方程式を解けばよいのだろうか。この章で学んでいこう。 先ほどの問題を考えてみよう。 という式を立てることができた。この式を整理すると という式になる。この方程式は、左辺がxの二次式であり、右辺は0となっている。一般に、移項したり展開して式を整理したときに、「xについての二次式が0に等しい」という形になる方程式を二次方程式(にじほうていしき)という。 なども、左辺がxの二次式で右辺が0であるから、二次方程式であるといえる。 xの二次方程式について、式を満たすx の値をその方程式の解(かい)といい、解を求めることを方程式を解くという。 前章では平方根を学んだ。平方根の定義を利用して、二次方程式を解くことができる。 平方根の章でも学習したが、「x=a を満たす数x は、a の平方根である」という。これを利用して解いてみよう。 最初に、この形の二次方程式を解いてみよう。 問題から方程式を立てると、 3x = 12 となる。このような、ax = b の形の式は、両辺をa で割り、x = n という形にすることで解くことができる。 ここで、記号±はプラスとマイナスを組み合わせたもので、 ± n {\displaystyle \pm {\sqrt {n}}} と書くと「 n {\displaystyle {\sqrt {n}}} または − n {\displaystyle -{\sqrt {n}}} 」という意味になる。 この問題は、 と解くことができる。 上の二次方程式を拡張する。先ほどは左辺が(単項式)の形だったが、今度は(多項式)の形である。 これを式にすると、(x +3) = 64 となる。このような(x + a ) = bの形の式は、かっこの中をひとつのまとまりとして考え、平方根を使って2乗をはずすことで解くことができる。 これを踏まえて解いてみよう。 上では(x +3)をA で置き換えているので、5行目で元に戻している。式を文字で置き換えるのは便利であるが、置き換えたら必ず戻すようにしなければ、正しい解が得られないため、注意が必要である。 また、6行目で左辺の"+3"を移項している。普通は、±の前に移項した項を書く。その次の7行目では-3 ± 8の計算をしているが、このときに注意が必要である。±8とは、+8と-8をあわせて書いたものだから、正負両方の場合について計算しなければならない。 最後に、x =5,-11としているが、二次方程式では普通、解は2つできる。2つの解が得られた場合は、このように2つ並べて書く。2つの解があることを示す","は、小数点と見間違えることがないように書く。 このような解き方で、次の問題も考えてみよう。 これも先ほどと同じように解くが、前の問題とは違って左辺のかっこの前に係数2がついている。最初にこの係数をとり、前の問題と同じ形にしてから解く。 3と 5 {\displaystyle {\sqrt {5}}} とは足すことも引くこともできないので、このままにしておく。また、このような場合は、 3 + 5 , 3 − 5 {\displaystyle 3+{\sqrt {5}},3-{\sqrt {5}}} というように分けて書くことはせず、±でひとつの式にまとめておくのが普通である。 二次方程式の解き方にはもうひとつ、因数分解を用いた方法がある。ここでは、その練習をしよう。 このようなものは、因数分解を用いて解くことができる。 左辺が因数分解できる形なので、因数分解をしてみる。すると、 となる。ここからはどうやって解けばいいだろうか。 左辺は2つの式の積の形になっている。また、右辺は0である。つまり、(x -1)という式と(x +4)という式をかけた結果、0になったということである。かけて0になるのだから、どちらか一方の式は0でなければならない。つまり、 か が成り立つようにxの値を求めればいいわけである。どちらの式が0になってもかければ0になるから、両方の場合について解を求める。 であるから、解はx =1と、x =-4の2つが考えられる。この2つを元の式に代入してみると、式は正しくなるから、解はこの2つで正しいことになる。だから、この問題の答えはx = 1, -4となる。 一般に、二次方程式 の左辺を因数分解できるとき、その因数分解の結果から解を求めることができる。 さて、この様な方程式はどうだろうか。 これを解いてみよう。 まず、左辺を因数分解して、 となる。かっこの前に係数がついている。かっこの前の係数を取るために両辺を2でわって、 ここで、x の値を考えてみよう。2乗して0になるのだから、かっこの中は当然0になるはずである。かっこの中が0になるようにx の値を求めると、x =-2 がでる。この他には考えられない。 このように、二次方程式では解がひとつだけの場合がある。 最後になるが、 としてはいけない。何故か考えよ。 次の問題を考えてみよう。 この式の左辺を因数分解しようとしてみてもうまくいかない。そこで、このような方程式は(x + a ) = b の形に変形して解く。これは、2乗を完成させるので、平方完成(へいほうかんせい)とよぶ。 まずは-4を移項する。 次に左辺を(式)の形に変形したい。しかし今のままでは左辺はそのような形にすることができないので、両辺に同じものを加えてうまく調節する。公式 と思い出す。いま作りたい形は ( x + b ) 2 = x 2 + 8 x + c {\displaystyle (x+b)^{2}=x^{2}+8x+c} という形の式なので、公式のaをx、bを 8 2 = 4 {\displaystyle {\frac {8}{2}}=4} とすればうまくいくことがわかる。つまり、元の式の両辺に 4 2 = 16 {\displaystyle 4^{2}=16} を加えればよい。 左辺が因数分解できるようになったので、因数分解し、右辺も計算をする。 後は前に学習したとおり計算する。 では、この解き方を応用して「二次方程式を解く公式」を作ってみよう。 スタートは二次方程式の一般的な形である。 二次方程式を解くときにはxに1以外の係数がついていると計算が大変になる。そこで、両辺をxの係数aで割る。a=0のときはこの方程式はそもそも二次方程式ではないので今は考えない。 つぎに、定数の項を移項する。 左辺を平方の形に因数分解できるようにするために、両辺にx の係数の半分の2乗を加える。 左辺を因数分解し、右辺を整理する。 左辺のかっこをはずす。 b 2 − 4 a c < 0 {\displaystyle b^{2}-4ac<0} のときはこのような変形はできないので、今は b 2 − 4 a c ≧ 0 {\displaystyle b^{2}-4ac\geqq 0} のときだけを考えることにする。この後の計算をしやすくするため、±は分子に入れておいた。ここで、左辺をx のみにするために、移項する。 これで完成である。二次方程式の解を求めるときにはこの公式に当てはめて考えると簡単に解を求めることができる。 これを利用して問題を解いてみよう。 a =1、b =-3、c =1を公式に代入して、 a =1、b =4、c =-3を公式に代入して、 a =2、b =-1、c =-6を公式に代入して、 この問題を二次方程式を用いて解いてみよう。 辺の長さを変えたあと、長方形の縦の長さは10-x (m)、横の長さは10+x (m)となるから、長方形の面積は (10-x )(10+x ) (m)となる。 辺の長さを変えると、面積が64mになるので、次のように方程式を立てることができる。 この方程式を解いてみると、 方程式の解は6と-6の2つが得られたが、ここでxとは辺を長くしたり短くしたりする長さであった。長さは必ず0以上のはずであり、-6mという長さはない。しかし、6mだけ長くしたり短くしたりすると、きちんと問題文のようになる。したがってこの問題の答えは6mである。 このように、方程式を用いて問題を解いたとき、方程式の解として得られた解のすべてが問題の条件を満たすとは限らない。方程式を解くことによって問題を解こうとする際には、方程式の解が問題の条件を満たしているかどうか、よく吟味する必要がある。
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"となる。かっこの前に係数がついている。かっこの前の係数を取るために両辺を2でわって、", "title": "二次方程式の解き方" }, { "paragraph_id": 43, "tag": "p", "text": "ここで、x の値を考えてみよう。2乗して0になるのだから、かっこの中は当然0になるはずである。かっこの中が0になるようにx の値を求めると、x =-2 がでる。この他には考えられない。", "title": "二次方程式の解き方" }, { "paragraph_id": 44, "tag": "p", "text": "このように、二次方程式では解がひとつだけの場合がある。", "title": "二次方程式の解き方" }, { "paragraph_id": 45, "tag": "p", "text": "最後になるが、", "title": "二次方程式の解き方" }, { "paragraph_id": 46, "tag": "p", "text": "としてはいけない。何故か考えよ。", "title": "二次方程式の解き方" }, { "paragraph_id": 47, "tag": "p", "text": "", "title": "二次方程式の解き方" }, { "paragraph_id": 48, "tag": "p", "text": "次の問題を考えてみよう。", "title": "二次方程式の解き方" }, { "paragraph_id": 49, "tag": "p", "text": "この式の左辺を因数分解しようとしてみてもうまくいかない。そこで、このような方程式は(x + a ) = b の形に変形して解く。これは、2乗を完成させるので、平方完成(へいほうかんせい)とよぶ。", "title": "二次方程式の解き方" }, { "paragraph_id": 50, "tag": "p", "text": "まずは-4を移項する。", "title": "二次方程式の解き方" }, { "paragraph_id": 51, "tag": "p", "text": "次に左辺を(式)の形に変形したい。しかし今のままでは左辺はそのような形にすることができないので、両辺に同じものを加えてうまく調節する。公式", "title": "二次方程式の解き方" }, { "paragraph_id": 52, "tag": "p", "text": "と思い出す。いま作りたい形は ( x + b ) 2 = x 2 + 8 x + c {\\displaystyle (x+b)^{2}=x^{2}+8x+c} という形の式なので、公式のaをx、bを 8 2 = 4 {\\displaystyle {\\frac {8}{2}}=4} とすればうまくいくことがわかる。つまり、元の式の両辺に 4 2 = 16 {\\displaystyle 4^{2}=16} を加えればよい。", "title": "二次方程式の解き方" }, { "paragraph_id": 53, "tag": "p", "text": "左辺が因数分解できるようになったので、因数分解し、右辺も計算をする。", "title": "二次方程式の解き方" }, { "paragraph_id": 54, "tag": "p", "text": "後は前に学習したとおり計算する。", "title": "二次方程式の解き方" }, { "paragraph_id": 55, "tag": "p", "text": "", "title": "二次方程式の解き方" }, { "paragraph_id": 56, "tag": "p", "text": "では、この解き方を応用して「二次方程式を解く公式」を作ってみよう。", "title": "二次方程式の解き方" }, { "paragraph_id": 57, "tag": "p", "text": "スタートは二次方程式の一般的な形である。", "title": "二次方程式の解き方" }, { "paragraph_id": 58, "tag": "p", "text": "二次方程式を解くときにはxに1以外の係数がついていると計算が大変になる。そこで、両辺をxの係数aで割る。a=0のときはこの方程式はそもそも二次方程式ではないので今は考えない。", "title": "二次方程式の解き方" }, { "paragraph_id": 59, "tag": "p", "text": "つぎに、定数の項を移項する。", "title": "二次方程式の解き方" }, { "paragraph_id": 60, "tag": "p", "text": "左辺を平方の形に因数分解できるようにするために、両辺にx の係数の半分の2乗を加える。", "title": "二次方程式の解き方" }, { "paragraph_id": 61, "tag": "p", "text": "左辺を因数分解し、右辺を整理する。", "title": "二次方程式の解き方" }, { "paragraph_id": 62, "tag": "p", "text": "左辺のかっこをはずす。", "title": "二次方程式の解き方" }, { "paragraph_id": 63, "tag": "p", "text": "b 2 − 4 a c < 0 {\\displaystyle b^{2}-4ac<0} のときはこのような変形はできないので、今は b 2 − 4 a c ≧ 0 {\\displaystyle b^{2}-4ac\\geqq 0} のときだけを考えることにする。この後の計算をしやすくするため、±は分子に入れておいた。ここで、左辺をx のみにするために、移項する。", "title": "二次方程式の解き方" }, { "paragraph_id": 64, "tag": "p", "text": "これで完成である。二次方程式の解を求めるときにはこの公式に当てはめて考えると簡単に解を求めることができる。", "title": "二次方程式の解き方" }, { "paragraph_id": 65, "tag": "p", "text": "これを利用して問題を解いてみよう。", "title": "二次方程式の解き方" }, { "paragraph_id": 66, "tag": "p", "text": "a =1、b =-3、c =1を公式に代入して、", "title": "二次方程式の解き方" }, { "paragraph_id": 67, "tag": "p", "text": "a =1、b =4、c =-3を公式に代入して、", "title": "二次方程式の解き方" }, { "paragraph_id": 68, "tag": "p", "text": "a =2、b =-1、c =-6を公式に代入して、", "title": "二次方程式の解き方" }, { "paragraph_id": 69, "tag": "p", "text": "", "title": "二次方程式の解き方" }, { "paragraph_id": 70, "tag": "p", "text": "この問題を二次方程式を用いて解いてみよう。", "title": "二次方程式の利用" }, { "paragraph_id": 71, "tag": "p", "text": "辺の長さを変えたあと、長方形の縦の長さは10-x (m)、横の長さは10+x (m)となるから、長方形の面積は (10-x )(10+x ) (m)となる。 辺の長さを変えると、面積が64mになるので、次のように方程式を立てることができる。", "title": "二次方程式の利用" }, { "paragraph_id": 72, "tag": "p", "text": "この方程式を解いてみると、", "title": "二次方程式の利用" }, { "paragraph_id": 73, "tag": "p", "text": "方程式の解は6と-6の2つが得られたが、ここでxとは辺を長くしたり短くしたりする長さであった。長さは必ず0以上のはずであり、-6mという長さはない。しかし、6mだけ長くしたり短くしたりすると、きちんと問題文のようになる。したがってこの問題の答えは6mである。", "title": "二次方程式の利用" }, { "paragraph_id": 74, "tag": "p", "text": "このように、方程式を用いて問題を解いたとき、方程式の解として得られた解のすべてが問題の条件を満たすとは限らない。方程式を解くことによって問題を解こうとする際には、方程式の解が問題の条件を満たしているかどうか、よく吟味する必要がある。", "title": "二次方程式の利用" } ]
中学校の学習 > 中学校数学 > 中学数学3年 > 2次方程式 今までに習った方程式は、 一次方程式(一元一次方程式) 連立方程式(二元一次連立方程式) の2つであるが、3年生では新しい方程式を学ぶ。たとえば、次の問題を考えてみよう。 縦横をそれぞれx m長くしたとすると、 という式ができる。しかし、左辺を展開すると となり、左辺が二次式となる。これは、今までのやり方では解くことができない。では、いったいどのようにしてこのような方程式を解けばよいのだろうか。この章で学んでいこう。
{{pathnav|中学校の学習|中学校数学|中学数学3年|pagename=2次方程式}} 今までに習った方程式は、 *一次方程式<small>(一元一次方程式)</small> *連立方程式<small>(二元一次連立方程式)</small> の2つであるが、3年生では新しい方程式を学ぶ。たとえば、次の問題を考えてみよう。 ;問題 :一辺が3mである正方形の花壇があります。今度、この花壇の大きさを変えることになりました。縦、横をそれぞれ同じだけ長くしたところ、面積は16m<sup>2</sup>増えました。何m長くしたでしょうか。 縦横をそれぞれ''x'' m長くしたとすると、 :(3+''x'' )<sup>2</sup> = 3<sup>2</sup>+16 という式ができる。しかし、左辺を展開すると :''x''<sup>2</sup>+6''x'' +9 となり、左辺が二次式となる。これは、今までのやり方では解くことができない。では、いったいどのようにしてこのような方程式を解けばよいのだろうか。この章で学んでいこう。 ==二次方程式とは何か== 先ほどの問題を考えてみよう。 :(3+''x'' )<sup>2</sup> = 3<sup>2</sup>+16 という式を立てることができた。この式を整理すると :''x''<sup>2</sup>+6''x'' -16 = 0 という式になる。この方程式は、左辺がxの二次式であり、右辺は0となっている。一般に、移項したり展開して式を整理したときに、「''x''についての二次式が0に等しい」という形になる方程式を'''二次方程式'''(にじほうていしき)という。 :3''x''<sup>2</sup>-72 = 0、 ''x''<sup>2</sup>-2''x''+1 = 0 なども、左辺がxの二次式で右辺が0であるから、二次方程式であるといえる。 ''x''の二次方程式について、式を満たす''x'' の値をその方程式の'''解'''(かい)といい、解を求めることを'''方程式を解く'''という。 ==二次方程式の解き方== ===平方根=== [[中学校数学 3年生-数量/平方根|前章]]では平方根を学んだ。平方根の定義を利用して、二次方程式を解くことができる。 平方根の章でも学習したが、「''x''<sup>2</sup>=''a'' を満たす数''x'' は、''a'' の平方根である」という。これを利用して解いてみよう。 ==== ''ax''<sup>2</sup> = ''b'' ==== 最初に、この形の二次方程式を解いてみよう。 ;例題 :ある数''x'' を2乗して3倍したところ、12になりました。''x'' の値を求めなさい。 問題から方程式を立てると、 3''x''<sup>2</sup> = 12 となる。このような、''ax''<sup>2</sup> = ''b'' の形の式は、両辺を''a'' で割り、''x''<sup>2</sup> = ''n'' という形にすることで解くことができる。 {| border=1 align=center |---- |<math>x^2 = n \longrightarrow x = \pm \sqrt{n}</math> |} ここで、記号&plusmn;はプラスとマイナスを組み合わせたもので、<math>\pm \sqrt{n}</math>と書くと「<math>\sqrt{n}</math>または<math>-\sqrt{n}</math>」という意味になる。 この問題は、 :<math>\begin{matrix} 3x^2 &=& 12 \\ x^2 &=& 4 \\ x &=& \pm 2 \end{matrix}</math> :答え、&plusmn;2 と解くことができる。 ==== (''x'' + ''a'' )<sup>2</sup> = ''b'' ==== 上の二次方程式を拡張する。先ほどは左辺が(単項式)<sup>2</sup>の形だったが、今度は(多項式)<sup>2</sup>の形である。 ;例題 :ある数''x'' に3を加え、2乗したところ、答えは64になりました。ある数''x'' を求めなさい。 これを式にすると、(''x'' +3)<sup>2</sup> = 64 となる。このような(''x'' + ''a'' )<sup>2</sup> = ''b''の形の式は、かっこの中をひとつのまとまりとして考え、平方根を使って2乗をはずすことで解くことができる。 {| border=1 align=center |---- |''x'' +''a'' =''A'' とおくと、(''x'' + ''a'' )<sup>2</sup> = ''b'' は''A''<sup>2</sup>=''b'' と変形できる。これは、先ほどやった方程式と同じ形である。 |} これを踏まえて解いてみよう。 :<math>\begin{matrix} (x+3)^2 &=& 64 \\ A^2 &=& 64 \\ A &=& \pm \sqrt{64} \\ A &=& \pm 8 \\ x+3 &=& \pm 8 \\ x &=& -3 \pm 8 \\ x &=& -3+8 , -3-8 \\ x &=& 5, -11 \end{matrix}</math> 上では(''x'' +3)を''A'' で置き換えているので、5行目で元に戻している。式を文字で置き換えるのは便利であるが、'''置き換えたら必ず戻す'''ようにしなければ、正しい解が得られないため、注意が必要である。 また、6行目で左辺の"+3"を移項している。普通は、&plusmn;の前に移項した項を書く。その次の7行目では-3 &plusmn; 8の計算をしているが、このときに注意が必要である。&plusmn;8とは、+8と-8をあわせて書いたものだから、正負両方の場合について計算しなければならない。 最後に、''x'' =5,-11としているが、二次方程式では普通、''解は2つできる''。2つの解が得られた場合は、このように2つ並べて書く。2つの解があることを示す","は、小数点と見間違えることがないように書く。 このような解き方で、次の問題も考えてみよう。 ;例題 :二次方程式 2(''x'' -3)<sup>2</sup> = 10 を解きなさい。 これも先ほどと同じように解くが、前の問題とは違って左辺のかっこの前に係数2がついている。最初にこの係数をとり、前の問題と同じ形にしてから解く。 :<math>\begin{matrix} 2(x-3)^2 &= 10 \\ (x-3)^2 &= 5 \\ x-3 &= \pm \sqrt{5} \\ x &= 3 \pm \sqrt{5} \end{matrix}</math> 3と<math>\sqrt{5}</math>とは足すことも引くこともできないので、このままにしておく。また、このような場合は、<math>3+\sqrt{5}, 3-\sqrt{5}</math>というように分けて書くことはせず、&plusmn;でひとつの式にまとめておくのが普通である。 ===因数分解=== 二次方程式の解き方にはもうひとつ、因数分解を用いた方法がある。ここでは、その練習をしよう。 ;例題 :''x''<sup>2</sup>+3''x'' -4 = 0 を解きなさい。 このようなものは、因数分解を用いて解くことができる。 左辺が因数分解できる形なので、因数分解をしてみる。すると、 :(''x'' -1)(''x'' +4) = 0 となる。ここからはどうやって解けばいいだろうか。 左辺は2つの式の積の形になっている。また、右辺は0である。つまり、(''x'' -1)という式と(''x'' +4)という式をかけた結果、0になったということである。かけて0になるのだから、どちらか一方の式は0でなければならない。つまり、 :''x'' -1 = 0  か :''x'' +4 = 0 が成り立つようにxの値を求めればいいわけである。どちらの式が0になってもかければ0になるから、両方の場合について解を求める。 :''x'' -1 = 0 のとき、 ''x'' = 1 :''x'' +4 = 0 のとき、 ''x'' = -4 であるから、解は''x'' =1と、''x'' =-4の2つが考えられる。この2つを元の式に代入してみると、式は正しくなるから、解はこの2つで正しいことになる。だから、この問題の答えは<u>''x'' = 1, -4</u>となる。 一般に、二次方程式 :''ax''<sup>2</sup> + ''bx'' + ''c'' = 0 の左辺を因数分解できるとき、その因数分解の結果から解を求めることができる。 さて、この様な方程式はどうだろうか。 ;例題 :2''x''<sup>2</sup>+8''x'' +8 = 0 これを解いてみよう。 まず、左辺を因数分解して、 :2(''x'' +2)<sup>2</sup> = 0 となる。かっこの前に係数がついている。かっこの前の係数を取るために両辺を2でわって、 :(''x'' +2)<sup>2</sup> = 0 ここで、''x'' の値を考えてみよう。2乗して0になるのだから、かっこの中は当然0になるはずである。かっこの中が0になるように''x'' の値を求めると、''x'' =-2 がでる。この他には考えられない。 :答え:''x'' = -2 このように、二次方程式では解がひとつだけの場合がある。 :<small>このような解は二つの解がだぶっていると考えて「重解(じゅうかい)」という。詳しくは高等学校の数学で学習する。</small> ;注意 最後になるが、 :''x''<sup>2</sup> = 4''x''の''x''を両辺から1つずつ消去して :''x'' = 4 としてはいけない。何故か考えよ。 ===因数分解できない場合の解き方=== 次の問題を考えてみよう。 ;問題 :''x''<sup>2</sup>+8''x'' -4 = 0 を解きなさい。 この式の左辺を因数分解しようとしてみてもうまくいかない。そこで、このような方程式は(''x'' + ''a'' )<sup>2</sup> = ''b'' の形に変形して解く。これは、2乗を完成させるので、'''平方完成'''(へいほうかんせい)とよぶ。 まずは-4を移項する。 :''x''<sup>2</sup>+8''x'' = 4 次に左辺を(式)<sup>2</sup>の形に変形したい。しかし今のままでは左辺はそのような形にすることができないので、両辺に同じものを加えてうまく調節する。公式 :(''a'' + ''b'' )<sup>2</sup> = ''a''<sup>2</sup> + 2''ab'' + ''b''<sup>2</sup> と思い出す。いま作りたい形は<math>(x+b)^2=x^2+8x+c</math>という形の式なので、公式のaをx、bを<math>\frac{8}{2}=4</math>とすればうまくいくことがわかる。つまり、元の式の両辺に<math>4^2=16</math>を加えればよい。 :''x''<sup>2</sup>+8''x'' '''+4<sup>2</sup>''' = 4 '''+4<sup>2</sup>''' 左辺が因数分解できるようになったので、因数分解し、右辺も計算をする。 :(''x'' +4)<sup>2</sup> = 20 後は前に学習したとおり計算する。 :<math>\begin{matrix} (x+4)^2 &=& 20 \\ x+4 &=& \pm \sqrt{20} \\ x+4 &=& \pm 2\sqrt{5} \\ x &=& -4 \pm 2\sqrt{5} \end{matrix}</math> ==== 二次方程式の解の公式 ==== では、この解き方を応用して「二次方程式を解く公式」を作ってみよう。 スタートは二次方程式の一般的な形である。 :''ax''<sup>2</sup> + ''bx'' + ''c'' = 0 二次方程式を解くときには''x''<sup>2</sup>に1以外の係数がついていると計算が大変になる。そこで、両辺を''x''<sup>2</sup>の係数aで割る。a=0のときはこの方程式はそもそも二次方程式ではないので今は考えない。 :<math>x^2+\frac{b}{a}x+\frac{c}{a} = 0</math> つぎに、定数の項を移項する。 :<math>x^2+\frac{b}{a}x = -\frac{c}{a}</math> 左辺を平方の形に因数分解できるようにするために、両辺に''x'' の係数の半分の2乗を加える。 :<math>x^2+\frac{b}{a}x+\left(\frac{b}{2a}\right)^2 = -\frac{c}{a}+\left(\frac{b}{2a}\right)^2</math> 左辺を因数分解し、右辺を整理する。 :<math>\left(x+\frac{b}{2a}\right)^2 = \frac{b^2-4ac}{4a^2}</math> 左辺のかっこをはずす。 :<math>x+\frac{b}{2a} = \frac{\pm\sqrt{b^2-4ac}}{2a}</math> <math>b^2-4ac<0</math>のときはこのような変形はできないので、今は<math>b^2-4ac \geqq 0</math>のときだけを考えることにする。この後の計算をしやすくするため、&plusmn;は分子に入れておいた。ここで、左辺を''x'' のみにするために、移項する。 :<math>x = \frac{-b\pm\sqrt{b^2-4ac}}{2a}</math> これで完成である。二次方程式の解を求めるときにはこの公式に当てはめて考えると簡単に解を求めることができる。 {| style="border:2px solid skyblue;width:80%" cellspacing=0 |style="background:skyblue"|'''二次方程式の解の公式''' |- |style="padding:5px"|<math>ax^2+bx+c=0</math>の二次方程式について、 |- |style="padding:5px"|<math>x=\frac{-b\pm\sqrt{b^2-4ac}}{2a}</math> |} これを利用して問題を解いてみよう。 ;問題1 :''x''<sup>2</sup>-3''x'' +1 = 0 を解きなさい。 ''a'' =1、''b'' =-3、''c'' =1を公式に代入して、 :<math>\begin{matrix} x &=& \frac{-b\pm\sqrt{b^2-4ac}}{2a} \\ &=& \frac{-(-3)\pm\sqrt{(-3)^2-4\times 1\times 1}}{2\times 1} \\ &=& \frac{3\pm\sqrt{9-4}}{2} \\ &=& \frac{3\pm\sqrt{5}}{2} \end{matrix}</math> ;問題2 :<math>x^2+4\,x-3=0</math> を解きなさい。 ''a'' =1、''b'' =4、''c'' =-3を公式に代入して、 :<math>\begin{matrix} x &=& \frac{-4\pm\sqrt{4^2-4\times 1\times (-3)}}{2\times 1} \\ &=& \frac{-4\pm\sqrt{28}}{2} \\ &=& \frac{-4\pm 2\sqrt{7}}{2} \\ &=& \frac{2 (-2\pm\sqrt{7})}{2} \\ &=& -2\pm\sqrt{7} \end{matrix}</math> ;問題3 :<math>2\,x^2-x-6=0</math> を解きなさい。 ''a'' =2、''b'' =-1、''c'' =-6を公式に代入して、 :<math>\begin{matrix} x &=& \frac{-(-1)\pm\sqrt{(-1)^2-4\times 2\times (-6)}}{2\times 2} \\ &=& \frac{1\pm\sqrt{49}}{4} \\ &=& \frac{1\pm 7}{4} \end{matrix}</math> :<math>x = \frac{1+7}{4}\ ,\ x = \frac{1-7}{4}</math> :<math>x = 2\ ,\ x = - \frac{3}{2}</math> == 二次方程式の利用 == ;例題:一辺の長さが10mの正方形がある。この正方形の縦の長さを''x'' m短くし、横の長さを''x'' m長くしたところ、面積が64m<sup>2</sup>になった。正方形の縦と横の長さを何mずつ変えただろうか。 この問題を二次方程式を用いて解いてみよう。 辺の長さを変えたあと、長方形の縦の長さは10-''x'' (m)、横の長さは10+''x'' (m)となるから、長方形の面積は (10-''x'' )(10+''x'' ) (m<sup>2</sup>)となる。 辺の長さを変えると、面積が64m<sup>2</sup>になるので、次のように方程式を立てることができる。 :<math>(10-x)(10+x) = 64</math> この方程式を解いてみると、 :<math>\begin{matrix} (10-x)(10+x) &=& 64 \\ 10^2 - x^2 &=& 64 \\ 100 - x^2 &=& 64 \\ x^2 &=& 100-64 \\ x^2 &=& 36 \\ x &=& \pm 6 \end{matrix}</math> 方程式の解は6と-6の2つが得られたが、ここで''x''とは辺を長くしたり短くしたりする長さであった。長さは必ず0以上のはずであり、-6mという長さはない。しかし、6mだけ長くしたり短くしたりすると、きちんと問題文のようになる。したがってこの問題の答えは<u>6m</u>である。 このように、方程式を用いて問題を解いたとき、方程式の解として得られた解のすべてが問題の条件を満たすとは限らない。方程式を解くことによって問題を解こうとする際には、方程式の解が問題の条件を満たしているかどうか、よく吟味する必要がある。 [[Category:中学校数学|3ねんせい すうりよう にしほうていしき]]
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2022-07-14T05:22:05Z
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中学数学3年 式の計算
中学校の学習 > 中学校数学 > 中学数学3年 > 式の計算 2 年までに式の加減や、単項式の乗除をやってきたわけであるが、3 年では式の乗除を学習する。はじめに、(単項式)×(多項式)や、(多項式)×(単項式)の形の計算をやってみよう。 このような式は、分配法則を利用して計算することができる。 また、多項式 ÷ 単項式の計算も、多項式 ÷ 数の場合と同じように計算することができる。 次に、多項式同士の積を考えてみよう。 はどうなるだろうか。仮に、(c + d) = A と置き換えてみると、 となるので、A をここで元に戻してみる。すると、 すなわち、(a + b)(c + d) = ac + ad + bc + bd となる。ここで見られるように、「積の形で書かれた式を整理し、式の値を保ったまま、和の形にすること」を、「元の式を多項式に展開(てんかい)する」という。 展開した式が同類項を含むときは、2 年で学習したとおり、まとめて簡単な式に整理することができる。 ( x + a ) ( x + b ) {\displaystyle (x+a)(x+b)} を展開してみよう。 となり、 になる。 同様に、 このような形の展開公式を、とくに平方公式(へいほう こうしき)という場合がある。それは、展開する前の元の式が、一次式の 2 乗の形、すなわち平方の式を展開する公式になっているからである。 このような、同じ数についての和と差との積を求めることができる公式を、和と差の積という。 (注意 2021年以降に中学3年生になった方は、この内容は中1で学ぶこととなりました。) 最初に、この問題を考えてみよう。 これは例えば 48 = 8 × 6 とできるので、これが1つの答えである。 このように、 この問題は 8 と 6 が 48 の因数と言うことができる。また、48 はほかにも 4 × 12 とか、3 × 16 とあらわすことができるため、4 と 12 も 48の因数 といえるし、3 と 16 も 48の因数 といえる。 48 =8×6 であったが、8=2×2×2であり6=2×3であるため、48は次のようにも分解することもできる。 このように、因数をさらに小さい因数の積に分解していくと、最後には、素数の積だけで表すことができる。 (この計算例の素数である因数の 2 や 3 のように、) そして、 例題にある 48 を素因数分解したときの結果は、 のように指数で表すと見やすい。 こんどは、さきほどの数 48 を 4 × 12 をもとに素因数分解してみましょう。 となり、同じく 48 = 2 4 × 3 {\displaystyle 48=2^{4}\times 3} の結果になります。 このように素因数分解はどのような順序で行っても、結果は同じになる。 80を素因数分解してみよう。右図のように、小さい素数から始めて、次々に割り算していくと、手間はかかるが、確実に素因数分解を行うことができる。この筆算を「簾算(すだれざん)」とよぶ。 よって、 80の計算では、因数 8 が目立つが、しかし右の計算例のように素数(例の場合は素数 2 )で素因数分解していくことに気をつけよう。 1が素数でないことについては上でも述べたが、別の説明の仕方をすることもできる。 当たり前のことだと思うかもしれないが、素因数分解は次のような性質を持つ。これを算術の基本定理といい、本当は証明すべき立派な定理なのだが、ここでは証明しない。(中学生向けの書き方はしていないが、w:算術の基本定理に証明があるので気になる読者は参照のこと) 分解の仕方は一通りというのは、誰が素因数分解しようとも必ず同じ分解になる、ということである。(当たり前すぎて逆にわかりにくいと感じるかもしれない。) しかし、もし1が素数だとすると、この性質は成り立たなくなる。なぜならば、6=2×3だが、たとえばこれを6=1×1×2×3ともあらわせて、分解の仕方が一通りではなくなるからである。ゆえに、1を素数とは呼ばないのである。 たとえば、(x + 2)(x - 2) を展開すると x - 4 となる。このことから、x - 4 は、このように積の形に表すことができる。 このような文字の式の場合も、整数の場合と同じように、x + 2 や x - 2 を x - 4 の因数(いんすう)という。 一般に、「多項式をいくつかの因数の積の形に表すこと」を因数分解(いんすうぶんかい、英: factorization)という。上の例から、因数分解は展開の逆の操作と言える。 それで、因数分解の仕方を学習しよう。 次の数の因数分解を考えてみよう。 この多項式には、どの項にも A という共通な因数がある。その共通な因数のことを共通因数(きょうつういんすう)という。その共通因数 A を取り出すことで、次のように因数分解をすることができる。 この式の右辺は分配法則を用いて展開すると元の式に戻るため、正しく因数分解されていることがわかる。 このように共通因数を取り出して因数分解することを「共通因数のくくりだし」という。因数分解をするときには、まず手始めに共通因数のくくりだしができないか考えるとよい。 それでは、共通因数がなかったらどうすればよいのだろうか。 ここで、因数分解とは何だったかを思い出してみよう。因数分解とは展開の逆の操作だったはずである。だから、乗法公式を逆に利用して、因数分解ができないか考えればよい。展開公式も乗法公式の一部である。 それぞれの乗法公式の行頭に示してある番号は、あくまで説明用に書いているだけなので、覚える必要はありません。これらを使って、できるだけ細かく因数分解をする。 これは、まず共通因数の2でくくりだし、その後乗法公式の3.を利用して因数分解すればよい。 次の式を、因数分解しなさい。 (答えはこのページのいちばん下にあります) 展開や因数分解は非常に重要で、これから高校、大学と使用することになる。また、高校に入れば新たに習う乗法公式もある。しかし基本となるのは今までに学習した公式や、その考え方である。ここでは、ここまでの公式や考え方を用いて、ある形の計算を簡単に行う方法を学ぶ。 いままではこのような計算は、筆算でやっていたことだろう。しかし、展開や因数分解を使用することで非常に簡単に速く正確に解く事ができる。 この式をこのように変形してみるとどうでしょう。 これは、どこかで見た事があるはずです。そう、 の形です。つまり、この答えは 嘘だと思うなら電卓でも計算してみよう。正しいはずである。
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{{pathnav|中学校の学習|中学校数学|中学数学3年|pagename=式の計算}} == 式の乗法・除法 == 2 年までに式の加減や、単項式の乗除をやってきたわけであるが、3 年では式の乗除を学習する。はじめに、(単項式)×(多項式)や、(多項式)×(単項式)の形の計算をやってみよう。 === 多項式と単項式の乗除 === このような式は、分配法則を利用して計算することができる。 :(''a'' + ''b'')''c'' = ''ac'' + ''bc'' :''c''(''a'' + ''b'') = ''ca'' + ''cb'' また、多項式 ÷ 単項式の計算も、多項式 ÷ 数の場合と同じように計算することができる。 === 多項式の乗法 === 次に、多項式同士の積を考えてみよう。 :(''a'' + ''b'')(''c'' + ''d'') はどうなるだろうか。仮に、(''c'' + ''d'') = ''A'' と置き換えてみると、 :(''a'' + ''b'')''A'' = ''aA'' + ''bA'' となるので、''A'' をここで元に戻してみる。すると、 :<math>\begin{matrix} aA+bA &=& a(c+d)+b(c+d) \\ &=& ac+ad+bc+bd \end{matrix}</math> すなわち、(''a'' + ''b'')(''c'' + ''d'') = ''ac'' + ''ad'' + ''bc'' + ''bd'' となる。ここで見られるように、「積の形で書かれた式を整理し、式の値を保ったまま、和の形にすること」を、「元の式を多項式に'''展開'''(てんかい)する」という。 展開した式が同類項を含むときは、2 年で学習したとおり、まとめて簡単な式に整理することができる。 == 展開公式 == === (''x'' + ''a'')(''x'' + ''b'') の展開 === <math>(x+a)(x+b)</math> を展開してみよう。 {| |<math>(x+a)(x+b)</math>||<math>= x^2+bx+ax+ab</math> |- |||<math>= x^2+(a+b)x+ab</math> |} となり、 :''x'' の係数は ''a'' と ''b'' の和、 :定数項は ''a'' と ''b''の積 になる。 {| style="border:2px solid skyblue;width:80%" cellspacing=0 |style="background:skyblue"|'''(''x''+''a'')(''x''+''b'') の展開公式''' |- |style="padding:5px"|<math>(x+a)(x+b)=x^2+(a+b)x+ab</math> |} === (''a'' + ''b'')&sup2;, (''a'' - ''b'')&sup2; の展開 === {| |<math>(a+b)^2</math>||<math>=(a+b)(a+b)</math> |- |||<math>=a^2+ab+ab+b^2</math> |- |||<math>=a^2+2ab+b^2</math> |} 同様に、 {| |<math>(a-b)^2</math>||<math>=(a-b)(a-b)</math> |- |||<math>=a^2-ab-ab+b^2</math> |- |||<math>=a^2-2ab+b^2</math> |} このような形の展開公式を、とくに'''平方公式'''(へいほう こうしき)という場合がある。それは、展開する前の元の式が、一次式の 2 乗の形、すなわち平方の式を展開する公式になっているからである。 {| style="border:2px solid skyblue;width:80%" cellspacing=0 |style="background:skyblue"|'''平方公式''' |- |style="padding:5px"| *<math>(a+b)^2=a^2+2ab+b^2</math> *<math>(a-b)^2=a^2-2ab+b^2</math> |} === (''a'' + ''b'')(''a'' - ''b'') の展開 === {| |<math>(a+b)(a-b)</math>||<math>=a^2-ab+ab-b^2</math> |- |||<math>=a^2-b^2</math> |} このような、同じ数についての和と差との積を求めることができる公式を、'''和と差の積'''という。 {| style="border:2px solid skyblue;width:80%" cellspacing=0 |style="background:skyblue"|'''和と差の積''' |- |style="padding:5px"| <math>(a+b)(a-b)=a^2-b^2</math> |} == 因数分解 == === 素因数分解 === (注意 2021年以降に中学3年生になった方は、この内容は中1で学ぶこととなりました。) 最初に、この問題を考えてみよう。 ;例題 :48 を 1 より大きい 2 つの整数の積であらわしなさい。 これは例えば 48 = 8 &times; 6 とできるので、これが1つの答えである。 このように、 整数がいくつかの整数の積の形に表すことができるとき、その 1 つ 1 つの数のことを、もとの数の '''因数'''(いんすう)という。 この問題は 8 と 6 が 48 の因数と言うことができる。また、48 はほかにも 4 &times; 12 とか、3 &times; 16 とあらわすことができるため、4 と 12 も 48の因数 といえるし、3 と 16 も 48の因数 といえる。 2 や 3 や 5 や 7は、それより小さい自然数の積であらわすことはできない。このような数を '''素数''' (そすう)という。 ただし、1は素数にふくめない。 48 =8×6 であったが、8=2×2×2であり6=2×3であるため、48は次のようにも分解することもできる。 :48 = (2 &times; 2 &times; 2) &times; (2 &times; 3) = 2 &times; 2 &times; 2 &times; 2 &times; 3 このように、因数をさらに小さい因数の積に分解していくと、最後には、素数の積だけで表すことができる。 (この計算例の素数である因数の 2 や 3 のように、) 素数である因数のことを'''素因数'''(そいんすう)という。 そして、 自然数を素数の積として表すことを'''素因数分解'''(そいんすうぶんかい)という。 例題にある 48 を素因数分解したときの結果は、 :<math>48=2^4 \times 3</math> のように指数で表すと見やすい。 こんどは、さきほどの数 48 を 4 &times; 12 をもとに素因数分解してみましょう。 :4×12 = (2×2)×(2×2×3)= <math>48=2^4 \times 3</math> となり、同じく <math>48=2^4 \times 3</math> の結果になります。 このように素因数分解はどのような順序で行っても、結果は同じになる。 ;例題 80を素因数分解してみよう。右図のように、小さい素数から始めて、次々に割り算していくと、手間はかかるが、確実に素因数分解を行うことができる。この筆算を「簾算(すだれざん)」とよぶ。 {| border="0" cellspacing="0" cellpadding="0" style="background:#eeffee; border:solid 2px #cccccc; float:right;" |&nbsp; |- align="center" |&nbsp;2 |) |style="text-decoration:underline;"|&nbsp; 80 &nbsp; |&nbsp; |- align="center" |&nbsp;2 |) |style="text-decoration:underline;"|&nbsp; 40 &nbsp; |&nbsp; |- align="center" |&nbsp;2 |) |style="text-decoration:underline;"|&nbsp; 20 &nbsp; |&nbsp; |- align="center" |&nbsp;2 |) |style="text-decoration:underline;"|&nbsp; 10 &nbsp; |- align="center" |&nbsp; |&nbsp; |&nbsp;5 |- align="center" |&nbsp; |} よって、 :80 = 2<sup>4</sup> × 5 80の計算では、因数 8 が目立つが、しかし右の計算例のように素数(例の場合は素数 2 )で素因数分解していくことに気をつけよう。 === ※ 発展: コラム === ==== コラム・1はなぜ素数でないか ==== 1が素数でないことについては上でも述べたが、別の説明の仕方をすることもできる。 当たり前のことだと思うかもしれないが、素因数分解は次のような性質を持つ。これを算術の基本定理といい、本当は証明すべき立派な定理なのだが、ここでは証明しない。(中学生向けの書き方はしていないが、[[w:算術の基本定理]]に証明があるので気になる読者は参照のこと) * すべての自然数は素因数分解することができる。 * ある自然数を素因数分解したとき、その分解の仕方は素数の並べ方を除いて一通りしかない。 分解の仕方は一通りというのは、誰が素因数分解しようとも必ず同じ分解になる、ということである。(当たり前すぎて逆にわかりにくいと感じるかもしれない。) しかし、'''もし1が素数だとすると'''、この性質は成り立たなくなる。なぜならば、6=2×3だが、たとえばこれを6=1×1×2×3ともあらわせて、分解の仕方が一通りではなくなるからである。ゆえに、1を素数とは呼ばないのである。 {{コラム|素数の見つけ方|2=100以下の素数は次のようにしてすべて見つけることができます。まずは、2から99までの自然数をすべて書き出してみましょう。(1は素数ではないので最初から除外。) 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 まずこの中で、2以外の2の倍数は素数ではないので消してしまおう。 2 3 5 7 9 11 13 15 17 19 21 23 25 27 29 31 33 35 37 39 41 43 45 47 49 51 53 55 57 59 61 63 65 67 69 71 73 75 77 79 81 83 85 87 89 91 93 95 97 99 3は2では割り切れないので素数です。しかし、3以外の3の倍数は素数ではないから消してしまおう。 2 3 5 7 11 13 17 19 23 25 29 31 35 37 41 43 47 49 53 55 59 61 65 67 71 73 77 79 83 85 89 91 95 97 5は2でも3でも割り切れなかったので残っています。だから、5は素数です。しかし、5以外の5の倍数は素数ではないから消してしまおう。 2 3 5 7 11 13 17 19 23 29 31 37 41 43 47 49 53 59 61 67 71 73 77 79 83 89 91 97 同じ考え方で、7以外の7の倍数を消してしまうとこうなります。 2 3 5 7 11 13 17 19 23 29 31 37 41 43 47 53 59 61 67 71 73 79 83 89 97 残った数の中には、2と3と5と7で割り切れるものはありません。そして、11, 13, 17・・・で割り切れる数も、残っていません。なぜなら、この時点でもし11で割り切れる数が残っているとしたら、その数は11×11=121より大きいものでなくてはなりません。しかし、今は100以下の自然数で考えているので、11で割り切れる数は残っていません。だから、ここに残っている数は全部素数であり、また、100以下の素数はこれで全部です。 このようにして素数を見つける方法を、発見したギリシャの学者の名前を取って「エラトステネスの{{Ruby|篩|ふるい}}」といいます。 *なぜ11で割り切れる数は残っていないか 注意:ここでは「平方根」・「二次方程式」を既知であることを前提としています。 nが素数でないものとするとnはpとq(どちらも自然数であり1<p≦q<n)という約数を持ち、 :<math>n=p\times q</math> と表されます。p≦qより :<math>n=p \times q \geqq p\times p= p^2 </math> なので、 *<math> \sqrt{n} \geqq p</math> となります。 つまり、nが素数でないならば、その約数のうちの小さいほうは<math>\sqrt{n}</math>より小さい、ということです。よって、2以上<math> \sqrt{n} </math>以下の約数がないことがわかれば、nは素数とわかります。 先ほどの例でいえば、<math>\sqrt{100}=10</math>なので、11について調べる必要はもうないのです。 素数は無限個存在することが知られており、エラトステネスの{{Ruby|篩|ふるい}}を使えば理論上はどんなに大きな素数も見つけることができるが、数が大きくなればなるほど計算の手間は大きくなるので困難になります。 いま知られている最も大きな素数は、2018年12月に発見された 2<sup>82589933</sup>-1で十進数で表すと 24,862,048'''{{Ruby|桁|けた}}'''の数です。もちろんこの数はこのようにして見つけられたわけではないです( 24862048が素数なのではなく、 十進数で24,862,048桁の素数が見つかっているのです)。 }} === 因数分解 === たとえば、(''x'' + 2)(''x'' - 2) を展開すると ''x''<sup>2</sup> - 4 となる。このことから、''x''<sup>2</sup> - 4 は、このように積の形に表すことができる。 :<math>x^2 -4=(x+2)(x-2)</math> このような文字の式の場合も、整数の場合と同じように、''x'' + 2 や ''x'' - 2 を ''x''<sup>2</sup> - 4 の'''因数'''(いんすう)という。 一般に、「多項式をいくつかの因数の積の形に表すこと」を'''因数分解'''(いんすうぶんかい、英: factorization)という。上の例から、因数分解は展開の逆の操作と言える。 それで、因数分解の仕方を学習しよう。 ==== 共通因数を取り出す ==== 次の数の因数分解を考えてみよう。 :''An'' + ''Am'' この多項式には、どの項にも ''A'' という共通な因数がある。その共通な因数のことを'''共通因数'''(きょうつういんすう)という。その共通因数 ''A'' を取り出すことで、次のように因数分解をすることができる。 :<math>An+Am=A(n+m)</math> この式の右辺は分配法則を用いて展開すると元の式に戻るため、正しく因数分解されていることがわかる。 このように共通因数を取り出して因数分解することを「共通因数のくくりだし」という。'''因数分解をするときには、まず手始めに共通因数のくくりだしができないか考えるとよい'''。 ==== 乗法公式を利用する ==== それでは、共通因数がなかったらどうすればよいのだろうか。 ここで、因数分解とは何だったかを思い出してみよう。因数分解とは展開の逆の操作だったはずである。だから、乗法公式を逆に利用して、因数分解ができないか考えればよい。展開公式も乗法公式の一部である。 {| style="border:2px solid skyblue;width:80%" cellspacing=0 |style="background:skyblue"|'''乗法公式''' |- | #<math>a^2-b^2</math><math>=(a+b)(a-b)</math> #<math>a^2+2ab+b^2</math><math>=(a+b)^2</math> #<math>a^2-2ab+b^2</math><math>=(a-b)^2</math> #<math>x^2+(a+b)x+ab</math><math>=(x+a)(x+b)</math> |} それぞれの乗法公式の行頭に示してある番号は、あくまで説明用に書いているだけなので、覚える必要はありません。これらを使って、できるだけ細かく因数分解をする。 :例 :2''x''<sup>2</sup>-4''xy''+2''y''<sup>2</sup> これは、まず共通因数の2でくくりだし、その後乗法公式の3.を利用して因数分解すればよい。 :正解は {| |<math>2x^2-4xy+2y^2</math>||<math>=2(\underline{x^2-2xy+y^2})</math> |- |||<math>=2(x-y)^2</math> |} ;演習問題 次の式を、因数分解しなさい。 #''x'' <sup>2</sup> - 4''x'' + 3 #''x'' <sup>2</sup> - 12''x'' + 35 #''x'' <sup>2</sup> + 3''x'' - 10 #''x'' <sup>2</sup> + 6''x'' + 5 #''x'' <sup>2</sup> + 11''x'' + 18 #''x'' <sup>2</sup> - 3''x'' - 108 #''x'' <sup>2</sup> - ''x'' - 12 #''x'' <sup>2</sup> - 2''x'' - 24 #''x'' <sup>2</sup> - ''x'' - 72 (答えはこのページのいちばん下にあります) == 利用 == 展開や因数分解は非常に重要で、これから高校、大学と使用することになる。また、高校に入れば新たに習う乗法公式もある。しかし基本となるのは今までに学習した公式や、その考え方である。ここでは、ここまでの公式や考え方を用いて、ある形の計算を簡単に行う方法を学ぶ。 === 数式の計算 === ;例題:<math>51 \times 49</math>を計算しなさい。 いままではこのような計算は、筆算でやっていたことだろう。しかし、展開や因数分解を使用することで非常に簡単に速く正確に解く事ができる。 この式を次のようにに変形してみると、 :<math>(50 + 1) \times (50 - 1)</math> となり、 :<math>(a+b)(a-b) = a^2 - b^2</math> と同じ形になるので、この答えは {| style="border:1px dotted black;" |- |<math>51 \times 49</math>||<math> = (50 + 1)(50 - 1)</math> |- |||<math> = 50^2 - 1^2</math> |- |||<math> = 2500 - 1</math> |- |||<math> = 2499</math> |} 嘘だと思うなら電卓でも計算してみよう。正しいはずである。 == 演習問題の解答 == #(''x'' - 1)(''x'' - 3) #(''x'' - 5)(''x'' - 7) #(''x'' - 2)(''x'' + 5) #(''x'' + 1)(''x'' + 5) #(''x'' + 2)(''x'' + 9) #(''x'' + 9)(''x'' - 12) #(''x'' + 3)(''x'' - 4) #(''x'' + 4)(''x'' - 6) #(''x'' + 8)(''x'' - 9) [[Category:中学校数学|3ねんせい すうりよう しきのけいさん]]
2006-01-03T12:23:41Z
2024-01-10T05:40:04Z
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中学数学3年 三平方の定理
中学校の学習 > 中学校数学 > 中学数学3年 > 三平方の定理 定理 直角三角形の斜辺を 辺 c {\displaystyle c} として、残る直角をはさむ二辺を 辺 a {\displaystyle a} および 辺 b {\displaystyle b} とした場合に a 2 + b 2 = c 2 {\displaystyle a^{2}+b^{2}=c^{2}} となる。 図のように直角三角形 ABC を4つ適切な位置に配置すると、 一辺の長さを a+b とする正方形 EFGHをつくる事ができる。 このとき、正方形 DBAE の面積は、正方形 EFGH の面積から、直角三角形 ABC の面積4つぶん を差し引いた面積に等しい。 したがって よって (証明 おわり) この定理を証明したのは古代ギリシアの数学者ピタゴラスであるとも言われているので、この定理は「ピタゴラスの定理」ともいう。 古くから知られている定理なので、証明は数多く知られているが、上に挙げたのは有名な証明の1つである。他にも初等的な証明がいくつもあるので、自分で考えてみるとよい。 正方形があるとして、その一辺の長さを 5 cm だとする。 この正方形の対角線の長さを求めたい。 求めたい対角線の長さを x {\displaystyle x} cm とすると、 であり、xは正なので x = 50 = 5 2 × 2 = 5 2 {\displaystyle x={\sqrt {50}}={\sqrt {5^{2}\times 2}}=5{\sqrt {2}}} である。 三平方の定理を応用すると、正三角形の高さを求めることができる。 右の図のような正三角形の高さ h を求めよ。 (解法) 正三角形 ABC の頂点Aから底辺BCに垂線AHをおろすと、図のように、点HはBCの中点になる。 なので、まずBHの長さは 1cm である。 すると三平方の定理より、 なので、移項して h について まとめると、 であり、長さ h は負にならないので h>0なので である。 上記の2つの例題により、 45°, の角度をもつ直角三角形の3辺の長さの比は、図のように、 の比率になることが分かる。 同様に 30°, 60° の角度をもつ直角三角形の3辺の長さの比は、図のように、 の比率になることが分かる。 定理の逆 3つの数 a , b , c {\displaystyle a,b,c} が a 2 + b 2 = c 2 {\displaystyle a^{2}+b^{2}=c^{2}} を満たすとき、この3数を辺の長さとする三角形は直角三角形である。 これにより、たとえば辺の長さが 3,4,5 の三角形は直角三角形となる。 なぜなら、 3 2 + 4 2 = 5 2 {\displaystyle 3^{2}+4^{2}=5^{2}} だからである。 このように、 a 2 + b 2 = c 2 {\displaystyle a^{2}+b^{2}=c^{2}} が成り立つ自然数の組(a,b,c)を、ピタゴラス数という。 ピタゴラス数には、ほかにも(5,12,13)(8,15,17)(7,24,25)などがある。他にも探してみよう。 この「三平方の定理」は、高校数学Iで学習する 余弦定理(よげん ていり) に角度 90°を代入した形になっているので、三平方の定理を用いずに余弦定理を示しておけば、三平方の定理の別証が得られる。 (参考)余弦定理
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中学校の学習 > 中学校数学 > 中学数学3年 > 三平方の定理
{{pathnav|中学校の学習|中学校数学|中学数学3年|pagename=三平方の定理}} == 三平方の定理 == '''定理''' 直角三角形の斜辺を 辺<math>c</math> として、残る直角をはさむ二辺を 辺<math>a</math> および 辺<math>b</math> とした場合に <math>a^2+b^2=c^2</math> となる。 :(証明) [[File:Pythagorean theorem proof.svg|thumb|]] 図のように直角三角形 ABC を4つ適切な位置に配置すると、 一辺の長さを a+b とする正方形 EFGHをつくる事ができる。 このとき、正方形 DBAE の面積は、正方形 EFGH の面積から、直角三角形 ABC の面積4つぶん を差し引いた面積に等しい。 したがって :<math> c^2 = (a+b)^2 - \frac{1}{2} ab \times 4 </math> ::<math> = (a^2+2ab+b^2) - 2ab </math> ::<math> = a^2+b^2 </math> よって :<math> c^2 = a^2+b^2 </math> (証明 おわり) {| style="border:2px solid skyblue;width:80%" cellspacing=0 |style="background:skyblue"|'''重要''' |- |style="padding:5px"| '''三平方の定理''' [[File:Right triangle ABC.svg|thumb|]] 直角三角形の直角をはさむ2辺の長さを a,b とし、斜辺の長さを c とすると、次の関係が成り立つ。 :<math> c^2 = a^2+b^2 </math> |} この定理を証明したのは古代ギリシアの数学者ピタゴラスであるとも言われているので、この定理は「ピタゴラスの定理」ともいう。 古くから知られている定理なので、証明は数多く知られているが、上に挙げたのは有名な証明の1つである。他にも初等的な証明がいくつもあるので、自分で考えてみるとよい。 {{-}} == 定理の応用 == === 正方形の対角線 === [[File:Square diagonal 5cm.svg|thumb|]] 正方形があるとして、その一辺の長さを 5 cm だとする。 この正方形の対角線の長さを求めたい。 求めたい対角線の長さを <math> x </math> cm とすると、 :<math>x^2 = 5^2+5^2=25+25=50</math> であり、xは正なので <math>x = \sqrt{50} = \sqrt{5^2 \times 2} = 5 \sqrt{2} </math> である。 {{-}} === 正三角形の高さ === [[File:Height of equilateral triangle.svg|thumb|]] 三平方の定理を応用すると、正三角形の高さを求めることができる。 ;例題 右の図のような正三角形の高さ h を求めよ。 (解法) 正三角形 ABC の頂点Aから底辺BCに垂線AHをおろすと、図のように、点HはBCの中点になる。 なので、まずBHの長さは 1cm である。 すると三平方の定理より、 :<math> 2^2 = 1^2 + h^2 </math> なので、移項して h について まとめると、 :<math> h^2 = 2^2 - 1^2 = 3 </math> であり、長さ h は負にならないので h>0なので :<math> h=\sqrt{3} </math> である。 {{-}} === まとめ === 上記の2つの例題により、 [[File:Square diagonal ratio.svg|thumb|]] 45°, の角度をもつ直角三角形の3辺の長さの比は、図のように、 :<math> 1 : 1 : \sqrt{2} </math> の比率になることが分かる。 {{-}} [[File:Ratio 1-2-root3 right triangle.svg|thumb|]] 同様に 30°, 60° の角度をもつ直角三角形の3辺の長さの比は、図のように、 :<math> 1 : \sqrt{3} :2 </math> の比率になることが分かる。 {{-}} == いろいろな公式 == * <math> a^2 = c^2-b^2 </math> * <math> b^2 = c^2-a^2 </math> * <math> a = \sqrt{c^2-b^2}=\sqrt{(c+b)(c-b)} </math> * <math> b = \sqrt{c^2-a^2}=\sqrt{(c+a)(c-a)} </math> * <math> c = \sqrt{a^2+b^2} </math> '''定理の逆''' 3つの数 <math>a,b,c</math> が <math>a^2+b^2=c^2</math> を満たすとき、この3数を辺の長さとする三角形は直角三角形である。 これにより、たとえば辺の長さが 3,4,5 の三角形は直角三角形となる。 なぜなら、 <math> 3^2 + 4^2 = 5^2 </math> だからである。<br> このように、<math> a^2 + b^2 = c^2</math> が成り立つ自然数の組(a,b,c)を、ピタゴラス数という。 ピタゴラス数には、ほかにも(5,12,13)(8,15,17)(7,24,25)などがある。他にも探してみよう。 <div style="border:solid #999 1px;width:80%;background:#FEE;padding:0.5em;margin:0 auto 1em auto"> ;発展 この「三平方の定理」は、高校数学Ⅰで学習する 余弦定理(よげん ていり) に角度 90°を代入した形になっているので、三平方の定理を用いずに余弦定理を示しておけば、三平方の定理の別証が得られる。 (参考)[[高等学校数学I/図形と計量#余弦定理|余弦定理]] :三辺 a・b・c があり、bc の対角を ∠A とする。この時、 ::<math> a^2 = b^2 + c^2 - 2bc \cos A </math> :が成り立つ。 </div> <!-- 他にも7^2 + 24^2 = 25^2, 8^2 + 15^2 = 17^2 --> <!-- などこのような整数だけの関係は多く得られる。これの一般的な導出もあった --> <!-- はずなのだがどうやるのだったか...。 --> [[Category:中学校数学|3ねんせい ]]
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2022-07-10T16:07:00Z
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麻雀
麻雀とは中国伝来のギャンブルである。雅やかな化粧の裏に隠しきれない猥雑さが非常な魅力を放っている。かつてのブームが去った今現在も根強い人気のあるゲームなのは確かである。 人間に知性と精神力(ときには体力)の限界を求めてくるこのゲームは古代中国の後宮に端を発すると、はたまた上海の妓院で行われていたものが始まりともいうが、この項で扱う立直麻雀は何を隠そう我が国日本の生まれである。となれば読者諸君にも囲碁、将棋と並ぶ国戯として親しんで貰いたいものである。 当然のことですが賭博は絶対に行わないでください。 この項では特に説明がない限り立直麻雀について述べます。嵌り過ぎには御注意下さい。 この項では麻雀牌について説明する。 全部で5門34種136枚ある。5門とは万子(ワンズ)、筒子(ピンズ)、索子(ソウズ)、風牌(カゼハイ)、三元牌(サンゲンパイ)の区別のこと。 万子、筒子、索子の3門を数牌(シュウパイ・カズハイ)、風牌、三元牌の2門を字牌(ツーパイ・ジハイ)というが数牌はそれぞれ9種の区別があり、字牌は風牌が4種、三元牌は3種の区別がある。 これらが4枚ずつで136枚である。 数牌のうち、1と9の牌を老頭牌(ロウトウハイ)といって特別視するが、これと字牌は合わせて么九牌(ヤオチュウパイ)と呼ばれやはり特別視される。 また、数牌の2,3,4,5,6,7,8の牌は中張牌(チュンチャンパイ)と呼ばれる。 花麻雀ではこれらのほかに花牌と呼ばれるものが使われる。 この項では牌以外のものについて説明する。 点棒(テンボウ)は一種のゲーム内通貨で試合終了時にどれだけ所持しているかということで勝敗が決まる。 賽子 六面ダイス二個を用いる。麻雀用の12面ダイスも存在する。 雀卓 専用の物が便利。専用マットや全自動卓なるものも存在する。 起家マーク 起家を示す。また圏風を表示する。 このほかにチップ、焼き鳥マークがある。 麻雀では何を目的にするべきでしょう。半荘ごとにはやはりトップ目を取ることでしょうか。ではより短く1ゲームごとには、これは点棒を得ることと点棒を失わないこと。点棒を得るためにはまず和了ること。次に聴牌すること。点棒を失わないためには振り込まないこと。これらに深く関係しているのがヨンメンツイチジャントウという呪文である。 まず、雀頭(ジャントウ)とは麻雀で和了るために必要な手形のようなもので同種の牌2枚からなる。少なくとも立直麻雀ではこの雀頭なしに和了ることはできない。 次に、面子(メンツ)ですが雀頭が手形ならば面子は品物でしょうか。この品物には3つの品種がある。1つ目は刻子(コーツ)、次に槓子(カンツ)、最後に順子(シュンツ)。刻子は同種の牌3枚からなり、槓子はなんと同種の牌4枚からなります(麻雀で同種の牌は4枚しかありません)。難度の高さから槓子は刻子の4倍高い符が与えられています。順子は特別かつ最弱の面子で数牌の連なった3枚の牌からなる。数牌のみでしかも同門の牌でないと作ることができないのに符は全く得られない。明らかに作りやすさのためですが。もう一度だけ書きます。「同門の連続した並びの数牌3枚」これが順子の構成要素である。 さて、すでにお分かりのことと思いますが。四面子一雀頭とは4つの面子と1つの雀頭という意味で、麻雀の和了りの形を指す。麻雀は手牌を組み替えることでこの四面子一雀頭の完成を目指すゲームであって、また他家の四面子一雀頭の完成を阻止する(少なくとも加担しない)ゲームなのである。 例外がある。七対子と十三么九(シーサンヤオチュー・国士無双)である。七対子は七種(7つでない)の雀頭を、十三么九は13種の么九牌(1枚が重複して雀頭を形成していること)を集めることで成立する手役で雀頭はあるが面子はない。しかし、これらの形でも和了れることになっている。 立直麻雀では複雑な方法によって得失点を算出する。 まず、和了ることで得られる得点がある。副底(フーテイ)と呼ばれるものでこれが20符ある。副底は門前清栄和の場合10符加算されますが、これは門前加符と呼ばれます。 また、摸和了った場合は自摸点2符を得られます。これは門前清でなくとも構わない。 次に部分点を見ていきます。部分点とは和了の形に付く点のことである。部分点は雀頭、面子、待ちの3つに付きます。和了形の部分に付くから部分点である。 まず、雀頭が役牌であるとき2符を得ます。連風牌の雀頭に4符を付けることもある。面子では中張牌の明刻子の2符を最低として、中張牌と么九牌、明刻子と暗刻子、明槓子と暗槓子を比べて2倍に、刻子と槓子を比べて4倍になるように符が決まっている。順に、中張牌明刻子2符、么九牌明刻子4符、中張牌暗刻子4符、么九牌暗刻子8符、中張牌明槓子8符、么九牌明槓子16符、中張牌暗槓子16符、么九牌暗槓子32符となる。さて、待ちとは何が和了り牌かという意味で使う言葉ですが、符計算では和了牌を受け入れたのはどういう部分かという位の意味である。言い換えればどういう形で和了ったかということで、単騎和(タンキホー・単騎待ち)、嵌張和(カンチャンホー・嵌張待ち)、辺張和(ペンチャンホー・辺張待ち)にそれぞれ2符付きます。 次に基本点を算出する。基本点は前述の符合算し1の位で切り上げたものに、手役とドラで得られる翻の数に2を足した数だけ2を掛け合わせたものを掛けることで得られます。 式にすると、基本点Bは符をf、翻をhとして、 となる。 ここで、基本点が2000点を超えていないことを確認して行うようにする。基本点が2000点を超える場合は役満貫となり翻によってのみ得点が決まる。 役満貫は満貫、跳満、倍満、三倍満、数え役満(四倍満)の5つがある。それぞれ基本点が満貫(5翻以上)2000点、跳満(6翻以上)3000点、倍満(8翻以上)4000点、3倍満(11翻以上)6000点、数え役満(13翻以上)8000点となる。 ではいよいよ支払である。まず、摸和了りの場合を見ていきます。和了者が散家ならば他家の支払いは額は、散家が基本点の1倍、荘家が基本点の2倍となる。和了者が荘家の場合は、他家は基本点の2倍を支払う。栄和了りの場合は放銃者が前述の全額を負担する。つまり親満(荘家の和了った満貫)に振り込んだ場合の失点は12000点となる。 ところで、100以下の点数をやり取りできないことに気づきましたか。端数が出た場合は10の位で切り上げて支払を行う。 なお、立直麻雀の点数計算には例外がある。1、前述の役満貫に加えて2、平和形(部分点が付かない形)の摸和りは20符、3、栄和りは30符、3、七対子は25符、4、役満は四倍満となる。 このほかに積符やリー棒、不聴罰符が得失点として考えられますがこれらは他の節に譲る。 連荘すると積み場となる場合がある。積み場となると規定により100点棒が供託扱いとなりこれが和了者の取り分となる。例えば、1本場300点のルールで東1局1本場東家のツモ和了りとなれば各々の支払いに100点が加わることになる。同じルールで南2局2本場南家に東家が放銃すれば支払いに600点が加わることになる。 和了者は和了り点のほかに供託された点棒を得ることができる。 立直者は立直料を供託する必要がある。立直料は普通1000点である。 錯(ツオ)はゲームの進行を不可能にしないが妨げたという程度の行為で、和了り放棄とするのが普通だが規定により1000点の供託で免れられることがある。 普通、場3000点としこれを不聴者が聴牌者に折半して支払う。例としては、2人聴牌の時、聴牌者にはそれぞれ1500点が不聴者より支払われる。 錯和(ツオフー・チョンボ)はゲームの進行を妨げることをいい、発覚を以って満貫払いとする。散家の錯和の場合、散家に2000点、荘家に4000点。荘家の錯和の場合、他家に4000点ずつ支払う。 座位を決めるには掴み取りという方法がある。風牌4種を用意し、伏せて洗牌し、各々これを取る。東を引いた者を仮東とし、その者が席を決め、その右隣に南を引いた者が、そのまた右に西が、その右に北を引いた者が座るといものである。 起家は二度振りによって決める。まず、仮東が賽を振る。出目の数だけ仮東から右に数え、当ったものが賽を振る。賽を振ったものから出目だけ右に数え当ったものが起家となる。 上記の掴み取りと二度振りには以下のような方法もある。 まずは洗牌(シーパイ)をする。牌を卓に伏せ、静かに側面を押すことで混ぜる。 次に牌山を築きます。卓の淵に5枚の牌を並べてください。そして両脇に更に3枚ずつ並べる。もう一度両脇に3枚ずつ並べる。同じことをもう一度やる。始めに作った牌の列の上に次に作った牌の列を載せます。この時、小指で両脇を押し、親指と人差し指で真ん中を持ち上げるようにする。慣れないうちは半分ずつ載せるようにしましょう。 次に牌山の先頭と末尾を決める。このことを砌牌(チーパイ)といいます。砌牌は一度振りによって行われる。親が賽を振り、親から右に出目だけ数えていき、当った者が自分の前の牌山でやはり右から出目だけ数え上げ、そこで右に分けます。 読んで字の如く牌を配ることである。東家、南家、西家、北家の順に先頭から2幢ずつ3度とる。最後に1枚ずつやはり先頭から順に取る。この時、東家はさらに第一自摸の分も一緒に取ることに成っているのですが、この行為を「チョンチョン」と呼びます。 ドラ表示牌を開きます。1枚目のドラ表示牌は牌山の末尾から左、3幢目の上である。嶺上牌を落とさないように注意して行うようにする。 親の打牌でゲームスタートである。ゲームは取牌(チュパイ)と打牌(ダハイ)によって進行する。取牌は後述するツモ(自摸・摸)、チー(吃)、ポン(碰)、カン(槓)、ロン(栄)の5つの行為のことをいい、打牌は手牌から河に牌を捨てることとその時捨てられた牌をいいます。取牌した人は和了りがないならば必ず打牌をしないといけない。 以下、取牌について記述する。 ところで、ツモによって和了ることをツモ和了りまたは自摸和と呼び、ツモと宣言する。前述のロンと加えて、和了(ホーラ・アガリ)と呼ばれ、宣言したプレイヤーの勝利でゲームが終了する。宣言したプレイヤーは倒牌し手牌を整理し、他家に和了りを確認させる。 さて、ツモと打牌を合わせて摸打(モーダ)といいます。打牌を取ることを鳴きといいます。このことを合わせて整理すれば麻雀は、和了りや鳴きがない限り摸打を繰り返す。というものになる。 最後に流局について述べる。流局とは和了りのないゲームの終了のことである。牌山が王牌の14枚を残して途切れた時、最後の打牌で和了りがないことを荒牌平局(ホワンパイピンチュー)或いは平局(ヘイキョク)といって、流局とする。平局したら手牌が聴牌していたものは倒牌し不聴罰符を受け取る。 流局にはこのほかに途中流局といって条件を満たせば流局させることができるというものがありますが、詳しくは他の節に譲る。 試合が終了した後以下のように点棒をポイントに兌換する。このとき順位点(ウマ)やトップ賞(オカ)をやり取りし、最終的な成績とする。 2では、配給原点が25000点の場合は引く数は30となりますが(二万五千点持ちの三万点返し)、30000点の場合は0となります(三万点持ちの三万点返し)。3では、トップ目から、+30、+10、-10、-30(ワンスリー)とする場合と+20、+10、-10、-20(ワンツー)とする場合の二つが多いようである。 筆者自作のルールブックを一例として掲載する。 用具 数牌 筒子 一筒、二筒、三筒、四筒、五筒、六筒、七筒、八筒、九筒 索子 一索、二索、三索、四索、五索、六索、七索、八索、九索 萬子 一萬、二萬、三萬、四萬、五萬、六萬、七萬、八萬、九萬 字牌 三元牌 白板、緑発、紅中 四喜牌 東風、南風、西風、北風 各4枚 次牌といったとき、前記の右に対して左。末尾は先頭に戻る。 点棒 六面賽2個 板状で、表に東、裏に南が書いてあるもの。 天板がクッション素材で覆ってあり、縁が出っ張っているもの。 重要概念 対局の基本 ゲームの準備 ゲームの進行 ゲームの終了 輪荘と連荘 対局の終了 振聴 不聴罰符 懸賞牌 収支 積み符 供託 罰則 手役 麻雀のルールは多様であり、様々なローカルルールが存在する。 後付けルールと喰い断ルールの適用の有無を確認することがある。後付けとは役牌の刻子を作る前に他の牌を鳴く行為のこと。喰い断とは鳴いて作ったタンヤオのこと。 本来「後付けあり喰い断あり」などというべきところを「ありあり」などと省略することが多い。 麻雀の解説書は関東ルールを基本として書かれることが多いためか、最近では関東の「ありあり」ルールが初心者を中心に関西でも広がってきている。 大会競技などの際、純粋に腕前だけを試す目的で、偶然性の強い「一発」、「裏ドラ」、「槓ドラ」などがなかったりする。 赤ドラと呼ばれる牌を用いるルール。赤ドラは1枚につき1飜を得られる。数牌3門の5一枚ずつを交換するものをはじめ、五筒二枚を交換するもの、また青や金だったりすることもある。 台湾麻雀のこと、日本の麻雀と大幅にルールが違う。 戦前の一般的なルールで立直麻雀の原型。日本麻雀連盟では現在も公式ルールがある。 役が必用である。ルールブックで有効役を確認して行うようにする。 しかし、日麻では4面子1雀頭の完成を重視して特に手役を付けることなく和了ることができます。その代表格が立直である。詳しくはルールを参照して行うようにする。 ここではまず、4面子1雀頭を完成させるために塔子(ターツ)という概念について説明する。 塔子とは面子から一枚欠けた牌二枚のことである。塔子には1、対子(同じ牌が二枚)。2、両面塔子(連なった数牌二枚)。3、嵌張塔子(順子の真ん中が抜けた形)4、辺張塔子(端に付いて連なった数牌二枚)。の4つがある。対子が成長すると刻子に、リャンメン、カンチャン、ペンチャンの三つが成長すると順子になる。また対子はそのままで雀頭になる。 麻雀では孤立牌を塔子に、塔子を面子にと順を追って牌を成長させていくことになる。 ところであと一枚で和了ることができるというとき麻雀ではこの状態を聴牌(テンパイ)といいます。さらに後n枚で聴牌できるという状態をn向聴(シャンテン)といいます。n向聴の自然数nを向聴数といいますが、この向聴数を知るためのアルゴリズムがある。まず、塔子、面子及びそれらの複合形をブロックということを覚えておいてください。 少しコツが必要ですが向聴数は重要な概念である。よく覚えておいてください。また向聴数は配牌4向聴が普通であり3向聴では良い方だということも合わせて覚えておくとよいでしょう。 さて、運が良ければ塔子を選択する機会が訪れます。この時頼りになるのが受け入れとロスである。受け入れとは向聴数を減らすことができる牌の枚数のことで、ロスとはある牌を切ったときの受け入れの減る数のことである。塔子選択の時受け入れやロスが幾つか意識することで効率よく打牌を選ぶことができる。 麻雀には風がある。風はRPGの属性のようなもので、上手く利用することで勝を増やすことができるでしょう。 懸賞牌事ドラは麻雀の龍である。一枚手牌にあれば一飜が貰える。手役ではないため一飜縛りを和了る資格はない。 ドラは表示牌の次位牌である。牌の次位は数牌ならば、同門で1の次は2、2の次は3、9は1に戻るといった具合である。四喜牌では東南西北の順で北の次は東である。三元牌は白発中、中はやはり白に戻る。 麻雀には役がある。役者ではなく手役がである。 手役は通常40程度を使用する。直ぐに全てを覚える必要はないでしょう。一部を覚えさえすれば十分ゲームを楽しむことはできる。しかし、一度全てを覚えた後は40という数字を小さく感じるはずである。新しく役を作ってみるのも面白いでしょう。 以下は流局の条件の例 ○場の□局目を○□局という。連荘し積み場となれば積まれた点棒の数に応じて○□局△本場という。流局し積み場となれば○□局流れ△本場という。 和了り形には必ず手役1翻が必要とする規則のこと。ドラのみでは1翻縛りを和了る資格はない。 *時間 1荘=16局 1局は必ず1ゲーム以上ある。 1ゲームとは配牌(ハイパイ)から和了りあるいは平局までのこと。 牌は2段の山に組まれる。この時、重ねられた二枚を1幢(トン)と数える。 1ポイント=1000点(100の位で五捨六入する)。 符 和了と聴牌形に付く得点。 翻(ハン) 手役とドラ、場に付いて得点を吊上げる。 立直麻雀では普通1回戦は半荘行う。東風戦で行うこともある。
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"麻雀では何を目的にするべきでしょう。半荘ごとにはやはりトップ目を取ることでしょうか。ではより短く1ゲームごとには、これは点棒を得ることと点棒を失わないこと。点棒を得るためにはまず和了ること。次に聴牌すること。点棒を失わないためには振り込まないこと。これらに深く関係しているのがヨンメンツイチジャントウという呪文である。", "title": "ゲームの目的" }, { "paragraph_id": 18, "tag": "p", "text": "まず、雀頭(ジャントウ)とは麻雀で和了るために必要な手形のようなもので同種の牌2枚からなる。少なくとも立直麻雀ではこの雀頭なしに和了ることはできない。", "title": "ゲームの目的" }, { "paragraph_id": 19, "tag": "p", "text": "次に、面子(メンツ)ですが雀頭が手形ならば面子は品物でしょうか。この品物には3つの品種がある。1つ目は刻子(コーツ)、次に槓子(カンツ)、最後に順子(シュンツ)。刻子は同種の牌3枚からなり、槓子はなんと同種の牌4枚からなります(麻雀で同種の牌は4枚しかありません)。難度の高さから槓子は刻子の4倍高い符が与えられています。順子は特別かつ最弱の面子で数牌の連なった3枚の牌からなる。数牌のみでしかも同門の牌でないと作ることができないのに符は全く得られない。明らかに作りやすさのためですが。もう一度だけ書きます。「同門の連続した並びの数牌3枚」これが順子の構成要素である。", "title": "ゲームの目的" }, { "paragraph_id": 20, "tag": "p", "text": "さて、すでにお分かりのことと思いますが。四面子一雀頭とは4つの面子と1つの雀頭という意味で、麻雀の和了りの形を指す。麻雀は手牌を組み替えることでこの四面子一雀頭の完成を目指すゲームであって、また他家の四面子一雀頭の完成を阻止する(少なくとも加担しない)ゲームなのである。", "title": "ゲームの目的" }, { "paragraph_id": 21, "tag": "p", "text": "例外がある。七対子と十三么九(シーサンヤオチュー・国士無双)である。七対子は七種(7つでない)の雀頭を、十三么九は13種の么九牌(1枚が重複して雀頭を形成していること)を集めることで成立する手役で雀頭はあるが面子はない。しかし、これらの形でも和了れることになっている。", "title": "ゲームの目的" }, { "paragraph_id": 22, "tag": "p", "text": "立直麻雀では複雑な方法によって得失点を算出する。", "title": "点数計算" }, { "paragraph_id": 23, "tag": "p", "text": "まず、和了ることで得られる得点がある。副底(フーテイ)と呼ばれるものでこれが20符ある。副底は門前清栄和の場合10符加算されますが、これは門前加符と呼ばれます。", "title": "点数計算" }, { "paragraph_id": 24, "tag": "p", "text": "また、摸和了った場合は自摸点2符を得られます。これは門前清でなくとも構わない。", "title": "点数計算" }, { "paragraph_id": 25, "tag": "p", "text": "次に部分点を見ていきます。部分点とは和了の形に付く点のことである。部分点は雀頭、面子、待ちの3つに付きます。和了形の部分に付くから部分点である。", "title": "点数計算" }, { "paragraph_id": 26, "tag": "p", "text": "まず、雀頭が役牌であるとき2符を得ます。連風牌の雀頭に4符を付けることもある。面子では中張牌の明刻子の2符を最低として、中張牌と么九牌、明刻子と暗刻子、明槓子と暗槓子を比べて2倍に、刻子と槓子を比べて4倍になるように符が決まっている。順に、中張牌明刻子2符、么九牌明刻子4符、中張牌暗刻子4符、么九牌暗刻子8符、中張牌明槓子8符、么九牌明槓子16符、中張牌暗槓子16符、么九牌暗槓子32符となる。さて、待ちとは何が和了り牌かという意味で使う言葉ですが、符計算では和了牌を受け入れたのはどういう部分かという位の意味である。言い換えればどういう形で和了ったかということで、単騎和(タンキホー・単騎待ち)、嵌張和(カンチャンホー・嵌張待ち)、辺張和(ペンチャンホー・辺張待ち)にそれぞれ2符付きます。", "title": "点数計算" }, { "paragraph_id": 27, "tag": "p", "text": "次に基本点を算出する。基本点は前述の符合算し1の位で切り上げたものに、手役とドラで得られる翻の数に2を足した数だけ2を掛け合わせたものを掛けることで得られます。", "title": "点数計算" }, { "paragraph_id": 28, "tag": "p", "text": "式にすると、基本点Bは符をf、翻をhとして、", "title": "点数計算" }, { "paragraph_id": 29, "tag": "p", "text": "となる。", "title": "点数計算" }, { "paragraph_id": 30, "tag": "p", "text": "ここで、基本点が2000点を超えていないことを確認して行うようにする。基本点が2000点を超える場合は役満貫となり翻によってのみ得点が決まる。", "title": "点数計算" }, { "paragraph_id": 31, "tag": "p", "text": "役満貫は満貫、跳満、倍満、三倍満、数え役満(四倍満)の5つがある。それぞれ基本点が満貫(5翻以上)2000点、跳満(6翻以上)3000点、倍満(8翻以上)4000点、3倍満(11翻以上)6000点、数え役満(13翻以上)8000点となる。", "title": "点数計算" }, { "paragraph_id": 32, "tag": "p", "text": "ではいよいよ支払である。まず、摸和了りの場合を見ていきます。和了者が散家ならば他家の支払いは額は、散家が基本点の1倍、荘家が基本点の2倍となる。和了者が荘家の場合は、他家は基本点の2倍を支払う。栄和了りの場合は放銃者が前述の全額を負担する。つまり親満(荘家の和了った満貫)に振り込んだ場合の失点は12000点となる。", "title": "点数計算" }, { "paragraph_id": 33, "tag": "p", "text": "ところで、100以下の点数をやり取りできないことに気づきましたか。端数が出た場合は10の位で切り上げて支払を行う。", "title": "点数計算" }, { "paragraph_id": 34, "tag": "p", "text": "なお、立直麻雀の点数計算には例外がある。1、前述の役満貫に加えて2、平和形(部分点が付かない形)の摸和りは20符、3、栄和りは30符、3、七対子は25符、4、役満は四倍満となる。", "title": "点数計算" }, { "paragraph_id": 35, "tag": "p", "text": "このほかに積符やリー棒、不聴罰符が得失点として考えられますがこれらは他の節に譲る。", "title": "点数計算" }, { "paragraph_id": 36, "tag": "p", "text": "連荘すると積み場となる場合がある。積み場となると規定により100点棒が供託扱いとなりこれが和了者の取り分となる。例えば、1本場300点のルールで東1局1本場東家のツモ和了りとなれば各々の支払いに100点が加わることになる。同じルールで南2局2本場南家に東家が放銃すれば支払いに600点が加わることになる。", "title": "その他の得失点" }, { "paragraph_id": 37, "tag": "p", "text": "和了者は和了り点のほかに供託された点棒を得ることができる。", "title": "その他の得失点" }, { "paragraph_id": 38, "tag": "p", "text": "立直者は立直料を供託する必要がある。立直料は普通1000点である。", "title": "その他の得失点" }, { "paragraph_id": 39, "tag": "p", "text": "錯(ツオ)はゲームの進行を不可能にしないが妨げたという程度の行為で、和了り放棄とするのが普通だが規定により1000点の供託で免れられることがある。", "title": "その他の得失点" }, { "paragraph_id": 40, "tag": "p", "text": "普通、場3000点としこれを不聴者が聴牌者に折半して支払う。例としては、2人聴牌の時、聴牌者にはそれぞれ1500点が不聴者より支払われる。", "title": "その他の得失点" }, { "paragraph_id": 41, "tag": "p", "text": "錯和(ツオフー・チョンボ)はゲームの進行を妨げることをいい、発覚を以って満貫払いとする。散家の錯和の場合、散家に2000点、荘家に4000点。荘家の錯和の場合、他家に4000点ずつ支払う。", "title": "その他の得失点" }, { "paragraph_id": 42, "tag": "p", "text": "座位を決めるには掴み取りという方法がある。風牌4種を用意し、伏せて洗牌し、各々これを取る。東を引いた者を仮東とし、その者が席を決め、その右隣に南を引いた者が、そのまた右に西が、その右に北を引いた者が座るといものである。", "title": "試合を始める" }, { "paragraph_id": 43, "tag": "p", "text": "起家は二度振りによって決める。まず、仮東が賽を振る。出目の数だけ仮東から右に数え、当ったものが賽を振る。賽を振ったものから出目だけ右に数え当ったものが起家となる。", "title": "試合を始める" }, { "paragraph_id": 44, "tag": "p", "text": "上記の掴み取りと二度振りには以下のような方法もある。", "title": "試合を始める" }, { "paragraph_id": 45, "tag": "p", "text": "まずは洗牌(シーパイ)をする。牌を卓に伏せ、静かに側面を押すことで混ぜる。", "title": "ゲームを始める" }, { "paragraph_id": 46, "tag": "p", "text": "次に牌山を築きます。卓の淵に5枚の牌を並べてください。そして両脇に更に3枚ずつ並べる。もう一度両脇に3枚ずつ並べる。同じことをもう一度やる。始めに作った牌の列の上に次に作った牌の列を載せます。この時、小指で両脇を押し、親指と人差し指で真ん中を持ち上げるようにする。慣れないうちは半分ずつ載せるようにしましょう。", "title": "ゲームを始める" }, { "paragraph_id": 47, "tag": "p", "text": "次に牌山の先頭と末尾を決める。このことを砌牌(チーパイ)といいます。砌牌は一度振りによって行われる。親が賽を振り、親から右に出目だけ数えていき、当った者が自分の前の牌山でやはり右から出目だけ数え上げ、そこで右に分けます。", "title": "ゲームを始める" }, { "paragraph_id": 48, "tag": "p", "text": "読んで字の如く牌を配ることである。東家、南家、西家、北家の順に先頭から2幢ずつ3度とる。最後に1枚ずつやはり先頭から順に取る。この時、東家はさらに第一自摸の分も一緒に取ることに成っているのですが、この行為を「チョンチョン」と呼びます。", "title": "ゲームを始める" }, { "paragraph_id": 49, "tag": "p", "text": "ドラ表示牌を開きます。1枚目のドラ表示牌は牌山の末尾から左、3幢目の上である。嶺上牌を落とさないように注意して行うようにする。", "title": "ゲームを始める" }, { "paragraph_id": 50, "tag": "p", "text": "親の打牌でゲームスタートである。ゲームは取牌(チュパイ)と打牌(ダハイ)によって進行する。取牌は後述するツモ(自摸・摸)、チー(吃)、ポン(碰)、カン(槓)、ロン(栄)の5つの行為のことをいい、打牌は手牌から河に牌を捨てることとその時捨てられた牌をいいます。取牌した人は和了りがないならば必ず打牌をしないといけない。", "title": "ゲームの進行" }, { "paragraph_id": 51, "tag": "p", "text": "以下、取牌について記述する。", "title": "ゲームの進行" }, { "paragraph_id": 52, "tag": "p", "text": "ところで、ツモによって和了ることをツモ和了りまたは自摸和と呼び、ツモと宣言する。前述のロンと加えて、和了(ホーラ・アガリ)と呼ばれ、宣言したプレイヤーの勝利でゲームが終了する。宣言したプレイヤーは倒牌し手牌を整理し、他家に和了りを確認させる。", "title": "ゲームの進行" }, { "paragraph_id": 53, "tag": "p", "text": "さて、ツモと打牌を合わせて摸打(モーダ)といいます。打牌を取ることを鳴きといいます。このことを合わせて整理すれば麻雀は、和了りや鳴きがない限り摸打を繰り返す。というものになる。", "title": "ゲームの進行" }, { "paragraph_id": 54, "tag": "p", "text": "最後に流局について述べる。流局とは和了りのないゲームの終了のことである。牌山が王牌の14枚を残して途切れた時、最後の打牌で和了りがないことを荒牌平局(ホワンパイピンチュー)或いは平局(ヘイキョク)といって、流局とする。平局したら手牌が聴牌していたものは倒牌し不聴罰符を受け取る。", "title": "ゲームの進行" }, { "paragraph_id": 55, "tag": "p", "text": "流局にはこのほかに途中流局といって条件を満たせば流局させることができるというものがありますが、詳しくは他の節に譲る。", "title": "ゲームの進行" }, { "paragraph_id": 56, "tag": "p", "text": "試合が終了した後以下のように点棒をポイントに兌換する。このとき順位点(ウマ)やトップ賞(オカ)をやり取りし、最終的な成績とする。", "title": "試合を終える" }, { "paragraph_id": 57, "tag": "p", "text": "2では、配給原点が25000点の場合は引く数は30となりますが(二万五千点持ちの三万点返し)、30000点の場合は0となります(三万点持ちの三万点返し)。3では、トップ目から、+30、+10、-10、-30(ワンスリー)とする場合と+20、+10、-10、-20(ワンツー)とする場合の二つが多いようである。", "title": "試合を終える" }, { "paragraph_id": 58, "tag": "p", "text": "筆者自作のルールブックを一例として掲載する。", "title": "ルールの例" }, { "paragraph_id": 59, "tag": "p", "text": "用具", "title": "ルールの例" }, { "paragraph_id": 60, "tag": "p", "text": "数牌", "title": "ルールの例" }, { "paragraph_id": 61, "tag": "p", "text": "筒子 一筒、二筒、三筒、四筒、五筒、六筒、七筒、八筒、九筒", "title": "ルールの例" }, { "paragraph_id": 62, "tag": "p", "text": "索子 一索、二索、三索、四索、五索、六索、七索、八索、九索", "title": "ルールの例" }, { "paragraph_id": 63, "tag": "p", "text": "萬子 一萬、二萬、三萬、四萬、五萬、六萬、七萬、八萬、九萬", "title": "ルールの例" }, { "paragraph_id": 64, "tag": "p", "text": "字牌", "title": "ルールの例" }, { "paragraph_id": 65, "tag": "p", "text": "三元牌 白板、緑発、紅中", "title": "ルールの例" }, { "paragraph_id": 66, "tag": "p", "text": "四喜牌 東風、南風、西風、北風", "title": "ルールの例" }, { "paragraph_id": 67, "tag": "p", "text": "各4枚", "title": "ルールの例" }, { "paragraph_id": 68, "tag": "p", "text": "次牌といったとき、前記の右に対して左。末尾は先頭に戻る。", "title": "ルールの例" }, { "paragraph_id": 69, "tag": "p", "text": "点棒", "title": "ルールの例" }, { "paragraph_id": 70, "tag": "p", "text": "六面賽2個", "title": "ルールの例" }, { "paragraph_id": 71, "tag": "p", "text": "板状で、表に東、裏に南が書いてあるもの。", "title": "ルールの例" }, { "paragraph_id": 72, "tag": "p", "text": "天板がクッション素材で覆ってあり、縁が出っ張っているもの。", "title": "ルールの例" }, { "paragraph_id": 73, "tag": "p", "text": "重要概念", "title": "ルールの例" }, { "paragraph_id": 74, "tag": "p", "text": "対局の基本", "title": "ルールの例" }, { "paragraph_id": 75, "tag": "p", "text": "ゲームの準備", "title": "ルールの例" }, { "paragraph_id": 76, "tag": "p", "text": "ゲームの進行", "title": "ルールの例" }, { "paragraph_id": 77, "tag": "p", "text": "ゲームの終了", "title": "ルールの例" }, { "paragraph_id": 78, "tag": "p", "text": "輪荘と連荘", "title": "ルールの例" }, { "paragraph_id": 79, "tag": "p", "text": "対局の終了", "title": "ルールの例" }, { "paragraph_id": 80, "tag": "p", "text": "振聴", "title": "ルールの例" }, { "paragraph_id": 81, "tag": "p", "text": "不聴罰符", "title": "ルールの例" }, { "paragraph_id": 82, "tag": "p", "text": "懸賞牌", "title": "ルールの例" }, { "paragraph_id": 83, "tag": "p", "text": "収支", "title": "ルールの例" }, { "paragraph_id": 84, "tag": "p", "text": "積み符", "title": "ルールの例" }, { "paragraph_id": 85, "tag": "p", "text": "供託", "title": "ルールの例" }, { "paragraph_id": 86, "tag": "p", "text": "罰則", "title": "ルールの例" }, { "paragraph_id": 87, "tag": "p", "text": "手役", "title": "ルールの例" }, { "paragraph_id": 88, "tag": "p", "text": "麻雀のルールは多様であり、様々なローカルルールが存在する。", "title": "色々な麻雀" }, { "paragraph_id": 89, "tag": "p", "text": "後付けルールと喰い断ルールの適用の有無を確認することがある。後付けとは役牌の刻子を作る前に他の牌を鳴く行為のこと。喰い断とは鳴いて作ったタンヤオのこと。", "title": "色々な麻雀" }, { "paragraph_id": 90, "tag": "p", "text": "本来「後付けあり喰い断あり」などというべきところを「ありあり」などと省略することが多い。", "title": "色々な麻雀" }, { "paragraph_id": 91, "tag": "p", "text": "麻雀の解説書は関東ルールを基本として書かれることが多いためか、最近では関東の「ありあり」ルールが初心者を中心に関西でも広がってきている。", "title": "色々な麻雀" }, { "paragraph_id": 92, "tag": "p", "text": "大会競技などの際、純粋に腕前だけを試す目的で、偶然性の強い「一発」、「裏ドラ」、「槓ドラ」などがなかったりする。", "title": "色々な麻雀" }, { "paragraph_id": 93, "tag": "p", "text": "赤ドラと呼ばれる牌を用いるルール。赤ドラは1枚につき1飜を得られる。数牌3門の5一枚ずつを交換するものをはじめ、五筒二枚を交換するもの、また青や金だったりすることもある。", "title": "色々な麻雀" }, { "paragraph_id": 94, "tag": "p", "text": "台湾麻雀のこと、日本の麻雀と大幅にルールが違う。", "title": "色々な麻雀" }, { "paragraph_id": 95, "tag": "p", "text": "戦前の一般的なルールで立直麻雀の原型。日本麻雀連盟では現在も公式ルールがある。", "title": "色々な麻雀" }, { "paragraph_id": 96, "tag": "p", "text": "役が必用である。ルールブックで有効役を確認して行うようにする。", "title": "和了るには" }, { "paragraph_id": 97, "tag": "p", "text": "しかし、日麻では4面子1雀頭の完成を重視して特に手役を付けることなく和了ることができます。その代表格が立直である。詳しくはルールを参照して行うようにする。", "title": "和了るには" }, { "paragraph_id": 98, "tag": "p", "text": "ここではまず、4面子1雀頭を完成させるために塔子(ターツ)という概念について説明する。", "title": "和了るには" }, { "paragraph_id": 99, "tag": "p", "text": "塔子とは面子から一枚欠けた牌二枚のことである。塔子には1、対子(同じ牌が二枚)。2、両面塔子(連なった数牌二枚)。3、嵌張塔子(順子の真ん中が抜けた形)4、辺張塔子(端に付いて連なった数牌二枚)。の4つがある。対子が成長すると刻子に、リャンメン、カンチャン、ペンチャンの三つが成長すると順子になる。また対子はそのままで雀頭になる。", "title": "和了るには" }, { "paragraph_id": 100, "tag": "p", "text": "麻雀では孤立牌を塔子に、塔子を面子にと順を追って牌を成長させていくことになる。", "title": "和了るには" }, { "paragraph_id": 101, "tag": "p", "text": "ところであと一枚で和了ることができるというとき麻雀ではこの状態を聴牌(テンパイ)といいます。さらに後n枚で聴牌できるという状態をn向聴(シャンテン)といいます。n向聴の自然数nを向聴数といいますが、この向聴数を知るためのアルゴリズムがある。まず、塔子、面子及びそれらの複合形をブロックということを覚えておいてください。", "title": "和了るには" }, { "paragraph_id": 102, "tag": "p", "text": "少しコツが必要ですが向聴数は重要な概念である。よく覚えておいてください。また向聴数は配牌4向聴が普通であり3向聴では良い方だということも合わせて覚えておくとよいでしょう。", "title": "和了るには" }, { "paragraph_id": 103, "tag": "p", "text": "さて、運が良ければ塔子を選択する機会が訪れます。この時頼りになるのが受け入れとロスである。受け入れとは向聴数を減らすことができる牌の枚数のことで、ロスとはある牌を切ったときの受け入れの減る数のことである。塔子選択の時受け入れやロスが幾つか意識することで効率よく打牌を選ぶことができる。", "title": "和了るには" }, { "paragraph_id": 104, "tag": "p", "text": "麻雀には風がある。風はRPGの属性のようなもので、上手く利用することで勝を増やすことができるでしょう。", "title": "麻雀の風" }, { "paragraph_id": 105, "tag": "p", "text": "懸賞牌事ドラは麻雀の龍である。一枚手牌にあれば一飜が貰える。手役ではないため一飜縛りを和了る資格はない。", "title": "麻雀の龍" }, { "paragraph_id": 106, "tag": "p", "text": "ドラは表示牌の次位牌である。牌の次位は数牌ならば、同門で1の次は2、2の次は3、9は1に戻るといった具合である。四喜牌では東南西北の順で北の次は東である。三元牌は白発中、中はやはり白に戻る。", "title": "麻雀の龍" }, { "paragraph_id": 107, "tag": "p", "text": "麻雀には役がある。役者ではなく手役がである。", "title": "麻雀の役" }, { "paragraph_id": 108, "tag": "p", "text": "手役は通常40程度を使用する。直ぐに全てを覚える必要はないでしょう。一部を覚えさえすれば十分ゲームを楽しむことはできる。しかし、一度全てを覚えた後は40という数字を小さく感じるはずである。新しく役を作ってみるのも面白いでしょう。", "title": "麻雀の役" }, { "paragraph_id": 109, "tag": "p", "text": "以下は流局の条件の例", "title": "用語集" }, { "paragraph_id": 110, "tag": "p", "text": "○場の□局目を○□局という。連荘し積み場となれば積まれた点棒の数に応じて○□局△本場という。流局し積み場となれば○□局流れ△本場という。", "title": "用語集" }, { "paragraph_id": 111, "tag": "p", "text": "和了り形には必ず手役1翻が必要とする規則のこと。ドラのみでは1翻縛りを和了る資格はない。", "title": "用語集" }, { "paragraph_id": 112, "tag": "p", "text": "*時間", "title": "用語集" }, { "paragraph_id": 113, "tag": "p", "text": "1荘=16局", "title": "用語集" }, { "paragraph_id": 114, "tag": "p", "text": "1局は必ず1ゲーム以上ある。", "title": "用語集" }, { "paragraph_id": 115, "tag": "p", "text": "1ゲームとは配牌(ハイパイ)から和了りあるいは平局までのこと。", "title": "用語集" }, { "paragraph_id": 116, "tag": "p", "text": "牌は2段の山に組まれる。この時、重ねられた二枚を1幢(トン)と数える。", "title": "用語集" }, { "paragraph_id": 117, "tag": "p", "text": "1ポイント=1000点(100の位で五捨六入する)。", "title": "用語集" }, { "paragraph_id": 118, "tag": "p", "text": "符 和了と聴牌形に付く得点。", "title": "用語集" }, { "paragraph_id": 119, "tag": "p", "text": "翻(ハン) 手役とドラ、場に付いて得点を吊上げる。", "title": "用語集" }, { "paragraph_id": 120, "tag": "p", "text": "立直麻雀では普通1回戦は半荘行う。東風戦で行うこともある。", "title": "用語集" } ]
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{{Pathnav|メインページ|ゲーム|frame=1}} ==前書==  麻雀とは中国伝来の'''ギャンブル'''である。雅やかな化粧の裏に隠しきれない猥雑さが非常な魅力を放っている。かつてのブームが去った今現在も根強い人気のあるゲームなのは確かである。  人間に知性と精神力(ときには体力)の限界を求めてくるこのゲームは古代中国の後宮に端を発すると、はたまた上海の妓院で行われていたものが始まりともいうが、この項で扱う立直麻雀は何を隠そう我が国日本の生まれである。となれば読者諸君にも囲碁、将棋と並ぶ国戯として親しんで貰いたいものである。 当然のことですが'''賭博は絶対に行わないでください。'''  この項では特に説明がない限り立直麻雀について述べます。{{Ruby|嵌|はま}}り過ぎには御注意下さい。 ==牌==  この項では麻雀牌について説明する。 {| border="2" cellspacing="0" cellpadding="3" style="float:right" |- bgcolor="#dddddd" !萬子(マンズ) |- |[[Image:Mahjong-char-suit.jpeg|110px]] |- bgcolor="#dddddd" !索子(ソーズ) |- |[[Image:Mahjong-bamboo-suit.jpeg|110px]] |- bgcolor="#dddddd" !筒子(餅子、ピンズ) |- |[[Image:Mahjong-circle-suit.jpeg|110px]] |- bgcolor="#dddddd" !四風牌 |- |[[Image:Mahjong-winds.jpeg|110px]] |- bgcolor="#dddddd" !三元牌 |- |[[Image:Mahjong-dragons.jpeg|110px]] |- bgcolor="#dddddd" !花牌 |- |[[Image:Mahjong-flowersseasons.jpeg|110px]] |}  全部で5門34種136枚ある。5門とは万子(ワンズ)、筒子(ピンズ)、索子(ソウズ)、風牌(カゼハイ)、三元牌(サンゲンパイ)の区別のこと。  万子、筒子、索子の3門を数牌(シュウパイ・カズハイ)、風牌、三元牌の2門を字牌(ツーパイ・ジハイ)というが数牌はそれぞれ9種の区別があり、字牌は風牌が4種、三元牌は3種の区別がある。  これらが4枚ずつで136枚である。  数牌のうち、1と9の牌を老頭牌(ロウトウハイ)といって特別視するが、これと字牌は合わせて么九牌(ヤオチュウパイ)と呼ばれやはり特別視される。  また、数牌の2,3,4,5,6,7,8の牌は中張牌(チュンチャンパイ)と呼ばれる。  花麻雀ではこれらのほかに花牌と呼ばれるものが使われる。 ==その他の用具==  この項では牌以外のものについて説明する。 '''点棒'''(テンボウ)は一種のゲーム内通貨で試合終了時にどれだけ所持しているかということで勝敗が決まる。 '''賽子''' 六面ダイス二個を用いる。麻雀用の12面ダイスも存在する。 '''雀卓''' 専用の物が便利。専用マットや全自動卓なるものも存在する。 '''起家マーク''' 起家を示す。また圏風を表示する。 このほかにチップ、焼き鳥マークがある。 ==ゲームの目的==  麻雀では何を目的にするべきでしょう。半荘ごとにはやはりトップ目を取ることでしょうか。ではより短く1ゲームごとには、これは点棒を得ることと点棒を失わないこと。点棒を得るためにはまず和了ること。次に聴牌すること。点棒を失わないためには振り込まないこと。これらに深く関係しているのが'''ヨンメンツイチジャントウ'''という呪文である。  まず、'''雀頭'''(ジャントウ)とは麻雀で和了るために必要な手形のようなもので同種の牌2枚からなる。少なくとも立直麻雀ではこの雀頭なしに和了ることはできない。  次に、'''面子'''(メンツ)ですが雀頭が手形ならば面子は品物でしょうか。この品物には3つの品種がある。1つ目は刻子(コーツ)、次に槓子(カンツ)、最後に順子(シュンツ)。刻子は同種の牌3枚からなり、槓子はなんと同種の牌4枚からなります(麻雀で同種の牌は4枚しかありません)。難度の高さから槓子は刻子の4倍高い符が与えられています。順子は特別かつ最弱の面子で数牌の連なった3枚の牌からなる。数牌のみでしかも同門の牌でないと作ることができないのに符は全く得られない。明らかに作りやすさのためですが。もう一度だけ書きます。「同門の連続した並びの数牌3枚」これが順子の構成要素である。  さて、すでにお分かりのことと思いますが。四面子一雀頭とは4つの面子と1つの雀頭という意味で、麻雀の和了りの形を指す。麻雀は手牌を組み替えることでこの四面子一雀頭の完成を目指すゲームであって、また他家の四面子一雀頭の完成を阻止する(少なくとも加担しない)ゲームなのである。  例外がある。七対子と{{Lang|zh|十三么九}}(シーサンヤオチュー・国士無双)である。七対子は七種(7つでない)の雀頭を、{{Lang|zh|十三么九}}は13種の{{Lang|zh|么九牌}}(1枚が重複して雀頭を形成していること)を集めることで成立する手役で雀頭はあるが面子はない。しかし、これらの形でも和了れることになっている。 ==点数計算==  立直麻雀では複雑な方法によって得失点を算出する。  まず、和了ることで得られる得点がある。副底(フーテイ)と呼ばれるものでこれが20符ある。副底は門前清栄和の場合10符加算されますが、これは門前加符と呼ばれます。  また、摸和了った場合は自摸点2符を得られます。これは門前清でなくとも構わない。  次に部分点を見ていきます。部分点とは和了の形に付く点のことである。部分点は雀頭、面子、待ちの3つに付きます。和了形の部分に付くから部分点である。  まず、雀頭が役牌であるとき2符を得ます。連風牌の雀頭に4符を付けることもある。面子では中張牌の明刻子の2符を最低として、中張牌と么九牌、明刻子と暗刻子、明槓子と暗槓子を比べて2倍に、刻子と槓子を比べて4倍になるように符が決まっている。順に、中張牌明刻子2符、么九牌明刻子4符、中張牌暗刻子4符、么九牌暗刻子8符、中張牌明槓子8符、么九牌明槓子16符、中張牌暗槓子16符、么九牌暗槓子32符となる。さて、'''待ち'''とは何が和了り牌かという意味で使う言葉ですが、符計算では和了牌を受け入れたのはどういう部分かという位の意味である。言い換えればどういう形で和了ったかということで、単騎和(タンキホー・単騎待ち)、嵌張和(カンチャンホー・嵌張待ち)、辺張和(ペンチャンホー・辺張待ち)にそれぞれ2符付きます。  次に基本点を算出する。基本点は前述の符合算し1の位で切り上げたものに、手役とドラで得られる翻の数に2を足した数だけ2を掛け合わせたものを掛けることで得られます。  式にすると、基本点Bは符をf、翻をhとして、 B=f*2^(h+2) となる。  ここで、基本点が2000点を超えていないことを確認して行うようにする。基本点が2000点を超える場合は役満貫となり翻によってのみ得点が決まる。  役満貫は満貫、跳満、倍満、三倍満、数え役満(四倍満)の5つがある。それぞれ基本点が満貫(5翻以上)2000点、跳満(6翻以上)3000点、倍満(8翻以上)4000点、3倍満(11翻以上)6000点、数え役満(13翻以上)8000点となる。  ではいよいよ支払である。まず、摸和了りの場合を見ていきます。和了者が散家ならば他家の支払いは額は、散家が基本点の1倍、荘家が基本点の2倍となる。和了者が荘家の場合は、他家は基本点の2倍を支払う。栄和了りの場合は放銃者が前述の全額を負担する。つまり親満(荘家の和了った満貫)に振り込んだ場合の失点は12000点となる。  ところで、100以下の点数をやり取りできないことに気づきましたか。端数が出た場合は10の位で切り上げて支払を行う。  なお、立直麻雀の点数計算には例外がある。1、前述の役満貫に加えて2、平和形(部分点が付かない形)の摸和りは20符、3、栄和りは30符、3、七対子は25符、4、役満は四倍満となる。  このほかに積符やリー棒、不聴罰符が得失点として考えられますがこれらは他の節に譲る。 ==その他の得失点== ===積み符===  連荘すると積み場となる場合がある。積み場となると規定により100点棒が供託扱いとなりこれが和了者の取り分となる。例えば、1本場300点のルールで東1局1本場東家のツモ和了りとなれば各々の支払いに100点が加わることになる。同じルールで南2局2本場南家に東家が放銃すれば支払いに600点が加わることになる。 ===供託===  和了者は和了り点のほかに供託された点棒を得ることができる。 ====立直料====  立直者は立直料を供託する必要がある。立直料は普通1000点である。 ====錯====  錯(ツオ)はゲームの進行を不可能にしないが妨げたという程度の行為で、和了り放棄とするのが普通だが規定により1000点の供託で免れられることがある。 ===不聴罰符===  普通、場3000点としこれを不聴者が聴牌者に折半して支払う。例としては、2人聴牌の時、聴牌者にはそれぞれ1500点が不聴者より支払われる。 ===錯和===  錯和(ツオフー・チョンボ)はゲームの進行を妨げることをいい、発覚を以って満貫払いとする。散家の錯和の場合、散家に2000点、荘家に4000点。荘家の錯和の場合、他家に4000点ずつ支払う。 ==試合を始める== ===座位と起家の決定===  座位を決めるには掴み取りという方法がある。風牌4種を用意し、伏せて洗牌し、各々これを取る。東を引いた者を仮東とし、その者が席を決め、その右隣に南を引いた者が、そのまた右に西が、その右に北を引いた者が座るといものである。  起家は二度振りによって決める。まず、仮東が賽を振る。出目の数だけ仮東から右に数え、当ったものが賽を振る。賽を振ったものから出目だけ右に数え当ったものが起家となる。 ===座位と起家の決定2===  上記の掴み取りと二度振りには以下のような方法もある。 *伏せて洗牌した風牌4種を数牌の奇数と偶数の牌とで挟む。 *任意の者が賽を振り右回りに数えることで仮東を決める。 *仮東が賽を振り起家を決める。 *仮東の振った賽の目が、奇数なら奇数の側から、偶数なら偶数の側から、起家から順に風牌を取っていきます。 *東を引いた者が仮東の席に付き、右回りに南、西、北と座る。 ==ゲームを始める== ===洗牌===  まずは洗牌(シーパイ)をする。牌を卓に伏せ、静かに側面を押すことで混ぜる。 ===牌山===  次に牌山を築きます。卓の淵に5枚の牌を並べてください。そして両脇に更に3枚ずつ並べる。もう一度両脇に3枚ずつ並べる。同じことをもう一度やる。始めに作った牌の列の上に次に作った牌の列を載せます。この時、小指で両脇を押し、親指と人差し指で真ん中を持ち上げるようにする。慣れないうちは半分ずつ載せるようにしましょう。 ===砌牌===  次に牌山の先頭と末尾を決める。このことを砌牌(チーパイ)といいます。砌牌は一度振りによって行われる。親が賽を振り、親から右に出目だけ数えていき、当った者が自分の前の牌山でやはり右から出目だけ数え上げ、そこで右に分けます。 ===配牌===  読んで字の如く牌を配ることである。東家、南家、西家、北家の順に先頭から2幢ずつ3度とる。最後に1枚ずつやはり先頭から順に取る。この時、東家はさらに第一自摸の分も一緒に取ることに成っているのですが、この行為を「チョンチョン」と呼びます。 ===ドラ===  ドラ表示牌を開きます。1枚目のドラ表示牌は牌山の末尾から左、3幢目の上である。嶺上牌を落とさないように注意して行うようにする。 ==ゲームの進行==  親の打牌でゲームスタートである。ゲームは取牌(チュパイ)と打牌(ダハイ)によって進行する。取牌は後述するツモ(自摸・摸)、チー(吃)、ポン(碰)、カン(槓)、ロン(栄)の5つの行為のことをいい、打牌は手牌から河に牌を捨てることとその時捨てられた牌をいいます。取牌した人は和了りがないならば必ず打牌をしないといけない。  以下、取牌について記述する。 *牌山から牌を手牌に加えることをツモといいます。基本的に牌山を卓の外側から見て右端上、先頭の牌を取ることに成る。基本的にと書いたのは例外があるためである。これは後述する。 *上家の打牌を手牌に加え順子を作る行為をチーといいます。チーの手順は、まず、チーと発声し、任意の塔子(ターツ・一枚かけた面子)を倒牌し、上家の打牌を取り、塔子の右に横にして付け、これらを自分の地の右側に置くというものになる。 *他家の打牌を手牌に加え刻子を作る行為をポンといいます。ポンの手順は、チーに準じます。発声はポンである。つまり、ポン→パタ→スッ→カッとなる。取った牌は横にして上家からとったのならば右に下家から取ったのならば左にである。対面から取った場合は間に挟む。なお、ポンはツモとチーに優先する。しかし著しく遅れた場合はその限りではありない。 *カンは槓子を作るために発声し牌を副露することをいいます。カンには3つあり、1、ツモの後、槓子を副露する暗槓。2、他家の打牌を手牌の刻子に加え合わせて副露する大明槓。3、ツモの後、副露した刻子に牌を加えて槓子を作る小明槓或いは加槓。の3つである。なお、大明槓と小明槓を合わせて明槓と呼びます。大明槓の場合は概ねポンと同じです(カンはチーに優先します)。カンをした時の特権として嶺上牌をツモることができる。嶺上牌とは牌山の末尾の牌のことである。カンをするときの発声はカンである。 *ロンは別の言い方で出和了りまたは栄和(ロンホー)または栄和了りと呼び、聴牌時のみ宣言でき、刻子、順子のみならず雀頭を作るためにも他家の打牌を取ることができます。  ところで、ツモによって和了ることをツモ和了りまたは自摸和と呼び、ツモと宣言する。前述のロンと加えて、和了(ホーラ・アガリ)と呼ばれ、宣言したプレイヤーの勝利でゲームが終了する。宣言したプレイヤーは倒牌し手牌を整理し、他家に和了りを確認させる。  さて、ツモと打牌を合わせて摸打(モーダ)といいます。打牌を取ることを鳴きといいます。このことを合わせて整理すれば麻雀は、和了りや鳴きがない限り摸打を繰り返す。というものになる。  最後に流局について述べる。流局とは和了りのないゲームの終了のことである。牌山が王牌の14枚を残して途切れた時、最後の打牌で和了りがないことを荒牌平局(ホワンパイピンチュー)或いは平局(ヘイキョク)といって、流局とする。平局したら手牌が聴牌していたものは倒牌し不聴罰符を受け取る。  流局にはこのほかに途中流局といって条件を満たせば流局させることができるというものがありますが、詳しくは他の節に譲る。 ==試合を終える==  試合が終了した後以下のように点棒をポイントに兌換する。このとき順位点(ウマ)やトップ賞(オカ)をやり取りし、最終的な成績とする。 0、以下の1、2、3を二着目、三着目、ラス目の者の得点に対して行う 1、得点を百の位で'''五捨六入'''し、1000で割る。 2、各々の得点から既定分の得点を引く。 3、各々の得点に既定分の得点を足す。 4、以上から得られた値を足し合わせ100から引く。これがトップ目の得点。  2では、配給原点が25000点の場合は引く数は30となりますが(二万五千点持ちの三万点返し)、30000点の場合は0となります(三万点持ちの三万点返し)。3では、トップ目から、+30、+10、-10、-30(ワンスリー)とする場合と+20、+10、-10、-20(ワンツー)とする場合の二つが多いようである。 ==ルールの例==  筆者自作のルールブックを一例として掲載する。 用具 *麻雀牌  数牌   筒子 一筒、二筒、三筒、四筒、五筒、六筒、七筒、八筒、九筒   索子 一索、二索、三索、四索、五索、六索、七索、八索、九索   萬子 一萬、二萬、三萬、四萬、五萬、六萬、七萬、八萬、九萬  字牌   三元牌 白板、緑発、紅中   四喜牌 東風、南風、西風、北風                            各4枚  次牌といったとき、前記の右に対して左。末尾は先頭に戻る。 点棒 *1万点棒4本 *5千点棒8本 *千点棒16本 *百点棒100本 *賽子  六面賽2個 *起家マーク  板状で、表に東、裏に南が書いてあるもの。 *雀卓  天板がクッション素材で覆ってあり、縁が出っ張っているもの。 重要概念 *荘家(ちゃんちゃ) 所謂親 *散家(さんちゃ) 所謂子 *起家(ちーちゃ) 最初の荘家 *仮東(かりとん) 仮の東家 *東家(とんちゃ) 荘家のことを門風から見た時東家という。 *南家(なんちゃ) 荘家の下家を門風から見ていう。 *西家(しゃーちゃ) 荘家の対面を門風から見ていう。 *北家(ぺーちゃ) 荘家の上家を門風から見ていう。 *上家(かみちゃ) 自分の左手側のプレイヤーのこと。 *対面(といめん) 自分の向い側のプレイヤーのこと。 *下家(しもちゃ) 自分の右手側のプレイヤーのこと。 *他家(たーちゃ) 自分以外のプレイヤーのこと。 *一度振り(いちどぶり) 賽を振り、賽を振った者始点に右回りに出目の数だけ数え上げる。 *右回り 対局人員に対していえば始点の者から右手側にということである。 *牌山(ぱいやま) 山にした牌。二段の井形に組み、重ねられた二枚を1幢と数える。 *河(ほー) 牌山を基準に卓の内側。 *地(ちー) 牌山を基準に卓の外側。 *洗牌(しーぱい) 牌を伏せて掻き混ぜること。 *手牌(てはい) 自分で持っている牌のこと。地に置き、13枚を原則とし、1槓あるごとに1枚を増す。 *王牌(わんぱい) 牌山の末尾の14枚のこと。 *嶺上牌(りんしゃんぱい)牌山の末尾の牌のこと。 *海底牌(はいていぱい) 王牌の直前の牌のこと。 *河底牌(ほーていぱい) 海底牌を自摸した者の打牌のこと。 *純粋な1順 鳴きの入らないという意味。 *鳴き 吃、碰、大明槓のこと。 *場 親の一巡するまでに行ったゲームを纏めて圏風から東場と呼ぶ。2巡目では南場である。 *1荘(いーちゃん) 東場、南場、西場、北場を合わせて1荘と数える。 *聴牌(てんぱい) あと1枚足せば和了ることができるという状態を聴牌という。また、聴牌していないことを不聴という。 *門前清(めんぜんちん) 鳴いていない状態のことを門前清という。 *老頭牌(ろうとうはい) 数牌の1と9のもの。 *么九牌(やおちゅーぱい)老頭牌と字牌のこと。 対局の基本 *対局人員は4人とする。 *東南半荘を以って一回戦とする。 *全局で和了るためには手役一飜が必用とする。 *対局の準備 *座位と起家は次のように決める。イ、各々任意の席に着く。ロ、四喜牌4種4枚を伏せ洗牌し並べる。ハ、奇数番と偶数番の数牌でそれを挟む。二、任意の者が一度振りによって仮東を決める。ホ、仮東が一度振りで起家を決める。ヘ、ホの出目が偶数なら偶数番の奇数番なら奇数番の牌の側がロの牌の先頭となる。ト、起家から右回りに先頭の牌を取っていく。牌に従って座位を入れ替える。即ち仮東の座っていた位置に東を引いた者が座り、以下それに倣う。 *点棒は均等に分ける。 *起家マークは表を上にして起家の地の右端に置く。 ゲームの準備 *牌を洗牌する。 *牌山を組む。 *砌牌する。荘家の一度振りによって誰が砌牌するか決め、当った者は出目の数だけ自分の前の牌山で右端から左に数え上げる。当たった所が牌山の最終幢である。 *配牌する。牌山の荘家から順に牌山の先頭2幢を3度取る。次に先頭から1枚ずつやはり順に取るがこのとき荘家は第一自摸の分の牌もとる。 *ドラ表示牌を開ける。末尾から3幢目の上段を裏返す。 *賽子は荘家の地の右端に置く。 ゲームの進行 *取牌と打牌を繰り返すことで進行する。取牌した者は打牌しないといけない。 *取牌は次の4つとする。1、自摸(つも)2、吃(ちー)3、碰(ぽん)4、槓(かん) *自摸は牌山からの先頭から1枚取ること。またはカンした時嶺上牌を取ること。 *吃は上家の捨牌を発声し手牌に加え順子を作り副露することをいう。吃は自摸に優先する。 *碰は他家の捨牌を発声し手牌に加え刻子を作り副露することをいう。碰は吃に優先する。 *槓は他家の捨牌を発声し手牌に加え槓子を作り副露することをいう。槓は碰に優先する。 *打牌は河に手牌から1枚牌を捨てることをいう。また、捨てられた牌を捨牌という。 *槓は前述の明槓(みんかん)のほかに自摸した牌を手牌に加え槓子を作り発声し副露する暗槓と、自摸した牌を発声し副露した刻子に加え槓子を作る加槓がある。 *明槓と加槓を合わせて明槓ともいい、この場合明槓を大明槓と呼び、加槓は小明槓と呼ぶことで区別する。 *槓子は副露して初めて認める。 *槓した時嶺上牌を自摸する。 *槓をすれば槓ドラが開けられる。 *海底牌を自摸した者は槓できない。 ゲームの終了 *ゲームの終了は和了(ほーら)と流局(りゅうきょく)の2つとする。 *和了は自摸和(つもほー)と栄和(ろんほー)の2つとする。 *自摸和は摸によって手役を成立させ発声し倒牌する。 *栄和は聴牌時に宣言でき、他家の捨牌を発声し手牌に加え倒牌する。 *和了した時手牌を整理し他家に確認させること。 *和了者は必ず1家として、ツモの順番の速い方を優先とする。 *流局は次のとする。 *荒牌平局(ほわんぱいぴんちょー) 河底牌で和了りがないとき。 *四風連打(すーふーれんだ) 純粋な1順目の打牌で同一の四喜牌が4枚全て捨てられる。 *四槓散了(すかんさんら) 4回槓がされる。 *九種九牌(きゅうしゅきゅうはい) 純粋な1巡目の自摸で9種以上の么九牌を揃える。 *錯和流局(ちょんぼりゅうきょく) 錯和がある。 輪荘と連荘 *荘家が和了ったとき、連荘とし、荘家は次位に移らず、積み場となる。 *散家の和了ったとき、輪荘とし、荘家は次位に移り、積み場とならない。 *荘家が聴牌しての平局は連荘とし、荘家は次位に移らず積み場となる。 *荘家が不聴での平局は輪荘とし、荘家は次位に移り積み場となる。 *四風連打、四槓散了、九種九牌では輪荘とし、荘家は次位に移り積み場とならない。 *錯和流局では連荘とし、荘家は次位に移らず、積み場とならない。 *ここでいう次位とは下家のこと。 対局の終了 *次の条件を満たしたとき、対局を終了とする。 *親番が二巡する。 *最後の荘家がトップ目のとき終了を宣言する。 *支払いのできないものが現れる。 振聴 *和了り牌を自ら捨てていることを振聴という。 *振聴のとき出和了りできない。出和了りとは栄和のこと。 *和了り牌の見逃しも振聴である。この場合は自己の自摸を経ることで出和了りできるようになる。 *立直後の和了り牌の見逃しも振聴である。この場合はもはや出和了りできない。 不聴罰符 *平局のとき不聴ならば罰符を聴牌者に支払う。 *不聴罰符は場3000点とし、他の不聴者と折半する。 *端数は切り上げること。 *聴牌は形式聴牌でよい。 懸賞牌 *ドラはドラは王牌の最後尾から3童目の上段が表示牌となる。 *槓があるごとに表示牌の左隣りの牌も表示牌とする。なお、暗槓では先開け、明槓では後開けとする。 *立直を掛けたものが上がったとき表示牌の下の牌も表示牌となる。 *ドラは表示牌の次牌とする。 *ドラは表示牌の枚数をH、ドラの枚数をDとして、HD(翻)を収支に加える。 収支 *和了点20符 *門前加符10符 *自摸点2符 *部分点イ、雀頭。三元牌、圏風牌、門風牌、各2符。連風牌4符。ロ、面子。中張牌明刻子2符、中張牌暗刻子2符、一九牌明刻子4符、一九牌暗刻子8符、中張牌明槓子8符、中張牌暗*槓子16符、一九牌明槓子16符、一九牌暗槓子32符 ハ、和了形。辺張和、嵌張和、単騎和各2符。 *七対子は25符とする。 *平和形の自摸和了りは20符とする。 *平和形の栄和了りは30符とする。 *基本点Eは符をf、翻をhとして E=f*2^(h+2) とする。 *イ、散家の和了りの場合、散家は基本点*1、荘家は基本点*2を支払う。ロ、荘家の和了りの場合、他家は基本点*2を支払う。 *栄和了りの場合、放銃者の責任払いとする。 *支払いは計算結果の10^1位で切り上げて行う。 *基本点が2000以上の和了りを役満貫とする。 *役満貫はイ、満貫(5翻以上)、ロ、跳満(6翻以上)、ハ、倍満(8翻以上)、ニ、三倍満(11翻以上)、ホ、四倍満(13翻以上)、の5つとする。 *基本点はそれぞれ、イ2000点、ロ3000点、ハ4000点、ニ6000点、ホ8000点とする。 *役満の基本点は8000点とする。 *不足が出たら他家が折半して負担する。端数が出たら順位が変わらないように調整すること。 *和了形が複数通り解釈できる時は、打点の高くなる方を採用する。 積み符 *積み場の時、支払いに積まれた符の数掛ける100(点)を増す。 *積み符も放銃者の責任払いとする。 *一度和了りが出れば積み符は0に戻る。 供託 *供託された点棒は和了者が全て獲得する。 *南4局に和了りがないときは、返還される。 罰則 *次の行為を錯和とする。 *イ、自己若しくは他家の手牌を倒す。ロ、聴牌形の変わる立直後の暗槓。ハ、不聴で立直を掛ける。ニ、振聴で和了を宣言し倒牌する。ホ、自摸番ではないのに自摸する。 *錯和は競技中の発覚を以って満貫払いとする。 *錯和は他家に正当な和了のあった場合、免れる。 *錯和が在った時役満3待聴以内の手牌を持っているものはその代償を錯和者に求めることができる。 *以下の行為を錯とする。 *イ、誤って和了を宣言する。ロ、規定よりも多い或いは少ない牌を持っている。ハ、吃、碰、槓を取りやめる。ニ、吃、碰、槓をして誤った牌を副露する。ホ、誤って吃、碰、槓を宣言をする。ヘ、5枚以上の見せ牌。見せ牌とは見るべきではない牌を見せることをいう。 *錯はその発覚を以って和了放棄とする。 *錯は訂正が可能ならば1000点を供託することで免れる。 *前述の行為のほかにゲームの続行を困難にする行為を錯和、ゲームの進行を妨げる行為を錯とする。 手役 *次の手役を認める。手役の複号を認める。役満は他の役と複合しない。*は食い下がり1翻。#門前清のみ。 *立直#(イ、門前清聴牌の時、立直を宣言することができる。ロ、立直の発声と牌の横向けが在って有効となる。ハ、立直料は1000点とする。ニ、立直は自摸牌が在り打牌時に限り宣言し取*り消しはできない。ホ、立直の後聴牌形を変えることはできない。ヘ、和了っている牌を打って立直の宣言はできないが1巡後ならばできる。1翻) *二立直#(純粋な一巡目で立直を掛ける。立直と複合しない。2翻) *一発(立直を掛け、1巡以内で和了る。1翻) *箭刻(三元牌の刻子或いは槓子を作る。1翻) *小三元(三元牌の刻子或いは槓子が2つあり、雀頭が三元牌である。2翻) *大三元(全ての三元牌で刻子或いは槓子を作る。役満) *門風刻(自風牌の刻子或いは槓子を作る。1翻) *圏風刻(場風牌の刻子或いは槓子を作る。1翻) *小四喜(風牌の刻子或いは槓子が3つあり、雀頭が風牌である。役満) *大四喜(全ての風牌で刻子或いは槓子を作る。役満) *平和#(符の付かない聴牌形での和了。1翻) *一盃口#(同一の順子を2つ作る。1翻) *二盃口#(一盃口を2組作る。一盃口と複合しない。3翻) *三色同順*(3色の数牌で同一の並びの順子がある。2翻) *一気通貫*(1色の数牌で123,456,789の順子を作る。2翻) *九蓮宝燈#(一色で1112345678999と並べ1つが重複。役満) *三色同刻(3色の数牌で同一の数の刻子或いは槓子がある。2翻) *七対子(対子を7つ揃える。4つ使いを認めない。2翻) *対々和(全ての面子が刻子或いは槓子である。2翻) *三暗刻(3つの面子が暗刻子或いは暗槓子である。2翻) *四暗刻(全ての面子が暗刻子或いは暗槓子である。役満) *三槓子(3つの面子が槓子である。2翻) *四槓子(全ての面子が槓子である。役満) *断一九*(一九牌のない。1翻) *混全帯一九*(雀頭と全ての面子に一九牌が含まれる。2翻) *純全帯一九*(雀頭及び全ての面子に老頭牌が含まれる。混全帯一九と複合しない。3翻) *混老頭(一九牌のみを使う。2翻) *清老頭(老頭牌のみを使う。役満) *混一色*(2色の数牌を使わない。3翻) *清一色*(一色の数牌のみを使う。混一色と複合しない。6翻) *字一色(字牌のみを使う。役満) *国士無双(全ての一九牌を集めうち1つが雀頭になる。役満) *門前清自摸和#(門前清聴牌から自摸和了る。1翻) *海底摸月(海底牌で和了る。1翻) *河底摸珠(河底牌で和了る。1翻) *嶺上開花(嶺上牌で和了る。1翻) *槍槓(他家が加槓した時、その牌が和了り牌であるならば刺すことができる。また国士無双を聴牌している場合は例外として暗槓での槍槓を認める。1翻) *地和(散家の時、純粋な一巡目の自摸で和了る。役満) *天和(荘家の時、配牌で和了っている。役満) ==色々な麻雀== 麻雀のルールは多様であり、様々なローカルルールが存在する。 ===ありあり===  後付けルールと喰い断ルールの適用の有無を確認することがある。後付けとは役牌の刻子を作る前に他の牌を鳴く行為のこと。喰い断とは鳴いて作ったタンヤオのこと。  本来「後付けあり喰い断あり」などというべきところを「ありあり」などと省略することが多い。  麻雀の解説書は関東ルールを基本として書かれることが多いためか、最近では関東の「ありあり」ルールが初心者を中心に関西でも広がってきている。 *'''ありあり''' 後付けあり、喰い断あり。 *'''ありなし''' 後付けあり、喰い断なし。 *'''なしあり''' 後付けなし、喰い断あり。あまり採用されない。 *'''なしなし''' 後付けなし、喰い断なし。 === 競技ルール === 大会競技などの際、純粋に腕前だけを試す目的で、偶然性の強い「一発」、「裏ドラ」、「槓ドラ」などがなかったりする。 ===赤あり===  赤ドラと呼ばれる牌を用いるルール。赤ドラは1枚につき1飜を得られる。数牌3門の5一枚ずつを交換するものをはじめ、五筒二枚を交換するもの、また青や金だったりすることもある。 ===中麻===  台湾麻雀のこと、日本の麻雀と大幅にルールが違う。 ===アルシーアル麻雀===  戦前の一般的なルールで立直麻雀の原型。日本麻雀連盟では現在も公式ルールがある。 ==和了るには==  役が必用である。ルールブックで有効役を確認して行うようにする。  しかし、日麻では4面子1雀頭の完成を重視して特に手役を付けることなく和了ることができます。その代表格が立直である。詳しくはルールを参照して行うようにする。  ここではまず、4面子1雀頭を完成させるために塔子(ターツ)という概念について説明する。  塔子とは面子から一枚欠けた牌二枚のことである。塔子には1、対子(同じ牌が二枚)。2、両面塔子(連なった数牌二枚)。3、嵌張塔子(順子の真ん中が抜けた形)4、辺張塔子(端に付いて連なった数牌二枚)。の4つがある。対子が成長すると刻子に、リャンメン、カンチャン、ペンチャンの三つが成長すると順子になる。また対子はそのままで雀頭になる。  麻雀では孤立牌を塔子に、塔子を面子にと順を追って牌を成長させていくことになる。  ところであと一枚で和了ることができるというとき麻雀ではこの状態を聴牌(テンパイ)といいます。さらに後n枚で聴牌できるという状態をn向聴(シャンテン)といいます。n向聴の自然数nを向聴数といいますが、この向聴数を知るためのアルゴリズムがある。まず、塔子、面子及びそれらの複合形をブロックということを覚えておいてください。 1、向聴数X。2、ブロックの個数A。3、A≦4ならば7へ飛ぶ。4、A≧5ならば対子の有無を調べる。5、対子がないA=4。6、対子があるA=5。7、面子の個数B。8、X=8-(A+B)  少しコツが必要ですが向聴数は重要な概念である。よく覚えておいてください。また向聴数は配牌4向聴が普通であり3向聴では良い方だということも合わせて覚えておくとよいでしょう。  さて、運が良ければ塔子を選択する機会が訪れます。この時頼りになるのが受け入れとロスである。受け入れとは向聴数を減らすことができる牌の枚数のことで、ロスとはある牌を切ったときの受け入れの減る数のことである。塔子選択の時受け入れやロスが幾つか意識することで効率よく打牌を選ぶことができる。 ==麻雀の風==  麻雀には風がある。風はRPGの属性のようなもので、上手く利用することで勝を増やすことができるでしょう。 *'''圏風'''(チュワンフォン)1荘は16局であるが、これらは4局ごとに東場、南場、西場、北場と呼ばれる。この東、南、西、北が圏風、所謂場風である。 *'''門風'''(メンフォン)荘家は東家(トンチャ)。荘家の下家が南家(ナンチャ)、対面が西家(シャーチャ)、上家が北家(ペーチャ)である。それぞれ、東、南、西、北が門風、所謂自風である。 *'''連風'''(レンフォン)圏風かつ門風な風。所謂「ダブ東」「ダブ南」のこと。 *'''客風'''(コーフォン)圏風でも門風でもない風。所謂オタ風。 ==麻雀の龍==  懸賞牌事ドラは麻雀の龍である。一枚手牌にあれば一飜が貰える。手役ではないため一飜縛りを和了る資格はない。  ドラは表示牌の次位牌である。牌の次位は数牌ならば、同門で1の次は2、2の次は3、9は1に戻るといった具合である。四喜牌では東南西北の順で北の次は東である。三元牌は白発中、中はやはり白に戻る。 ==麻雀の役==  麻雀には役がある。役者ではなく手役がである。  手役は通常40程度を使用する。直ぐに全てを覚える必要はないでしょう。一部を覚えさえすれば十分ゲームを楽しむことはできる。しかし、一度全てを覚えた後は40という数字を小さく感じるはずである。新しく役を作ってみるのも面白いでしょう。 ==用語集== *卓上 卓上に並べられた牌の山を牌山と呼びます。牌山の内側を河(ホー)外側を地(チー)と呼び、地に配られた牌を手牌(テハイ)、河に捨てられた牌を捨て牌と呼びます。 ===アガリ=== *'''和了'''(ホーラ)アガリ。和了形の完成を宣言すること。 *'''聴牌'''(テンパイ) あと1枚の牌で和了れるという状態ができていること。 *'''放銃'''(ホウジュウ) 振り込み。自分の捨て牌で他家を和了らせること。 ===流局=== *'''流局''' 和了りがなく局が終了すること。 以下は流局の条件の例 *荒牌平局(ホワンパイピンチュー)或いは単に平局(ヘイキョク)誰も和了せずに牌山が途切れてしまったときに流局とする。 *錯和流局(チョンボリュウキョク)だれかがチョンボを行った時に流局とする。 *九種九牌(キュウシュキュウハイ)純粋な一巡目に么九牌が9種以上ある時に宣言し流局させることができる。なお、正式名称は「九種么九牌倒牌」である。 *四風連打(スーフォンツレンタ:スーフーレンダ)純粋な一巡目に4人が同じ風牌を切った時に流局とする。 *四槓散了(スーカンサンラ)もしくは四開槓(スーカイカン)或いは四槓子(スーカンツ)。4回槓が行われたとき流局とする。 *三家和(サンチャホー)3家にロンが在ったとき、流局とする。 *四人立直(ヨニンリーチ)四家立直(スーチャリーチ)とも呼ばれる。4人が立直を行った際に起こる。 ===連荘と輪荘=== *'''連荘'''(レンチャン) 条件が満たされ親番が続行する(荘家が移らない)ことを連荘という。 *'''輪荘'''(リンチャン) 条件が満たされ親番が流れる(荘家が移る)ことを輪荘という。 ===プレイヤー=== *相対位置 左隣の者を上家(カミチャ)、右隣の者を下家(シモチャ)、向かいの者を対面(トイメン)という。 *'''他家''' 自分以外のプレイヤーのことを他家(ターチャ)という。 *'''荘家と散家''' その局の東家を荘家(チャンチャ)と呼ぶ。荘家以外のプレイヤーを散家(サンチャ)と呼ぶ。荘家、散家は親、子とも呼びます。 *'''起家''' 東1局の荘家のこと。要は最初の親。 ===局の呼称===  ○場の□局目を○□局という。連荘し積み場となれば積まれた点棒の数に応じて○□局△本場という。流局し積み場となれば○□局流れ△本場という。 ===一翻縛り===  和了り形には必ず手役1翻が必要とする規則のこと。ドラのみでは1翻縛りを和了る資格はない。 ===度量法===  *時間  1荘=16局  1局は必ず1ゲーム以上ある。  1ゲームとは配牌(ハイパイ)から和了りあるいは平局までのこと。 *牌山  牌は2段の山に組まれる。この時、重ねられた二枚を1幢(トン)と数える。 *得点  1ポイント=1000点(100の位で五捨六入する)。  符 和了と聴牌形に付く得点。  翻(ハン) 手役とドラ、場に付いて得点を吊上げる。 ===1回戦===  立直麻雀では普通1回戦は半荘行う。東風戦で行うこともある。 *'''半荘'''(ハンチャン) 多くは東場と南場を行う。 *'''東風戦'''(トンプウセン) 東場のみ行う。 {{DEFAULTSORT:まあしやん}} [[Category:ゲーム]] {{stub}}
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家政学
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<small> [[中学校の学習]] > [[中学校社会 地理]] > 都道府県</small> 本ページはウィキブックス教科書として、中学校の社会科の地理分野の学習で用いる、参考用のページである。 本ページからリンクされた各都道府県のページでは、おもに中学生の学習向けに都道府県の説明を行う。 2014年の現在では、中学の社会科地理の検定教科書では、各都道府県ごとの個別の詳細な説明は行われていない。そのため、このリンク先の都道府県ページは、教科書の参考資料用および、高校受験の地理の参考書を兼ねるとする。 == 地域順の一覧 == それぞれの地域のページにジャンプする。 カッコ内は JIS X 0401 による都道府県コード。北から順につけられている。 *'''[[地理 北海道|北海道]]''' (01) *'''東北地方''':[[日本のすがた 地理 都道府県/青森県|青森県]] (02) - [[地理 岩手県|岩手県]] (03) - [[日本のすがた 地理 都道府県/宮城県|宮城県]] (04) - [[日本のすがた 地理 都道府県/秋田県|秋田県]] (05) - [[日本のすがた 地理 都道府県/山形県|山形県]] (06) - [[日本のすがた 地理 都道府県/福島県|福島県]] (07) *'''関東地方''':[[日本のすがた 地理 都道府県/茨城県|茨城県]] (08) - [[日本のすがた 地理 都道府県/栃木県|栃木県]] (09) - [[日本のすがた 地理 都道府県/群馬県|群馬県]] (10) - [[日本のすがた 地理 都道府県/埼玉県|埼玉県]] (11) - [[日本のすがた 地理 都道府県/千葉県|千葉県]] (12) - [[日本のすがた 地理 都道府県/東京都|東京都]] (13) - [[日本のすがた 地理 都道府県/神奈川県|神奈川県]] (14) *'''中部地方''': **'''[[日本のすがた 地理 都道府県/北陸地方|北陸地方]]''':[[日本のすがた 地理 都道府県/新潟県|新潟県]] (15) - [[日本のすがた 地理 都道府県/富山県|富山県]] (16) - [[日本のすがた 地理 都道府県/石川県|石川県]] (17) - [[日本のすがた 地理 都道府県/福井県|福井県]] (18) **'''甲信地方(中央高地)''':[[日本のすがた 地理 都道府県/山梨県|山梨県]] (19) - [[日本のすがた 地理 都道府県/長野県|長野県]] (20) **'''[[日本のすがた 地理 都道府県/東海地方|東海地方]]''':[[日本のすがた 地理 都道府県/岐阜県|岐阜県]] (21) - [[日本のすがた 地理 都道府県/静岡県|静岡県]] (22) - [[日本のすがた 地理 都道府県/愛知県|愛知県]] (23) - [[日本のすがた 地理 都道府県/三重県|三重県]](24) *'''近畿地方''':[[日本のすがた 地理 都道府県/滋賀県|滋賀県]] (25) - [[日本のすがた 地理 都道府県/京都府|京都府]] (26) - [[日本のすがた 地理 都道府県/大阪府|大阪府]] (27) - [[日本のすがた 地理 都道府県/兵庫県|兵庫県]] (28) - [[日本のすがた 地理 都道府県/奈良県|奈良県]] (29) - [[日本のすがた 地理 都道府県/和歌山県|和歌山県]] (30) *'''中国地方''':[[日本のすがた 地理 都道府県/鳥取県|鳥取県]](31) - [[日本のすがた 地理 都道府県/島根県|島根県]] (32) - [[日本のすがた 地理 都道府県/岡山県|岡山県]] (33) - [[日本のすがた 地理 都道府県/広島県|広島県]] (34) - [[日本のすがた 地理 都道府県/山口県|山口県]] (35) *'''四国地方''':[[日本のすがた 地理 都道府県/徳島県|徳島県]] (36) - [[日本のすがた 地理 都道府県/香川県|香川県]] (37) - [[日本のすがた 地理 都道府県/愛媛県|愛媛県]] (38) - [[日本のすがた 地理 都道府県/高知県|高知県]] (39) *'''九州地方''':[[日本のすがた 地理 都道府県/福岡県|福岡県]] (40) - [[日本のすがた 地理 都道府県/佐賀県|佐賀県]] (41) - [[日本のすがた 地理 都道府県/長崎県|長崎県]] (42) - [[日本のすがた 地理 都道府県/熊本県|熊本県]] (43) - [[日本のすがた 地理 都道府県/大分県|大分県]] (44) - [[日本のすがた 地理 都道府県/宮崎県|宮崎県]] (45) - [[日本のすがた 地理 都道府県/鹿児島県|鹿児島県]] (46) *'''琉球諸島''':[[日本のすがた 地理 都道府県/沖縄県|沖縄県]] (47) [[File:都道府県コード.png|600x1000px|都道府県コードの地図]] == 五十音順の一覧 == * '''あ''' - [[日本のすがた 地理 都道府県/愛知県|愛知県]] [[地理 青森県|青森県]] [[日本のすがた 地理 都道府県/秋田県|秋田県]] [[日本のすがた 地理 都道府県/石川県|石川県]] [[日本のすがた 地理 都道府県/茨城県|茨城県]] [[地理 岩手県|岩手県]] [[日本のすがた 地理 都道府県/愛媛県|愛媛県]] [[日本のすがた 地理 都道府県/大分県|大分県]] [[日本のすがた 地理 都道府県/大阪府|大阪府]] [[日本のすがた 地理 都道府県/岡山県|岡山県]] [[日本のすがた 地理 都道府県/沖縄県|沖縄県]] * '''か''' - [[日本のすがた 地理 都道府県/香川県|香川県]] [[日本のすがた 地理 都道府県/鹿児島県|鹿児島県]] [[日本のすがた 地理 都道府県/神奈川県|神奈川県]] [[日本のすがた 地理 都道府県/岐阜県|岐阜県]] [[日本のすがた 地理 都道府県/京都府|京都府]] [[日本のすがた 地理 都道府県/熊本県|熊本県]] [[日本のすがた 地理 都道府県/群馬県|群馬県]] [[日本のすがた 地理 都道府県/高知県|高知県]] * '''さ''' - [[日本のすがた 地理 都道府県/埼玉県|埼玉県]] [[日本のすがた 地理 都道府県/佐賀県|佐賀県]] [[日本のすがた 地理 都道府県/滋賀県|滋賀県]] [[日本のすがた 地理 都道府県/静岡県|静岡県]] [[日本のすがた 地理 都道府県/島根県|島根県]] * '''た''' - [[日本のすがた 地理 都道府県/千葉県|千葉県]] [[日本のすがた 地理 都道府県/東京都|東京都]] [[日本のすがた 地理 都道府県/徳島県|徳島県]] [[日本のすがた 地理 都道府県/栃木県|栃木県]] [[日本のすがた 地理 都道府県/鳥取県|鳥取県]] [[日本のすがた 地理 都道府県/富山県|富山県]] * '''な''' - [[日本のすがた 地理 都道府県/長崎県|長崎県]] [[日本のすがた 地理 都道府県/長野県|長野県]] [[日本のすがた 地理 都道府県/奈良県|奈良県]] [[日本のすがた 地理 都道府県/新潟県|新潟県]] * '''は''' - [[日本のすがた 地理 都道府県/兵庫県|兵庫県]] [[日本のすがた 地理 都道府県/広島県|広島県]] [[日本のすがた 地理 都道府県/福岡県|福岡県]] [[日本のすがた 地理 都道府県/福井県|福井県]] [[日本のすがた 地理 都道府県/福島県|福島県]] [[地理 北海道|北海道]] * '''ま''' - [[日本のすがた 地理 都道府県/三重県|三重県]] [[日本のすがた 地理 都道府県/宮城県|宮城県]] [[日本のすがた 地理 都道府県/宮崎県|宮崎県]] * '''や''' - [[日本のすがた 地理 都道府県/山形県|山形県]] [[日本のすがた 地理 都道府県/山口県|山口県]] [[日本のすがた 地理 都道府県/山梨|山梨県]] * '''わ''' - [[日本のすがた 地理 都道府県/和歌山県|和歌山県]] == 各地方の全体説明 == :(※ ウィキブックス教科書本体へのリンク) *[[中学校社会 地理/日本の諸地域 九州地方]] *[[中学校社会 地理/日本の諸地域 中国地方・四国地方]] *[[中学校社会 地理/日本の諸地域 近畿地方]] *[[中学校社会 地理/日本の諸地域 中部地方]] *[[中学校社会 地理/日本の諸地域 関東地方]] *[[中学校社会 地理/日本の諸地域 東北地方]] *[[中学校社会 地理/日本の諸地域 北海道地方]] [[Category:日本の地理|にほんのすかたちりととうふけん]] [[Category:中学校地理|にほんのすかた]]
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Wikiversity/メインページ
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Wikiversity/プロジェクト関連文書
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フランス語/目次
英語版の目次 Leave ideas for additional chapters on the talk page.
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<font lang="ja"><table align=right><tr><td>[[ファイル:Black and white Paris landscape.jpg|サムネイル|220x220ピクセル]]<br /><small>''フランス、パリの風景''</small></td></tr></table> [[French Table of Contents|英語版の目次]] === 学 習 === #[[フランス語を学ぶには]]([[Introduction: How to study French|英語版]]) #[[フランス語第1課|Leçon 1 : Se présenter 第1課:入門]]([[French Lesson 1|英語版]]) #[[フランス語第2課|Leçon 2 : Grammaire de base 第2課:基本的な文法]]([[French Lesson 2|英語版]]) #[[フランス語第3課|Leçon 3 : Voyager 第3課:旅行]]([[French Lesson 3|英語版]]) #[[フランス語第4課|Leçon 4 : Verbes 第4課:動詞]]([[French Lesson 4|英語版]]) #[[フランス語第5課|Leçon 5 : Récréation 第5課:レクリエーション]]([[French Lesson 5|英語版]]) #[[フランス語第6課|Leçon 6 : Le passé 第6課:過去時制]]([[French Lesson 6|英語版]]) #[[フランス語第7課|Leçon 7 : La famille 第7課:家族]]([[French Lesson 7|英語版]]) #[[フランス語第8課|Leçon 8 : L'école 第8課:学校]]([[French Lesson 8|英語版]]) #[[フランス語第9課|Leçon 9 : Manger et boire 第9課:食べて、飲む]]([[French Lesson 9|英語版]]) #[[フランス語第10課|Leçon 10 : Faire des courses 第10課:買い物]]([[French Lesson 10|英語版]]) #[[フランス語第11課|Leçon 11 : La maison 第11課:家]]([[French Lesson 11|英語版]]) #[[フランス語第12課|Leçon 12 : Le corps 第12課:体]]([[French Lesson 12|英語版]]) #[[フランス語第13課|Leçon 13 : La culture française 第13課:フランスの文化]]([[French Lesson 13|英語版]]) ---- === 付 録 === #[[フランス語:仏文字をタイプするには|仏文字をタイプするには]]([[French Appendix C|英語版]]) #[[フランス語:付録E|付録E:]]([[French Appendix E| Appendix E: Solutions to Exercises]]) #[[フランス語:仏和辞典|仏和辞典]]([[French Appendix EF| Appendix EF: English-French dictionary (alphabetically)]]) #[[フランス語:和仏辞典|和仏辞典]]([[French Appendix FE| Appendix FE: French-English dictionary (alphabetically)]]) #[[フランス語:世界の国名|世界の国名]]([[French Appendix NW|英語版]]) #[[フランス語:スラング|スラング]]([[French Appendix S|英語版]]) #[[フランス語:動詞活用表|動詞活用表]]([[French Appendix V|英語版]]) #[[フランス語:ウェブリソース|ウェブリソース]]([[French Appendix W|英語版]]) ---- === Indices === #[[フランス語:語彙索引|語彙索引]]([[French Index I| Index I: Vocabulary topics]]) #[[フランス語:文法索引|文法索引]]([[French Index II| Index II: Grammar topics]]) #[[フランス語:発音索引|発音索引]]([[French Index III| Index III: Pronunciation topics]]) #[[フランス語:動詞時制索引|動詞時制索引]]([[French Index IV|Index IV: Verb tense topics]]) # [[フランス語/表現集]] ---- === この本について === #[[French authors|Authors]] #[[French History|History]] Leave ideas for additional chapters on the [[Talk:French|talk]] page.</font> [[Category:フランス語|*]]
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2019-03-19T13:41:21Z
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3,141
Tranwiki:フランス語第1課
フランス語 | フランス語:目次 | フランス語第2課 二人の友達、マリ(Marie)とジャン(Jean)が会いました。 二人の人物、ベルナール氏(Monsieur Bernard)とランベール氏(Monsieur Lambert)がはじめて会いました。 Audio: OGG (101KB) フランス語 | フランス語:目次 | フランス語第2課
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "フランス語 | フランス語:目次 | フランス語第2課", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "二人の友達、マリ(Marie)とジャン(Jean)が会いました。", "title": "" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "二人の人物、ベルナール氏(Monsieur Bernard)とランベール氏(Monsieur Lambert)がはじめて会いました。", "title": "" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "Audio: OGG (101KB)", "title": "" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "", "title": "" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "", "title": "" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "", "title": "" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "フランス語 | フランス語:目次 | フランス語第2課", "title": "" } ]
フランス語 | フランス語:目次 | フランス語第2課
<font lang="ja">[[フランス語]] | [[フランス語:目次]] | [[フランス語第2課]] ---- === 会話例 1 === 二人の友達、マリ(Marie)とジャン(Jean)が会いました。 * ''Marie'': Salut Jean. Comment vas-tu ? * ''Jean'': Je vais bien, merci. Et toi, comment vas-tu ? * ''Marie'': Je vais bien. * ''Jean'': Quelles sont les nouvelles ? * ''Marie'': Pas grand-chose. * ''Marie'': Au revoir Jean. * ''Jean'': Au revoir, à demain. === 語彙 1 === <table border="1" bgcolor="#FFFFCC"> <tr> <td> salut </td> <td> やあ </td> <tr> <td> comment vas-tu ? </td> <td> 君の調子はどうですか? </td> </tr> <tr> <td> je vais bien. </td> <td> 調子はとても良いです。 </td> </tr> <tr> <td> merci </td> <td> ありがとう </td> </tr> <tr> <td> et </td> <td> そして </td> </tr> <tr> <td> toi </td> <td> 君 (インフォーマルな相手に用いる) </td> </tr> <tr> <td> comment ça va ? </td> <td> 調子はどうだい? </td> </tr> <tr> <td> Quelles sont les nouvelles ? </td> <td>  何か新しいことはあるかな? </td> </tr> <tr> <td> pas grand-chose </td> <td> 取り立てて大きなことはないよ </td> </tr> <tr> <td> au revoir </td> <td> またね </td> </tr> <tr> <td> à demain </td> <td> また明日 </td> </tr> </table> === 会話例 2 === 二人の人物、ベルナール氏(Monsieur Bernard)とランベール氏(Monsieur Lambert)がはじめて会いました。 * ''Monsieur Bernard'': Bonjour. Comment vous appelez-vous? * ''Monsieur Lambert'': Je m'appelle Jean-Paul Lambert. Et vous? * ''Monsieur Bernard'': Moi, je suis Marc Bernard. Enchant&eacute;. * ''Monsieur Lambert'': Enchant&eacute;. === 語彙 2 === <table border="1" bgcolor="#FFFFCC"> <tr> <td> bonjour </td> <td> こんにちは </td> </tr> <tr> <td> Comment vous appelez-vous? </td> <td> あなたは何というお名前ですか? (フォーマルな言い方) </td> </tr> <tr> <td> je m'appelle ~ . </td> <td> 私は~と申します。 </td> </tr> <tr> <td> vous </td> <td> あなた (フォーマルな相手にいう) </td> </tr> <tr> <td> moi </td> <td> 私、ぼく </td> </tr> <tr> <td> je suis ~ . </td> <td> 私は~です。 </td> </tr> <tr> <td> Enchant&eacute;(e) </td> <td> お会いできて光栄です。 </td> </tr> </table> === 発音 - フランス語のアルファベット === '''Audio''': [[media:French Grammar - The French Alphabet.ogg|OGG]] (101KB) <!-- much more to be implemented from spanish version --> ---- [[フランス語]] | [[フランス語:目次]] | [[フランス語第2課]]</font> [[Category:フランス語|1]]
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2022-04-20T18:46:56Z
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光の偏極
この本は書きかけです。 光には、 人間の眼で識別できる明るさと色の他に、 「偏極」という性質があります。 「偏光」とも呼ばれますが、この本では光を含む電磁波の性質を指す語として「偏極」と呼ぶことにします。 光の様々な振舞いを理解するためには、偏極の理解は不可欠です。 また、光の偏極は色々な技術に応用されています。 この本は、 光の偏極を基礎的な物理学から説明し、 関連する自然界の現象を取り上げ、 自然科学の理解を深めることを目的としています。 目次 以下、ドラフト。 目次 本にするには、導入として、偏光の発見の歴史とか、身近に見られる偏光現象について書くべき。 偏光の発見者ということになっている科学者は誰だったかな。 w:偏光によればファラデーらしい。 一般に光と言った場合、 理想的な単色光を指す場合と、 波長に幅がある光を指す場合がある。 始めに単色光について議論し、 後に波長に幅のある光について議論を広げることは、 多くの場合うまくゆく。 ここでもそのように話を進める。 波長に幅のある光って、専門用語で何と言うかなぁ。 ブロードな光、じゃだめかなぁ。 光は電磁波であり、進行方向に垂直な面内で2つの自由度がある。 そのため偏極が存在する。 偏極を記述する方法はいくつかある。 最も基礎的な方法は、電場の振動で表現する方法である。 直交する2つの振動で光の偏極は記述でき、 座標系の取り方は色々ある。 例えば、光の進行方向に垂直な面内で、ある方向をx軸とし、 それに垂直な方向をy軸とする。 電場ベクトルEは、複素振幅で表記すると次のように書ける。 E = ( E x e i φ x E y e i φ y ) {\displaystyle \mathbf {E} ={\begin{pmatrix}E_{x}e^{i\phi _{x}}\\E_{y}e^{i\phi _{y}}\\\end{pmatrix}}} 実数の自由度は4つある。 この組み合わせによって、色々な偏極状態が存在する。 それぞれの偏極状態には名前が付いている。 直線偏光、円偏光、楕円偏光などがそれである。 (自然光、無偏光については、単色光では議論できないので後回しにする。) (単色光かそうでないかと言うよりは、コヒーレントかそうでないかということ。) それぞれの偏極状態についての図が必要。どこかにないかなぁ。 Wikipedia内を探してみても、画像としての図はよいのがなさそう。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "この本は書きかけです。", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "光には、 人間の眼で識別できる明るさと色の他に、 「偏極」という性質があります。 「偏光」とも呼ばれますが、この本では光を含む電磁波の性質を指す語として「偏極」と呼ぶことにします。", "title": "" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "光の様々な振舞いを理解するためには、偏極の理解は不可欠です。 また、光の偏極は色々な技術に応用されています。", "title": "" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "この本は、 光の偏極を基礎的な物理学から説明し、 関連する自然界の現象を取り上げ、 自然科学の理解を深めることを目的としています。", "title": "" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "目次", "title": "" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "以下、ドラフト。", "title": "" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "目次", "title": "" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "本にするには、導入として、偏光の発見の歴史とか、身近に見られる偏光現象について書くべき。 偏光の発見者ということになっている科学者は誰だったかな。 w:偏光によればファラデーらしい。", "title": "" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "一般に光と言った場合、 理想的な単色光を指す場合と、 波長に幅がある光を指す場合がある。 始めに単色光について議論し、 後に波長に幅のある光について議論を広げることは、 多くの場合うまくゆく。 ここでもそのように話を進める。", "title": "" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "波長に幅のある光って、専門用語で何と言うかなぁ。 ブロードな光、じゃだめかなぁ。", "title": "" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "光は電磁波であり、進行方向に垂直な面内で2つの自由度がある。 そのため偏極が存在する。", "title": "" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "偏極を記述する方法はいくつかある。 最も基礎的な方法は、電場の振動で表現する方法である。 直交する2つの振動で光の偏極は記述でき、 座標系の取り方は色々ある。 例えば、光の進行方向に垂直な面内で、ある方向をx軸とし、 それに垂直な方向をy軸とする。 電場ベクトルEは、複素振幅で表記すると次のように書ける。", "title": "" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "E = ( E x e i φ x E y e i φ y ) {\\displaystyle \\mathbf {E} ={\\begin{pmatrix}E_{x}e^{i\\phi _{x}}\\\\E_{y}e^{i\\phi _{y}}\\\\\\end{pmatrix}}}", "title": "" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "実数の自由度は4つある。 この組み合わせによって、色々な偏極状態が存在する。", "title": "" }, { "paragraph_id": 14, "tag": "p", "text": "それぞれの偏極状態には名前が付いている。 直線偏光、円偏光、楕円偏光などがそれである。 (自然光、無偏光については、単色光では議論できないので後回しにする。)", "title": "" }, { "paragraph_id": 15, "tag": "p", "text": "(単色光かそうでないかと言うよりは、コヒーレントかそうでないかということ。)", "title": "" }, { "paragraph_id": 16, "tag": "p", "text": "それぞれの偏極状態についての図が必要。どこかにないかなぁ。 Wikipedia内を探してみても、画像としての図はよいのがなさそう。", "title": "" } ]
この本は書きかけです。 光には、 人間の眼で識別できる明るさと色の他に、 「偏極」という性質があります。 「偏光」とも呼ばれますが、この本では光を含む電磁波の性質を指す語として「偏極」と呼ぶことにします。 光の様々な振舞いを理解するためには、偏極の理解は不可欠です。 また、光の偏極は色々な技術に応用されています。 この本は、 光の偏極を基礎的な物理学から説明し、 関連する自然界の現象を取り上げ、 自然科学の理解を深めることを目的としています。 目次 電磁波の偏極 楕円偏極 光学素子 部分偏極 視覚と偏極 用語集 以下、ドラフト。 目次 導入 偏光の発見の歴史 身近に見られる偏光現象 偏光に関する実験器具 偏光を作る フィルム偏光子 液晶偏光子 反射型偏光子 視覚と偏光 偏光が見える生物 昆虫 人間は偏光が見えるか 電場による記述 インコヒーレントな偏光の記述 Coherence行列による記述 Stokesベクトルによる記述 一般に光と言った場合、 理想的な単色光を指す場合と、 波長に幅がある光を指す場合がある。 始めに単色光について議論し、 後に波長に幅のある光について議論を広げることは、 多くの場合うまくゆく。 ここでもそのように話を進める。 光は電磁波であり、進行方向に垂直な面内で2つの自由度がある。 そのため偏極が存在する。 偏極を記述する方法はいくつかある。 最も基礎的な方法は、電場の振動で表現する方法である。 直交する2つの振動で光の偏極は記述でき、 座標系の取り方は色々ある。 例えば、光の進行方向に垂直な面内で、ある方向をx軸とし、 それに垂直な方向をy軸とする。 電場ベクトルEは、複素振幅で表記すると次のように書ける。 E = 実数の自由度は4つある。 この組み合わせによって、色々な偏極状態が存在する。 それぞれの偏極状態には名前が付いている。 直線偏光、円偏光、楕円偏光などがそれである。 (自然光、無偏光については、単色光では議論できないので後回しにする。)
{{Pathnav|メインページ|自然科学|物理学|frame=1|small=1}} {{Wikipedia|偏光}} この本は書きかけです。 光には、 人間の眼で識別できる明るさと色の他に、 「偏極」という性質があります。 「偏光」とも呼ばれますが、この本では光を含む電磁波の性質を指す語として「偏極」と呼ぶことにします。 光の様々な振舞いを理解するためには、偏極の理解は不可欠です。 また、光の偏極は色々な技術に応用されています。 この本は、 光の偏極を基礎的な物理学から説明し、 関連する自然界の現象を取り上げ、 自然科学の理解を深めることを目的としています。 ---- 目次 #[[/電磁波の偏極|電磁波の偏極]] #[[/楕円偏極|楕円偏極]] #[[/光学素子|光学素子]] #[[/部分偏極|部分偏極]] #[[/視覚と偏極|視覚と偏極]] #[[/用語集|用語集]] ---- 以下、ドラフト。 目次 *導入 **偏光の発見の歴史 **身近に見られる偏光現象 *偏光に関する実験器具 **偏光を作る ***フィルム偏光子 ***液晶偏光子 ***反射型偏光子 *視覚と偏光 **偏光が見える生物 ***昆虫 **人間は偏光が見えるか *電場による記述 *インコヒーレントな偏光の記述 **Coherence行列による記述 **Stokesベクトルによる記述 <blockquote><small> ''本にするには、導入として、偏光の発見の歴史とか、身近に見られる偏光現象について書くべき。'' ''偏光の発見者ということになっている科学者は誰だったかな。'' ''[[w:偏光]]によればファラデーらしい。'' </small></blockquote> 一般に光と言った場合、 理想的な単色光を指す場合と、 波長に幅がある光を指す場合がある。 始めに単色光について議論し、 後に波長に幅のある光について議論を広げることは、 多くの場合うまくゆく。 ここでもそのように話を進める。 <blockquote><small> ''波長に幅のある光って、専門用語で何と言うかなぁ。'' ''ブロードな光、じゃだめかなぁ。'' </small></blockquote> 光は電磁波であり、進行方向に垂直な面内で2つの自由度がある。 そのため偏極が存在する。 偏極を記述する方法はいくつかある。 最も基礎的な方法は、電場の振動で表現する方法である。 直交する2つの振動で光の偏極は記述でき、 座標系の取り方は色々ある。 例えば、光の進行方向に垂直な面内で、ある方向をx軸とし、 それに垂直な方向をy軸とする。 電場ベクトルEは、複素振幅で表記すると次のように書ける。 <math> \mathbf{E}= \begin{pmatrix} E_x e^{i\phi_x} \\ E_y e^{i\phi_y} \\ \end{pmatrix} </math> 実数の自由度は4つある。 この組み合わせによって、色々な偏極状態が存在する。 それぞれの偏極状態には名前が付いている。 直線偏光、円偏光、楕円偏光などがそれである。 (自然光、無偏光については、単色光では議論できないので後回しにする。) <blockquote><small> ''(単色光かそうでないかと言うよりは、コヒーレントかそうでないかということ。)'' </small></blockquote> <blockquote><small> ''それぞれの偏極状態についての図が必要。どこかにないかなぁ。'' ''Wikipedia内を探してみても、画像としての図はよいのがなさそう。'' </small></blockquote> {{DEFAULTSORT:ひかりのへんきよく}} [[Category:物理学]] {{NDC|425}}
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2008-09-21T06:40:45Z
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3,161
物理学入門
英語版ウィキブックには物理学入門として A_Radically_Modern_Approach_to_Introductory_Physics (非常に現代的な手法による物理学入門) があるので、英訳したり参考にしたりして、内容を増やしていきましょう。 (en)は英語版へのリンクです。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "英語版ウィキブックには物理学入門として A_Radically_Modern_Approach_to_Introductory_Physics (非常に現代的な手法による物理学入門) があるので、英訳したり参考にしたりして、内容を増やしていきましょう。 (en)は英語版へのリンクです。", "title": "" } ]
英語版ウィキブックには物理学入門として A_Radically_Modern_Approach_to_Introductory_Physics (非常に現代的な手法による物理学入門) があるので、英訳したり参考にしたりして、内容を増やしていきましょう。 (en)は英語版へのリンクです。
英語版[[ウィキブック]]には物理学入門として [[A_Radically_Modern_Approach_to_Introductory_Physics]] (非常に現代的な手法による物理学入門) があるので、英訳したり参考にしたりして、内容を増やしていきましょう。 (en)は英語版へのリンクです。 === 目次 === #[[物理学入門:1次元の波|1次元の波]] ([[Introductory Physics: Waves in one Dimension:Contents|en]]) #[[物理学入門:2次元および3次元の波|2次元および3次元の波]] ([[Introductory Physics: Waves in Two and Three Dimensions|en]]) #[[物理学入門:幾何光学|幾何光学]] ([[Introductory Physics: Geometrical Optics|en]]) #[[物理学入門:特殊相対性の力学|特殊相対性の力学]] ([[Introductory Physics: Kinematics of Special Relativity|en]]) #[[物理学入門:特殊相対性の応用|特殊相対性の応用]] ([[Introductory Physics: Applications of Special Relativity|en]]) [[Category:物理学|入門]]
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2022-12-01T04:10:08Z
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3,165
物理数学I ベクトル解析/付録
3次元デカルト座標での定義式。 ∇ = ( ∂ / ∂ x ∂ / ∂ y ∂ / ∂ z ) {\displaystyle \nabla ={\begin{pmatrix}{\partial /\partial x}\\{\partial /\partial y}\\{\partial /\partial z}\end{pmatrix}}} g r a d φ = ∇ φ = ( ∂ φ / ∂ x ∂ φ / ∂ y ∂ φ / ∂ z ) {\displaystyle \mathrm {grad} \phi =\nabla \phi ={\begin{pmatrix}{\partial \phi /\partial x}\\{\partial \phi /\partial y}\\{\partial \phi /\partial z}\end{pmatrix}}} d i v F = ∇ ⋅ F = ∂ F x / ∂ x + ∂ F y / ∂ y + ∂ F z / ∂ z {\displaystyle \mathrm {div} \mathbf {F} =\nabla \cdot \mathbf {F} =\partial F_{x}/\partial x+\partial F_{y}/\partial y+\partial F_{z}/\partial z} c u r l F = r o t F = ∇ × F = ( ∂ F z / ∂ y − ∂ F y / ∂ z ∂ F x / ∂ z − ∂ F z / ∂ x ∂ F y / ∂ x − ∂ F x / ∂ y ) {\displaystyle \mathrm {curl} \mathbf {F} =\mathrm {rot} \mathbf {F} =\nabla \times \mathbf {F} ={\begin{pmatrix}{\partial F_{z}/\partial y}-{\partial F_{y}/\partial z}\\{\partial F_{x}/\partial z}-{\partial F_{z}/\partial x}\\{\partial F_{y}/\partial x}-{\partial F_{x}/\partial y}\end{pmatrix}}} Δ = ∇ 2 = ∂ 2 ∂ x 2 + ∂ 2 ∂ y 2 + ∂ 2 ∂ z 2 {\displaystyle \Delta =\nabla ^{2}={\partial ^{2} \over \partial x^{2}}+{\partial ^{2} \over \partial y^{2}}+{\partial ^{2} \over \partial z^{2}}} Δ φ = ∇ 2 φ = ∇ ⋅ ( ∇ φ ) = d i v ( g r a d φ ) {\displaystyle \Delta \phi =\nabla ^{2}\phi =\nabla \cdot (\nabla \phi )=\mathrm {div} (\mathrm {grad} \phi )} div ( a F + b G ) = a div ( F ) + b div ( G ) {\displaystyle \operatorname {div} (a\mathbf {F} +b\mathbf {G} )=a\;\operatorname {div} (\mathbf {F} )+b\;\operatorname {div} (\mathbf {G} )} div ( φ F ) = grad ( φ ) ⋅ F + φ div ( F ) {\displaystyle \operatorname {div} (\phi \mathbf {F} )=\operatorname {grad} (\phi )\cdot \mathbf {F} +\phi \;\operatorname {div} (\mathbf {F} )} ∇ ⋅ ( φ F ) = ( ∇ φ ) ⋅ F + φ ( ∇ ⋅ F ) {\displaystyle \nabla \cdot (\phi \mathbf {F} )=(\nabla \phi )\cdot \mathbf {F} +\phi \;(\nabla \cdot \mathbf {F} )} div ( F × G ) = curl ( F ) ⋅ G − F ⋅ curl ( G ) {\displaystyle \operatorname {div} (\mathbf {F} \times \mathbf {G} )=\operatorname {curl} (\mathbf {F} )\cdot \mathbf {G} \;-\;\mathbf {F} \cdot \operatorname {curl} (\mathbf {G} )} div ( curl F ) = div ( ∇ × F ) = curl ( ∇ ) ⋅ F − ∇ ⋅ curl ( F ) {\displaystyle \operatorname {div} (\operatorname {curl} \mathbf {F} )=\operatorname {div} (\nabla \times \mathbf {F} )=\operatorname {curl} (\nabla )\cdot \mathbf {F} -\nabla \cdot \operatorname {curl} (\mathbf {F} )} ここで [ curl ( ∇ ) ] x = ∂ 2 ∂ z ∂ y − ∂ 2 ∂ y ∂ z = 0 {\displaystyle \left[\operatorname {curl} (\nabla )\right]_{x}={\frac {\partial ^{2}}{\partial z\partial y}}-{\frac {\partial ^{2}}{\partial y\partial z}}=0} (演算対象の関数が連続でなめらかな場合) であるので div ( curl F ) = − ∇ ⋅ curl ( F ) = − div ( curl F ) {\displaystyle \operatorname {div} (\operatorname {curl} \mathbf {F} )=-\nabla \cdot \operatorname {curl} (\mathbf {F} )=-\operatorname {div} (\operatorname {curl} \mathbf {F} )} 結局 div ( curl F ) = 0 {\displaystyle \operatorname {div} (\operatorname {curl} \mathbf {F} )=0} curl ( curl ( F ) ) = − Δ F + grad ( div F ) {\displaystyle \operatorname {curl} (\operatorname {curl} (\mathbf {F} ))=-\Delta \mathbf {F} +\operatorname {grad} (\operatorname {div} \mathbf {F} )} x成分をとって証明する。 [ curl ( curl ( F ) ) ] x = [ ∇ × ( ∇ × F ) ] x = ∂ ∂ y [ ∇ × F ] z − ∂ ∂ z [ ∇ × F ] y {\displaystyle \left[\operatorname {curl} (\operatorname {curl} (\mathbf {F} ))\right]_{x}=\left[\nabla \times (\nabla \times \mathbf {F} )\right]_{x}={\frac {\partial }{\partial y}}\left[\nabla \times \mathbf {F} \right]_{z}-{\frac {\partial }{\partial z}}\left[\nabla \times \mathbf {F} \right]_{y}} = ∂ ∂ y ( ∂ F y ∂ x − ∂ F x ∂ y ) − ∂ ∂ z ( ∂ F x ∂ z − ∂ F z ∂ x ) {\displaystyle ={\frac {\partial }{\partial y}}({\frac {\partial F_{y}}{\partial x}}-{\frac {\partial F_{x}}{\partial y}})-{\frac {\partial }{\partial z}}({\frac {\partial F_{x}}{\partial z}}-{\frac {\partial F_{z}}{\partial x}})} = − ( ∂ 2 ∂ x 2 + ∂ 2 ∂ y 2 + ∂ 2 ∂ z 2 ) F x + ∂ ∂ x ( ∂ F x ∂ x + ∂ F y ∂ y + ∂ F z ∂ z ) {\displaystyle =-({\frac {\partial ^{2}}{\partial x^{2}}}+{\frac {\partial ^{2}}{\partial y^{2}}}+{\frac {\partial ^{2}}{\partial z^{2}}})F_{x}+{\frac {\partial }{\partial x}}({\frac {\partial F_{x}}{\partial x}}+{\frac {\partial F_{y}}{\partial y}}+{\frac {\partial F_{z}}{\partial z}})} = − Δ F x + ∂ ∂ x div F = [ − Δ F + grad ( div F ) ] x {\displaystyle =-\Delta F_{x}+{\frac {\partial }{\partial x}}\operatorname {div} \mathbf {F} =\left[-\Delta \mathbf {F} +\operatorname {grad} (\operatorname {div} \mathbf {F} )\right]_{x}}
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "3次元デカルト座標での定義式。", "title": "定義式" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "∇ = ( ∂ / ∂ x ∂ / ∂ y ∂ / ∂ z ) {\\displaystyle \\nabla ={\\begin{pmatrix}{\\partial /\\partial x}\\\\{\\partial /\\partial y}\\\\{\\partial /\\partial z}\\end{pmatrix}}}", "title": "定義式" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "g r a d φ = ∇ φ = ( ∂ φ / ∂ x ∂ φ / ∂ y ∂ φ / ∂ z ) {\\displaystyle \\mathrm {grad} \\phi =\\nabla \\phi ={\\begin{pmatrix}{\\partial \\phi /\\partial x}\\\\{\\partial \\phi /\\partial y}\\\\{\\partial \\phi /\\partial z}\\end{pmatrix}}}", "title": "定義式" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "d i v F = ∇ ⋅ F = ∂ F x / ∂ x + ∂ F y / ∂ y + ∂ F z / ∂ z {\\displaystyle \\mathrm {div} \\mathbf {F} =\\nabla \\cdot \\mathbf {F} =\\partial F_{x}/\\partial x+\\partial F_{y}/\\partial y+\\partial F_{z}/\\partial z}", "title": "定義式" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "c u r l F = r o t F = ∇ × F = ( ∂ F z / ∂ y − ∂ F y / ∂ z ∂ F x / ∂ z − ∂ F z / ∂ x ∂ F y / ∂ x − ∂ F x / ∂ y ) {\\displaystyle \\mathrm {curl} \\mathbf {F} =\\mathrm {rot} \\mathbf {F} =\\nabla \\times \\mathbf {F} ={\\begin{pmatrix}{\\partial F_{z}/\\partial y}-{\\partial F_{y}/\\partial z}\\\\{\\partial F_{x}/\\partial z}-{\\partial F_{z}/\\partial x}\\\\{\\partial F_{y}/\\partial x}-{\\partial F_{x}/\\partial y}\\end{pmatrix}}}", "title": "定義式" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "Δ = ∇ 2 = ∂ 2 ∂ x 2 + ∂ 2 ∂ y 2 + ∂ 2 ∂ z 2 {\\displaystyle \\Delta =\\nabla ^{2}={\\partial ^{2} \\over \\partial x^{2}}+{\\partial ^{2} \\over \\partial y^{2}}+{\\partial ^{2} \\over \\partial z^{2}}}", "title": "定義式" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "Δ φ = ∇ 2 φ = ∇ ⋅ ( ∇ φ ) = d i v ( g r a d φ ) {\\displaystyle \\Delta \\phi =\\nabla ^{2}\\phi =\\nabla \\cdot (\\nabla \\phi )=\\mathrm {div} (\\mathrm {grad} \\phi )}", "title": "定義式" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "div ( a F + b G ) = a div ( F ) + b div ( G ) {\\displaystyle \\operatorname {div} (a\\mathbf {F} +b\\mathbf {G} )=a\\;\\operatorname {div} (\\mathbf {F} )+b\\;\\operatorname {div} (\\mathbf {G} )}", "title": "重要な公式" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "div ( φ F ) = grad ( φ ) ⋅ F + φ div ( F ) {\\displaystyle \\operatorname {div} (\\phi \\mathbf {F} )=\\operatorname {grad} (\\phi )\\cdot \\mathbf {F} +\\phi \\;\\operatorname {div} (\\mathbf {F} )}", "title": "重要な公式" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "∇ ⋅ ( φ F ) = ( ∇ φ ) ⋅ F + φ ( ∇ ⋅ F ) {\\displaystyle \\nabla \\cdot (\\phi \\mathbf {F} )=(\\nabla \\phi )\\cdot \\mathbf {F} +\\phi \\;(\\nabla \\cdot \\mathbf {F} )}", "title": "重要な公式" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "div ( F × G ) = curl ( F ) ⋅ G − F ⋅ curl ( G ) {\\displaystyle \\operatorname {div} (\\mathbf {F} \\times \\mathbf {G} )=\\operatorname {curl} (\\mathbf {F} )\\cdot \\mathbf {G} \\;-\\;\\mathbf {F} \\cdot \\operatorname {curl} (\\mathbf {G} )}", "title": "重要な公式" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", 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{\\displaystyle ={\\frac {\\partial }{\\partial y}}({\\frac {\\partial F_{y}}{\\partial x}}-{\\frac {\\partial F_{x}}{\\partial y}})-{\\frac {\\partial }{\\partial z}}({\\frac {\\partial F_{x}}{\\partial z}}-{\\frac {\\partial F_{z}}{\\partial x}})} = − ( ∂ 2 ∂ x 2 + ∂ 2 ∂ y 2 + ∂ 2 ∂ z 2 ) F x + ∂ ∂ x ( ∂ F x ∂ x + ∂ F y ∂ y + ∂ F z ∂ z ) {\\displaystyle =-({\\frac {\\partial ^{2}}{\\partial x^{2}}}+{\\frac {\\partial ^{2}}{\\partial y^{2}}}+{\\frac {\\partial ^{2}}{\\partial z^{2}}})F_{x}+{\\frac {\\partial }{\\partial x}}({\\frac {\\partial F_{x}}{\\partial x}}+{\\frac {\\partial F_{y}}{\\partial y}}+{\\frac {\\partial F_{z}}{\\partial z}})} = − Δ F x + ∂ ∂ x div F = [ − Δ F + grad ( div F ) ] x {\\displaystyle =-\\Delta F_{x}+{\\frac {\\partial }{\\partial x}}\\operatorname {div} \\mathbf {F} =\\left[-\\Delta \\mathbf {F} +\\operatorname {grad} (\\operatorname {div} \\mathbf {F} )\\right]_{x}}", "title": "重要な公式" } ]
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== 用語集(Wikipediaへのリンク) == *[[:ja:w:ベクトル解析]] [[w:Vector analysis]] *[[:ja:w:デル]] [[w:Del]] *[[:ja:w:勾配]] [[w:Gradient]] *[[:ja:w:発散]] [[w:Divergence]] *[[:ja:w:回転]] [[w:Curl]] *[[:ja:w:ラプラシアン]] [[w:Laplace operator]] == 定義式 == 3次元デカルト座標での定義式。 <math> \nabla = \begin{pmatrix} {\partial / \partial x} \\ {\partial / \partial y} \\ {\partial / \partial z} \end{pmatrix} </math> <math> \mathrm{grad}\phi = \nabla \phi = \begin{pmatrix} {\partial \phi / \partial x} \\ {\partial \phi / \partial y} \\ {\partial \phi / \partial z} \end{pmatrix} </math> <math> \mathrm{div}\mathbf{F} = \nabla\cdot\mathbf{F} = \partial F_x/\partial x + \partial F_y/\partial y + \partial F_z/\partial z </math> <math> \mathrm{curl}\mathbf{F} = \mathrm{rot}\mathbf{F} = \nabla\times\mathbf{F} = \begin{pmatrix} {\partial F_z / \partial y} - {\partial F_y / \partial z} \\ {\partial F_x / \partial z} - {\partial F_z / \partial x}\\ {\partial F_y / \partial x} - {\partial F_x / \partial y} \end{pmatrix} </math> <math> \Delta=\nabla^2 = {\partial^2 \over \partial x^2 } + {\partial^2 \over \partial y^2 } + {\partial^2 \over \partial z^2 } </math> <math> \Delta\phi=\nabla^2 \phi = \nabla \cdot ( \nabla \phi ) = \mathrm{div}(\mathrm{grad}\phi) </math> == 重要な公式 == <math> \operatorname{div}( a\mathbf{F} + b\mathbf{G} ) = a\;\operatorname{div}( \mathbf{F} ) + b\;\operatorname{div}( \mathbf{G} ) </math> <math> \operatorname{div}(\phi \mathbf{F}) = \operatorname{grad}(\phi) \cdot \mathbf{F} + \phi \;\operatorname{div}(\mathbf{F}) </math> <math> \nabla\cdot(\phi \mathbf{F}) = (\nabla\phi) \cdot \mathbf{F} + \phi \;(\nabla\cdot\mathbf{F}) </math> <math> \operatorname{div}(\mathbf{F}\times\mathbf{G}) = \operatorname{curl}(\mathbf{F})\cdot\mathbf{G} \;-\; \mathbf{F} \cdot \operatorname{curl}(\mathbf{G}) </math> === div(curl F) === <math> \operatorname{div}(\operatorname{curl}\mathbf{F}) = \operatorname{div}(\nabla\times\mathbf{F}) = \operatorname{curl}(\nabla)\cdot\mathbf{F} - \nabla\cdot\operatorname{curl}(\mathbf{F}) </math> ここで <math> \left[\operatorname{curl}(\nabla)\right]_x = \frac{\partial^2}{\partial z \partial y} - \frac{\partial^2}{\partial y \partial z} = 0 </math> (演算対象の関数が連続でなめらかな場合) であるので <math> \operatorname{div}(\operatorname{curl}\mathbf{F}) = - \nabla\cdot\operatorname{curl}(\mathbf{F}) = - \operatorname{div}(\operatorname{curl}\mathbf{F}) </math> 結局 <math> \operatorname{div}(\operatorname{curl}\mathbf{F}) = 0 </math> === curl(curl F) === <math> \operatorname{curl}(\operatorname{curl}(\mathbf{F})) = -\Delta\mathbf{F} + \operatorname{grad}(\operatorname{div}\mathbf{F}) </math> x成分をとって証明する。 <math> \left[\operatorname{curl}(\operatorname{curl}(\mathbf{F}))\right]_x = \left[\nabla\times(\nabla\times\mathbf{F})\right]_x = \frac{\partial}{\partial y}\left[\nabla\times\mathbf{F}\right]_z - \frac{\partial}{\partial z}\left[\nabla\times\mathbf{F}\right]_y </math> <math> = \frac{\partial}{\partial y}(\frac{\partial F_y}{\partial x} - \frac{\partial F_x}{\partial y}) - \frac{\partial}{\partial z}(\frac{\partial F_x}{\partial z} - \frac{\partial F_z}{\partial x}) </math> <math> = - (\frac{\partial^2}{\partial x^2}+\frac{\partial^2}{\partial y^2}+\frac{\partial^2}{\partial z^2})F_x + \frac{\partial}{\partial x}(\frac{\partial F_x}{\partial x}+\frac{\partial F_y}{\partial y}+\frac{\partial F_z}{\partial z}) </math> <math> = - \Delta F_x + \frac{\partial}{\partial x}\operatorname{div}\mathbf{F} = \left[-\Delta\mathbf{F} + \operatorname{grad}(\operatorname{div}\mathbf{F})\right]_x </math> {{DEFAULTSORT:へくとるかいせきふろく}} [[カテゴリ:ベクトル解析]] [[Category:数学公式集]]
2006-01-15T12:33:33Z
2024-03-15T18:58:02Z
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https://ja.wikibooks.org/wiki/%E7%89%A9%E7%90%86%E6%95%B0%E5%AD%A6I_%E3%83%99%E3%82%AF%E3%83%88%E3%83%AB%E8%A7%A3%E6%9E%90/%E4%BB%98%E9%8C%B2
3,167
一般相対性理論
(英語からの翻訳。英語版はかなり高級な内容らしい。)
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "(英語からの翻訳。英語版はかなり高級な内容らしい。)", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "", "title": "" } ]
(英語からの翻訳。英語版はかなり高級な内容らしい。) 微分幾何学 ベクトル束 接束と余接束 微分同相写像 (Diffeomorphisms) テンソル束とジェット束 ベクトル束の接続 リー微分 微分形式 外微分とド・ラームコホモロジー 鎖ホモロジー ストークスの定理 曲率 (Curvature) 擬リーマン多様体 計量テンソル トーション(ねじれ) (Torsion) レヴィ=チヴィタ接続 測地線 (Geodesics) 因果の構造 リーマンテンソル ? 座標と成分直交 アインシュタイン=ヒルベルト作用 作用からのストレス=エネルギー・テンソル アインシュタイン方程式 運動する系 主バンドル? 系のバンドル? ? ? パラティニ作用 パラティニ作用とアインシュタイン=ヒルベルト作用の等価性 スピノルrepsとローレンツ群 スピノル・バンドル 湾曲した時空におけるディラック・マヨラナ・スピノル 解 (Solutions) ミンコフスキー時空 重力波 シュヴァルツシルト計量 エディントン・クルスカル座標 特異点とは何か カー=ニューマン・ブラックホール フリードマン=ロバートソン=ウォーカー計量 特異点定理
{{Pathnav|メインページ|自然科学|物理学|frame=1|small=1}} {{Wikipedia}} (英語からの翻訳。英語版はかなり高級な内容らしい。) *[[一般相対性理論:微分幾何学|微分幾何学]] ([[General relativity:Differential geometry|Differential geometry]]) **[[一般相対性理論:微分可能多様体|微分可能多様体]] ([[General relativity:Differentiable manifolds|Differentiable manifolds]]) **[[一般相対性理論:|ベクトル束]] ([[General relativity:Vector bundles|Vector bundles]]) **[[一般相対性理論:|接束と余接束]] ([[General relativity:Tangent and cotangent bundles|Tangent and cotangent bundles]]) **[[一般相対性理論:|微分同相写像]] ([[General relativity:Diffeomorphisms|Diffeomorphisms]]) **[[一般相対性理論:|テンソル束とジェット束]] ([[General relativity:Tensor bundles and jet bundles|Tensor bundles and jet bundles]]) **[[一般相対性理論:|ベクトル束の接続]] ([[General relativity:Connections over vector bundles|Connections over vector bundles]]) **[[一般相対性理論:|リー微分]] ([[General relativity:Lie derivatives|Lie derivatives]]) **[[一般相対性理論:|微分形式]] ([[General relativity:Differential forms|Differential forms]]) **[[一般相対性理論:|外微分とド・ラームコホモロジー]] ([[General relativity:Exterior derivatives and de Rham cohomology|Exterior derivatives and de Rham cohomology]]) **[[一般相対性理論:|鎖ホモロジー]] ([[General relativity:Chain homology|Chain homology]]) **[[一般相対性理論:|ストークスの定理]] ([[General relativity:Stoke's theorem|Stoke's theorem]]) **[[一般相対性理論:|曲率]] ([[General relativity:Curvature|Curvature]]) *[[一般相対性理論:|擬リーマン多様体]] ([[General relativity:Pseudo Riemannian manifolds|Pseudo Riemannian manifolds]]) **[[一般相対性理論:|計量テンソル]] ([[General relativity:Metric tensor|Metric tensor]]) **[[一般相対性理論:|トーション(ねじれ)]] ([[General relativity:Torsion|Torsion]]) **[[一般相対性理論:|レヴィ=チヴィタ接続]] ([[General relativity:Levi-Civita connection|Levi-Civita connection]]) **[[一般相対性理論:|測地線]] ([[General relativity:Geodesics|Geodesics]]) **[[一般相対性理論:|因果の構造]] ([[General relativity:Causal structure|Causal structure]]) **[[一般相対性理論:|リーマンテンソル]] ([[General relativity:Riemann tensor|Riemann tensor]]) **[[一般相対性理論:|?]] ([[General relativity:Conformal rescalings and the Weyl tensor|Conformal rescalings and the Weyl tensor]]) **[[一般相対性理論:|座標と成分直交]] ([[General relativity:Coordinates and component notation|Coordinates and component notation]]) *[[一般相対性理論:|アインシュタイン=ヒルベルト作用]] ([[General relativity:Einstein-Hilbert action|Einstein-Hilbert action]]) *[[一般相対性理論:|作用からのストレス=エネルギー・テンソル]] ([[General relativity:The stress-energy tensor from the action|The stress-energy tensor from the action]]) *[[一般相対性理論:アインシュタイン方程式|アインシュタイン方程式]] ([[General relativity:Einstein's equation|Einstein's equation]]) *[[一般相対性理論:|運動する系]] ([[General relativity:Moving frames|Moving frames]]) **[[一般相対性理論:|主バンドル?]] ([[General relativity:Principal bundles|Principal bundles]]) **[[一般相対性理論:|系のバンドル?]] ([[General relativity:Frame bundle|Frame bundle]]) **[[一般相対性理論:|?]] ([[General relativity:External bundle|External bundle]]) **[[一般相対性理論:|?]] ([[General relatitivy:Frame bundle connection|Frame bundle connection]]) **[[一般相対性理論:|パラティニ作用]] ([[General relativity:Palatini action|Palatini action]]) **[[一般相対性理論:|パラティニ作用とアインシュタイン=ヒルベルト作用の等価性]] ([[General relativity:The equivalence between the Palatini and Einstein-Hilbert action|The equivalence between the Palatini and the Einstein-Hilbert action]]) **[[一般相対性理論:|スピノルrepsとローレンツ群]] ([[General relativity:Spinor reps of the Lorentz group|Spinor reps of the Lorentz group]]) **[[一般相対性理論:|スピノル・バンドル]] ([[General relativity:Spinor bundles|Spinor bundles]]) **[[一般相対性理論:|湾曲した時空におけるディラック・マヨラナ・スピノル]] ([[General relativity:Dirac and Majorana spinors in curved spacetime|Dirac and Majorana spinors in curved spacetime]]) *[[一般相対性理論:|解]] ([[General relativity:Solutions|Solutions]]) **[[一般相対性理論:|ミンコフスキー時空]] ([[General relativity:Minkowski spacetime|Minkowski spacetime]]) **[[一般相対性理論:|重力波]] ([[General relativity:Gravitational waves|Gravitational waves]]) **[[一般相対性理論:|シュヴァルツシルト計量]] ([[General relativity:Schwarzchild metric|Schwarzchild metric]]) ***[[一般相対性理論:|エディントン・クルスカル座標]] ([[General relativity:Eddington and Kruskal coordinates|Eddington and Kruskal coordinates]]) ***[[一般相対性理論:|特異点とは何か]] ([[General relativity:What is a singularity?|What is a singularity?]]) **[[一般相対性理論:|カー=ニューマン・ブラックホール]] ([[General relativity:Kerr-Neuman black hole|Kerr-Neuman black hole]]) **[[一般相対性理論:|フリードマン=ロバートソン=ウォーカー計量]] ([[General relativity:Friedman-Robertson-Walker cosmology|Friedman-Robertson-Walker cosmology]]) *[[一般相対性理論:特異点定理|特異点定理]] ([[General relativity:Singularity theorems|Singularity theorems]]) {{DEFAULTSORT:いつはんそうたいせいりろん}} [[Category:物理学]]
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2018-11-26T13:40:45Z
[ "テンプレート:Pathnav", "テンプレート:Wikipedia" ]
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3,169
電磁気学/電磁波の式の導出
ここではマクスウェルの方程式から電磁波の波動方程式を導く。 通常、マクスウェルの式は E を電場の強度、B を磁束密度、D を電束密度、H を磁場の強度、ρ を電荷密度、j を電流密度として、作用素 ∇ を用いて と表記されるが、真空中ではE-B対応とE-H対応により、電束密度 D と電場 E 及び磁場の強度 H と磁束密度 B がそれぞれ と言う関係にあるため、ベクトル解析の回転(「∇×」)と勾配(「∇」)及び発散(「∇·」)とラプラシアン(「∇2」)の演算子をそれぞれ と定義すると と表わせる。 まず、(2)式の両辺のベクトル場それぞれの回転をとり と変形して、この式の左辺にベクトル解析の公式 rot ( rot F ) = − Δ F + grad ( div F ) {\displaystyle \operatorname {rot} (\operatorname {rot} \mathbf {F} )=-\Delta \mathbf {F} +\operatorname {grad} (\operatorname {div} \mathbf {F} )} を適用し、右辺は時間微分と空間微分とを交換すると となる。そしてこの式に、(3)式及び(4)式を代入すると となる。 また、(4)式の両辺のベクトル場それぞれの回転をとり と変形した後、電場の場合と同様に と式変形して、この式に(1)式及び(2)式を代入すると となる。 ここで、ダランベルシアンを と定義すると、(5)式及び(6)式は と表され、電磁波を伝播速度が で表される波であると仮定すると となり、真空の透磁率 μ0 か真空の誘電率 ε0 のどちらか一方のみを係数として表す事も出来る。更に、電流が存在しなければ ρ 及び j が消えるので、(5)式及び(6)式は完全に電磁波に関する波動方程式となる。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "ここではマクスウェルの方程式から電磁波の波動方程式を導く。", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "通常、マクスウェルの式は E を電場の強度、B を磁束密度、D を電束密度、H を磁場の強度、ρ を電荷密度、j を電流密度として、作用素 ∇ を用いて", "title": "" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "と表記されるが、真空中ではE-B対応とE-H対応により、電束密度 D と電場 E 及び磁場の強度 H と磁束密度 B がそれぞれ", "title": "" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "と言う関係にあるため、ベクトル解析の回転(「∇×」)と勾配(「∇」)及び発散(「∇·」)とラプラシアン(「∇2」)の演算子をそれぞれ", "title": "" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "と定義すると", "title": "" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "と表わせる。", "title": "" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "まず、(2)式の両辺のベクトル場それぞれの回転をとり", "title": "" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "と変形して、この式の左辺にベクトル解析の公式 rot ( rot F ) = − Δ F + grad ( div F ) {\\displaystyle \\operatorname {rot} (\\operatorname {rot} \\mathbf {F} )=-\\Delta \\mathbf {F} +\\operatorname {grad} (\\operatorname {div} \\mathbf {F} )} を適用し、右辺は時間微分と空間微分とを交換すると", "title": "" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "となる。そしてこの式に、(3)式及び(4)式を代入すると", "title": "" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "となる。", "title": "" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "また、(4)式の両辺のベクトル場それぞれの回転をとり", "title": "" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "と変形した後、電場の場合と同様に", "title": "" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "と式変形して、この式に(1)式及び(2)式を代入すると", "title": "" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "となる。", "title": "" }, { "paragraph_id": 14, "tag": "p", "text": "ここで、ダランベルシアンを", "title": "" }, { "paragraph_id": 15, "tag": "p", "text": "と定義すると、(5)式及び(6)式は", "title": "" }, { "paragraph_id": 16, "tag": "p", "text": "と表され、電磁波を伝播速度が", "title": "" }, { "paragraph_id": 17, "tag": "p", "text": "で表される波であると仮定すると", "title": "" }, { "paragraph_id": 18, "tag": "p", "text": "となり、真空の透磁率 μ0 か真空の誘電率 ε0 のどちらか一方のみを係数として表す事も出来る。更に、電流が存在しなければ ρ 及び j が消えるので、(5)式及び(6)式は完全に電磁波に関する波動方程式となる。", "title": "" } ]
ここではマクスウェルの方程式から電磁波の波動方程式を導く。 通常、マクスウェルの式は E を電場の強度、B を磁束密度、D を電束密度、H を磁場の強度、ρ を電荷密度、j を電流密度として、作用素 ∇ を用いて と表記されるが、真空中ではE-B対応とE-H対応により、電束密度 D と電場 E 及び磁場の強度 H と磁束密度 B がそれぞれ と言う関係にあるため、ベクトル解析の回転(「∇×」)と勾配(「∇」)及び発散(「∇·」)とラプラシアン(「∇²」)の演算子をそれぞれ と定義すると と表わせる。 まず、(2)式の両辺のベクトル場それぞれの回転をとり と変形して、この式の左辺にベクトル解析の公式 rot ⁡ = − Δ F + grad ⁡ を適用し、右辺は時間微分と空間微分とを交換すると となる。そしてこの式に、(3)式及び(4)式を代入すると となる。 また、(4)式の両辺のベクトル場それぞれの回転をとり と変形した後、電場の場合と同様に と式変形して、この式に(1)式及び(2)式を代入すると となる。 ここで、ダランベルシアンを と定義すると、(5)式及び(6)式は と表され、電磁波を伝播速度が で表される波であると仮定すると となり、真空の透磁率 μ0 か真空の誘電率 ε0 のどちらか一方のみを係数として表す事も出来る。更に、電流が存在しなければ ρ 及び j が消えるので、(5)式及び(6)式は完全に電磁波に関する波動方程式となる。
{{Pathnav|メインページ|自然科学|物理学|frame=1|small=1}} ここでは[[w:マクスウェルの方程式|マクスウェルの方程式]]から[[w:電磁波|電磁波]]の[[w:波動方程式|波動方程式]]を導く。 通常、マクスウェルの式は '''E''' を[[w:電場|電場の強度]]、'''B''' を[[w:磁束密度|磁束密度]]、'''D''' を[[w:電束密度|電束密度]]、'''H''' を[[w:磁場|磁場の強度]]、''ρ'' を[[w:電荷密度|電荷密度]]、'''j''' を[[w:電流密度|電流密度]]として、[[w:作用素|作用素]] [[w:ナブラ|&nabla;]] を用いて :<math>\begin{cases} \nabla\cdot\mathbf{B} (t,\mathbf{x})&=0 \\ \nabla \times\mathbf{E}(t,\mathbf{x}) + \dfrac{\partial\mathbf{B}(t,\mathbf{x})}{\partial t}&=0 \\ \nabla \cdot\mathbf{D}(t,\mathbf{x})& = \rho(t,\mathbf{x}) \\ \nabla \times\mathbf{H}(t,\mathbf{x}) - \dfrac{\partial\mathbf{D} (t,\mathbf{x})}{\partial t}&=\mathbf{j}(t,\mathbf{x}) \end{cases}</math> と表記されるが、[[w:マクスウェルの方程式#真空中|真空中]]では[[w:E-B対応とE-H対応|E-B対応とE-H対応]]により、電束密度 '''D''' と電場 '''E''' 及び磁場の強度 '''H''' と磁束密度 '''B''' がそれぞれ :<math>\mathbf{D}=\varepsilon_0\mathbf{E}</math> :<math>\mathbf{H}=\frac{1}{\mu_0}\mathbf{B}</math> と言う関係にあるため、[[w:ベクトル解析|ベクトル解析]]の[[w:回転 (ベクトル解析)|回転]](「&nabla;&times;」)と[[w:勾配 (ベクトル解析)|勾配]](「&nabla;」)及び[[w:発散 (ベクトル解析)|発散]](「&nabla;&middot;」)と[[w:ラプラス作用素|ラプラシアン]](「&nabla;²」)の[[w:演算子|演算子]]をそれぞれ :<math>\operatorname{rot},~\operatorname{grad},~\operatorname{div},~\Delta</math> と[[w:定義|定義]]すると :<math>\begin{cases}\operatorname{div}\mathbf{B}=0&\cdots\,(1) \\ \operatorname{rot}\mathbf{E} = - \dfrac{\partial\mathbf{B}}{\partial t}&\cdots\,(2) \\ \operatorname{div}\mathbf{E} = \dfrac{\rho}{\varepsilon_0}&\cdots\,(3) \\ \operatorname{rot}\mathbf{B} = \mu_0\mathbf{j}+\mu_0\varepsilon_0 \dfrac{\partial\mathbf{E}}{\partial t}&\cdots\,(4) \end{cases}</math> と表わせる。 まず、(2)式の両辺の[[w:ベクトル場|ベクトル場]]それぞれの回転をとり :<math>\operatorname{rot}(\operatorname{rot}\mathbf{E})=-\operatorname{rot}\frac{\partial\mathbf{B}}{\partial t}</math> と変形して、この式の左辺にベクトル解析の公式 <math>\operatorname{rot}(\operatorname{rot}\mathbf{F})=-\Delta\mathbf{F}+\operatorname{grad}(\operatorname{div}\mathbf{F})</math> を適用し、右辺は時間微分と空間微分とを交換すると :<math>-\Delta\mathbf{E}+\operatorname{grad}(\operatorname{div}\mathbf{E})=-\frac{\partial}{\partial t}(\operatorname{rot}\mathbf{B})</math> となる。そしてこの式に、(3)式及び(4)式を代入すると :<math>\therefore-\Delta\mathbf{E}+\frac{1}{\varepsilon_0}\operatorname{grad}\rho=-\mu_0\frac{\partial\mathbf{j}}{\partial t}-\mu_0\varepsilon_0\frac{\partial^2 \mathbf{E}}{\partial t^2}\,\cdots\,(5)</math> となる。 また、(4)式の両辺のベクトル場それぞれの回転をとり :<math>\operatorname{rot}(\operatorname{rot}\mathbf{B})=\mu_0\operatorname{rot}\mathbf{j}+\mu_0\varepsilon_0\operatorname{rot}\frac{\partial\mathbf{E}}{\partial t}</math> と変形した後、電場の場合と同様に :<math>-\Delta\mathbf{B}+\operatorname{grad}(\operatorname{div}\mathbf{B})=\mu_0\operatorname{rot}\mathbf{j}+\mu_0\varepsilon_0\frac{\partial}{\partial t}(\operatorname{rot}\mathbf{E})</math> と式変形して、この式に(1)式及び(2)式を代入すると :<math>\therefore-\Delta\mathbf{B}=\mu_0\operatorname{rot}\mathbf{j}-\mu_0\varepsilon_0\frac{\partial^2\mathbf{B}}{\partial t^2}\,\cdots\,(6)</math> となる。 ここで、[[w:ダランベール演算子|ダランベルシアン]]を :<math>\Box=\frac{1}{c^2}\frac{\partial^2}{\partial t^2}-\Delta</math> と定義すると、(5)式及び(6)式は :&there4; <math>\begin{align}&\square\mathbf{E}=-\frac{1}{\varepsilon_0}\operatorname{grad}\rho-\mu_0\frac{\partial\mathbf{j}}{\partial t}+\left(\frac{1}{c^2}-\mu_0\varepsilon_0\right)\frac{\partial^2\mathbf{E}}{\partial t^2}\\ &\square\mathbf{B}=\mu_0\operatorname{rot}\mathbf{j}+\left(\frac{1}{c^2}-\mu_0\varepsilon_0\right)\frac{\partial^2\mathbf{B}}{\partial t^2}\end{align}</math> と表され、電磁波を伝播速度が ::<math>c=\frac{1}{\sqrt{\mu_0\varepsilon_0}}</math> で表される波であると仮定すると :&there4; <math>\begin{align}&\begin{align}\square\mathbf{E}&=-\frac{1}{\varepsilon_0}\left(\operatorname{grad}\rho+\frac{1}{c^2}\frac{\partial\mathbf{j}}{\partial t}\right)\\ &=-\mu_0\left(c^2\operatorname{grad}\rho+\frac{\partial\mathbf{j}}{\partial t}\right)\end{align}\\ &\begin{align}\square\mathbf{B}&=\mu_0\operatorname{rot}\mathbf{j}\\ &=\frac{1}{\varepsilon_0c^2}\operatorname{rot}\mathbf{j}\end{align}\end{align}</math> となり、[[w:真空|真空]]の[[w:透磁率|透磁率]] ''&mu;''{{sub|0}} か[[w:真空の誘電率|真空の誘電率]] ''&epsilon;''{{sub|0}} のどちらか一方のみを[[w:係数|係数]]として表す事も出来る。更に、[[w:電流|電流]]が存在しなければ ''&rho;'' 及び '''j''' が消えるので、(5)式及び(6)式は完全に電磁波に関する波動方程式となる。 [[カテゴリ:電磁気学|てんしはのしきのとうしゆつ]]
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2022-12-01T04:25:43Z
[ "テンプレート:Pathnav" ]
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3,173
数論
数論のテーマは幅広く、その多くは上記の分類によっていずれか一つに分類できるという性質のものではない。素数の研究はゼータ関数の研究と深く結びついているし整除性や数論的関数の挙動は素数の挙動と密接に関連している。 数論に関する基本的な文献
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "数論のテーマは幅広く、その多くは上記の分類によっていずれか一つに分類できるという性質のものではない。素数の研究はゼータ関数の研究と深く結びついているし整除性や数論的関数の挙動は素数の挙動と密接に関連している。", "title": "問題のテーマに基づく分類" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "数論に関する基本的な文献", "title": "問題のテーマに基づく分類" } ]
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== 手法に基づく分類 == *[[初等整数論]] *[[組合せ論的整数論]] *[[数の幾何]] *[[解析的整数論]] *[[代数的整数論]] *[[数論的代数幾何学]] *[[数学基礎論との関連]] == 問題のテーマに基づく分類 == *[[素数]] *[[整除性]] *[[数論的関数]] *[[加法的整数論]] *[[整数列]] *[[不定方程式]] *[[代数体の整数論]] *[[楕円曲線]] *[[無理数と超越数]] *[[数学/ゼータ関数論|ゼータ関数論]] 数論のテーマは幅広く、その多くは上記の分類によっていずれか一つに分類できるという性質のものではない。素数の研究はゼータ関数の研究と深く結びついているし整除性や数論的関数の挙動は素数の挙動と密接に関連している。 [[数論に関する基本的な文献]] [[Category:数論|*]]
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2022-08-30T23:16:02Z
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https://ja.wikibooks.org/wiki/%E6%95%B0%E8%AB%96
3,176
高等学校数学/補足
テンプレート:Transwiki この高校数学では、日本の一般の中学過程に続く高等過程で学ぶ数学を中心に解説していく。 現在(2004)の新課程の高校数学では、もう既に扱われなくなった分野(たとえば、複素平面)もあるが、 それらも、また少々の範囲外な事柄も含めて解説をする。読者は、自分に必要な分野、興味のある分野を見て欲しい。 (まだどういう構造にすべきかわかりません。ある程度ならば範囲外のものも含んでも良いと思います。 私が思いついたあらましだけ書いておきます。どうぞ変更してください。) (エクササイズ・練習問題などはこちらで。) (かなり適当です^^;)
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{{transwiki}} ==導入== この高校数学では、日本の一般の中学過程に続く高等過程で学ぶ数学を中心に解説していく。 現在(2004)の新課程の高校数学では、もう既に扱われなくなった分野(たとえば、[[複素平面]])もあるが、 それらも、また少々の範囲外な事柄も含めて解説をする。読者は、自分に必要な分野、興味のある分野を見て欲しい。 ==メイントピック== (まだどういう構造にすべきかわかりません。ある程度ならば範囲外のものも含んでも良いと思います。 私が思いついたあらましだけ書いておきます。どうぞ変更してください。) *数学の基礎 #数学の紹介 #いろいろな数の紹介(自然数,整数,有理数,実数など) #文字(代数)の意味 #いろいろな式(式,整式,方程式など) #関数の意味 #論理と証明 ##論理 ##用語の導入 *数と式 #整式の和と積 #因数分解 #整式の除法 #絶対値 #無理数の計算 *二次関数 #二次関数の紹介 #二次方程式 ##解の公式 #二次不等式 *個数の処理 #集合 *確率 #確率の紹介 *三角関数 #三角関数の紹介 #三角関数(正弦-sine,余弦-cosine,正接-tangent)の定義 #三角関数の相互的な性質 #いろいろな三角関数(secantなど) #座標上の三角関数と三角関数の再定義 #三角関数の定理 ##正弦定理(sinの定理) ##余弦定理(cosの定理) ##加法定理とその応用 ###加法定理 ###三角関数の合成 ###積と和の変換公式 #三角関数による図形の計量 ##三角形の面積 *ユークリッド幾何 #ユークリッド幾何の紹介 #さまざまな定理の証明 *数列 #数列の紹介 #等差数列 #等比数列 #複雑な数列 #漸化式 #数学的帰納法 #二項定理 *指数関数と対数関数 #指数関数 #対数関数 *極限 #極限の紹介 #数列の極限 *微積分 #初歩的な微分 ##微分の紹介 #初歩的な積分 ##積分の紹介 #高度な微分 #高度な積分 ##リーマン和による積分の説明 *曲線や図形 #円の方程式 #パラメータと二次曲線 *ベクトル #ベクトルの紹介 #ベクトルの定義 #内積 #外積 #三次元ベクトル #多次元へ *複素数 #複素数の紹介 *複素平面(複素数平面) #複素平面の紹介 #複素数の積による回転 #ド・モアブルの定理 #四元数や八元数などの紹介 *行列 #行列の紹介 #行列の和・積 *統計処理 # # *コンピュータ #コンピュータの紹介 *高校数学公式集 *中学過程のおさらいと確認 ==練習・演習問題== (エクササイズ・練習問題などはこちらで。) ==高校範囲外のトピック== (かなり適当です^^;) *初歩的な論理学 *数学の歴史と現代数学 *大学受験テクニック [[カテゴリ:高等学校数学]]
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2022-11-25T05:20:54Z
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数論に関する基本的な文献
E. Landau, Vorlesungen uber Zahlentheorie, S. Hirzel, 1927, Reprinted by Chelsea, 1969. R. K. Guy, Unsolved Problems in Number Theory, 2nd edition, Springer-Verlag, 1994. G. H. Hardy and E. M. Wright, An Introduction to the Theory of Numbers, 5th edition, Clarendon Press, 1979. L. K. Hua, Introduction to Number Theory, Springer-Verlag, 1982. I. Niven, H. L. Montgomery and H. S. Zuckerman, Introduction to the Theory of Numbers, John Wiley & Sons Inc., 1991. T. Nagell, Introduction to Number Theory, Chelsea, 1981. S. Jukna, Extremal Combinatorics: With Applications in Computer Science, Springer-Verlag, 2001. R. L. Graham, J. H. Spencer and B. L. Rothschild, Ramsey Theory, John Wiley & Sons Inc, 1990. B. M. Landman and A. Robertson, Ramsey Theory on the Integers, Amer. Math. Soc., 2003. M. B. Nathanson, Additive Number Theory: The Classical Bases, Springer-Verlag, 1996. M. B. Nathanson, Additive Number Theory: Inverse Problems and the Geometry of Sumsets, Springer-Verlag, 1996. H. Halberstam and H. E. Richert, Sieve Methods, Academic Press, 1974. G. Greaves, Sieves in Number Theory, Springer-Verlag, 2001. E. Landau, Handbuch der Lehre der Verteilung der Primzahlen, Teubner, 1909. Reprinted by Chelsea, 1974. K. Prachar, Primzahlverteilung, 2nd edition, Springer-Verlag, 1978. T. M. Apostol, Introduction to Analytic Number Theory, Springer-Verlag, 1976. H. Davenport, Multiplicative Number Theory, 3rd edition, Springer-Verlag, 2000. P. Turan, A New Method in Analysis and its Applications, Springer-Verlag, 1984. A. Ivic, The Riemann Zeta-Function, John Wiley & Sons Inc., 1985. E. C. Titchmarsh and D. R. Heath-Brown, The Theory of the Riemann Zeta-function, Oxford University Press, 1986.
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数論全般 E. Landau, Vorlesungen uber Zahlentheorie, S. Hirzel, 1927, Reprinted by Chelsea, 1969. R. K. Guy, Unsolved Problems in Number Theory, 2nd edition, Springer-Verlag, 1994. 初等整数論 G. H. Hardy and E. M. Wright, An Introduction to the Theory of Numbers, 5th edition, Clarendon Press, 1979. L. K. Hua, Introduction to Number Theory, Springer-Verlag, 1982. I. Niven, H. L. Montgomery and H. S. Zuckerman, Introduction to the Theory of Numbers, John Wiley & Sons Inc., 1991. T. Nagell, Introduction to Number Theory, Chelsea, 1981. 組合せ論的整数論 S. Jukna, Extremal Combinatorics: With Applications in Computer Science, Springer-Verlag, 2001. R. L. Graham, J. H. Spencer and B. L. Rothschild, Ramsey Theory, John Wiley & Sons Inc, 1990. B. M. Landman and A. Robertson, Ramsey Theory on the Integers, Amer. Math. Soc., 2003. M. B. Nathanson, Additive Number Theory: The Classical Bases, Springer-Verlag, 1996. M. B. Nathanson, Additive Number Theory: Inverse Problems and the Geometry of Sumsets, Springer-Verlag, 1996. H. Halberstam and H. E. Richert, Sieve Methods, Academic Press, 1974. G. Greaves, Sieves in Number Theory, Springer-Verlag, 2001. 解析的整数論 E. Landau, Handbuch der Lehre der Verteilung der Primzahlen, Teubner, 1909. Reprinted by Chelsea, 1974. K. Prachar, Primzahlverteilung, 2nd edition, Springer-Verlag, 1978. T. M. Apostol, Introduction to Analytic Number Theory, Springer-Verlag, 1976. H. Davenport, Multiplicative Number Theory, 3rd edition, Springer-Verlag, 2000. P. Turan, A New Method in Analysis and its Applications, Springer-Verlag, 1984. A. Ivic, The Riemann Zeta-Function, John Wiley & Sons Inc., 1985. E. C. Titchmarsh and D. R. Heath-Brown, The Theory of the Riemann Zeta-function, Oxford University Press, 1986.
*数論全般 E. Landau, Vorlesungen uber Zahlentheorie, S. Hirzel, 1927, Reprinted by Chelsea, 1969. R. K. Guy, Unsolved Problems in Number Theory, 2nd edition, Springer-Verlag, 1994. *初等整数論 G. H. Hardy and E. M. Wright, An Introduction to the Theory of Numbers, 5th edition, Clarendon Press, 1979. L. K. Hua, Introduction to Number Theory, Springer-Verlag, 1982. I. Niven, H. L. Montgomery and H. S. Zuckerman, Introduction to the Theory of Numbers, John Wiley & Sons Inc., 1991. T. Nagell, Introduction to Number Theory, Chelsea, 1981. *組合せ論的整数論 S. Jukna, Extremal Combinatorics: With Applications in Computer Science, Springer-Verlag, 2001. R. L. Graham, J. H. Spencer and B. L. Rothschild, Ramsey Theory, John Wiley & Sons Inc, 1990. B. M. Landman and A. Robertson, Ramsey Theory on the Integers, Amer. Math. Soc., 2003. M. B. Nathanson, Additive Number Theory: The Classical Bases, Springer-Verlag, 1996. M. B. Nathanson, Additive Number Theory: Inverse Problems and the Geometry of Sumsets, Springer-Verlag, 1996. H. Halberstam and H. E. Richert, Sieve Methods, Academic Press, 1974. G. Greaves, Sieves in Number Theory, Springer-Verlag, 2001. *解析的整数論 E. Landau, Handbuch der Lehre der Verteilung der Primzahlen, Teubner, 1909. Reprinted by Chelsea, 1974. K. Prachar, Primzahlverteilung, 2nd edition, Springer-Verlag, 1978. T. M. Apostol, Introduction to Analytic Number Theory, Springer-Verlag, 1976. H. Davenport, Multiplicative Number Theory, 3rd edition, Springer-Verlag, 2000. P. Turan, A New Method in Analysis and its Applications, Springer-Verlag, 1984. A. Ivic, The Riemann Zeta-Function, John Wiley & Sons Inc., 1985. E. C. Titchmarsh and D. R. Heath-Brown, The Theory of the Riemann Zeta-function, Oxford University Press, 1986. [[カテゴリ:数論|すうろんにかんするきほんてきなふんけん]]
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Tranwiki:整除性および素数に関する初等的定理
定義 1.1. m, nを整数とする。m =anとなる整数aが存在する時、mはnの倍数であり、 nはmの約数であるといい、n|mと記す。 定理 1.2. l, m, nを整数とする。 証明 定義 1.3. m, nを0と異なる整数とする。 注意. [m, n] および (m, n) という記法は別の意味に用いることもある。 定理 1.4. m, nを正の整数とする。このとき次の性質を満たす整数a, bが存在する: 証明. a = ⌊ m / n ⌋ , b = m − a n {\displaystyle a=\lfloor m/n\rfloor ,b=m-an} とおく。このとき、a, bは整数である。 また、 a ≤ m / n < a + 1 {\displaystyle a\leq m/n<a+1} だから、 a n ≤ m < a n + n {\displaystyle an\leq m<an+n} である。よって 0 ≤ b < n {\displaystyle 0\leq b<n} である。(証明終) 定理 1.5. m, nを0と異なる整数とし、a=(m, n) とおく。このとき、 m x + n y = a {\displaystyle mx+ny=a} を満たす整数x, yが存在する。 証明. m, nは正の整数として差し支えない。max{m, n}に関する帰納法で証明する。 このとき k + 1 = m ≥ n {\displaystyle k+1=m\geq n} と仮定しても差し支えない。 n|mならば x = 0 , y = 1 {\displaystyle x=0,y=1} とおけばよい。 n|mでなければ、定理 1.4より m = a n + b , 0 ≤ b < n {\displaystyle m=an+b,0\leq b<n} を満たす整数a, bが存在する。 b ≤ n − 1 ≤ k {\displaystyle b\leq n-1\leq k} より n u + b v = ( n , b ) {\displaystyle nu+bv=(n,b)} を満たす整数u, vが存在する。 定理 1.2 c)より(n, b)|mだから、(n, b)|(m, n)である。よって n w + b z = ( m , n ) {\displaystyle nw+bz=(m,n)} を満たす整数w, zが存在する。b=m-anより、 m b + n ( w − a b ) = ( m , n ) {\displaystyle mb+n(w-ab)=(m,n)} である。(証明終)
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定義 1.1. m, nを整数とする。m =anとなる整数aが存在する時、mはnの倍数であり、 nはmの約数であるといい、n|mと記す。 定理 1.2. l, m, nを整数とする。 証明 定義 1.3. m, nを0と異なる整数とする。 注意. [m, n] および (m, n) という記法は別の意味に用いることもある。 定理 1.4. m, nを正の整数とする。このとき次の性質を満たす整数a, bが存在する: 証明. a = ⌊ m / n ⌋ , b = m − a n とおく。このとき、a, bは整数である。 また、 a ≤ m / n < a + 1 だから、 a n ≤ m < a n + n である。よって 0 ≤ b < n である。(証明終) 定理 1.5. m, nを0と異なる整数とし、a=(m, n) とおく。このとき、 m x + n y = a を満たす整数x, yが存在する。 証明. m, nは正の整数として差し支えない。max{m, n}に関する帰納法で証明する。 m = n = 1 のときは x = 1 , y = 0 とおけばよい。 max{m, n}≦kに対して定理が証明され、max{m, n}=k+1と仮定する。 このとき k + 1 = m ≥ n と仮定しても差し支えない。 n|mならば x = 0 , y = 1 とおけばよい。 n|mでなければ、定理 1.4より m = a n + b , 0 ≤ b < n を満たす整数a, bが存在する。 b ≤ n − 1 ≤ k より n u + b v = ( n , b ) を満たす整数u, vが存在する。 定理 1.2 c)より(n, b)|mだから、(n, b)|(m, n)である。よって n w + b z = ( m , n ) を満たす整数w, zが存在する。b=m-anより、 m b + n ( w − a b ) = ( m , n ) である。(証明終)
定義 1.1. ''m'', ''n''を整数とする。''m'' =''an''となる整数''a''が存在する時、''m''は''n''の倍数であり、 ''n''は''m''の約数であるといい、''n''|''m''と記す。 定理 1.2. ''l'', ''m'', ''n''を整数とする。 :*a) ''l''|''m'', ''m''|''n'' ならば ''l''|''n''。 :*b) ''l''|''m'', ''l''|''n'' ならば ''l''|(''m''+''n'')。 :*c) ''l''|''m'', ''l''|''n'' で ''a'', ''b'' が整数ならば ''l''|(''am''+''bn'')。 証明 :*a) ''m''=''al'', ''n''=''bm'' を満たす整数''a'', ''b''が存在する。よって''n''=''abl''であるから ''l''|''n'' 。 :*b) ''m''=''al'', ''n''=''bl'' を満たす整数''a'', ''b''が存在する。よって''m''+''n''=(''a''+''b'')''l''であるから ''l''|(''m''+''n'') 。 :*c) a)より ''l''|(''am'') かつ ''l''|(''bn'') だから、b)より ''l''|(''am''+''bn'') 。(証明終) 定義 1.3. ''m'', ''n''を0と異なる整数とする。 :*a) 整数''l''が ''m''|''l'' かつ ''n''|''l'' を満足する時 ''l'' を''m''と''n''の公倍数であるといい、整数''l''が ''l''|''m'' かつ ''l''|''n'' を満足する時 ''l'' を''m''と''n''の公約数であるという。 :*b) ''m''と''n''の最小の公倍数を [''m'', ''n''] と書き、''m''と''n''の最大の公約数を (''m'', ''n'') と書く。 注意. [''m'', ''n''] および (''m'', ''n'') という記法は別の意味に用いることもある。 定理 1.4. ''m'', ''n''を正の整数とする。このとき次の性質を満たす整数''a'', ''b''が存在する: :* <math>m=an+b</math>, :* <math>0\le b < n</math>。 証明. <math>a=\lfloor m/n\rfloor, b=m-an</math>とおく。このとき、''a'', ''b''は整数である。 また、<math>a\le m/n < a+1 </math>だから、<math>an\le m < an+n</math>である。よって <math>0\le b < n</math>である。(証明終) 定理 1.5. ''m'', ''n''を0と異なる整数とし、''a''=(''m'', ''n'') とおく。このとき、 <math>mx+ny=a</math>を満たす整数''x'', ''y''が存在する。 証明. ''m'', ''n''は正の整数として差し支えない。max{''m'', ''n''}に関する帰納法で証明する。 * <math>m=n=1</math>のときは<math>x=1, y=0</math>とおけばよい。 * max{''m'', ''n''}≦''k''に対して定理が証明され、max{''m'', ''n''}=''k''+1と仮定する。 このとき<math>k+1=m\ge n</math>と仮定しても差し支えない。 ''n''|''m''ならば<math>x=0, y=1</math>とおけばよい。 ''n''|''m''でなければ、定理 1.4より<math>m=an+b, 0\le b < n</math>を満たす整数''a'', ''b''が存在する。 <math>b \le n-1 \le k</math>より<math>nu+bv=(n, b)</math>を満たす整数''u'', ''v''が存在する。 定理 1.2 c)より(''n'', ''b'')|''m''だから、(''n'', ''b'')|(''m'', ''n'')である。よって <math>nw+bz=(m, n)</math>を満たす整数''w'', ''z''が存在する。''b''=''m''-''an''より、 <math>mb+n(w-ab)=(m, n)</math>である。(証明終) [[Category:数学|せいしよせいおよひそすうにかんするしよとうてきていり]]
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2015-08-14T04:51:38Z
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https://ja.wikibooks.org/wiki/Tranwiki:%E6%95%B4%E9%99%A4%E6%80%A7%E3%81%8A%E3%82%88%E3%81%B3%E7%B4%A0%E6%95%B0%E3%81%AB%E9%96%A2%E3%81%99%E3%82%8B%E5%88%9D%E7%AD%89%E7%9A%84%E5%AE%9A%E7%90%86
3,184
光の偏極/楕円偏極
3次元直交座標系を考える。 真空中をz方向に伝播する単色光平面波の電場ベクトル E {\displaystyle \mathbf {E} } は、 時間 tと位置 zの関数として次のように書ける(平面波なのでx, yには依存しない)。 E ( t , z ) = ( E x cos ( ω ( t − z / c ) + φ x ) E y cos ( ω ( t − z / c ) + φ y ) 0 ) {\displaystyle \mathbf {E} (t,z)={\begin{pmatrix}E_{x}\cos(\omega (t-z/c)+\phi _{x})\\E_{y}\cos(\omega (t-z/c)+\phi _{y})\\0\\\end{pmatrix}}} ここで E x , E y {\displaystyle E_{x},E_{y}} はそれぞれx, y方向の振動電場の振幅、 ω {\displaystyle \omega } は角振動数、cは光速度、 φ x , φ y {\displaystyle \phi _{x},\phi _{y}} はそれぞれx, y方向の振動電場の位相である(振動数 ν = ω / 2 π {\displaystyle \nu =\omega /2\pi } , 波長 λ = 2 π c / ω {\displaystyle \lambda =2\pi c/\omega } である)。 ここからはxy面に平行なある面での電場を考えれば十分なのでz=0とし、 また電場のz成分は常に0なので無視すると、 E {\displaystyle \mathbf {E} } は時間tのみに依存する2次元ベクトルとして次のようになる。 E ( t ) = ( E x cos ( ω t + φ x ) E y cos ( ω t + φ y ) ) {\displaystyle \mathbf {E} (t)={\begin{pmatrix}E_{x}\cos(\omega t+\phi _{x})\\E_{y}\cos(\omega t+\phi _{y})\\\end{pmatrix}}} この電場ベクトルの軌跡は時間tを媒介変数とする媒介変数表示による次の関数で表わされる。 x = E x cos ( ω t + φ x ) {\displaystyle x=E_{x}\cos(\omega t+\phi _{x})} y = E y cos ( ω t + φ y ) {\displaystyle y=E_{y}\cos(\omega t+\phi _{y})} これからtを消去することを考える。 φ x = φ y {\displaystyle \phi _{x}=\phi _{y}} のとき、軌跡は となる。 これは原点を通る直線の式であり、 E x ≠ 0 {\displaystyle E_{x}\neq 0} のとき傾きが E y / E x {\displaystyle E_{y}/E_{x}} , E x = 0 {\displaystyle E_{x}=0} のときはy軸に平行である。 φ x − φ y = ± π / 2 ( + 2 n π ) {\displaystyle \phi _{x}-\phi _{y}=\pm \pi /2(+2n\pi )} のとき、 位相差を問題にしているので E x ≠ 0 , E y ≠ 0 {\displaystyle E_{x}\neq 0,E_{y}\neq 0} の場合だけを考えればよい。 ( x E x ) 2 + ( y E y ) 2 = 1 {\displaystyle ({\frac {x}{E_{x}}})^{2}+({\frac {y}{E_{y}}})^{2}=1} これは長軸と短軸がx, y軸上にある楕円である(中心は原点にある)。 特に E x = E y {\displaystyle E_{x}=E_{y}} のとき円になる。 ToDo 右回りか左回りか x軸またはy軸に長軸を持つ楕円の解が存在することがわかったので、 問題の対称性から、任意の方位に長軸を持つ楕円の解が存在することが直観的にわかる。 そこで、楕円を含む円錐曲線の一般形、すなわち2次曲線の一般形を考える。 2 ( A x 2 + B x y + C y 2 + D x + E y + F ) = 0 {\displaystyle 2(Ax^{2}+Bxy+Cy^{2}+Dx+Ey+F)=0} 準備として x y {\displaystyle xy} を求めておく。三角関数の式を使うと次のようになる。 2 x y = E x E y ( cos 2 ω t cos ( φ x + φ y ) − sin 2 ω t sin ( φ x + φ y ) + cos ( φ x − φ y ) ) {\displaystyle 2xy=E_{x}E_{y}(\cos 2\omega t\cos(\phi _{x}+\phi _{y})-\sin 2\omega t\sin(\phi _{x}+\phi _{y})+\cos(\phi _{x}-\phi _{y}))} 文字の入れ換えによって x 2 , y 2 {\displaystyle x^{2},y^{2}} はすぐ求まる。 2 x 2 = E x 2 ( cos 2 ω t cos 2 φ x − sin 2 ω t sin 2 φ x + 1 ) {\displaystyle 2x^{2}={E_{x}}^{2}(\cos 2\omega t\cos 2\phi _{x}-\sin 2\omega t\sin 2\phi _{x}+1)} 2 y 2 = E y 2 ( cos 2 ω t cos 2 φ y − sin 2 ω t sin 2 φ y + 1 ) {\displaystyle 2y^{2}={E_{y}}^{2}(\cos 2\omega t\cos 2\phi _{y}-\sin 2\omega t\sin 2\phi _{y}+1)} 2次曲線の式がtに関する恒等式であるためには 上の2式からA, CをBで表わすと 下の2式からD, Eについて解くと、 φ x = φ y {\displaystyle \phi _{x}=\phi _{y}} のとき D = ± E y , E = ∓ E x {\displaystyle D=\pm E_{y},E=\mp E_{x}} であり、 φ x ≠ φ y {\displaystyle \phi _{x}\neq \phi _{y}} のとき D = 0 , E = 0 {\displaystyle D=0,E=0} である。 φ x ≠ φ y {\displaystyle \phi _{x}\neq \phi _{y}} のときを考えればよいので、結局次のようになる。 E y 2 sin δ φ x 2 − E x E y sin 2 δ φ x y + E x 2 sin δ φ y 2 = G ( c o n s t ) {\displaystyle {E_{y}}^{2}\sin \delta \phi x^{2}-E_{x}E_{y}\sin 2\delta \phi xy+{E_{x}}^{2}\sin \delta \phi y^{2}=G(\mathrm {const} )} ここで δ φ = φ x − φ y {\displaystyle \delta \phi =\phi _{x}-\phi _{y}} である。 Gを求めてまとめると、 ( x E x ) 2 − 2 cos δ φ ( x E x ) ( y E y ) + ( y E y ) 2 = sin 2 δ φ {\displaystyle ({\frac {x}{E_{x}}})^{2}-2\cos \delta \phi ({\frac {x}{E_{x}}})({\frac {y}{E_{y}}})+({\frac {y}{E_{y}}})^{2}=\sin ^{2}\delta \phi } ここで、 E x ≠ 0 , E y ≠ 0 {\displaystyle E_{x}\neq 0,E_{y}\neq 0} とした(直線にならない場合)。 (まだ途中)
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3次元直交座標系を考える。 真空中をz方向に伝播する単色光平面波の電場ベクトル E は、 時間 tと位置 zの関数として次のように書ける(平面波なのでx, yには依存しない)。 E = ここで E x , E y はそれぞれx, y方向の振動電場の振幅、 ω は角振動数、cは光速度、 ϕ x , ϕ y はそれぞれx, y方向の振動電場の位相である(振動数 ν = ω / 2 π , 波長 λ = 2 π c / ω である)。 ここからはxy面に平行なある面での電場を考えれば十分なのでz=0とし、 また電場のz成分は常に0なので無視すると、 E は時間tのみに依存する2次元ベクトルとして次のようになる。 E = この電場ベクトルの軌跡は時間tを媒介変数とする媒介変数表示による次の関数で表わされる。 x = E x cos ⁡ y = E y cos ⁡ これからtを消去することを考える。
<!-- このページ(モジュール)で何を述べるのか、主題を一言で書くべし --> 3次元[[w:直交座標系|直交座標系]]を考える。 真空中をz方向に伝播する[[w:単色光|単色光]][[w:平面波|平面波]]の電場ベクトル<math>\mathbf{E}</math>は、 [[w:時間|時間]] tと[[w:位置|位置]] zの[[w:関数|関数]]として次のように書ける(平面波なのでx, yには依存しない)。 <math> \mathbf{E}(t, z) = \begin{pmatrix} E_x \cos(\omega(t-z/c) + \phi_x) \\ E_y \cos(\omega(t-z/c) + \phi_y) \\ 0 \\ \end{pmatrix} </math> ここで<math>E_x, E_y</math>はそれぞれx, y方向の振動電場の振幅、 <math>\omega</math>は[[w:角振動数|角振動数]]、cは[[w:光速度|光速度]]、 <math>\phi_x, \phi_y</math>はそれぞれx, y方向の振動電場の[[w:位相|位相]]である([[w:振動数|振動数]]<math>\nu = \omega/2\pi</math>, [[w:波長|波長]]<math>\lambda = 2\pi c/\omega</math>である)。 ここからはxy面に平行なある面での電場を考えれば十分なのでz=0とし、 また電場のz成分は常に0なので無視すると、<math>\mathbf{E}</math>は時間tのみに依存する2次元ベクトルとして次のようになる。 <math> \mathbf{E}(t) = \begin{pmatrix} E_x \cos(\omega t + \phi_x) \\ E_y \cos(\omega t + \phi_y) \\ \end{pmatrix} </math> この電場ベクトルの軌跡は時間tを媒介変数とする[[w:媒介変数表示|媒介変数表示]]による次の関数で表わされる。 <math> x = E_x \cos(\omega t + \phi_x) </math> <math> y = E_y \cos(\omega t + \phi_y) </math> これからtを消去することを考える。 ==位相差が0の場合== <math>\phi_x = \phi_y</math>のとき、軌跡は :<math>E_y x = E_x y</math> となる。 これは原点を通る直線の式であり、 <math>E_x \ne 0</math>のとき傾きが<math>E_y/E_x</math>, <math>E_x = 0</math>のときはy軸に平行である。 ==位相差がpi/2の場合== <math>\phi_x-\phi_y=\pm\pi/2(+2n\pi)</math>のとき、 :<math>x = E_x\cos(\omega t + \phi_x)</math> :<math>y = \pm E_x\sin(\omega t + \phi_x)</math> 位相差を問題にしているので<math>E_x \ne 0, E_y \ne 0</math>の場合だけを考えればよい。 <math> (\frac{x}{E_x})^2 + (\frac{y}{E_y})^2 = 1 </math> これは長軸と短軸がx, y軸上にある[[w:楕円|楕円]]である(中心は原点にある)。 特に<math>E_x = E_y</math>のとき[[w:円|円]]になる。 <blockquote><small> ''ToDo 右回りか左回りか'' </small></blockquote> ==位相差が任意の場合== x軸またはy軸に長軸を持つ楕円の解が存在することがわかったので、 問題の対称性から、任意の方位に長軸を持つ楕円の解が存在することが[[w:直観的|直観的]]にわかる。 そこで、楕円を含む[[w:円錐曲線|円錐曲線]]の一般形、すなわち2次曲線の一般形を考える。 <math> 2(Ax^2+Bxy+Cy^2+Dx+Ey+F) = 0 </math> 準備として<math>xy</math>を求めておく。[[w:三角関数|三角関数]]の式を使うと次のようになる。 <math> 2xy = E_xE_y (\cos2\omega t\cos(\phi_x+\phi_y) - \sin2\omega t\sin(\phi_x+\phi_y) + \cos(\phi_x-\phi_y)) </math> 文字の入れ換えによって<math>x^2, y^2</math>はすぐ求まる。 <math> 2x^2 = {E_x}^2 (\cos2\omega t\cos2\phi_x - \sin2\omega t\sin2\phi_x + 1) </math> <math> 2y^2 = {E_y}^2 (\cos2\omega t\cos2\phi_y - \sin2\omega t\sin2\phi_y + 1) </math> 2次曲線の式がtに関する恒等式であるためには :<math>AE_x^2\cos2\phi_x + BE_xE_y\cos(\phi_x+\phi_y) + CE_y^2\cos2\phi_y = 0</math> :<math>AE_x^2\sin2\phi_x + BE_xE_y\sin(\phi_x+\phi_y) + CE_y^2\sin2\phi_y = 0</math> :<math>DE_x\cos\phi_x + EE_y\cos\phi_y = 0</math> :<math>DE_x\sin\phi_x + EE_y\sin\phi_y = 0</math> 上の2式からA, CをBで表わすと :<math>A{E_x}^2\sin2(\phi_x-\phi_y) = C{E_y}^2\sin2(\phi_x-\phi_y)</math> :<math>= -BE_xE_y\sin(\phi_x-\phi_y)</math> 下の2式からD, Eについて解くと、 <math>\phi_x = \phi_y</math>のとき<math>D=\pm E_y, E=\mp E_x</math>であり、 <math>\phi_x \ne \phi_y</math>のとき<math>D=0, E=0</math>である。 <math>\phi_x \ne \phi_y</math>のときを考えればよいので、結局次のようになる。 <math> {E_y}^2 \sin\delta\phi x^2 - E_xE_y \sin2\delta\phi xy + {E_x}^2 \sin\delta\phi y^2 = G (\mathrm{const}) </math> ここで<math>\delta\phi = \phi_x - \phi_y</math>である。 Gを求めてまとめると、 <math> (\frac{x}{E_x})^2 - 2\cos\delta\phi(\frac{x}{E_x})(\frac{y}{E_y}) + (\frac{y}{E_y})^2 = \sin^2\delta\phi </math> ここで、<math>E_x \ne 0, E_y \ne 0</math>とした(直線にならない場合)。 ''(まだ途中)'' [[Category:物理学|ひかりのへんきよく たえんへんきよく]]
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2008-05-19T17:34:56Z
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光の偏極/光学素子
まだ書きかけです。 ウィキペディアの偏光にも 偏光に関する光学素子の情報があります。 ここでは、 光の偏極状態を変化させる光学素子について述べる。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "まだ書きかけです。 ウィキペディアの偏光にも 偏光に関する光学素子の情報があります。", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "ここでは、 光の偏極状態を変化させる光学素子について述べる。", "title": "" } ]
まだ書きかけです。 ウィキペディアの偏光にも 偏光に関する光学素子の情報があります。 ここでは、 光の偏極状態を変化させる光学素子について述べる。
まだ書きかけです。 ウィキペディアの[[w:偏光|偏光]]にも 偏光に関する光学素子の情報があります。 ---- ここでは、 光の偏極状態を変化させる光学素子について述べる。 == 偏光子 == == 波長板 == == 偏光解消板 == [[Category:物理学|ひかりのへんきよく こうかくそし]]
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2008-05-19T17:23:11Z
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https://ja.wikibooks.org/wiki/%E5%85%89%E3%81%AE%E5%81%8F%E6%A5%B5/%E5%85%89%E5%AD%A6%E7%B4%A0%E5%AD%90
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光の偏極/用語集
ここには光の偏極に関連する用語を集めています。 光の偏極について学ぶとき (あるいは教科書作りに参加するとき)の助けになることを目的としています。 主にウィキペディアのページへのリンクとして作ってありますが、 コメントとして光の偏極とどのように関連しているかを書いてあります。 存在しないページへのリンクもいくつかあります。 必要に応じて、内容を書いたり、関連ページへのリダイレクトをお願いします。 偏光 Polarization 偏極は光に限った現象ではない。 日本語では偏極した光のこと、あるいは光の偏極のことを偏光と言う。 英語ではpolarized light, polarization of lightと言う。 フレネルの式 Fresnel equations 反射率の入射角度依存性の式で、光路面に平行な偏極と垂直な偏極をそれぞれ考える。 複屈折 Birefringence 複屈折性は直線偏光に関するものである。 円偏光二色性 Circular dichroism 方解石 Calcite 方解石を通して見た像は2重に見える。 これは複屈折性のためである。 複屈折性を説明するには光の偏極を導入する必要がある。 波長板 Wave plate 複屈折性(直線偏光に関するもの)を利用して、 偏光を変化させる光学部品。 ポーラロイド Polaroid ポーラロイドのフィルム偏光子は、 ひとつの直線偏光成分を吸収し、 残りの直交する直線偏光成分だけを透過することにより、 偏極した光を作り出す。 光(あるいは電磁波)はベクトル波であるため偏極という性質を持つが、 話題によっては光をスカラー波と考え偏極を取り上げずに論じることができる場合も多い。 ウィキペディアのページもそのような場合が多い。 光 Light 電磁波 Electromagnetic radiation 単色光 Monochromatic マクスウェルの式を前提に波動方程式を導く(電磁波の式の導出)ことにより、 電磁波が横波であることが示される。 光が電磁波であることは、真空中の電磁波の伝播速度と 真空中の誘電率と誘磁率の関係から示唆された。 (証明はどのように行なわれたのだろう?) (光を電磁波と考えて矛盾がないから正しい、ということか?) マクスウェルの式 Maxwell's equation 波動方程式 Wave equation 今のところ、これらの記事は偏極までは考察していない。 電磁波は横波であるから、以下の知識が必要となる。 波動 Wave 横波 Transverse wave 位相 Phase ベクトル波 Vector wave 完全偏極の分類。 実際のところ、これらは2つの直交する偏極状態の位相の関係に過ぎない。 しかし応用面では、各々の分野で特別な意味を持つ。 直線偏光 Linear polarization 円偏光 Circular polarization 楕円偏光 Elliptical polarization 今のところ、Wikipediaでは部分偏極に関する記事がない。 部分偏光 Partial polarization 完全偏光 Total polarization 自然光 Natural light 無偏光 Non-polarized light 部分偏極に関連する概念 コヒーレンス Coherence
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "ここには光の偏極に関連する用語を集めています。 光の偏極について学ぶとき (あるいは教科書作りに参加するとき)の助けになることを目的としています。 主にウィキペディアのページへのリンクとして作ってありますが、 コメントとして光の偏極とどのように関連しているかを書いてあります。", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "存在しないページへのリンクもいくつかあります。 必要に応じて、内容を書いたり、関連ページへのリダイレクトをお願いします。", "title": "" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "偏光 Polarization", "title": "偏光" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "偏極は光に限った現象ではない。 日本語では偏極した光のこと、あるいは光の偏極のことを偏光と言う。 英語ではpolarized light, polarization of lightと言う。", "title": "偏光" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "フレネルの式 Fresnel equations", "title": "偏光" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "反射率の入射角度依存性の式で、光路面に平行な偏極と垂直な偏極をそれぞれ考える。", "title": "偏光" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "複屈折 Birefringence", "title": "偏光" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "複屈折性は直線偏光に関するものである。", "title": "偏光" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "円偏光二色性 Circular dichroism", "title": "偏光" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "方解石 Calcite", "title": "光学素子" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "方解石を通して見た像は2重に見える。 これは複屈折性のためである。 複屈折性を説明するには光の偏極を導入する必要がある。", "title": "光学素子" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "波長板 Wave plate", "title": "光学素子" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "複屈折性(直線偏光に関するもの)を利用して、 偏光を変化させる光学部品。", "title": "光学素子" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "ポーラロイド Polaroid", "title": "光学素子" }, { "paragraph_id": 14, "tag": "p", "text": "ポーラロイドのフィルム偏光子は、 ひとつの直線偏光成分を吸収し、 残りの直交する直線偏光成分だけを透過することにより、 偏極した光を作り出す。", "title": "光学素子" }, { "paragraph_id": 15, "tag": "p", "text": "光(あるいは電磁波)はベクトル波であるため偏極という性質を持つが、 話題によっては光をスカラー波と考え偏極を取り上げずに論じることができる場合も多い。 ウィキペディアのページもそのような場合が多い。", "title": "光・電磁波" }, { "paragraph_id": 16, "tag": "p", "text": "光 Light", "title": "光・電磁波" }, { "paragraph_id": 17, "tag": "p", "text": "電磁波 Electromagnetic radiation", "title": "光・電磁波" }, { "paragraph_id": 18, "tag": "p", "text": "単色光 Monochromatic", "title": "光・電磁波" }, { "paragraph_id": 19, "tag": "p", "text": "マクスウェルの式を前提に波動方程式を導く(電磁波の式の導出)ことにより、 電磁波が横波であることが示される。 光が電磁波であることは、真空中の電磁波の伝播速度と 真空中の誘電率と誘磁率の関係から示唆された。 (証明はどのように行なわれたのだろう?) (光を電磁波と考えて矛盾がないから正しい、ということか?)", "title": "光・電磁波" }, { "paragraph_id": 20, "tag": "p", "text": "マクスウェルの式 Maxwell's equation", "title": "光・電磁波" }, { "paragraph_id": 21, "tag": "p", "text": "波動方程式 Wave equation", "title": "光・電磁波" }, { "paragraph_id": 22, "tag": "p", "text": "今のところ、これらの記事は偏極までは考察していない。", "title": "光・電磁波" }, { "paragraph_id": 23, "tag": "p", "text": "電磁波は横波であるから、以下の知識が必要となる。", "title": "光・電磁波" }, { "paragraph_id": 24, "tag": "p", "text": "波動 Wave", "title": "光・電磁波" }, { "paragraph_id": 25, "tag": "p", "text": "横波 Transverse wave", "title": "光・電磁波" }, { "paragraph_id": 26, "tag": "p", "text": "位相 Phase", "title": "光・電磁波" }, { "paragraph_id": 27, "tag": "p", "text": "ベクトル波 Vector wave", "title": "光・電磁波" }, { "paragraph_id": 28, "tag": "p", "text": "完全偏極の分類。 実際のところ、これらは2つの直交する偏極状態の位相の関係に過ぎない。 しかし応用面では、各々の分野で特別な意味を持つ。", "title": "完全偏極" }, { "paragraph_id": 29, "tag": "p", "text": "直線偏光 Linear polarization", "title": "完全偏極" }, { "paragraph_id": 30, "tag": "p", "text": "円偏光 Circular polarization", "title": "完全偏極" }, { "paragraph_id": 31, "tag": "p", "text": "楕円偏光 Elliptical polarization", "title": "完全偏極" }, { "paragraph_id": 32, "tag": "p", "text": "今のところ、Wikipediaでは部分偏極に関する記事がない。", "title": "部分偏極" }, { "paragraph_id": 33, "tag": "p", "text": "部分偏光 Partial polarization", "title": "部分偏極" }, { "paragraph_id": 34, "tag": "p", "text": "完全偏光 Total polarization", "title": "部分偏極" }, { "paragraph_id": 35, "tag": "p", "text": "自然光 Natural light", "title": "部分偏極" }, { "paragraph_id": 36, "tag": "p", "text": "無偏光 Non-polarized light", "title": "部分偏極" }, { "paragraph_id": 37, "tag": "p", "text": "部分偏極に関連する概念", "title": "部分偏極" }, { "paragraph_id": 38, "tag": "p", "text": "コヒーレンス Coherence", "title": "部分偏極" } ]
ここには光の偏極に関連する用語を集めています。 光の偏極について学ぶとき (あるいは教科書作りに参加するとき)の助けになることを目的としています。 主にウィキペディアのページへのリンクとして作ってありますが、 コメントとして光の偏極とどのように関連しているかを書いてあります。 存在しないページへのリンクもいくつかあります。 必要に応じて、内容を書いたり、関連ページへのリダイレクトをお願いします。
ここには[[光の偏極]]に関連する用語を集めています。 光の偏極について学ぶとき (あるいは教科書作りに参加するとき)の助けになることを目的としています。 主にウィキペディアのページへのリンクとして作ってありますが、 コメントとして光の偏極とどのように関連しているかを書いてあります。 存在しないページへのリンクもいくつかあります。 必要に応じて、内容を書いたり、関連ページへの[[w:Help:リダイレクト|リダイレクト]]をお願いします。 == 偏光 == [[w:偏光|偏光]] [[w:en:Polarization|Polarization]] 偏極は光に限った現象ではない。 日本語では偏極した光のこと、あるいは光の偏極のことを偏光と言う。 英語ではpolarized light, polarization of lightと言う。 [[w:フレネルの式|フレネルの式]] [[w:en:Fresnel equations|Fresnel equations]] 反射率の入射角度依存性の式で、光路面に平行な偏極と垂直な偏極をそれぞれ考える。 [[w:複屈折|複屈折]] [[w:en:Birefringence|Birefringence]] 複屈折性は直線偏光に関するものである。 [[w:円偏光二色性|円偏光二色性]] [[w:en:Circular dichroism|Circular dichroism]] == 光学素子 == [[w:方解石|方解石]] [[w:en:Calcite|Calcite]] 方解石を通して見た像は2重に見える。 これは複屈折性のためである。 複屈折性を説明するには光の偏極を導入する必要がある。 [[w:波長板|波長板]] [[w:en:Wave plate|Wave plate]] 複屈折性(直線偏光に関するもの)を利用して、 偏光を変化させる光学部品。 [[w:ポーラロイド|ポーラロイド]] [[w:en:Polaroid|Polaroid]] ポーラロイドのフィルム偏光子は、 ひとつの直線偏光成分を吸収し、 残りの直交する直線偏光成分だけを透過することにより、 偏極した光を作り出す。 == 光・電磁波 == 光(あるいは電磁波)はベクトル波であるため偏極という性質を持つが、 話題によっては光をスカラー波と考え偏極を取り上げずに論じることができる場合も多い。 ウィキペディアのページもそのような場合が多い。 [[w:光|光]] [[w:en:Light|Light]] [[w:電磁波|電磁波]] [[w:en:Electromagnetic radiation|Electromagnetic radiation]] [[w:単色光|単色光]] [[w:en:Monochromatic|Monochromatic]] マクスウェルの式を前提に波動方程式を導く([[電磁波の式の導出]])ことにより、 電磁波が横波であることが示される。 光が電磁波であることは、真空中の電磁波の伝播速度と 真空中の誘電率と誘磁率の関係から示唆された。 <small>''(証明はどのように行なわれたのだろう?)''</small> <small>''(光を電磁波と考えて矛盾がないから正しい、ということか?)''</small> [[w:マクスウェルの式|マクスウェルの式]] [[w:en:Maxwell's equation|Maxwell's equation]] [[w:波動方程式|波動方程式]] [[w:en:Wave equation|Wave equation]] 今のところ、これらの記事は偏極までは考察していない。 電磁波は横波であるから、以下の知識が必要となる。 [[w:波動|波動]] [[w:en:Wave|Wave]] [[w:横波|横波]] [[w:en:Transverse wave|Transverse wave]] [[w:位相|位相]] [[w:en:Phase (waves)|Phase]] [[w:ベクトル波|ベクトル波]] [[w:en:Vector wave|Vector wave]] == 完全偏極 == 完全偏極の分類。 実際のところ、これらは2つの直交する偏極状態の位相の関係に過ぎない。 しかし応用面では、各々の分野で特別な意味を持つ。 [[w:直線偏光|直線偏光]] [[w:en:Linear polarization|Linear polarization]] [[w:円偏光|円偏光]] [[w:en:Circular polarization|Circular polarization]] [[w:楕円偏光|楕円偏光]] [[w:en:Elliptical polarization|Elliptical polarization]] == 部分偏極 == 今のところ、Wikipediaでは部分偏極に関する記事がない。 [[w:部分偏光|部分偏光]] [[w:en:Partial polarization|Partial polarization]] [[w:完全偏光|完全偏光]] [[w:en:Total polarization|Total polarization]] [[w:自然光|自然光]] [[w:en:Natural light|Natural light]] [[w:無偏光|無偏光]] [[w:en:Non-polarized light|Non-polarized light]] 部分偏極に関連する概念 [[w:コヒーレンス|コヒーレンス]] [[w:en:Coherence (physics)|Coherence]] [[Category:物理学|ひかりのへんきよく ようこしゆう]]
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2008-05-19T17:26:38Z
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https://ja.wikibooks.org/wiki/%E5%85%89%E3%81%AE%E5%81%8F%E6%A5%B5/%E7%94%A8%E8%AA%9E%E9%9B%86
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Tranwiki:日本語:まずはじめに
日本語(にほんご)は、主に日本で使用される言語である。使用者は世界で約1億3千万人。日本以外で日本語を公的に使用する国はなく、多くは日系移民や日本研究家、ビジネスマンなどによって使用・学習される。 明治以降日本人がアメリカやメキシコ、ブラジルやペルーなどに移住しており、これらの地域では移住者やその子孫が日本語を使っている場合もある。 言語学的な特徴として、語の格を示すため語尾変化ではなく助詞を付加することから膠着語に分類される。他言語と大きく異なる点として、表記上の文字体系が複雑であることが挙げられる。日本語表記に使われる文字は、主に表音文字の平仮名・片仮名、表意文字の漢字であり、アラビア数字やアルファベットなども併用される。表記における多様性は、近隣諸国の言語でも、表意文字の漢字を主とする中国語、表音文字のハングルを主とする朝鮮語とは顕著な違いを見せる。 Wikipedia日本語版の「日本語」のページ(2004年6月13日 06:06版)から抜粋、加筆。
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日本語(にほんご)は、主に日本で使用される言語である。使用者は世界で約1億3千万人。日本以外で日本語を公的に使用する国はなく、多くは日系移民や日本研究家、ビジネスマンなどによって使用・学習される。 明治以降日本人がアメリカやメキシコ、ブラジルやペルーなどに移住しており、これらの地域では移住者やその子孫が日本語を使っている場合もある。 言語学的な特徴として、語の格を示すため語尾変化ではなく助詞を付加することから膠着語に分類される。他言語と大きく異なる点として、表記上の文字体系が複雑であることが挙げられる。日本語表記に使われる文字は、主に表音文字の平仮名・片仮名、表意文字の漢字であり、アラビア数字やアルファベットなども併用される。表記における多様性は、近隣諸国の言語でも、表意文字の漢字を主とする中国語、表音文字のハングルを主とする朝鮮語とは顕著な違いを見せる。
'''日本語'''(にほんご)は、主に日本で使用される言語である。使用者は世界で約1億3千万人。日本以外で日本語を公的に使用する国はなく、多くは日系移民や日本研究家、ビジネスマンなどによって使用・学習される。 明治以降日本人がアメリカやメキシコ、ブラジルやペルーなどに移住しており、これらの地域では移住者やその子孫が日本語を使っている場合もある。 言語学的な特徴として、語の格を示すため語尾変化ではなく助詞を付加することから膠着語に分類される。他言語と大きく異なる点として、表記上の文字体系が複雑であることが挙げられる。日本語表記に使われる文字は、主に表音文字の平仮名・片仮名、表意文字の漢字であり、アラビア数字やアルファベットなども併用される。表記における多様性は、近隣諸国の言語でも、表意文字の漢字を主とする中国語、表音文字のハングルを主とする朝鮮語とは顕著な違いを見せる。 ===日本語の学習上知っているほうが良い事柄(上記と重複あり)=== * [[ローマ字]]、[[片仮名]]、[[平仮名]]や[[漢字]]等の複数の文字が使用されている。 * 使用する言葉によって話者の上下関係がわかることが多い([[尊称]]、[[敬称]]、[[丁寧語]]、[[謙遜語]]等)。 * 女言葉、男言葉があるので注意が必要である。 * 地方の方言があるので[[標準語]]が通じないことがある。 * 学習する上での最大の問題となる点は、漢字の学習ではなく[[外来語]](和製英語)の理解である。 * 文字の並べ方には、[[五十音順]]、[[イロハ順]]、[[アルファベット順]]等がある。 * 漢字の読み方にも、歴史的背景から[[音読み]]と[[訓読み]]がある。 * 中国の漢字とは、意味や用語が違う場合があるので、筆談には注意。 * 基本的には、高低アクセントであるが、しかし、中国語の「カーブ」を描く高低アクセントと違い「階段式」なアクセントである(英語などは強弱アクセントである)。 Wikipedia日本語版の「日本語」のページ(2004年6月13日 06:06版)から抜粋、加筆。 [[Category:日本語|始めに]]
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2015-08-14T01:32:51Z
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https://ja.wikibooks.org/wiki/Tranwiki:%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%AA%9E:%E3%81%BE%E3%81%9A%E3%81%AF%E3%81%98%E3%82%81%E3%81%AB
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Tranwiki:韓国語会話: Lesson 1
韓国語会話 | Lesson 1 > Lesson 2
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "韓国語会話 | Lesson 1 > Lesson 2", "title": "" } ]
韓国語会話 | Lesson 1 > Lesson 2
[[韓国語会話]] | '''Lesson 1''' > [[韓国語会話: Lesson 2|Lesson 2]] <h1>'''<font lang="ko">인사하기</font> 挨拶'''</h1> == <font lang="ko">만날 때</font> == === <font lang="ko">회화</font> 会話 === * '''<font lang="ko">높임말</font> 敬語''' <table border=1 width=80%> <tr> <td width=20%><font lang="ko">이름</font> 名前</td> <td width=40%><font lang="ko">한국어</font> 韓国語</td> <td width=40%><font lang="ko">일본어</font> 日本語</td> </tr> <tr> <td><font lang="ko">수영</font></td> <td><font lang="ko">안녕하세요.</font></td> <td>こんにちは。</td> </tr> <tr> <td><font lang="ko">에리코</font></td> <td><font lang="ko">안녕하세요. 오랜만이네요.</font></td> <td>こんにちは。久しぶりですね。</td> </tr> <tr> <td><font lang="ko">수영</font></td> <td><font lang="ko">그렇네요. 잘 지내셨어요?</font></td> <td>そうですね。お元気でしたか?</td> </tr> <tr> <td><font lang="ko">에리코</font></td> <td><font lang="ko">네, 덕분에.</font></td> <td>はい、おかげさまで。</td> </tr> </table> * '''<font lang="ko">낮춤말</font> タメ口''' <table border=1 width=80%> <tr> <td width=20%><font lang="ko">이름</font> 名前</td> <td width=40%><font lang="ko">한국어</font> 韓国語</td> <td width=40%><font lang="ko">일본어</font> 日本語</td> </tr> <tr> <td><font lang="ko">수영</font></td> <td><font lang="ko">안녕.</font></td> <td>こんにちは。</td> </tr> <tr> <td><font lang="ko">에리코</font></td> <td><font lang="ko">안녕. 오랜만이네.</font></td> <td>こんにちは。久しぶり。</td> </tr> <tr> <td><font lang="ko">수영</font></td> <td><font lang="ko">그렇네. 잘 지냈어?</font></td> <td>そうね。元気?</td> </tr> <tr> <td><font lang="ko">에리코</font></td> <td><font lang="ko">응.</font></td> <td>うん。</td> </tr> </table> === <font lang="ko">해설</font> 解釈 === * 韓国語では「おはようございます」、「こんにちは」、「こんばんは」のいずれでも「<font lang="ko">안녕하세요</font>」になります。 * 「<font lang="ko">오랜만</font>」は「<font lang="ko">오래간만</font>」の短縮形です。 * 「<font lang="ko">덕분에</font>」は「<font lang="ko">덕분에 잘 지냅니다</font>」の短縮形です。タメ口では使わない表現です。 === <font lang="ko">단어</font> 単語 === * <font lang="ko">네</font>: はい (丁寧語は「<font lang="ko">예</font>」) == <font lang="ko">헤어질 때</font> == === <font lang="ko">회화</font> 会話 === * '''<font lang="ko">높임말</font> 敬語''' <table border=1 width=80%> <tr> <td width=20%><font lang="ko">이름</font> 名前</td> <td width=40%><font lang="ko">한국어</font> 韓国語</td> <td width=40%><font lang="ko">일본어</font> 日本語</td> </tr> <tr> <td><font lang="ko">수영</font></td> <td><font lang="ko">그럼, 내일 또 봐요.</font></td> <td>じゃ、また明日。</td> </tr> <tr> <td><font lang="ko">에리코</font></td> <td><font lang="ko">조심히 가세요.</font></td> <td>気をつけて下さい。</td> </tr> </table> * '''<font lang="ko">낮춤말</font> タメ口''' <table border=1 width=80%> <tr> <td width=20%><font lang="ko">이름</font> 名前</td> <td width=40%><font lang="ko">한국어</font> 韓国語</td> <td width=40%><font lang="ko">일본어</font> 日本語</td> </tr> <tr> <td><font lang="ko">수영</font></td> <td><font lang="ko">그럼, 내일 또 봐.</font></td> <td>じゃ、またね。</td> </tr> <tr> <td><font lang="ko">에리코</font></td> <td><font lang="ko">잘 가.</font></td> <td>気をつけてね。</td> </tr> </table> === <font lang="ko">해설</font> 解釈 === === <font lang="ko">단어</font> 単語 === * <font lang="ko">내일</font>: 明日 * <font lang="ko">보다</font>: 見る * <font lang="ko">가다</font>: 行く [[Category:朝鮮語|会話 Lesson1]]
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3,200
Tranwiki:韓国語会話: Lesson 2
韓国語会話 | Lesson 1 > Lesson 2 > Lesson 3
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "韓国語会話 | Lesson 1 > Lesson 2 > Lesson 3", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "", "title": "자기 소개하기" } ]
韓国語会話 | Lesson 1 > Lesson 2 > Lesson 3
[[韓国語会話]] | [[韓国語会話: Lesson 1|Lesson 1]] > '''Lesson 2''' > [[韓国語会話: Lesson 3|Lesson 3]] ---- <h1>'''소개하기 紹介'''</h1> == 자기 소개하기 == == 친구에게 소개하기 == [[Category:朝鮮語|会話 Lesson2]]
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https://ja.wikibooks.org/wiki/Tranwiki:%E9%9F%93%E5%9B%BD%E8%AA%9E%E4%BC%9A%E8%A9%B1:_Lesson_2
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韓国語会話: Lesson 3
韓国語会話 | Lesson 2 > Lesson 3 > Lesson 4
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "韓国語会話 | Lesson 2 > Lesson 3 > Lesson 4", "title": "" } ]
韓国語会話 | Lesson 2 > Lesson 3 > Lesson 4
[[韓国語会話]] | [[韓国語会話: Lesson 2|Lesson 2]] > '''Lesson 3''' > [[韓国語会話: Lesson 4|Lesson 4]] ---- == 자기소개 自己紹介 ==
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2006-01-15T14:17:48Z
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防災
メインページ>その他>防災 防災のガイドブック ここでは、地球上で起こるさまざまな災害から私たち人間の命と安全を守るための、「防災」の知識を学ぶことができます。 大学の教科書 自然科学: 数学 - 物理学; 古典力学 量子力学 - 化学; 無機化学 有機化学 - 生物学; 植物学 研究技術 - 地球科学 - 医学; 解剖学 語学: 日本語 英語 エスペラント 朝鮮語 デンマーク語 ドイツ語 フランス語 ラテン語 ルーマニア語 人文科学: 歴史学; 日本史 中国史 世界史 歴史観 - 心理学 - 哲学 - 芸術; 音楽 美術 - 文学; 古典文学 漢詩 社会科学: 法学 - 経済学 - 地理学 - 教育学; 学校教育 教育史 情報技術: 情報工学; MS-DOS/PC DOS UNIX/Linux TeX/LaTeX CGI - プログラミング; BASIC C言語 C++ D言語 HTML Java JavaScript Lisp Mizar Perl PHP Python Ruby Scheme SVG 小・中・高校の教科書 小学: 国語 社会 算数 理科 英語 中学: 国語 社会 数学 理科 英語 高校: 国語 - 地歴 - 公民 - 数学; 公式集 - 理科; 物理 化学 地学 生物 - 外国語 - 情報 解説書・実用書・参考書 趣味: 料理本 - スポーツ - ゲーム 試験: 資格試験 - 入学試験 その他の本: 防災 - 生活と進路 - ウィキペディアの書き方 - ジョーク集 英語版より翻訳する予定。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "メインページ>その他>防災", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "防災のガイドブック", "title": "" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "ここでは、地球上で起こるさまざまな災害から私たち人間の命と安全を守るための、「防災」の知識を学ぶことができます。", "title": "" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "大学の教科書 自然科学: 数学 - 物理学; 古典力学 量子力学 - 化学; 無機化学 有機化学 - 生物学; 植物学 研究技術 - 地球科学 - 医学; 解剖学 語学: 日本語 英語 エスペラント 朝鮮語 デンマーク語 ドイツ語 フランス語 ラテン語 ルーマニア語 人文科学: 歴史学; 日本史 中国史 世界史 歴史観 - 心理学 - 哲学 - 芸術; 音楽 美術 - 文学; 古典文学 漢詩 社会科学: 法学 - 経済学 - 地理学 - 教育学; 学校教育 教育史 情報技術: 情報工学; MS-DOS/PC DOS UNIX/Linux TeX/LaTeX CGI - プログラミング; BASIC C言語 C++ D言語 HTML Java JavaScript Lisp Mizar Perl PHP Python Ruby Scheme SVG 小・中・高校の教科書 小学: 国語 社会 算数 理科 英語 中学: 国語 社会 数学 理科 英語 高校: 国語 - 地歴 - 公民 - 数学; 公式集 - 理科; 物理 化学 地学 生物 - 外国語 - 情報 解説書・実用書・参考書 趣味: 料理本 - スポーツ - ゲーム 試験: 資格試験 - 入学試験 その他の本: 防災 - 生活と進路 - ウィキペディアの書き方 - ジョーク集", "title": "目次" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "英語版より翻訳する予定。", "title": "災害の歴史" } ]
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[[メインページ]]>[[その他の本|その他]]>[[防災]] {{NDC|519.9}} <div width="100%" sellspacing="5" style="background-color:#f6fff6; border-top:1px solid #ccffcc; border-bottom:1px solid #ccffcc; text-align:center"> '''防災のガイドブック''' {| style="background-color:#f6fff6" |[[Image:Train stuck in snow.jpg|center|147px|1881年3月の大雪で動けなくなった機関車、ミネソタ州]] |[[Image:Chuetsu earthquake-takidashi.jpg|center|400px|新潟県中越地震の避難所となった小千谷市総合体育館前で行われた炊き出し]] |[[Image:Haiti flood 1.jpg|center|150px|ハリケーンによる洪水に襲われたハイチ]] |} ここでは、地球上で起こるさまざまな災害から私たち人間の命と安全を守るための、「防災」の知識を学ぶことができます。 </div> == 目次 == {{進捗状況}}{{蔵書一覧}} ;種別防災 * [[防災/地震|地震]]{{進捗|100%|2007-05-13}}:地震が起きたときの対処、避難方法、津波に関すること、避難生活、注意点、普段からの備え、情報源 * [[防災/台風|台風]]{{進捗|25%|2007-05-13}}:台風襲来前の備え、襲来時の対処、普段からの備え、注意点、情報源 * [[防災/大雨・洪水|大雨・洪水]]<!--{{進捗|00%|2007-05-13}}--> * [[防災/停電|停電]]<!--{{進捗|00%|2007-05-13}}--> * [[防災/大雪|大雪]]<!--{{進捗|00%|2007-01-10}}--> * [[防災/火災|火災]]{{進捗|50%|2022-05-13}}:火災が発生する原因、対処法、予防方法 * [[防災/火山|火山]]<!--{{進捗|00%|2007-05-13}}--> * [[防災/干ばつ|干ばつ]]<!--{{進捗|00%|2007-05-13}}--> * [[防災/伝染病|伝染病]]<!--{{進捗|00%|2007-05-13}}--> * [[防災/防災用品一覧|防災用品一覧]]{{進捗|75%|2009-01-22}} ;総合防災 * [[防災/家庭での備え|家庭での備え]]{{進捗|00%|2007-05-13}}:家庭での普段の備え、注意点、心得、災害遭遇時 * [[防災/地域での備え|地域での備え]]<!--{{進捗|00%|2007-05-13}}-->:地域での普段の備え、注意点、心得、災害遭遇時 * [[防災/職場・学校での備え|職場・学校での備え]]<!--{{進捗|00%|2007-05-13}}-->:職場・学校での普段の備え、注意点、心得、災害遭遇時 * [[防災/外出先での備え|外出先での備え]]<!--{{進捗|00%|2007-05-13}}-->:外出先での備え、注意点、心得、災害遭遇時 * [[防災/情報|情報]]<!--{{進捗|00%|2007-05-13}}-->:災害や防災に関する情報の収集、注意点 == 災害の歴史 == 英語版より翻訳する予定。 *[[:en:Historical Disasters and Tragedies]]&[[:en:Historical Disasters and Tragedies/Contents]]→[[災害の歴史]]<!--{{進捗|00%|--}}--> **[[:en:Historical Disasters and Tragedies/Events sorted by type]]→[[災害の歴史/種類別]]<!--{{進捗|00%|--}}--> **[[:en:Historical Disasters and Tragedies/Events sorted chronologically]]→[[災害の歴史/年代別]]<!--{{進捗|00%|--}}--> **[[:en:Historical Disasters and Tragedies/Events sorted geographically]]→[[災害の歴史/地域別]]<!--{{進捗|00%|--}}--> {{防災}} [[Category:防災|*]]
2006-01-22T07:37:59Z
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防災/地震
地震(じしん)による災害は、日本でも過去多くの被害を出しており、津波などの被害は後世にも語り継がれています。ここでは、大きな地震が発生したときから避難、その後の対処法や情報源などを紹介します。 ここでいう大きな地震とは、震度5弱以上くらいの地震を指しますが、もっと弱い地震でもエレベーターが止まったり、食器棚が開いて皿が落ちるなどの被害が出ることもあります。初めの揺れが小さくても、揺れを感じたらすぐ身の安全を確保するようにしましょう。 屋内で地震の揺れを感じたら、いすやテーブルなどの下に隠れてまず身の安全を確保しましょう。置物や重いものが飛んだり棚が倒れたりすることがあるので、それらの近くからなるべく離れたほうが安全です。いすやテーブルに隠れた場合、その足を持って動かないように支えるとより安全です。また、隠れるところがない場合はクッションなどを頭の上に押さえて頭を守りましょう。揺れ始めのとき、もし近くに火があれば、可能な範囲内で消せるとより安全ですが、火傷をするおそれがあるので無理して消すより、まず自分の安全を確保しましょう。 耐震構造・免震構造の建物の場合、建物自体は安全と考えられるので、あわてて外に飛び出そうとするとかえって危険です。特に人の多い場所では通路や階段に人が殺到して二次被害の恐れがあります。そのような建物で揺れを感じたら、落下物や飛散物の少ない場所に身を寄せて頭を保護しつつ周囲の様子を見て、危険なようであればさらに移動するのがよいでしょう。耐震性の弱い建物の場合は、なるべく早く周囲の開けた安全な場所に出るようにしましょう。素早い避難ができるよう、日ごろから安全な場所を認識しておくと良いでしょう。 屋外で揺れを感じたら、ブロック塀や電柱などの倒れそうなものから離れて、動ける場合は安全な広い場所に逃げましょう。動けない場合は車の陰などに身を隠してなるべく安全な体勢になるようにしてください。液状化現象で水が吹き出して地面が沈むことがあるので、砂地など地盤が緩いところや水路の近くからは離れましょう。がけや急斜面の近くは危険なので、がけの高さの2~3倍以上はがけから離れましょう。また、市街地ではビルの窓ガラスや看板などが落ちてくることがあります。近くの建物の軒下など、落下物が落ちてこないような所に避難するか、建物から遠く離れるようにし、どちらも不可能なときは持っているもので頭を守りましょう。 地震が発生するとき、初めにガタガタという小さい揺れや地鳴りのような衝撃(初期微動)から始まります。強い地震で震源が近くても、この初期微動が始まってから激しい揺れに変わるまでに、身を守れるほどの数秒間の余裕が生まれることがあります。この時間差を、うまく身を守る行動に生かすことが大切です。ただ、安静にしていない場合など、初期微動に気づかない場合も多いので、かすかな揺れを感じたらすばやく身を守るように心がけるとよいでしょう。 最近は「緊急地震速報」がテレビやラジオでも流れるようになり、携帯電話でも速報を受信しアラーム音や振動を発する機種が発売されています。「緊急地震速報」が出たら、上記のように、まず自分の身を守りましょう。 地震の揺れがおさまったら、屋内では火の元を確認して消し、ドアや窓を開けて出口を確保しましょう。戸が開かなくても、余震の揺れで開けられるようになることもあります。またマンションなどでは、ベランダに隣部屋との境になる板があり、これを割ってほかの部屋の人に助けを求めることもできます。 大きな地震の後、建物の安全が確保されていない段階では、まず屋外の開けた安全な場所に避難することが先決です。 まず、自宅など靴を履いていない場合は、落下物やガラスを踏むことがないよう、スリッパや靴を履いて移動しましょう。防災頭巾やヘルメット等があれば着用しましょう。軍手や手袋などがあれば、より安全です。気温が低い時期であれば、避難が長引くことも考えられますので、上着や毛布などを用意していくとよいでしょう。夜であれば懐中電灯も必要です。可能なら常備している非常袋を持ち出し、避難の準備をしましょう。普段から、避難に必要な道具を非常袋にまとめたり、特定の場所に固めて置いておくと、避難時に有効です。非常袋に非常袋がなくても、保存食や水などが持ち出せれば必要最小限の量を持ち出しましょう。何も持ち出せなくても、避難所にたどり着ければ物資があるかもしれません。 非常に大きな地震の場合、また交通量の多い場所で地震が起きた場合は、避難渋滞の発生が予想されます。そのようなとき自家用車に乗っていた場合は、道路の端に駐車し、避難に車を使わないようにするのが最も良いとされます。駐車しておく場合、近くの駐車場を利用するか、道路に駐める場合は救急車など緊急車両の通行の障害とならないよう、できるだけキーをつけたままにしましょう。また、都市部ではバスや電車等の公共交通機関が停止したり、運転本数が少なくなることがあります。情報を収集したうえで、場合によっては徒歩で避難・帰宅するという判断も必要です。 ビルや大きな建物の場合、エレベーターを使ってはいけません。動いていたとしても余震により停止する可能性があります。階段を使って避難しましょう。商業施設などで係員から避難誘導があった場合は、その指示に従いましょう。指示がない場合でも、地上の広い場所に避難する必要があります。避難経路が分からない場合、停電しても数十分は誘導灯が点灯しており、その指示に従えば避難場所へ通じる通路・階段の場所が分かりますので、冷静に避難するようにしましょう。広い建物の場合は避難口が複数あるので、あわてて1つの避難口に殺到せず空いたところを利用すると、避難が速くなります。 避難の際は、近所や近くにいるお年寄りや子供、妊婦、障害のある方などを優先して避難させてあげるように心がけましょう。けが人がいた場合も同様で、必要な手当を行い、支えが必要なら複数の人で協力しあって補助することが必要です。 また、避難生活が長引きそうな場合は、ガスが漏れていないことを確認して、電気のブレーカーを落として避難するようにしてください。電気製品に電源が入った状態だと、停電からの復旧時に通電火災と呼ばれる火災が発生することがあるからです。なお、ガスが漏れているときは、電気のブレーカーを落としたときの火花で引火するおそれがあるので、ブレーカーを落としてはいけません。 火災が発生した場合の避難については火災で詳しく解説しています(まだなし)。 屋外では、海の近くや河口付近、また海から離れていても海抜が低い低地や川の近くには津波が来る恐れがあります。ただちに、高台や5階建てを超える高い建物に避難しましょう。海岸に近いところが震源域の場合、揺れ終わって数分、場合によっては揺れがおさまらないうちに津波の第一波が到達する恐れがあります。なるべく速く避難することが必要です。津波の場合は避難するスピードが肝心ですので、持ち物はなるべく持たないようにしましょう。車での避難は渋滞により結果的に避難が遅れる例が多く、津波の接近が分かりにくい点もあり、避けた方がよいとされます。近所にお年寄りなどがいる場合は、できる限り避難の呼びかけや補助を行うようにしましょう。 津波の第一波が到達して落ち着いた場合、また第一波がそれほど高くなかった場合でも、第二波・第三波・それ以降の波がより高い波である可能性は十分にあります。津波警報等が解除されるまで避難を続けるようにしましょう。また、波が見えなくても海岸に近づかないようにしましょう。津波は沖にあるときは普通の波と区別がつかず、海底が浅い海岸に近づくほど高くなり急に押し寄せるからです。そのほか、津波は必ず引き波の後に押し寄せるとは限りません。引き波がなくても避難するようにしましょう。 日本では津波に関する注意報・警報が3種類ありますが、その警戒度や津波の高さに関わらず避難するようにしてください。リアス式海岸など海岸の地形によっては予想よりも高い津波が押し寄せることもあるからです。また、規模(マグニチュード)が大きい地震の場合は、過去明治三陸地震のように、震度3程度で揺れが小さくても30mを超える大きな津波が来ることがあるので、情報を確認して避難しましょう。 大地震のときは、通信量が急増するうえ防災関係の通信が優先されるため、家族や友人の安否を確認する電話がつながりにくくなります。家の電話や公衆電話などの固定電話は「災害用伝言ダイヤル」(171)を利用するようにしましょう(「いない」と覚えるとよいでしょう)。災害用伝言ダイヤルは、震度6弱以上の地震など大災害が発生したとき設置される、固定電話用の伝言蓄積システムです。30秒の録音時間で、災害用伝言ダイヤル171の運用期間終了まで聞くことができます。また、携帯電話はほぼ全てのキャリアで災害用伝言板サービスを受けることができます。ほとんどの場合メッセージは1つの電話番号につき10件で、それ以上登録した場合は古いものから消去されます。地震直後はまず被災地からの録音が最優先され、次に被災地外からの録音や再生ができるようになります。(なお、提供の開始、伝言録音時間や伝言保存期間など運用方法・提供条件については、状況に応じてNTT東・西日本が設定し、テレビ・ラジオ・NTT東・西日本公式ホームページ等を通じて確認できるようになっています。NTT東日本 災害用伝言ダイヤル・災害用伝言板 提供速報NTT西日本 災害用伝言ダイヤル・災害用伝言板 提供状況) テレビやラジオでも安否情報が放送されることがあります。また、臨時に災害情報を提供するラジオ局が開設されることもあります。 大地震の後に気をつけなければならないのが情報です。テレビやラジオなどで正確な情報を常に得て避難生活に役立てることが大切です。また、うその情報やデマに惑わされず、正しい情報を見極めることも大切です。特に、余震に関するデマの情報は、最近の地震でも広まった例があり、注意が必要です。ほかには、お互いに励ましあうことや、不安やストレスを解消するよう心がけることなどが大切です。 地震で電車やバスなどの交通機関が麻痺することにより、遠くの自宅へ帰ることが難しい帰宅困難者が発生することも予想されています。特に大都市では多くの帰宅困難者の発生が予想されています。この帰宅困難への備えは#普段の防災を見てください。 避難の時には必ず靴を履き、道路や通路の危険物を避けて通りましょう。靴はできれば運動靴が望ましいですが、路上には建物の細かい破片などが散乱していることがありますので、少々歩きにくい靴であっても素足よりはよいです。余裕があれば、近所の人の安全などを確認して声を掛け合いましょう。特にお年寄りや体に障害がある人などは、避難が難しいことがあるので、優先して助けるようにしましょう。 会社やデパートなど、人が大勢集まる場所では、避難口に人が押し寄せて事故につながることがあります。特に階段などでは落ち着いて冷静になるよう心がけてください。 エレベーターに閉じ込められた場合は、操作パネルに設置されている非常電話をかけましょう。電話がつながらなくても、根気よくかけ続けるよう心がけてください。大規模な地震の場合、大都市では救助が遅れて何十時間も閉じ込められたままになることもありますが、辛抱強く待つしかありません。無理に出ようとすると危険です。 電車や乗り物に閉じ込められた場合は、パニックになることもあるので冷静になり、非常口や外に出られるところを探しましょう。停電などで暗くなっていることも多いので、声を掛け合ったりすると安心感が増し、自分の位置を確認する手助けにもなります。 あらゆる場所での火災の際の避難方法については、火災で詳しく解説しています(まだなし)。 新潟県中越地震でも起こったように、車の中で避難生活を過ごしてエコノミークラス症候群を発症することがあります。長時間車の中にいることを極力避けて、軽く運動したり体をもみほぐすなどの処置をしましょう。 避難生活時に困るといわれているのがトイレをはじめとした水に関することです。断水となった場合は水洗トイレが使えなくなります。水があっても飲料や調理用が優先されます。 地震はいつ起こるか予測できません。また、日本は世界の地震の1割(特に1990年代後半~2000年代前半は世界のマグニチュード6以上の地震の2割が発生→内閣府 防災情報)が発生している地震多発地帯で、地震が起こらないといえるところはありません。非常袋を用意して半年に1度ほど点検したり、家具の転倒防止をしたりといったことから地震への備えははじめられます。 帰宅困難になったときの備えとして、職場やよく出かける場所から自宅への帰り方がわかる地図(帰宅地図)を持ち実際に帰宅する訓練をすること、職場に食料(チョコレートや飴など糖分のあるもの)やスニーカー(落下物から足を守る)、携帯カイロなどを置いておくこと、家族で安否のとり方や集合場所などを話し合っておくことなどがあります。 防災訓練や地域の防災組織への参加で、防災の知識や体験談を知り、備えることもできます。 家庭では、さまざまな地震対策を行うことができます。 事前に集合場所や連絡方法を話し合っておき、安否確認がしやすい体制を整えておきましょう。 非常袋・消火器具・火気類の点検をしたり、家具の転倒・落下防止や屋根やベランダ、庭、ブロック塀の安全対策、家の耐震診断や補強などをしておくと役立ちます。 避難にあたっての経路を確認しておくことも重要です。ドアなどの近辺に倒れたり散乱して開閉が困難となるようなものがないか、ドアが歪み開閉できなくなった場合どうするか、自動ドアなど手動で開閉できるかなどあらかじめ準備しておくとよいでしょう。 瓦葺きの家では、瓦が落ちてこないよう固定したり、落ちてくる瓦に当たらないように逃げるルートを確保しておくと安全です。 避難の妨げにならないように、逃げ道に荷物を多く置かず、非常袋はすぐに取り出せる場所に置いておきましょう。 また、市町村などが地震による被害が起こる範囲や安全な避難経路を予測した資料を作成していることがあります。これを家族などでの避難場所の話し合いの参考にすると役に立つかもしれません。これはホームページや役場などで手に入れることができます。 場所によって、特に地震災害に対して備えておかなければならないことがあります。 まず、海岸に近いところでは、地震が来たらすぐに逃げられるような準備をしておかなければなりません。サンダルなどすばやく履くことができる履き物を常に出口に置き、持ち出さなければならない重要品はすぐに持ち出せるようにしておきましょう。また、避難場所となる高台や高い建物の場所とそこへの道を確認し、いざとなったときに迷わず避難出来るようにしておきましょう。 がけや斜面に近いところでは、海岸に近いところと同じくすぐに逃げられる準備をしておきましょう。 非常袋の用意は、普段からできる防災のなかでも、最も分かりやすく実行しやすい方法の1つです。また、非常袋を用意し身近なところに置いておくということは、防災意識の向上にもなります。 非常袋の総重量(袋も含む)は、成人男性で15kg、成人女性で10kgほどがいいとされていますが、個人差があるので、実際に中身を詰めて背負ってみたものを参考にしましょう。また、小さな子供がいる場合はその体重も考慮に入れるようにしてください。 非常袋の中身は半年に一度程度点検し、非常食などを取り替えるようにしましょう。 地震の根本的な原因は、地球上に十数枚あるプレートが移動し、岩盤が動くことです。プレートの移動によって、プレートの上に乗っかっている岩盤が、あるところではぶつかり合い、あるところでは引っ張り合い、あるところではすれ違っています。この岩盤の動きは絶えず起こっていますが、多くの場合ではこのエネルギーが「ひずみ」として断層周辺に蓄積され、限界に達し一度に大量のエネルギーが放出されると大地震が発生するのです。 日本周辺は4つのプレートがぶつかり合う場所で、世界の地震の1割が発生する場所です。広範囲に被害を及ぼすプレート境界型地震(東海地震・東南海地震・南海地震・関東地震・十勝沖地震など)は解放されるエネルギーの量が大きく、地震の規模=マグニチュードが大きくなります。局地的に大きな被害をもたらす断層型地震(濃尾地震・兵庫県南部地震・新潟県中越地震など)は、陸地の特に大都市で発生した場合に大きな被害が発生します。断層型地震を起こす活断層は日本中に点在していて、いつどこで地震が発生してもおかしくありません。 地震には、前震が起こる場合と起こらない場合があります。どれが前震でどれが本震かということは、比較的後になってから調査で判明することが多く、「前震が起こったから本震に備えろ」というのは難しいと考えられています。 大きな地震の場合、必ずと言ってよいほど余震が発生します。余震は前震と違って前もって備えることができるので、大地震の後は余震に注意するようにしましょう。余震の発生パターンは、新潟県中越地震のように余震が多発するものや、兵庫県南部地震のように余震の規模が小さいものなどいくつかありますが、規模が大きな地震ほど余震に警戒しなければならない期間が長い傾向にあります。ただし、群発地震のような例外もあります。 例えばテレビの地震速報であなたが住む町の震度が震度4と発表されていても、その町のほかのところでは震度3や震度2だったりというように、近い場所どうしでも震度が違うことがあります。これは地下の地盤の性質によって地震の揺れの伝わり方が違うからです。水分を多く含んだ地面は地震の揺れを大きくし、水分が少ない地面は地震の揺れが伝わりにくいのです。この地面の揺れやすさは、右の図をはじめとした調査結果によって知ることができます。 ただ、地盤の性質とは少し違った、「異常震域」と呼ばれる震度の違いもあります。異常震域とは、主に地中深くで起こる地震にみられる現象で、震央(震源の真上)から離れたところで震度が大きくなる現象です。これはプレートの重なり具合などから揺れが伝わりやすくなったときに起こるもので、詳しい仕組みはまだよくわかっていません。 また一般的に、建物が高ければ高いほど(大きいほど)、周期が長い揺れ(地震波)で揺れやすいと言われています。これは、物には最も揺れやすい振動周期というものがあるからで、地震のときには高層ビルはゆっくりと大きく揺れることが多いのです。 日本の地震観測で使われている10段階の震度とそれぞれの震度の被害については、震度を見てください。 将来発生が予測されている東海地震については、発生の兆候を常時観測していて、異常が見られた場合には3段階の情報が発令されます。最高レベルの警戒宣言が出された場合は、地震防災対策強化地域にあるように公共交通機関の規制や避難誘導などの措置が講じられます。各段階の情報が発令された場合は、テレビやラジオでテロップが流されるほか、報道発表などにより情報を手に入れることができます。 しかし、東海地震を確実に予知できる確証はなく、突然起こることも考えられています。 緊急地震速報は、大地震の初期微動を感知してデータを処理し、大きな揺れ(主要動)が到達する前に揺れが予想される地域などを知らせるシステムです。2008年から一般向けにも発表されており、家庭や企業でも導入しているところがあります。テレビやラジオでは震源と地域名が発表されます。これはいわゆる「一般向け」で、最大震度5弱以上と推定される場合に、震度4以上と推定される地域名が発表される仕組みです。専用受信端末・ソフトに配信される「高度利用者向け」であれば、地域ごと(設置場所)の震度、ゆれ始めるまでの時間も分かる仕組みになっています。
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"屋外では、海の近くや河口付近、また海から離れていても海抜が低い低地や川の近くには津波が来る恐れがあります。ただちに、高台や5階建てを超える高い建物に避難しましょう。海岸に近いところが震源域の場合、揺れ終わって数分、場合によっては揺れがおさまらないうちに津波の第一波が到達する恐れがあります。なるべく速く避難することが必要です。津波の場合は避難するスピードが肝心ですので、持ち物はなるべく持たないようにしましょう。車での避難は渋滞により結果的に避難が遅れる例が多く、津波の接近が分かりにくい点もあり、避けた方がよいとされます。近所にお年寄りなどがいる場合は、できる限り避難の呼びかけや補助を行うようにしましょう。", "title": "地震がおさまったら・2 津波" }, { "paragraph_id": 16, "tag": "p", "text": "津波の第一波が到達して落ち着いた場合、また第一波がそれほど高くなかった場合でも、第二波・第三波・それ以降の波がより高い波である可能性は十分にあります。津波警報等が解除されるまで避難を続けるようにしましょう。また、波が見えなくても海岸に近づかないようにしましょう。津波は沖にあるときは普通の波と区別がつかず、海底が浅い海岸に近づくほど高くなり急に押し寄せるからです。そのほか、津波は必ず引き波の後に押し寄せるとは限りません。引き波がなくても避難するようにしましょう。", "title": "地震がおさまったら・2 津波" }, { "paragraph_id": 17, "tag": "p", "text": "日本では津波に関する注意報・警報が3種類ありますが、その警戒度や津波の高さに関わらず避難するようにしてください。リアス式海岸など海岸の地形によっては予想よりも高い津波が押し寄せることもあるからです。また、規模(マグニチュード)が大きい地震の場合は、過去明治三陸地震のように、震度3程度で揺れが小さくても30mを超える大きな津波が来ることがあるので、情報を確認して避難しましょう。", "title": "地震がおさまったら・2 津波" }, { "paragraph_id": 18, "tag": "p", "text": "大地震のときは、通信量が急増するうえ防災関係の通信が優先されるため、家族や友人の安否を確認する電話がつながりにくくなります。家の電話や公衆電話などの固定電話は「災害用伝言ダイヤル」(171)を利用するようにしましょう(「いない」と覚えるとよいでしょう)。災害用伝言ダイヤルは、震度6弱以上の地震など大災害が発生したとき設置される、固定電話用の伝言蓄積システムです。30秒の録音時間で、災害用伝言ダイヤル171の運用期間終了まで聞くことができます。また、携帯電話はほぼ全てのキャリアで災害用伝言板サービスを受けることができます。ほとんどの場合メッセージは1つの電話番号につき10件で、それ以上登録した場合は古いものから消去されます。地震直後はまず被災地からの録音が最優先され、次に被災地外からの録音や再生ができるようになります。(なお、提供の開始、伝言録音時間や伝言保存期間など運用方法・提供条件については、状況に応じてNTT東・西日本が設定し、テレビ・ラジオ・NTT東・西日本公式ホームページ等を通じて確認できるようになっています。NTT東日本 災害用伝言ダイヤル・災害用伝言板 提供速報NTT西日本 災害用伝言ダイヤル・災害用伝言板 提供状況)", "title": "地震がおさまったら・3 安否確認" }, { "paragraph_id": 19, "tag": "p", "text": "テレビやラジオでも安否情報が放送されることがあります。また、臨時に災害情報を提供するラジオ局が開設されることもあります。", "title": "地震がおさまったら・3 安否確認" }, { "paragraph_id": 20, "tag": "p", "text": "大地震の後に気をつけなければならないのが情報です。テレビやラジオなどで正確な情報を常に得て避難生活に役立てることが大切です。また、うその情報やデマに惑わされず、正しい情報を見極めることも大切です。特に、余震に関するデマの情報は、最近の地震でも広まった例があり、注意が必要です。ほかには、お互いに励ましあうことや、不安やストレスを解消するよう心がけることなどが大切です。", "title": "注意事項" }, { "paragraph_id": 21, "tag": "p", "text": "地震で電車やバスなどの交通機関が麻痺することにより、遠くの自宅へ帰ることが難しい帰宅困難者が発生することも予想されています。特に大都市では多くの帰宅困難者の発生が予想されています。この帰宅困難への備えは#普段の防災を見てください。", "title": "注意事項" }, { "paragraph_id": 22, "tag": "p", "text": "避難の時には必ず靴を履き、道路や通路の危険物を避けて通りましょう。靴はできれば運動靴が望ましいですが、路上には建物の細かい破片などが散乱していることがありますので、少々歩きにくい靴であっても素足よりはよいです。余裕があれば、近所の人の安全などを確認して声を掛け合いましょう。特にお年寄りや体に障害がある人などは、避難が難しいことがあるので、優先して助けるようにしましょう。", "title": "注意事項" }, { "paragraph_id": 23, "tag": "p", "text": "会社やデパートなど、人が大勢集まる場所では、避難口に人が押し寄せて事故につながることがあります。特に階段などでは落ち着いて冷静になるよう心がけてください。", "title": "注意事項" }, { "paragraph_id": 24, "tag": "p", "text": "エレベーターに閉じ込められた場合は、操作パネルに設置されている非常電話をかけましょう。電話がつながらなくても、根気よくかけ続けるよう心がけてください。大規模な地震の場合、大都市では救助が遅れて何十時間も閉じ込められたままになることもありますが、辛抱強く待つしかありません。無理に出ようとすると危険です。", "title": "注意事項" }, { "paragraph_id": 25, "tag": "p", "text": "電車や乗り物に閉じ込められた場合は、パニックになることもあるので冷静になり、非常口や外に出られるところを探しましょう。停電などで暗くなっていることも多いので、声を掛け合ったりすると安心感が増し、自分の位置を確認する手助けにもなります。", "title": "注意事項" }, { "paragraph_id": 26, "tag": "p", "text": "あらゆる場所での火災の際の避難方法については、火災で詳しく解説しています(まだなし)。", "title": "注意事項" }, { "paragraph_id": 27, "tag": "p", "text": "新潟県中越地震でも起こったように、車の中で避難生活を過ごしてエコノミークラス症候群を発症することがあります。長時間車の中にいることを極力避けて、軽く運動したり体をもみほぐすなどの処置をしましょう。", "title": "注意事項" }, { "paragraph_id": 28, "tag": "p", "text": "避難生活時に困るといわれているのがトイレをはじめとした水に関することです。断水となった場合は水洗トイレが使えなくなります。水があっても飲料や調理用が優先されます。", "title": "注意事項" }, { "paragraph_id": 29, "tag": "p", "text": "", "title": "注意事項" }, { "paragraph_id": 30, "tag": "p", "text": "", "title": "注意事項" }, { "paragraph_id": 31, "tag": "p", "text": "地震はいつ起こるか予測できません。また、日本は世界の地震の1割(特に1990年代後半~2000年代前半は世界のマグニチュード6以上の地震の2割が発生→内閣府 防災情報)が発生している地震多発地帯で、地震が起こらないといえるところはありません。非常袋を用意して半年に1度ほど点検したり、家具の転倒防止をしたりといったことから地震への備えははじめられます。", "title": "普段の防災" }, { "paragraph_id": 32, "tag": "p", "text": "帰宅困難になったときの備えとして、職場やよく出かける場所から自宅への帰り方がわかる地図(帰宅地図)を持ち実際に帰宅する訓練をすること、職場に食料(チョコレートや飴など糖分のあるもの)やスニーカー(落下物から足を守る)、携帯カイロなどを置いておくこと、家族で安否のとり方や集合場所などを話し合っておくことなどがあります。", "title": "普段の防災" }, { "paragraph_id": 33, "tag": "p", "text": "防災訓練や地域の防災組織への参加で、防災の知識や体験談を知り、備えることもできます。", "title": "普段の防災" }, { "paragraph_id": 34, "tag": "p", "text": "家庭では、さまざまな地震対策を行うことができます。", "title": "普段の防災" }, { "paragraph_id": 35, "tag": "p", "text": "事前に集合場所や連絡方法を話し合っておき、安否確認がしやすい体制を整えておきましょう。", "title": "普段の防災" }, { "paragraph_id": 36, "tag": "p", "text": "非常袋・消火器具・火気類の点検をしたり、家具の転倒・落下防止や屋根やベランダ、庭、ブロック塀の安全対策、家の耐震診断や補強などをしておくと役立ちます。", "title": "普段の防災" }, { "paragraph_id": 37, "tag": "p", "text": "避難にあたっての経路を確認しておくことも重要です。ドアなどの近辺に倒れたり散乱して開閉が困難となるようなものがないか、ドアが歪み開閉できなくなった場合どうするか、自動ドアなど手動で開閉できるかなどあらかじめ準備しておくとよいでしょう。", "title": "普段の防災" }, { "paragraph_id": 38, "tag": "p", "text": "瓦葺きの家では、瓦が落ちてこないよう固定したり、落ちてくる瓦に当たらないように逃げるルートを確保しておくと安全です。", "title": "普段の防災" }, { "paragraph_id": 39, "tag": "p", "text": "避難の妨げにならないように、逃げ道に荷物を多く置かず、非常袋はすぐに取り出せる場所に置いておきましょう。", "title": "普段の防災" }, { "paragraph_id": 40, "tag": "p", "text": "また、市町村などが地震による被害が起こる範囲や安全な避難経路を予測した資料を作成していることがあります。これを家族などでの避難場所の話し合いの参考にすると役に立つかもしれません。これはホームページや役場などで手に入れることができます。", "title": "普段の防災" }, { "paragraph_id": 41, "tag": "p", "text": "場所によって、特に地震災害に対して備えておかなければならないことがあります。", "title": "普段の防災" }, { "paragraph_id": 42, "tag": "p", "text": "まず、海岸に近いところでは、地震が来たらすぐに逃げられるような準備をしておかなければなりません。サンダルなどすばやく履くことができる履き物を常に出口に置き、持ち出さなければならない重要品はすぐに持ち出せるようにしておきましょう。また、避難場所となる高台や高い建物の場所とそこへの道を確認し、いざとなったときに迷わず避難出来るようにしておきましょう。", "title": "普段の防災" }, { "paragraph_id": 43, "tag": "p", "text": "がけや斜面に近いところでは、海岸に近いところと同じくすぐに逃げられる準備をしておきましょう。", "title": "普段の防災" }, { "paragraph_id": 44, "tag": "p", "text": "非常袋の用意は、普段からできる防災のなかでも、最も分かりやすく実行しやすい方法の1つです。また、非常袋を用意し身近なところに置いておくということは、防災意識の向上にもなります。", "title": "普段の防災" }, { "paragraph_id": 45, "tag": "p", "text": "非常袋の総重量(袋も含む)は、成人男性で15kg、成人女性で10kgほどがいいとされていますが、個人差があるので、実際に中身を詰めて背負ってみたものを参考にしましょう。また、小さな子供がいる場合はその体重も考慮に入れるようにしてください。", "title": "普段の防災" }, { "paragraph_id": 46, "tag": "p", "text": "非常袋の中身は半年に一度程度点検し、非常食などを取り替えるようにしましょう。", "title": "普段の防災" }, { "paragraph_id": 47, "tag": "p", "text": "地震の根本的な原因は、地球上に十数枚あるプレートが移動し、岩盤が動くことです。プレートの移動によって、プレートの上に乗っかっている岩盤が、あるところではぶつかり合い、あるところでは引っ張り合い、あるところではすれ違っています。この岩盤の動きは絶えず起こっていますが、多くの場合ではこのエネルギーが「ひずみ」として断層周辺に蓄積され、限界に達し一度に大量のエネルギーが放出されると大地震が発生するのです。", "title": "地震の知識" }, { "paragraph_id": 48, "tag": "p", "text": "日本周辺は4つのプレートがぶつかり合う場所で、世界の地震の1割が発生する場所です。広範囲に被害を及ぼすプレート境界型地震(東海地震・東南海地震・南海地震・関東地震・十勝沖地震など)は解放されるエネルギーの量が大きく、地震の規模=マグニチュードが大きくなります。局地的に大きな被害をもたらす断層型地震(濃尾地震・兵庫県南部地震・新潟県中越地震など)は、陸地の特に大都市で発生した場合に大きな被害が発生します。断層型地震を起こす活断層は日本中に点在していて、いつどこで地震が発生してもおかしくありません。", "title": "地震の知識" }, { "paragraph_id": 49, "tag": "p", "text": "地震には、前震が起こる場合と起こらない場合があります。どれが前震でどれが本震かということは、比較的後になってから調査で判明することが多く、「前震が起こったから本震に備えろ」というのは難しいと考えられています。", "title": "地震の知識" }, { "paragraph_id": 50, "tag": "p", "text": "大きな地震の場合、必ずと言ってよいほど余震が発生します。余震は前震と違って前もって備えることができるので、大地震の後は余震に注意するようにしましょう。余震の発生パターンは、新潟県中越地震のように余震が多発するものや、兵庫県南部地震のように余震の規模が小さいものなどいくつかありますが、規模が大きな地震ほど余震に警戒しなければならない期間が長い傾向にあります。ただし、群発地震のような例外もあります。", "title": "地震の知識" }, { "paragraph_id": 51, "tag": "p", "text": "例えばテレビの地震速報であなたが住む町の震度が震度4と発表されていても、その町のほかのところでは震度3や震度2だったりというように、近い場所どうしでも震度が違うことがあります。これは地下の地盤の性質によって地震の揺れの伝わり方が違うからです。水分を多く含んだ地面は地震の揺れを大きくし、水分が少ない地面は地震の揺れが伝わりにくいのです。この地面の揺れやすさは、右の図をはじめとした調査結果によって知ることができます。", "title": "地震の知識" }, { "paragraph_id": 52, "tag": "p", "text": "ただ、地盤の性質とは少し違った、「異常震域」と呼ばれる震度の違いもあります。異常震域とは、主に地中深くで起こる地震にみられる現象で、震央(震源の真上)から離れたところで震度が大きくなる現象です。これはプレートの重なり具合などから揺れが伝わりやすくなったときに起こるもので、詳しい仕組みはまだよくわかっていません。", "title": "地震の知識" }, { "paragraph_id": 53, "tag": "p", "text": "また一般的に、建物が高ければ高いほど(大きいほど)、周期が長い揺れ(地震波)で揺れやすいと言われています。これは、物には最も揺れやすい振動周期というものがあるからで、地震のときには高層ビルはゆっくりと大きく揺れることが多いのです。", "title": "地震の知識" }, { "paragraph_id": 54, "tag": "p", "text": "日本の地震観測で使われている10段階の震度とそれぞれの震度の被害については、震度を見てください。", "title": "地震の知識" }, { "paragraph_id": 55, "tag": "p", "text": "将来発生が予測されている東海地震については、発生の兆候を常時観測していて、異常が見られた場合には3段階の情報が発令されます。最高レベルの警戒宣言が出された場合は、地震防災対策強化地域にあるように公共交通機関の規制や避難誘導などの措置が講じられます。各段階の情報が発令された場合は、テレビやラジオでテロップが流されるほか、報道発表などにより情報を手に入れることができます。", "title": "地震の知識" }, { "paragraph_id": 56, "tag": "p", "text": "しかし、東海地震を確実に予知できる確証はなく、突然起こることも考えられています。", "title": "地震の知識" }, { "paragraph_id": 57, "tag": "p", "text": "緊急地震速報は、大地震の初期微動を感知してデータを処理し、大きな揺れ(主要動)が到達する前に揺れが予想される地域などを知らせるシステムです。2008年から一般向けにも発表されており、家庭や企業でも導入しているところがあります。テレビやラジオでは震源と地域名が発表されます。これはいわゆる「一般向け」で、最大震度5弱以上と推定される場合に、震度4以上と推定される地域名が発表される仕組みです。専用受信端末・ソフトに配信される「高度利用者向け」であれば、地域ごと(設置場所)の震度、ゆれ始めるまでの時間も分かる仕組みになっています。", "title": "地震の知識" } ]
地震(じしん)による災害は、日本でも過去多くの被害を出しており、津波などの被害は後世にも語り継がれています。ここでは、大きな地震が発生したときから避難、その後の対処法や情報源などを紹介します。 ここでいう大きな地震とは、震度5弱以上くらいの地震を指しますが、もっと弱い地震でもエレベーターが止まったり、食器棚が開いて皿が落ちるなどの被害が出ることもあります。初めの揺れが小さくても、揺れを感じたらすぐ身の安全を確保するようにしましょう。
{{Pathnav|メインページ|その他の本|防災|frame=1}} {| style="width:402px;float:right;border:1px solid #ccccff" |[[Image:Chuetsu earthquake-Yamabe Bridge.jpg|400px]] |- | style="text-align:center; font-size:small"|新潟県中越地震で通行不能になった国道117号の山辺橋 |} '''[[w:地震|地震]](じしん)'''による災害は、日本でも過去多くの被害を出しており、[[w:津波|津波]]などの被害は後世にも語り継がれています。ここでは、大きな地震が発生したときから避難、その後の対処法や情報源などを紹介します。 <small>ここでいう大きな地震とは、震度5弱以上くらいの地震を指しますが、もっと弱い地震でもエレベーターが止まったり、食器棚が開いて皿が落ちるなどの被害が出ることもあります。初めの揺れが小さくても、揺れを感じたらすぐ身の安全を確保するようにしましょう。</small> == 地震発生時の対処法 == [[Image:Chuetsu earthquake-earthquake liquefaction1.jpg|thumb|right|新潟県中越地震後の液状化の様子(資料)]] [[Image:Seismogram.gif|thumb|right|初期微動(P波)と主要動(S波)]] 屋内で地震の揺れを感じたら、いすやテーブルなどの下に隠れてまず身の安全を確保しましょう。置物や重いものが飛んだり棚が倒れたりすることがあるので、それらの近くからなるべく離れたほうが安全です。いすやテーブルに隠れた場合、その足を持って動かないように支えるとより安全です。また、隠れるところがない場合はクッションなどを頭の上に押さえて頭を守りましょう。揺れ始めのとき、もし近くに火があれば、可能な範囲内で消せるとより安全ですが、火傷をするおそれがあるので無理して消すより、まず自分の安全を確保しましょう<ref>[[w:都市ガス|都市ガス]]の場合、メーター内蔵の感震器がおよそ震度5弱以上の揺れを検知すると遮断する安全装置が付いている場合がほとんどです。</ref>。 耐震構造・免震構造の建物の場合、建物自体は安全と考えられるので、あわてて外に飛び出そうとするとかえって危険です。特に人の多い場所では通路や階段に人が殺到して二次被害の恐れがあります。そのような建物で揺れを感じたら、落下物や飛散物の少ない場所に身を寄せて頭を保護しつつ周囲の様子を見て、危険なようであればさらに移動するのがよいでしょう。耐震性の弱い建物の場合は、なるべく早く周囲の開けた安全な場所に出るようにしましょう。素早い避難ができるよう、日ごろから安全な場所を認識しておくと良いでしょう。 屋外で揺れを感じたら、ブロック塀や電柱などの倒れそうなものから離れて、動ける場合は安全な広い場所に逃げましょう。動けない場合は車の陰などに身を隠してなるべく安全な体勢になるようにしてください。[[w:液状化現象|液状化現象]]で水が吹き出して地面が沈むことがあるので、砂地など地盤が緩いところや水路の近くからは離れましょう。がけや急斜面の近くは危険なので、がけの高さの2~3倍以上はがけから離れましょう。また、市街地ではビルの窓ガラスや看板などが落ちてくることがあります。近くの建物の軒下など、落下物が落ちてこないような所に避難するか、建物から遠く離れるようにし、どちらも不可能なときは持っているもので頭を守りましょう。 地震が発生するとき、初めにガタガタという小さい揺れや地鳴りのような衝撃(初期微動)から始まります。強い地震で震源が近くても、この初期微動が始まってから激しい揺れに変わるまでに、身を守れるほどの数秒間の余裕が生まれることがあります。この時間差を、うまく身を守る行動に生かすことが大切です。ただ、安静にしていない場合など、初期微動に気づかない場合も多いので、かすかな揺れを感じたらすばやく身を守るように心がけるとよいでしょう。 最近は「[[w:緊急地震速報|緊急地震速報]]」がテレビやラジオでも流れるようになり、携帯電話でも速報を受信しアラーム音や振動を発する機種が発売されています。「緊急地震速報」が出たら、上記のように、まず自分の身を守りましょう。 == 地震がおさまったら・1 避難 == 地震の揺れがおさまったら、屋内では火の元を確認して消し、ドアや窓を開けて出口を確保しましょう。戸が開かなくても、余震の揺れで開けられるようになることもあります。またマンションなどでは、ベランダに隣部屋との境になる板があり、これを割ってほかの部屋の人に助けを求めることもできます。 大きな地震の後、建物の安全が確保されていない段階では、まず屋外の開けた安全な場所に避難することが先決です。 まず、自宅など靴を履いていない場合は、落下物やガラスを踏むことがないよう、スリッパや靴を履いて移動しましょう。防災頭巾やヘルメット等があれば着用しましょう。軍手や手袋などがあれば、より安全です。気温が低い時期であれば、避難が長引くことも考えられますので、上着や毛布などを用意していくとよいでしょう。夜であれば懐中電灯も必要です。可能なら常備している非常袋を持ち出し、避難の準備をしましょう。普段から、避難に必要な道具を非常袋にまとめたり、特定の場所に固めて置いておくと、避難時に有効です。非常袋に非常袋がなくても、保存食や水などが持ち出せれば必要最小限の量を持ち出しましょう。何も持ち出せなくても、避難所にたどり着ければ物資があるかもしれません。 非常に大きな地震の場合、また交通量の多い場所で地震が起きた場合は、避難渋滞の発生が予想されます。そのようなとき自家用車に乗っていた場合は、道路の端に駐車し、避難に車を使わないようにするのが最も良いとされます。駐車しておく場合、近くの駐車場を利用するか、道路に駐める場合は救急車など緊急車両の通行の障害とならないよう、できるだけキーをつけたままにしましょう。また、都市部ではバスや電車等の公共交通機関が停止したり、運転本数が少なくなることがあります。情報を収集したうえで、場合によっては徒歩で避難・帰宅するという判断も必要です。 ビルや大きな建物の場合、エレベーターを使ってはいけません。動いていたとしても余震により停止する可能性があります。階段を使って避難しましょう。商業施設などで係員から避難誘導があった場合は、その指示に従いましょう。指示がない場合でも、地上の広い場所に避難する必要があります。避難経路が分からない場合、停電しても数十分は[[w:誘導灯|誘導灯]]が点灯しており、その指示に従えば避難場所へ通じる通路・階段の場所が分かりますので、冷静に避難するようにしましょう。広い建物の場合は避難口が複数あるので、あわてて1つの避難口に殺到せず空いたところを利用すると、避難が速くなります。 避難の際は、近所や近くにいるお年寄りや子供、妊婦、障害のある方などを優先して避難させてあげるように心がけましょう。けが人がいた場合も同様で、必要な手当を行い、支えが必要なら複数の人で協力しあって補助することが必要です。 また、避難生活が長引きそうな場合は、ガスが漏れていないことを確認して、電気のブレーカーを落として避難するようにしてください。電気製品に電源が入った状態だと、停電からの復旧時に通電火災と呼ばれる火災が発生することがあるからです。なお、ガスが漏れているときは、電気のブレーカーを落としたときの火花で引火するおそれがあるので、ブレーカーを落としてはいけません。 火災が発生した場合の避難については[[防災 火災|火災]]で詳しく解説しています(まだなし)。 == 地震がおさまったら・2 津波 == [[Image:2004 Indian Ocean earthquake Maldives tsunami wave.jpg|thumb|2004年スマトラ島沖地震の際発生した津波]] 屋外では、海の近くや河口付近、また海から離れていても海抜が低い低地や川の近くには津波が来る恐れがあります。ただちに、高台や5階建てを超える高い建物に避難しましょう。海岸に近いところが震源域の場合、揺れ終わって数分、場合によっては揺れがおさまらないうちに津波の第一波が到達する恐れがあります。なるべく速く避難することが必要です。津波の場合は避難するスピードが肝心ですので、持ち物はなるべく持たないようにしましょう。車での避難は渋滞により結果的に避難が遅れる例が多く、津波の接近が分かりにくい点もあり、避けた方がよいとされます。近所にお年寄りなどがいる場合は、できる限り避難の呼びかけや補助を行うようにしましょう。 津波の第一波が到達して落ち着いた場合、また第一波がそれほど高くなかった場合でも、第二波・第三波・それ以降の波がより高い波である可能性は十分にあります。津波警報等が解除されるまで避難を続けるようにしましょう。また、波が見えなくても海岸に近づかないようにしましょう。津波は沖にあるときは普通の波と区別がつかず、海底が浅い海岸に近づくほど高くなり急に押し寄せるからです。そのほか、津波は必ず引き波の後に押し寄せるとは限りません。引き波がなくても避難するようにしましょう。 日本では津波に関する注意報・警報が3種類ありますが、その警戒度や津波の高さに関わらず避難するようにしてください。[[w:リアス式海岸|リアス式海岸]]など海岸の地形によっては予想よりも高い津波が押し寄せることもあるからです。また、規模(マグニチュード)が大きい地震の場合は、過去[[w:明治三陸地震|明治三陸地震]]のように、震度3程度で揺れが小さくても30mを超える大きな津波が来ることがあるので、情報を確認して避難しましょう。 == 地震がおさまったら・3 安否確認 == 大地震のときは、通信量が急増するうえ防災関係の通信が優先されるため、家族や友人の安否を確認する電話がつながりにくくなります。家の電話や公衆電話などの固定電話は「災害用伝言ダイヤル」(171)を利用するようにしましょう(「いない」と覚えるとよいでしょう)。災害用伝言ダイヤルは、震度6弱以上の地震など大災害が発生したとき設置される、固定電話用の伝言蓄積システムです。30秒の録音時間で、災害用伝言ダイヤル171の運用期間終了まで聞くことができます。また、携帯電話はほぼ全てのキャリアで災害用伝言板サービスを受けることができます。ほとんどの場合メッセージは1つの電話番号につき10件で、それ以上登録した場合は古いものから消去されます。地震直後はまず被災地からの録音が最優先され、次に被災地外からの録音や再生ができるようになります。(なお、提供の開始、伝言録音時間や伝言保存期間など運用方法・提供条件については、状況に応じてNTT東・西日本が設定し、テレビ・ラジオ・NTT東・西日本公式ホームページ等を通じて確認できるようになっています。[https://www.ntt-east.co.jp/saigai/news NTT東日本 災害用伝言ダイヤル・災害用伝言板 提供速報][https://www.ntt-west.co.jp/dengon/news NTT西日本 災害用伝言ダイヤル・災害用伝言板 提供状況]) * 詳しくは[https://www.ntt-east.co.jp/saigai/voice171s/intro.html 災害用伝言ダイヤル(171)概要とご提供のしくみ]、[http://dengon.docomo.ne.jp/top.cgi NTTドコモ災害用伝言板サービス]、[http://dengon.ezweb.ne.jp/ au災害用伝言板サービス]、[http://dengon.softbank.ne.jp SoftBank・ワイモバイル災害用伝言板サービス]。インターネット環境があれば、Web上にも安否確認サイトが開設される場合がありますので、それを利用するのも手段の1つです。また、[[w:00000JAPAN|{{Ruby|00000JAPAN|ファイブゼロジャパン}}]]と呼ばれる公衆無線LAN(Wi-Fi)が利用できる場合があります。 テレビやラジオでも安否情報が放送されることがあります。また、臨時に災害情報を提供するラジオ局が開設されることもあります。 ;使用法(録音時) # 171にダイヤルし、「1」を押します。連絡を取りたい被災地の方の電話番号を、'''市外局番を含めて'''ダイヤルします。 # 30秒以内で録音内容を話します。「ピッ」という音が録音開始の合図です。終われば「9」を押します(訂正時は8)。 ;使用法(録音時) # 171にダイヤルし、「2」を押します。再生したい被災地の方の電話番号を、'''市外局番を含めて'''ダイヤルします。 # プッシュ式電話を使用している場合は「1」を押し、ダイヤル式電話を使用している場合はそのまま待ちます。 # プッシュ式電話の場合もダイヤル式電話の場合も伝言が新しい順に再生されます。プッシュ式電話の場合、「8」を押すことで伝言を繰り返すことができ、「9」で次の伝言に移ることができ、「3」で新しい伝言を吹き込むことができます。 == 注意事項 == === 全般 === 大地震の後に気をつけなければならないのが情報です。テレビやラジオなどで正確な情報を常に得て避難生活に役立てることが大切です。また、うその情報やデマに惑わされず、正しい情報を見極めることも大切です。特に、余震に関するデマの情報は、最近の地震でも広まった例があり、注意が必要です。ほかには、お互いに励ましあうことや、不安やストレスを解消するよう心がけることなどが大切です。 地震で電車やバスなどの交通機関が麻痺することにより、遠くの自宅へ帰ることが難しい帰宅困難者が発生することも予想されています。特に大都市では多くの帰宅困難者の発生が予想されています。この帰宅困難への備えは[[#普段の防災]]を見てください。 === 避難時 === 避難の時には必ず靴を履き、道路や通路の危険物を避けて通りましょう。靴はできれば運動靴が望ましいですが、路上には建物の細かい破片などが散乱していることがありますので、少々歩きにくい靴であっても素足よりはよいです。余裕があれば、近所の人の安全などを確認して声を掛け合いましょう。特にお年寄りや体に障害がある人などは、避難が難しいことがあるので、優先して助けるようにしましょう。 会社やデパートなど、人が大勢集まる場所では、避難口に人が押し寄せて事故につながることがあります。特に階段などでは落ち着いて冷静になるよう心がけてください。 エレベーターに閉じ込められた場合は、操作パネルに設置されている非常電話をかけましょう。電話がつながらなくても、根気よくかけ続けるよう心がけてください。大規模な地震の場合、大都市では救助が遅れて何十時間も閉じ込められたままになることもありますが、辛抱強く待つしかありません。無理に出ようとすると危険です。 電車や乗り物に閉じ込められた場合は、パニックになることもあるので冷静になり、非常口や外に出られるところを探しましょう。停電などで暗くなっていることも多いので、声を掛け合ったりすると安心感が増し、自分の位置を確認する手助けにもなります。 あらゆる場所での火災の際の避難方法については、[[防災 火災|火災]]で詳しく解説しています(まだなし)。 === 避難生活時 === [[w:新潟県中越地震|新潟県中越地震]]でも起こったように、車の中で避難生活を過ごしてエコノミークラス症候群を発症することがあります。長時間車の中にいることを極力避けて、軽く運動したり体をもみほぐすなどの処置をしましょう。 避難生活時に困るといわれているのがトイレをはじめとした水に関することです。断水となった場合は水洗トイレが使えなくなります。水があっても飲料や調理用が優先されます。 == 普段の防災 == [[Image:Quake epicenters 1963-98.png|thumb|right|世界の地震発生状況、1963年~1998年]] 地震はいつ起こるか予測できません。また、日本は世界の地震の1割(特に1990年代後半~2000年代前半は世界のマグニチュード6以上の地震の2割が発生→[http://www.bousai.go.jp/data/img_2003_06_19/fig1-1-1.gif 内閣府 防災情報])が発生している地震多発地帯で、地震が起こらないといえるところはありません。非常袋を用意して半年に1度ほど点検したり、家具の転倒防止をしたりといったことから地震への備えははじめられます。 帰宅困難になったときの備えとして、職場やよく出かける場所から自宅への帰り方がわかる地図(帰宅地図)を持ち実際に帰宅する訓練をすること、職場に食料(チョコレートや飴など糖分のあるもの)やスニーカー(落下物から足を守る)、携帯カイロなどを置いておくこと、家族で安否のとり方や集合場所などを話し合っておくことなどがあります。 防災訓練や地域の防災組織への参加で、防災の知識や体験談を知り、備えることもできます。 家庭では、さまざまな地震対策を行うことができます。 事前に集合場所や連絡方法を話し合っておき、安否確認がしやすい体制を整えておきましょう。 非常袋・消火器具・火気類の点検をしたり、家具の転倒・落下防止や屋根やベランダ、庭、ブロック塀の安全対策、家の耐震診断や補強などをしておくと役立ちます。 避難にあたっての経路を確認しておくことも重要です。ドアなどの近辺に倒れたり散乱して開閉が困難となるようなものがないか、ドアが歪み開閉できなくなった場合どうするか、自動ドアなど手動で開閉できるかなどあらかじめ準備しておくとよいでしょう。 瓦葺きの家では、瓦が落ちてこないよう固定したり、落ちてくる瓦に当たらないように逃げるルートを確保しておくと安全です。 避難の妨げにならないように、逃げ道に荷物を多く置かず、非常袋はすぐに取り出せる場所に置いておきましょう。 また、市町村などが地震による被害が起こる範囲や安全な避難経路を予測した資料を作成していることがあります。これを家族などでの避難場所の話し合いの参考にすると役に立つかもしれません。これはホームページや役場などで手に入れることができます。 === 場所と防災 === 場所によって、特に地震災害に対して備えておかなければならないことがあります。 まず、海岸に近いところでは、地震が来たらすぐに逃げられるような準備をしておかなければなりません。サンダルなどすばやく履くことができる履き物を常に出口に置き、持ち出さなければならない重要品はすぐに持ち出せるようにしておきましょう。また、避難場所となる高台や高い建物の場所とそこへの道を確認し、いざとなったときに迷わず避難出来るようにしておきましょう。 がけや斜面に近いところでは、海岸に近いところと同じくすぐに逃げられる準備をしておきましょう。 === 非常袋を用意しよう === 非常袋の用意は、普段からできる防災のなかでも、最も分かりやすく実行しやすい方法の1つです。また、非常袋を用意し身近なところに置いておくということは、防災意識の向上にもなります。 非常袋の総重量(袋も含む)は、成人男性で15kg、成人女性で10kgほどがいいとされていますが、個人差があるので、実際に中身を詰めて背負ってみたものを参考にしましょう。また、小さな子供がいる場合はその体重も考慮に入れるようにしてください。 ;非常袋に入っていると役立つもの(参考) *飲料水(ミネラルウォーター)5~10リットル - 1人1日2リットルくらいで、人数によります。 *非常食 - 日持ちが効くものを入れ、定期的に点検し賞味期限が近づいたら入れ替えるようにしてください。 **乾パン **缶詰 *懐中電灯 - 充電式だと電池要らずです。ただし、充電池が空の状態だと地震発生時に即座に使えません。 *ラジオ - 充電式だと電池要らずです。ただし、充電池が空の状態だと地震発生時に即座に使えません。 *衣料品 - 季節ごとに入れ替え。 *ラップ - 食器などの使い回しが可能になります。 *トイレットペーパー、ポケットティッシュ *ウエットティッシュ - 水が貴重なので、初めからぬれているものは役に立つようです。 *電池 *軍手 *タオル *使い捨てカイロ - 冬に限らず、夜急激に冷え込んだ場合などに有効です。 *救急セット、医薬品 **絆創膏、消毒薬、ピンセット、包帯など *簡易トイレ - 断水でトイレが使えないときなどに役に立つようです。 *ホイッスル、防犯ブザー - 閉じ込められたときに、体力を消耗せずに救出者に気付いてもらえることがあります。 *携帯用浄水器 - 断水時どうしても水が必要な場合に役に立つようです。 *アルミ保温シート - 冬場に役に立つようです。 *ビニール袋、ポリ袋 非常袋の中身は半年に一度程度点検し、非常食などを取り替えるようにしましょう。 == 地震の知識 == === 地震のメカニズム === [[ファイル:Plates tect2 ja.svg|thumb|right|地球表面のプレート<br>日本周辺には4つのプレートがある。]] 地震の根本的な原因は、地球上に十数枚ある[[w:プレート (地学)|プレート]]が移動し、岩盤が動くことです。プレートの移動によって、プレートの上に乗っかっている岩盤が、あるところではぶつかり合い、あるところでは引っ張り合い、あるところではすれ違っています。この岩盤の動きは絶えず起こっていますが、多くの場合ではこのエネルギーが「ひずみ」として[[w:断層|断層]]周辺に蓄積され、限界に達し一度に大量のエネルギーが放出されると大地震が発生するのです。 日本周辺は4つのプレートがぶつかり合う場所で、世界の地震の1割が発生する場所です。広範囲に被害を及ぼすプレート境界型地震(東海地震・東南海地震・南海地震・関東地震・十勝沖地震など)は解放されるエネルギーの量が大きく、地震の規模=マグニチュードが大きくなります。局地的に大きな被害をもたらす断層型地震(濃尾地震・兵庫県南部地震・新潟県中越地震など)は、陸地の特に大都市で発生した場合に大きな被害が発生します。断層型地震を起こす活断層は日本中に点在していて、いつどこで地震が発生してもおかしくありません。 === 前震・本震・余震 === 地震には、前震が起こる場合と起こらない場合があります。どれが前震でどれが本震かということは、比較的後になってから調査で判明することが多く、「前震が起こったから本震に備えろ」というのは難しいと考えられています。 大きな地震の場合、必ずと言ってよいほど余震が発生します。余震は前震と違って前もって備えることができるので、大地震の後は余震に注意するようにしましょう。余震の発生パターンは、新潟県中越地震のように余震が多発するものや、兵庫県南部地震のように余震の規模が小さいものなどいくつかありますが、規模が大きな地震ほど余震に警戒しなければならない期間が長い傾向にあります。ただし、群発地震のような例外もあります。 === 揺れは地盤・建物で違う === [[Image:Earthquake_info_by_Ja_Cabinet_office01.png|thumb|right|内閣府・表層地盤のゆれやすさ全国マップ<br>2005年10月19日発表]] 例えばテレビの地震速報であなたが住む町の震度が震度4と発表されていても、その町のほかのところでは震度3や震度2だったりというように、近い場所どうしでも震度が違うことがあります。これは地下の地盤の性質によって地震の揺れの伝わり方が違うからです。水分を多く含んだ地面は地震の揺れを大きくし、水分が少ない地面は地震の揺れが伝わりにくいのです。この地面の揺れやすさは、右の図をはじめとした調査結果によって知ることができます。 ただ、地盤の性質とは少し違った、「異常震域」と呼ばれる震度の違いもあります。異常震域とは、主に地中深くで起こる地震にみられる現象で、震央(震源の真上)から離れたところで震度が大きくなる現象です。これはプレートの重なり具合などから揺れが伝わりやすくなったときに起こるもので、詳しい仕組みはまだよくわかっていません。 また一般的に、建物が高ければ高いほど(大きいほど)、周期が長い揺れ(地震波)で揺れやすいと言われています。これは、物には最も揺れやすい振動周期というものがあるからで、地震のときには高層ビルはゆっくりと大きく揺れることが多いのです。 日本の地震観測で使われている10段階の震度とそれぞれの震度の被害については、[[w:震度|震度]]を見てください。 === 東海地震 === 将来発生が予測されている東海地震については、発生の兆候を常時観測していて、異常が見られた場合には3段階の情報が発令されます。最高レベルの警戒宣言が出された場合は、[[w:東海地震#地震防災対策強化地域|地震防災対策強化地域]]にあるように公共交通機関の規制や避難誘導などの措置が講じられます。各段階の情報が発令された場合は、テレビやラジオでテロップが流されるほか、報道発表などにより情報を手に入れることができます。 しかし、東海地震を確実に予知できる確証はなく、突然起こることも考えられています。 === 緊急地震速報システム === [[File:緊急地震速報の仕組み.jpg|thumb|緊急地震速報の仕組み]] [[w:緊急地震速報|緊急地震速報]]は、大地震の初期微動を感知してデータを処理し、大きな揺れ(主要動)が到達する前に揺れが予想される地域などを知らせるシステムです。2008年から一般向けにも発表されており、家庭や企業でも導入しているところがあります。テレビやラジオでは震源と地域名が発表されます。これはいわゆる「一般向け」で、最大震度5弱以上と推定される場合に、震度4以上と推定される地域名が発表される仕組みです。専用受信端末・ソフトに配信される「高度利用者向け」であれば、地域ごと(設置場所)の震度、ゆれ始めるまでの時間も分かる仕組みになっています。 == 脚注 == <references /> == 地震に関する情報源 == === ウィキペディア === === 外部リンク === *[http://www.jma.go.jp/jp/quake/ 気象庁 地震情報] - 地震の震源の位置、規模(マグニチュード)、深さ、各地の震度、発生時刻などの情報を見ることができます。 *[http://tenki.jp/qua/index.html tenki.jp 地震情報] - 地震の震源の位置、規模(マグニチュード)、深さ、各地の震度、発生時刻などの情報を見ることができます。 *[http://www.hinet.bosai.go.jp/ Hi-net 高感度地震観測網] - 地震の震源の位置、規模、深さ、発生時刻などを、規模の小さな地震についても見ることができます。 *[http://www.bosai.go.jp/jpn/jishin.htm 防災科学技術研究所 公開情報 地震] - 地震や防災に関する研究データの閲覧ができます。 *[http://www.bousai.go.jp/ 内閣府 防災情報のページ] - 幅広く各種防災情報が閲覧できます。 == 参考文献・ウェブ == *[http://www.udri.net/portal/watasino/watasino001.htm 今日から始める私の防災] *[http://www.soumu.metro.tokyo.jp/04saigaitaisaku/index.htm 東京都総務局総合防災部] *[http://bousai.321smile.net/ 地震防災対策百科] == 関連情報 == {{防災}} [[Category:防災|ししん]]
2006-01-22T08:03:09Z
2023-08-25T08:50:24Z
[ "テンプレート:Pathnav", "テンプレート:Ruby", "テンプレート:防災" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E9%98%B2%E7%81%BD/%E5%9C%B0%E9%9C%87
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高等学校英語英語I/リーディング
英語 > 高等学校英語英語I 全編においてen.wikipedia.orgのfeatured articleに分類される 記事を教材として扱う。これは、これらの記事が特に内容が豊富だからである。 また、いくつかの記事はこれらを(英語で)読み上げた音声データが添附されているので、 これらをリスニングの題材として用いることも出来る。 音声データは各々の教材の英語版のページから手に入れることが出来る。 タミル民族はインド周辺に住む民族である。ここでは、彼らの暮らしとその 歴史に関する文章を扱う。人数の多い少ないに関わらず、それぞれの民族には それぞれの歴史と文化があり、お互いを理解することは容易ではない。 彼らの習俗や慣例を1つ1つ把握する以外にお互いを理解する方法はなく、 そして、実際にそれを実行することは、それを口にするよりもはるかに難しいことなので ある。ここでは、比較的なじみのないと思われる民族について扱うことで、 他の文化を理解することの難しさを感じてもらいたい。 http://en.wikipedia.org/wiki/Tamil_people Tamil people タミル人 Tamils タミル人とは The Tamil people are an ethnic group from South Asia with a recorded history going back more than two millennia. タミル人は2000年以上の記録された歴史を持つ、南アジアの民族である。 ethnicは'民族の'という意味を持つ語である。millenniaはmillenniumの複数形(ラテン語の語形変化)であり 1000年と言う意味を持つ。 The oldest Tamil communities are those of southern India and northeastern Sri Lanka. 最も古いタミル民族の集まりは、南インドとw:スリランカ北東の人々である。 'the oldest 名詞'の使い方は形容詞の最上級を用いる場合の通常の使い方である。 スリランカはインドの南西にある島である。 There are also a number of Tamil emigrant communities scattered around the world, especially in Malaysia, Singapore, Fiji, Mauritius, and South Africa, with more recent emigrants also found in Australia, Canada, and parts of Europe. いくつかの移民たちの集まりが世界中に散らばっているが、特にマレーシアやシンガポールや w:モーリシャスやw:フィジーや南アフリカに存在し、より最近の移民は オーストラリアやカナダやヨーロッパの一部にも見られる。 emigrantは移民という意味を持つ語である。似た言葉でimmigrantという単語がありこれも 移民と言う意味を持つが、emigrantは'ある国から出て行った方の移民'(ex "out"+ migrant)であり、 immigrantは'ある国に入ってきた方の移民'(in + migrant)のことを表す。ここでは、元々タミル民族が 住んでいた地域から出て行った方を指していることからこちらの語が用いられている。 scatterは'まき散らす'という意味だがここでは単に'散らばっている'という程度の意味である。 マレーシア、シンガポールはそれぞれ東南アジアの国の名前である。 モーリシャス、フィジーはそれぞれインド洋、太平洋に位置する国の名前である。 Unlike many ethnic groups, the Tamils have never been governed by a single political entity; Tamizhagam, the traditional name for the Tamil lands, has always been under the rule of more than one kingdom or state. 多くの民族とは異なっているのだが、タミル族はただ1つの政治的組織によって統治されていた ことは1度もなく、タミル地域の伝統的な名前としてTamizhagamという名前を持つ 地域は、常に1つ以上の王国や国によって統治されてきた。 unlikeはここでは前置詞であり、'他のものとは異なっているのだが'という意味である。 これは前置詞'like'の'〜のように'の反対の意味である。接頭詞unは ここでは意味を反転させる働きがある。似た意味の言葉にlikely, unlikelyという語があるが これらの語は前置詞ではなく形容詞である。最後の-lyに引きずられて副詞としてしまいがち なので注意。現在完了の文の中でneverが用いられたときには、その文はnotを 用いた文よりもさらに強い否定を表す。neverの位置はhaveやhasの直後におく。 governは’統治する’という意味である。singleは'1つの'という意味だが、oneなどの 場合と違って、冠詞aを省くことはできない。entityは'組織、実体'などという意味の 語である。traditionalは'伝統的な'という意味だが、よい意味にも悪い意味にも用いられる。 under the rule of - ではruleは'統治'という程度の意味であり、'規則、ルール' といった意味がないことに注意。kingdomは'王国'という意味である。 Despite this, the Tamil cultural identity has always been strong. このような事実にも関わらず、タミルの文化的な同一性は常に強いものであり続けた。 despiteは前置詞であり、'〜にもかかわらず'という意味がある。同じ意味の語として'in spite of - 'があり、これらの書き換えはよく用いられ、また、実際の文中でも どちらもよく用いられる。culturalはcultureの形容詞形であり'文化的な'という 意味である。identityは'素性、性質、同一性'などの意味がある語である。 変わった意味として数学の'w:恒等式'という意味もある。 strongは'強い'という意味だが力が強いと言うだけでなく、結びつきが強いなどの 意味で用いられることもある。 Historically, this identity has been primarily linguistic, with Tamils being those whose first language was Tamil. 歴史的には、この同一性はまず第一に言語的なものであり、タミル語をタミル民族たちの 第一の言語とすることだった。 historicallyは、名詞historyから形容詞historicalを経て得られた副詞で '歴史的には'という意味である。primarilyは形容詞primaryから来た副詞で'主要な' という意味である。with 名詞 -ing は特殊な分詞構文として説明されるが、 '名詞が〜している状態で'という意味である。接続詞を用いた文と同じ 働きを簡単に実現できるので、よく用いられる。whoseは所有格の 関係代名詞である。 In recent times, however, the definition has been broadened to include also emigrants of Tamil descent who maintain Tamil traditions, even when they no longer speak the language. しかし近年では、その定義は、 彼らがもはやその言語を話さない場合ですら、 タミルの伝統を守るタミル人の移民の子孫を 含むように拡張されている。 recentは'最近の'という意味の形容詞である。副詞recentlyは'最近'という意味の副詞 だが、こちらもよく用いられる。howeverは疑問視的に用いたときには 'どんな手法を使っても'という意味になるが、副詞として用いた場合には 'しかし、しかしながら'という意味になる。文中の位置としては文頭に置かれる ことも多いが、主語の後ろで動詞の前と言う場所に置かれることも多い。 broadenは'広げる'という意味の動詞である。'broadcast'は'放送する'という 意味の単語であり、よく用いられる。includeは'含む'という意味の単語である。 alsoは'〜も'という意味の単語でtooと並んでよく用いられる。文中では 通常一般動詞の前かbe動詞の後ろに置くことが通例であるが、ここでは 割合informalに用いているようである。descentは'子孫'などと訳され、 例えば、direct descentで'w:直系'などとなる。maintainは'保持する'という 意味の語である。no longerはこれだけで否定文を作る副詞であり、 'もはや〜ない'という意味である。 Tamils are ethnically, linguistically and culturally related to the other Dravidian peoples of South Asia. There are an estimated 74 million Tamils around the world. タミル人は民族的にも言語学的にも文化的にも他の南アジアのドラヴィダ民族 と関連している。世界中に7400万人のタミル人がいる。 linguisticallyはlinguistics、'言語学'から来た語で'言語学的に'という 意味である。relateはrelation'関係'と似た語だが'関係づける’という意味で 用いられるため、関係があると言う意味で用いるときには受動態にする 必要がある。'Dravidian'は学術的な用語なので詳しくはWikipediaなどを 参照してほしい。 Culture 文化 Language and literature 言語と文学 literatureは'文学'という意味だが、単に小説だけに留まらず広い意味での'文献'という 意味でも用いられる。 Tamils have strong feelings towards the Tamil language, which is often venerated in literature as "tamil̲an̲n̲ai," "the Tamil mother." タミル人はタミルの言語に強い愛着を持っており、その言語は文献の中でしばしば "tamil̲an̲n̲ai," タミルの母と呼ばれ尊敬されている。 feelingは単に'感じ、気持ち'という意味で、よい意味にも悪い意味にもなる。 しかし文脈からタミル人のタミル語への好感を表しているようなので、 ここでは'愛着'とした。venerateは難しい語だが、'尊敬する'という意味である。 It has historically been, and to large extent still is, central to the Tamil identity (Ramaswamy 1998). それは歴史的にタミルの同一性の中心であり、現在でもかなりの程度そうであり続けている。 (Ramaswamy 1998) stillは平叙文で用いられた場合'まだ'という意味を表す。否定文で 'まだ〜ない'という意味を用いるときはyetを用いるので注意。 また、stillには'しかし'という意味の副詞としての用法もあるが、 'まだ'の場合にはstillの置き場所が動詞の直前になるのに対して、 'しかし'の場合には通常文頭になることから見分けられる。 Like the other languages of South India, it is a Dravidian language, unrelated to the Indo-European languages of northern India. 南インドの他の言語と同様、それはドラヴィダ語族であり、 北インドにあるような他のインド・ヨーロッパ語族とは 関係がない。 unrelatedはrelateの反対の意味の語で、unrelatedの形で用いられたとき '関係していない'という意味になる。 The language has been far less influenced by Sanskrit than the other Dravidian languages, and preserves many features of Proto-Dravidian, though modern-day spoken Tamil, especially in Tamil Nadu, freely uses loanwords from Sanskrit and English. その言語は他のドラヴィダ語族の言語より、サンスクリットに影響された度合いがかなり少なく、 前ドラヴィダの多くの性質を持っている。ただし、近年のタミル語の話し言葉では、 特にタミル・ナードゥ州ではそうなのだが、サンスクリットや英語からの語が 自由に用いられているのだが。 less - than - は通常の比較級だが、lessは'より〜ない'という意味を表し、 moreの反対語のように扱われる。lessを修飾する語は 他の比較級と同じで、veryなどは用いられず、far, muchなどが 用いられる。preserveは'保持する、残している'という意味の語である。 thoughは従属接続詞であり'〜であるのだが'という意味を表す。 同じ意味の語でalthoughがあるが、これらはほとんど同じ意味で用いられる。 especiallyは'特に'という意味の副詞である。loanwordは'他の言語から 入ってきた語'という意味である。 Tamil literature is of considerable antiquity, and the language was recently recognised as a classical language by the government of India. タミルの文献は古典としての価値があり、その言語は近年インド政府によって 古典的な言語であると認められた。 considerableはconsiderから来た語で'考えるに値するほど、非常に'という 意味である。antiquityはやや難しい語だが、'古いもので非常に良いもの' という意味である。 Classical Tamil literature, which ranges from lyric poetry to works on poetics and ethical philosophy, is remarkably different from contemporary and later literature in other Indian languages, and represents the oldest body of secular literature in South Asia (Hart 1975). タミル語の文献の古典的なものは、w:叙情詩から詩学や 民族の哲学にまで及ぶが、その時点やそれ以降のインドの タミル語以外の言語の文献と比べて非常に 異なっており、南アジアの宗教的でない文献として最も 古いものである。 (Hart 1975) rangeは動詞として用いられたときには、'〜にまで及ぶ'という意味になる。 lyric poetryは叙情詩と言う意味である。philosophyは'哲学'という 意味である。remarkablyはremarkという語から来ているが、 remarkは動詞としても名詞としても用いられ、意味は'言及する'、'言及'である。 remarkable自体は'言及するに足る、重要な'という意味になる。 contemporaryは'話に出ている場面と同じ時代の'という意味である。 representは'代表する、〜である'という意味である。 representativeは、'(会議などに出席する)代表者'という意味で、 ニュースなどでよく用いられる。 Notable works in classical Tamil literature include the Tirukkural by Tiruvalluvar, the five great Tamil epics and the works of Auvaiyar. タミルの古典文献の中で重要な仕事として、TiruvalluvarによるTrukkuralや タミルの5つの重要な叙事詩やAuvalyarによる仕事などがある。 notableはnoteから来ており、noteは動詞としての意味は'述べる'という 意味になる。notableは'述べるに足る'から、'重要な'という意味になる。 epicは歴史に関することを述べる文章であるが、ここでは 叙事詩で良いようである。実際にはある時代の王族の活躍などに 書いているようだ。詳しくはen.wikipediaの文章を参照。 The written language has changed very little over the years, with the result that much of classical literature remains easily accessible to modern Tamils and continues to influence modern Tamil culture. 書き言葉(としてのタミル語)は長い間ほとんど変わっておらず、 多くの古典的な文献は、現代のタミル人にとって簡単に 読むことができるものであり続けており、現代の タミル文化に影響を与え続けている。 resultは名詞としては結果という意味である。動詞としてはresult in - で用いられ、 '〜という結果になる'という意味になる。accessibleは'使用可能である'という 様な意味でaccess"接続"から来ている。continueは-ingを目的語に取って '〜し続ける'という意味を持つ。通常to不定詞を目的語とすることは ないとされるが、ここでは間違えたのだろうか? influenceは '影響する'という意味である。似た意味の語としてaffectがある。 affectはeffectと違って名詞としては用いられないことに注意。 Modern Tamil literature is considerably diverse, ranging from Indian Nationalism in the works of Subramanya Bharathy, to historical romanticism in the works of Kalki Krishnamurthy, to radical and more moderate social realism in the works of Pudhumaipithan and Jayakanthan respectively, to feminism in the works of Malathi Maithree and Kutti Revathi. 近年のタミル文献は非常に多様であり、Subramanya Bharathy の仕事によるインドの国家主義からKalki Krishnamurthy の仕事による歴史的ロマン主義や Pudhumaipithan による過激な社会的現実主義であったり ayakanthanによる、より穏健なそれや Malathi Maithree and Kutti Revathi.によるw:フェミニズムにまで 及んでいる。 diverseはやや難しいがよく用いられる語で、'多様な'という意味である。 nationalismは基本的には'国家主義、民族主義'という意味だが、 時代や状況によってかなり意味が変わってくる語なので使用には 十分な注意が必要である。romanticismもとりあえず'ロマン主義'と訳される。 radicalは、'過激な'という意味であり、よく用いられる語である。 moderateは'穏健な'という程度の意味である。respectivelyは 意外に用いられない語だが、'それぞれ、順に'という意味であり、 複数のものを列挙するときに、それらの対応を明示する語である。 feminismはfemineから来ており、feminine自体の意味は '女性的な'である。 Sujatha, an author whose works range from romance novels to science fiction, is one of the most popular modern writers using the Tamil language. Sujathaはその仕事が恋愛小説からSFにまで及んでいる作家だが、 タミル語を用いる現代の作家の中で最も人気のある作家である。 authorは'作家、作者'という意味である。novelは'小説'という意味である。 scienceは'科学'という意味であり、fictionは'架空の'という意味である。 science fictionはSF小説のことをさす。 popularは'人気のある'という意味である。modernは'現代の' である。 In more recent years, Sri Lankan Tamil literature has produced several powerful pieces reflecting the civilian tragedy caused by decades of war. 近年では、スリランカのタミル語文献は、長年の戦争によって引き起こされた 文化的な悲劇を反映したいくつかの力強い作品を作り出している。 produceは'作り出す'という意味であるが、makeと比べると、 工業的に作り出されたという意味合いが強い。工場の生産物のことを productと呼ぶが、ラテン語の受動(過去)分詞に由来する。severalはsomeと 似た意味で'いくつかの'という意味である。reflectは'反映する、反射する' という意味である。civilianは特にここでは'非戦闘員'という 意味のようである。tragedyは'悲劇'という意味である。 There is also an emerging diaspora literature in Tamil. さらに、タミル語のディアスポラ文学が現れ始めている。 w:ディアスポラとはかなり難しい語だが、元々いた国を 追われた民族のことである。emergeは'現れる'という 意味である。 インドは近代において伝統的に貧しい国のイメージが強かったが、現在では中国と並んで、経済の発達が 著しい地域である。インドの人口は8億人を超えており、21世紀中には中国とともに 経済規模で米国を超える大国となることが予測されている。 しかし、現在でも貧困や悪い公衆衛生に悩む人々も多く、 富裕な国への道は険しいものとなっている。 ここでは、インドの経済について説明した文章を読む。 特に、経済的なのものの見方や、日本と他国の発想の 違いや歴史観の違い等に注目するとおもしろく読めるだろう。 http://en.wikipedia.org/wiki/Economy_of_India Economy of India インドの経済 economyは'経済'という意味を持つ語である。経済は生き物であると 言われるが、実際多くの人間の活動の集合であるため、 どのような権力を用いても、これを完全に制御することは困難である。 そのため、これを制御する立場にある政府は、様々な経済指標を 見比べながらの慎重な舵取りが必要となる。 その成果は国によって様々であるが、ここでは特に、 インドの経済に注目する。日本や他国の立場と比べながら 読むと楽しめる。 The economy of India is the fourth-largest in the world as measured by purchasing power parity (PPP), with a GDP of US $3.36 trillion. インドの経済はPPPで測ると世界で4番目に大きく、そのGDPは3兆3600億円ドルに上る。 fourth-largestは'4番目に大きい'という意味である。この使い方は、より一般的なもので、 second fastestなどとすると'2番目に早い'という意味になり、'序数 最上級' という形になるのである。 一方twice as large as - などのように順位ではなく何倍であるかを扱う文では once, twice, three times, four timesのように回数として用いられる語が 用いられる。asは接続詞として用いられており、このときにはasはwhenと同様 '〜のときに'という意味になる。asを接続詞としたとき、主語がなくなるように思える。 しかし、ここでは、主語と動詞はthe economy of India is であり、この文の主文の 主語と述語と同じものを用いていることから、これらの主語述語は省略できる。 同様の現象は、when, if などの接続詞に対しておこるが、 特に従文でbe動詞を用いた場合によく行われる。 purchaseは'購入する'という意味である。 purchasing power parityは 経済学の用語であるので、詳しくはw:購買力平価説などを参照。 trillionは'1兆'という意味である。一方、million, billionは、それぞれ '100万'、'10億'という意味である。 GDPは'w:国民総生産'のことである。 When measured in USD exchange-rate terms, it is the tenth largest in the world, with a GDP of US $691.87 billion (2004). USD取引レートで測ったときには、それは世界で10番目に大きく、GDPは691億8700万ドルになる。 (2004) USDは米ドルのことで、アメリカの通貨である。tenth largestは、10番目に大きいという 意味である。 India was the second fastest growing major economy in the world, with a GDP growth rate of 8.1% at the end of the first quarter of 2005–2006. インドは主要な経済の中で世界で2番目に速く成長している経済であり、2005-2006の第1四半期 のGDP成長率は8.1%であった。 growは'成長する'という意味で過去形はgrew, 過去分詞はgrownの不規則動詞である。 quarterは'4分の1'という意味である。 However, India's huge population results in a relatively low per capita income of $3,100 at PPP. しかし、インドの非常に多い人口によって、人口あたりの所得は PPPで3,100ドルと比較的低い。 hugeは'巨大な'という意味である。populationは'人口'である。resultはここでは 動詞だが、resultは自動詞であり、前置詞inとともに用いられ'〜に帰着する'という 意味となる。per capitaは'一人あたりの'という意味の連語である。 incomeは'収入'という意味である。 The country's economy is diverse and encompasses agriculture, handicrafts, industries and a multitude of services. 国の経済は多様であり、農業や手工業や産業や様々なサービスを 含んでいる。 diverseは'多様な'という意味である。encompassは'含んでいる'という意味の語だが、 難しい語ではないものの非常に頻繁に使われる語ではない。 agricultureは'農業'、handicraftは'手工業', industryは'産業'である。 multitudeは'様々なもの'という意味の語である。serviceはいろいろな意味で用いられるが、 経済の文章では通常'形のない商品'w:サービスのことである。 Services are the major source of economic growth in India today, though two-thirds of the Indian workforce earn their livelihood directly or indirectly through agriculture. 3分の2のインドの労働力が直接的にかもしくは間接的に農業を通じて、収入を得ている けれども、サービス業は今日のインドの経済成長の主な源である。 growthは、growの名詞形で'成長'という意味である。two-thirdsは3分の2という 意味であるが、一般に分数を扱うときには、'分子 - 分母の序数'という 様にする。ただし、分子が1より大きい数なら、分母の序数の後に-sをつける。 例えば、five-seventhsなどは'7分の5'に対応する。 workforceは'労働者'という意味であり、earnは'手に入れる'だが、特に労働の 代償として手に入れるという意味である。livelihoodは'生活費'のことである。 directlyは形容詞directから来た副詞であり、意味は'直接に'である。 indirectlyはその反対の意味である。 In recent times, India has also capitalised on its large number of highly educated people who are fluent in the English language to become a major exporter of software services, financial services and software engineers. 近年では、インドはソフトウェアサービスや金融サービスやソフトウェア技術者などの主要な 引受人となるための、多くの高度な教育を受け流暢な英語を話す人々でも注目されている。 capitalizeは'重要であると認める'という意味で、形容詞capital'主要な、大文字の' からくる。educateは'教育する'という意味である。fluentは'流暢な'という意味の形容詞であり、 対応する副詞fluently'流暢に'もよく用いられる。softwareは、 やや技術的な語だが、計算機を動かす命令群のことである。 financialは'金融の'という意味である。engineerは'技術者、エンジニア'のことである。 ただし、アクセントが-neerの部分にあるため、単に'エンジニア'といっても 通じないものと思われる。 India has adhered to a socialist-inspired approach for most of its independent history, with strict government control over private sector participation, foreign trade, and foreign direct investment. インドはそれが歴史上独立している時間のほとんどにおいて、 私的な経済の参加や外国との貿易や外国からの直接投資において、政府の厳格な制御を 必要とする、社会主義に影響されたやり方に固執してきた。 adhereは'固執する'という意味の動詞であり、名詞形のadherenceもよく用いられる。 adhereは、難しい単語だが、これ自体も割合よく用いられる。 socialistはsocialism'社会主義'から来た語で'社会主義者'という意味である。 詳しくはw:社会主義を参照。inspireは、'鼓舞する、奮い立たせる' という意味である。approachは名詞では'アプローチ、接近'という意味だが、 動詞では'近づく'という意味となる。independentは、'独立の'という意味である。 strictは'厳しい、厳格な'という意味である。privateは'私的な'であり、 sectorは'部分、部門'という意味だが、経済学的には、private sectorは、 民間部門という意味になる。これは、政府によって制御されていないもの全体のことである。 participationは、participate'参加する'からくる語で、意味は'参加' である。似た意味の語として、take part in - があり、この書き換えは有名である。 foreignは、'外国の'という意味で、tradeは、'貿易'である。 更に、investmentは、'投資'である。'投資する'という意味の 動詞investの名詞形である。通常-mentで終わる単語は 対応する語の名詞形である。 Since the early 1990s, India has gradually opened up its markets through economic reforms by reducing government controls on foreign trade and investment. 1990年代始めから、インドは外国との貿易や外国からの投資への政府の制御を減らすことによる 経済の改革を通じて、段階的に市場を開放し始めた。 graduallyは、'だんだんと'という意味である。marketは、ここでは特に'市場(しじょう)'の ことであり、経済用語である。一般的には単に'売り場'程度の意味で用いられる ことも多い。reformは'改革'の意味である。reduceは'減らす'という 意味だが、同じ意味の語としてdecrease, diminishがある。 また、反対語としてincreaseがある。これらはどれもよく用いられるが、 diminishがやや使われる頻度が少ないかもしれない。 Privatisation of public-owned industries and opening up of certain sectors to private and foreign players has proceeded slowly amid political debate. 公的所有の産業の私有化や、いくらかの部門の私有部門や外国の投資家への開放は 政治的な対話の中で、ゆっくりと進んできた。 privatization は、経済用語に近いが、民営化のことである。 これは、国家が行っていたことを民間に任せることで、競争原理を 導入し、より効率的な実現を図る手法である。 ownは、動詞としては'所有する'という意味である。 publicは'公的な'という意味だが、特に経済用語では 民間に対応して政府のという意味である。通常民間の 企業などが自身の利益を得ることを目標とするのに対して 政府は例えば市場全体の利益を追求するという違いがある。 pubic-ownedは、'政府が所有する'という意味である。 certainは'ある'という意味で、someに近い意味だが、 対象を限定する働きがある。また、It is certain that - の形で用いられたときには、'〜なことは確かだ'という 意味になる。open up to private はやや難しく 専門的な言い回しだが、'もともと国有の主体があつかっていた部分を 民間企業に任せる'という意味である。この場合も 経営の効率化などが期待されるが、失敗すると安定した サービスの供給が阻害されることがある。 playerは、ここでは'(経済活動の)主体'の意味であり、 '選手'などの意味はない。foreign playerは、 実際には'外国企業'の意味であり、 proceedは'進行する'という意味である。amidは、'〜の中で'という意味である。 debateは、'話し合い'という意味だが、単に'ディベート'といっても 日本語では通じるかもしれない。一方アクセントがaにあることから 単に'ディベート'では英語としては通じにくい。 The socio-economic problems India faces are a burgeoning population and lack of infrastructure, as well as growing inequality and unemployment. インドが直面している、社会的経済的な問題には、増大する不均等と失業同様に、 増加する人口やインフラの欠如がある。 socio-economicは、social'社会的な'とeconomic'経済的な'から作られた造語である。 faceは、'直面する'という意味の他動詞である。faceは、be faced with - として 用いてもほぼ同じ意味で用いられる。faceは名詞として用いられた場合には、 '顔'である。burgeonは、'増える'という意味の語である。 infrastructureは、'インフラ、基盤'という意味である。 inequalityは、'不平等'の意味であり、equal'等しい'、equality'平等、等式' から来ている。unemploymentは、employ'雇用する'から来ており、'非雇用' の意味である。 Poverty also remains a problem although it has seen a decrease of 10% since the 1980s. 1980年代から10%の現象を経たけれども、貧困も問題になり続けている。 povertyは、形容詞poor'貧しい'から来た名詞で、意味は'貧困'である'。 sinceは、接続詞としての用法以外に、前置詞としても扱われ、'〜以降'の 意味になる。 Sectors 部門 どちらかといえば、この語も経済用語である。 Agriculture 農業 Agriculture and allied sectors like forestry, logging and fishing accounted for 25% of the GDP, employed 57% of the total workforce in 1999-2000 and despite a steady decline of its share in the GDP, is still the largest economic sector and plays a significant role in the overall socio-economic development of India. 農業と林業や木材や水産業などの農業に関連する部門は 1999-2000年にはGDPの25%を占め全労働力の57%を雇用しており、 GDPの割合における確実な減少にも関わらず、いまだに最も大きな経済の部門であり、 全体的なインドの社会経済的発展において重要な役割を担っている。 allyは'同盟を結ぶ'といった意味で、例えば、allied armiesは、'同盟軍'という意味である。 ここでのalliedは、単に'付随した'程度の意味である。forestry'林業'は、 forest'林'から来た語である。logging'材木業'??は、log'丸太'から来た語である。 fishingは、'釣り'の意味だが、ここでは'漁業'である。account for - は、'〜を占める'という意味の非常に重要な連語であり、よく用いられる語である。 employは、'雇用する'である。steadyは、'確実な'という意味である。 declineは、'下降'の意味である。shareは、'取り分、持ち分'といった意味であり、 ここでは、GDPのうちで、農業が占める割合のことを表している。 significantは、'重要な、かなりの'という意味である。 roleは、'役割'である。RPGは'role-playing game'から来ているが、 これは、'役割を演じることによって成立するゲーム'という意味である。 overallは、'全体的な'という意味である。developmentは、develop'発展させる'という 語から来た語であり、'発展'という意味である。 Yields per unit area of all crops have grown since 1950, due to the special emphasis placed on agriculture in the five-year plans and steady improvements in irrigation, technology, application of modern agricultural practices and provision of agricultural credit and subsidies since the green revolution. 5年計画での特別な農業に対する強調があったことや、確実な灌漑や技術の 改善や近代的な農業手法の適用や緑の革命以降の農業の金融や交付金などの支給によって、 1950年からあらゆる作物の単位面積あたりの収穫は増え続けている。 yieldは、名詞で用いられたときには、'収穫'という意味になり、動詞では、 '生み出す'といった意味である。perは、per - で、'〜ごとに'という意味である。 例えば、cm/sec は、centimeter per second と読まれるが、これは、 cm/sec が、1秒間に物体が何cm進むかを記述した量であることによる。 areaは、'地域、面積'だが、ここでは'面積'の意味である。cropは、'穀物'という意味である。 due to -は、'〜のために'という意味で、because of - との書き換えが可能である。 また、thanks to - と書き換えることもあるが、これは文脈によって使い分けがなされるので、 注意が必要である。dueは、単独では名詞で、'義務'という意味があるが、due to - の形ほどよく用いられるわけではない。emphasisは、emphasize'強調する'から来た語で、 '強調'という意味がある。improvementは、improve'改善する'から来た語で、'改善' という意味である。irrigationは、やや難しい語だが、irrigate'灌漑する'という語から来た語で、 '灌漑'という意味である。technologyは。'技術'という意味である。 applicationは、apply'適用する'から来た語で、'応用'という意味である。 practiceは、'練習する'という意味があるが、ここでは単に'手法'という程度の意味である。 provisionは、'提供'という意味である。creditは、'資金を借りること'の意味である。 subsidyは、少し難しい単語だが、'補助金'の意味である。green revolutionは、 'w:緑の革命'と呼ばれ、近代における重要な出来事の1つである。 However, international comparisons reveal that the average yield in India is generally 30% to 50% of the highest average yield in the world. しかしながら、国際比較によるとインドの平均的な収量はおおよそ世界で最も高い平均収量の 30%から50%である。 internationalは、'国際的な'という意味である。'インターナショナルスクール'などと 日本語的にも使われるが、そのまま読んでも通じないと思われる。 comparisonは、動詞compare比較する'から来た名詞であり、 意味は'比較'である。revealは、'明らかにする'という意味の動詞である。 averageは、'平均'という意味の名詞である。また'平均的な'という意味の形容詞にもなる。generallyは、形容詞general'一般の' から来た副詞で、意味は'一般に'である。 The low productivity in India is a result of the following factors: Illiteracy, general socio-economic backwardness, slow progress in implementing land reforms and inadequate or inefficient finance and marketing services for farm produce. インドでの低い生産性は次のような要素の結果である。すなわち、 識字率の低さ、一般的な社会経済的な後進性、農地改革の実行の遅い進行、そして 適切でないか効率的でない金融と市場に関する農場生産へのサービスである。 productivityは、'生産性'という意味の名詞である。productは、'製品' という意味の名詞であり、productivityは、製品を作りだす性質という 意味である。resultは、名詞として用いられたときには'結果'という 意味を表わす。followは、'続く'という意味の動詞だが、 ここでは、followingで、'次に続く'という意味である。 factorは、'要素'という意味の名詞である。 illiteracyは、'文字が読めないこと'という意味の名詞である。 illiteracyは、literacyの反意語で、literacyは、 '識字率'という意味である。generalは、'一般的な'という意味の形容詞である。 backwardnessは、backward'後方の'という形容詞から来た名詞であり、 '後れ、後進性'という意味である。slowは、'遅い'という意味の形容詞である。 progressは、'進歩'という意味の名詞である。implementは、 '実行'という意味の名詞である。reformは、'改革'という意味の 名詞である。inadequateは、形容詞adequate'適切な'の反対の 意味を持つ形容詞で、'不適切な'という意味を持つ。 inefficientは、形容詞efficient'効果的な'の反対の意味を持つ 形容詞で、'効果的でない'という意味である。 financeは、ここでは'金融'という意味である。 farmは、'農場'という意味の名詞である。produceは、'生産'という 意味の名詞である。 The average size of land holdings is very small (less than 20,000 m2) and are subject to fragmentation, due to land ceiling acts and in some cases, family disputes. 農地の所有分の平均的な大きさは非常に小さく、(20,000 m 2 {\displaystyle m^{2}} より小さい) land ceiling act やある場合には家庭内の論争によって細かく分割されている。 averageは、'平均的な'という意味の形容詞である。holdingsは、'手持ち、所有分' という意味の名詞である。subjectは、形容詞として用いられた時には、 be subject to - で、'〜をこうむっている'という意味となる。 subjectは、名詞として用いられたときには、'主題、テーマ'という 意味となる。また、文法用語として、'主語'という名詞の意味もある。 fragmentationは、'分割'という意味である。 due to - は、'〜のために'という意味の語で、because of - との 書き換えはよく用いられる。disputeは、'議論、争論'という意味の名詞である。 disputeは、動詞としても用いられ、'議論する、論争する'という 意味となる。 Such small holdings are often over-manned, resulting in disguised unemployment and low productivity of labour. このような少量の持ち分はしばしば人あまりを引き起こし、隠された非雇用や低い 労働生産性へとつながる。 oftenは、'しばしば'という意味の頻度を表わす副詞である。 over-mannedは、'人が余る'というような意味の形容詞である。 result in - は、'結果として〜になる'という意味の語である。 disguiseは、動詞として用いられたときには'覆い隠す'という 意味になる。disguiseは、名詞として用いられたときには'偽装、変装' という意味になる。unemploymentは、名詞employment'雇用' から来た名詞で、'非雇用'という意味になる。employment自体は、 動詞employ'雇用する'から来ている。lowは、'低い'という 意味の基本的な形容詞である。labourは、'労働'という意味の名詞である。 Adoption of modern agricultural practices and use of technology is inadequate, hampered by ignorance of such practices, high costs and impracticality in the case of small land holdings. 近代的な農業手法の採用と技術の使用はそのような手法に対する無知に邪魔されて、不適切となり、 小さい土地に対しては高いコストと非実用性につながる。 adoptionは、動詞adopt'採用する'から来た名詞で、'採用'という 意味である。agriculturalは、名詞agriculture'農業'から来た形容詞で、 '農業に関する'という意味である。practiceは、ここでは、'手法' といった程度の意味である。practiceは、名詞としては、 '練習、慣行'といった意味で用いられることが多い。useは、ここでは 名詞として用いられており、'使用'という意味である。名詞として 用いられたときには、'ユース'と発音されることに注意が必要である。 technologyは、'技術'という意味の名詞である。 hamperは、少し難しい語だが、'邪魔する'という意味の動詞である。 ignoranceは、'無知'という意味の動詞であり、動詞ignore '無視する、軽視する'から来ている。costは、'コスト、経費'という 意味の名詞である。impracticalityは、形容詞impractical'非実用的な' から来ている単語で、'非実用性'という意味である。impracticalは、 形容詞practical'実用的な'の反対の意味の語であり、practicalは、 動詞practice'練習する'から来ている。 caseは、'場合'という意味の名詞である。 Irrigation facilities are inadequate, as revealed by the fact that only 53.6% of the land was irrigated in 2000-01 , which result in farmers still being dependent on rainfall, specifically the Monsoon season. ただ53.6%の土地だけが2000-01年に灌漑を受けたという事実からわかる通り、 灌漑施設は不適切であり、そのことは農家がいまだに、特にモンスーンの季節には 雨に依存していることにつながっている。 irrigationは、やや難しい単語だが、動詞irrigate'w:灌漑する'から 来ており、'灌漑'という意味の名詞である。 facililtyは、'施設'という意味の名詞である。 revealは、'明らかにする'という意味である。factは、'事実'という意味の 名詞である。farmerは、'農家'という意味の名詞である。 stillは、肯定文で用いられ'まだ'という意味である。 dependentは、動詞depend'依存する'から来た形容詞で、 '依存している'という意味である。dependは、自動詞であり depend on - で'〜に依存する'という意味となる。 dependentについては be dependent on - で、'〜に依存している' という意味となる。rainfallは、'雨'という意味である。 Monsoonは、'w:モンスーン'の事である。 seasonは、'季節'という意味の基本的な名詞である。 A good monsoon results in a robust growth for the economy as a whole, while a poor monsoon leads to a sluggish growth. よいモンスーンは健常な経済全体の発展を引き起こすが、 一方悪いモンスーンは遅い経済成長に至る。 robustは、'健全な、安定した'という意味の形容詞である。growthは、 動詞grow'育つ、成長する'から来た名詞で、'成長'という意味である。 economyは、'経済'という意味の名詞である。wholeは、'全て'という 意味の名詞である。as a whole は'全体'という意味の表現で よく用いられる。poorは、'悪い、貧しい'という意味を持つ形容詞である。 lead to - は、'〜になる'という意味の表現である。 sluggishは、'遅い'という意味の形容詞で、名詞slug'ナメクジ' から来ている。 恐竜は2億3千万年前からおよそ1億6千万年前まで、地球上に存在していたとされる 生物である。多くはトカゲのような姿をしていたようだが、その形と大きさは 多種多様であり、ひとくくりにすることはできない。 映画ジュラシックパークでも重要な役を担ったティラノサウルスを始め、 有名な恐竜は数多い。恐竜に関しての研究は現在も進行中であり、 依然としてわかっていないことも多い。恐竜はなぜ絶滅したのか、 なぜこれほどに大きいのか、時期によって現れる恐竜の種類に 違いがあるのはどうしてかなど疑問は尽きない。 ここでは、恐竜についての百科事典的な説明を読むことで、 既に知られていることと、今後の展望などを考える。 この文章は音声として録音されているので、listeningの練習に 用いることができる。 http://en.wikipedia.org/wiki/Dinosaur Dinosaurs are vertebrate animals that range from reptile-like to bird-like. 恐竜はトカゲのようなものから鳥のようなものがいる脊椎動物である。 dinosaurは、'恐竜'と言う意味の名詞である。 vertebrateは、かなり難しい語だが、'脊椎'という意味で、 vertebrate animalで、'脊椎動物'という意味である。 rangeは、'〜に及ぶ'という意味の動詞である。名詞として用いられたときには、 '範囲'という意味の名詞となる。 Dinosaurs dominated the terrestrial ecosystem for over 160 million years, first appearing around 230 million years ago. 恐竜は約2億3千万年前からおよそ1億6千万年の間地球の生態系の中でを有力な地位にあった。 dominateは、'有力である'という意味の動詞である。似た意味の形容詞に dominant'有力な'がある。terrestrialは、やや専門的な語だが'地球の' という意味の語である。millionは、'百万'という意味の語である。 appearは、'現われる'という意味の自動詞である。 また、seemと似た使い方で、'〜に見える'という意味でも用いられる。 この時には、He appears busy.'彼は忙しそうに見える。'などと用いられる。 65 million years ago, at the end of the Cretaceous period, all non-avian dinosaurs became extinct. 6億5千万年前の白亜紀期の終わりに、全ての羽がない恐竜は絶滅した。 avianは、'羽がある、空を飛ぶ'などの意味だが、実際にこの使い方がされるのは 少し専門的である。実際には、avian flu'w:鳥インフルエンザ'などとして 用いられることが多い。extinctは、'絶滅した、途絶えた'という意味の形容詞である。 恐竜が既に絶滅したという事実は有名である。 Dinosaurs still exist today in the line of birds (avian dinosaurs). 恐竜は現在でも鳥の一種として存在している。(avian dinosaurs) existは、'存在する'という意味の動詞である。 Knowledge about dinosaurs is derived from both fossil and non-fossil records, including fossilized bones, feces, trackways, gastroliths, feathers, impressions of skin, internal organs and soft tissues. 恐竜に関する情報は化石や化石以外の記録から得られているが、その中には 化石化した骨や、羽や肌触りや、臓器や組織などが含まれている。 knowledgeは、'知識'という意味の不可算名詞である。この語はknowと関係がある。 deriveは、'導出する'という意味である。fossilは、 科学系の文章以外ではあまり用いられないが'化石'という意味である。 recordは、'記録'という意味である。includeは、'含む'という意味である。 fecesは、'糞'という意味の名詞である。trackwayは、'足跡'という意味の 名詞である。gastrolithは、'胃石'という意味の名詞(-lith Grc. 石)である。 w:胃石は、消化のために胃の中に貯えられた石のことであり、 現在でもw:ニワトリなどがこのような習性を持つことが知られている。 featherは、'羽'という意味の名詞である。impressionは、'印象'という意味の 語であり、skinは、'肌'という意味の名詞である。 internalは、'内部の'という意味の形容詞である。反対語は external'外部の'である。organは、'臓器'という意味である。 tissueは、'(体内の)組織'という意味である。 Dinosaur remains have been found on every continent on Earth, including Antarctica. 恐竜は地球上の全ての大陸で見つかっているが、その中には南極も含まれている。 continentは、'大陸'の意味であり、科学的だがそれなりに用いられる語である。 Antarcticaは、'南極'の意味である。 Numerous fossils of the same dinosaur species have been found on completely different continents, corroborating the generally-accepted theory that all land masses were at one time connected in a super-continent called Pangaea. 同じ種類の恐竜の多くの多くの化石が全く違った大陸から見つかっており、 そのことは全ての陸地が以前は一つのパンゲアという超大陸であったというよく確認されている理論と符合している。 numerousは、'多くの'という意味の語である。speciesは、'種'という意味の語である。 completelyは、complete'完全な'という意味の形容詞から来る副詞で、 '完全に、全く'という意味の語である。completeは、動詞としても用いられ、 '達成する、やり遂げる'という意味となる。 differentは、'違った'という意味である。corroborateは、'(証拠によって)示す' という意味である。generallyは、general'一般的な'という意味の形容詞から 来た語で、意味は'一般的に'である。 acceptは、'受けいれる'という意味の動詞である。 thoeryは、'理論'という意味の名詞である。 landmassは、'地塊'という意味の語であり、 それぞれの大陸のことを指す 科学用語である。connectは、'接続する'という意味の動詞である。 名詞は、connection'接続'である。 w:パンゲアは古くに全ての大陸が1つであり、それらが分割することで、 現在の大陸が出来たとする考えを採用したときの、最初の大陸のことである。 Pangaea began to break up during the Triassic period around 230 million years ago. パンゲアは2億3千万年前の三畳紀に分裂し始めた。 Triassic periodは、'三畳紀'という意味の固有名詞である。 時期については、w:三畳紀を参照。 Since the first dinosaur was recognized in the 19th century, their mounted, fossilized skeletons have become major attractions at museums around the world. 最初の恐竜が19世紀に認識されてから、それらの巨大で化石化した骨は、世界中の博物館の 重要な(人気のある)展示物となった。 recognizeは、'認識する、発見する'という意味の語である。 mountは、'飾る'という意味の動詞である。fossilizeは、 fossil'化石'から来る動詞'化石化させる'である。 skeletonは、'骨'という意味の名詞である。 attractionは、'展示物'という意味の名詞で、attract'引きつける' という意味の動詞から派生した。museumは、'博物館'という意味の名詞である。 Dinosaurs have become a part of world culture and remain consistently popular, especially among children. 恐竜は世界の文化の一部となり、特に子供の間で、 継続的に人気のある対象である。 cultureは、'文化'という意味の名詞である。consistentlyは、consistent '一貫した'という形容詞から来た副詞で、'一貫して'という意味である。 popularは、'人気のある'という意味である。 childrenは、child'子供'の複数形である。 They have been featured in best-selling books and blockbuster films such as Jurassic Park, and new discoveries are regularly covered by the media. それらは`ジュラシックパーク'のようなベストセラーの本や、 商業的に成功した映画の題材となり、それらに関する新しい発見は多くの場合メディアによって 取り上げられている。 featureは、'特徴'という意味の名詞として用いられる事が多いが、 映画などの話で用いられるときには、'(劇中で)重要な役を担わされる' という意味の動詞となる。best-sellingは、'ベストセラーの'という意味である。 blockbusterは、'非常に成功した'という意味で、映画などに対してよく用いられる。 Jurassic Parkは、映画の名前であり、恐竜を題材にした映画として 有名である。discoveryは、'発見'という意味の名詞であり、 discoverは、'発見する'という意味の動詞である。 regularlyは、'決まって'という意味の副詞であり、形容詞regular'規則的な、 正規の'から来ている。mediaは、単に'メディア'と訳されることが多いが、 w:マスコミのように、多くの人間に情報を伝達する手段のことである。 The term dinosaur is also used informally to describe any prehistoric reptile, such as the pelycosaur Dimetrodon, the winged pterosaurs, and the aquatic ichthyosaurs, plesiosaurs, and mosasaurs, though none of these are dinosaurs. 実際にはそれらは恐竜ではないけれども、恐竜という語は非形式的には ディメトロドンやプテラノドン、イクチオサウルス、プレシオサウルス、モササウルス などの古代の爬虫類を描写するときにも用いられる。 termは、'語'という意味の語である。informallyは、'非形式的に' という意味である。describeは、'書く'という意味である。 prehistoricは、ここでは単に'古代の'という意味である。 reptileは、'ハ虫類'という意味である。pelycosaurは、 ''という意味の科学用語である。 wingedは、'羽がある'という意味の形容詞であり、名詞wing'翼' から来ている。aquaticは、'水生の'という意味の形容詞である。 thoughは、'〜だけれども'という意味の接続詞である。 同じ意味の接続詞としてalthoughがあるが、これらにはほとんど意味の違いがない。 none of - は、'〜のうちの1つとして〜ない'という意味で用いられる。 The ongoing renaissance in the scientific understanding of dinosaurs began in the 1970s and was triggered, in part, by John Ostrom's discovery of Deinonychus, an active, vicious predator that may have been warm-blooded (homeothermic), in marked contrast to the prevailing image of dinosaurs as sluggish and cold-blooded. 恐竜に関する理解の今も続いている現代的な発展は、1970年代に始まり、それは 一部にはJohn Ostrom のDeinoncychusという活動的で抜け目の無い 恒常性であったかもしれない肉食獣の発見により 引き起こされ、そのことは恐竜がのろまで、変温動物であるという支配的な印象とは 重要な対立をなしていた。 ongoingは、'現在続いている'という意味の形容詞である。 renaissanceは、ここでは'隆盛'という意味の名詞である。 元々はw:ルネサンスという歴史的事実から現われた語であるが、 現在では他の情況にも転用され用いられている。 scientificは、'科学的な'という意味の形容詞であり、science'科学'という 名詞から来ている。understanding'理解'は、understand'理解する'から来た 名詞である。triggerは、'引き起こす'という意味の動詞である。 activeは、'活動的な'という意味の形容詞である。 viciousは、'悪い、抜け目の無い'という意味の形容詞である。 predatorは、'捕食者'という意味の名詞である。 warm-bloodedは、'温血の'という意味である。bloodは、'血'という 意味の名詞である。homeothermicは、かなり難しい単語だが、'恒温の' という意味で、体温がまわりの温度に影響されないという意味である。 markedは、'重要な'という意味の形容詞であり、contrastは、'対称'という 意味の名詞である。prevailは、'有力な'という意味である。 sluggishは、'のろまな、愚鈍な'という意味の形容詞で、 slug'なめくじ'から来ている。 Vertebrate paleontology, arguably the primary scientific discipline involved in dinosaur research, has become a global science. vertebrate paleontology は、実際のところ恐竜に関する探求活動としての 主要な科学的な活動だったが、それは全地球的な科学となっている。 vertebrateは既に出て来た語だが、'脊椎'という意味である。 paleontologyは、'古生物学'という意味である。難しい語ではないが、 その性質上日常会話で用いられることは少ない。 絶滅した生物の行動や外見を見出す研究活動'の事である。 この部分でarguablyから次のカンマまでは、paleontologyを説明する 部分であり、全体として名詞である。この様なカンマの用法をw:同格 の用法と呼ぶ。全体としては、前のカンマを'すなわち'などと訳しておくと 意味が通り易い。arguablyは、argue'議論する' から来た語で、'おそらく、議論として成立する程'という意味である。 primaryは、'主要な'という意味である。disciplineは、'活動'という様な 意味である。involveは、'含む'という意味である。ここでのinvolvedは、 動詞の過去形ではなく、disciplineを修飾する過去分詞である。 researchは、'研究'という意味である。globalは、'世界的な' という意味である。global company'世界的な企業'などの文脈で よく用いられる。 Major new dinosaur discoveries have been made by paleontologists working in previously unexploited regions, including India, South America, Madagascar, Antarctica, and most significantly in China (the amazingly well-preserved feathered dinosaurs in China have further solidified the link between dinosaurs and their living descendants, modern birds). インドや南アメリカやマダガスカルや北極、また、最も重要なものには中国のように ( 驚くほどよく保存された羽のある恐竜(の存在)は恐竜と現在の鳥とのつながりを さらに強く確認した。) これまでに 探索されていなかった地域での考古学者の活動が、重要な新しい恐竜に関する発見につながっている。 discoveryは、動詞discover'発見'から来た語で、'発見'の意味である。 paleontologistは、paleontology'古生物学'から来た語で、'古生物学者' の意味である。previouslyは、previous'以前の'という形容詞から来た副詞で ある。 unexploitedは、exploit'w:搾取する'から来た形容詞で、ここでは'詳しく 調べられていなかった'という程度の意味である。 Madagascarは、'w:マダガスカル'のことである。 Antarcticaは、'南極'の意味である。 significantlyは、形容詞significant'意義深い'から来ており、ここでは '重要な'という程度の意味である。most significantlyは、副詞の最上級 の用法である。 Chinaは、'w:中国'の意味である。 amazinglyは、形容詞amazing'驚くべき'から来た語で、'驚く程'という意味である。 wellは、'よい'という意味の副詞であるが、比較級はbetter、最上級はbestと なっており、goodに対する比較級と同じであることに注意が必要である。 preserveは、'保存する'という意味である。 featheredは、名詞feather'羽'から来た語で、'羽のある'という 意味である。solidifyは、形容詞solid'堅い'から来た語で、'堅くする' という意味である。-fyの語尾は通常動詞を作ることに注意せよ。 例としてterrify'怖がらせる', classify'分類する'などがある。 それぞれterror'恐怖'、class'分類、級'から来ている。 linkは、'つながり'という意味の名詞である。betweenは、'〜の間'という 意味の前置詞である。descendantは、'子孫'という意味の語である。 modernは、'最近の'という意味の形容詞である。 The widespread application of cladistics, which rigorously analyzes the relationships between biological organisms, has also proved tremendously useful in classifying dinosaurs. 広範囲に置けるcladisticsの適用は、正確に生物の組織の間の関係を分析するものだが、 恐竜を分類することに関して非常に有益だとわかっている。 widespreadは、'広汎な'という意味である。 wideは、'広い'という意味の形容詞、spreadは、'広げる'という意味の動詞であり、 widespreadは、これら2つの語から出来ている。 applicationは、'応用、適用'などの意味があり、動詞applyから 来ている。cladisticsは、調査のための技術の名称である。 詳しくは、en.wikipedia参照。rigorouslyは、'厳格に'という意味の副詞で、 形容詞rigorous'厳格な'から来ている。analyzeは、'分析する'という 意味の動詞であり、名詞はanalysis'分析'である。 relationshipは、'関係'という意味であり、名詞relation'関係'から 来ている。biologicalは、'生物学的な'という意味であり、 名詞biology'生物学'から来ている。organismは、'生体'という 意味である。proveは、'証明する'であり、名詞はproof'証明'である。 tremendouslyは、形容詞tremendous'凄まじい'から来ており、ここでは '非常に'という程度の意味である。usefulは、'便利な'という意味の形容詞である。 classifyは、'分類する'という意味の動詞である。 Cladistic analysis, among other modern techniques, helps to compensate for an often incomplete and fragmentary fossil record. cladistic分析は他の近代的 手法の中で、しばしば不完全で壊れている化石を補うのを助けている。 amongは、'〜の間'という意味の前置詞で、betweenとの使いわけは やや難しい。'2つのものの間で'(twe- 2)という意味ではbetweenを用い、 '3つ以上のものの間で'という意味ではamongを使うが、 between themなどの言い回しでは3つ以上のものに対してbetween が用いられることもある。 techniqueは、'技術、テクニック'という意味の名詞である。 発音は日本語のテクニックとは全く異なっており、アクセントが-niqueにつくため テクニークのような発音になる。詳しくは辞書を参照。 helpは、'助ける'という意味の基本的な単語であるが、 'help to不定詞'の形で、'〜するのを助ける'という意味になる。 更に、'help A to不定詞'の形で'Aが〜するのを助ける'という意味になる。 また、この使い方をするときには、to不定詞のtoは省略されることが多い。 この時には動詞の原形が用いられることになるため、'原形不定詞' と呼ばれる。compensateは、'埋め合わせる、補う'という意味がある動詞である。 oftenは、頻度を表わす副詞で'しばしば'と訳される。 oftenは、sometimes'時々'より多く、frequently'頻繁に'より少ない 程度の頻度を表わす。 incompleteは、形容詞complete'完全な'の反対の意味を持つ形容詞で、 '不完全な'という意味である。fragmentaryは、名詞fragment'破片' から来ており、'断片的な'という意味である。 fossilは、'化石'という意味の名詞である。 What is a dinosaur? 恐竜とは何か? Definition 定義 definitionは、define'定義する'という動詞から来た名詞で、'定義'という 意味である。 The superorder or clade "Dinosauria" was formally named by the English scientist Richard Owen in 1842. `Dinorauria'という名前?は形式的にはイギリス人の科学者であるRichard Owenによって1842年に 名付けられた。 superorderとcladeは、生物の分類に関する学問的な用語である。 formallyは、形容詞formal'形式的な'から来た副詞であり、'形式的には' という意味である。nameは、名詞で使われたときは'名前'という意味だが、 動詞として用いたときには、'名付ける'という意味である。 The term is a combination of the Greek words deinos ("terrible" or "fearfully great" or "formidable") and sauros ("lizard" or "reptile"). この語はギリシャ語であるdeinos(`恐ろしい'とか`恐怖を抱かせるほどすごい'とか 'びくびくさせる`)とsauros(`トカゲ'や`ハ虫類')をつなげた語である。 termは、'語'という意味の名詞である。 combinationは、動詞combine'結びつける'から来た語で、'組み合わせ'という 意味となる。Greekは、'ギリシアの'という意味の形容詞である。 'ギリシア'は、Greeceという単語である。terribleは、名詞terror'恐怖'から 来た形容詞であり、'恐ろしい'という意味である。 fearfullyは、名詞fear'恐怖'から来た副詞で、ここでは、'恐ろしさを感じさせる程の' という意味である。formidableは、'恐ろしい'という意味の形容詞である。 lizardは、'トカゲ'という意味の名詞であり、reptileは、'ハ虫類' という意味の名詞である。 The name was chosen to express Owen's awe at the size and majesty of the extinct animals, not out of fear or trepidation at their size and often-formidable arsenal of teeth and claws. この名前は 絶滅した動物の大きさと偉大さに対するOwenの畏敬の念によるもので、 や大きさに対する恐怖や、しばしば恐ろしい牙や爪といった武器によるものではなかった。 chosenは、動詞chooseの過去分詞である。過去形はchoseである。 expressは、'表現する'という意味の動詞である。aweは、'畏敬、畏怖'という 意味の名詞である。majestyは、'威風'という意味の名詞である。 extinctは、'絶滅した'という意味の形容詞である。 animalは、'動物'という意味の基本的な名詞である。 trepidationは、やや難しい単語だが、'恐怖'という意味の名詞である。 arsenalは、'武器庫'という意味の名詞である。teeth は、toothの複数形であり、'歯'という意味である。 clawは、'爪'という意味の名詞である。 Dinosaurs are extremely varied. 恐竜は実に異なっている。 extremelyは、形容詞extreme'ひどい、大変な'という意味の形容詞から来た 副詞で、'ひどく、大変'という意味である。variedは、'様々な'という意味の 形容詞である。varyは、'変える'という意味の他動詞である。 Some were herbivorous, others carnivorous. いくらかは草食性であり、別のいくらかは肉食性である。 herbivorousは、'草食の'という意味の形容詞であり、 carnivorousは、'肉食の'という意味の形容詞であるが、どちらも あまり日常会話で用いられる語ではない。 otherは、名詞として用いられたときには、'それ以外のもの'という 意味である。形容詞として用いられたときには、'それ以外の'という 意味となる。 Some dinosaurs were bipedal, others quadrupedal, while others could walk easily on two or four legs, such as the dinosaur Ammosaurus. いくらかの恐竜は 2足歩行であり、別の恐竜は4足歩行であるが、一方、Ammosaurusのような別のものは 2足でも4足でも問題なく歩くことができる。 bipedalは、難しい語だが、'二足歩行の'(bi- 2, ped- 足)という意味である。 quadrupedalも、難しい語だが、'四足歩行の'という意味である。 quadr- は、'4つの'という意味を持つ語根である。 whileは、'その一方'という意味の接続詞である。walkは、'歩く'という 意味の動詞である。easilyは、'簡単に'という意味の副詞であり、 形容詞easy'簡単な'から来ている。 Size 大きさ Only a tiny percentage of animals ever fossilize, and most of these remain buried in the earth. 非常に小さい割合の動物だけがこれまでに化石化してきており、そのうちの多くは地中に埋められたままに なっている。 onlyは、'ただ〜だけ'という意味の語である。tinyは、'非常に小さい' という意味の形容詞であり、small'小さい'よりも小さいイメージが強い 語である。percentageは、'割合'という意味の名詞である。 everは、'これまでに'という意味の副詞である。 fossilizeは、'化石化する'という意味の動詞である。 remainは、'〜のままである'という意味の動詞である。buriedは、動詞bury '埋める'の過去分詞である。earthは、ここでは'大地'という 意味の名詞である。 As a result, the smallest and largest dinosaurs will probably never be discovered. 結果として、最も小さい恐竜や最も大きい恐竜はおそらく発見されないだろう。 as a resultは、'結果として'という意味でよく用いられる表現である。 probablyは、'おそらく'という意味の副詞である。 neverは、'決して〜ない'という意味の副詞であり、否定文を作る語である。 discoverは、'発見する'という意味の動詞である。 Even among those specimens that are recovered, few are known from complete skeletons, and impressions of skin and soft tissue are rare. 既に復元された標本の中でも、完全な骨格として見つかったものは少ししかなく、 皮膚や組織が見つかることはまれである。 evenは、'〜すら'という意味の語である。specimenは'標本'という意味の名詞である。 recoverは、'元にもどす'という意味の名詞である。 fewは、名詞として用いられたときには'ほとんどが〜無い'という 意味の否定文に近い意味を作る語である。一方、a fewとして 用いられたときには、'いくらかは〜ある'という意味で用いられる。 一方、これらの表現は形容詞としても用いられ、このときには これらの表現は数えられる名詞にしか用いられない。 数えられない名詞に対しては同じ意味でlittle, a littleが 用いられる。completeは、'完全な'という意味の形容詞である。 skeltonは、'骨'という意味の名詞である。 tissueは、'組織'という意味の名詞である。rareは、'まれな'という意味の 形容詞である。 Rebuilding a complete skeleton by comparing the size and morphology of bones to those of similar, better-known species is inexact, and reconstructing the muscles and other organs of the living animal is, at best, a process of educated guesswork. 大きさや骨の形態をよく似た、既によりよく知られている 種類の対応物と見比べて完全な骨格を再構成することは完璧とはいえず、生きている動物の 筋肉や臓器を再構成することは、よくいっても、`洗練された想像'の過程である。 rebuild'再構築する'という意味の動詞である。compareは、'比較する' という意味の動詞である。morphologyは、難しい単語だが、'形態学'という意味である。 boneは、'骨'という意味の名詞である。similarは、'似た'という意味の 形容詞である。speciesは、'種類'という意味の名詞である。 inexactは、exact'正確な'という意味の形容詞の反対の意味を持つ形容詞で、 '不正確な'という意味である。reconstructは、動詞construct'建てる' から来た語で、'再建する'という意味である。 muscleは、'筋肉'という意味の名詞である。organは、'器官'という意味の 名詞である。at bestは、'良くても'という意味の表現でよく用いられる。 processは'過程'という意味の名詞である。educateは、'教育する' という意味の動詞である。guessworkは、'推量'という意味の名詞である。 Largest and smallest dinosaurs 最も大きい恐竜と最も小さい恐竜 While the largest and smallest dinosaurs will probably remain unknown, and comparisons involving existing specimens are imprecise, it is clear that, as a group, dinosaurs were large. 最大と最小の恐竜はおそらく知られないままになり、また現在生存している標本などとの比較は 正確ではないのだが、種全体として恐竜が大きいことは確かである。 comparisonは、動詞compare'比較する'から来る名詞で'比較'という 意味である。involveは、'含む'という意味の名詞である。existは、 '存在する'という意味の動詞である。impreciseは、形容詞precise'精密な' の反対の意味を持つ形容詞で、'不正確な'という意味である。 clearは、'明白な'という意味の形容詞である。groupは、'部類' という意味である。 By dinosaur standards the sauropods were gigantic. 恐竜の基準では、w:竜脚下目は巨大である。 standardは、'基準'という意味の名詞である。sauropodは、'竜脚下目'という 意味の名詞である。詳しくはja.wikipediaを参照。 giganticは、'巨大な'という意味の形容詞である。 The smallest sauropods were larger than anything else in their habitat, and the largest were an order of magnitude more massive than anything else that has ever walked the Earth. 最も小さい竜脚下目は彼らの生息地のなかの彼ら以外の どれよりも大きく、最も大きいものはこれまでに地球上を歩いたもののどれよりも巨大な大きさの程度である。 anythingは疑問文で用いられたときには、'何らかのもの'という意味だが、 否定文で用いられたときには、'全ての〜は〜ない'というように 対応する全てのものに対する否定を表わす表現になる。ここでは、 larger than anything else で、'対応する全てのものより大きい' という意味である。elseは、'他の'という意味の語である。 habitatは、'生息地'という意味の名詞である。orderは、'程度'という 意味の名詞である。magnitudeは、'大きさ'という意味の名詞である。 massiveは、'重い'という意味の形容詞である。 The tallest and heaviest dinosaur known from a complete skeleton is the Brachiosaurus, which was discovered in Tanzania between 1907–12. 完全な骨格によって知られている中で、最も背が高く最も重い恐竜はブラキオサウルスだが、 これは1907-1912の間にタンザニアで発見された。 tallは、'背が高い'という意味の基本的な形容詞である。 heavyは、'重い'という意味の形容詞である。 Tanzaniaは、東アフリカの国w:タンザニアのことである。 It is now mounted in the Humboldt Museum of Berlin and is 12 m (38 ft) tall and probably weighed between 30,000–60,000 kg (33–66 short tons). それは現在ではBerlin(ベルリン)のフンボルト博物館に展示されており、12mの大きさがあり、おそらく33-66トンの重さであった。 mountは、ここでは'展示する'という意味の動詞である。 museumは、'博物館'という意味の名詞である。weighは、'〜の重さがある' という意味の動詞である。tonは、'w:トン'という意味の名詞である。 The longest dinosaur is the 27 m (89 ft) long Diplodocus, which was discovered in Wyoming and mounted in Pittsburgh's Carnegie Natural History Museum in 1907. 最も大きい恐竜は27mの長さのDiplodocus(ディプロドクス)だが、それは Wyomingで発見され、Pittsburgh(ピッツバーグ)のCarnegie Natural History Museum( カーネギー自然歴史博物館)に1907年に展示された。 naturalは、'自然の'という意味の形容詞である。historyは、'歴史' という意味の名詞である。 There were larger dinosaurs, but knowledge of them is based entirely on a small number of incomplete fossil samples. より大きな恐竜も存在したが、それらに関する知識は数少ない不完全な化石のサンプルに 全くよっている。 knowledgeは、'知識'という意味の名詞である。baseは、'〜に基づける' という意味の動詞である。base A on B で、'AがBによっている' という意味である。entirelyは、形容詞entire'全ての'から来た 副詞で、'完全に'という意味である。sampleは、'標本、サンプル' という意味の名詞である。 The largest specimens on record were all discovered in the 1970s or later, and include the massive Argentinosaurus, which may have weighed 80,000–100,000 kg (88–121 tons); the longest, the 40 m (130 ft) long Supersaurus; and the tallest, the 18 m (60 ft) Sauroposeidon, which could have reached a sixth-floor window. 記録がある中で最も大きな種は全て1970年代からそれ以降に発見されており、 それらは巨大で80,000-100,000kgの重さがあるArgentinosaurusや 40mの体長があるsupersaurusや、18mの高さがあり、6階の窓に手が届くSauroposeidonを 含んでいる。 includeは、'含む'という意味の動詞である。Argentinosaurus, which may - でのwhichは、主語としての関係代名詞whichの用法であるが、カンマが whichの前にあることから、関係代名詞の非制限用法であることが わかる。通常Argentinosaurusなどの固有名詞が関係代名詞によって 修飾される時には、関係代名詞の非制限用法が用いられる。 Sauroposeidon, which could - のwhichも同じ用法である。 reachは、'届く'という意味の動詞である。sixth-floorは、'6階'という 意味の表現である。windowは、'窓'という意味の基本的な名詞である。 Dinosaurs were the largest of all terrestrial animals. 恐竜は全ての陸生動物の中で最も大きい。 terrestrialは、'陸生の'という意味の形容詞で、陸上に住む動物のことを指す。 The largest elephant on record weighed 12,000 kg (13.2 tons), while the tallest giraffe was 6 m (20 ft) tall. 記録の上で最も大きな象は12,000kgであり、一方最も背の高いキリンは6mであった。 elephantは、'象'という意味の名詞であり、giraffeは、'キリン'という意味の 名詞である。 Even giant prehistoric mammals such as the Indricotherium and the Columbian mammoth were dwarfed by the giant sauropods. IndricotheriumやColumbian mammoth(コロンビアマンモス)などの前史的なほ乳類であっても 巨大なsauropodsの前では小人に見えた。 giantは、'巨大な'という意味の語である。prehistoricは、 '前史的な'という意味の形容詞である。mammalは、'ほ乳類'という 意味の名詞である。dwarfは、名詞で用いられたときには、'小人' という意味になる。 Only a handful of modern aquatic animals approach them in size, most notably the blue whale (which reaches up to 190,000 kg (209 tons) and 33.5 m (110 ft) in length). いくらかの現代の水中の動物だけが 大きさで彼らに近づくことができるが、最も重要なのはblue whale(190,000kgに達し 33.5mの長さになる。)である。 handfulは、'一握り'という意味の名詞であり、a handful of - で、 '一握りの〜'となる。aquaticは、'水生の'という意味の形容詞である。 approachは、ここでは'近づく'という意味の動詞である。 notablyは、'重要な'という意味である。blue whaleは、'w:シロナガスクジラ' の事である。reachは、ここでは'到る'という意味の動詞である。 up to - は、'〜にまで'という意味の語である。lengthは、'長さ' という意味の名詞であり、形容詞long'長い'から来ている。 Not including modern birds like the bee hummingbird, the smallest dinosaurs known were about the size of a crow or a chicken. bee hummingbirdなどの現在の鳥を除けば、 知られている中で最も小さい恐竜はおおよそカラスやニワトリほどの大きさである。 crowは、'カラス'という意味の名詞であり、chickenは、'ニワトリ' という意味の名詞である。 The Microraptor, Parvicursor, and Saltopus were all under 60 cm (2 ft) in length. Microraptor, Parvicursor, Saltopusなどはどれも60cm以下の大きさである。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "英語 > 高等学校英語英語I", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "全編においてen.wikipedia.orgのfeatured articleに分類される 記事を教材として扱う。これは、これらの記事が特に内容が豊富だからである。 また、いくつかの記事はこれらを(英語で)読み上げた音声データが添附されているので、 これらをリスニングの題材として用いることも出来る。 音声データは各々の教材の英語版のページから手に入れることが出来る。", "title": "始めに" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "タミル民族はインド周辺に住む民族である。ここでは、彼らの暮らしとその 歴史に関する文章を扱う。人数の多い少ないに関わらず、それぞれの民族には それぞれの歴史と文化があり、お互いを理解することは容易ではない。 彼らの習俗や慣例を1つ1つ把握する以外にお互いを理解する方法はなく、 そして、実際にそれを実行することは、それを口にするよりもはるかに難しいことなので ある。ここでは、比較的なじみのないと思われる民族について扱うことで、 他の文化を理解することの難しさを感じてもらいたい。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "http://en.wikipedia.org/wiki/Tamil_people", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "Tamil people", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "タミル人", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "Tamils", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "タミル人とは", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "The Tamil people are an ethnic group from South Asia with a recorded history going back more than two millennia.", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "タミル人は2000年以上の記録された歴史を持つ、南アジアの民族である。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "ethnicは'民族の'という意味を持つ語である。millenniaはmillenniumの複数形(ラテン語の語形変化)であり 1000年と言う意味を持つ。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "The oldest Tamil communities are those of southern India and northeastern Sri Lanka.", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 14, "tag": "p", "text": "最も古いタミル民族の集まりは、南インドとw:スリランカ北東の人々である。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 15, "tag": "p", "text": "'the oldest 名詞'の使い方は形容詞の最上級を用いる場合の通常の使い方である。 スリランカはインドの南西にある島である。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 16, "tag": "p", "text": "", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 17, "tag": "p", "text": "There are also a number of Tamil emigrant communities scattered around the world, especially in Malaysia, Singapore, Fiji, Mauritius, and South Africa, with more recent emigrants also found in Australia, Canada, and parts of Europe.", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 18, "tag": "p", "text": "いくつかの移民たちの集まりが世界中に散らばっているが、特にマレーシアやシンガポールや w:モーリシャスやw:フィジーや南アフリカに存在し、より最近の移民は オーストラリアやカナダやヨーロッパの一部にも見られる。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 19, "tag": "p", "text": "emigrantは移民という意味を持つ語である。似た言葉でimmigrantという単語がありこれも 移民と言う意味を持つが、emigrantは'ある国から出て行った方の移民'(ex \"out\"+ migrant)であり、 immigrantは'ある国に入ってきた方の移民'(in + migrant)のことを表す。ここでは、元々タミル民族が 住んでいた地域から出て行った方を指していることからこちらの語が用いられている。 scatterは'まき散らす'という意味だがここでは単に'散らばっている'という程度の意味である。 マレーシア、シンガポールはそれぞれ東南アジアの国の名前である。 モーリシャス、フィジーはそれぞれインド洋、太平洋に位置する国の名前である。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 20, "tag": "p", "text": "", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 21, "tag": "p", "text": "Unlike many ethnic groups, the Tamils have never been governed by a single political entity; Tamizhagam, the traditional name for the Tamil lands, has always been under the rule of more than one kingdom or state.", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 22, "tag": "p", "text": "多くの民族とは異なっているのだが、タミル族はただ1つの政治的組織によって統治されていた ことは1度もなく、タミル地域の伝統的な名前としてTamizhagamという名前を持つ 地域は、常に1つ以上の王国や国によって統治されてきた。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 23, "tag": "p", "text": "unlikeはここでは前置詞であり、'他のものとは異なっているのだが'という意味である。 これは前置詞'like'の'〜のように'の反対の意味である。接頭詞unは ここでは意味を反転させる働きがある。似た意味の言葉にlikely, unlikelyという語があるが これらの語は前置詞ではなく形容詞である。最後の-lyに引きずられて副詞としてしまいがち なので注意。現在完了の文の中でneverが用いられたときには、その文はnotを 用いた文よりもさらに強い否定を表す。neverの位置はhaveやhasの直後におく。 governは’統治する’という意味である。singleは'1つの'という意味だが、oneなどの 場合と違って、冠詞aを省くことはできない。entityは'組織、実体'などという意味の 語である。traditionalは'伝統的な'という意味だが、よい意味にも悪い意味にも用いられる。 under the rule of - ではruleは'統治'という程度の意味であり、'規則、ルール' といった意味がないことに注意。kingdomは'王国'という意味である。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 24, "tag": "p", "text": "", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 25, "tag": "p", "text": "Despite this, the Tamil cultural identity has always been strong.", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 26, "tag": "p", "text": "このような事実にも関わらず、タミルの文化的な同一性は常に強いものであり続けた。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 27, "tag": "p", "text": "despiteは前置詞であり、'〜にもかかわらず'という意味がある。同じ意味の語として'in spite of - 'があり、これらの書き換えはよく用いられ、また、実際の文中でも どちらもよく用いられる。culturalはcultureの形容詞形であり'文化的な'という 意味である。identityは'素性、性質、同一性'などの意味がある語である。 変わった意味として数学の'w:恒等式'という意味もある。 strongは'強い'という意味だが力が強いと言うだけでなく、結びつきが強いなどの 意味で用いられることもある。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 28, "tag": "p", "text": "", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 29, "tag": "p", "text": "Historically, this identity has been primarily linguistic, with Tamils being those whose first language was Tamil.", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 30, "tag": "p", "text": "歴史的には、この同一性はまず第一に言語的なものであり、タミル語をタミル民族たちの 第一の言語とすることだった。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 31, "tag": "p", "text": "historicallyは、名詞historyから形容詞historicalを経て得られた副詞で '歴史的には'という意味である。primarilyは形容詞primaryから来た副詞で'主要な' という意味である。with 名詞 -ing は特殊な分詞構文として説明されるが、 '名詞が〜している状態で'という意味である。接続詞を用いた文と同じ 働きを簡単に実現できるので、よく用いられる。whoseは所有格の 関係代名詞である。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 32, "tag": "p", "text": "", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 33, "tag": "p", "text": "In recent times, however, the definition has been broadened to include also emigrants of Tamil descent who maintain Tamil traditions, even when they no longer speak the language.", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 34, "tag": "p", "text": "しかし近年では、その定義は、 彼らがもはやその言語を話さない場合ですら、 タミルの伝統を守るタミル人の移民の子孫を 含むように拡張されている。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 35, "tag": "p", "text": "recentは'最近の'という意味の形容詞である。副詞recentlyは'最近'という意味の副詞 だが、こちらもよく用いられる。howeverは疑問視的に用いたときには 'どんな手法を使っても'という意味になるが、副詞として用いた場合には 'しかし、しかしながら'という意味になる。文中の位置としては文頭に置かれる ことも多いが、主語の後ろで動詞の前と言う場所に置かれることも多い。 broadenは'広げる'という意味の動詞である。'broadcast'は'放送する'という 意味の単語であり、よく用いられる。includeは'含む'という意味の単語である。 alsoは'〜も'という意味の単語でtooと並んでよく用いられる。文中では 通常一般動詞の前かbe動詞の後ろに置くことが通例であるが、ここでは 割合informalに用いているようである。descentは'子孫'などと訳され、 例えば、direct descentで'w:直系'などとなる。maintainは'保持する'という 意味の語である。no longerはこれだけで否定文を作る副詞であり、 'もはや〜ない'という意味である。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 36, "tag": "p", "text": "", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 37, "tag": "p", "text": "Tamils are ethnically, linguistically and culturally related to the other Dravidian peoples of South Asia. There are an estimated 74 million Tamils around the world.", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 38, "tag": "p", "text": "タミル人は民族的にも言語学的にも文化的にも他の南アジアのドラヴィダ民族 と関連している。世界中に7400万人のタミル人がいる。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 39, "tag": "p", "text": "linguisticallyはlinguistics、'言語学'から来た語で'言語学的に'という 意味である。relateはrelation'関係'と似た語だが'関係づける’という意味で 用いられるため、関係があると言う意味で用いるときには受動態にする 必要がある。'Dravidian'は学術的な用語なので詳しくはWikipediaなどを 参照してほしい。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 40, "tag": "p", "text": "", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 41, "tag": "p", "text": "Culture", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 42, "tag": "p", "text": "文化", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 43, "tag": "p", "text": "Language and literature", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 44, "tag": "p", "text": "言語と文学", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 45, "tag": "p", "text": "literatureは'文学'という意味だが、単に小説だけに留まらず広い意味での'文献'という 意味でも用いられる。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 46, "tag": "p", "text": "", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 47, "tag": "p", "text": "Tamils have strong feelings towards the Tamil language, which is often venerated in literature as \"tamil̲an̲n̲ai,\" \"the Tamil mother.\"", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 48, "tag": "p", "text": "タミル人はタミルの言語に強い愛着を持っており、その言語は文献の中でしばしば \"tamil̲an̲n̲ai,\" タミルの母と呼ばれ尊敬されている。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 49, "tag": "p", "text": "feelingは単に'感じ、気持ち'という意味で、よい意味にも悪い意味にもなる。 しかし文脈からタミル人のタミル語への好感を表しているようなので、 ここでは'愛着'とした。venerateは難しい語だが、'尊敬する'という意味である。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 50, "tag": "p", "text": "", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 51, "tag": "p", "text": "It has historically been, and to large extent still is, central to the Tamil identity (Ramaswamy 1998).", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 52, "tag": "p", "text": "それは歴史的にタミルの同一性の中心であり、現在でもかなりの程度そうであり続けている。 (Ramaswamy 1998)", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 53, "tag": "p", "text": "stillは平叙文で用いられた場合'まだ'という意味を表す。否定文で 'まだ〜ない'という意味を用いるときはyetを用いるので注意。 また、stillには'しかし'という意味の副詞としての用法もあるが、 'まだ'の場合にはstillの置き場所が動詞の直前になるのに対して、 'しかし'の場合には通常文頭になることから見分けられる。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 54, "tag": "p", "text": "", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 55, "tag": "p", "text": "Like the other languages of South India, it is a Dravidian language, unrelated to the Indo-European languages of northern India.", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 56, "tag": "p", "text": "南インドの他の言語と同様、それはドラヴィダ語族であり、 北インドにあるような他のインド・ヨーロッパ語族とは 関係がない。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 57, "tag": "p", "text": "unrelatedはrelateの反対の意味の語で、unrelatedの形で用いられたとき '関係していない'という意味になる。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 58, "tag": "p", "text": "", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 59, "tag": "p", "text": "The language has been far less influenced by Sanskrit than the other Dravidian languages, and preserves many features of Proto-Dravidian, though modern-day spoken Tamil, especially in Tamil Nadu, freely uses loanwords from Sanskrit and English.", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 60, "tag": "p", "text": "その言語は他のドラヴィダ語族の言語より、サンスクリットに影響された度合いがかなり少なく、 前ドラヴィダの多くの性質を持っている。ただし、近年のタミル語の話し言葉では、 特にタミル・ナードゥ州ではそうなのだが、サンスクリットや英語からの語が 自由に用いられているのだが。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 61, "tag": "p", "text": "less - than - は通常の比較級だが、lessは'より〜ない'という意味を表し、 moreの反対語のように扱われる。lessを修飾する語は 他の比較級と同じで、veryなどは用いられず、far, muchなどが 用いられる。preserveは'保持する、残している'という意味の語である。 thoughは従属接続詞であり'〜であるのだが'という意味を表す。 同じ意味の語でalthoughがあるが、これらはほとんど同じ意味で用いられる。 especiallyは'特に'という意味の副詞である。loanwordは'他の言語から 入ってきた語'という意味である。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 62, "tag": "p", "text": "", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 63, "tag": "p", "text": "", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 64, "tag": "p", "text": "Tamil literature is of considerable antiquity, and the language was recently recognised as a classical language by the government of India.", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 65, "tag": "p", "text": "タミルの文献は古典としての価値があり、その言語は近年インド政府によって 古典的な言語であると認められた。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 66, "tag": "p", "text": "considerableはconsiderから来た語で'考えるに値するほど、非常に'という 意味である。antiquityはやや難しい語だが、'古いもので非常に良いもの' という意味である。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 67, "tag": "p", "text": "", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 68, "tag": "p", "text": "Classical Tamil literature, which ranges from lyric poetry to works on poetics and ethical philosophy, is remarkably different from contemporary and later literature in other Indian languages, and represents the oldest body of secular literature in South Asia (Hart 1975).", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 69, "tag": "p", "text": "タミル語の文献の古典的なものは、w:叙情詩から詩学や 民族の哲学にまで及ぶが、その時点やそれ以降のインドの タミル語以外の言語の文献と比べて非常に 異なっており、南アジアの宗教的でない文献として最も 古いものである。 (Hart 1975)", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 70, "tag": "p", "text": "rangeは動詞として用いられたときには、'〜にまで及ぶ'という意味になる。 lyric poetryは叙情詩と言う意味である。philosophyは'哲学'という 意味である。remarkablyはremarkという語から来ているが、 remarkは動詞としても名詞としても用いられ、意味は'言及する'、'言及'である。 remarkable自体は'言及するに足る、重要な'という意味になる。 contemporaryは'話に出ている場面と同じ時代の'という意味である。 representは'代表する、〜である'という意味である。 representativeは、'(会議などに出席する)代表者'という意味で、 ニュースなどでよく用いられる。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 71, "tag": "p", "text": "", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 72, "tag": "p", "text": "Notable works in classical Tamil literature include the Tirukkural by Tiruvalluvar, the five great Tamil epics and the works of Auvaiyar.", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 73, "tag": "p", "text": "タミルの古典文献の中で重要な仕事として、TiruvalluvarによるTrukkuralや タミルの5つの重要な叙事詩やAuvalyarによる仕事などがある。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 74, "tag": "p", "text": "notableはnoteから来ており、noteは動詞としての意味は'述べる'という 意味になる。notableは'述べるに足る'から、'重要な'という意味になる。 epicは歴史に関することを述べる文章であるが、ここでは 叙事詩で良いようである。実際にはある時代の王族の活躍などに 書いているようだ。詳しくはen.wikipediaの文章を参照。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 75, "tag": "p", "text": "", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 76, "tag": "p", "text": "", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 77, "tag": "p", "text": "The written language has changed very little over the years, with the result that much of classical literature remains easily accessible to modern Tamils and continues to influence modern Tamil culture.", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 78, "tag": "p", "text": "書き言葉(としてのタミル語)は長い間ほとんど変わっておらず、 多くの古典的な文献は、現代のタミル人にとって簡単に 読むことができるものであり続けており、現代の タミル文化に影響を与え続けている。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 79, "tag": "p", "text": "resultは名詞としては結果という意味である。動詞としてはresult in - で用いられ、 '〜という結果になる'という意味になる。accessibleは'使用可能である'という 様な意味でaccess\"接続\"から来ている。continueは-ingを目的語に取って '〜し続ける'という意味を持つ。通常to不定詞を目的語とすることは ないとされるが、ここでは間違えたのだろうか? influenceは '影響する'という意味である。似た意味の語としてaffectがある。 affectはeffectと違って名詞としては用いられないことに注意。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 80, "tag": "p", "text": "", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 81, "tag": "p", "text": "Modern Tamil literature is considerably diverse, ranging from Indian Nationalism in the works of Subramanya Bharathy, to historical romanticism in the works of Kalki Krishnamurthy, to radical and more moderate social realism in the works of Pudhumaipithan and Jayakanthan respectively, to feminism in the works of Malathi Maithree and Kutti Revathi.", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 82, "tag": "p", "text": "近年のタミル文献は非常に多様であり、Subramanya Bharathy の仕事によるインドの国家主義からKalki Krishnamurthy の仕事による歴史的ロマン主義や Pudhumaipithan による過激な社会的現実主義であったり ayakanthanによる、より穏健なそれや Malathi Maithree and Kutti Revathi.によるw:フェミニズムにまで 及んでいる。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 83, "tag": "p", "text": "diverseはやや難しいがよく用いられる語で、'多様な'という意味である。 nationalismは基本的には'国家主義、民族主義'という意味だが、 時代や状況によってかなり意味が変わってくる語なので使用には 十分な注意が必要である。romanticismもとりあえず'ロマン主義'と訳される。 radicalは、'過激な'という意味であり、よく用いられる語である。 moderateは'穏健な'という程度の意味である。respectivelyは 意外に用いられない語だが、'それぞれ、順に'という意味であり、 複数のものを列挙するときに、それらの対応を明示する語である。 feminismはfemineから来ており、feminine自体の意味は '女性的な'である。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 84, "tag": "p", "text": "Sujatha, an author whose works range from romance novels to science fiction, is one of the most popular modern writers using the Tamil language.", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 85, "tag": "p", "text": "Sujathaはその仕事が恋愛小説からSFにまで及んでいる作家だが、 タミル語を用いる現代の作家の中で最も人気のある作家である。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 86, "tag": "p", "text": "authorは'作家、作者'という意味である。novelは'小説'という意味である。 scienceは'科学'という意味であり、fictionは'架空の'という意味である。 science fictionはSF小説のことをさす。 popularは'人気のある'という意味である。modernは'現代の' である。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 87, "tag": "p", "text": "", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 88, "tag": "p", "text": "In more recent years, Sri Lankan Tamil literature has produced several powerful pieces reflecting the civilian tragedy caused by decades of war.", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 89, "tag": "p", "text": "近年では、スリランカのタミル語文献は、長年の戦争によって引き起こされた 文化的な悲劇を反映したいくつかの力強い作品を作り出している。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 90, "tag": "p", "text": "produceは'作り出す'という意味であるが、makeと比べると、 工業的に作り出されたという意味合いが強い。工場の生産物のことを productと呼ぶが、ラテン語の受動(過去)分詞に由来する。severalはsomeと 似た意味で'いくつかの'という意味である。reflectは'反映する、反射する' という意味である。civilianは特にここでは'非戦闘員'という 意味のようである。tragedyは'悲劇'という意味である。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 91, "tag": "p", "text": "", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 92, "tag": "p", "text": "There is also an emerging diaspora literature in Tamil.", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 93, "tag": "p", "text": "さらに、タミル語のディアスポラ文学が現れ始めている。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 94, "tag": "p", "text": "w:ディアスポラとはかなり難しい語だが、元々いた国を 追われた民族のことである。emergeは'現れる'という 意味である。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 95, "tag": "p", "text": "インドは近代において伝統的に貧しい国のイメージが強かったが、現在では中国と並んで、経済の発達が 著しい地域である。インドの人口は8億人を超えており、21世紀中には中国とともに 経済規模で米国を超える大国となることが予測されている。 しかし、現在でも貧困や悪い公衆衛生に悩む人々も多く、 富裕な国への道は険しいものとなっている。 ここでは、インドの経済について説明した文章を読む。 特に、経済的なのものの見方や、日本と他国の発想の 違いや歴史観の違い等に注目するとおもしろく読めるだろう。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 96, "tag": "p", "text": "http://en.wikipedia.org/wiki/Economy_of_India", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 97, "tag": "p", "text": "", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 98, "tag": "p", "text": "Economy of India", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 99, "tag": "p", "text": "インドの経済", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 100, "tag": "p", "text": "economyは'経済'という意味を持つ語である。経済は生き物であると 言われるが、実際多くの人間の活動の集合であるため、 どのような権力を用いても、これを完全に制御することは困難である。 そのため、これを制御する立場にある政府は、様々な経済指標を 見比べながらの慎重な舵取りが必要となる。 その成果は国によって様々であるが、ここでは特に、 インドの経済に注目する。日本や他国の立場と比べながら 読むと楽しめる。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 101, "tag": "p", "text": "The economy of India is the fourth-largest in the world as measured by purchasing power parity (PPP), with a GDP of US $3.36 trillion.", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 102, "tag": "p", "text": "インドの経済はPPPで測ると世界で4番目に大きく、そのGDPは3兆3600億円ドルに上る。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 103, "tag": "p", "text": "fourth-largestは'4番目に大きい'という意味である。この使い方は、より一般的なもので、 second fastestなどとすると'2番目に早い'という意味になり、'序数 最上級' という形になるのである。 一方twice as large as - などのように順位ではなく何倍であるかを扱う文では once, twice, three times, four timesのように回数として用いられる語が 用いられる。asは接続詞として用いられており、このときにはasはwhenと同様 '〜のときに'という意味になる。asを接続詞としたとき、主語がなくなるように思える。 しかし、ここでは、主語と動詞はthe economy of India is であり、この文の主文の 主語と述語と同じものを用いていることから、これらの主語述語は省略できる。 同様の現象は、when, if などの接続詞に対しておこるが、 特に従文でbe動詞を用いた場合によく行われる。 purchaseは'購入する'という意味である。 purchasing power parityは 経済学の用語であるので、詳しくはw:購買力平価説などを参照。 trillionは'1兆'という意味である。一方、million, billionは、それぞれ '100万'、'10億'という意味である。 GDPは'w:国民総生産'のことである。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 104, "tag": "p", "text": "When measured in USD exchange-rate terms, it is the tenth largest in the world, with a GDP of US $691.87 billion (2004).", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 105, "tag": "p", "text": "", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 106, "tag": "p", "text": "USD取引レートで測ったときには、それは世界で10番目に大きく、GDPは691億8700万ドルになる。 (2004)", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 107, "tag": "p", "text": "USDは米ドルのことで、アメリカの通貨である。tenth largestは、10番目に大きいという 意味である。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 108, "tag": "p", "text": "", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 109, "tag": "p", "text": "India was the second fastest growing major economy in the world, with a GDP growth rate of 8.1% at the end of the first quarter of 2005–2006.", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 110, "tag": "p", "text": "インドは主要な経済の中で世界で2番目に速く成長している経済であり、2005-2006の第1四半期 のGDP成長率は8.1%であった。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 111, "tag": "p", "text": "growは'成長する'という意味で過去形はgrew, 過去分詞はgrownの不規則動詞である。 quarterは'4分の1'という意味である。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 112, "tag": "p", "text": "", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 113, "tag": "p", "text": "However, India's huge population results in a relatively low per capita income of $3,100 at PPP.", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 114, "tag": "p", "text": "しかし、インドの非常に多い人口によって、人口あたりの所得は PPPで3,100ドルと比較的低い。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 115, "tag": "p", "text": "hugeは'巨大な'という意味である。populationは'人口'である。resultはここでは 動詞だが、resultは自動詞であり、前置詞inとともに用いられ'〜に帰着する'という 意味となる。per capitaは'一人あたりの'という意味の連語である。 incomeは'収入'という意味である。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 116, "tag": "p", "text": "", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 117, "tag": "p", "text": "The country's economy is diverse and encompasses agriculture, handicrafts, industries and a multitude of services.", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 118, "tag": "p", "text": "国の経済は多様であり、農業や手工業や産業や様々なサービスを 含んでいる。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 119, "tag": "p", "text": "diverseは'多様な'という意味である。encompassは'含んでいる'という意味の語だが、 難しい語ではないものの非常に頻繁に使われる語ではない。 agricultureは'農業'、handicraftは'手工業', industryは'産業'である。 multitudeは'様々なもの'という意味の語である。serviceはいろいろな意味で用いられるが、 経済の文章では通常'形のない商品'w:サービスのことである。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 120, "tag": "p", "text": "", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 121, "tag": "p", "text": "Services are the major source of economic growth in India today, though two-thirds of the Indian workforce earn their livelihood directly or indirectly through agriculture.", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 122, "tag": "p", "text": "3分の2のインドの労働力が直接的にかもしくは間接的に農業を通じて、収入を得ている けれども、サービス業は今日のインドの経済成長の主な源である。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 123, "tag": "p", "text": "growthは、growの名詞形で'成長'という意味である。two-thirdsは3分の2という 意味であるが、一般に分数を扱うときには、'分子 - 分母の序数'という 様にする。ただし、分子が1より大きい数なら、分母の序数の後に-sをつける。 例えば、five-seventhsなどは'7分の5'に対応する。 workforceは'労働者'という意味であり、earnは'手に入れる'だが、特に労働の 代償として手に入れるという意味である。livelihoodは'生活費'のことである。 directlyは形容詞directから来た副詞であり、意味は'直接に'である。 indirectlyはその反対の意味である。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 124, "tag": "p", "text": "", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 125, "tag": "p", "text": "In recent times, India has also capitalised on its large number of highly educated people who are fluent in the English language to become a major exporter of software services, financial services and software engineers.", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 126, "tag": "p", "text": "近年では、インドはソフトウェアサービスや金融サービスやソフトウェア技術者などの主要な 引受人となるための、多くの高度な教育を受け流暢な英語を話す人々でも注目されている。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 127, "tag": "p", "text": "capitalizeは'重要であると認める'という意味で、形容詞capital'主要な、大文字の' からくる。educateは'教育する'という意味である。fluentは'流暢な'という意味の形容詞であり、 対応する副詞fluently'流暢に'もよく用いられる。softwareは、 やや技術的な語だが、計算機を動かす命令群のことである。 financialは'金融の'という意味である。engineerは'技術者、エンジニア'のことである。 ただし、アクセントが-neerの部分にあるため、単に'エンジニア'といっても 通じないものと思われる。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 128, "tag": "p", "text": "", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 129, "tag": "p", "text": "", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 130, "tag": "p", "text": "India has adhered to a socialist-inspired approach for most of its independent history, with strict government control over private sector participation, foreign trade, and foreign direct investment.", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 131, "tag": "p", "text": "インドはそれが歴史上独立している時間のほとんどにおいて、 私的な経済の参加や外国との貿易や外国からの直接投資において、政府の厳格な制御を 必要とする、社会主義に影響されたやり方に固執してきた。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 132, "tag": "p", "text": "adhereは'固執する'という意味の動詞であり、名詞形のadherenceもよく用いられる。 adhereは、難しい単語だが、これ自体も割合よく用いられる。 socialistはsocialism'社会主義'から来た語で'社会主義者'という意味である。 詳しくはw:社会主義を参照。inspireは、'鼓舞する、奮い立たせる' という意味である。approachは名詞では'アプローチ、接近'という意味だが、 動詞では'近づく'という意味となる。independentは、'独立の'という意味である。 strictは'厳しい、厳格な'という意味である。privateは'私的な'であり、 sectorは'部分、部門'という意味だが、経済学的には、private sectorは、 民間部門という意味になる。これは、政府によって制御されていないもの全体のことである。 participationは、participate'参加する'からくる語で、意味は'参加' である。似た意味の語として、take part in - があり、この書き換えは有名である。 foreignは、'外国の'という意味で、tradeは、'貿易'である。 更に、investmentは、'投資'である。'投資する'という意味の 動詞investの名詞形である。通常-mentで終わる単語は 対応する語の名詞形である。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 133, "tag": "p", "text": "", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 134, "tag": "p", "text": "Since the early 1990s, India has gradually opened up its markets through economic reforms by reducing government controls on foreign trade and investment.", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 135, "tag": "p", "text": "1990年代始めから、インドは外国との貿易や外国からの投資への政府の制御を減らすことによる 経済の改革を通じて、段階的に市場を開放し始めた。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 136, "tag": "p", "text": "graduallyは、'だんだんと'という意味である。marketは、ここでは特に'市場(しじょう)'の ことであり、経済用語である。一般的には単に'売り場'程度の意味で用いられる ことも多い。reformは'改革'の意味である。reduceは'減らす'という 意味だが、同じ意味の語としてdecrease, diminishがある。 また、反対語としてincreaseがある。これらはどれもよく用いられるが、 diminishがやや使われる頻度が少ないかもしれない。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 137, "tag": "p", "text": "", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 138, "tag": "p", "text": "Privatisation of public-owned industries and opening up of certain sectors to private and foreign players has proceeded slowly amid political debate.", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 139, "tag": "p", "text": "公的所有の産業の私有化や、いくらかの部門の私有部門や外国の投資家への開放は 政治的な対話の中で、ゆっくりと進んできた。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 140, "tag": "p", "text": "privatization は、経済用語に近いが、民営化のことである。 これは、国家が行っていたことを民間に任せることで、競争原理を 導入し、より効率的な実現を図る手法である。 ownは、動詞としては'所有する'という意味である。 publicは'公的な'という意味だが、特に経済用語では 民間に対応して政府のという意味である。通常民間の 企業などが自身の利益を得ることを目標とするのに対して 政府は例えば市場全体の利益を追求するという違いがある。 pubic-ownedは、'政府が所有する'という意味である。 certainは'ある'という意味で、someに近い意味だが、 対象を限定する働きがある。また、It is certain that - の形で用いられたときには、'〜なことは確かだ'という 意味になる。open up to private はやや難しく 専門的な言い回しだが、'もともと国有の主体があつかっていた部分を 民間企業に任せる'という意味である。この場合も 経営の効率化などが期待されるが、失敗すると安定した サービスの供給が阻害されることがある。 playerは、ここでは'(経済活動の)主体'の意味であり、 '選手'などの意味はない。foreign playerは、 実際には'外国企業'の意味であり、 proceedは'進行する'という意味である。amidは、'〜の中で'という意味である。 debateは、'話し合い'という意味だが、単に'ディベート'といっても 日本語では通じるかもしれない。一方アクセントがaにあることから 単に'ディベート'では英語としては通じにくい。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 141, "tag": "p", "text": "The socio-economic problems India faces are a burgeoning population and lack of infrastructure, as well as growing inequality and unemployment.", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 142, "tag": "p", "text": "インドが直面している、社会的経済的な問題には、増大する不均等と失業同様に、 増加する人口やインフラの欠如がある。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 143, "tag": "p", "text": "socio-economicは、social'社会的な'とeconomic'経済的な'から作られた造語である。 faceは、'直面する'という意味の他動詞である。faceは、be faced with - として 用いてもほぼ同じ意味で用いられる。faceは名詞として用いられた場合には、 '顔'である。burgeonは、'増える'という意味の語である。 infrastructureは、'インフラ、基盤'という意味である。 inequalityは、'不平等'の意味であり、equal'等しい'、equality'平等、等式' から来ている。unemploymentは、employ'雇用する'から来ており、'非雇用' の意味である。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 144, "tag": "p", "text": "Poverty also remains a problem although it has seen a decrease of 10% since the 1980s.", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 145, "tag": "p", "text": "1980年代から10%の現象を経たけれども、貧困も問題になり続けている。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 146, "tag": "p", "text": "povertyは、形容詞poor'貧しい'から来た名詞で、意味は'貧困'である'。 sinceは、接続詞としての用法以外に、前置詞としても扱われ、'〜以降'の 意味になる。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 147, "tag": "p", "text": "", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 148, "tag": "p", "text": "Sectors", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 149, "tag": "p", "text": "部門", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 150, "tag": "p", "text": "どちらかといえば、この語も経済用語である。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 151, "tag": "p", "text": "Agriculture", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 152, "tag": "p", "text": "農業", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 153, "tag": "p", "text": "Agriculture and allied sectors like forestry, logging and fishing accounted for 25% of the GDP, employed 57% of the total workforce in 1999-2000 and despite a steady decline of its share in the GDP, is still the largest economic sector and plays a significant role in the overall socio-economic development of India.", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 154, "tag": "p", "text": "農業と林業や木材や水産業などの農業に関連する部門は 1999-2000年にはGDPの25%を占め全労働力の57%を雇用しており、 GDPの割合における確実な減少にも関わらず、いまだに最も大きな経済の部門であり、 全体的なインドの社会経済的発展において重要な役割を担っている。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 155, "tag": "p", "text": "allyは'同盟を結ぶ'といった意味で、例えば、allied armiesは、'同盟軍'という意味である。 ここでのalliedは、単に'付随した'程度の意味である。forestry'林業'は、 forest'林'から来た語である。logging'材木業'??は、log'丸太'から来た語である。 fishingは、'釣り'の意味だが、ここでは'漁業'である。account for - は、'〜を占める'という意味の非常に重要な連語であり、よく用いられる語である。 employは、'雇用する'である。steadyは、'確実な'という意味である。 declineは、'下降'の意味である。shareは、'取り分、持ち分'といった意味であり、 ここでは、GDPのうちで、農業が占める割合のことを表している。 significantは、'重要な、かなりの'という意味である。 roleは、'役割'である。RPGは'role-playing game'から来ているが、 これは、'役割を演じることによって成立するゲーム'という意味である。 overallは、'全体的な'という意味である。developmentは、develop'発展させる'という 語から来た語であり、'発展'という意味である。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 156, "tag": "p", "text": "", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 157, "tag": "p", "text": "", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 158, "tag": "p", "text": "Yields per unit area of all crops have grown since 1950, due to the special emphasis placed on agriculture in the five-year plans and steady improvements in irrigation, technology, application of modern agricultural practices and provision of agricultural credit and subsidies since the green revolution.", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 159, "tag": "p", "text": "5年計画での特別な農業に対する強調があったことや、確実な灌漑や技術の 改善や近代的な農業手法の適用や緑の革命以降の農業の金融や交付金などの支給によって、 1950年からあらゆる作物の単位面積あたりの収穫は増え続けている。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 160, "tag": "p", "text": "yieldは、名詞で用いられたときには、'収穫'という意味になり、動詞では、 '生み出す'といった意味である。perは、per - で、'〜ごとに'という意味である。 例えば、cm/sec は、centimeter per second と読まれるが、これは、 cm/sec が、1秒間に物体が何cm進むかを記述した量であることによる。 areaは、'地域、面積'だが、ここでは'面積'の意味である。cropは、'穀物'という意味である。 due to -は、'〜のために'という意味で、because of - との書き換えが可能である。 また、thanks to - と書き換えることもあるが、これは文脈によって使い分けがなされるので、 注意が必要である。dueは、単独では名詞で、'義務'という意味があるが、due to - の形ほどよく用いられるわけではない。emphasisは、emphasize'強調する'から来た語で、 '強調'という意味がある。improvementは、improve'改善する'から来た語で、'改善' という意味である。irrigationは、やや難しい語だが、irrigate'灌漑する'という語から来た語で、 '灌漑'という意味である。technologyは。'技術'という意味である。 applicationは、apply'適用する'から来た語で、'応用'という意味である。 practiceは、'練習する'という意味があるが、ここでは単に'手法'という程度の意味である。 provisionは、'提供'という意味である。creditは、'資金を借りること'の意味である。 subsidyは、少し難しい単語だが、'補助金'の意味である。green revolutionは、 'w:緑の革命'と呼ばれ、近代における重要な出来事の1つである。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 161, "tag": "p", "text": "However, international comparisons reveal that the average yield in India is generally 30% to 50% of the highest average yield in the world.", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 162, "tag": "p", "text": "しかしながら、国際比較によるとインドの平均的な収量はおおよそ世界で最も高い平均収量の 30%から50%である。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 163, "tag": "p", "text": "internationalは、'国際的な'という意味である。'インターナショナルスクール'などと 日本語的にも使われるが、そのまま読んでも通じないと思われる。 comparisonは、動詞compare比較する'から来た名詞であり、 意味は'比較'である。revealは、'明らかにする'という意味の動詞である。 averageは、'平均'という意味の名詞である。また'平均的な'という意味の形容詞にもなる。generallyは、形容詞general'一般の' から来た副詞で、意味は'一般に'である。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 164, "tag": "p", "text": "", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 165, "tag": "p", "text": "The low productivity in India is a result of the following factors: Illiteracy, general socio-economic backwardness, slow progress in implementing land reforms and inadequate or inefficient finance and marketing services for farm produce.", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 166, "tag": "p", "text": "インドでの低い生産性は次のような要素の結果である。すなわち、 識字率の低さ、一般的な社会経済的な後進性、農地改革の実行の遅い進行、そして 適切でないか効率的でない金融と市場に関する農場生産へのサービスである。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 167, "tag": "p", "text": "productivityは、'生産性'という意味の名詞である。productは、'製品' という意味の名詞であり、productivityは、製品を作りだす性質という 意味である。resultは、名詞として用いられたときには'結果'という 意味を表わす。followは、'続く'という意味の動詞だが、 ここでは、followingで、'次に続く'という意味である。 factorは、'要素'という意味の名詞である。 illiteracyは、'文字が読めないこと'という意味の名詞である。 illiteracyは、literacyの反意語で、literacyは、 '識字率'という意味である。generalは、'一般的な'という意味の形容詞である。 backwardnessは、backward'後方の'という形容詞から来た名詞であり、 '後れ、後進性'という意味である。slowは、'遅い'という意味の形容詞である。 progressは、'進歩'という意味の名詞である。implementは、 '実行'という意味の名詞である。reformは、'改革'という意味の 名詞である。inadequateは、形容詞adequate'適切な'の反対の 意味を持つ形容詞で、'不適切な'という意味を持つ。 inefficientは、形容詞efficient'効果的な'の反対の意味を持つ 形容詞で、'効果的でない'という意味である。 financeは、ここでは'金融'という意味である。 farmは、'農場'という意味の名詞である。produceは、'生産'という 意味の名詞である。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 168, "tag": "p", "text": "", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 169, "tag": "p", "text": "The average size of land holdings is very small (less than 20,000 m2) and are subject to fragmentation, due to land ceiling acts and in some cases, family disputes.", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 170, "tag": "p", "text": "農地の所有分の平均的な大きさは非常に小さく、(20,000 m 2 {\\displaystyle m^{2}} より小さい) land ceiling act やある場合には家庭内の論争によって細かく分割されている。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 171, "tag": "p", "text": "averageは、'平均的な'という意味の形容詞である。holdingsは、'手持ち、所有分' という意味の名詞である。subjectは、形容詞として用いられた時には、 be subject to - で、'〜をこうむっている'という意味となる。 subjectは、名詞として用いられたときには、'主題、テーマ'という 意味となる。また、文法用語として、'主語'という名詞の意味もある。 fragmentationは、'分割'という意味である。 due to - は、'〜のために'という意味の語で、because of - との 書き換えはよく用いられる。disputeは、'議論、争論'という意味の名詞である。 disputeは、動詞としても用いられ、'議論する、論争する'という 意味となる。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 172, "tag": "p", "text": "Such small holdings are often over-manned, resulting in disguised unemployment and low productivity of labour.", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 173, "tag": "p", "text": "このような少量の持ち分はしばしば人あまりを引き起こし、隠された非雇用や低い 労働生産性へとつながる。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 174, "tag": "p", "text": "oftenは、'しばしば'という意味の頻度を表わす副詞である。 over-mannedは、'人が余る'というような意味の形容詞である。 result in - は、'結果として〜になる'という意味の語である。 disguiseは、動詞として用いられたときには'覆い隠す'という 意味になる。disguiseは、名詞として用いられたときには'偽装、変装' という意味になる。unemploymentは、名詞employment'雇用' から来た名詞で、'非雇用'という意味になる。employment自体は、 動詞employ'雇用する'から来ている。lowは、'低い'という 意味の基本的な形容詞である。labourは、'労働'という意味の名詞である。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 175, "tag": "p", "text": "", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 176, "tag": "p", "text": "Adoption of modern agricultural practices and use of technology is inadequate, hampered by ignorance of such practices, high costs and impracticality in the case of small land holdings.", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 177, "tag": "p", "text": "近代的な農業手法の採用と技術の使用はそのような手法に対する無知に邪魔されて、不適切となり、 小さい土地に対しては高いコストと非実用性につながる。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 178, "tag": "p", "text": "adoptionは、動詞adopt'採用する'から来た名詞で、'採用'という 意味である。agriculturalは、名詞agriculture'農業'から来た形容詞で、 '農業に関する'という意味である。practiceは、ここでは、'手法' といった程度の意味である。practiceは、名詞としては、 '練習、慣行'といった意味で用いられることが多い。useは、ここでは 名詞として用いられており、'使用'という意味である。名詞として 用いられたときには、'ユース'と発音されることに注意が必要である。 technologyは、'技術'という意味の名詞である。 hamperは、少し難しい語だが、'邪魔する'という意味の動詞である。 ignoranceは、'無知'という意味の動詞であり、動詞ignore '無視する、軽視する'から来ている。costは、'コスト、経費'という 意味の名詞である。impracticalityは、形容詞impractical'非実用的な' から来ている単語で、'非実用性'という意味である。impracticalは、 形容詞practical'実用的な'の反対の意味の語であり、practicalは、 動詞practice'練習する'から来ている。 caseは、'場合'という意味の名詞である。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 179, "tag": "p", "text": "", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 180, "tag": "p", "text": "Irrigation facilities are inadequate, as revealed by the fact that only 53.6% of the land was irrigated in 2000-01 , which result in farmers still being dependent on rainfall, specifically the Monsoon season.", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 181, "tag": "p", "text": "ただ53.6%の土地だけが2000-01年に灌漑を受けたという事実からわかる通り、 灌漑施設は不適切であり、そのことは農家がいまだに、特にモンスーンの季節には 雨に依存していることにつながっている。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 182, "tag": "p", "text": "irrigationは、やや難しい単語だが、動詞irrigate'w:灌漑する'から 来ており、'灌漑'という意味の名詞である。 facililtyは、'施設'という意味の名詞である。 revealは、'明らかにする'という意味である。factは、'事実'という意味の 名詞である。farmerは、'農家'という意味の名詞である。 stillは、肯定文で用いられ'まだ'という意味である。 dependentは、動詞depend'依存する'から来た形容詞で、 '依存している'という意味である。dependは、自動詞であり depend on - で'〜に依存する'という意味となる。 dependentについては be dependent on - で、'〜に依存している' という意味となる。rainfallは、'雨'という意味である。 Monsoonは、'w:モンスーン'の事である。 seasonは、'季節'という意味の基本的な名詞である。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 183, "tag": "p", "text": "A good monsoon results in a robust growth for the economy as a whole, while a poor monsoon leads to a sluggish growth.", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 184, "tag": "p", "text": "よいモンスーンは健常な経済全体の発展を引き起こすが、 一方悪いモンスーンは遅い経済成長に至る。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 185, "tag": "p", "text": "robustは、'健全な、安定した'という意味の形容詞である。growthは、 動詞grow'育つ、成長する'から来た名詞で、'成長'という意味である。 economyは、'経済'という意味の名詞である。wholeは、'全て'という 意味の名詞である。as a whole は'全体'という意味の表現で よく用いられる。poorは、'悪い、貧しい'という意味を持つ形容詞である。 lead to - は、'〜になる'という意味の表現である。 sluggishは、'遅い'という意味の形容詞で、名詞slug'ナメクジ' から来ている。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 186, "tag": "p", "text": "", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 187, "tag": "p", "text": "恐竜は2億3千万年前からおよそ1億6千万年前まで、地球上に存在していたとされる 生物である。多くはトカゲのような姿をしていたようだが、その形と大きさは 多種多様であり、ひとくくりにすることはできない。 映画ジュラシックパークでも重要な役を担ったティラノサウルスを始め、 有名な恐竜は数多い。恐竜に関しての研究は現在も進行中であり、 依然としてわかっていないことも多い。恐竜はなぜ絶滅したのか、 なぜこれほどに大きいのか、時期によって現れる恐竜の種類に 違いがあるのはどうしてかなど疑問は尽きない。 ここでは、恐竜についての百科事典的な説明を読むことで、 既に知られていることと、今後の展望などを考える。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 188, "tag": "p", "text": "この文章は音声として録音されているので、listeningの練習に 用いることができる。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 189, "tag": "p", "text": "http://en.wikipedia.org/wiki/Dinosaur", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 190, "tag": "p", "text": "Dinosaurs are vertebrate animals that range from reptile-like to bird-like.", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 191, "tag": "p", "text": "恐竜はトカゲのようなものから鳥のようなものがいる脊椎動物である。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 192, "tag": "p", "text": "dinosaurは、'恐竜'と言う意味の名詞である。 vertebrateは、かなり難しい語だが、'脊椎'という意味で、 vertebrate animalで、'脊椎動物'という意味である。 rangeは、'〜に及ぶ'という意味の動詞である。名詞として用いられたときには、 '範囲'という意味の名詞となる。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 193, "tag": "p", "text": "Dinosaurs dominated the terrestrial ecosystem for over 160 million years, first appearing around 230 million years ago.", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 194, "tag": "p", "text": "恐竜は約2億3千万年前からおよそ1億6千万年の間地球の生態系の中でを有力な地位にあった。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 195, "tag": "p", "text": "dominateは、'有力である'という意味の動詞である。似た意味の形容詞に dominant'有力な'がある。terrestrialは、やや専門的な語だが'地球の' という意味の語である。millionは、'百万'という意味の語である。 appearは、'現われる'という意味の自動詞である。 また、seemと似た使い方で、'〜に見える'という意味でも用いられる。 この時には、He appears busy.'彼は忙しそうに見える。'などと用いられる。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 196, "tag": "p", "text": "", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 197, "tag": "p", "text": "65 million years ago, at the end of the Cretaceous period, all non-avian dinosaurs became extinct.", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 198, "tag": "p", "text": "6億5千万年前の白亜紀期の終わりに、全ての羽がない恐竜は絶滅した。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 199, "tag": "p", "text": "avianは、'羽がある、空を飛ぶ'などの意味だが、実際にこの使い方がされるのは 少し専門的である。実際には、avian flu'w:鳥インフルエンザ'などとして 用いられることが多い。extinctは、'絶滅した、途絶えた'という意味の形容詞である。 恐竜が既に絶滅したという事実は有名である。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 200, "tag": "p", "text": "Dinosaurs still exist today in the line of birds (avian dinosaurs).", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 201, "tag": "p", "text": "恐竜は現在でも鳥の一種として存在している。(avian dinosaurs)", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 202, "tag": "p", "text": "existは、'存在する'という意味の動詞である。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 203, "tag": "p", "text": "Knowledge about dinosaurs is derived from both fossil and non-fossil records, including fossilized bones, feces, trackways, gastroliths, feathers, impressions of skin, internal organs and soft tissues.", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 204, "tag": "p", "text": "恐竜に関する情報は化石や化石以外の記録から得られているが、その中には 化石化した骨や、羽や肌触りや、臓器や組織などが含まれている。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 205, "tag": "p", "text": "knowledgeは、'知識'という意味の不可算名詞である。この語はknowと関係がある。 deriveは、'導出する'という意味である。fossilは、 科学系の文章以外ではあまり用いられないが'化石'という意味である。 recordは、'記録'という意味である。includeは、'含む'という意味である。 fecesは、'糞'という意味の名詞である。trackwayは、'足跡'という意味の 名詞である。gastrolithは、'胃石'という意味の名詞(-lith Grc. 石)である。 w:胃石は、消化のために胃の中に貯えられた石のことであり、 現在でもw:ニワトリなどがこのような習性を持つことが知られている。 featherは、'羽'という意味の名詞である。impressionは、'印象'という意味の 語であり、skinは、'肌'という意味の名詞である。 internalは、'内部の'という意味の形容詞である。反対語は external'外部の'である。organは、'臓器'という意味である。 tissueは、'(体内の)組織'という意味である。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 206, "tag": "p", "text": "", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 207, "tag": "p", "text": "Dinosaur remains have been found on every continent on Earth, including Antarctica.", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 208, "tag": "p", "text": "恐竜は地球上の全ての大陸で見つかっているが、その中には南極も含まれている。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 209, "tag": "p", "text": "continentは、'大陸'の意味であり、科学的だがそれなりに用いられる語である。 Antarcticaは、'南極'の意味である。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 210, "tag": "p", "text": "Numerous fossils of the same dinosaur species have been found on completely different continents, corroborating the generally-accepted theory that all land masses were at one time connected in a super-continent called Pangaea.", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 211, "tag": "p", "text": "同じ種類の恐竜の多くの多くの化石が全く違った大陸から見つかっており、 そのことは全ての陸地が以前は一つのパンゲアという超大陸であったというよく確認されている理論と符合している。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 212, "tag": "p", "text": "numerousは、'多くの'という意味の語である。speciesは、'種'という意味の語である。 completelyは、complete'完全な'という意味の形容詞から来る副詞で、 '完全に、全く'という意味の語である。completeは、動詞としても用いられ、 '達成する、やり遂げる'という意味となる。 differentは、'違った'という意味である。corroborateは、'(証拠によって)示す' という意味である。generallyは、general'一般的な'という意味の形容詞から 来た語で、意味は'一般的に'である。 acceptは、'受けいれる'という意味の動詞である。 thoeryは、'理論'という意味の名詞である。 landmassは、'地塊'という意味の語であり、 それぞれの大陸のことを指す 科学用語である。connectは、'接続する'という意味の動詞である。 名詞は、connection'接続'である。 w:パンゲアは古くに全ての大陸が1つであり、それらが分割することで、 現在の大陸が出来たとする考えを採用したときの、最初の大陸のことである。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 213, "tag": "p", "text": "", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 214, "tag": "p", "text": "Pangaea began to break up during the Triassic period around 230 million years ago.", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 215, "tag": "p", "text": "パンゲアは2億3千万年前の三畳紀に分裂し始めた。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 216, "tag": "p", "text": "Triassic periodは、'三畳紀'という意味の固有名詞である。 時期については、w:三畳紀を参照。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 217, "tag": "p", "text": "", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 218, "tag": "p", "text": "Since the first dinosaur was recognized in the 19th century, their mounted, fossilized skeletons have become major attractions at museums around the world.", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 219, "tag": "p", "text": "最初の恐竜が19世紀に認識されてから、それらの巨大で化石化した骨は、世界中の博物館の 重要な(人気のある)展示物となった。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 220, "tag": "p", "text": "recognizeは、'認識する、発見する'という意味の語である。 mountは、'飾る'という意味の動詞である。fossilizeは、 fossil'化石'から来る動詞'化石化させる'である。 skeletonは、'骨'という意味の名詞である。 attractionは、'展示物'という意味の名詞で、attract'引きつける' という意味の動詞から派生した。museumは、'博物館'という意味の名詞である。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 221, "tag": "p", "text": "Dinosaurs have become a part of world culture and remain consistently popular, especially among children.", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 222, "tag": "p", "text": "恐竜は世界の文化の一部となり、特に子供の間で、 継続的に人気のある対象である。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 223, "tag": "p", "text": "cultureは、'文化'という意味の名詞である。consistentlyは、consistent '一貫した'という形容詞から来た副詞で、'一貫して'という意味である。 popularは、'人気のある'という意味である。 childrenは、child'子供'の複数形である。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 224, "tag": "p", "text": "", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 225, "tag": "p", "text": "They have been featured in best-selling books and blockbuster films such as Jurassic Park, and new discoveries are regularly covered by the media.", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 226, "tag": "p", "text": "", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 227, "tag": "p", "text": "それらは`ジュラシックパーク'のようなベストセラーの本や、 商業的に成功した映画の題材となり、それらに関する新しい発見は多くの場合メディアによって 取り上げられている。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 228, "tag": "p", "text": "featureは、'特徴'という意味の名詞として用いられる事が多いが、 映画などの話で用いられるときには、'(劇中で)重要な役を担わされる' という意味の動詞となる。best-sellingは、'ベストセラーの'という意味である。 blockbusterは、'非常に成功した'という意味で、映画などに対してよく用いられる。 Jurassic Parkは、映画の名前であり、恐竜を題材にした映画として 有名である。discoveryは、'発見'という意味の名詞であり、 discoverは、'発見する'という意味の動詞である。 regularlyは、'決まって'という意味の副詞であり、形容詞regular'規則的な、 正規の'から来ている。mediaは、単に'メディア'と訳されることが多いが、 w:マスコミのように、多くの人間に情報を伝達する手段のことである。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 229, "tag": "p", "text": "", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 230, "tag": "p", "text": "The term dinosaur is also used informally to describe any prehistoric reptile, such as the pelycosaur Dimetrodon, the winged pterosaurs, and the aquatic ichthyosaurs, plesiosaurs, and mosasaurs, though none of these are dinosaurs.", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 231, "tag": "p", "text": "実際にはそれらは恐竜ではないけれども、恐竜という語は非形式的には ディメトロドンやプテラノドン、イクチオサウルス、プレシオサウルス、モササウルス などの古代の爬虫類を描写するときにも用いられる。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 232, "tag": "p", "text": "termは、'語'という意味の語である。informallyは、'非形式的に' という意味である。describeは、'書く'という意味である。 prehistoricは、ここでは単に'古代の'という意味である。 reptileは、'ハ虫類'という意味である。pelycosaurは、 ''という意味の科学用語である。 wingedは、'羽がある'という意味の形容詞であり、名詞wing'翼' から来ている。aquaticは、'水生の'という意味の形容詞である。 thoughは、'〜だけれども'という意味の接続詞である。 同じ意味の接続詞としてalthoughがあるが、これらにはほとんど意味の違いがない。 none of - は、'〜のうちの1つとして〜ない'という意味で用いられる。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 233, "tag": "p", "text": "", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 234, "tag": "p", "text": "", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 235, "tag": "p", "text": "The ongoing renaissance in the scientific understanding of dinosaurs began in the 1970s and was triggered, in part, by John Ostrom's discovery of Deinonychus, an active, vicious predator that may have been warm-blooded (homeothermic), in marked contrast to the prevailing image of dinosaurs as sluggish and cold-blooded.", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 236, "tag": "p", "text": "恐竜に関する理解の今も続いている現代的な発展は、1970年代に始まり、それは 一部にはJohn Ostrom のDeinoncychusという活動的で抜け目の無い 恒常性であったかもしれない肉食獣の発見により 引き起こされ、そのことは恐竜がのろまで、変温動物であるという支配的な印象とは 重要な対立をなしていた。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 237, "tag": "p", "text": "ongoingは、'現在続いている'という意味の形容詞である。 renaissanceは、ここでは'隆盛'という意味の名詞である。 元々はw:ルネサンスという歴史的事実から現われた語であるが、 現在では他の情況にも転用され用いられている。 scientificは、'科学的な'という意味の形容詞であり、science'科学'という 名詞から来ている。understanding'理解'は、understand'理解する'から来た 名詞である。triggerは、'引き起こす'という意味の動詞である。 activeは、'活動的な'という意味の形容詞である。 viciousは、'悪い、抜け目の無い'という意味の形容詞である。 predatorは、'捕食者'という意味の名詞である。 warm-bloodedは、'温血の'という意味である。bloodは、'血'という 意味の名詞である。homeothermicは、かなり難しい単語だが、'恒温の' という意味で、体温がまわりの温度に影響されないという意味である。 markedは、'重要な'という意味の形容詞であり、contrastは、'対称'という 意味の名詞である。prevailは、'有力な'という意味である。 sluggishは、'のろまな、愚鈍な'という意味の形容詞で、 slug'なめくじ'から来ている。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 238, "tag": "p", "text": "", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 239, "tag": "p", "text": "Vertebrate paleontology, arguably the primary scientific discipline involved in dinosaur research, has become a global science.", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 240, "tag": "p", "text": "vertebrate paleontology は、実際のところ恐竜に関する探求活動としての 主要な科学的な活動だったが、それは全地球的な科学となっている。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 241, "tag": "p", "text": "vertebrateは既に出て来た語だが、'脊椎'という意味である。 paleontologyは、'古生物学'という意味である。難しい語ではないが、 その性質上日常会話で用いられることは少ない。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 242, "tag": "p", "text": "絶滅した生物の行動や外見を見出す研究活動'の事である。 この部分でarguablyから次のカンマまでは、paleontologyを説明する 部分であり、全体として名詞である。この様なカンマの用法をw:同格 の用法と呼ぶ。全体としては、前のカンマを'すなわち'などと訳しておくと 意味が通り易い。arguablyは、argue'議論する' から来た語で、'おそらく、議論として成立する程'という意味である。 primaryは、'主要な'という意味である。disciplineは、'活動'という様な 意味である。involveは、'含む'という意味である。ここでのinvolvedは、 動詞の過去形ではなく、disciplineを修飾する過去分詞である。 researchは、'研究'という意味である。globalは、'世界的な' という意味である。global company'世界的な企業'などの文脈で よく用いられる。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 243, "tag": "p", "text": "Major new dinosaur discoveries have been made by paleontologists working in previously unexploited regions, including India, South America, Madagascar, Antarctica, and most significantly in China (the amazingly well-preserved feathered dinosaurs in China have further solidified the link between dinosaurs and their living descendants, modern birds).", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 244, "tag": "p", "text": "インドや南アメリカやマダガスカルや北極、また、最も重要なものには中国のように ( 驚くほどよく保存された羽のある恐竜(の存在)は恐竜と現在の鳥とのつながりを さらに強く確認した。) これまでに 探索されていなかった地域での考古学者の活動が、重要な新しい恐竜に関する発見につながっている。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 245, "tag": "p", "text": "discoveryは、動詞discover'発見'から来た語で、'発見'の意味である。 paleontologistは、paleontology'古生物学'から来た語で、'古生物学者' の意味である。previouslyは、previous'以前の'という形容詞から来た副詞で ある。 unexploitedは、exploit'w:搾取する'から来た形容詞で、ここでは'詳しく 調べられていなかった'という程度の意味である。 Madagascarは、'w:マダガスカル'のことである。 Antarcticaは、'南極'の意味である。 significantlyは、形容詞significant'意義深い'から来ており、ここでは '重要な'という程度の意味である。most significantlyは、副詞の最上級 の用法である。 Chinaは、'w:中国'の意味である。 amazinglyは、形容詞amazing'驚くべき'から来た語で、'驚く程'という意味である。 wellは、'よい'という意味の副詞であるが、比較級はbetter、最上級はbestと なっており、goodに対する比較級と同じであることに注意が必要である。 preserveは、'保存する'という意味である。 featheredは、名詞feather'羽'から来た語で、'羽のある'という 意味である。solidifyは、形容詞solid'堅い'から来た語で、'堅くする' という意味である。-fyの語尾は通常動詞を作ることに注意せよ。 例としてterrify'怖がらせる', classify'分類する'などがある。 それぞれterror'恐怖'、class'分類、級'から来ている。 linkは、'つながり'という意味の名詞である。betweenは、'〜の間'という 意味の前置詞である。descendantは、'子孫'という意味の語である。 modernは、'最近の'という意味の形容詞である。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 246, "tag": "p", "text": "The widespread application of cladistics, which rigorously analyzes the relationships between biological organisms, has also proved tremendously useful in classifying dinosaurs.", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 247, "tag": "p", "text": "広範囲に置けるcladisticsの適用は、正確に生物の組織の間の関係を分析するものだが、 恐竜を分類することに関して非常に有益だとわかっている。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 248, "tag": "p", "text": "widespreadは、'広汎な'という意味である。 wideは、'広い'という意味の形容詞、spreadは、'広げる'という意味の動詞であり、 widespreadは、これら2つの語から出来ている。 applicationは、'応用、適用'などの意味があり、動詞applyから 来ている。cladisticsは、調査のための技術の名称である。 詳しくは、en.wikipedia参照。rigorouslyは、'厳格に'という意味の副詞で、 形容詞rigorous'厳格な'から来ている。analyzeは、'分析する'という 意味の動詞であり、名詞はanalysis'分析'である。 relationshipは、'関係'という意味であり、名詞relation'関係'から 来ている。biologicalは、'生物学的な'という意味であり、 名詞biology'生物学'から来ている。organismは、'生体'という 意味である。proveは、'証明する'であり、名詞はproof'証明'である。 tremendouslyは、形容詞tremendous'凄まじい'から来ており、ここでは '非常に'という程度の意味である。usefulは、'便利な'という意味の形容詞である。 classifyは、'分類する'という意味の動詞である。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 249, "tag": "p", "text": "", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 250, "tag": "p", "text": "Cladistic analysis, among other modern techniques, helps to compensate for an often incomplete and fragmentary fossil record.", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 251, "tag": "p", "text": "cladistic分析は他の近代的 手法の中で、しばしば不完全で壊れている化石を補うのを助けている。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 252, "tag": "p", "text": "amongは、'〜の間'という意味の前置詞で、betweenとの使いわけは やや難しい。'2つのものの間で'(twe- 2)という意味ではbetweenを用い、 '3つ以上のものの間で'という意味ではamongを使うが、 between themなどの言い回しでは3つ以上のものに対してbetween が用いられることもある。 techniqueは、'技術、テクニック'という意味の名詞である。 発音は日本語のテクニックとは全く異なっており、アクセントが-niqueにつくため テクニークのような発音になる。詳しくは辞書を参照。 helpは、'助ける'という意味の基本的な単語であるが、 'help to不定詞'の形で、'〜するのを助ける'という意味になる。 更に、'help A to不定詞'の形で'Aが〜するのを助ける'という意味になる。 また、この使い方をするときには、to不定詞のtoは省略されることが多い。 この時には動詞の原形が用いられることになるため、'原形不定詞' と呼ばれる。compensateは、'埋め合わせる、補う'という意味がある動詞である。 oftenは、頻度を表わす副詞で'しばしば'と訳される。 oftenは、sometimes'時々'より多く、frequently'頻繁に'より少ない 程度の頻度を表わす。 incompleteは、形容詞complete'完全な'の反対の意味を持つ形容詞で、 '不完全な'という意味である。fragmentaryは、名詞fragment'破片' から来ており、'断片的な'という意味である。 fossilは、'化石'という意味の名詞である。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 253, "tag": "p", "text": "What is a dinosaur?", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 254, "tag": "p", "text": "恐竜とは何か?", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 255, "tag": "p", "text": "Definition", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 256, "tag": "p", "text": "定義", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 257, "tag": "p", "text": "definitionは、define'定義する'という動詞から来た名詞で、'定義'という 意味である。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 258, "tag": "p", "text": "The superorder or clade \"Dinosauria\" was formally named by the English scientist Richard Owen in 1842.", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 259, "tag": "p", "text": "`Dinorauria'という名前?は形式的にはイギリス人の科学者であるRichard Owenによって1842年に 名付けられた。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 260, "tag": "p", "text": "superorderとcladeは、生物の分類に関する学問的な用語である。 formallyは、形容詞formal'形式的な'から来た副詞であり、'形式的には' という意味である。nameは、名詞で使われたときは'名前'という意味だが、 動詞として用いたときには、'名付ける'という意味である。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 261, "tag": "p", "text": "", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 262, "tag": "p", "text": "The term is a combination of the Greek words deinos (\"terrible\" or \"fearfully great\" or \"formidable\") and sauros (\"lizard\" or \"reptile\").", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 263, "tag": "p", "text": "この語はギリシャ語であるdeinos(`恐ろしい'とか`恐怖を抱かせるほどすごい'とか 'びくびくさせる`)とsauros(`トカゲ'や`ハ虫類')をつなげた語である。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 264, "tag": "p", "text": "termは、'語'という意味の名詞である。 combinationは、動詞combine'結びつける'から来た語で、'組み合わせ'という 意味となる。Greekは、'ギリシアの'という意味の形容詞である。 'ギリシア'は、Greeceという単語である。terribleは、名詞terror'恐怖'から 来た形容詞であり、'恐ろしい'という意味である。 fearfullyは、名詞fear'恐怖'から来た副詞で、ここでは、'恐ろしさを感じさせる程の' という意味である。formidableは、'恐ろしい'という意味の形容詞である。 lizardは、'トカゲ'という意味の名詞であり、reptileは、'ハ虫類' という意味の名詞である。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 265, "tag": "p", "text": "", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 266, "tag": "p", "text": "The name was chosen to express Owen's awe at the size and majesty of the extinct animals, not out of fear or trepidation at their size and often-formidable arsenal of teeth and claws.", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 267, "tag": "p", "text": "この名前は 絶滅した動物の大きさと偉大さに対するOwenの畏敬の念によるもので、 や大きさに対する恐怖や、しばしば恐ろしい牙や爪といった武器によるものではなかった。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 268, "tag": "p", "text": "chosenは、動詞chooseの過去分詞である。過去形はchoseである。 expressは、'表現する'という意味の動詞である。aweは、'畏敬、畏怖'という 意味の名詞である。majestyは、'威風'という意味の名詞である。 extinctは、'絶滅した'という意味の形容詞である。 animalは、'動物'という意味の基本的な名詞である。 trepidationは、やや難しい単語だが、'恐怖'という意味の名詞である。 arsenalは、'武器庫'という意味の名詞である。teeth は、toothの複数形であり、'歯'という意味である。 clawは、'爪'という意味の名詞である。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 269, "tag": "p", "text": "Dinosaurs are extremely varied.", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 270, "tag": "p", "text": "恐竜は実に異なっている。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 271, "tag": "p", "text": "extremelyは、形容詞extreme'ひどい、大変な'という意味の形容詞から来た 副詞で、'ひどく、大変'という意味である。variedは、'様々な'という意味の 形容詞である。varyは、'変える'という意味の他動詞である。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 272, "tag": "p", "text": "", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 273, "tag": "p", "text": "Some were herbivorous, others carnivorous.", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 274, "tag": "p", "text": "いくらかは草食性であり、別のいくらかは肉食性である。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 275, "tag": "p", "text": "herbivorousは、'草食の'という意味の形容詞であり、 carnivorousは、'肉食の'という意味の形容詞であるが、どちらも あまり日常会話で用いられる語ではない。 otherは、名詞として用いられたときには、'それ以外のもの'という 意味である。形容詞として用いられたときには、'それ以外の'という 意味となる。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 276, "tag": "p", "text": "Some dinosaurs were bipedal, others quadrupedal, while others could walk easily on two or four legs, such as the dinosaur Ammosaurus.", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 277, "tag": "p", "text": "いくらかの恐竜は 2足歩行であり、別の恐竜は4足歩行であるが、一方、Ammosaurusのような別のものは 2足でも4足でも問題なく歩くことができる。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 278, "tag": "p", "text": "bipedalは、難しい語だが、'二足歩行の'(bi- 2, ped- 足)という意味である。 quadrupedalも、難しい語だが、'四足歩行の'という意味である。 quadr- は、'4つの'という意味を持つ語根である。 whileは、'その一方'という意味の接続詞である。walkは、'歩く'という 意味の動詞である。easilyは、'簡単に'という意味の副詞であり、 形容詞easy'簡単な'から来ている。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 279, "tag": "p", "text": "Size", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 280, "tag": "p", "text": "大きさ", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 281, "tag": "p", "text": "Only a tiny percentage of animals ever fossilize, and most of these remain buried in the earth.", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 282, "tag": "p", "text": "非常に小さい割合の動物だけがこれまでに化石化してきており、そのうちの多くは地中に埋められたままに なっている。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 283, "tag": "p", "text": "onlyは、'ただ〜だけ'という意味の語である。tinyは、'非常に小さい' という意味の形容詞であり、small'小さい'よりも小さいイメージが強い 語である。percentageは、'割合'という意味の名詞である。 everは、'これまでに'という意味の副詞である。 fossilizeは、'化石化する'という意味の動詞である。 remainは、'〜のままである'という意味の動詞である。buriedは、動詞bury '埋める'の過去分詞である。earthは、ここでは'大地'という 意味の名詞である。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 284, "tag": "p", "text": "", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 285, "tag": "p", "text": "As a result, the smallest and largest dinosaurs will probably never be discovered.", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 286, "tag": "p", "text": "結果として、最も小さい恐竜や最も大きい恐竜はおそらく発見されないだろう。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 287, "tag": "p", "text": "as a resultは、'結果として'という意味でよく用いられる表現である。 probablyは、'おそらく'という意味の副詞である。 neverは、'決して〜ない'という意味の副詞であり、否定文を作る語である。 discoverは、'発見する'という意味の動詞である。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 288, "tag": "p", "text": "Even among those specimens that are recovered, few are known from complete skeletons, and impressions of skin and soft tissue are rare.", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 289, "tag": "p", "text": "既に復元された標本の中でも、完全な骨格として見つかったものは少ししかなく、 皮膚や組織が見つかることはまれである。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 290, "tag": "p", "text": "evenは、'〜すら'という意味の語である。specimenは'標本'という意味の名詞である。 recoverは、'元にもどす'という意味の名詞である。 fewは、名詞として用いられたときには'ほとんどが〜無い'という 意味の否定文に近い意味を作る語である。一方、a fewとして 用いられたときには、'いくらかは〜ある'という意味で用いられる。 一方、これらの表現は形容詞としても用いられ、このときには これらの表現は数えられる名詞にしか用いられない。 数えられない名詞に対しては同じ意味でlittle, a littleが 用いられる。completeは、'完全な'という意味の形容詞である。 skeltonは、'骨'という意味の名詞である。 tissueは、'組織'という意味の名詞である。rareは、'まれな'という意味の 形容詞である。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 291, "tag": "p", "text": "", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 292, "tag": "p", "text": "Rebuilding a complete skeleton by comparing the size and morphology of bones to those of similar, better-known species is inexact, and reconstructing the muscles and other organs of the living animal is, at best, a process of educated guesswork.", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 293, "tag": "p", "text": "", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 294, "tag": "p", "text": "大きさや骨の形態をよく似た、既によりよく知られている 種類の対応物と見比べて完全な骨格を再構成することは完璧とはいえず、生きている動物の 筋肉や臓器を再構成することは、よくいっても、`洗練された想像'の過程である。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 295, "tag": "p", "text": "rebuild'再構築する'という意味の動詞である。compareは、'比較する' という意味の動詞である。morphologyは、難しい単語だが、'形態学'という意味である。 boneは、'骨'という意味の名詞である。similarは、'似た'という意味の 形容詞である。speciesは、'種類'という意味の名詞である。 inexactは、exact'正確な'という意味の形容詞の反対の意味を持つ形容詞で、 '不正確な'という意味である。reconstructは、動詞construct'建てる' から来た語で、'再建する'という意味である。 muscleは、'筋肉'という意味の名詞である。organは、'器官'という意味の 名詞である。at bestは、'良くても'という意味の表現でよく用いられる。 processは'過程'という意味の名詞である。educateは、'教育する' という意味の動詞である。guessworkは、'推量'という意味の名詞である。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 296, "tag": "p", "text": "", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 297, "tag": "p", "text": "Largest and smallest dinosaurs", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 298, "tag": "p", "text": "最も大きい恐竜と最も小さい恐竜", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 299, "tag": "p", "text": "", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 300, "tag": "p", "text": "While the largest and smallest dinosaurs will probably remain unknown, and comparisons involving existing specimens are imprecise, it is clear that, as a group, dinosaurs were large.", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 301, "tag": "p", "text": "最大と最小の恐竜はおそらく知られないままになり、また現在生存している標本などとの比較は 正確ではないのだが、種全体として恐竜が大きいことは確かである。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 302, "tag": "p", "text": "comparisonは、動詞compare'比較する'から来る名詞で'比較'という 意味である。involveは、'含む'という意味の名詞である。existは、 '存在する'という意味の動詞である。impreciseは、形容詞precise'精密な' の反対の意味を持つ形容詞で、'不正確な'という意味である。 clearは、'明白な'という意味の形容詞である。groupは、'部類' という意味である。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 303, "tag": "p", "text": "By dinosaur standards the sauropods were gigantic.", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 304, "tag": "p", "text": "恐竜の基準では、w:竜脚下目は巨大である。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 305, "tag": "p", "text": "standardは、'基準'という意味の名詞である。sauropodは、'竜脚下目'という 意味の名詞である。詳しくはja.wikipediaを参照。 giganticは、'巨大な'という意味の形容詞である。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 306, "tag": "p", "text": "", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 307, "tag": "p", "text": "The smallest sauropods were larger than anything else in their habitat, and the largest were an order of magnitude more massive than anything else that has ever walked the Earth.", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 308, "tag": "p", "text": "", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 309, "tag": "p", "text": "最も小さい竜脚下目は彼らの生息地のなかの彼ら以外の どれよりも大きく、最も大きいものはこれまでに地球上を歩いたもののどれよりも巨大な大きさの程度である。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 310, "tag": "p", "text": "anythingは疑問文で用いられたときには、'何らかのもの'という意味だが、 否定文で用いられたときには、'全ての〜は〜ない'というように 対応する全てのものに対する否定を表わす表現になる。ここでは、 larger than anything else で、'対応する全てのものより大きい' という意味である。elseは、'他の'という意味の語である。 habitatは、'生息地'という意味の名詞である。orderは、'程度'という 意味の名詞である。magnitudeは、'大きさ'という意味の名詞である。 massiveは、'重い'という意味の形容詞である。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 311, "tag": "p", "text": "", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 312, "tag": "p", "text": "The tallest and heaviest dinosaur known from a complete skeleton is the Brachiosaurus, which was discovered in Tanzania between 1907–12.", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 313, "tag": "p", "text": "完全な骨格によって知られている中で、最も背が高く最も重い恐竜はブラキオサウルスだが、 これは1907-1912の間にタンザニアで発見された。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 314, "tag": "p", "text": "tallは、'背が高い'という意味の基本的な形容詞である。 heavyは、'重い'という意味の形容詞である。 Tanzaniaは、東アフリカの国w:タンザニアのことである。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 315, "tag": "p", "text": "", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 316, "tag": "p", "text": "It is now mounted in the Humboldt Museum of Berlin and is 12 m (38 ft) tall and probably weighed between 30,000–60,000 kg (33–66 short tons).", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 317, "tag": "p", "text": "それは現在ではBerlin(ベルリン)のフンボルト博物館に展示されており、12mの大きさがあり、おそらく33-66トンの重さであった。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 318, "tag": "p", "text": "mountは、ここでは'展示する'という意味の動詞である。 museumは、'博物館'という意味の名詞である。weighは、'〜の重さがある' という意味の動詞である。tonは、'w:トン'という意味の名詞である。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 319, "tag": "p", "text": "", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 320, "tag": "p", "text": "The longest dinosaur is the 27 m (89 ft) long Diplodocus, which was discovered in Wyoming and mounted in Pittsburgh's Carnegie Natural History Museum in 1907.", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 321, "tag": "p", "text": "最も大きい恐竜は27mの長さのDiplodocus(ディプロドクス)だが、それは Wyomingで発見され、Pittsburgh(ピッツバーグ)のCarnegie Natural History Museum( カーネギー自然歴史博物館)に1907年に展示された。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 322, "tag": "p", "text": "naturalは、'自然の'という意味の形容詞である。historyは、'歴史' という意味の名詞である。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 323, "tag": "p", "text": "", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 324, "tag": "p", "text": "There were larger dinosaurs, but knowledge of them is based entirely on a small number of incomplete fossil samples.", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 325, "tag": "p", "text": "より大きな恐竜も存在したが、それらに関する知識は数少ない不完全な化石のサンプルに 全くよっている。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 326, "tag": "p", "text": "knowledgeは、'知識'という意味の名詞である。baseは、'〜に基づける' という意味の動詞である。base A on B で、'AがBによっている' という意味である。entirelyは、形容詞entire'全ての'から来た 副詞で、'完全に'という意味である。sampleは、'標本、サンプル' という意味の名詞である。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 327, "tag": "p", "text": "The largest specimens on record were all discovered in the 1970s or later, and include the massive Argentinosaurus, which may have weighed 80,000–100,000 kg (88–121 tons); the longest, the 40 m (130 ft) long Supersaurus; and the tallest, the 18 m (60 ft) Sauroposeidon, which could have reached a sixth-floor window.", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 328, "tag": "p", "text": "記録がある中で最も大きな種は全て1970年代からそれ以降に発見されており、 それらは巨大で80,000-100,000kgの重さがあるArgentinosaurusや 40mの体長があるsupersaurusや、18mの高さがあり、6階の窓に手が届くSauroposeidonを 含んでいる。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 329, "tag": "p", "text": "includeは、'含む'という意味の動詞である。Argentinosaurus, which may - でのwhichは、主語としての関係代名詞whichの用法であるが、カンマが whichの前にあることから、関係代名詞の非制限用法であることが わかる。通常Argentinosaurusなどの固有名詞が関係代名詞によって 修飾される時には、関係代名詞の非制限用法が用いられる。 Sauroposeidon, which could - のwhichも同じ用法である。 reachは、'届く'という意味の動詞である。sixth-floorは、'6階'という 意味の表現である。windowは、'窓'という意味の基本的な名詞である。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 330, "tag": "p", "text": "", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 331, "tag": "p", "text": "Dinosaurs were the largest of all terrestrial animals.", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 332, "tag": "p", "text": "恐竜は全ての陸生動物の中で最も大きい。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 333, "tag": "p", "text": "terrestrialは、'陸生の'という意味の形容詞で、陸上に住む動物のことを指す。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 334, "tag": "p", "text": "", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 335, "tag": "p", "text": "The largest elephant on record weighed 12,000 kg (13.2 tons), while the tallest giraffe was 6 m (20 ft) tall.", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 336, "tag": "p", "text": "記録の上で最も大きな象は12,000kgであり、一方最も背の高いキリンは6mであった。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 337, "tag": "p", "text": "elephantは、'象'という意味の名詞であり、giraffeは、'キリン'という意味の 名詞である。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 338, "tag": "p", "text": "Even giant prehistoric mammals such as the Indricotherium and the Columbian mammoth were dwarfed by the giant sauropods.", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 339, "tag": "p", "text": "IndricotheriumやColumbian mammoth(コロンビアマンモス)などの前史的なほ乳類であっても 巨大なsauropodsの前では小人に見えた。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 340, "tag": "p", "text": "giantは、'巨大な'という意味の語である。prehistoricは、 '前史的な'という意味の形容詞である。mammalは、'ほ乳類'という 意味の名詞である。dwarfは、名詞で用いられたときには、'小人' という意味になる。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 341, "tag": "p", "text": "Only a handful of modern aquatic animals approach them in size, most notably the blue whale (which reaches up to 190,000 kg (209 tons) and 33.5 m (110 ft) in length).", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 342, "tag": "p", "text": "いくらかの現代の水中の動物だけが 大きさで彼らに近づくことができるが、最も重要なのはblue whale(190,000kgに達し 33.5mの長さになる。)である。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 343, "tag": "p", "text": "handfulは、'一握り'という意味の名詞であり、a handful of - で、 '一握りの〜'となる。aquaticは、'水生の'という意味の形容詞である。 approachは、ここでは'近づく'という意味の動詞である。 notablyは、'重要な'という意味である。blue whaleは、'w:シロナガスクジラ' の事である。reachは、ここでは'到る'という意味の動詞である。 up to - は、'〜にまで'という意味の語である。lengthは、'長さ' という意味の名詞であり、形容詞long'長い'から来ている。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 344, "tag": "p", "text": "", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 345, "tag": "p", "text": "Not including modern birds like the bee hummingbird, the smallest dinosaurs known were about the size of a crow or a chicken.", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 346, "tag": "p", "text": "bee hummingbirdなどの現在の鳥を除けば、 知られている中で最も小さい恐竜はおおよそカラスやニワトリほどの大きさである。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 347, "tag": "p", "text": "crowは、'カラス'という意味の名詞であり、chickenは、'ニワトリ' という意味の名詞である。", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 348, "tag": "p", "text": "", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 349, "tag": "p", "text": "The Microraptor, Parvicursor, and Saltopus were all under 60 cm (2 ft) in length.", "title": "読解演習" }, { "paragraph_id": 350, "tag": "p", "text": "Microraptor, Parvicursor, Saltopusなどはどれも60cm以下の大きさである。", "title": "読解演習" } ]
英語 > 高等学校英語英語I
<small> [[英語]] > 高等学校英語英語I</small> ---- == 始めに == 全編においてen.wikipedia.orgのfeatured articleに分類される 記事を教材として扱う。これは、これらの記事が特に内容が豊富だからである。 また、いくつかの記事はこれらを(英語で)読み上げた音声データが添附されているので、 これらをリスニングの題材として用いることも出来る。 音声データは各々の教材の英語版のページから手に入れることが出来る。 == 読解演習 == ==== タミル民族 ==== タミル民族はインド周辺に住む民族である。ここでは、彼らの暮らしとその 歴史に関する文章を扱う。人数の多い少ないに関わらず、それぞれの民族には それぞれの歴史と文化があり、お互いを理解することは容易ではない。 彼らの習俗や慣例を1つ1つ把握する以外にお互いを理解する方法はなく、 そして、実際にそれを実行することは、それを口にするよりもはるかに難しいことなので ある。ここでは、比較的なじみのないと思われる民族について扱うことで、 他の文化を理解することの難しさを感じてもらいたい。 * 出典 http://en.wikipedia.org/wiki/Tamil_people * 本文 Tamil people タミル人 Tamils タミル人とは The Tamil people are an ethnic group from South Asia with a recorded history going back more than two millennia. タミル人は2000年以上の記録された歴史を持つ、南アジアの民族である。 ethnicは'民族の'という意味を持つ語である。millenniaはmillenniumの複数形(ラテン語の語形変化)であり 1000年と言う意味を持つ。 The oldest Tamil communities are those of southern India and northeastern Sri Lanka. 最も古いタミル民族の集まりは、南インドと[[w:スリランカ]]北東の人々である。 'the oldest 名詞'の使い方は形容詞の最上級を用いる場合の通常の使い方である。 スリランカはインドの南西にある島である。 There are also a number of Tamil emigrant communities scattered around the world, especially in Malaysia, Singapore, Fiji, Mauritius, and South Africa, with more recent emigrants also found in Australia, Canada, and parts of Europe. いくつかの移民たちの集まりが世界中に散らばっているが、特にマレーシアやシンガポールや [[w:モーリシャス]]や[[w:フィジー]]や南アフリカに存在し、より最近の移民は オーストラリアやカナダやヨーロッパの一部にも見られる。 emigrantは移民という意味を持つ語である。似た言葉でimmigrantという単語がありこれも 移民と言う意味を持つが、emigrantは'ある国から出て行った方の移民'(ex "out"+ migrant)であり、 immigrantは'ある国に入ってきた方の移民'(in + migrant)のことを表す。ここでは、元々タミル民族が 住んでいた地域から出て行った方を指していることからこちらの語が用いられている。 scatterは'まき散らす'という意味だがここでは単に'散らばっている'という程度の意味である。 マレーシア、シンガポールはそれぞれ東南アジアの国の名前である。 モーリシャス、フィジーはそれぞれインド洋、太平洋に位置する国の名前である。 Unlike many ethnic groups, the Tamils have never been governed by a single political entity; Tamizhagam, the traditional name for the Tamil lands, has always been under the rule of more than one kingdom or state. 多くの民族とは異なっているのだが、タミル族はただ1つの政治的組織によって統治されていた ことは1度もなく、タミル地域の伝統的な名前としてTamizhagamという名前を持つ 地域は、常に1つ以上の王国や国によって統治されてきた。 unlikeはここでは前置詞であり、'他のものとは異なっているのだが'という意味である。 これは前置詞'like'の'〜のように'の反対の意味である。接頭詞unは ここでは意味を反転させる働きがある。似た意味の言葉にlikely, unlikelyという語があるが これらの語は前置詞ではなく形容詞である。最後の-lyに引きずられて副詞としてしまいがち なので注意。現在完了の文の中でneverが用いられたときには、その文はnotを 用いた文よりもさらに強い否定を表す。neverの位置はhaveやhasの直後におく。 governは’統治する’という意味である。singleは'1つの'という意味だが、oneなどの 場合と違って、冠詞aを省くことはできない。entityは'組織、実体'などという意味の 語である。traditionalは'伝統的な'という意味だが、よい意味にも悪い意味にも用いられる。 under the rule of - ではruleは'統治'という程度の意味であり、'規則、ルール' といった意味がないことに注意。kingdomは'王国'という意味である。 Despite this, the Tamil cultural identity has always been strong. このような事実にも関わらず、タミルの文化的な同一性は常に強いものであり続けた。 despiteは前置詞であり、'〜にもかかわらず'という意味がある。同じ意味の語として'in spite of - 'があり、これらの書き換えはよく用いられ、また、実際の文中でも どちらもよく用いられる。culturalはcultureの形容詞形であり'文化的な'という 意味である。identityは'素性、性質、同一性'などの意味がある語である。 変わった意味として数学の'[[w:恒等式]]'という意味もある。 strongは'強い'という意味だが力が強いと言うだけでなく、結びつきが強いなどの 意味で用いられることもある。 Historically, this identity has been primarily linguistic, with Tamils being those whose first language was Tamil. 歴史的には、この同一性はまず第一に言語的なものであり、タミル語をタミル民族たちの 第一の言語とすることだった。 historicallyは、名詞historyから形容詞historicalを経て得られた副詞で '歴史的には'という意味である。primarilyは形容詞primaryから来た副詞で'主要な' という意味である。with 名詞 -ing は特殊な分詞構文として説明されるが、 '名詞が〜している状態で'という意味である。接続詞を用いた文と同じ 働きを簡単に実現できるので、よく用いられる。whoseは所有格の 関係代名詞である。 In recent times, however, the definition has been broadened to include also emigrants of Tamil descent who maintain Tamil traditions, even when they no longer speak the language. しかし近年では、その定義は、 彼らがもはやその言語を話さない場合ですら、 タミルの伝統を守るタミル人の移民の子孫を 含むように拡張されている。 recentは'最近の'という意味の形容詞である。副詞recentlyは'最近'という意味の副詞 だが、こちらもよく用いられる。howeverは疑問視的に用いたときには 'どんな手法を使っても'という意味になるが、副詞として用いた場合には 'しかし、しかしながら'という意味になる。文中の位置としては文頭に置かれる ことも多いが、主語の後ろで動詞の前と言う場所に置かれることも多い。 broadenは'広げる'という意味の動詞である。'broadcast'は'放送する'という 意味の単語であり、よく用いられる。includeは'含む'という意味の単語である。 alsoは'〜も'という意味の単語でtooと並んでよく用いられる。文中では 通常一般動詞の前かbe動詞の後ろに置くことが通例であるが、ここでは 割合informalに用いているようである。descentは'子孫'などと訳され、 例えば、direct descentで'[[w:直系]]'などとなる。maintainは'保持する'という 意味の語である。no longerはこれだけで否定文を作る副詞であり、 'もはや〜ない'という意味である。 Tamils are ethnically, linguistically and culturally related to the other Dravidian peoples of South Asia. There are an estimated 74 million Tamils around the world. タミル人は民族的にも言語学的にも文化的にも他の南アジアの[[w:ドラヴィダ人|ドラヴィダ民族]] と関連している。世界中に7400万人のタミル人がいる。 linguisticallyはlinguistics、'言語学'から来た語で'言語学的に'という 意味である。relateはrelation'関係'と似た語だが'関係づける’という意味で 用いられるため、関係があると言う意味で用いるときには受動態にする 必要がある。'Dravidian'は学術的な用語なので詳しくはWikipediaなどを 参照してほしい。 Culture 文化 Language and literature 言語と文学 literatureは'文学'という意味だが、単に小説だけに留まらず広い意味での'文献'という 意味でも用いられる。 Tamils have strong feelings towards the Tamil language, which is often venerated in literature as "tamil̲an̲n̲ai," "the Tamil mother." タミル人はタミルの言語に強い愛着を持っており、その言語は文献の中でしばしば "tamil̲an̲n̲ai," タミルの母と呼ばれ尊敬されている。 feelingは単に'感じ、気持ち'という意味で、よい意味にも悪い意味にもなる。 しかし文脈からタミル人のタミル語への好感を表しているようなので、 ここでは'愛着'とした。venerateは難しい語だが、'尊敬する'という意味である。 It has historically been, and to large extent still is, central to the Tamil identity (Ramaswamy 1998). それは歴史的にタミルの同一性の中心であり、現在でもかなりの程度そうであり続けている。 (Ramaswamy 1998) stillは平叙文で用いられた場合'まだ'という意味を表す。否定文で 'まだ〜ない'という意味を用いるときはyetを用いるので注意。 また、stillには'しかし'という意味の副詞としての用法もあるが、 'まだ'の場合にはstillの置き場所が動詞の直前になるのに対して、 'しかし'の場合には通常文頭になることから見分けられる。 Like the other languages of South India, it is a Dravidian language, unrelated to the Indo-European languages of northern India. 南インドの他の言語と同様、それはドラヴィダ語族であり、 北インドにあるような他の[[w:インド・ヨーロッパ語族|インド・ヨーロッパ語族]]とは 関係がない。 unrelatedはrelateの反対の意味の語で、unrelatedの形で用いられたとき '関係していない'という意味になる。 The language has been far less influenced by Sanskrit than the other Dravidian languages, and preserves many features of Proto-Dravidian, though modern-day spoken Tamil, especially in Tamil Nadu, freely uses loanwords from Sanskrit and English. その言語は他のドラヴィダ語族の言語より、サンスクリットに影響された度合いがかなり少なく、 前ドラヴィダの多くの性質を持っている。ただし、近年のタミル語の話し言葉では、 特に[[:w:タミル・ナードゥ州|タミル・ナードゥ州]]ではそうなのだが、サンスクリットや英語からの語が 自由に用いられているのだが。 less - than - は通常の比較級だが、lessは'より〜ない'という意味を表し、 moreの反対語のように扱われる。lessを修飾する語は 他の比較級と同じで、veryなどは用いられず、far, muchなどが 用いられる。preserveは'保持する、残している'という意味の語である。 thoughは従属接続詞であり'〜であるのだが'という意味を表す。 同じ意味の語でalthoughがあるが、これらはほとんど同じ意味で用いられる。 especiallyは'特に'という意味の副詞である。loanwordは'他の言語から 入ってきた語'という意味である。 Tamil literature is of considerable antiquity, and the language was recently recognised as a classical language by the government of India. タミルの文献は古典としての価値があり、その言語は近年インド政府によって 古典的な言語であると認められた。 considerableはconsiderから来た語で'考えるに値するほど、非常に'という 意味である。antiquityはやや難しい語だが、'古いもので非常に良いもの' という意味である。 Classical Tamil literature, which ranges from lyric poetry to works on poetics and ethical philosophy, is remarkably different from contemporary and later literature in other Indian languages, and represents the oldest body of secular literature in South Asia (Hart 1975). タミル語の文献の古典的なものは、[[w:叙情詩]]から詩学や 民族の哲学にまで及ぶが、その時点やそれ以降のインドの タミル語以外の言語の文献と比べて非常に 異なっており、南アジアの宗教的でない文献として最も 古いものである。 (Hart 1975) rangeは動詞として用いられたときには、'〜にまで及ぶ'という意味になる。 lyric poetryは叙情詩と言う意味である。philosophyは'哲学'という 意味である。remarkablyはremarkという語から来ているが、 remarkは動詞としても名詞としても用いられ、意味は'言及する'、'言及'である。 remarkable自体は'言及するに足る、重要な'という意味になる。 contemporaryは'話に出ている場面と同じ時代の'という意味である。 representは'代表する、〜である'という意味である。 representativeは、'(会議などに出席する)代表者'という意味で、 ニュースなどでよく用いられる。 Notable works in classical Tamil literature include the Tirukkural by Tiruvalluvar, the five great Tamil epics and the works of Auvaiyar. タミルの古典文献の中で重要な仕事として、TiruvalluvarによるTrukkuralや タミルの5つの重要な叙事詩やAuvalyarによる仕事などがある。 notableはnoteから来ており、noteは動詞としての意味は'述べる'という 意味になる。notableは'述べるに足る'から、'重要な'という意味になる。 epicは歴史に関することを述べる文章であるが、ここでは 叙事詩で良いようである。実際にはある時代の王族の活躍などに 書いているようだ。詳しくはen.wikipediaの文章を参照。 The written language has changed very little over the years, with the result that much of classical literature remains easily accessible to modern Tamils and continues to influence modern Tamil culture. 書き言葉(としてのタミル語)は長い間ほとんど変わっておらず、 多くの古典的な文献は、現代のタミル人にとって簡単に 読むことができるものであり続けており、現代の タミル文化に影響を与え続けている。 resultは名詞としては結果という意味である。動詞としてはresult in - で用いられ、 '〜という結果になる'という意味になる。accessibleは'使用可能である'という 様な意味でaccess"接続"から来ている。continueは-ingを目的語に取って '〜し続ける'という意味を持つ。通常to不定詞を目的語とすることは ないとされるが、ここでは間違えたのだろうか? influenceは '影響する'という意味である。似た意味の語としてaffectがある。 affectはeffectと違って名詞としては用いられないことに注意。 Modern Tamil literature is considerably diverse, ranging from Indian Nationalism in the works of Subramanya Bharathy, to historical romanticism in the works of Kalki Krishnamurthy, to radical and more moderate social realism in the works of Pudhumaipithan and Jayakanthan respectively, to feminism in the works of Malathi Maithree and Kutti Revathi. 近年のタミル文献は非常に多様であり、Subramanya Bharathy の仕事によるインドの国家主義からKalki Krishnamurthy の仕事による歴史的ロマン主義や Pudhumaipithan による過激な社会的現実主義であったり ayakanthanによる、より穏健なそれや Malathi Maithree and Kutti Revathi.による[[w:フェミニズム]]にまで 及んでいる。 diverseはやや難しいがよく用いられる語で、'多様な'という意味である。 nationalismは基本的には'国家主義、民族主義'という意味だが、 時代や状況によってかなり意味が変わってくる語なので使用には 十分な注意が必要である。romanticismもとりあえず'ロマン主義'と訳される。 radicalは、'過激な'という意味であり、よく用いられる語である。 moderateは'穏健な'という程度の意味である。respectivelyは 意外に用いられない語だが、'それぞれ、順に'という意味であり、 複数のものを列挙するときに、それらの対応を明示する語である。 feminismはfemineから来ており、feminine自体の意味は '女性的な'である。 Sujatha, an author whose works range from romance novels to science fiction, is one of the most popular modern writers using the Tamil language. Sujathaはその仕事が恋愛小説からSFにまで及んでいる作家だが、 タミル語を用いる現代の作家の中で最も人気のある作家である。 authorは'作家、作者'という意味である。novelは'小説'という意味である。 scienceは'科学'という意味であり、fictionは'架空の'という意味である。 science fictionはSF小説のことをさす。 popularは'人気のある'という意味である。modernは'現代の' である。 In more recent years, Sri Lankan Tamil literature has produced several powerful pieces reflecting the civilian tragedy caused by decades of war. 近年では、スリランカのタミル語文献は、長年の戦争によって引き起こされた 文化的な悲劇を反映したいくつかの力強い作品を作り出している。 produceは'作り出す'という意味であるが、makeと比べると、 工業的に作り出されたという意味合いが強い。工場の生産物のことを productと呼ぶが、ラテン語の受動(過去)分詞に由来する。severalはsomeと 似た意味で'いくつかの'という意味である。reflectは'反映する、反射する' という意味である。civilianは特にここでは'非戦闘員'という 意味のようである。tragedyは'悲劇'という意味である。 There is also an emerging diaspora literature in Tamil. さらに、タミル語のディアスポラ文学が現れ始めている。 [[w:ディアスポラ]]とはかなり難しい語だが、元々いた国を 追われた民族のことである。emergeは'現れる'という 意味である。 ===インドの経済=== インドは近代において伝統的に貧しい国のイメージが強かったが、現在では中国と並んで、経済の発達が 著しい地域である。インドの人口は8億人を超えており、21世紀中には中国とともに 経済規模で米国を超える大国となることが予測されている。 しかし、現在でも貧困や悪い公衆衛生に悩む人々も多く、 富裕な国への道は険しいものとなっている。 ここでは、インドの経済について説明した文章を読む。 特に、経済的なのものの見方や、日本と他国の発想の 違いや歴史観の違い等に注目するとおもしろく読めるだろう。 *出典 http://en.wikipedia.org/wiki/Economy_of_India *本文 Economy of India インドの経済 economyは'経済'という意味を持つ語である。経済は生き物であると 言われるが、実際多くの人間の活動の集合であるため、 どのような権力を用いても、これを完全に制御することは困難である。 そのため、これを制御する立場にある政府は、様々な経済指標を 見比べながらの慎重な舵取りが必要となる。 その成果は国によって様々であるが、ここでは特に、 インドの経済に注目する。日本や他国の立場と比べながら 読むと楽しめる。 The economy of India is the fourth-largest in the world as measured by purchasing power parity (PPP), with a GDP of US $3.36 trillion. インドの経済はPPPで測ると世界で4番目に大きく、そのGDPは3兆3600億円ドルに上る。 fourth-largestは'4番目に大きい'という意味である。この使い方は、より一般的なもので、 second fastestなどとすると'2番目に早い'という意味になり、'序数 最上級' という形になるのである。 一方twice as large as - などのように順位ではなく何倍であるかを扱う文では once, twice, three times, four timesのように回数として用いられる語が 用いられる。asは接続詞として用いられており、このときにはasはwhenと同様 '〜のときに'という意味になる。asを接続詞としたとき、主語がなくなるように思える。 しかし、ここでは、主語と動詞はthe economy of India is であり、この文の主文の 主語と述語と同じものを用いていることから、これらの主語述語は省略できる。 同様の現象は、when, if などの接続詞に対しておこるが、 特に従文でbe動詞を用いた場合によく行われる。 purchaseは'購入する'という意味である。 purchasing power parityは 経済学の用語であるので、詳しくは[[w:購買力平価説]]などを参照。 trillionは'1兆'という意味である。一方、million, billionは、それぞれ '100万'、'10億'という意味である。 GDPは'[[w:国民総生産]]'のことである。 When measured in USD exchange-rate terms, it is the tenth largest in the world, with a GDP of US $691.87 billion (2004). USD取引レートで測ったときには、それは世界で10番目に大きく、GDPは691億8700万ドルになる。 (2004) USDは米ドルのことで、アメリカの通貨である。tenth largestは、10番目に大きいという 意味である。 India was the second fastest growing major economy in the world, with a GDP growth rate of 8.1% at the end of the first quarter of 2005–2006. インドは主要な経済の中で世界で2番目に速く成長している経済であり、2005-2006の第1四半期 のGDP成長率は8.1%であった。 growは'成長する'という意味で過去形はgrew, 過去分詞はgrownの不規則動詞である。 quarterは'4分の1'という意味である。 However, India's huge population results in a relatively low per capita income of $3,100 at PPP. しかし、インドの非常に多い人口によって、人口あたりの所得は PPPで3,100ドルと比較的低い。 hugeは'巨大な'という意味である。populationは'人口'である。resultはここでは 動詞だが、resultは自動詞であり、前置詞inとともに用いられ'〜に帰着する'という 意味となる。per capitaは'一人あたりの'という意味の連語である。 incomeは'収入'という意味である。 The country's economy is diverse and encompasses agriculture, handicrafts, industries and a multitude of services. 国の経済は多様であり、農業や手工業や産業や様々なサービスを 含んでいる。 diverseは'多様な'という意味である。encompassは'含んでいる'という意味の語だが、 難しい語ではないものの非常に頻繁に使われる語ではない。 agricultureは'農業'、handicraftは'手工業', industryは'産業'である。 multitudeは'様々なもの'という意味の語である。serviceはいろいろな意味で用いられるが、 経済の文章では通常'形のない商品'[[w:サービス]]のことである。 Services are the major source of economic growth in India today, though two-thirds of the Indian workforce earn their livelihood directly or indirectly through agriculture. 3分の2のインドの労働力が直接的にかもしくは間接的に農業を通じて、収入を得ている けれども、サービス業は今日のインドの経済成長の主な源である。 growthは、growの名詞形で'成長'という意味である。two-thirdsは3分の2という 意味であるが、一般に分数を扱うときには、'分子 - 分母の序数'という 様にする。ただし、分子が1より大きい数なら、分母の序数の後に-sをつける。 例えば、five-seventhsなどは'7分の5'に対応する。 workforceは'労働者'という意味であり、earnは'手に入れる'だが、特に労働の 代償として手に入れるという意味である。livelihoodは'生活費'のことである。 directlyは形容詞directから来た副詞であり、意味は'直接に'である。 indirectlyはその反対の意味である。 In recent times, India has also capitalised on its large number of highly educated people who are fluent in the English language to become a major exporter of software services, financial services and software engineers. 近年では、インドはソフトウェアサービスや金融サービスやソフトウェア技術者などの主要な 引受人となるための、多くの高度な教育を受け流暢な英語を話す人々でも注目されている。 capitalizeは'重要であると認める'という意味で、形容詞capital'主要な、大文字の' からくる。educateは'教育する'という意味である。fluentは'流暢な'という意味の形容詞であり、 対応する副詞fluently'流暢に'もよく用いられる。softwareは、 やや技術的な語だが、計算機を動かす命令群のことである。 financialは'金融の'という意味である。engineerは'技術者、エンジニア'のことである。 ただし、アクセントが-neerの部分にあるため、単に'エンジニア'といっても 通じないものと思われる。 India has adhered to a socialist-inspired approach for most of its independent history, with strict government control over private sector participation, foreign trade, and foreign direct investment. インドはそれが歴史上独立している時間のほとんどにおいて、 私的な経済の参加や外国との貿易や外国からの直接投資において、政府の厳格な制御を 必要とする、社会主義に影響されたやり方に固執してきた。 adhereは'固執する'という意味の動詞であり、名詞形のadherenceもよく用いられる。 adhereは、難しい単語だが、これ自体も割合よく用いられる。 socialistはsocialism'社会主義'から来た語で'社会主義者'という意味である。 詳しくは[[w:社会主義]]を参照。inspireは、'鼓舞する、奮い立たせる' という意味である。approachは名詞では'アプローチ、接近'という意味だが、 動詞では'近づく'という意味となる。independentは、'独立の'という意味である。 strictは'厳しい、厳格な'という意味である。privateは'私的な'であり、 sectorは'部分、部門'という意味だが、経済学的には、private sectorは、 民間部門という意味になる。これは、政府によって制御されていないもの全体のことである。 participationは、participate'参加する'からくる語で、意味は'参加' である。似た意味の語として、take part in - があり、この書き換えは有名である。 foreignは、'外国の'という意味で、tradeは、'貿易'である。 更に、investmentは、'投資'である。'投資する'という意味の 動詞investの名詞形である。通常-mentで終わる単語は 対応する語の名詞形である。 Since the early 1990s, India has gradually opened up its markets through economic reforms by reducing government controls on foreign trade and investment. 1990年代始めから、インドは外国との貿易や外国からの投資への政府の制御を減らすことによる 経済の改革を通じて、段階的に市場を開放し始めた。 graduallyは、'だんだんと'という意味である。marketは、ここでは特に'市場(しじょう)'の ことであり、経済用語である。一般的には単に'売り場'程度の意味で用いられる ことも多い。reformは'改革'の意味である。reduceは'減らす'という 意味だが、同じ意味の語としてdecrease, diminishがある。 また、反対語としてincreaseがある。これらはどれもよく用いられるが、 diminishがやや使われる頻度が少ないかもしれない。 Privatisation of public-owned industries and opening up of certain sectors to private and foreign players has proceeded slowly amid political debate. 公的所有の産業の私有化や、いくらかの部門の私有部門や外国の投資家への開放は 政治的な対話の中で、ゆっくりと進んできた。 privatization は、経済用語に近いが、民営化のことである。 これは、国家が行っていたことを民間に任せることで、競争原理を 導入し、より効率的な実現を図る手法である。 ownは、動詞としては'所有する'という意味である。 publicは'公的な'という意味だが、特に経済用語では 民間に対応して政府のという意味である。通常民間の 企業などが自身の利益を得ることを目標とするのに対して 政府は例えば市場全体の利益を追求するという違いがある。 pubic-ownedは、'政府が所有する'という意味である。 certainは'ある'という意味で、someに近い意味だが、 対象を限定する働きがある。また、It is certain that - の形で用いられたときには、'〜なことは確かだ'という 意味になる。open up to private はやや難しく 専門的な言い回しだが、'もともと国有の主体があつかっていた部分を 民間企業に任せる'という意味である。この場合も 経営の効率化などが期待されるが、失敗すると安定した サービスの供給が阻害されることがある。 playerは、ここでは'(経済活動の)主体'の意味であり、 '選手'などの意味はない。foreign playerは、 実際には'外国企業'の意味であり、 proceedは'進行する'という意味である。amidは、'〜の中で'という意味である。 debateは、'話し合い'という意味だが、単に'ディベート'といっても 日本語では通じるかもしれない。一方アクセントがaにあることから 単に'ディベート'では英語としては通じにくい。 The socio-economic problems India faces are a burgeoning population and lack of infrastructure, as well as growing inequality and unemployment. インドが直面している、社会的経済的な問題には、増大する不均等と失業同様に、 増加する人口やインフラの欠如がある。 socio-economicは、social'社会的な'とeconomic'経済的な'から作られた造語である。 faceは、'直面する'という意味の他動詞である。faceは、be faced with - として 用いてもほぼ同じ意味で用いられる。faceは名詞として用いられた場合には、 '顔'である。burgeonは、'増える'という意味の語である。 infrastructureは、'インフラ、基盤'という意味である。 inequalityは、'不平等'の意味であり、equal'等しい'、equality'平等、等式' から来ている。unemploymentは、employ'雇用する'から来ており、'非雇用' の意味である。 Poverty also remains a problem although it has seen a decrease of 10% since the 1980s. 1980年代から10%の現象を経たけれども、貧困も問題になり続けている。 povertyは、形容詞poor'貧しい'から来た名詞で、意味は'貧困'である'。 sinceは、接続詞としての用法以外に、前置詞としても扱われ、'〜以降'の 意味になる。 Sectors 部門 どちらかといえば、この語も経済用語である。 Agriculture 農業 Agriculture and allied sectors like forestry, logging and fishing accounted for 25% of the GDP, employed 57% of the total workforce in 1999-2000 and despite a steady decline of its share in the GDP, is still the largest economic sector and plays a significant role in the overall socio-economic development of India. 農業と林業や木材や水産業などの農業に関連する部門は 1999-2000年にはGDPの25%を占め全労働力の57%を雇用しており、 GDPの割合における確実な減少にも関わらず、いまだに最も大きな経済の部門であり、 全体的なインドの社会経済的発展において重要な役割を担っている。 allyは'同盟を結ぶ'といった意味で、例えば、allied armiesは、'同盟軍'という意味である。 ここでのalliedは、単に'付随した'程度の意味である。forestry'林業'は、 forest'林'から来た語である。logging'材木業'??は、log'丸太'から来た語である。 fishingは、'釣り'の意味だが、ここでは'漁業'である。account for - は、'〜を占める'という意味の非常に重要な連語であり、よく用いられる語である。 employは、'雇用する'である。steadyは、'確実な'という意味である。 declineは、'下降'の意味である。shareは、'取り分、持ち分'といった意味であり、 ここでは、GDPのうちで、農業が占める割合のことを表している。 significantは、'重要な、かなりの'という意味である。 roleは、'役割'である。RPGは'role-playing game'から来ているが、 これは、'役割を演じることによって成立するゲーム'という意味である。 overallは、'全体的な'という意味である。developmentは、develop'発展させる'という 語から来た語であり、'発展'という意味である。 Yields per unit area of all crops have grown since 1950, due to the special emphasis placed on agriculture in the five-year plans and steady improvements in irrigation, technology, application of modern agricultural practices and provision of agricultural credit and subsidies since the green revolution. 5年計画での特別な農業に対する強調があったことや、確実な灌漑や技術の 改善や近代的な農業手法の適用や緑の革命以降の農業の金融や交付金などの支給によって、 1950年からあらゆる作物の単位面積あたりの収穫は増え続けている。 yieldは、名詞で用いられたときには、'収穫'という意味になり、動詞では、 '生み出す'といった意味である。perは、per - で、'〜ごとに'という意味である。 例えば、cm/sec は、centimeter per second と読まれるが、これは、 cm/sec が、1秒間に物体が何cm進むかを記述した量であることによる。 areaは、'地域、面積'だが、ここでは'面積'の意味である。cropは、'穀物'という意味である。 due to -は、'〜のために'という意味で、because of - との書き換えが可能である。 また、thanks to - と書き換えることもあるが、これは文脈によって使い分けがなされるので、 注意が必要である。dueは、単独では名詞で、'義務'という意味があるが、due to - の形ほどよく用いられるわけではない。emphasisは、emphasize'強調する'から来た語で、 '強調'という意味がある。improvementは、improve'改善する'から来た語で、'改善' という意味である。irrigationは、やや難しい語だが、irrigate'灌漑する'という語から来た語で、 '灌漑'という意味である。technologyは。'技術'という意味である。 applicationは、apply'適用する'から来た語で、'応用'という意味である。 practiceは、'練習する'という意味があるが、ここでは単に'手法'という程度の意味である。 provisionは、'提供'という意味である。creditは、'資金を借りること'の意味である。 subsidyは、少し難しい単語だが、'補助金'の意味である。green revolutionは、 '[[w:緑の革命]]'と呼ばれ、近代における重要な出来事の1つである。 However, international comparisons reveal that the average yield in India is generally 30% to 50% of the highest average yield in the world. しかしながら、国際比較によるとインドの平均的な収量はおおよそ世界で最も高い平均収量の 30%から50%である。 internationalは、'国際的な'という意味である。'インターナショナルスクール'などと 日本語的にも使われるが、そのまま読んでも通じないと思われる。 comparisonは、動詞compare''比較する'から来た名詞であり、 意味は'比較'である。revealは、'明らかにする'という意味の動詞である。 averageは、'平均'という意味の名詞である。また'平均的な'という意味の形容詞にもなる。generallyは、形容詞general'一般の' から来た副詞で、意味は'一般に'である。 The low productivity in India is a result of the following factors: Illiteracy, general socio-economic backwardness, slow progress in implementing land reforms and inadequate or inefficient finance and marketing services for farm produce. インドでの低い生産性は次のような要素の結果である。すなわち、 識字率の低さ、一般的な社会経済的な後進性、農地改革の実行の遅い進行、そして 適切でないか効率的でない金融と市場に関する農場生産へのサービスである。 productivityは、'生産性'という意味の名詞である。productは、'製品' という意味の名詞であり、productivityは、製品を作りだす性質という 意味である。resultは、名詞として用いられたときには'結果'という 意味を表わす。followは、'続く'という意味の動詞だが、 ここでは、followingで、'次に続く'という意味である。 factorは、'要素'という意味の名詞である。 illiteracyは、'文字が読めないこと'という意味の名詞である。 illiteracyは、literacyの反意語で、literacyは、 '識字率'という意味である。generalは、'一般的な'という意味の形容詞である。 backwardnessは、backward'後方の'という形容詞から来た名詞であり、 '後れ、後進性'という意味である。slowは、'遅い'という意味の形容詞である。 progressは、'進歩'という意味の名詞である。implementは、 '実行'という意味の名詞である。reformは、'改革'という意味の 名詞である。inadequateは、形容詞adequate'適切な'の反対の 意味を持つ形容詞で、'不適切な'という意味を持つ。 inefficientは、形容詞efficient'効果的な'の反対の意味を持つ 形容詞で、'効果的でない'という意味である。 financeは、ここでは'金融'という意味である。 farmは、'農場'という意味の名詞である。produceは、'生産'という 意味の名詞である。 The average size of land holdings is very small (less than 20,000 m²) and are subject to fragmentation, due to land ceiling acts and in some cases, family disputes. 農地の所有分の平均的な大きさは非常に小さく、(20,000<math>m^2</math>より小さい) land ceiling act やある場合には家庭内の論争によって細かく分割されている。 averageは、'平均的な'という意味の形容詞である。holdingsは、'手持ち、所有分' という意味の名詞である。subjectは、形容詞として用いられた時には、 be subject to - で、'〜をこうむっている'という意味となる。 subjectは、名詞として用いられたときには、'主題、テーマ'という 意味となる。また、文法用語として、'主語'という名詞の意味もある。 fragmentationは、'分割'という意味である。 due to - は、'〜のために'という意味の語で、because of - との 書き換えはよく用いられる。disputeは、'議論、争論'という意味の名詞である。 disputeは、動詞としても用いられ、'議論する、論争する'という 意味となる。 Such small holdings are often over-manned, resulting in disguised unemployment and low productivity of labour. このような少量の持ち分はしばしば人あまりを引き起こし、隠された非雇用や低い 労働生産性へとつながる。 oftenは、'しばしば'という意味の頻度を表わす副詞である。 over-mannedは、'人が余る'というような意味の形容詞である。 result in - は、'結果として〜になる'という意味の語である。 disguiseは、動詞として用いられたときには'覆い隠す'という 意味になる。disguiseは、名詞として用いられたときには'偽装、変装' という意味になる。unemploymentは、名詞employment'雇用' から来た名詞で、'非雇用'という意味になる。employment自体は、 動詞employ'雇用する'から来ている。lowは、'低い'という 意味の基本的な形容詞である。labourは、'労働'という意味の名詞である。 Adoption of modern agricultural practices and use of technology is inadequate, hampered by ignorance of such practices, high costs and impracticality in the case of small land holdings. 近代的な農業手法の採用と技術の使用はそのような手法に対する無知に邪魔されて、不適切となり、 小さい土地に対しては高いコストと非実用性につながる。 adoptionは、動詞adopt'採用する'から来た名詞で、'採用'という 意味である。agriculturalは、名詞agriculture'農業'から来た形容詞で、 '農業に関する'という意味である。practiceは、ここでは、'手法' といった程度の意味である。practiceは、名詞としては、 '練習、慣行'といった意味で用いられることが多い。useは、ここでは 名詞として用いられており、'使用'という意味である。名詞として 用いられたときには、'ユース'と発音されることに注意が必要である。 technologyは、'技術'という意味の名詞である。 hamperは、少し難しい語だが、'邪魔する'という意味の動詞である。 ignoranceは、'無知'という意味の動詞であり、動詞ignore '無視する、軽視する'から来ている。costは、'コスト、経費'という 意味の名詞である。impracticalityは、形容詞impractical'非実用的な' から来ている単語で、'非実用性'という意味である。impracticalは、 形容詞practical'実用的な'の反対の意味の語であり、practicalは、 動詞practice'練習する'から来ている。 caseは、'場合'という意味の名詞である。 Irrigation facilities are inadequate, as revealed by the fact that only 53.6% of the land was irrigated in 2000-01 , which result in farmers still being dependent on rainfall, specifically the Monsoon season. ただ53.6%の土地だけが2000-01年に灌漑を受けたという事実からわかる通り、 灌漑施設は不適切であり、そのことは農家がいまだに、特にモンスーンの季節には 雨に依存していることにつながっている。 irrigationは、やや難しい単語だが、動詞irrigate'[[w:灌漑]]する'から 来ており、'灌漑'という意味の名詞である。 facililtyは、'施設'という意味の名詞である。 <!-- inadequate, as revealed - で、asは接続詞のasであり、as節の 主語と術語は、 asの関係代名詞用法? --> revealは、'明らかにする'という意味である。factは、'事実'という意味の 名詞である。farmerは、'農家'という意味の名詞である。 stillは、肯定文で用いられ'まだ'という意味である。 dependentは、動詞depend'依存する'から来た形容詞で、 '依存している'という意味である。dependは、自動詞であり depend on - で'〜に依存する'という意味となる。 dependentについては be dependent on - で、'〜に依存している' という意味となる。rainfallは、'雨'という意味である。 <!-- specifically ?? --> Monsoonは、'[[w:モンスーン]]'の事である。 seasonは、'季節'という意味の基本的な名詞である。 A good monsoon results in a robust growth for the economy as a whole, while a poor monsoon leads to a sluggish growth. よいモンスーンは健常な経済全体の発展を引き起こすが、 一方悪いモンスーンは遅い経済成長に至る。 robustは、'健全な、安定した'という意味の形容詞である。growthは、 動詞grow'育つ、成長する'から来た名詞で、'成長'という意味である。 economyは、'経済'という意味の名詞である。wholeは、'全て'という 意味の名詞である。as a whole は'全体'という意味の表現で よく用いられる。poorは、'悪い、貧しい'という意味を持つ形容詞である。 lead to - は、'〜になる'という意味の表現である。 sluggishは、'遅い'という意味の形容詞で、名詞slug'ナメクジ' から来ている。 ===恐竜=== 恐竜は2億3千万年前からおよそ1億6千万年前まで、地球上に存在していたとされる 生物である。多くはトカゲのような姿をしていたようだが、その形と大きさは 多種多様であり、ひとくくりにすることはできない。 映画ジュラシックパークでも重要な役を担ったティラノサウルスを始め、 有名な恐竜は数多い。恐竜に関しての研究は現在も進行中であり、 依然としてわかっていないことも多い。恐竜はなぜ絶滅したのか、 なぜこれほどに大きいのか、時期によって現れる恐竜の種類に 違いがあるのはどうしてかなど疑問は尽きない。 ここでは、恐竜についての百科事典的な説明を読むことで、 既に知られていることと、今後の展望などを考える。 この文章は音声として録音されているので、listeningの練習に 用いることができる。 *出典 http://en.wikipedia.org/wiki/Dinosaur *本文 Dinosaurs are vertebrate animals that range from reptile-like to bird-like. 恐竜はトカゲのようなものから鳥のようなものがいる脊椎動物である。 dinosaurは、'恐竜'と言う意味の名詞である。 vertebrateは、かなり難しい語だが、'脊椎'という意味で、 vertebrate animalで、'脊椎動物'という意味である。 rangeは、'〜に及ぶ'という意味の動詞である。名詞として用いられたときには、 '範囲'という意味の名詞となる。 Dinosaurs dominated the terrestrial ecosystem for over 160 million years, first appearing around 230 million years ago. 恐竜は約2億3千万年前からおよそ1億6千万年の間地球の生態系の中でを有力な地位にあった。 dominateは、'有力である'という意味の動詞である。似た意味の形容詞に dominant'有力な'がある。terrestrialは、やや専門的な語だが'地球の' という意味の語である。millionは、'百万'という意味の語である。 appearは、'現われる'という意味の自動詞である。 また、seemと似た使い方で、'〜に見える'という意味でも用いられる。 この時には、He appears busy.'彼は忙しそうに見える。'などと用いられる。 65 million years ago, at the end of the Cretaceous period, all non-avian dinosaurs became extinct. 6億5千万年前の白亜紀期の終わりに、全ての羽がない恐竜は絶滅した。 avianは、'羽がある、空を飛ぶ'などの意味だが、実際にこの使い方がされるのは 少し専門的である。実際には、avian flu'[[w:鳥インフルエンザ]]'などとして 用いられることが多い。extinctは、'絶滅した、途絶えた'という意味の形容詞である。 恐竜が既に絶滅したという事実は有名である。 Dinosaurs still exist today in the line of birds (avian dinosaurs). 恐竜は現在でも鳥の一種として存在している。(avian dinosaurs) existは、'存在する'という意味の動詞である。 Knowledge about dinosaurs is derived from both fossil and non-fossil records, including fossilized bones, feces, trackways, gastroliths, feathers, impressions of skin, internal organs and soft tissues. 恐竜に関する情報は化石や化石以外の記録から得られているが、その中には 化石化した骨や、羽や肌触りや、臓器や組織などが含まれている。 knowledgeは、'知識'という意味の不可算名詞である。この語はknowと関係がある。 deriveは、'導出する'という意味である。fossilは、 科学系の文章以外ではあまり用いられないが'化石'という意味である。 recordは、'記録'という意味である。includeは、'含む'という意味である。 fecesは、'糞'という意味の名詞である。trackwayは、'足跡'という意味の 名詞である。gastrolithは、'胃石'という意味の名詞(-lith Grc. 石)である。 [[w:胃石]]は、消化のために胃の中に貯えられた石のことであり、 現在でも[[w:ニワトリ]]などがこのような習性を持つことが知られている。 featherは、'羽'という意味の名詞である。impressionは、'印象'という意味の 語であり、skinは、'肌'という意味の名詞である。 internalは、'内部の'という意味の形容詞である。反対語は external'外部の'である。organは、'臓器'という意味である。 tissueは、'(体内の)組織'という意味である。 Dinosaur remains have been found on every continent on Earth, including Antarctica. 恐竜は地球上の全ての大陸で見つかっているが、その中には南極も含まれている。 continentは、'大陸'の意味であり、科学的だがそれなりに用いられる語である。 Antarcticaは、'南極'の意味である。 Numerous fossils of the same dinosaur species have been found on completely different continents, corroborating the generally-accepted theory that all land masses were at one time connected in a super-continent called Pangaea. 同じ種類の恐竜の多くの多くの化石が全く違った大陸から見つかっており、 そのことは全ての陸地が以前は一つのパンゲアという超大陸であったというよく確認されている理論と符合している。 numerousは、'多くの'という意味の語である。speciesは、'種'という意味の語である。 completelyは、complete'完全な'という意味の形容詞から来る副詞で、 '完全に、全く'という意味の語である。completeは、動詞としても用いられ、 '達成する、やり遂げる'という意味となる。 differentは、'違った'という意味である。corroborateは、'(証拠によって)示す' という意味である。generallyは、general'一般的な'という意味の形容詞から 来た語で、意味は'一般的に'である。 acceptは、'受けいれる'という意味の動詞である。 thoeryは、'理論'という意味の名詞である。 landmassは、'地塊'という意味の語であり、 それぞれの大陸のことを指す 科学用語である。connectは、'接続する'という意味の動詞である。 名詞は、connection'接続'である。 [[w:パンゲア]]は古くに全ての大陸が1つであり、それらが分割することで、 現在の大陸が出来たとする考えを採用したときの、最初の大陸のことである。 Pangaea began to break up during the Triassic period around 230 million years ago. パンゲアは2億3千万年前の三畳紀に分裂し始めた。 Triassic periodは、'三畳紀'という意味の固有名詞である。 時期については、[[w:三畳紀]]を参照。 Since the first dinosaur was recognized in the 19th century, their mounted, fossilized skeletons have become major attractions at museums around the world. 最初の恐竜が19世紀に認識されてから、それらの巨大で化石化した骨は、世界中の博物館の 重要な(人気のある)展示物となった。 recognizeは、'認識する、発見する'という意味の語である。 mountは、'飾る'という意味の動詞である。fossilizeは、 fossil'化石'から来る動詞'化石化させる'である。 skeletonは、'骨'という意味の名詞である。 attractionは、'展示物'という意味の名詞で、attract'引きつける' という意味の動詞から派生した。museumは、'博物館'という意味の名詞である。 Dinosaurs have become a part of world culture and remain consistently popular, especially among children. 恐竜は世界の文化の一部となり、特に子供の間で、 継続的に人気のある対象である。 cultureは、'文化'という意味の名詞である。consistentlyは、consistent '一貫した'という形容詞から来た副詞で、'一貫して'という意味である。 popularは、'人気のある'という意味である。 childrenは、child'子供'の複数形である。 They have been featured in best-selling books and blockbuster films such as Jurassic Park, and new discoveries are regularly covered by the media. それらは`ジュラシックパーク'のようなベストセラーの本や、 商業的に成功した映画の題材となり、それらに関する新しい発見は多くの場合メディアによって 取り上げられている。 featureは、'特徴'という意味の名詞として用いられる事が多いが、 映画などの話で用いられるときには、'(劇中で)重要な役を担わされる' という意味の動詞となる。best-sellingは、'ベストセラーの'という意味である。 blockbusterは、'非常に成功した'という意味で、映画などに対してよく用いられる。 Jurassic Parkは、映画の名前であり、恐竜を題材にした映画として 有名である。discoveryは、'発見'という意味の名詞であり、 discoverは、'発見する'という意味の動詞である。 regularlyは、'決まって'という意味の副詞であり、形容詞regular'規則的な、 正規の'から来ている。mediaは、単に'メディア'と訳されることが多いが、 [[w:マスコミ]]のように、多くの人間に情報を伝達する手段のことである。 The term dinosaur is also used informally to describe any prehistoric reptile, such as the pelycosaur Dimetrodon, the winged pterosaurs, and the aquatic ichthyosaurs, plesiosaurs, and mosasaurs, though none of these are dinosaurs. 実際にはそれらは恐竜ではないけれども、恐竜という語は非形式的には ディメトロドンやプテラノドン、イクチオサウルス、プレシオサウルス、モササウルス などの古代の爬虫類を描写するときにも用いられる。 termは、'語'という意味の語である。informallyは、'非形式的に' という意味である。describeは、'書く'という意味である。 prehistoricは、ここでは単に'古代の'という意味である。 reptileは、'ハ虫類'という意味である。pelycosaurは、 '<!--盤竜目・真盤竜亜目に属する爬虫類のグループ、特定の種類名ではない-->'という意味の科学用語である。 wingedは、'羽がある'という意味の形容詞であり、名詞wing'翼' から来ている。aquaticは、'水生の'という意味の形容詞である。 thoughは、'〜だけれども'という意味の接続詞である。 同じ意味の接続詞としてalthoughがあるが、これらにはほとんど意味の違いがない。 none of - は、'〜のうちの1つとして〜ない'という意味で用いられる。 The ongoing renaissance in the scientific understanding of dinosaurs began in the 1970s and was triggered, in part, by John Ostrom's discovery of Deinonychus, an active, vicious predator that may have been warm-blooded (homeothermic), in marked contrast to the prevailing image of dinosaurs as sluggish and cold-blooded. 恐竜に関する理解の今も続いている現代的な発展は、1970年代に始まり、それは 一部にはJohn Ostrom のDeinoncychusという活動的で抜け目の無い 恒常性であったかもしれない肉食獣の発見により 引き起こされ、そのことは恐竜がのろまで、変温動物であるという支配的な印象とは 重要な対立をなしていた。 ongoingは、'現在続いている'という意味の形容詞である。 renaissanceは、ここでは'隆盛'という意味の名詞である。 元々は[[w:ルネサンス]]という歴史的事実から現われた語であるが、 現在では他の情況にも転用され用いられている。 scientificは、'科学的な'という意味の形容詞であり、science'科学'という 名詞から来ている。understanding'理解'は、understand'理解する'から来た 名詞である。triggerは、'引き起こす'という意味の動詞である。 activeは、'活動的な'という意味の形容詞である。 viciousは、'悪い、抜け目の無い'という意味の形容詞である。 predatorは、'捕食者'という意味の名詞である。 warm-bloodedは、'温血の'という意味である。bloodは、'血'という 意味の名詞である。homeothermicは、かなり難しい単語だが、'恒温の' という意味で、体温がまわりの温度に影響されないという意味である。 markedは、'重要な'という意味の形容詞であり、contrastは、'対称'という 意味の名詞である。prevailは、'有力な'という意味である。 sluggishは、'のろまな、愚鈍な'という意味の形容詞で、 slug'なめくじ'から来ている。 Vertebrate paleontology, arguably the primary scientific discipline involved in dinosaur research, has become a global science. vertebrate paleontology は、実際のところ恐竜に関する探求活動としての 主要な科学的な活動だったが、それは全地球的な科学となっている。 vertebrateは既に出て来た語だが、'脊椎'という意味である。 paleontologyは、'古生物学'という意味である。難しい語ではないが、 その性質上日常会話で用いられることは少ない。 [[en:w:vertebrate paleontology]] は、'化石の研究を通じて、 絶滅した生物の行動や外見を見出す研究活動'の事である。 この部分でarguablyから次のカンマまでは、paleontologyを説明する 部分であり、全体として名詞である。この様なカンマの用法を[[w:同格]] の用法と呼ぶ。全体としては、前のカンマを'すなわち'などと訳しておくと 意味が通り易い。arguablyは、argue'議論する' から来た語で、'おそらく、議論として成立する程'という意味である。 primaryは、'主要な'という意味である。disciplineは、'活動'という様な 意味である。involveは、'含む'という意味である。ここでのinvolvedは、 動詞の過去形ではなく、disciplineを修飾する過去分詞である。 researchは、'研究'という意味である。globalは、'世界的な' という意味である。global company'世界的な企業'などの文脈で よく用いられる。 <!-- pythonのキーワードglobalとしての印象しかないが ... . --> Major new dinosaur discoveries have been made by paleontologists working in previously unexploited regions, including India, South America, Madagascar, Antarctica, and most significantly in China (the amazingly well-preserved feathered dinosaurs in China have further solidified the link between dinosaurs and their living descendants, modern birds). インドや南アメリカやマダガスカルや北極、また、最も重要なものには中国のように ( 驚くほどよく保存された羽のある恐竜(の存在)は恐竜と現在の鳥とのつながりを さらに強く確認した。) これまでに 探索されていなかった地域での考古学者の活動が、重要な新しい恐竜に関する発見につながっている。 discoveryは、動詞discover'発見'から来た語で、'発見'の意味である。 paleontologistは、paleontology'古生物学'から来た語で、'古生物学者' の意味である。previouslyは、previous'以前の'という形容詞から来た副詞で ある。 <!-- 線形リストで次のものは aaa * next; 前のものは aaa * prev; とするが、prevは、previousから来ている。 --> unexploitedは、exploit'[[w:搾取]]する'から来た形容詞で、ここでは'詳しく 調べられていなかった'という程度の意味である。 Madagascarは、'[[w:マダガスカル]]'のことである。 Antarcticaは、'南極'の意味である。 significantlyは、形容詞significant'意義深い'から来ており、ここでは '重要な'という程度の意味である。most significantlyは、副詞の最上級 の用法である。 Chinaは、'[[w:中国]]'の意味である。 amazinglyは、形容詞amazing'驚くべき'から来た語で、'驚く程'という意味である。 wellは、'よい'という意味の副詞であるが、比較級はbetter、最上級はbestと なっており、goodに対する比較級と同じであることに注意が必要である。 preserveは、'保存する'という意味である。 featheredは、名詞feather'羽'から来た語で、'羽のある'という 意味である。solidifyは、形容詞solid'堅い'から来た語で、'堅くする' という意味である。-fyの語尾は通常動詞を作ることに注意せよ。 例としてterrify'怖がらせる', classify'分類する'などがある。 それぞれterror'恐怖'、class'分類、級'から来ている。 linkは、'つながり'という意味の名詞である。betweenは、'〜の間'という 意味の前置詞である。descendantは、'子孫'という意味の語である。 modernは、'最近の'という意味の形容詞である。 The widespread application of cladistics, which rigorously analyzes the relationships between biological organisms, has also proved tremendously useful in classifying dinosaurs. 広範囲に置けるcladisticsの適用は、正確に生物の組織の間の関係を分析するものだが、 恐竜を分類することに関して非常に有益だとわかっている。 widespreadは、'広汎な'という意味である。 wideは、'広い'という意味の形容詞、spreadは、'広げる'という意味の動詞であり、 widespreadは、これら2つの語から出来ている。 applicationは、'応用、適用'などの意味があり、動詞applyから 来ている。cladisticsは、調査のための技術の名称である。 詳しくは、en.wikipedia参照。rigorouslyは、'厳格に'という意味の副詞で、 形容詞rigorous'厳格な'から来ている。analyzeは、'分析する'という 意味の動詞であり、名詞はanalysis'分析'である。 relationshipは、'関係'という意味であり、名詞relation'関係'から 来ている。biologicalは、'生物学的な'という意味であり、 名詞biology'生物学'から来ている。organismは、'生体'という 意味である。proveは、'証明する'であり、名詞はproof'証明'である。 tremendouslyは、形容詞tremendous'凄まじい'から来ており、ここでは '非常に'という程度の意味である。usefulは、'便利な'という意味の形容詞である。 classifyは、'分類する'という意味の動詞である。 Cladistic analysis, among other modern techniques, helps to compensate for an often incomplete and fragmentary fossil record. cladistic分析は他の近代的 手法の中で、しばしば不完全で壊れている化石を補うのを助けている。 amongは、'〜の間'という意味の前置詞で、betweenとの使いわけは やや難しい。'2つのものの間で'(twe- 2)という意味ではbetweenを用い、 '3つ以上のものの間で'という意味ではamongを使うが、 between themなどの言い回しでは3つ以上のものに対してbetween が用いられることもある。 techniqueは、'技術、テクニック'という意味の名詞である。 発音は日本語のテクニックとは全く異なっており、アクセントが-niqueにつくため テクニークのような発音になる。詳しくは辞書を参照。 helpは、'助ける'という意味の基本的な単語であるが、 'help to不定詞'の形で、'〜するのを助ける'という意味になる。 更に、'help A to不定詞'の形で'Aが〜するのを助ける'という意味になる。 また、この使い方をするときには、to不定詞のtoは省略されることが多い。 この時には動詞の原形が用いられることになるため、'原形不定詞' と呼ばれる。compensateは、'埋め合わせる、補う'という意味がある動詞である。 oftenは、頻度を表わす副詞で'しばしば'と訳される。 oftenは、sometimes'時々'より多く、frequently'頻繁に'より少ない 程度の頻度を表わす。 incompleteは、形容詞complete'完全な'の反対の意味を持つ形容詞で、 '不完全な'という意味である。fragmentaryは、名詞fragment'破片' から来ており、'断片的な'という意味である。 fossilは、'化石'という意味の名詞である。 What is a dinosaur? 恐竜とは何か? Definition 定義 definitionは、define'定義する'という動詞から来た名詞で、'定義'という 意味である。 The superorder or clade "Dinosauria" was formally named by the English scientist Richard Owen in 1842. `Dinorauria'という名前?は形式的にはイギリス人の科学者であるRichard Owenによって1842年に 名付けられた。 superorderとcladeは、生物の分類に関する学問的な用語である。 formallyは、形容詞formal'形式的な'から来た副詞であり、'形式的には' という意味である。nameは、名詞で使われたときは'名前'という意味だが、 動詞として用いたときには、'名付ける'という意味である。 The term is a combination of the Greek words deinos ("terrible" or "fearfully great" or "formidable") and sauros ("lizard" or "reptile"). この語はギリシャ語であるdeinos(`恐ろしい'とか`恐怖を抱かせるほどすごい'とか 'びくびくさせる`)とsauros(`トカゲ'や`ハ虫類')をつなげた語である。 termは、'語'という意味の名詞である。 combinationは、動詞combine'結びつける'から来た語で、'組み合わせ'という 意味となる。Greekは、'ギリシアの'という意味の形容詞である。 'ギリシア'は、Greeceという単語である。terribleは、名詞terror'恐怖'から 来た形容詞であり、'恐ろしい'という意味である。 fearfullyは、名詞fear'恐怖'から来た副詞で、ここでは、'恐ろしさを感じさせる程の' という意味である。formidableは、'恐ろしい'という意味の形容詞である。 lizardは、'トカゲ'という意味の名詞であり、reptileは、'ハ虫類' という意味の名詞である。 The name was chosen to express Owen's awe at the size and majesty of the extinct animals, not out of fear or trepidation at their size and often-formidable arsenal of teeth and claws. この名前は 絶滅した動物の大きさと偉大さに対するOwenの畏敬の念によるもので、 や大きさに対する恐怖や、しばしば恐ろしい牙や爪といった武器によるものではなかった。 chosenは、動詞chooseの過去分詞である。過去形はchoseである。 expressは、'表現する'という意味の動詞である。aweは、'畏敬、畏怖'という 意味の名詞である。majestyは、'威風'という意味の名詞である。 extinctは、'絶滅した'という意味の形容詞である。 animalは、'動物'という意味の基本的な名詞である。 trepidationは、やや難しい単語だが、'恐怖'という意味の名詞である。 arsenalは、'武器庫'という意味の名詞である。teeth は、toothの複数形であり、'歯'という意味である。 clawは、'爪'という意味の名詞である。 Dinosaurs are extremely varied. 恐竜は実に異なっている。 extremelyは、形容詞extreme'ひどい、大変な'という意味の形容詞から来た 副詞で、'ひどく、大変'という意味である。variedは、'様々な'という意味の 形容詞である。varyは、'変える'という意味の他動詞である。 Some were herbivorous, others carnivorous. いくらかは草食性であり、別のいくらかは肉食性である。 herbivorousは、'草食の'という意味の形容詞であり、 carnivorousは、'肉食の'という意味の形容詞であるが、どちらも あまり日常会話で用いられる語ではない。 otherは、名詞として用いられたときには、'それ以外のもの'という 意味である。形容詞として用いられたときには、'それ以外の'という 意味となる。 Some dinosaurs were bipedal, others quadrupedal, while others could walk easily on two or four legs, such as the dinosaur Ammosaurus. いくらかの恐竜は 2足歩行であり、別の恐竜は4足歩行であるが、一方、Ammosaurusのような別のものは 2足でも4足でも問題なく歩くことができる。 bipedalは、難しい語だが、'二足歩行の'(bi- 2, ped- 足)という意味である。 quadrupedalも、難しい語だが、'四足歩行の'という意味である。 quadr- は、'4つの'という意味を持つ語根である。 whileは、'その一方'という意味の接続詞である。walkは、'歩く'という 意味の動詞である。easilyは、'簡単に'という意味の副詞であり、 形容詞easy'簡単な'から来ている。 Size 大きさ Only a tiny percentage of animals ever fossilize, and most of these remain buried in the earth. 非常に小さい割合の動物だけがこれまでに化石化してきており、そのうちの多くは地中に埋められたままに なっている。 onlyは、'ただ〜だけ'という意味の語である。tinyは、'非常に小さい' という意味の形容詞であり、small'小さい'よりも小さいイメージが強い 語である。percentageは、'割合'という意味の名詞である。 everは、'これまでに'という意味の副詞である。 fossilizeは、'化石化する'という意味の動詞である。 remainは、'〜のままである'という意味の動詞である。buriedは、動詞bury '埋める'の過去分詞である。earthは、ここでは'大地'という 意味の名詞である。 As a result, the smallest and largest dinosaurs will probably never be discovered. 結果として、最も小さい恐竜や最も大きい恐竜はおそらく発見されないだろう。 as a resultは、'結果として'という意味でよく用いられる表現である。 probablyは、'おそらく'という意味の副詞である。 neverは、'決して〜ない'という意味の副詞であり、否定文を作る語である。 discoverは、'発見する'という意味の動詞である。 Even among those specimens that are recovered, few are known from complete skeletons, and impressions of skin and soft tissue are rare. 既に復元された標本の中でも、完全な骨格として見つかったものは少ししかなく、 皮膚や組織が見つかることはまれである。 evenは、'〜すら'という意味の語である。specimenは'標本'という意味の名詞である。 recoverは、'元にもどす'という意味の名詞である。 fewは、名詞として用いられたときには'ほとんどが〜無い'という 意味の否定文に近い意味を作る語である。一方、a fewとして 用いられたときには、'いくらかは〜ある'という意味で用いられる。 一方、これらの表現は形容詞としても用いられ、このときには これらの表現は数えられる名詞にしか用いられない。 数えられない名詞に対しては同じ意味でlittle, a littleが 用いられる。completeは、'完全な'という意味の形容詞である。 skeltonは、'骨'という意味の名詞である。 tissueは、'組織'という意味の名詞である。rareは、'まれな'という意味の 形容詞である。 Rebuilding a complete skeleton by comparing the size and morphology of bones to those of similar, better-known species is inexact, and reconstructing the muscles and other organs of the living animal is, at best, a process of educated guesswork. 大きさや骨の形態をよく似た、既によりよく知られている 種類の対応物と見比べて完全な骨格を再構成することは完璧とはいえず、生きている動物の 筋肉や臓器を再構成することは、よくいっても、`洗練された想像'の過程である。 rebuild'再構築する'という意味の動詞である。compareは、'比較する' という意味の動詞である。morphologyは、難しい単語だが、'形態学'という意味である。 boneは、'骨'という意味の名詞である。similarは、'似た'という意味の 形容詞である。speciesは、'種類'という意味の名詞である。 inexactは、exact'正確な'という意味の形容詞の反対の意味を持つ形容詞で、 '不正確な'という意味である。reconstructは、動詞construct'建てる' から来た語で、'再建する'という意味である。 muscleは、'筋肉'という意味の名詞である。organは、'器官'という意味の 名詞である。at bestは、'良くても'という意味の表現でよく用いられる。 processは'過程'という意味の名詞である。educateは、'教育する' という意味の動詞である。guessworkは、'推量'という意味の名詞である。 Largest and smallest dinosaurs 最も大きい恐竜と最も小さい恐竜 While the largest and smallest dinosaurs will probably remain unknown, and comparisons involving existing specimens are imprecise, it is clear that, as a group, dinosaurs were large. 最大と最小の恐竜はおそらく知られないままになり、また現在生存している標本などとの比較は 正確ではないのだが、種全体として恐竜が大きいことは確かである。 comparisonは、動詞compare'比較する'から来る名詞で'比較'という 意味である。involveは、'含む'という意味の名詞である。existは、 '存在する'という意味の動詞である。impreciseは、形容詞precise'精密な' の反対の意味を持つ形容詞で、'不正確な'という意味である。 clearは、'明白な'という意味の形容詞である。groupは、'部類' という意味である。 By dinosaur standards the sauropods were gigantic. 恐竜の基準では、[[w:竜脚下目]]は巨大である。 standardは、'基準'という意味の名詞である。sauropodは、'竜脚下目'という 意味の名詞である。詳しくはja.wikipediaを参照。 giganticは、'巨大な'という意味の形容詞である。 The smallest sauropods were larger than anything else in their habitat, and the largest were an order of magnitude more massive than anything else that has ever walked the Earth. 最も小さい竜脚下目は彼らの生息地のなかの彼ら以外の どれよりも大きく、最も大きいものはこれまでに地球上を歩いたもののどれよりも巨大な大きさの程度である。 anythingは疑問文で用いられたときには、'何らかのもの'という意味だが、 否定文で用いられたときには、'全ての〜は〜ない'というように 対応する全てのものに対する否定を表わす表現になる。ここでは、 larger than anything else で、'対応する全てのものより大きい' という意味である。elseは、'他の'という意味の語である。 habitatは、'生息地'という意味の名詞である。orderは、'程度'という 意味の名詞である。magnitudeは、'大きさ'という意味の名詞である。 massiveは、'重い'という意味の形容詞である。 The tallest and heaviest dinosaur known from a complete skeleton is the Brachiosaurus, which was discovered in Tanzania between 1907–12. 完全な骨格によって知られている中で、最も背が高く最も重い恐竜はブラキオサウルスだが、 これは1907-1912の間にタンザニアで発見された。 tallは、'背が高い'という意味の基本的な形容詞である。 heavyは、'重い'という意味の形容詞である。 Tanzaniaは、東アフリカの国[[w:タンザニア]]のことである。 It is now mounted in the Humboldt Museum of Berlin and is 12 m (38 ft) tall and probably weighed between 30,000–60,000 kg (33–66 short tons). それは現在ではBerlin(ベルリン)のフンボルト博物館に展示されており、12mの大きさがあり、おそらく33-66トンの重さであった。 mountは、ここでは'展示する'という意味の動詞である。 museumは、'博物館'という意味の名詞である。weighは、'〜の重さがある' という意味の動詞である。tonは、'[[w:トン]]'という意味の名詞である。 The longest dinosaur is the 27 m (89 ft) long Diplodocus, which was discovered in Wyoming and mounted in Pittsburgh's Carnegie Natural History Museum in 1907. 最も大きい恐竜は27mの長さのDiplodocus(ディプロドクス)だが、それは Wyomingで発見され、Pittsburgh(ピッツバーグ)のCarnegie Natural History Museum( カーネギー自然歴史博物館)に1907年に展示された。 naturalは、'自然の'という意味の形容詞である。historyは、'歴史' という意味の名詞である。 There were larger dinosaurs, but knowledge of them is based entirely on a small number of incomplete fossil samples. より大きな恐竜も存在したが、それらに関する知識は数少ない不完全な化石のサンプルに 全くよっている。 knowledgeは、'知識'という意味の名詞である。baseは、'〜に基づける' という意味の動詞である。base A on B で、'AがBによっている' という意味である。entirelyは、形容詞entire'全ての'から来た 副詞で、'完全に'という意味である。sampleは、'標本、サンプル' という意味の名詞である。 The largest specimens on record were all discovered in the 1970s or later, and include the massive Argentinosaurus, which may have weighed 80,000–100,000 kg (88–121 tons); the longest, the 40 m (130 ft) long Supersaurus; and the tallest, the 18 m (60 ft) Sauroposeidon, which could have reached a sixth-floor window.  記録がある中で最も大きな種は全て1970年代からそれ以降に発見されており、 それらは巨大で80,000-100,000kgの重さがあるArgentinosaurusや 40mの体長があるsupersaurusや、18mの高さがあり、6階の窓に手が届くSauroposeidonを 含んでいる。 <!-- 英 1階 ground floor 2階 first floor --> includeは、'含む'という意味の動詞である。Argentinosaurus, which may - でのwhichは、主語としての関係代名詞whichの用法であるが、カンマが whichの前にあることから、関係代名詞の非制限用法であることが わかる。通常Argentinosaurusなどの固有名詞が関係代名詞によって 修飾される時には、関係代名詞の非制限用法が用いられる。 Sauroposeidon, which could - のwhichも同じ用法である。 reachは、'届く'という意味の動詞である。sixth-floorは、'6階'という 意味の表現である。windowは、'窓'という意味の基本的な名詞である。 Dinosaurs were the largest of all terrestrial animals. 恐竜は全ての陸生動物の中で最も大きい。 terrestrialは、'陸生の'という意味の形容詞で、陸上に住む動物のことを指す。 The largest elephant on record weighed 12,000 kg (13.2 tons), while the tallest giraffe was 6 m (20 ft) tall. 記録の上で最も大きな象は12,000kgであり、一方最も背の高いキリンは6mであった。 elephantは、'象'という意味の名詞であり、giraffeは、'キリン'という意味の 名詞である。 Even giant prehistoric mammals such as the Indricotherium and the Columbian mammoth were dwarfed by the giant sauropods. IndricotheriumやColumbian mammoth(コロンビアマンモス)などの前史的なほ乳類であっても 巨大なsauropodsの前では小人に見えた。 giantは、'巨大な'という意味の語である。prehistoricは、 '前史的な'という意味の形容詞である。mammalは、'ほ乳類'という 意味の名詞である。dwarfは、名詞で用いられたときには、'小人' という意味になる。 Only a handful of modern aquatic animals approach them in size, most notably the blue whale (which reaches up to 190,000 kg (209 tons) and 33.5 m (110 ft) in length). いくらかの現代の水中の動物だけが 大きさで彼らに近づくことができるが、最も重要なのはblue whale(190,000kgに達し 33.5mの長さになる。)である。 handfulは、'一握り'という意味の名詞であり、a handful of - で、 '一握りの〜'となる。aquaticは、'水生の'という意味の形容詞である。 approachは、ここでは'近づく'という意味の動詞である。 notablyは、'重要な'という意味である。blue whaleは、'[[w:シロナガスクジラ]]' の事である。reachは、ここでは'到る'という意味の動詞である。 up to - は、'〜にまで'という意味の語である。lengthは、'長さ' という意味の名詞であり、形容詞long'長い'から来ている。 Not including modern birds like the bee hummingbird, the smallest dinosaurs known were about the size of a crow or a chicken. bee hummingbirdなどの現在の鳥を除けば、 知られている中で最も小さい恐竜はおおよそカラスやニワトリほどの大きさである。 crowは、'カラス'という意味の名詞であり、chickenは、'ニワトリ' という意味の名詞である。 The Microraptor, Parvicursor, and Saltopus were all under 60 cm (2 ft) in length. Microraptor, Parvicursor, Saltopusなどはどれも60cm以下の大きさである。 [[Category:英語|高えいこ1]] [[Category:高等学校教育|えいこ1]]
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2019-10-04T06:53:02Z
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https://ja.wikibooks.org/wiki/%E9%AB%98%E7%AD%89%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E8%8B%B1%E8%AA%9E%E8%8B%B1%E8%AA%9EI/%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%82%B0
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交戦権と平和主義
法学>公法>憲法>日本国憲法>交戦権と平和主義 戦争は国家の権能の典型的な発現であり、交戦の権能が当該国家の意思決定のもとになかったり、国家内の一地域における交戦権の行使を当該国家の政府が統御できないとすれば、その政府は国家としての要件を欠いているとすら言うことができる。戦争は政府機構はもちろん国民生活まで直接に大きな影響を与えるものなので、現代法制国家においては、憲法による厳重な統制がなされてしかるべきものであり、事実、比較法的に見ると各国において憲法レベルの統制が成文又は憲法慣習として重要な役割を果たしている。 一方、日本国の状況を見ると、憲法の三原則の一として平和主義が掲げられ、日本国憲法第9条において、戦争放棄及び戦力の不保持・交戦権の否認を宣言しているため、建前としては戦争を論ずべき対象はない。また、事実として日本国憲法成立後、交戦といえる事態となることはなかった。しかしながら、戦争は一方のみが放棄すれば起こらないものではないのは周知のものであり、国家として防衛組織を有するのは、政府の責務であるとも言える。日本国においても、自衛隊を保有しており、それ自体は国家の行動としては、ごく当然のものであるが、憲法的な実体として想定されたものではなく、憲法論な不整合を多く抱えている印象を与える。また、戦争に関する憲法的な統御(シビリアン・コントロール等)に関して、66条2項で国務大臣は文民に限る旨を明記している(=非文民たる軍人の存在を想定している)などの点も、考慮に値するだろう。 従来、日本の憲法学において、比較憲法学を除いて、戦争は第9条と自衛隊といった憲法裁判の観点から取り上げられる他は、正面から論ぜられることは少なく、又統治機構論のテーマとしても、「交戦」がなく「軍隊」を有さないのであるから、その対象がないため論ずべくもなかった。しかし、自衛権の確立が大きなテーマとなっている近年の改憲論においては、憲法的な統御と基本的人権に対する配慮について、国民的に論議することが求められ、その前提として、深い憲法学的な分析が不可欠である。 なお、日本国憲法における交戦権の否認は、国家・国民の意思として決定しているものであり、それを喪失しているものではないので、国家としての要件を欠くものではない。
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法学>公法>憲法>日本国憲法>交戦権と平和主義
[[法学]]>[[公法]]>[[憲法]]>[[日本国憲法]]>[[交戦権と平和主義]] == 概論・戦争と憲法 ==  戦争は国家の権能の典型的な発現であり、交戦の権能が当該国家の意思決定のもとになかったり、国家内の一地域における交戦権の行使を当該国家の政府が統御できないとすれば、その政府は国家としての要件を欠いているとすら言うことができる。戦争は政府機構はもちろん国民生活まで直接に大きな影響を与えるものなので、現代法制国家においては、憲法による厳重な統制がなされてしかるべきものであり、事実、比較法的に見ると各国において憲法レベルの統制が成文又は憲法慣習として重要な役割を果たしている。  一方、日本国の状況を見ると、憲法の三原則の一として平和主義が掲げられ、日本国憲法第9条において、戦争放棄及び戦力の不保持・交戦権の否認を宣言しているため、建前としては戦争を論ずべき対象はない。また、事実として日本国憲法成立後、交戦といえる事態となることはなかった。しかしながら、戦争は一方のみが放棄すれば起こらないものではないのは周知のものであり、国家として防衛組織を有するのは、政府の責務であるとも言える。日本国においても、[[自衛隊]]を保有しており、それ自体は国家の行動としては、ごく当然のものであるが、憲法的な実体として想定されたものではなく、憲法論な不整合を多く抱えている印象を与える。また、戦争に関する憲法的な統御([[シビリアン・コントロール]]等)に関して、66条2項で国務大臣は文民に限る旨を明記している(=非文民たる'''軍人'''の存在を想定している)などの点も、考慮に値するだろう。  従来、日本の憲法学において、比較憲法学を除いて、戦争は第9条と自衛隊といった憲法裁判の観点から取り上げられる他は、正面から論ぜられることは少なく、又統治機構論のテーマとしても、「交戦」がなく「軍隊」を有さないのであるから、その対象がないため論ずべくもなかった。しかし、[[自衛権]]の確立が大きなテーマとなっている近年の改憲論においては、憲法的な統御と基本的人権に対する配慮について、国民的に論議することが求められ、その前提として、深い憲法学的な分析が不可欠である。  なお、日本国憲法における交戦権の否認は、国家・国民の意思として決定しているものであり、それを喪失しているものではないので、国家としての要件を欠くものではない。 === 交戦権とは === === 法律学における戦争 === == 日本における戦争法規 == === 大日本帝国憲法における戦争及び軍隊 === === 日本国憲法における戦争及び軍隊 === ==== 基本原理としての平和主義 ==== ==== 前文 ==== ==== 第9条 ==== ===== 戦争の放棄 ===== ===== 戦力の不保持・交戦権の否認 ===== ==== 自衛隊 ==== ===== 自衛隊と憲法裁判 ===== ===== 現行法におけるシビリアンコントロール ===== ===== 現行法における軍法 ===== == 比較法的考察 == === 交戦権 === === 統治機構における統制 === === 集団的自衛権 === === 基本的人権と戦争 === ==== 徴兵制 ==== ==== 平和を希求する権利と国家の存亡 ==== ==== 軍法及び軍法会議 ==== [[Category:法学|こうせんけんとへいわしゆき]] [[Category:憲法|こうせんけんとへいわしゆき]]
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2014-01-22T04:52:54Z
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ラテン語の文法
このページは2ページにわたります 2ページ ラテン語の文法 (grammatica) ラテン語の名詞は、数 (numerus) ・格 (casus) によって語の形を変える。これをdeclinatioという。日本語では、格変化と呼ばれる。数には、単数 (singularis) と複数 (pluralis) がある。古典ギリシア語のような双数はない。格には、主格 (nominativus) 、呼格 (vocativus) 、属格 (genitivus) 、与格 (dativus) 、対格 (accusativus) 、奪格 (ablativus) 、地格 (locativus) の7つがあるが、呼格は大体において主格と同形であり、また、地格についてはこの格を持っている語自体が稀である。従って、通常の名詞については、五つの格を覚えればよいということになる。つまり、通常一つの名詞につき、2x5=10の形を覚える必要がある。 しかし、ラテン語では、格変化はおおよそ規則的であり、パターン化されている。大概、典型的なものについて十個の形を覚えておけば、他の名詞については、単数主格と単数属格の形が分かれば、他の形は類推できる。このため、辞書には単数主格と単数属格の形しか出ていない。単語を書く際には、この二つの形を並べて書く(こうする事で、名詞であることも明らかになる)。 なお、名詞には必ず性があり、これを覚えておかないと、形容詞を正しく変化させることが出来ないから(数・格のみならず、性をも一致させる必要があるため。これを性数格の一致という)、これも覚える必要がある。性には、男性 (masculinum) ・女性 (femininum) ・中性 (neutrum) がある。中性は、イタリア語やフランス語などでは消失してしまったが、ドイツ語には現在でもある。 一つ目の型は、A型の格変化である。これは、属格単数形が-aeとなるものである。属格複数形が-arumという形をとる事に着目して、A型の格変化(独:a-Deklination)と呼ばれる。第一格変化・第一種転尾とも呼ばれる。これには、幾つかのパターンがある。ラテン語式に関していえば、A型の格変化には、一つのパターンしかない。このパターンでは、単数主格と単数属格が、「-a, -ae」となる。その例外のパターンは、ギリシア語式のもので、ギリシア語から来た名詞については、これに従うものがある。いずれにせよ、複数の格変化は同じである。 第一のパターンは、単数主格で-a、単数属格で-aeとなるものである。ここでは、「女性」を意味する「femina, feminae」を例にとって、格変化を示そう。 呼格は、主格と同形である。地格は、与格と同形である。 ギリシア語式のパターンの一つ目は、主格単数が-ās、単数属格が-aeとなるものである。男性名詞となる。ここでは、「Aeneas, Aeneas」(アエネーアース、希:Αινειας(アイネイアス)、人名)を例にとって、格変化を示そう。 呼格は、-ā、つまり奪格と同形となる。この場合はAenea。 ギリシア語式のパターンの二つ目は、主格単数が-ēs、単数属格が-aeとなるものである。男性名詞となる。ここでは、「pyrites, pyritae」(火打石、希:πυριτης)を例にとって、格変化を示そう。 呼格は、-ē (pyrite)又は-a (pyrita)(短音)となる。つまり、奪格と同じ形である。 ギリシア語式のパターンの三つ目は、主格単数が-e(長音)、単数属格が-es(長音)となるものである。前二者が男性名詞だったのに対して、女性名詞となる。もはや単数属格は-aeの形をしていないが、複数属格はなお-arumという形をとるので、A型の格変化に含める。ここでは、「epitome, epitomes」(要旨、希:επιτομη)を例にとって、格変化を示そう。 呼格は、-e (epitome)(長音)となる。つまり、奪格と同形である(この場合、主格とも同形となる)。 二つ目の型は、O型の格変化である。これは、属格単数形が-iとなるものである。属格複数形が-orumという形をとる事に着目して、O型の格変化と呼ばれる。第2格変化とも呼ばれる。O型の格変化には、幾つかのパターンがある。 一つ目のパターンは、単数主格で-usとなるものである。「馬」を意味する「equus, equi」を例に挙げて、格変化を示そう。 呼格は、複数においては、主格と同形である。単数においては、-e (eque)という、主格と異なる形をとる。 二つ目のパターンは、単数主格で-umとなるものである。「プレゼント」を意味する「donum, doni」を例に挙げて、格変化を示そう。 呼格は、主格と同形である。 単数主格で語幹のみとなるパターンには、二通りある。このうち、語幹の変化のないものの格変化を、ここで示しておく。「少年」を意味する「puer, pueri」を例に挙げて、格変化を示そう。 呼格は、主格と同形である。 単数主格で語幹のみとなるパターンの2つ目は、語幹の変化を伴うものである。これは、単数主格以外では、語幹のeが約まって脱落する。「本」を意味する「liber, libri」を例に挙げて、格変化を示そう。 呼格は、主格と同形である。 三つ目の型は、I型の格変化である。属格複数形が-iumとなることに着目して、こう呼ばれる。属格単数形では、-isという形になるが、これは、I型のみならず、子音型でもそうである。I型の格変化にも、幾つかのパターンがある。 一つ目のパターンは、単数主格で-isとなるものである。このパターンには、単数対格が-im、単数奪格が-īとなるものと、単数対格が-em、単数奪格が-eとなるものの二種類がある。前者のみを真正のI型格変化とし、後者については混合型という全く別のの格変化(独:gemischte Deklination)として扱うものもある。しかし、これらは、辞書の形を見ただけでは区別することはできない。しかも、混合型の名詞でも、I型の単数奪格形を許容するものもある。したがって、ここでは区別しないことにする。その代り、I型か混合型かなどの註記を単語に附しておく。それでは、「塔」を意味する「turris, turris」(I型)、「敵」を意味する「hostis, hostis」(混合型)を例に挙げて、格変化を示そう。 呼格は、主格と同形である。 二つ目のパターンは、単数主格で-esとなるものである。「狐」を意味する「vulpes, vulpis」を例に挙げて、格変化を示そう。 呼格は、主格と同形である。 三つ目のパターンは、単数主格でsがつくものである。このパターンには、語幹は変化しないが、語幹の末尾の子音とsが融合するため、語幹が変化しているように見えるものが多い。具体的には、 となる。それでは、「木の葉」を意味する「frons, 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二つ目のパターンは、流音幹である。これには、単数主格とそれ以外で語幹の形が変わるものと、変らないものがある。まずは、語幹変化のないものを見よう。この場合、全く語幹が変化しないものもあるが、語幹の末尾のsが母音に挟まれてrとなるため、語幹が変化しているように見えるものもある。「愛」を意味する「amor, amoris」と「花」を意味する「flos, floris」を例に挙げて、格変化を示そう。 呼格は、主格と同形である。 三つ目のパターンは、流音幹のうち、語幹変化のあるものである。「父」を意味する「pater, patris」「母」を意味する「mater, matris」を例に挙げて、格変化を示そう。 呼格は、主格と同形である。 四つ目のパターンは、鼻音幹のうち、主格単数で語幹のみ、属格単数で-isとなるものである。これは、単数主格とそれ以外で語幹の形が変わる。そもそも、鼻音幹には、m語幹とn語幹があるが、ここで扱うのはn語幹である(m語幹については、次で扱う)。「ヒト」を意味する「homō, hominis」を例に挙げて、格変化を示そう。 呼格は、主格と同形である。 五つ目のパターンは、鼻音幹のうち、主格単数で-s、属格単数で-isとなるものである。これは、単数主格とそれ以外で語幹の形が変わらず、m語幹である。このような語は、「冬」を意味する「hiems, hiemis」しかない。 呼格は、主格と同形である。 六つ目のパターンは、黙音幹(破裂音の語幹)である。単数主格で-s、単数属格で-isの語尾がつく。語幹変化はないのであるが、語幹の末尾の子音と、単数主格の語尾であるsが、口調の関係で表記が変わることがある。このため、語幹変化があるように見える。具体的には、 となる。これに対して、pとbについては、そのままとなる。それでは、実定法としての「法」を意味する「lēx, lēgis」を例に挙げて、格変化を示そう。 呼格は、主格と同形である。 五つ目の型は、U型の格変化である。属格複数形が-uumとなることに着目して、こう呼ばれる。属格単数形では、-uūsという形になる。単数主格が-usとなるパターンと、単数主格が-ūとなるパターンがある。 一つ目のパターンは、単数主格で-usとなるものである。「贅沢」を意味する「luxus, luxus」を例に挙げて、格変化を示そう。 呼格は、主格と同形である。 二つ目のパターンは、単数主格で-u(長音)となるものである。「角」を意味する「cornu, cornus」を例に挙げて、格変化を示そう。 呼格は、主格と同形である。 六つ目の型は、E型の格変化である。属格複数形が-erumとなることに着目して、こう呼ばれる。主格単数形・属格単数形では、「-es, -ei」という形になる。この一パターンしかない。「こと」を意味する「res, rei」を例に挙げて、格変化を示そう。 呼格は、主格と同形である。 長音は、O型とU型の入り混じった不規則な格変化をする。 呼格は、主格と同形である。地格(家で)は、domiである。「家に」は対格を、「家から」は奪格 (domo) を用いる。 下記に人称代名詞の格変化を示しておく。「is, ea, id」については、指示代名詞に含めることもあるが、現代語の「er, sie, es」や「he, she, it」に相当する働きをすることから、ここでは人称代名詞の一つとして扱っておこう。 再帰代名詞は、主語を受ける代名詞である(このため主格はない)。ドイツ語の再帰代名詞に属格はないし、奪格に至っては格自体がそもそも存在しないが、ラテン語の再帰代名詞には属格も奪格も備わっている。ドイツ語と同じく、性の区別はない。 seseは、主として雅文に用いられる。 指示代名詞というと「近称 (questo/questa, dieser/diese/dieses, this)/ 遠称 (quel/quella, jener/jene/jenes, that)」と思いがちであるが、ラテン語ではやや異なる。律儀なことに、ラテン語には、指示代名詞にも一人称、二人称、三人称がある。そもそも人称とは何かを考えてみると、一人称とは話し手がテーマであるということであり、二人称とは話しの相手がテーマであるということであり、三人称とは、話し手でも話し相手でもない何者かがテーマであるということである。そう考えると、指示代名詞に一人称、二人称、三人称があってもおかしくない。つまり、一人称の指示代名詞は話し手の身近にあるものを指し、二人称の指示代名詞は話し相手の身近にあるものを指し、三人称の指示代名詞は、話し手にとっても話し相手にとっても身近でないものを指す(直接にその人を指すわけではないので、一人称「的」などという)。このような指示代名詞のあり方は、現代ではスペイン語に残っている(一人称:este/esta、二人称:ese/esa、三人称:aquel/aquella)。 その他、同一性を示す指示代名詞と指示形容詞がある。これは、「idem」(同じ)と「ipse」(自身)である。ドイツ語に訳せば、それぞれ「derselbe」と「selbst」になり、要するに同一性を表すのだと分かる。idemについては、三人称の人称代名詞にdemをつけたような格変化をする。ipseについては、二人称・三人称の指示代名詞の格変化の型と同じである。 関係代名詞・疑問形容詞・疑問代名詞は、互いに格変化が似ている。まず、関係代名詞と疑問形容詞の格変化は全く一緒である。次に、この二つと疑問代名詞であるが、男性については単数主格が、女性については単数主格・単数対格・単数奪格が異なるが、その他は一緒である。 2ページ
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"五つ目のパターンは、鼻音幹のうち、主格単数で-s、属格単数で-isとなるものである。これは、単数主格とそれ以外で語幹の形が変わらず、m語幹である。このような語は、「冬」を意味する「hiems, hiemis」しかない。", "title": "格変化 (declinatio)" }, { "paragraph_id": 48, "tag": "p", "text": "呼格は、主格と同形である。", "title": "格変化 (declinatio)" }, { "paragraph_id": 49, "tag": "p", "text": "六つ目のパターンは、黙音幹(破裂音の語幹)である。単数主格で-s、単数属格で-isの語尾がつく。語幹変化はないのであるが、語幹の末尾の子音と、単数主格の語尾であるsが、口調の関係で表記が変わることがある。このため、語幹変化があるように見える。具体的には、", "title": "格変化 (declinatio)" }, { "paragraph_id": 50, "tag": "p", "text": "となる。これに対して、pとbについては、そのままとなる。それでは、実定法としての「法」を意味する「lēx, lēgis」を例に挙げて、格変化を示そう。", "title": "格変化 (declinatio)" }, { "paragraph_id": 51, "tag": "p", "text": "呼格は、主格と同形である。", "title": "格変化 (declinatio)" }, { "paragraph_id": 52, "tag": "p", "text": "五つ目の型は、U型の格変化である。属格複数形が-uumとなることに着目して、こう呼ばれる。属格単数形では、-uūsという形になる。単数主格が-usとなるパターンと、単数主格が-ūとなるパターンがある。", "title": "格変化 (declinatio)" }, { "paragraph_id": 53, "tag": "p", "text": "一つ目のパターンは、単数主格で-usとなるものである。「贅沢」を意味する「luxus, luxus」を例に挙げて、格変化を示そう。", "title": "格変化 (declinatio)" }, { "paragraph_id": 54, "tag": "p", "text": "呼格は、主格と同形である。", "title": "格変化 (declinatio)" }, { "paragraph_id": 55, "tag": "p", "text": "二つ目のパターンは、単数主格で-u(長音)となるものである。「角」を意味する「cornu, cornus」を例に挙げて、格変化を示そう。", "title": "格変化 (declinatio)" }, { "paragraph_id": 56, "tag": "p", "text": "呼格は、主格と同形である。", "title": "格変化 (declinatio)" }, { "paragraph_id": 57, "tag": "p", "text": "六つ目の型は、E型の格変化である。属格複数形が-erumとなることに着目して、こう呼ばれる。主格単数形・属格単数形では、「-es, -ei」という形になる。この一パターンしかない。「こと」を意味する「res, rei」を例に挙げて、格変化を示そう。", "title": "格変化 (declinatio)" }, { "paragraph_id": 58, "tag": "p", "text": "呼格は、主格と同形である。", "title": "格変化 (declinatio)" }, { "paragraph_id": 59, "tag": "p", "text": "長音は、O型とU型の入り混じった不規則な格変化をする。", "title": "格変化 (declinatio)" }, { "paragraph_id": 60, "tag": "p", "text": "呼格は、主格と同形である。地格(家で)は、domiである。「家に」は対格を、「家から」は奪格 (domo) を用いる。", "title": "格変化 (declinatio)" }, { "paragraph_id": 61, "tag": "p", "text": "下記に人称代名詞の格変化を示しておく。「is, ea, id」については、指示代名詞に含めることもあるが、現代語の「er, sie, es」や「he, she, it」に相当する働きをすることから、ここでは人称代名詞の一つとして扱っておこう。", "title": "格変化 (declinatio)" }, { "paragraph_id": 62, "tag": "p", "text": "再帰代名詞は、主語を受ける代名詞である(このため主格はない)。ドイツ語の再帰代名詞に属格はないし、奪格に至っては格自体がそもそも存在しないが、ラテン語の再帰代名詞には属格も奪格も備わっている。ドイツ語と同じく、性の区別はない。", "title": "格変化 (declinatio)" }, { "paragraph_id": 63, "tag": "p", "text": "seseは、主として雅文に用いられる。", "title": "格変化 (declinatio)" }, { "paragraph_id": 64, "tag": "p", "text": "指示代名詞というと「近称 (questo/questa, dieser/diese/dieses, this)/ 遠称 (quel/quella, jener/jene/jenes, that)」と思いがちであるが、ラテン語ではやや異なる。律儀なことに、ラテン語には、指示代名詞にも一人称、二人称、三人称がある。そもそも人称とは何かを考えてみると、一人称とは話し手がテーマであるということであり、二人称とは話しの相手がテーマであるということであり、三人称とは、話し手でも話し相手でもない何者かがテーマであるということである。そう考えると、指示代名詞に一人称、二人称、三人称があってもおかしくない。つまり、一人称の指示代名詞は話し手の身近にあるものを指し、二人称の指示代名詞は話し相手の身近にあるものを指し、三人称の指示代名詞は、話し手にとっても話し相手にとっても身近でないものを指す(直接にその人を指すわけではないので、一人称「的」などという)。このような指示代名詞のあり方は、現代ではスペイン語に残っている(一人称:este/esta、二人称:ese/esa、三人称:aquel/aquella)。", "title": "格変化 (declinatio)" }, { "paragraph_id": 65, "tag": "p", "text": "その他、同一性を示す指示代名詞と指示形容詞がある。これは、「idem」(同じ)と「ipse」(自身)である。ドイツ語に訳せば、それぞれ「derselbe」と「selbst」になり、要するに同一性を表すのだと分かる。idemについては、三人称の人称代名詞にdemをつけたような格変化をする。ipseについては、二人称・三人称の指示代名詞の格変化の型と同じである。", "title": "格変化 (declinatio)" }, { "paragraph_id": 66, "tag": "p", "text": "関係代名詞・疑問形容詞・疑問代名詞は、互いに格変化が似ている。まず、関係代名詞と疑問形容詞の格変化は全く一緒である。次に、この二つと疑問代名詞であるが、男性については単数主格が、女性については単数主格・単数対格・単数奪格が異なるが、その他は一緒である。", "title": "格変化 (declinatio)" }, { "paragraph_id": 67, "tag": "p", "text": "2ページ", "title": "格変化 (declinatio)" } ]
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''このページは2ページ<!--(以上<small>になるかも・・・</small>)-->にわたります'' [[ラテン語の文法2|2ページ]] [[ラテン語]]の'''文法''' (grammatica) == 格変化 (declinatio) == === 名詞の格変化 (declinatio) === ラテン語の[[w:名詞|名詞]]は、[[w:数 (文法)|数]] (numerus) ・[[w:格|格]] (casus) によって語の形を変える。これをdeclinatioという。日本語では、[[w:格変化|格変化]]と呼ばれる。数には、[[w:単数|単数]] (singularis) と[[w:複数|複数]] (pluralis) がある。[[ギリシア語|古典ギリシア語]]のような双数はない。格には、[[w:主格|主格]] (nominativus) 、[[w:呼格|呼格]] (vocativus) 、[[w:属格|属格]] (genitivus) 、[[w:与格|与格]] (dativus) 、[[w:対格|対格]] (accusativus) 、[[w:奪格|奪格]] (ablativus) 、[[w:地格|地格]] (locativus) の7つがあるが、呼格は大体において主格と同形であり、また、地格についてはこの格を持っている語自体が稀である。従って、通常の名詞については、五つの格を覚えればよいということになる。つまり、通常一つの名詞につき、2x5=10の形を覚える必要がある。 しかし、ラテン語では、格変化はおおよそ規則的であり、パターン化されている。大概、典型的なものについて十個の形を覚えておけば、他の名詞については、単数主格と単数属格の形が分かれば、他の形は類推できる。このため、辞書には単数主格と単数属格の形しか出ていない。単語を書く際には、この二つの形を並べて書く(こうする事で、名詞であることも明らかになる)。 なお、名詞には必ず[[w:性 (文法)|性]]があり、これを覚えておかないと、形容詞を正しく変化させることが出来ないから(数・格のみならず、性をも一致させる必要があるため。これを[[w:性数格の一致|性数格の一致]]という)、これも覚える必要がある。性には、[[w:男性|男性]] (masculinum) ・[[w:女性|女性]] (femininum) ・[[w:中性|中性]] (neutrum) がある。中性は、[[イタリア語]]や[[フランス語]]などでは消失してしまったが、[[ドイツ語]]には現在でもある。 ==== A型格変化 ==== 一つ目の型は、A型の格変化である。これは、属格単数形が-aeとなるものである。属格複数形が-arumという形をとる事に着目して、A型の格変化(独:a-Deklination)と呼ばれる。第一格変化・第一種転尾とも呼ばれる。これには、幾つかのパターンがある。ラテン語式に関していえば、A型の格変化には、一つのパターンしかない。このパターンでは、単数主格と単数属格が、「'''-a, -ae'''」となる。その例外のパターンは、ギリシア語式のもので、ギリシア語から来た名詞については、これに従うものがある。いずれにせよ、複数の格変化は同じである。 =====-a, -ae===== 第一のパターンは、単数主格で-a、単数属格で-aeとなるものである。ここでは、「女性」を意味する「femina, feminae」を例にとって、格変化を示そう。 {| border="1" cellspacing="0" cellpadding="5" |- bgcolor="#CCCCCC" align="center" | bgcolor="#999999" | 数 (numerus) || 単数 (singularis) || 複数 (pluralis) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 主格 (nominativus) || '''-a''' (femina) || '''-ae''' (feminae) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 属格 (genitivus) || '''-ae''' (feminae) || '''-ārum''' (feminarum) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 与格 (dativus) || '''-ae''' (feminae) || '''-īs''' (feminis) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 対格 (accusativus) || '''-am''' (feminam) || '''-ās''' (feminas) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 奪格 (ablativus) || '''-ā''' (femina) || '''-īs''' (feminis) |} 呼格は、主格と同形である。地格は、与格と同形である。 {| |+ style="text-align:left;white-space:nowrap" | このパターンの格変化をする男性名詞 |- | agricola, agricolae || 農夫 |- | athleta, athletae || 競技者 |- | auriga, aurigae || 馭者 |- | Belgae, Belgarum (pl.) || [[w:ベルガエ人|ベルガエ人]] |- | conviva, convivae || 客 |- | incola, incolae || 住人 |- | nauta, nautae || 水夫 |- | Persae, Persarum (pl.) || [[w:ペルシア人|ペルシア人]] |- | poeta, poetae || [[w:詩人|詩人]] |} {| |+ style="text-align:left;white-space:nowrap" | このパターンの格変化をする女性名詞 |- | Aeolia, Aeoliae || [[w:アエオリア島|アエオリア島]]([[w:シチリア島|シチリア島]]付近にあったといわれる島) |- | Aetna, Aetnae || [[w:エトナ火山|エトナ火山]](シチリア島の火山) |- | ala, alae || [[w:翼|翼]]、脇の下、[[w:腕|腕]] |- | amentia, amentiae || [[w:狂気|狂気]] |- | amica, amicae || 女友達、[[w:恋人|恋人]](女) |- | amicitia, amicitiae || [[w:友情|友情]]、修好同盟 |- | ancora, ancorae || [[w:錨|錨]] |- | anima, animae || [[w:空気|空気]](元素として考えられていた)、[[w:息|息]]、[[w:呼吸|呼吸]]、[[w:魂|魂]]、[[w:生命|生命]] |- | aqua, aquae || [[w:水|水]] |- | aquila, aquilae || [[w:鷲|鷲]] |- | arrogantia, arrogantiae || [[w:高慢|高慢]] |- | Athenae, Athenarum (pl.) || [[w:アテナイ|アテーナイ]]([[w:アッティカ|アッティカ]]の中心都市) |- | Attica, Atticae ||[[w:アッティカ|アッティカ]] |- | audacia, audaciae || [[w:大胆|大胆]] |- | aura, aurae || 空気、大気 |- | avaritia, avaritiae || [[w:貪欲|貪欲]]、けち |- | bacca, baccae || [[w:苺|苺]] |- | Britannia, Britanniae || [[w:ブリタンニア|ブリタニア]] |- | casa, casae || 小屋 |- | capra, caprae || [[w:牝山羊|牝山羊]] |- | caterva, catervae || [[w:群|群]]、団 |- | causa, causae || [[w:原因|原因]]、[[w:理由|理由]] |- | cena, cenae || [[w:食事|食事]](inter cenam(食事中に)、ad cenam invitare(食事に招く)) |- | clementia, clementiae || 穏やかなこと、慈悲深いこと |- | columba, columbae || [[w:ハト|鳩]] |- | columna, columnae || [[w:柱|柱]] |- | concordia, concordiae || [[w:共感|共感]]、一致 |- | conscientia, conscientiae || 共に与り知ること、自覚、[[w:良心|良心]] |- | copia, copiae || 沢山、[[w:量|量]]、軍勢 |- | copiae, copiarum (pl.) || 財産、[[w:兵力|兵力]] |- | cratera, craterae || [[w:混酒器|混酒器]]、水槽、(crater, crateris (m.)と同じ) |- | cura, curae || [[wikt:注意|注意]]、心配、手入れ |- | dea, deae || [[w:女神|女神]] |- | dextera (dextra), dexterae (dextrae) || [[wikt:右手|右手]] |- | diligentia, diligentiae || 細心、勤勉 |- | discordia, discordiae || [[w:不和|不和]] |- | domina, dominae || 女主人 |- | fabula, fabulae || [[w:物語|物語]]、寓話 |- | fama, famae || 噂、評判、名声 |- | femina, feminae || [[w:女性|女性]] |- | fera, ferae || [[w:野獣|野獣]] |- | figura, figurae || [[w:形成|形成]]、形、姿、形造物、美しい形、状態(fingo, finxi, fictum, fingere(造り上げる)から) |- | forma, formae || 形・形相、理想・典型、[[w:美|美]] |- | formica, formicae || [[w:蟻|蟻]] |- | fortuna, fortunae || 幸運 |- | fossa, fossae || [[w:堀|堀]]、[[w:穴|穴]] |- | fuga, fugae || [[wikt:逃亡|逃亡]] |- | Gallia, Galliae || [[w:ガリア|ガリア]]、(現代ラテン語)[[w:フランス|フランス]] |- | gallina, gallinae || [[w:雌鶏|雌鶏]] |- | gena, genae || [[w:頬|頬]] |- | Germania, Germaniae || [[w:ゲルマーニア|ゲルマーニア]]、(現代ラテン語)[[w:ドイツ|ドイツ]] |- | gloria, gloriae || [[w:名声|名声]]、栄光 |- | Graecia, Graeciae || [[w:ギリシア|ギリシア]] |- | gratia, gratiae || [[w:好意|好意]]、感謝(gratias ago:有難う) |- | hasta, hastae || [[w:投槍|投槍]] |- | Henna, Hennae || [[w:ヘンナ|ヘンナ]](シチリア島の町) |- | herba, herbae || [[w:植物|草木]]、[[w:草本|草]] |- | historia, historiae || [[w:研究|研究]]、[[w:認識|認識]]、[[w:記述|記述]]、[[w:物語|物語]]、[[w:歴史|歴史]] |- | hora, horae || [[w:時間|時間]]、季節 |- | iniuria, iniuriae || [[w:不正|不正]]、侮辱、害 |- | insania, insaniae || [[w:狂気|狂気]] |- | insidiae, insidiarum (pl.) || [[w:待ち伏せ|待ち伏せ]]、奸計 |- | insula, insulae || [[w:島|島]]、道路に囲まれた借家 |- | invidia, invidiae || [[w:嫉妬|嫉妬]]、憎悪 |- | ira, irae || [[w:怒り|怒り]] |- | iracundia, iracundiae || [[w:短気|短気]] |- | Italia, Italiae || [[w:イタリア|イタリア]] |- | Ithaca, Ithacae || [[w:イタカ島|イタカ島]](イオニア海の小島) |- | iustitia, iustitiae || [[w:正義|正義]] |- | lacrima, lacrimae || [[w:涙|涙]] |- | laetitia, laetitiae || [[w:喜び|喜び]] |- | Latona, Latonae || [[w:ラートーナ|ラートーナ]]([[w:アポロー|アポロー]]と[[w:ディアナ|ディアナ]]の母) |- | laurea, laureae || [[w:カツラ|桂]] |- | lingua, linguae || [[w:舌|舌]]、弁舌、言語 |- | luxuria, luxuriae || [[w:増殖|増殖]]、豊かな成長、豊かさ、放蕩 |- | magistra, magistrae || 女教師 |- | mania, maniae || [[w:躁病|躁病]] |- | matrona, matronae || 既婚婦人(mater, matris(母)から) |- | mensa, mensae || 机 |- | memoria, memoriae || [[w:記憶|記憶]]、[[w:記録|記録]]、(omnis rerum memoria:[[w:世界史|世界史]]) |- | miseria, miseriae || 惨めさ、悲惨、窮乏 |- | misericordia, misericordiae || [[w:同情|同情]] |- | modestia, modestiae || 節制、控え目 |- | pagina, paginae || [[w:ページ|ページ]] |- | patientia, patientiae || [[w:忍耐|忍耐]] |- | patria, patriae || 祖国 |- | pecunia, pecuniae || [[w:お金|お金]] |- | philosophia, philosophiae || [[w:哲学|哲学]](愛智:φιλοσοφια) |- | poena, poenae || [[w:刑罰|刑罰]] |- | porta, portae || 門 |- | prudentia, prudentiae || [[w:予見|予見]]、洞察、精通 |- | puella, puellae || [[w:少女|少女]] |- | querela (querella), querelae (querellae) || 嘆き、苦情、異議申立、起訴(querela nullitatis:無効確認の訴訟、querela damni:損害賠償の訴訟)、気分がすぐれないこと |- | regina, reginae || [[w:女王|女王]] |- | Roma, Romae || [[w:ローマ|ローマ]] |- | rosa, rosae || [[w:バラ|薔薇]] |- | sapientia, sapientiae || [[w:分別|分別]]、賢明、叡智 |- | scientia, scientiae || [[w:知識|知識]]、[[w:科学|科学]] |- | sententia, sententiae || 見解、決意、元老院の投票決議、判決 |- | spina, spinae || 棘 |- | stella, stellae || [[w:星|星]] |- | stultitia, stultitiae || 馬鹿であること |- | superbia, superbiae || [[w:自尊心|プライド]]、[[w:傲慢|傲慢]] |- | Thebae, Thebarum (pl.) || [[w:テーベ|テーベ]]([[w:古代エジプト|古代エジプト]]の首都) |- | tristitia, tristitiae || 悲しみ |- | turba, turbae || [[w:不安|不安]]、騒動 |- | verecundia, verecundiae || [[w:羞恥|羞恥]]、内気 |- | via, viae || [[w:道路|道]] |- | vita, vitae || [[w:生命|生命]]・人生・生活 |} {| |+ style="text-align:left;white-space:nowrap" | このパターンの格変化をする中性名詞 |} ===== -&#257;s, -ae ===== ギリシア語式のパターンの一つ目は、主格単数が-&#257;s、単数属格が-aeとなるものである。男性名詞となる。ここでは、「Aeneas, Aeneas」(アエネーアース、希:Αινειας(アイネイアス)、人名)を例にとって、格変化を示そう。 {| border="1" cellspacing="0" cellpadding="5" |- bgcolor="#CCCCCC" align="center" | bgcolor="#999999" | 数 (numerus) || 単数 (singularis) || 複数 (pluralis) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 主格 (nominativus) || '''-as''' (Aeneas) || '''-ae''' (Aeneae) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 属格 (genitivus) || '''-ae''' (Aeneae) || '''-arum''' (Aenearum) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 与格 (dativus) || '''-ae''' (Aeneae) || '''-is''' (Aeneis) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 対格 (accusativus) || '''-am, -an''' (Aeneam, Aenean) || '''-as''' (Aeneas) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 奪格 (ablativus) || '''-a''' (Aenea) || '''-is''' (Aeneis) |} 呼格は、-&#257;、つまり奪格と同形となる。この場合はAenea。 {| |+ style="text-align:left;white-space:nowrap" | このパターンの格変化をする男性名詞 | Aeneas, Aeneae || アエネーアース(人名) |- | Leonidas, Leonidae || レオーニダース([[w:スパルタ|スパルタ]]の有名な王) |} ===== -&#275;s, -ae ===== ギリシア語式のパターンの二つ目は、主格単数が-&#275;s、単数属格が-aeとなるものである。男性名詞となる。ここでは、「pyrites, pyritae」(火打石、希:πυριτης)を例にとって、格変化を示そう。 {| border="1" cellspacing="0" cellpadding="5" |- bgcolor="#CCCCCC" align="center" | bgcolor="#999999" | 数 (numerus) || 単数 (singularis) || 複数 (pluralis) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 主格 (nominativus) || '''-es''' (pyrites) || '''-ae''' (pyritae) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 属格 (genitivus) || '''-ae''' (pyritae) || '''-arum''' (pyritarum) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 与格 (dativus) || '''-ae''' (pyritae) || '''-is''' (pyritis) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 対格 (accusativus) || '''-en''' (pyriten) || '''-as''' (pyritas) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 奪格 (ablativus) || '''-e, -a''' (pyrite, prita) || '''-is''' (pyritis) |} 呼格は、-&#275; (pyrite)又は-a (pyrita)(短音)となる。つまり、奪格と同じ形である。 {| |+ caption style="text-align:left;white-space:nowrap" | このパターンの格変化をする男性名詞 | pyrites, pyritae || 火打石(希:πυριτης) |} ===== -e(長音), -&#275;s(長音) ===== ギリシア語式のパターンの三つ目は、主格単数が-e(長音)、単数属格が-es(長音)となるものである。前二者が男性名詞だったのに対して、女性名詞となる。もはや単数属格は-aeの形をしていないが、複数属格はなお-arumという形をとるので、A型の格変化に含める。ここでは、「epitome, epitomes」(要旨、希:επιτομη)を例にとって、格変化を示そう。 {| border="1" cellspacing="0" cellpadding="5" |- bgcolor="#CCCCCC" align="center" | bgcolor="#999999" | 数 (numerus) || 単数 (singularis) || 複数 (pluralis) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 主格 (nominativus) || '''-e''' (epitome) || '''-ae''' (epitomae) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 属格 (genitivus) || '''-es''' (epitomes) || '''-arum''' (epitomarum) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 与格 (dativus) || '''-ae''' (epitomae) || '''-is''' (epitomis) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 対格 (accusativus) || '''-en''' (epitomen) || '''-as''' (epitomas) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 奪格 (ablativus) || '''-e''' (epitome) || '''-is''' (epitomis) |} 呼格は、-e (epitome)(長音)となる。つまり、奪格と同形である(この場合、主格とも同形となる)。 {| |+ caption style="text-align:left;white-space:nowrap" | このパターンの格変化をする女性名詞 | epitome, epitomes || 要旨(希:επιτομη) |} ==== O型格変化 ==== 二つ目の型は、O型の格変化である。これは、属格単数形が-iとなるものである。属格複数形が-orumという形をとる事に着目して、O型の格変化と呼ばれる。第2格変化とも呼ばれる。O型の格変化には、幾つかのパターンがある。 ===== -us, -i ===== 一つ目のパターンは、単数主格で-usとなるものである。「[[w:馬|馬]]」を意味する「equus, equi」を例に挙げて、格変化を示そう。 {| border="1" cellspacing="0" cellpadding="5" |- bgcolor="#CCCCCC" align="center" | bgcolor="#999999" | 数 (numerus) || 単数 (singularis) || 複数 (pluralis) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 主格 (nominativus) || '''-us''' (equus) || '''-ī''' (equi) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 属格 (genitivus) || '''-ī''' (equi) || '''-ōrum''' (equorum) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 与格 (dativus) || '''-ō''' (equo) || '''-īs''' (equis) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 対格 (accusativus) || '''-um''' (equum) || '''-ōs''' (equos) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 奪格 (ablativus) || '''-ō''' (equo) || '''-īs''' (equis) |} 呼格は、複数においては、主格と同形である。単数においては、'''-e''' (eque)という、主格と異なる形をとる。 {| |+ caption style="text-align:left;white-space:nowrap" | このパターンの格変化をする男性名詞 | amicus, amici || 友(男性) |- | campus, campi || 野原 |- | cervus, cervi || [[w:シカ|牡鹿]] |- | cibus, cibi || [[w:食べ物|食べ物]] |- | dominus, domini || 主人 |- | equus, equi || [[w:ウマ|馬]] |- | filius, filii || 息子 |- | Gallus, Galli || [[w:ガリア人|ガリア人]] |- | numerus, numeri || [[w:数|数]] |- | nuntius, nuntii || 使者 |- | populus, populi || [[w:人民|人民]] |- | Romanus, Romani || [[w:ローマ人|ローマ人]] |- | servus, servi || [[w:奴隷|奴隷]] |- | tribunus, tribuni || [[w:護民官|護民官]] |- | ventus, venti || [[w:風|風]] |} {| |+ caption style="text-align:left;white-space:nowrap" | このパターンの格変化をする女性名詞 | Aegyptus, Aegypti || [[w:エジプト|エジプト]] |- | alvus, alvi || [[w:腹|腹]] |- | atomus, atomi || [[w:原子|原子]] |- | Corinthus, Corinthi || [[w:コリントス|コリント]] |- | diphithongus, diphitongi || [[w:二重母音|二重母音]] |- | ficus, fici || [[w:イチジク|無花果]] |- | humus, humi || 地面 |- | laurus, lauri || [[w:ゲッケイジュ|月桂樹]] |- | methodus, methodi || 方法 |- | pinus, pini || [[w:マツ|松]] |} {| |+ caption style="text-align:left;white-space:nowrap" | このパターンの格変化をする中性名詞 | pelagus, pelagi || [[w:海|海]] |- | virus, viri || 毒、[[w:ウイルス|ウイルス]] |- | vulgus, vulgi || 民衆 |} ===== -um, -i ===== 二つ目のパターンは、単数主格で-umとなるものである。「[[w:プレゼント|プレゼント]]」を意味する「donum, doni」を例に挙げて、格変化を示そう。 {| border="1" cellspacing="0" cellpadding="5" |- bgcolor="#CCCCCC" align="center" | bgcolor="#999999" | 数 (numerus) || 単数 (singularis) || 複数 (pluralis) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 主格 (nominativus) || '''-um''' (donum) || '''-a''' (dona) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 属格 (genitivus) || '''-ī''' (doni) || '''-ōrum''' (donorum) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 与格 (dativus) || '''-ō''' (dono) || '''-īs''' (donis) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 対格 (accusativus) || '''-um''' (donum) || '''-a''' (dona) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 奪格 (ablativus) || '''-ō''' (dono) || '''-īs''' (donis) |} 呼格は、主格と同形である。 *このパターンの格変化をする男性名詞 *このパターンの格変化をする女性名詞 {| |+ caption style="text-align:left;white-space:nowrap" | このパターンの格変化をする中性名詞 | argentum, argenti || [[w:銀|銀]] |- | arma, armorum (pl.) || 武具 |- | aurum, auri || [[w:金|金]] |- | basium, basii || [[w:接吻|接吻]] |- | bellum, belli || [[w:戦争|戦争]] |- | castra, castrorum (pl.) || 陣営 |- | consilium, consilii || [[w:計画|計画]]、[[w:目的|目的]]、[[w:相談|相談]]、忠告 |- | donum, doni || プレゼント |- | exemplum, exempli || 手本 |- | exitium, exitii || [[w:破壊|破壊]] |- | gaudium, gaudii || [[w:喜び|喜び]] |- | officium, officii || [[w:義務|義務]]、公務 |- | oppidum, oppidi || 城市 |- | otium, otii || 暇、安閑 |- | periculum, periculii || 危険 |- | pilum, pili || 重い投槍 |- | praemium, praemii || 褒美 |- | remedium, remedii || [[w:薬|薬]]、治療法 |- | scutum, scuti || [[w:長楯|長楯]] |- | templum, templi || [[w:神殿|神殿]] |- | verbum, verbi || [[w:言葉|言葉]] |} =====-, -i(語幹変化なし)===== 単数主格で語幹のみとなるパターンには、二通りある。このうち、語幹の変化のないものの格変化を、ここで示しておく。「[[w:少年|少年]]」を意味する「puer, pueri」を例に挙げて、格変化を示そう。 {| border="1" cellspacing="0" cellpadding="5" |- bgcolor="#CCCCCC" align="center" | bgcolor="#999999" | 数 (numerus) || 単数 (singularis) || 複数 (pluralis) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 主格 (nominativus) || '''-''' (puer) || '''-i''' (pueri) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 属格 (genitivus) || '''-i''' (pueri) || '''-orum''' (puerorum) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 与格 (dativus) || '''-o''' (puero) || '''-is''' (pueris) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 対格 (accusativus) || '''-um''' (puerum) || '''-os''' (pueros) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 奪格 (ablativus) || '''-o''' (puero) || '''-is''' (pueris) |} 呼格は、主格と同形である。 {| |+ caption style="text-align:left;white-space:nowrap" | このパターンの格変化をする男性名詞 | gener, generi || 婿 |- | liberi, liberorum (pl.) || 子供達 |- | signifer, signiferi || 旗手 |- | socer, soceri || 舅 |- | vesper, vesperi || 夕方 |- | puer, pueri || 少年 |- | vir, viri || [[w:男|男]]、夫、立派な人物 |- | triumvir, triumviri || [[w:三頭政治|三頭政治家]] |} *このパターンの格変化をする女性名詞 *このパターンの格変化をする中性名詞 =====-, -i(語幹変化あり)===== 単数主格で語幹のみとなるパターンの2つ目は、語幹の変化を伴うものである。これは、単数主格以外では、語幹のeが約まって脱落する。「[[w:本|本]]」を意味する「liber, libri」を例に挙げて、格変化を示そう。 {| border="1" cellspacing="0" cellpadding="5" |- bgcolor="#CCCCCC" align="center" | bgcolor="#999999" | 数 (numerus) || 単数 (singularis) || 複数 (pluralis) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 主格 (nominativus) || '''-''' (liber) || '''-i''' (libri) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 属格 (genitivus) || '''-i''' (libri) || '''-orum''' (librorum) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 与格 (dativus) || '''-o''' (libro) || '''-is''' (libris) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 対格 (accusativus) || '''-um''' (librum) || '''-os''' (libros) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 奪格 (ablativus) || '''-o''' (libro) || '''-is''' (libris) |} 呼格は、主格と同形である。 {| |+ caption style="text-align:left;white-space:nowrap" | このパターンの格変化をする男性名詞 | ager, agri || [[w:畑|畑]] |- | aper, apri || [[w:イノシシ|猪]] |- | culter, cultri || [[w:ナイフ|ナイフ]] |- | faber, fabri || [[w:職人|職人]] |- | liber, libri || 本 |- | magister, magistri || [[w:教師|教師]] |} *このパターンの格変化をする女性名詞 *このパターンの各変化をする中性名詞 ==== I型格変化 ==== 三つ目の型は、I型の格変化である。属格複数形が-iumとなることに着目して、こう呼ばれる。属格単数形では、-isという形になるが、これは、I型のみならず、子音型でもそうである。I型の格変化にも、幾つかのパターンがある。 ===== -is, -is ===== 一つ目のパターンは、単数主格で-isとなるものである。このパターンには、単数対格が-im、単数奪格が-&#299;となるものと、単数対格が-em、単数奪格が-eとなるものの二種類がある。前者のみを真正のI型格変化とし、後者については混合型という全く別のの格変化(独:gemischte Deklination)として扱うものもある。しかし、これらは、辞書の形を見ただけでは区別することはできない。しかも、混合型の名詞でも、I型の単数奪格形を許容するものもある。したがって、ここでは区別しないことにする。その代り、I型か混合型かなどの註記を単語に附しておく。それでは、「[[w:塔|塔]]」を意味する「turris, turris」(I型)、「[[w:敵|敵]]」を意味する「hostis, hostis」(混合型)を例に挙げて、格変化を示そう。 {| border="1" cellspacing="0" cellpadding="5" |- bgcolor="#CCCCCC" align="center" | bgcolor="#999999" | 数 (numerus) || 単数 (singularis) || 複数 (pluralis) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 主格 (nominativus) || '''-is''' (turris, hostis) || '''-es''' (turres, hostes) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 属格 (genitivus) || '''-is''' (turris, hostis) || '''-ium''' (turrium, hostium) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 与格 (dativus) || '''-i''' (turri, hosti) || '''-ibus''' (turribus, hostibus) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 対格 (accusativus) || '''-im / -em''' (turrim, hostem) || '''-is (-es)''' (turris (turres), hostis (hostes)) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 奪格 (ablativus) || '''-i / -e''' (turri, hoste) || '''-ibus''' (turribus, hostibus) |} 呼格は、主格と同形である。 {| |+ caption style="text-align:left;white-space:nowrap" | このパターンの格変化をする男性名詞 | Albis, Albis(I型) || [[w:エルベ川|エルベ川]] |- | civis, civis (m./f.) || [[w:市民|市民]] |- | finis, finis || 終り |- | hostis, hostis (m./f.) || 敵 |- | ignis, ignis(混合型、但し単数奪格igniも可) || [[w:火|火]] |- | mensis, mensis || [[w:月 (暦)|月]](暦の) |- | Tiberis, Tiberis(I型) || [[w:ティベル川|ティベル川]] |- | testis, testis (m./f.) || [[w:証人|証人]] |} {| |+ caption style="text-align:left;white-space:nowrap" | このパターンの格変化をする女性名詞 | auris, auris || [[w:耳|耳]] |- | avis, avis || [[w:鳥|鳥]] |- | ;civis, civis (m./f.) || [[w:市民|市民]] |- | classis, classis(混合型) || [[w:艦隊|艦隊]]、組、[[w:階級|階級]] |- | febris, febris(I型) || [[w:熱|熱]] |- | hostis, hostis (m./f.) || 敵 |- | navis, navis(混合型、但し単数奪格naviも可) || [[w:船|船]] |- | Neapolis, Neapolis(I型) || ネアポリス(現在の[[w:ナポリ|ナポリ]]) |- | puppis, puppis(I型) || 船尾 |- | securis, securis(I型) || [[w:斧|斧]] |- | sitis, sitis(I型) || 喉の渇き |- | testis, testis (m./f.) || [[w:証人|証人]] |- | turris, turris(I型) || 塔 |- | tussis, tussis || [[w:咳|咳]] |- | vallis, vallis || [[w:谷|谷]] |} *このパターンの各変化をする中性名詞 ===== -es, -is ===== 二つ目のパターンは、単数主格で-esとなるものである。「[[w:キツネ|狐]]」を意味する「vulpes, vulpis」を例に挙げて、格変化を示そう。 {| border="1" cellspacing="0" cellpadding="5" |- bgcolor="#CCCCCC" align="center" | bgcolor="#999999" | 数 (numerus) || 単数 (singularis) || 複数 (pluralis) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 主格 (nominativus) || '''-es''' (vulpes) || '''-es''' (vulpes) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 属格 (genitivus) || '''-is''' (vulpis) || '''-ium''' (vulpium) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 与格 (dativus) || '''-i''' (vulpi) || '''-ibus''' (vulpibus) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 対格 (accusativus) || '''-em''' (vulpem) || '''-is (-es)''' (vulpis (vulpes)) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 奪格 (ablativus) || '''-e''' (vulpe) || '''-ibus''' (turribus) |} 呼格は、主格と同形である。 *このパターンの格変化をする男性名詞 {| |+ caption style="text-align:left;white-space:nowrap" | このパターンの格変化をする女性名詞 | aedes, aedis || [[w:家|家]] |- | caedes, caedis || 殺害、[[w:虐殺|虐殺]] |- | clades, cladis || 損害 |- | fames, famis || 空腹、飢餓 |- | nubes, nubis || [[w:雲|雲]] |- | vulpes, vulpis || 狐 |} *このパターンの各変化をする中性名詞 ===== -s, -is ===== 三つ目のパターンは、単数主格でsがつくものである。このパターンには、語幹は変化しないが、語幹の末尾の子音とsが融合するため、語幹が変化しているように見えるものが多い。具体的には、 * c+s=x * g+s=x * t+s=s * d+s=s となる。それでは、「[[w:木の葉|木の葉]]」を意味する「frons, frondis」と「額」を意味する「frons, frontis」を例に挙げて、格変化を示そう。 {| border="1" cellspacing="0" cellpadding="5" |- bgcolor="#CCCCCC" align="center" | bgcolor="#999999" | 数 (numerus) || 単数 (singularis) || 複数 (pluralis) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 主格 (nominativus) || '''-s''' (frons, frons) || '''-es''' (frondes, frontes) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 属格 (genitivus) || '''-is''' (frondis, frontis) || '''-ium''' (frondium, frontium) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 与格 (dativus) || '''-i''' (frondi, fronti) || '''-ibus''' (frondibus, frontibus) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 対格 (accusativus) || '''-em''' (frondem, frontem) || '''-is (-es)''' (frondis (frondes), frontis (frontes)) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 奪格 (ablativus) || '''-e''' (fronde, fronte) || '''-ibus''' (frondibus, frontibus) |} 呼格は、主格と同形である。 {| |+ caption style="text-align:left;white-space:nowrap" | このパターンの格変化をする男性名詞 | adulescens, adulescentis (m./f.) || [[w:青年|青年]] |- | dens, dentis || [[w:歯|歯]] |- | fons, fontis || [[w:泉|泉]]、源 |- | infans, infantis (m./f.) || [[w:幼児|幼児]] |} {| |+ caption style="text-align:left;white-space:nowrap" | このパターンの格変化をする女性名詞 | adulescens, adulescentis (m./f.) || 青年 |- | ars, artis || 術、技、業 |- | frons, frondis || 木の葉 |- | frons, frontis || [[w:額|額]] |- | gens, gentis || [[w:種族|種族]]、[[w:人種|人種]] |- | infans, infantis (m./f.) || 幼児 |- | mors, mortis || [[w:死|死]] |- | nox, noctis || [[w:夜|夜]] |- | pars, partis || [[w:部分|部分]] |- | serpens, serpentis || [[w:蛇|蛇]] |- | urbs, urbis || [[w:都|都]] |} *このパターンの各変化をする中性名詞 ===== -, -is(語幹変化あり) ===== 四つ目のパターンは、単数主格で語幹のみとなり、語幹が変化するものである。そもそも、単数主格で語幹のみとなるパターンには二種類あり、上記の三つの格変化のパターンと大体似ているものと、そうでないものがある。前者は、主格単数で-erという語幹をもつものであり、ここで取上げるものである。後者は、主格単数で-al, -arという流音幹をもつものであり、次に取上げるものである。それでは、前者のパターンの格変化を見てみよう。「[[w:大雨|大雨]]」を意味する「imber, imbris」を例に挙げて、格変化を示そう。 {| border="1" cellspacing="0" cellpadding="5" |- bgcolor="#CCCCCC" align="center" | bgcolor="#999999" | 数 (numerus) || 単数 (singularis) || 複数 (pluralis) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 主格 (nominativus) || '''-''' (imber) || '''-es''' (imbres) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 属格 (genitivus) || '''-is''' (imbris) || '''-ium''' (imbrium) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 与格 (dativus) || '''-i''' (imbri) || '''-ibus''' (imbribus) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 対格 (accusativus) || '''-em''' (imbrem) || '''-is (-es)''' (imbris (imbres)) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 奪格 (ablativus) || '''-e (-i)''' (imbre (imbri)) || '''-ibus''' (imbribus) |} 呼格は、主格と同形である。 {| |+ style="text-align:left;white-space:nowrap" | このパターンの格変化をする男性名詞 | imber, imbris || 大雨 |- | venter, ventris || [[w:腹|腹]] |} {| |+ style="text-align:left;white-space:nowrap" | このパターンの格変化をする女性名詞 | linter, lintris || [[w:艀|艀]] |} *このパターンの各変化をする中性名詞 ===== -, -is(語幹変化なし) ===== 五つ目のパターンは、単数主格で語幹のみとなり、語幹が変化しないものである。「[[w:動物|動物]]」を意味する「animal, animalis」を例に挙げて、格変化を示そう。 {| border="1" cellspacing="0" cellpadding="5" |- bgcolor="#CCCCCC" align="center" | bgcolor="#999999" | 数 (numerus) || 単数 (singularis) || 複数 (pluralis) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 主格 (nominativus) || '''-''' (animal) || '''-ia''' (animalia) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 属格 (genitivus) || '''-is''' (animalis) || '''-ium''' (animalium) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 与格 (dativus) || '''-i''' (animali) || '''-ibus''' (animalibus) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 対格 (accusativus) || '''-''' (animal) || '''-ia''' (animalia) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 奪格 (ablativus) || '''-i''' (animali) || '''-ibus''' (animalibus) |} 呼格は、主格と同形である。 *このパターンの格変化をする男性名詞 *このパターンの格変化をする女性名詞 {| |+ style="text-align:left;white-space:nowrap" | このパターンの格変化をする中性名詞 | animal, animalis || 動物 |- | calcar, calcaris || [[w:拍車|拍車]] |- | exemplar, exemplaris || [[w:写し|写し]]、模範 |- | tribunal, tribunalis || 古代ローマ大官の座席のあった高段、[[w:法廷|法廷]] |- | vectigal, vectigalis || [[w:税|税]] |} ===== -e, -is ===== 六つ目のパターンは、単数主格で-e、単数属格で-isとなるものである。これは、五つ目のパターンの亜種である。「[[w:海|海]]」を意味する「mare, maris」を例に挙げて、格変化を示そう。 {| border="1" cellspacing="0" cellpadding="5" |- bgcolor="#CCCCCC" align="center" | bgcolor="#999999" | 数 (numerus) || 単数 (singularis) || 複数 (pluralis) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 主格 (nominativus) || '''-e''' (mare) || '''-ia''' (maria) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 属格 (genitivus) || '''-is''' (maris) || '''-ium''' (marium) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 与格 (dativus) || '''-i''' (mari) || '''-ibus''' (maribus) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 対格 (accusativus) || '''-e''' (mare) || '''-ia''' (maria) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 奪格 (ablativus) || '''-i''' (mari) || '''-ibus''' (maribus) |} 呼格は、主格と同形である。 *このパターンの格変化をする男性名詞 *このパターンの格変化をする女性名詞 {| |+ style="text-align:left;white-space:nowrap" | このパターンの格変化をする中性名詞 | cubile, cubilis || [[w:ベッド|寝台]] |- | conclave, conclavis || [[w:部屋|部屋]] |- | mare, maris || 海 |} ==== 子音型格変化 ==== 四つ目の型は、子音型の格変化である。先程、属格複数形が-iumとなるものをI型の格変化と呼ぶことを見た。これに似た格変化のパターンが幾つかあり、それらは属格複数形が-子音+umとなるので、子音型の格変化と呼ばれる。属格単数形では、-isという形になるが、これはI型と同じである。中性の語は独特のパターンを取り、その他の語は、語幹によって、流音幹(独:Liquidastämme)・鼻音幹(独:Nasalstämme)・黙音幹(独:Mutastämme)に区別する。 ===== 中性:-, -is(語幹変化あり) ===== 一つ目のパターンは、中性名詞の格変化である。単数主格及び単数対格と、それ以外では、語幹の形が変化する。「[[w:体|体]]」を意味する「corpus, corporis」を例に挙げて、格変化を示そう。 {| border="1" cellspacing="0" cellpadding="5" |- bgcolor="#CCCCCC" align="center" | bgcolor="#999999" | 数 (numerus) || 単数 (singularis) || 複数 (pluralis) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 主格 (nominativus) || '''-''' (corpus) || '''-a''' (corpora) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 属格 (genitivus) || '''-is''' (corporis) || '''-um''' (corporum) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 与格 (dativus) || '''-i''' (corpori) || '''-ibus''' (corporibus) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 対格 (accusativus) || '''-''' (corpus) || '''-a''' (corpora) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 奪格 (ablativus) || '''-e''' (corpore) || '''-ibus''' (corporibus) |} 呼格は、主格と同形である。 *このパターンの格変化をする男性名詞 *このパターンの格変化をする女性名詞 {| |+ style="text-align:left;white-space:nowrap" | このパターンの格変化をする中性名詞 | agmen, agminis || 動き、行軍縦隊 |- | caput, capitis || [[w:頭|頭]] |- | carmen, carminis || [[w:歌|歌]] |- | corpus, corporis || 体 |- | frigus, frigoris || 寒さ |- | genus, generis || 出自、[[w:家門|家門]]、[[w:種属|種属]] |- | iter, itineris || [[w:旅|旅]] |- | ius, iuris || [[w:法律|法]] |- | litus, litoris || [[w:岸|岸]] |- | lumen, luminis || [[w:光|光]] |- | nomen, nominis || [[w:名|名]] |- | opus, operis || [[w:仕事|仕事]]、努力、[[w:事業|事業]]、[[w:著作物|著作物]] |- | rus, ruris || [[w:田野|田野]]、[[w:田舎|田舎]] |- | sidus, sideris || [[w:星座|星座]] |- | tempus, temporis || [[w:時間|時間]]、[[w:時代|時代]]、[[w:時勢|時勢]]、[[w:時機|時機]] |- | vulnus, vulneris || [[w:傷|傷]] |} ===== 流音幹:-, -is(語幹変化なし) ===== 二つ目のパターンは、流音幹である。これには、単数主格とそれ以外で語幹の形が変わるものと、変らないものがある。まずは、語幹変化のないものを見よう。この場合、全く語幹が変化しないものもあるが、語幹の末尾のsが母音に挟まれてrとなるため、語幹が変化しているように見えるものもある。「[[w:愛|愛]]」を意味する「amor, amoris」と「花」を意味する「flos, floris」を例に挙げて、格変化を示そう。 {| border="1" cellspacing="0" cellpadding="5" |- bgcolor="#CCCCCC" align="center" | bgcolor="#999999" | 数 (numerus) || 単数 (singularis) || 複数 (pluralis) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 主格 (nominativus) || '''-''' (amor, flos) || '''-es''' (amores, flores) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 属格 (genitivus) || '''-is''' (amoris, floris) || '''-um''' (amorum, florum) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 与格 (dativus) || '''-i''' (amori, flori) || '''-ibus''' (amoribus, floribus) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 対格 (accusativus) || '''-em''' (amorem, florem) || '''-es''' (amores, flores) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 奪格 (ablativus) || '''-e''' (amore, flore) || '''-ibus''' (amoribus, floribus) |} 呼格は、主格と同形である。 {| |+ style="text-align:left;white-space:nowrap" | このパターンの格変化をする男性名詞 | amor, amoris || 愛 |- | augur, auguris (m./f.) || [[w:鳥占官|鳥占官]] |- | Caesar, Caesaris || [[w:カエサル|カエサル]] |- | clamor, clamoris || [[w:叫び|叫び]]、歓声 |- | color, coloris || [[w:色|色]] |- | consul, consulis || [[w:執政官|執政官]] |- | dolor, doloris || 痛み、苦しみ |- | exsul, exsulis (m./f.) || 追放された人 |- | flos, floris || [[w:花|花]] |- | fur, furis || [[w:泥棒|泥棒]] |- | honos (honor), honoris || [[w:名誉|名誉]] |- | imperator, imperatoris || 命令者、[[w:大元帥|大元帥]](最高指揮官) |- | labor, laboris || [[w:労働|労働]] |- | mercator, mercatoris || [[w:商人|商人]] |- | mos, moris || [[w:習慣|習慣]] |- | odor, odoris || [[w:匂い|匂い]] |- | senator, senatoris || [[w:元老院議員|元老院議員]] |- | sol, solis || [[太陽]] |- | orator, oratoris || [[w:雄弁家|雄弁家]] |- | victor, victoris || [[w:勝利者|勝利者]] |} {| |+ style="text-align:left;white-space:nowrap" | このパターンの格変化をする女性名詞 | arbor, arboris || [[w:木|木]] |- | augur, augiris (m./f.) || 鳥占官 |- | exsul, exsulis (m./f.) || 追放された人 |- | mulier, mulieris || [[w:夫人|夫人]] |- | soror, sororis || [[w:姉妹|姉妹]] |- | uxor, uxoris || [[w:妻|妻]] |} *このパターンの各変化をする中性名詞 ===== 流音幹:-, -is(語幹変化あり) ===== 三つ目のパターンは、流音幹のうち、語幹変化のあるものである。「[[w:父|父]]」を意味する「pater, patris」「[[w:母|母]]」を意味する「mater, matris」を例に挙げて、格変化を示そう。 {| border="1" cellspacing="0" cellpadding="5" |- bgcolor="#CCCCCC" align="center" | bgcolor="#999999" | 数 (numerus) || 単数 (singularis) || 複数 (pluralis) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 主格 (nominativus) || '''-''' (pater, mater) || '''-es''' (patres, matres) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 属格 (genitivus) || '''-is''' (patris, matris) || '''-um''' (patrum, matrum) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 与格 (dativus) || '''-i''' (patri, matri) || '''-ibus''' (patribus, matribus) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 対格 (accusativus) || '''-em''' (patrem, matrem) || '''-es''' (patres, matres) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 奪格 (ablativus) || '''-e''' (patre, matre) || '''-ibus''' (patribus, matribus) |} 呼格は、主格と同形である。 {| |+ style="text-align:left;white-space:nowrap" | このパターンの格変化をする男性名詞 | pater, patris || 父 |- | frater, fratris || [[w:兄弟|兄弟]] |} {| |+ style="text-align:left;white-space:nowrap" | このパターンの格変化をする女性名詞 | mater, matris || 母 |} *このパターンの格変化をする中性名詞 ===== 鼻音幹:-, -is(語幹変化あり、n語幹) ===== 四つ目のパターンは、鼻音幹のうち、主格単数で語幹のみ、属格単数で-isとなるものである。これは、単数主格とそれ以外で語幹の形が変わる。そもそも、鼻音幹には、m語幹とn語幹があるが、ここで扱うのはn語幹である(m語幹については、次で扱う)。「[[w:ヒト|ヒト]]」を意味する「hom&#333;, hominis」を例に挙げて、格変化を示そう。 {| border="1" cellspacing="0" cellpadding="5" |- bgcolor="#CCCCCC" align="center" | bgcolor="#999999" | 数 (numerus) || 単数 (singularis) || 複数 (pluralis) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 主格 (nominativus) || '''-''' (homo) || '''-es''' (homin&#275;s) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 属格 (genitivus) || '''-is''' (hominis) || '''-um''' (hominum) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 与格 (dativus) || '''-i''' (homini) || '''-ibus''' (hominibus) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 対格 (accusativus) || '''-em''' (hominem) || '''-es''' (homin&#275;s) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 奪格 (ablativus) || '''-e''' (homine) || '''-ibus''' (hominibus) |} 呼格は、主格と同形である。 {| |+ style="text-align:left;white-space:nowrap" | このパターンの格変化をする男性名詞 | Apoll&#333;, Apollinis || [[w:アポロー|アポロー]] |- | Cicer&#333;, Ciceronis || [[w:キケロー|キケロー]] |- | homo, hominis (m./f.) || 人 |- | latro, latronis || [[w:強盗|強盗]] |- | leo, leonis || [[w:ライオン|ライオン]] |- | sermo, sermonis || 言葉、説法、会話 |} {| |+ style="text-align:left;white-space:nowrap" | このパターンの格変化をする女性名詞 | formido, formidinis || 恐怖 |- | grando, grandinis || [[w:雹|雹]] |- | homo, hominis (m./f.) || 人 |- | imago, imaginis || 像、映像、似姿、肖像、幻影、表象 |- | legio, legionis || [[w:軍団|軍団]] |- | libido, libidinis || 欲望、情欲、気まぐれ(参照:フロイトの[[w:リビドー|リビドー]]) |- | multitudo, multitudinis || [[w:多数|多数]] |- | natio, nationis || [[w:出生|出生]]、[[w:種属|種属]]、[[w:人種|人種]]、[[w:部族|部族]]、[[w:国民|国民]] |- | opinio, opinionis || [[w:意見|意見]](opinor, opinari, opinatus sumから) |- | oratio, orationis || [[w:演説|演説]] |- | ordo, ordinis || [[w:順序|順序]]、[[w:列|列]]、[[w:秩序|秩序]] |- | pulchritudo, pulchritudinis || [[w:美|美]] |- | regio, regionis || [[w:地方|地方]] |- | virgo, virginis || [[w:処女|処女]] |} *このパターンの各変化をする中性名詞 ===== 鼻音幹:-s, -is(語幹変化なし、m語幹) ===== 五つ目のパターンは、鼻音幹のうち、主格単数で-s、属格単数で-isとなるものである。これは、単数主格とそれ以外で語幹の形が変わらず、m語幹である。このような語は、「[[w:冬|冬]]」を意味する「hiems, hiemis」しかない。 {| border="1" cellspacing="0" cellpadding="5" |- bgcolor="#CCCCCC" align="center" | bgcolor="#999999" | 数 (numerus) || 単数 (singularis) || 複数 (pluralis) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 主格 (nominativus) || '''-s''' (hiems) || '''-es''' (hiemes) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 属格 (genitivus) || '''-is''' (hiemis) || '''-um''' (hiemum) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 与格 (dativus) || '''-i''' (hiemi) || '''-ibus''' (hiemibus) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 対格 (accusativus) || '''-em''' (hiemem) || '''-es''' (hiemes) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 奪格 (ablativus) || '''-e''' (hieme) || '''-ibus''' (hiemibus) |} 呼格は、主格と同形である。 *このパターンの格変化をする男性名詞 {| |+ style="text-align:left;white-space:nowrap" | このパターンの格変化をする女性名詞 | hiems, hiemis || 冬、[[w:嵐|嵐]](動詞形はhiemo, hiemare, hiemavi, hiematum) |} *このパターンの各変化をする中性名詞 ===== 黙音幹:-s, -is(語幹変化なし) ===== 六つ目のパターンは、黙音幹(破裂音の語幹)である。単数主格で-s、単数属格で-isの語尾がつく。語幹変化はないのであるが、語幹の末尾の子音と、単数主格の語尾であるsが、口調の関係で表記が変わることがある。このため、語幹変化があるように見える。具体的には、 * c+s=x * g+s=x * t+s=s * d+s=s となる。これに対して、pとbについては、そのままとなる。それでは、実定法としての「[[w:法 (法学)|法]]」を意味する「l&#275;x, l&#275;gis」を例に挙げて、格変化を示そう。 {| border="1" cellspacing="0" cellpadding="5" |- bgcolor="#CCCCCC" align="center" | bgcolor="#999999" | 数 (numerus) || 単数 (singularis) || 複数 (pluralis) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 主格 (nominativus) || '''-s''' (lex) || '''-es''' (leges) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 属格 (genitivus) || '''-is''' (legis) || '''-um''' (legum) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 与格 (dativus) || '''-i''' (legi) || '''-ibus''' (legibus) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 対格 (accusativus) || '''-em''' (legem) || '''-es''' (leges) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 奪格 (ablativus) || '''-e''' (lege) || '''-ibus''' (legibus) |} 呼格は、主格と同形である。 {| |+ style="text-align:left;white-space:nowrap" | このパターンの格変化をする男性名詞 | custos, custodis (m./f.) || [[w:番人|番人]] |- | dux, ducis (m./f.) || [[w:リーダー|リーダー]]、[[w:ガイド|ガイド]](duco, ducere, duxi, ductum(導く)から) |- | eques, equitis || [[w:騎兵|騎兵]]、[[w:騎士|騎士]] |- | hospes, hospitis (m./f.) || [[w:お客|お客]] |- | iudex, iudicis (m./f.) || [[w:裁判官|裁判官]](iudico, iudicare, iudicavi, iudicatum = ius, iuris (法)+ dico, dicere, dixi, dictum(語る)から) |- | lapis, lapidis || [[w:石|石]] |- | miles, militis || [[w:兵士|兵士]] |- | obses, obsidis || [[w:人質|人質]] |- | pedes, peditis || [[w:歩行者|歩行者]]、歩兵 |- | pes, pedis || [[w:足|足]] |- | pr&#299;nceps, principis || [[w:発起人|発起人]]、[[w:首謀者|首謀者]]、[[w:長|長]]、[[w:君主|君主]]([[w:プリーンケプス|プリーンケプス]])(primus, prima, primum + capio, capere, cepi, captumから) |- | rex, regis || [[w:王|王]](rego, regere, rexi, rectum(統治する・規定する)から) |- | sacerdos, sacerdotis (m./f.) || [[w:神官|神官]] |} {| |+ style="text-align:left;white-space:nowrap" | このパターンの格変化をする女性名詞 | aetas, aetatis || [[w:年齢|年齢]] |- | civitas, civitatis || [[w:市民|市民]] (civis, civis) の共同体、[[w:国家|国家]] |- | custos, custodis (m./f.) || [[w:番人|番人]] |- | dux, ducis (m./f.) || ガイド、リーダー |- | facultas, facultatis || [[w:可能性|可能性]]、[[w:許可|許可]]、[[w:能力|能力]]、[[w:才能|才能]]、特に[[w:弁舌|弁舌]]の才能(facilis, facile(容易な・実行可能な)と同根) |- | hospes, hospitis (m./f.) || お客 |- | iudex, iudicis (m./f.) || 裁判官 |- | laus, laudis || [[w:賞賛|賞賛]] |- | lex, legis || [[w:法律|法律]] |- | lux, lucis || 光、[[w:輝き|輝き]] |- | obses, obsidis (m./f.) || [[w:人質|人質]] |- | pax, pacis || [[w:平和|平和]] |- | plebs, plebis || [[w:平民|平民]] |- | quies, quietis || [[w:休息|休息]] |- | radix, radicis || [[w:根|根]] |- | sacerdos, sacerdotis (m./f.) || 神官 |- | salus, salutis || [[w:安全|安全]] |- | virtus, virtutis || [[w:徳|徳]] |- | vox, vocis || [[w:声|声]] |} *このパターンの各変化をする中性名詞 ==== U型格変化 ==== 五つ目の型は、U型の格変化である。属格複数形が-uumとなることに着目して、こう呼ばれる。属格単数形では、-u&#363;sという形になる。単数主格が-usとなるパターンと、単数主格が-&#363;となるパターンがある。 ===== -us, -&#363;s ===== 一つ目のパターンは、単数主格で-usとなるものである。「[[w:贅沢|贅沢]]」を意味する「luxus, luxus」を例に挙げて、格変化を示そう。 {| border="1" cellspacing="0" cellpadding="5" |- bgcolor="#CCCCCC" align="center" | bgcolor="#999999" | 格\数 || 単数 (singularis) || 複数 (pluralis) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 主格 (nominativus) || '''-us''' (luxus) || '''-us''' (luxus) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 属格 (genitivus) || '''-us''' (luxus) || '''-uum''' (luxuum) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 与格 (dativus) || '''-ui''' (luxui) || '''-ibus''' (luxibus) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 対格 (accusativus) || '''-um''' (luxum) || '''-us''' (luxus) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 奪格 (ablativus) || '''-u''' (luxu) || '''-ibus''' (luxibus) |} 呼格は、主格と同形である。 {| |+ style="text-align:left;white-space:nowrap" | このパターンの格変化をする男性名詞 | adventus, adventus || [[w:到着|到着]] |- | arcus, arcus || [[w:弓|弓]]、[[w:アーチ|アーチ]] |- | casus, casus || 落ちること、[[w:事件|事件]]、不幸(cado, cecidi, casum, cadere(落ちる)から; casu:偶然に; casus belli:戦争の場合; casus major:[[w:不可抗力|不可抗力]]; casum senit dominus:所有者が危険を負担する(参照:[[w:危険負担|危険負担]]); casus a nemine praestatur:災害は何人も責任なし) |- | cultus, cultus || [[w:耕作|耕作]]、[[w:世話|世話]]、養育、生活法、[[w:教養|教養]]、尊敬、[[w:祭祀|祭祀]](colo, colui, cultum, colere(耕す、世話をする、保護する)から) |- | currus, currus || [[w:車|車]] |- | cursus, cursus || コース |- | equitatus, equitatus || [[w:騎兵隊|騎兵隊]] |- | exercitus, exercitus || [[w:軍隊|軍隊]] |- | fluctus, fluctus || [[w:波|波]] |- | fructus, fructus || [[w:果実|果実]](fructus civilis:[[w:法定果実|法定果実]]、fructus naturalis:[[w:天然果実|天然果実]]、fructus exstantes:現存果実) |- | impetus, impetus || [[w:攻撃|攻撃]] |- | luxus, luxus || 贅沢 |- | metus, metus || 恐れ |- | peditatus, peditatus || [[w:歩兵隊|歩兵隊]] |- | pulsus, pulsus || 打つこと |- | sexus, sexus || [[w:性|性]](seco, secui, sectum, secare(区分する)から) |- | tonitrus, tonitrus || [[w:雷|雷]] |- | tumultus, tumultus || 騒ぎ |- | usus, usus || [[w:使用|使用]] |- | vultus, vultus || 顔つき |} {| |+ style="text-align:left;white-space:nowrap" | このパターンの格変化をする女性名詞 | acus, acus || [[w:針|針]] |- | ficus, ficus || [[w:イチジク|無花果]](ficus, ficiとも) |- | laurus, laurus || 月桂樹(laurus, lauriとも) |- | myrtus, myrtus || [[w:ミルト|ミルト]](myrtus, myrtiとも) |- | porticus, porticus || [[w:柱廊|柱廊]] |- | quercus, quercus || [[w:樫|樫]] |- | tribus, tribus || [[w:種族|種族]] |} *このパターンの各変化をする中性名詞 ===== -u(長音), -us(長音) ===== 二つ目のパターンは、単数主格で-u(長音)となるものである。「[[w:角|角]]」を意味する「cornu, cornus」を例に挙げて、格変化を示そう。 {| border="1" cellspacing="0" cellpadding="5" |- bgcolor="#CCCCCC" align="center" | bgcolor="#999999" | 数 (numerus) || 単数 (singularis) || 複数 (pluralis) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 主格 (nominativus) || '''-u''' (cornu) || '''-ua''' (cornua) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 属格 (genitivus) || '''-us''' (cornus) || '''-uum''' (cornuum) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 与格 (dativus) || '''-ui (-u)''' (cornui (cornu)) || '''-ibus''' (cornibus) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 対格 (accusativus) || '''-u''' (cornu) || '''-ua''' (cornua) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 奪格 (ablativus) || '''-u''' (cornu) || '''-ibus''' (cornibus) |} 呼格は、主格と同形である。 *このパターンの格変化をする男性名詞 *このパターンの格変化をする女性名詞 {| |+ style="text-align:left;white-space:nowrap" | このパターンの格変化をする中性名詞 | cornu, cornus || 角 |- | genu, genus || [[w:膝|膝]] |- | veru, verus || [[w:焼き串|焼き串]] |} ==== E型格変化:-es, -ei ==== 六つ目の型は、E型の格変化である。属格複数形が-erumとなることに着目して、こう呼ばれる。主格単数形・属格単数形では、「'''-es, -ei'''」という形になる。この一パターンしかない。「[[w:こと|こと]]」を意味する「res, rei」を例に挙げて、格変化を示そう。 {| border="1" cellspacing="0" cellpadding="5" |- bgcolor="#CCCCCC" align="center" | bgcolor="#999999" | 格\数 || 単数 (singularis) || 複数 (pluralis) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 主格 (nominativus) || '''-es''' (res) || '''-es''' (res) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 属格 (genitivus) || '''-ei''' (rei) || '''-erum''' (rerum) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 与格 (dativus) || '''-ei''' (rei) || '''-ebus''' (rebus) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 対格 (accusativus) || '''-em''' (rem) || '''-es''' (res) |- | bgcolor="#CCCCCC" | 奪格 (ablativus) || '''-e''' (re) || '''-ebus''' (rebus) |} 呼格は、主格と同形である。 {| |+ style="text-align:left;white-space:nowrap" | このパターンの格変化をする男性名詞 | dies, diei || [[w:日|日]](暦の / 単数では女性のこともある) |} {| |+ style="text-align:left;white-space:nowrap" | このパターンの格変化をする女性名詞 | acies, aciei || 戦線、刃 |- | bona fides, bonae fidei || [[w:善意|善意]] |- | effigies, effigiei || 姿 |- | fides, fidei || [[w:信義|信義]] |- | materies, materiei || [[w:物質|物質]] |- | res publica, rei publicae || [[w:公共体|公共体]](独:Gemeinwesen) |- | series, seriei || 繋がり、[[w:系列|系列]] |- | species, speciei || 顔付き |- | spes, spei || [[w:希望|希望]] |} * このパターンの各変化をする中性名詞 ==== 不規則な格変化 ==== ===== domus, domus(長音) ===== 長音は、O型とU型の入り混じった不規則な格変化をする。 {| border="1" cellspacing="0" cellpadding="5" |- bgcolor="#CCCCCC" align="center" | bgcolor="#999999"|格\数 |単数 (singularis) |複数 (pluralis) |- | bgcolor="#CCCCCC"|主格 (nominativus) |'''domus''' |'''domus''' |- | bgcolor="#CCCCCC"|属格 (genitivus) |'''domus''' |'''domorum (domuum)''' |- | bgcolor="#CCCCCC"|与格 (dativus) |'''domui''' |'''domibus''' |- | bgcolor="#CCCCCC"|対格 (accusativus) |'''domum''' |'''domos (domus)''' (res) |- |- | bgcolor="#CCCCCC"|奪格 (ablativus) |'''domo (domu)''' |'''domibus''' |} 呼格は、主格と同形である。地格(家で)は、'''domi'''である。「家に」は対格を、「家から」は奪格 (domo) を用いる。 === 形容詞 (adiectum) の格変化 (declinatio) === === 代名詞の格変化 (declinatio) === ==== 人称代名詞の格変化 ==== 下記に人称代名詞の格変化を示しておく。「is, ea, id」については、指示代名詞に含めることもあるが、現代語の「er, sie, es」や「he, she, it」に相当する働きをすることから、ここでは人称代名詞の一つとして扱っておこう。 {| border="1" cellspacing="0" cellpadding="5" |- bgcolor="#CCCCCC" align="center" | bgcolor="#999999" colspan="2"|数・格\人称 |一人称 (prima) 通性 |二人称 (secunda) 通性 |三人称 (tertia) 男性 |三人称 (tertia) 女性 |三人称 (tertia) 中性 |- | bgcolor="#999999" rowspan="5"|単数 (singularis) | bgcolor="#CCCCCC"|主格 (nominativus) |'''ego''' |'''tu''' |'''is''' |'''ea''' |'''id''' |- | bgcolor="#CCCCCC"|属格 (genitivus) |'''mei''' |'''tui''' |'''eius''' |'''eius''' |'''eius''' |- | bgcolor="#CCCCCC"|与格 (dativus) |'''mihi''' |'''tibi''' |'''ei''' |'''ei''' |'''ei''' |- | bgcolor="#CCCCCC"|対格 (accusativus) |'''me''' |'''te''' |'''eum''' |'''eam''' |'''id''' |- | bgcolor="#CCCCCC"|奪格 (ablativus) |'''me''' |'''te''' |'''eo''' |'''ea''' |'''eo''' |- | bgcolor="#999999" rowspan="5"|複数 (pluralis) | bgcolor="#CCCCCC"|主格 (nominativus) |'''nos''' |'''vos''' |'''ii (ei)''' |'''eae''' |'''ea''' |- | bgcolor="#CCCCCC"|属格 (genitivus) |'''nostrum, nostri''' |'''vestrum, vestri''' |'''eorum''' |'''earum''' |'''eorum''' |- | bgcolor="#CCCCCC"|与格 (dativus) |'''nobis''' |'''vobis''' |'''iis (eis)''' |'''iis (eis)''' |'''iis (eis)''' |- | bgcolor="#CCCCCC"|対格 (accusativus) |'''nos''' |'''vos''' |'''eos''' |'''eas''' |'''ea''' |- | bgcolor="#CCCCCC"|奪格 (ablativus) |'''nobis''' |'''vobis''' |'''iis (eis)''' |'''iis (eis)''' |'''iis (eis)''' |} ==== 再帰代名詞の格変化 ==== 再帰代名詞は、主語を受ける代名詞である(このため主格はない)。ドイツ語の再帰代名詞に属格はないし、奪格に至っては格自体がそもそも存在しないが、ラテン語の再帰代名詞には属格も奪格も備わっている。ドイツ語と同じく、性の区別はない。 {| border="1" cellspacing="0" cellpadding="5" |- bgcolor="#CCCCCC" align="center" | bgcolor="#999999" colspan="2"|数・格\人称 |一人称 (prima) 通性 |二人称 (secunda) 通性 |三人称 (tertia) 通性 |- | bgcolor="#999999" rowspan="5"|単数 (singularis) | bgcolor="#CCCCCC"|主格 (nominativus) | - | - | - |- | bgcolor="#CCCCCC"|属格 (genitivus) |'''mei''' |'''tui''' |'''sui''' |- | bgcolor="#CCCCCC"|与格 (dativus) |'''mihi''' |'''tibi''' |'''sibi''' |- | bgcolor="#CCCCCC"|対格 (accusativus) |'''me''' |'''te''' |'''se (sese)''' |- | bgcolor="#CCCCCC"|奪格 (ablativus) |'''me''' |'''te''' |'''se (sese)''' |- | bgcolor="#999999" rowspan="5"|複数 (pluralis) | bgcolor="#CCCCCC"|主格 (nominativus) | - | - | - |- | bgcolor="#CCCCCC"|属格 (genitivus) |'''nostri''' |'''vostri''' |'''sui''' |- | bgcolor="#CCCCCC"|与格 (dativus) |'''nobis''' |'''vobis''' |'''sibi''' |- | bgcolor="#CCCCCC"|対格 (accusativus) |'''nos''' |'''vos''' |'''se (sese)''' |- | bgcolor="#CCCCCC"|奪格 (ablativus) |'''nobis''' |'''vobis''' |'''se (sese)''' |} '''sese'''は、主として雅文に用いられる。 ==== 指示代名詞の格変化 ==== 指示代名詞というと「近称 (questo/questa, dieser/diese/dieses, this)/ 遠称 (quel/quella, jener/jene/jenes, that)」と思いがちであるが、ラテン語ではやや異なる。律儀なことに、ラテン語には、指示代名詞にも一人称、二人称、三人称がある。そもそも人称とは何かを考えてみると、一人称とは話し手がテーマであるということであり、二人称とは話しの相手がテーマであるということであり、三人称とは、話し手でも話し相手でもない何者かがテーマであるということである。そう考えると、指示代名詞に一人称、二人称、三人称があってもおかしくない。つまり、一人称の指示代名詞は話し手の身近にあるものを指し、二人称の指示代名詞は話し相手の身近にあるものを指し、三人称の指示代名詞は、話し手にとっても話し相手にとっても身近でないものを指す(直接にその人を指すわけではないので、一人称「的」などという)。このような指示代名詞のあり方は、現代では[[スペイン語]]に残っている(一人称:este/esta、二人称:ese/esa、三人称:aquel/aquella)。 {| border="1" cellspacing="0" cellpadding="5" |- bgcolor="#CCCCCC" align="center" | bgcolor="#999999" colspan="2"|人称 (persona) | colspan="3"|一人称 (prima) | colspan="3"|二人称 (secunda) | colspan="3"|三人称 (tertia) |- bgcolor="#CCCCCC" align="center" | bgcolor="#999999" colspan="2"|性 (genus) |男性 |女性 |中性 |男性 |女性 |中性 |男性 |女性 |中性 |- | bgcolor="#999999" rowspan="5"|単数 (singularis) | bgcolor="#CCCCCC"|主格 (nominativus) |'''hic''' |'''haec''' |'''hoc''' |'''iste''' |'''ista''' |'''istud''' |'''ille''' |'''illa''' |'''illud''' |- | bgcolor="#CCCCCC"|属格 (genitivus) |'''huius''' |'''huius''' |'''huius''' |'''istius''' |'''istius''' |'''istius''' |'''illius''' |'''illius''' |'''illius''' |- | bgcolor="#CCCCCC"|与格 (dativus) |'''huic''' |'''huic''' |'''huic''' |'''isti''' |'''isti''' |'''isti''' |'''illi''' |'''illi''' |'''illi''' |- | bgcolor="#CCCCCC"|対格 (accusativus) |'''hunc''' |'''hanc''' |'''hoc''' |'''istum''' |'''istam''' |'''istud''' |'''illum''' |'''illam''' |'''illud''' |- | bgcolor="#CCCCCC"|奪格 (ablativus) |'''hoc''' |'''hac''' |'''hoc''' |'''isto''' |'''ista''' |'''isto''' |'''illo''' |'''illa''' |'''illo''' |- | bgcolor="#999999" rowspan="5"|複数 (pluralis) | bgcolor="#CCCCCC"|主格 (nominativus) |'''hi''' |'''hae''' |'''haec''' |'''isti''' |'''istae''' |'''ista''' |'''illi''' |'''illae''' |'''illa''' |- | bgcolor="#CCCCCC"|属格 (genitivus) |'''horum''' |'''harum''' |'''horum''' |'''istorum''' |'''istarum''' |'''istorum''' |'''illorum''' |'''illarum''' |'''illorum''' |- | bgcolor="#CCCCCC"|与格 (dativus) |'''his''' |'''his''' |'''his''' |'''istis''' |'''istis''' |'''istis''' |'''illis''' |'''illis''' |'''illis''' |- | bgcolor="#CCCCCC"|対格 (accusativus) |'''hos''' |'''has''' |'''haec''' |'''istos''' |'''istas''' |'''ista''' |'''illos''' |'''illas''' |'''illa''' |- | bgcolor="#CCCCCC"|奪格 (ablativus) |'''his''' |'''his''' |'''his''' |'''istis''' |'''istis''' |'''istis''' |'''illis''' |'''illis''' |'''illis''' |} その他、同一性を示す指示代名詞と指示形容詞がある。これは、「idem」(同じ)と「ipse」(自身)である。ドイツ語に訳せば、それぞれ「derselbe」と「selbst」になり、要するに同一性を表すのだと分かる。idemについては、三人称の人称代名詞にdemをつけたような格変化をする。ipseについては、二人称・三人称の指示代名詞の格変化の型と同じである。 {| border="1" cellspacing="0" cellpadding="5" |- bgcolor="#CCCCCC" align="center" | bgcolor="#999999" colspan="2"|人称 (persona) | colspan="3"|指示代名詞 | colspan="3"|指示形容詞 |- bgcolor="#CCCCCC" align="center" | bgcolor="#999999" colspan="2"|性 (genus) |男性 |女性 |中性 |男性 |女性 |中性 |- | bgcolor="#999999" rowspan="5"|単数 (singularis) | bgcolor="#CCCCCC"|主格 (nominativus) |'''idem''' |'''eadem''' |'''idem''' |'''ipse''' |'''ipsa''' |'''ipsum''' |- | bgcolor="#CCCCCC"|属格 (genitivus) |'''eiusdem''' |'''eiusdem''' |'''eiusdem''' |'''ipsius''' |'''ipsius''' |'''ipsius''' |- | bgcolor="#CCCCCC"|与格 (dativus) |'''eidem''' |'''eidem''' |'''eidem''' |'''ipsi''' |'''ipsi''' |'''ipsi''' |- | bgcolor="#CCCCCC"|対格 (accusativus) |'''eundem''' |'''eandem''' |'''idem''' |'''ipsum''' |'''ipsam''' |'''ipsum''' |- | bgcolor="#CCCCCC"|奪格 (ablativus) |'''eodem''' |'''eadem''' |'''eodem''' |'''ipso''' |'''ipsa''' |'''ipso''' |- | bgcolor="#999999" rowspan="5"|複数 (pluralis) | bgcolor="#CCCCCC"|主格 (nominativus) |'''iidem (eidem)''' |'''eaedem''' |'''eadem''' |'''ipsi''' |'''ipsae''' |'''ipsa''' |- | bgcolor="#CCCCCC"|属格 (genitivus) |'''eorundem''' |'''earundem''' |'''eorundem''' |'''ipsorum''' |'''ipsarum''' |'''ipsorum''' |- | bgcolor="#CCCCCC"|与格 (dativus) |'''iisdem (eisdem)''' |'''iisdem (eisdem)''' |'''iisdem (eisdem)''' |'''ipsis''' |'''ipsis''' |'''ipsis''' |- | bgcolor="#CCCCCC"|対格 (accusativus) |'''eosdem''' |'''easdem''' |'''eadem''' |'''ipsos''' |'''ipsas''' |'''ipsa''' |- | bgcolor="#CCCCCC"|奪格 (ablativus) |'''iisdem (eisdem)''' |'''iisdem (eisdem)''' |'''iisdem (eisdem)''' |'''ipsis''' |'''ipsis''' |'''ipsis''' |} ==== 関係代名詞・疑問形容詞・疑問代名詞の格変化 ==== 関係代名詞・疑問形容詞・疑問代名詞は、互いに格変化が似ている。まず、関係代名詞と疑問形容詞の格変化は全く一緒である。次に、この二つと疑問代名詞であるが、男性については単数主格が、女性については単数主格・単数対格・単数奪格が異なるが、その他は一緒である。 {| border="1" cellspacing="0" cellpadding="5" |- bgcolor="#CCCCCC" align="center" | bgcolor="#999999" colspan="2"|数・格\性 |男性 |女性 |中性 |- | bgcolor="#999999" rowspan="5"|単数 (singularis) | bgcolor="#CCCCCC"|主格 (nominativus) |'''qui / quis''' |'''quae / quis''' |'''quod / quid''' |- | bgcolor="#CCCCCC"|属格 (genitivus) |'''cuius''' |'''cuius''' |'''cuius''' |- | bgcolor="#CCCCCC"|与格 (dativus) |'''cui''' |'''cui''' |'''cui''' |- | bgcolor="#CCCCCC"|対格 (accusativus) |'''quem''' |'''quam / quem''' |'''quod / quid''' |- | bgcolor="#CCCCCC"|奪格 (ablativus) |'''quo''' |'''qua / quo''' |'''quo''' |- | bgcolor="#999999" rowspan="5"|複数 (pluralis) | bgcolor="#CCCCCC"|主格 (nominativus) |'''qui''' |'''quae''' |'''quae''' |- | bgcolor="#CCCCCC"|属格 (genitivus) |'''quorum''' |'''quarum''' |'''quorum''' |- | bgcolor="#CCCCCC"|与格 (dativus) |'''quibus''' |'''quibus''' |'''quibus''' |- | bgcolor="#CCCCCC"|>対格 (accusativus) |'''quos''' |'''quas''' |'''quae''' |- | bgcolor="#CCCCCC"|奪格 (ablativus) |'''quibus''' |'''quibus''' |'''quibus''' |} ; 男性 : 単数主格は、関係代名詞と疑問形容詞でqui、疑問代名詞でquisとなる。 ; 女性 : 単数主格は、関係代名詞と疑問形容詞でquae、疑問代名詞でquisとなる。単数対格は、関係代名詞と疑問形容詞でquam、疑問代名詞でquemとなる。単数奪格は、関係代名詞と疑問形容詞でqua、疑問代名詞でquoとなる。 ; 中性 : 単数主格・単数対格は、関係代名詞と疑問形容詞でquod、疑問代名詞でquidとなる。 ==== 関係代名詞の格変化 ==== ==== 不定代名詞の格変化 ==== [[ラテン語の文法2|2ページ]] [[Category:ラテン語|らてんこのふんほう]]
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2015-02-25T13:30:23Z
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ラテン語の文法2
このページはラテン語の文法の続きです。 不定形が-areという語尾をとる動詞は、第一活用という型の規則的な変化をする。ここでは、「愛する」という意味のamo, amavi, amatum, amareを使って、活用語尾の具体例を示す。 表に示したのは男性である。女性・中性については、次のような異同がある。 表に示したのは男性である。女性の場合、-atus (amatus)は-ata (amata)に、-ati (amati)は-atae (amatae)に、又、中性の場合、-atus (amatus)は-atum (amatum)に、-ati (amati)は-ata (amata)になる。 未完了時制と、その完了である過去完了時制においては、命令法を全く欠いている。おそらく、過ぎ去ったことに命令しても無意味だからであろう。 表に示したのは男性である。女性の場合、-atus (amatus)は-ata (amata)に、-ati (amati)は-atae (amatae)に、又、中性の場合、-atus (amatus)は-atum (amatum)に、-ati (amati)は-ata (amata)になる。 未来時制と、その完了である前未来時制では、接続法を全く欠いている。これは、そもそも接続法という叙法が「想定されたことがら」を話すための叙法であるため、わざわざ重ねて未来時制を用いる必要がないからであろう。 表に示したのは男性である。女性の場合、-atus (amatus)は-ata (amata)に、-ati (amati)は-atae (amatae)に、又、中性の場合、-atus (amatus)は-atum (amatum)に、-ati (amati)は-ata (amata)になる。 ラテン語の前置詞は、ドイツ語(「meiner Meinung nach」など)とは異なり、後置されることはない。 しかし、前置詞の後に来る名詞の格を限定(支配)する。たとえば、ex(~の外へ)という前置詞の後に来る名詞は奪格でなければならない。主な前置詞としては、 奪格支配 対格支配 inについては、対格支配の場合は「~の中へ」と、外から中への動的な動きを表す(英語のintoに近い)のに対して、奪格支配の場合は、英語のinに近く単に中にいることだけをあらわす。このような前置詞としては、他にsub(対格では~の下へ、奪格では~の下で)があげられる。 現在の英単語の接頭語としてよく見かけるものが多いが、これは、ラテン語の単語に、前置詞を単語の一部に使った複合語も多いからである。 ラテン語の接続詞は、性・数・格・人称・時制などのいずれによっても変化しないので覚えやすい。sed(だが~)、autem(一方~)、などがある。 1ページ目
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このページは[[ラテン語の文法]]の続きです。 ==活用 (coniugatio)== ===第一活用=== 不定形が-areという語尾をとる動詞は、第一活用という型の規則的な変化をする。ここでは、「愛する」という意味のamo, amavi, amatum, amareを使って、活用語尾の具体例を示す。 ====不定詞 (infinitivus) ・分詞 (participium)==== {| border="1" cellspacing="0" cellpadding="5" |- bgcolor="#CCCCCC" align="center" | bgcolor="#999999"|態\時制 |現在 (praesens) |完了 (perfectum) |未完了 |過去完了 |未来 (futurum) |前未来 |- | bgcolor="#CCCCCC"|能動態 (activa) 不定詞 |'''-āre''' (amāre) |'''-āvisse / -āsse''' (amāvisse / amāsse) | - | - |'''-ātum esse''' (amātum esse) | - |- | bgcolor="#CCCCCC"|受動態 (passiva) 不定詞 |'''-āri''' (amari) |'''-ātum esse''' (amatum esse) | - | - |'''-ātum iri''' (amātum iri) | - |- | bgcolor="#CCCCCC"|能動態 (activa) 分詞 |'''-ans''' (amans) | - | - | - |'''-antūrus''' (amantūrus) | - |- | bgcolor="#CCCCCC"|受動態 (passiva) 分詞 | - |'''-antus''' (amantus) | - | - |'''-andus''' (amandus) | - |} 表に示したのは男性である。女性・中性については、次のような異同がある。 ;女性 :不定詞において、'''-atum''' (amatum)は'''-atam''' (amatam)になる。 :分詞においては、'''-anturus''' (amanturus)は'''-antura''' (amantura)に、'''-antus''' (amantus)は'''-a''' (amanta)に、'''-andus''' (amandus)は'''-anda''' (amanda)になる。 ;中性 :不定詞では、男性と同じ形をとる。 :分詞においては、'''-anturus''' (amanturus)は'''-anturum''' (amanturum)に、'''-antus''' (amantus)は'''-antum''' (amantum)に、'''-andus''' (amandus)は'''-andum''' (amandum)になる。 ====現在 (praesens) ・完了 (perfectum)==== {| border="1" cellspacing="0" cellpadding="5" |- bgcolor="#CCCCCC" align="center" | bgcolor="#999999"|態 (vox) | colspan="6"|能動態 (activa) |- bgcolor="#CCCCCC" align="center" | bgcolor="#999999"|時制 (tempus) | colspan="3"|現在 (praesens) | colspan="3"|完了 (perfectum) |- bgcolor="#CCCCCC" align="center" | bgcolor="#999999"|叙法 (modus) |直説法 (indicativus) |接続法 (subiunctivus) |命令法 (imperativus) |直説法 (indicativus) |接続法 (subiunctivus) |命令法 (imperativus) |- | bgcolor="#CCCCCC"|1人称単数 (ego) |'''-ō''' (amo) |'''-em''' (amem) | - |'''-āvī''' (amāvī) |'''-averim''' (amaverim) | - |- | bgcolor="#CCCCCC"|2人称単数 (tu) |'''-as''' (amās) |'''-es''' (ames) |'''-a''' (ama) |'''-avisti''' (amavisti) |'''-averis''' (amaveris) | - |- | bgcolor="#CCCCCC"|3人称単数 (is/ea/id) |'''-at''' (amat) |'''-et''' (amet) | - |'''-avit''' (amāvit) |'''-averit''' (amavit) | - |- | bgcolor="#CCCCCC"|1人称複数 (nos) |'''-amus''' (amāmus) |'''-emus''' (amemus) | - |'''-avimus''' (amavimus) |'''-averimus''' (amaverimus) | - |- | bgcolor="#CCCCCC"|2人称複数 (vos) |'''-atis''' (amātis) |'''-etis''' (ametis) |'''-ate''' (amāte) |'''-avistis''' (amāvistis) |'''-averitis''' (amāveritis) | - |- | bgcolor="#CCCCCC"|3人称複数 (ii (ei)/eae/ea) |'''-ant''' (amant) |'''-ent''' (ament) | - |'''-averunt''' (amāverunt) |'''-averint''' (amāverint) | - |} {| border="1" cellspacing="0" cellpadding="5" |- bgcolor="#CCCCCC" align="center" | bgcolor="#999999"|態 (vox) | colspan="6"|受動態 (passiva) |- bgcolor="#CCCCCC" align="center" | bgcolor="#999999"|時制 (tempus) | colspan="3"|現在 (praesens) | colspan="3"|完了 (perfectum) |- bgcolor="#CCCCCC" align="center" | bgcolor="#999999"|叙法 (modus) |直説法 (indicativus) |接続法 (subiunctivus) |命令法 (imperativus) |直説法 (indicativus) |接続法 (subiunctivus) |命令法 (imperativus) |- | bgcolor="#CCCCCC"|1人称単数 (ego) |'''-or''' (amor) |'''-er''' (amer) | - |'''-ātus sum''' (amātus sum) |'''-ātus sim''' (amātus sim) | - |- | bgcolor="#CCCCCC"|2人称単数 (tu) |'''-āris''' (amaris) |'''-eris''' (ameris) |'''-āre''' (amare) |'''-ātus es''' (amātus es) |'''-ātus sis''' (amātus sis) | - |- | bgcolor="#CCCCCC"|3人称単数 (is/ea/id) |'''-ātur''' (amātur) |'''-etur''' (ametur) | - |'''-ātus est''' (amātus est) |'''-atus sit''' (amatus sit) | - |- | bgcolor="#CCCCCC"|1人称複数 (nos) |'''-āmur''' (amāmur) |'''-emur''' (amemur) | - |'''-āti sumus''' (amāti sumus) |'''-āti simus''' (amāti simus) | - |- | bgcolor="#CCCCCC"|2人称複数 (vos) |'''-āmini''' (amāmini) |'''-emini''' (amemini) |'''-āmini''' (amāmini) |'''-āti estis''' (amāti estis) |'''-āti sitis''' (amāti sitis) | - |- | bgcolor="#CCCCCC"|3人称複数 (ii (ei)/eae/ea) |'''-antur''' (amantur) |'''-entur''' (amentur) | - |'''-ati sunt''' (amāti sunt) |'''-ati sint''' (amati sint) | - |} 表に示したのは男性である。女性の場合、'''-atus''' (amatus)は'''-ata''' (amata)に、'''-ati''' (amati)は'''-atae''' (amatae)に、又、中性の場合、'''-atus''' (amatus)は'''-atum''' (amatum)に、'''-ati''' (amati)は'''-ata''' (amata)になる。 ====未完了 (imperfectum) ・過去完了 (plusquamperfectum)==== 未完了時制と、その完了である過去完了時制においては、命令法を全く欠いている。おそらく、過ぎ去ったことに命令しても無意味だからであろう。 {| border="1" cellspacing="0" cellpadding="5" |- bgcolor="#CCCCCC" align="center" | bgcolor="#999999"|態 (vox) | colspan="6"|能動態 (activa) |- bgcolor="#CCCCCC" align="center" | bgcolor="#999999"|時制 (tempus) | colspan="3"|未完了 (imperfectum) | colspan="3"|過去完了 (plusquamperfectum) |- bgcolor="#CCCCCC" align="center" | bgcolor="#999999"|叙法 (modus) |直説法 (indicativus) |接続法 (subiunctivus) |命令法 (imperativus) |直説法 (indicativus) |接続法 (subiunctivus) |命令法 (imperativus) |- | bgcolor="#CCCCCC"|1人称単数 (ego) |'''-abam''' (amabam) |'''-arem''' (amarem) | - |'''-averam''' (amaveram) |'''-avissem''' (amavissem) | - |- | bgcolor="#CCCCCC"|2人称単数 (tu) |'''-abas''' (amabas) |'''-ares''' (amares) | - |'''-averas''' (amaveras) |'''-avisses''' (amavisses) | - |- | bgcolor="#CCCCCC"|3人称単数 (is/ea/id) |'''-abat''' (amabat) |'''-aret''' (amaret) | - |'''-averat''' (amaverat) |'''-avisset''' (amavisset) | - |- | bgcolor="#CCCCCC"|1人称複数 (nos) |'''-abamus''' (amabamus) |'''-aremus''' (amaremus) | - |'''-averamus''' (amaveramus) |'''-avissemus''' (amavissemus) | - |- | bgcolor="#CCCCCC"|2人称複数 (vos) |'''-abatis''' (amabatis) |'''-aretis''' (amaretis) | - |'''-averatis''' (amaveratis) |'''-avissetis''' (amavissetis) | - |- | bgcolor="#CCCCCC"|3人称複数 (ii(ei)/eae/ea) |'''-abant''' (amabant) |'''-arent''' (amarent) | - |'''-averant''' (amaverant) |'''-avissent''' (amavissent) | - |} {| border="1" cellspacing="0" cellpadding="5" |- bgcolor="#CCCCCC" align="center" | bgcolor="#999999"|態 (vox) | colspan="6"|受動態 (passiva) |- bgcolor="#CCCCCC" align="center" | bgcolor="#999999"|時制 (tempus) | colspan="3"|未完了 (imperfectum) | colspan="3"|過去完了 (plusquamperfectum) |- bgcolor="#CCCCCC" align="center" | bgcolor="#999999"|叙法 (modus) |直説法 (indicativus) |接続法 (subiunctivus) |命令法 (imperativus) |直説法 (indicativus) |接続法 (subiunctivus) |命令法 (imperativus) |- | bgcolor="#CCCCCC"|1人称単数 (ego) |'''-abar''' (amabar) |'''-arer''' (amarer) | - |'''-atus eram''' (amatus eram) |'''-atus essem''' (amatus essem) | - |- | bgcolor="#CCCCCC"|2人称単数 (tu) |'''-abaris''' (amabaris) |'''-areris''' (amareris) | - |'''-atus eras''' (amatus eras) |'''-atus esses''' (amatus esses) | - |- | bgcolor="#CCCCCC"|3人称単数 (is/ea/id) |'''-abatur''' (amabatur) |'''-aretur''' (amaretur) | - |'''-atus erat''' (amatus erat) |'''-atus esset''' (amatus esset) | - |- | bgcolor="#CCCCCC"|1人称複数 (nos) |'''-abamur''' (amabamur) |'''-aremur''' (amaremur) | - |'''-ati eramus''' (amati eramus) |'''-ati essemus''' (amati essemus) | - |- | bgcolor="#CCCCCC"|2人称複数 (vos) |'''-abamini''' (amabamini) |'''-aremini''' (amaremini) | - |'''-ati eratis''' (amati eratis) |'''-ati essetis''' (amati essetis) | - |- | bgcolor="#CCCCCC"|3人称複数 (ii (ei)/eae/ea) |'''-abantur''' (amabantur) |'''-arentur''' (amarentur) | - |'''-ati erant''' (amati erant) |'''-ati essent''' (amati essent) | - |} 表に示したのは男性である。女性の場合、'''-atus''' (amatus)は'''-ata''' (amata)に、'''-ati''' (amati)は'''-atae''' (amatae)に、又、中性の場合、'''-atus''' (amatus)は'''-atum''' (amatum)に、'''-ati''' (amati)は'''-ata''' (amata)になる。 ====未来 (futurum) ・前未来 (futurum praeteritum)==== 未来時制と、その完了である前未来時制では、接続法を全く欠いている。これは、そもそも接続法という叙法が「想定されたことがら」を話すための叙法であるため、わざわざ重ねて未来時制を用いる必要がないからであろう。 {| border="1" cellspacing="0" cellpadding="5" |- bgcolor="#CCCCCC" align="center" | bgcolor="#999999"|態 (vox) | colspan="6"|能動態 (activa) |- bgcolor="#CCCCCC" align="center" | bgcolor="#999999"|時制 (tempus) | colspan="3"|未来 (futurum) | colspan="3"|前未来 (futurum praeteritum) |- bgcolor="#CCCCCC" align="center" | bgcolor="#999999"|叙法 (modus) |直説法 (indicativus) |接続法 (subiunctivus) |命令法 (imperativus) |直説法 (indicativus) |接続法 (subiunctivus) |命令法 (imperativus) |- | bgcolor="#CCCCCC"|1人称単数 (ego) |'''-abo''' (amabo) | - | - |'''-avero''' (amavero) | - | - |- | bgcolor="#CCCCCC"|2人称単数 (tu) |'''-abis''' (amabis) | - |'''-ato''' (amato) |'''-averis''' (amaveris) | - | - |- | bgcolor="#CCCCCC"|3人称単数 (is/ea/id) |'''-abit''' (amabit) | - |'''-ato''' (amato) |'''-averit''' (amaverit) | - | - |- | bgcolor="#CCCCCC"|1人称複数 (nos) |'''-abimus''' (amabimus) | - | - |'''-averimus''' (amaverimus) | - | - |- | bgcolor="#CCCCCC"|2人称複数 (vos) |'''-abitis''' (amabitis) | - |'''-atote''' (amatote) |'''-averitis''' (amaveritis) | - | - |- | bgcolor="#CCCCCC"|3人称複数 (ii (ei)/eae/ea) |'''-abunt''' (amabunt) | - |'''-anto''' (amanto) |'''-averint''' (amaverint) | - | - |} {| border="1" cellspacing="0" cellpadding="5" |- bgcolor="#CCCCCC" align="center" | bgcolor="#999999"|態 (vox) | colspan="6"|受動態 (passiva) |- bgcolor="#CCCCCC" align="center" | bgcolor="#999999"|時制 (tempus) | colspan="3"|未来 (futurum) | colspan="3"|前未来 (futurum praeteritum) |- bgcolor="#CCCCCC" align="center" | bgcolor="#999999"|叙法 (modus) |直説法 (indicativus) |接続法 (subiunctivus) |命令法 (imperativus) |直説法 (indicativus) |接続法 (subiunctivus) |命令法 (imperativus) |- | bgcolor="#CCCCCC"|1人称単数 (ego) |'''-abor''' (amabor) | - | - |'''-atus ero''' (amatus ero) | - | - |- | bgcolor="#CCCCCC"|2人称単数 (tu) |'''-aberis''' (amaberis) | - |'''-ator''' (amator) |'''-atus eris''' (amatus eris) | - | - |- | bgcolor="#CCCCCC"|3人称単数 (is/ea/id) |'''-abitur''' (amabitur) | - |'''-ator''' (amator) |'''-atus erit''' (amatus erit) | - | - |- | bgcolor="#CCCCCC"|1人称複数 (nos) |'''-abimur''' (amabimur) | - | - |'''-ati erimus''' (amati erimus) | - | - |- | bgcolor="#CCCCCC"|2人称複数 (vos) |'''-abimini''' (amabimini) | - | - |''-ati eritis''' (amati eritis) | - | - |- | bgcolor="#CCCCCC"|3人称複数 (ii (ei)/eae/ea) |'''-abuntur''' (amabuntur) | - |'''-antor''' (amantor) |'''-ati erunt''' (amati erunt) | - | - |} 表に示したのは男性である。女性の場合、'''-atus''' (amatus)は'''-ata''' (amata)に、'''-ati''' (amati)は'''-atae''' (amatae)に、又、中性の場合、'''-atus''' (amatus)は'''-atum''' (amatum)に、'''-ati''' (amati)は'''-ata''' (amata)になる。 ==前置詞== ラテン語の前置詞は、ドイツ語(「meiner Meinung '''nach'''」など)とは異なり、後置されることはない。 しかし、[[前置詞]]の後に来る名詞の[[格]]を限定(支配)する。たとえば、''ex''(~の外へ)という前置詞の後に来る[[名詞]]は[[奪格]]でなければならない。主な前置詞としては、 ''奪格支配'' {| |- |&#257; |~から |- |cum |~とともに |- |d&#275; |~について |- |ex,&#275;(子音の前のみ) |~から外へ |- |in |~の中で |- |sine |~なしで |} ''[[対格]]支配'' {| |- |ad |~へ |- |per |~を通って |- |in |~の中へ |- |tr&#257;ns |~を通って |} inについては、対格支配の場合は「~の中へ」と、外から中への動的な動きを表す(英語のintoに近い)のに対して、奪格支配の場合は、英語のinに近く単に中にいることだけをあらわす。このような前置詞としては、他にsub(対格では~の下へ、奪格では~の下で)があげられる。 現在の英単語の[[接頭語]]としてよく見かけるものが多いが、これは、ラテン語の単語に、前置詞を単語の一部に使った[[複合語]]も多いからである。 ==接続詞== ラテン語の[[接続詞]]は、[[性 (文法)|性]]・[[数 (文法)|数]]・[[格]]・[[人称]]・[[時制]]などのいずれによっても変化しないので覚えやすい。sed(だが~)、autem(一方~)、などがある。 [[ラテン語の文法|1ページ目]] [[Category:ラテン語|らてんこのふんほう]] [[カテゴリ:文法]]
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2022-11-26T04:36:43Z
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中学校国語 漢文
中学校の教科書の漢文では、一年生では故事成語(こじせいご)を習い、二年生以降杜甫(とほ)、李白(りはく)、孟浩然、王維(おうい)などの唐代の盛唐四大家の詩と論語(ろんご)を学ぶ。 学習内容は、レ点(れてん)や一二点(いちにてん)、漢詩(絶句、律句などの形式)である。 白文(はくぶん)は、この後紹介する返り点や送り仮名を書いていない、漢文の元の文章をそのまま書き表したものである。 訓読文(くんどくぶん)は、白文に日本語として読みやすいように返り点や送り仮名をつけた文である。 書き下し文(かきくだしぶん)は、訓読文についている返り点や読み仮名を反映した、日本語として成立した文である。 レ点(れてん)とは、上の語と下の語を入れ替えて読む記号である。漢字と漢字の間の左に書く。 例えば、 は、「別れを恨みては鳥にも心を驚かす」となる。 一二点は、二点が上にあり、一点が下にある。 読み方は、二点のすぐ上の語を最後に読み、先に二点のすぐしたにある語から一点になるまで下に読み続ける。 例えば、 は、「烽火三月に連なり」となる。 今度はこれらを組み合わせたものを見てみよう。 この場合、レ点が連続していることがわかる。このときは二つ目のレ点の下・真ん中・一番上とよむ。したがって「その人応(こた)ふる能(あた)はざるなり」と書く。 今度は一点とレ点が組み合わさっている。このときはレ点を優先して「之(これ)」から読み、続いて「問」を読むようにする。他は基本に従って読む。そうすると「子路(人名)をして之に問はしむ」と読む。 漢文を書き下し文にして読むときに使用しない字がある。これを置き字(おきじ)という。中学校では「而」「於」ぐらいしかないので覚えてしまいたい。ただし、ひらがなで読みがなが書かれているときには書き下し文に書いて読む。 詩の形式は、律詩、絶句と五言、七言を組み合わせた四つがある。 律詩は、首聯(一・二句目)・がん聯(三・四句目)・頸聯(五・六句目)・尾聯(七・八句目)からできている。 そのうち、がん聯と頸聯は対句とし、レ点や一二点の位置を句内で対称にする。 絶句は、起句(一句目)・承句(二句目)・転句(三句目)・結句(四句目)からなる。 五言は、一句の文字数が五つである。また、七言は、文字数が七つである。 押韻は、同音の句が韻を踏んでいることである。 五言の場合は、偶数句末。七言は、初句末と偶数句末である。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "中学校の教科書の漢文では、一年生では故事成語(こじせいご)を習い、二年生以降杜甫(とほ)、李白(りはく)、孟浩然、王維(おうい)などの唐代の盛唐四大家の詩と論語(ろんご)を学ぶ。 学習内容は、レ点(れてん)や一二点(いちにてん)、漢詩(絶句、律句などの形式)である。", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "白文(はくぶん)は、この後紹介する返り点や送り仮名を書いていない、漢文の元の文章をそのまま書き表したものである。", "title": "漢文の種類" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "", "title": "漢文の種類" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "訓読文(くんどくぶん)は、白文に日本語として読みやすいように返り点や送り仮名をつけた文である。", "title": "漢文の種類" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "", "title": "漢文の種類" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "書き下し文(かきくだしぶん)は、訓読文についている返り点や読み仮名を反映した、日本語として成立した文である。", "title": "漢文の種類" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "", "title": "漢文の種類" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "レ点(れてん)とは、上の語と下の語を入れ替えて読む記号である。漢字と漢字の間の左に書く。 例えば、", "title": "返り点" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "", "title": "返り点" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "は、「別れを恨みては鳥にも心を驚かす」となる。", "title": "返り点" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "一二点は、二点が上にあり、一点が下にある。 読み方は、二点のすぐ上の語を最後に読み、先に二点のすぐしたにある語から一点になるまで下に読み続ける。 例えば、", "title": "返り点" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "", "title": "返り点" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "は、「烽火三月に連なり」となる。", "title": "返り点" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "今度はこれらを組み合わせたものを見てみよう。", "title": "返り点" }, { "paragraph_id": 14, "tag": "p", "text": "", "title": "返り点" }, { "paragraph_id": 15, "tag": "p", "text": "この場合、レ点が連続していることがわかる。このときは二つ目のレ点の下・真ん中・一番上とよむ。したがって「その人応(こた)ふる能(あた)はざるなり」と書く。", "title": "返り点" }, { "paragraph_id": 16, "tag": "p", "text": "", "title": "返り点" }, { "paragraph_id": 17, "tag": "p", "text": "今度は一点とレ点が組み合わさっている。このときはレ点を優先して「之(これ)」から読み、続いて「問」を読むようにする。他は基本に従って読む。そうすると「子路(人名)をして之に問はしむ」と読む。", "title": "返り点" }, { "paragraph_id": 18, "tag": "p", "text": "漢文を書き下し文にして読むときに使用しない字がある。これを置き字(おきじ)という。中学校では「而」「於」ぐらいしかないので覚えてしまいたい。ただし、ひらがなで読みがなが書かれているときには書き下し文に書いて読む。", "title": "置き字" }, { "paragraph_id": 19, "tag": "p", "text": "詩の形式は、律詩、絶句と五言、七言を組み合わせた四つがある。", "title": "漢詩の形式" }, { "paragraph_id": 20, "tag": "p", "text": "律詩は、首聯(一・二句目)・がん聯(三・四句目)・頸聯(五・六句目)・尾聯(七・八句目)からできている。 そのうち、がん聯と頸聯は対句とし、レ点や一二点の位置を句内で対称にする。", "title": "漢詩の形式" }, { "paragraph_id": 21, "tag": "p", "text": "絶句は、起句(一句目)・承句(二句目)・転句(三句目)・結句(四句目)からなる。", "title": "漢詩の形式" }, { "paragraph_id": 22, "tag": "p", "text": "五言は、一句の文字数が五つである。また、七言は、文字数が七つである。", "title": "漢詩の形式" }, { "paragraph_id": 23, "tag": "p", "text": "押韻は、同音の句が韻を踏んでいることである。 五言の場合は、偶数句末。七言は、初句末と偶数句末である。", "title": "漢詩の形式" } ]
中学校の教科書の漢文では、一年生では故事成語(こじせいご)を習い、二年生以降杜甫(とほ)、李白(りはく)、孟浩然、王維(おうい)などの唐代の盛唐四大家の詩と論語(ろんご)を学ぶ。 学習内容は、レ点(れてん)や一二点(いちにてん)、漢詩(絶句、律句などの形式)である。
:*[[中学校国語]] > 中学校国語 漢文 中学校の教科書の漢文では、一年生では故事成語(こじせいご)を習い、二年生以降[[杜甫]](とほ)、[[李白]](りはく)、[[孟浩然]]、[[王維]](おうい)などの[[唐]]代の盛唐四大家の詩と[[論語]](ろんご)を学ぶ。 学習内容は、レ点(れてん)や一二点(いちにてん)、漢詩(絶句、律句などの形式)である。 ==漢文の種類== ===白文=== 白文(はくぶん)は、この後紹介する返り点や送り仮名を書いていない、漢文の元の文章をそのまま書き表したものである。 ===訓読文=== 訓読文(くんどくぶん)は、白文に日本語として読みやすいように返り点や送り仮名をつけた文である。 ===書き下し文=== 書き下し文(かきくだしぶん)は、訓読文についている返り点や読み仮名を反映した、日本語として成立した文である。 ==返り点== ===レ点=== レ点(れてん)とは、上の語と下の語を入れ替えて読む記号である。漢字と漢字の間の左に書く。 例えば、 [[画像:Reten.JPG|レ点]] は、「別れを恨みては鳥にも心を驚かす」となる。 ===一二点=== 一二点は、二点が上にあり、一点が下にある。<br> 読み方は、二点のすぐ上の語を最後に読み、先に二点のすぐしたにある語から一点になるまで下に読み続ける。 例えば、 [[画像:Ichiniten.JPG|一二点]] は、「烽火三月に連なり」となる。 ===応用=== 今度はこれらを組み合わせたものを見てみよう。 [[画像:Rereten.JPG]] この場合、レ点が連続していることがわかる。このときは二つ目のレ点の下・真ん中・一番上とよむ。したがって「その人応(こた)ふる能(あた)はざるなり」と書く。 [[画像:Ichireten.JPG]] 今度は一点とレ点が組み合わさっている。このときはレ点を優先して「之(これ)」から読み、続いて「問」を読むようにする。他は基本に従って読む。そうすると「子路(人名)をして之に問はしむ」と読む。 ==置き字== 漢文を書き下し文にして読むときに使用しない字がある。これを置き字(おきじ)という。中学校では「而」「於」ぐらいしかないので覚えてしまいたい。ただし、ひらがなで読みがなが書かれているときには書き下し文に書いて読む。 ==漢詩の形式== 詩の形式は、律詩、絶句と五言、七言を組み合わせた四つがある。 ===律詩=== 律詩は、首聯(一・二句目)・がん聯(三・四句目)・頸聯(五・六句目)・尾聯(七・八句目)からできている。 そのうち、がん聯と頸聯は対句とし、レ点や一二点の位置を句内で対称にする。 ===絶句=== 絶句は、起句(一句目)・承句(二句目)・転句(三句目)・結句(四句目)からなる。 ===五言・七言=== 五言は、一句の文字数が五つである。また、七言は、文字数が七つである。 ===押韻=== 押韻は、同音の句が韻を踏んでいることである。 五言の場合は、偶数句末。七言は、初句末と偶数句末である。 ==主な漢文== *[[論語]] *故事成語 **[[/矛盾|矛盾]] ** [[/守株|守株]] **[[/青は藍より出でて藍よりも青し|青は藍より出でて藍よりも青し]] **[[/温故知新|温故知新]] **[[/五十歩百歩|五十歩百歩]] **[[/その他の故事成語|その他の故事成語]] ==主な漢詩== *[[中学校国語_漢文/絶句|絶句]](杜甫) *[[中学校国語_漢文/春望|春望]](杜甫) *[[黄鶴楼にて、孟浩然の広陵に之くを送る]](李白) *[[中学校国語_漢文/静夜思|静夜思]](李白) *[[中学校国語_漢文/春暁|春眠暁を覚えず]](孟浩然) *[[中学校国語_漢文/元二の安西に使ひするを送る|元二の安西に使ひするを送る]](王維) [[Category:中学校国語|かんふん ]] [[カテゴリ:漢文]]
2006-02-03T05:42:42Z
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中学校国語 古文
中学校の古文は、竹取物語、枕草子、徒然草、平家物語、おくのほそ道 など、日本文学でも代表的なものを学ぶ。 古典は、もともと、句読点やかぎかっこなどはない(白文)。 ただし、教科書では学習用として、すでに出版者側がつけている。 また、古典の場合、動作主が明確にかかれていないことが、多いので、 文脈から読み取ることになる。 文には、歴史的仮名遣いが使われている。 歴史的仮名遣いで書かれた文を読むときの読み方の原則をここでは挙げる。
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中学校国語 > 中学校国語 古文 中学校の古文は、竹取物語、枕草子、徒然草、平家物語、おくのほそ道 など、日本文学でも代表的なものを学ぶ。
*[[中学校国語]] > 中学校国語 古文 ---- 中学校の古文は、竹取物語、枕草子、徒然草、平家物語、おくのほそ道 など、日本文学でも代表的なものを学ぶ。 ==古典の基礎== 古典は、もともと、句読点やかぎかっこなどはない(白文)。 ただし、教科書では学習用として、すでに出版者側がつけている。 また、古典の場合、動作主が明確にかかれていないことが、多いので、 文脈から読み取ることになる。 文には、歴史的仮名遣いが使われている。 ==歴史的仮名遣い== 歴史的仮名遣いで書かれた文を読むときの読み方の原則をここでは挙げる。 *「ゐ、ゑ」(ヰ、ヱ)を「い、え」(イ、エ)と同じように読む。(ただし「ゐ」は、「うぃ」と発音し、「ゑ」は「うぇ」と発音するので、「い」や「え」とまったく同じ読み方とは限らない) *語頭以外の「は、ひ、ふ、へ、ほ」を「わ、い、う、え、お」と同じように読む。 *「あう、あふ、かう、かふ、さう、さふ・・・」などを「おう、こう、そう・・・」と同じように読む。 *「きう、きふ、しう、しふ、ちう、ちふ・・・」などを「きゅう、しゅう、ちゅう・・・」と同じように読む。 *「けう、けふ、せう、せふ、てう、てふ・・・」などを「きょう、しょう、ちょう・・・」と同じように読む。 *「きやう、しやう、ちやう・・・」などを「きょう、しょう、ちょう・・・」と同じように読む。 *「くわ、ぐわ」を「か、が」と同じように読む。 == 作品 == : [[中学校国語 古文/竹取物語]] : [[中学校国語 古文/枕草子]] : [[中学校国語 古文/徒然草]] : [[中学校国語 古文/平家物語]] : [[中学校国語 古文/おくのほそ道]] : [[中学校国語 古文/土佐日記]] [[Category:中学校国語|こふん]]
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2020-03-12T14:00:53Z
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トランプ
ここでは、カードゲームの一種としてのトランプおよびトランプゲームについて解説します。なお、ここで掲載しているルールは一例にすぎず、様々なルールがあります。一部のゲームを除き「公式ルール」は存在しないので、自由にオリジナルルールなどを作ってもよいでしょう。
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ここでは、カードゲームの一種としてのトランプおよびトランプゲームについて解説します。なお、ここで掲載しているルールは一例にすぎず、様々なルールがあります。一部のゲームを除き「公式ルール」は存在しないので、自由にオリジナルルールなどを作ってもよいでしょう。
{{Pathnav|メインページ|ゲーム|frame=1}} ここでは、カードゲームの一種としての[[w:トランプ|トランプ]]およびトランプゲームについて解説します。なお、ここで掲載しているルールは一例にすぎず、様々なルールがあります。一部のゲームを除き「公式ルール」は存在しないので、自由にオリジナルルールなどを作ってもよいでしょう。 == トランプに関する基本知識 == * [[トランプ/基本知識|トランプの基本知識]] == トランプゲーム == [[File:Hand_of_traditional_British_playing_cards.jpg|thumb|right|トランプ]] [[File:Card magic.jpg|thumb|right|トランプでマジックをする様子]] * 1人用 ** [[トランプ/クロンダイク|クロンダイク]] ** [[w:スパイダー (トランプゲーム)|スパイダーソリティア]] ** [[w:フリーセル|フリーセル]] ** [[w:トランプタワー|トランプタワー]] ** [[w:トランプ占い|トランプ占い]] * 2人用 ** [[トランプ/スピード|スピード]] ** [[トランプ/ジンラミー|ジンラミー]] ** [[トランプ/15点|15点]] * 3人以上 ** [[トランプ/ババ抜き|ババ抜き]] ** [[トランプ/七並べ|七並べ]] ** [[トランプ/神経衰弱|神経衰弱]] ** [[トランプ/戦争|戦争]] ** [[トランプ/ページワン|ページワン]] ** [[トランプ/うすのろ|うすのろ]] ** [[トランプ/ダウト|ダウト]] ** [[トランプ/ぶたのしっぽ|ぶたのしっぽ]] ** [[トランプ/たこ焼き|たこ焼き]] ** [[トランプ/アメリカンページワン|アメリカンページワン]] ** [[トランプ/セブンブリッジ|セブンブリッジ]] ** [[トランプ/ハーツ|ハーツ]] ** [[トランプ/ノー・カード|ノー・カード]] ** [[トランプ/フォア・ジャックス|フォア・ジャックス]] ** [[トランプ/29|29]] ** [[トランプ/51|51]] ** [[トランプ/ローリング・ストーン|ローリング・ストーン]] ** [[トランプ/銀行|銀行]] ** [[トランプ/お金|お金]] ** [[トランプ/ホイスト|ホイスト]] ** [[トランプ/大富豪|大富豪]](大貧民) ** [[トランプ/ナポレオン|ナポレオン]] ** [[w:ポーカー|ポーカー]] ** [[トランプ/ブラックジャック|ブラックジャック]] ** [[コントラクトブリッジ]] ** [[トランプ/ニックネーム|ニックネーム]] ** [[トランプ/ウインクキラー|ウインクキラー]] == 関連項目 == * [[w:トランプ|Wikipedia:トランプ]] * [[花札]] * [[麻雀]] {{stub}} {{DEFAULTSORT:とらんふ}} [[Category:ゲーム]] [[Category:カードゲーム]] [[Category:トランプ|*]] [[Category:書庫]]
2006-02-03T06:24:31Z
2023-09-26T11:26:22Z
[ "テンプレート:Pathnav", "テンプレート:Stub" ]
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現代文学
文学>現代文学
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "文学>現代文学", "title": "" } ]
文学>現代文学
[[文学]]>[[現代文学]] ==日本の文学== ===文学史=== * [[昭和時代の文学]] * [[大正時代の文学]] ===作家=== * [[日本文学の作家]] ===題名=== * [[日本文学の題名]] ===各派=== * [[伝統派]] * [[近代派]] * [[プロレタリア文学]] * [[戦後文学]] ==各国の文学== [[Category:文学|けんたいふんかく]] *[[イギリス文学]] *[[フランス文学]] *[[ドイツ文学]] *[[ロシア文学]] *[[アメリカ文学]] *[[中国文学]] *[[朝鮮文学]]
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三島由紀夫
日本文学の作家>三島由紀夫 三島由紀夫は戦後の昭和に活躍した作家である。 こまやかな描写と、日本の思想を取り入れた作風である。
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日本文学の作家>三島由紀夫 三島由紀夫は戦後の昭和に活躍した作家である。
[[日本文学の作家]]>[[三島由紀夫]] [[w:三島由紀夫|三島由紀夫]]は戦後の昭和に活躍した作家である。 == 作風 == こまやかな描写と、日本の思想を取り入れた作風である。 ==代表作== * [[仮面の告白]] * [[金閣寺]] * [[鹿鳴館]] ==思想== * [[楯の会]] [[Category:日本の文学|みしまゆきお]]
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日本文学の題名
現代文学>日本文学の題名
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現代文学>日本文学の題名
[[現代文学]]>[[日本文学の題名]] ==あ~お== * [[アグニの神]] * [[あばばば]] * [[在りし日の歌]] * [[阿部一族]] * [[或る阿呆の一生]] * [[或る女]] * [[芋粥]] * [[牛をつないだ椿の木]] * [[桜桃]] * [[おじいさんのランプ]] ==か~こ== * [[風立ちぬ]] * [[河童]] * [[雁]] * [[草枕]] * [[蜘蛛の糸]] * [[虞美人草]] * [[行人]] * [[銀河鉄道の夜]] * [[こゝろ]] * [[ごんぎつね]] ==さ~そ== * [[山月記]] * [[三四郎]] * [[山椒魚]] * [[散歩生活]] * [[詩と其の伝統]] * [[渋江抽斎]] * [[少女病]] * [[斜陽]] * [[生と歌]] * [[青年]] * [[セロひきのゴーシュ]] * [[仙人]] * [[そこから]] ==た~と== * [[たけくらべ]] * [[堕落論]] * [[地獄変]] * [[月に吠える]] * [[手袋を買いに]] * [[ドグラ・マグラ]] * [[杜子春]] * [[トロッコ]] ==な~の== * [[人間失格]] ==は~ほ== * [[歯車]] * [[走れメロス]] * [[鼻]] * [[花のき村と盗賊たち]] * [[光と風と夢]] * [[蒲団]] * [[坊っちゃん]] ==ま~も== * [[舞姫]] * [[明暗]] * [[名人伝]] * [[門]] ==や~よ== * [[山羊の歌]] ==ら~ろ== * [[羅生門]] * [[李陵]] ==わ~ん== * [[我が生活]] * [[我が輩は猫である]] {{stub}} [[Category:日本の文学|にほんふんかくのたいめい]]
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高等学校英語英語II
英語 > 高等学校英語英語II 『高等学校英語英語II』で学習する単語数は『高等学校英語英語I』での学習内容に加えて更に500単語程度を加えたものとなり、合計で 1,800程度となる。一般に、大学受験で、難関な学校の英語を読み解くには4,000語程度を知っていることが望ましいといわれる。しかし、実際には近年センター試験でリスニングが導入されたことに代表される通り、英語の学習は、単に知識の量を問うよりも、より実践的な場面で言語能力を適用する方面の能力を重視するようになっている。 そのため、けっして単純に単語数だけを増やすのではなく、くわえて覚えた単語の正確な発音や用法を覚えることに力を注ぐことが望ましい。 具体的には、2,000-2,500語程度を使いこなせることを目指すのがよいのではないだろうか。 その程度の語数に対応する単語帳としては、有名なものに、DUO、速読英単語等がある。合わせて用いると効果的だろう。 香港は中国の1都市であるが、中国全土でも特異な位置を占める都市である。香港は1997年にイギリスから中国に返還されたが、その後も 変換前と同じ資本主義を保って統治を行なっている。 一方、中国は世界でも数少ない社会主義の国である。それらの制度の間で生じる軋轢は、特に2003年のものはメディアでも 報じられたが、存在しないように見えても実際のところはよく分からないといった種類のものであり、常に争いの火種となる危険性を含んだものであり、十分な注意を向けていく必要があるものである。 ここでは、香港がイギリスからの返還に到るまでと香港の現在についての文章を読んでいく。 http://en.wikipedia.org/wiki/Hong_Kong The Hong Kong Special Administrative Region of the People's Republic of China is a Special Administrative Region of the People's Republic of China (PRC). 中華人民共和国の香港特別行政区は、中華人民共和国の特別行政区である。 special は '特別な' という意味の形容詞である。administrative は、 動詞 administer '統治する' から来た形容詞で、'行政の'という意味である。region は '地域' という意味の名詞である。 republicは、'共和国'という意味の名詞だが、the People's Republic of China で、中華人民共和国のことである。PRCは、この文章中では中華人民共和国を指している。 It is located on the southeastern coast of China. 香港は中国南東の海岸に位置している。 locate は、'〜にある'という意味の動詞である。 coast は、'海岸'という意味の名詞である。 Hong Kong (香港, also known as Hongkong, which was common in older English-language texts, or Xiānggǎng, in Pinyin) has one of the world's most liberal economies and is a major international centre of finance and trade. Hong Kong (香港、Hongkong の名でも知られているが、これは古い英語のテキストで多く、またピンインでは Xiānggǎng と書かれる)は、世界で最も自由な経済を持っており、国際的な金融と貿易の主要な中心である。 common は、 '普通の' という意味の形容詞である。 Pinyin は、 'ピンイン' の事で、中国語発音の表記法のことである。 one of '複数形' は、'〜のうちの1つ'という意味である。 liberal は、 '自由な' という意味の形容詞である。economyは、 '経済' という意味の名詞である。major は、 '主要な' という意味の形容詞である。 international は '国際的な' という意味の形容詞である。 centre は、center と同じ意味で'中心'という意味である。 finance は、 '金融' という意味の名詞である。tradeは、 '貿易' という意味の名詞である。
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英語 > 高等学校英語英語II
<small> [[英語]] > 高等学校英語英語II </small> ---- == はじめに == 『高等学校英語英語II』で学習する単語数は『高等学校英語英語I』での学習内容に加えて更に500単語程度を加えたものとなり、合計で 1,800程度となる。一般に、大学受験で、難関な学校の英語を読み解くには4,000語程度を知っていることが望ましいといわれる。しかし、実際には近年センター試験でリスニングが導入されたことに代表される通り、英語の学習は、単に知識の量を問うよりも、より実践的な場面で言語能力を適用する方面の能力を重視するようになっている。 そのため、けっして単純に単語数だけを増やすのではなく、くわえて覚えた単語の正確な発音や用法を覚えることに力を注ぐことが望ましい。 具体的には、2,000-2,500語程度を使いこなせることを目指すのがよいのではないだろうか。 その程度の語数に対応する単語帳としては、有名なものに、DUO、[[w:速読英単語|速読英単語]]等がある。合わせて用いると効果的だろう。 == 読解演習 == === 香港 === 香港は中国の1都市であるが、中国全土でも特異な位置を占める都市である。香港は1997年にイギリスから中国に返還されたが、その後も 変換前と同じ資本主義を保って統治を行なっている。 一方、中国は世界でも数少ない社会主義の国である。それらの制度の間で生じる軋轢は、特に2003年のものはメディアでも 報じられたが、存在しないように見えても実際のところはよく分からないといった種類のものであり、常に争いの火種となる危険性を含んだものであり、十分な注意を向けていく必要があるものである。 ここでは、香港がイギリスからの返還に到るまでと香港の現在についての文章を読んでいく。 * 出典 http://en.wikipedia.org/wiki/Hong_Kong * 本文 The Hong Kong Special Administrative Region of the People's Republic of China <!--(Traditional Chinese: 中華人民共和國香港特別行政區; Simplified Chinese: 中华人民共和国香港特别行政区 pronunciation),--> is a Special Administrative Region of the People's Republic of China (PRC). 中華人民共和国の香港特別行政区は、中華人民共和国の特別行政区である。 special は '特別な' という意味の形容詞である。administrative は、 動詞 administer '統治する' から来た形容詞で、'行政の'という意味である。region は '地域' という意味の名詞である。 republicは、'共和国'という意味の名詞だが、the People's Republic of China で、中華人民共和国のことである。PRCは、この文章中では中華人民共和国を指している。 It is located on the southeastern coast of China. 香港は中国南東の海岸に位置している。 locate は、'〜にある'という意味の動詞である。 coast は、'海岸'という意味の名詞である。 Hong Kong (香港, also known as Hongkong, which was common in older English-language texts, or Xiānggǎng, in Pinyin) has one of the world's most liberal economies and is a major international centre of finance and trade. Hong Kong (香港、Hongkong の名でも知られているが、これは古い英語のテキストで多く、またピンインでは Xiānggǎng と書かれる)は、世界で最も自由な経済を持っており、国際的な金融と貿易の主要な中心である。 common は、 '普通の' という意味の形容詞である。 Pinyin は、 '[[w:ピンイン|ピンイン]]' の事で、中国語発音の表記法のことである。 one of '複数形' は、'〜のうちの1つ'という意味である。 liberal は、 '自由な' という意味の形容詞である。economyは、 '経済' という意味の名詞である。major は、 '主要な' という意味の形容詞である。 international は '国際的な' という意味の形容詞である。 centre は、center と同じ意味で'中心'という意味である。 finance は、 '金融' という意味の名詞である。tradeは、 '貿易' という意味の名詞である。 [[Category:英語|高えいこ2]] [[Category:高等学校教育|えいこ2]]
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ラテン語
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